May 14, 2018

世界アパレル専門店売上ランキング2017 トップ10

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 世界の大手アパレル専門店各社の2017年度の売上高や利益などをまとめる機会ができましたので、毎年恒例になりました売上高のランキングTOP10を共有させていただきます。

 円建て比較にあたり、為替レートは2018年1月末の €=135円、スウェーデンクローナ=13.8円、US$=108.8円、英国£=153.9円で換算しています。
 
 尚、7位のC&Aのみ2017年決算が入手できませんでしたので Deloitte Global Powers of Retailing2018と2017を参考にした2016年度の売上高を表示しています。

順位 社名 本社;決算期 売上高 前年増減 営業利益 営業利益率 期末店舗数 基幹業態
1位 インディテックス (西;2018.1期) 3兆4203億円 8.7% 5823億円 17.0% 7475 ZARA
2位 H&M (瑞;2017.11期) 2兆7600億円 4.0% 2838億円 10.3% 4739 H&M
3位 ファーストリテイリング (日;2017.8期) 1兆8619億円 4.2% 1764億円 9.5% 3294 UNIQLO
4位 GAP (米;2018.1期) 1兆7248億円 2.2% 1609億円 9.3% 3594 OLD NAVY
5位 Lブランズ (米;2018.1期) 1兆3742億円 0.5% 1879億円 13.7% 3075 Victoria's Secret
6位 プライマーク (愛;2017.9期) 1兆0854億円 18.6% 1131億円 10.4% 345 Primark
7位 C&A ヨーロッパ (独;2017.2期) 8390億円 -3.1% 非公開 非公開 1575 C&A
8位 アセナリテール (米;2017.7期) 7234億円 -4.9% -142億円 赤字 4807 Ann Taylor Justice
9位 ネクスト (英;2018.1期) 6241億円 -1.0% 1169億円 18.7% 528 NEXT
10位 しまむら (日;2018.2期) 5651億円 -0.1% 428億円 7.6% 2145 しまむら
                                        備考-米TJMaxx、Ross のオフプライスストア2社は、売上規模でトップ10に入る規模ですが、メーカーや専門店が放出した過剰在庫を販売する二次流通マーケットのため除外しました。また、中国で拡大を続け、売上規模では9位あたりに位置すると目されるE.LandWorld(韓国)は売上規模以外の実態が掴めないため除外しました。

以下 ランキングに対する解説です。

 1位のインディテックスグループは9%増収、7%営業増益、と着実な増収増益。ローカル通貨ベースでの伸び率は10%の増収12%の増益だったようです。(以下利益は営業利益を指します)。

 進出国を1か国増やし94か国とし、グローバル展開を続けながら、この1年は特に香港、トルコ、メキシコに数多く出店したようです。

 一方、スペイン、中国はスクラップ&ビルドを進めているようです。

 また、ここ数年、ZARAが過去において手薄だったアメリカへの出店を強めているのも気になります。(ここ4年で87店舗へ倍増しました)

 初めて明かしたオンライン売上構成比は10%(展開国では12%)、前年比は41%増、既存店売上高もトップ10企業の中でダントツの5%増でした。

 2位のH&Mは4%の増収、14%の減益に終わりました。

 H&Mの減益は2年連続、営業利益率も10%の水準にまで落ちています。

 同社は同期も中国、アメリカへ集中して388店舗も出店をしましたが、

 店舗数を増やしたほど売上は伸びず、

 トップ10企業の他社は既存店のスクラップ&ビルドを行って店舗の純増数は鈍化しているにも変わらず、積極出店が裏目に出たようです。

 後述するプライマークの躍進やイギリスのウルトラファストファッション系ECサイト達にシェアを奪われているようです。デジタル戦略への遅れが業績に表われていることはH&MのCEO自身も認めています。

 3位はファーストリテイリング。4%増収も38%増益、営業利益率9.5%と復調しました。

 国内ユニクロ事業の回復、海外ユニクロ事業の好調が要因で、営業利益率も国内11.8%に対して海外10.3%と海外も相当稼ぐ力がついて来ましたね。

 その後の2018年上半期では、ユニクロの海外の売上は国内を上回り・・・

 営業利益の構成比が逆転するのも時間の問題。

 いよいよユニクロは国内事業一本打法から、海外で稼ぐブランドへの脱皮を果たしたと言えるのではないでしょうか?

 4位のGAPは米国内のGAPおよびバナリパの不採算店舗の大量整理にメドがついたようで、2%の増収、24%の増益とこちらも復調。 

 ただ、日本から撤退したOLD NAVYが北米において1ブランドで気を吐いている感が否めません。

 また、久々に同社の米国内売上比率を見ましたが・・・

 80%と年々ドメスティック比率が高まっています。かつて世界一だったGAPとて、アメリカのチェーン店は海外で通用しづらい?というジンクスを覆すことはできなかったのでしょうか。
 
 5位のLブランズは0.5%の微増収も13%の大幅減益。

 ビューティ部門=バス&ボディワークスは引き続き好調だったようですが、

 基幹ブランド ヴィクトリアシークレットが政策的に水着とアパレルの販売を中止したのが減益要因で、

 同社はランジェリーのMD改革も含めてこの結果は織り込み済みとしています。

 6位以下に関しては・・・

 6位に浮上したプライマークはいよいよ年商1兆超え。

 19%の増収、7%の増益、10%の営業利益率と、インディテックスに次ぐ好業績企業と言えそうです。世界ランクトップ5入りも時間の問題でしょう。

 昨年夏にロンドンでプライマークの新しい旗艦店(オックスフォードストリートの東側の店)を視察しましたが・・・

 同ストリート 西側の旧旗艦店と比べるとわかりますが、一皮むけておしゃれで、選びやすい店舗が印象的で、進化のほどを感じました。 特に、ロンドンハイストリートでH&Mを苦しめている様子が感じられます。

 同社は2015年にアメリカ進出を果たしていますが、こちらの方はまだ試行錯誤状態のようです。

 9位のネクストは既存店のスクラップ&ビルトと高いEC売上比率(40%超)で、これまで堅調な売上高と高い営業利益率を保って来ましたが・・・

 いよいよ踊り場を迎えているようです。

 同社の戦略は欧米日など成熟マーケットにおけるチェーン店の生き残り策のお手本になるかと期待をしていたのですが・・・ 10%近い既存店の減収は痛いです。

 世界のファッション流通の最激戦地、イギリス、ロンドンでは日本以上の熾烈な勝ち残り競争が繰り広げられているようです。

 さて、

 今回のTOP10を見渡すと大きな増収、増益を達成したのはインディテックス、プライマークの2社です。

 また、ファーストリテイリングとGAPの利益の復調も見て取れます。

 一方、これまで 高い利益率を上げながらポストファストファッション時代に勝ち残る施策のいくつかの選択肢として注目して来た、

 ビューティ部門を強化する米Lブランズ、

 クリック&コレクトを中心にオムニチャネルとそのプラットホームづくりに力を入れて来た英NEXT

の2社が今踊り場を迎えています。


 ここ数年着実に伸ばしているZARAとプライマークから見習うべきことは2点あると思います。

 まずひとつは、

 目の届く近隣国と人件費の安価な国をバランスよく使い分けるハイブリッド型生産 です。

 3年連続で申し上げる話になりますが・・・

 長いリードタイムをかけて低賃金の国においてローコストで商品をつくり、

 つくったものを売り切るビジネスモデルはリスクが大きく(売上は上がるが利益をコントロールしづらい)、

 そういったグローバル資本主義的なビジネスモデルが「限界」に近づきつつあります。

 ここ数年のH&Mの様子は、まさにその反面教師的な姿かも知れません。

 一方、見習うべきはZARAのインディテックス社の近隣国とアジア生産を組み合わせるハイブリッド生産です。

 超低価格のプライマークも、かつての反省を活かし、トルコや東欧などの近隣国 短サイクル生産とベトナム中国バングラデシュの中長期生産を併用して成果を上げているようです。


 そして、そんなサプライチェーン改革と同時に進めなければならないもうひとつのチャレンジは

 ストアとオンラインの完全統合への道 です。


○ アプリによる来店前の顧客とのコミュニケーション

○ クリック&コレクト(オンライン注文の店舗受け取り)、

○ スキャン&バイ(店舗からのオンライン注文)

など、

 いわゆるオムニチャネル戦略に関してもZARAのインディテックスが半歩先を行っています。

 2018年はファストファッションからスマートショッピングの時代への大転換点。
 
 急成長しているからと言っても、プライマークのような更なる低価格路線を追及しても大資本には到底敵いませんので・・・

 ZARAの一連の取り組みを見習い、顧客の購買行動の変化に柔軟に対応できるサプライチェーンとオンラインの体制を早期に整えたいところです。

 執筆: ディマンドワークス代表 齊藤孝浩

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April 16, 2018

ファーストリテイリングの2018年8月期中間決算は増収増益。 世界一への課題は秋冬依存体質と春夏シーズンの収益性?

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 4月12日にリリースされたファーストリテイリング(FR)の2018年8月期上期決算(2017年9月~2018年2月)は

 売上高   1兆1867億円 前年比16.6%増
 
 営業利益   1704億円    同   30.5%増

 営業利益率  14.4%(+1.6%)

の 二桁の増収増益。 

 この上期の好業績を受けて 通期見通しを

 売上高   2兆1100億円 前年比 +13.3%

 営業利益   2250億円   同 +27.5%

 営業利益率  10.7%(+1.2%)

 に 上方修正されました。

 また、同時に、2022年度にグループ年商3兆円の目標を掲げましたね。

 世界最大のアパレル専門店企業である、ZARA(ザラ)を展開するインディテックスグループ(ITX) は
 2018年1月期決算で3兆円を突破したので、

 FR社は 4年半遅れでITX社の背中を追うことになります。

 この上半期(秋冬)のユニクロ国内事業、海外事業の合計の

 ユニクログローバル事業の売上高、営業利益は過去最高。

 売上高に関しては海外事業がいよいよ国内事業を抜きましたね。

ユニクロ(国内)
 売上高    4936億円
 営業利益    887億円
 営業利益率 18.0%

ユニクロ(海外)
 売上高    5074億円 
 営業利益    807億円
 営業利益率   15.9%

ユニクロ計
 売上高    10、010億円
 営業利益   1694億円
 営業利益率   16.9%

 ユニクロ事業の営業利益がここまで良かったのは海外事業の躍進、利益改善が大きいですが・・・

 筆者はこの秋冬の世界的な寒波にだいぶ助けられたところもあるかとも思っています。


 さて、上半期(秋冬シーズン)は良かったユニクロ(FR社)ですが・・・

 FR社の場合、これからの春夏シーズンが弱く、利益率が低いのが長年の課題です。

 四半期で業績を見ている投資家さんたちはよくご存じだと思いますが・・・

 FR社は上半期(秋冬)で稼いだ利益、その収益性を下半期(春夏)で薄めてしまうという体質を持っています。

 いい機会だったので、四半期(≒季節)ごとのユニクロとZARA(ザラ)とH&Mの

 売上と収益性を比較してみましたのでご紹介させていただきますね。

 以下は
 
 ユニクロ国内事業、海外事業、ZARA(ITX)、H&Mの四半期ごとの

 売上構成比と営業利益率の過去3年平均を並べたものです。

 平均と言っても3年時系列で数字を見たところ、実態を表していると言っても間違いありませんので
 こちらに基づいて話しを進めてみます。

 お断りですが、
 
 決算期はユニクロは8月期
 ZARAは1月期
 H&Mは11月期と違うので

 各社の四半期を春夏秋冬のそれぞれのシーズンに当てはめて

 ユニクロの決算期がはじまる秋を先頭にして比較できるように並べてみました。

 (注:ユニクロが今回発表した2018年8月期上期は含まず2017年8月期までのデータです)

UQとH&Mの四半期 9-11月 12-2月 3-5月 6-8月
ZARAの四半期 8-10月 11-1月 2-4月 5-7月
【売上構成比】 年間
ユニクロ(国内) 29% 28% 24% 19% 100%
ユニクロ(海外) 29% 29% 23% 19% 100%
ITX 25% 30% 21% 24% 100%
H&M 26% 23% 25% 26% 100%
【営業利益率】 年間
ユニクロ(国内) 20.1% 12.1% 13.8% 3.5% 13.2%
ユニクロ(海外) 13.5% 8.6% 8.4% ‐2.1% 7.8%
ZARA(ITX) 20.3% 17.7% 14.9% 15.8% 17.3%
H&M 12.7% 8.4% 15.9% 12.4% 12.5%

 特に ユニクロとZARAの違いに注目して頂きたいですが、

 共に春夏に比べて秋冬の売上構成比が高いのは同じです。

 ユニクロ(国内、海外とも) 58%:42%
 ZARA             55%:45%

 これは両者とも秋冬と春夏の単価の差が大きいからであると考えます。

 次に季節別売上構成比とそれぞれの営業利益率を見てみると

 ユニクロの売上構成比は 

 秋の構成比が最も高く、冬から春、夏にかけて売上高が下がる特徴があります。

 また、営業利益に関しては

 ユニクロは秋(1Q)次に冬(2Q)でガッツリ儲け

 春夏はシーズンを追うごとに収益性が下がって行きます。

 特に立ち上がりの秋と冬の利益率の差

     同様に   春と夏の利益率の差

 が大きいですね。

 これらの数字からそれぞれのシーズン立ち上がりに仕込んだ商品を価格を下げながら・・・

 「売り減らし販売」をしていることがわかります。

 一方のZARA(ITX)は

 売上構成比に関しては

 秋よりも冬に売上が上がり

 春よりも夏に売上が上がる

 傾向があります。

 またユニクロと比べて

 営業利益率に関しては

 秋冬の立ち上がりの秋の利益率に比べ

 冬はセール期(1月)を含むはずなのに利益率がそれほど落ちない

 春夏の立ち上がりの春の利益率に比べ

 夏はセール期(7月)を含む割に、逆に利益率が上がっている

ことがわかります。

 つまり、シーズン立ち上がりに用意した商品に対し

 シーズン中に反省を行って、改良することによって

 店頭商品の内容が尻上がりに良くなっている=お客様に支持され利益を稼げる

 品揃えになっていると言えそうです。


 これはまさしく拙著「ユニクロ対ZARA」の中でも明らかにした

 両社の

 「つくったものを売り切る」のか

 「売れるものをつくる」のか

 の体質を数字が如実に表していますよね。


 ユニクロが世界一を目指すのであれば・・・

 規模だけでなく、

 秋冬だけに頼る、春夏に儲けられない体質から抜け出す

 ことが大きな鍵になることでしょう。

 これは今後、東南アジアで、更には南半球での拡大も視野にいれたユニクロには・・・

 避けて通れない課題でしょうね。


 ちなみにH&Mは

 秋冬よりも春夏が強い傾向があります。

 秋(同社にとっては4Q)で決算期末の追い込みを行い

 そのの反動か? 冬(翌第1四半期)は売上利益ともに下がる構図を持っていますから、

 残暑や暖冬になると弱く、寒波のご利益も少ないかも知れません。

 タイムリーに暑い夏が来て、夏物が売れ、

 残暑がなく、運よく秋が到来すれば、強いのでしょうが・・・

 それらが崩れると弱い体質?なのではないでしょうか?


 グローバルトップ3と言っても、

 それらの体質の違いから・・・

 シーズンごとの勝負のしかたが違う、稼ぎ方が違うことはとても興味深いですね。

 グローバルトップの競合は単なる規模の拡大だけでなく

 地政学や気温帯をも考慮した・・・

 各地での顧客購買心理とそれに対する柔軟な対応こそが

 勝負の分かれ目になる、ハイレベルな競争の様相を呈しています。

 関連エントリー‐世界アパレル専門店売上ランキング2016 トップ10

 関連エントリー‐ZARAのインディテックスグループ、サステイナブル経営からインフラ投資への好循環

 執筆: ディマンドワークス代表 齊藤孝浩
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April 09, 2018

店頭を起点に商品・営業チームが一丸となれる最も効果的な施策

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 3月30日の繊研新聞に毎年同紙が主催する「デベロッパーが選んだテナント大賞」の各賞を受賞したブランド紹介記事が掲載されていました。
 
 毎回、受賞ブランドの好調要因やそれを支えた取り組みが紹介されており、

 また、毎年何らかの形で関与させていただいたブランドさんたちも受賞されるので

 お店の様子や活躍された方の顔を思い浮かべながら楽しく読ませていただいております。

 今回、そのトップ5であるベストセラー賞を受賞したのはビームス、ユニクロ、ユナイテッドアローズグリーンレーベルリラクシング(GLR)、サマンサモスモス(キャン)、ノースフェース(ゴールドウィン)の各ブランド

 やはり、自社の商品開発や販売力にこだわるだけでなく、店頭でのお客様最適に工夫を凝らした結果が好業績を生んでいるのだな、と納得しながら読んでおりました。

 その中からひとつ、グリーンレーベルリラクシングの事例をご紹介させていただきますね。

 同ブランドはユナイテッドアローズ社の中で最も成長を牽引するブランドの1つで・・・
 
 毎シーズン何らかの新しい施策を打ちながらECに頼らずとも既存店の増収を続けていますが、
 
 今回 紹介されていたのは、

 同ブランドが本部に店舗と同じ状態のパイロットショップをつくって行った施策についての話です。

、同ブランドでは、この施策により、

 商品企画から営業部門まで本部スタッフが実際の店頭を思い浮かべながら見え方がどうなるか、足りない商品はないかを検証しながら、シーズンMDを組み立てるようになり成果が出たとのことです。

 これと近い話は以前
 
 プロパー(正価)消化率を高める施策

 でアパレル大手のジュンさんの取り組みを紹介させていただきました。

 この際は

 店頭の型数やコーディネートの最適化が図られることによってプロパー消化率が高まるご利益があるという内容でご紹介しましたが、

 更にGLRの事例は

 シーズンMDが 店頭VMDという ビジュアルで あらかじめ可視化されることにより・・・

 本社 デザイナー、マーチャンダイザー、生産担当が よりリアルな売場を意識して仕事をするようになる ことに加え
 
 VMD担当が店頭と同じ什器をつかって表現したシーズンMDを 店舗にタイムリー、時系列で発信することによって

 店舗もシーズンMDの意図をより理解しやすくなり、あるべき店頭のイメージを掴みやすくなるというご利益を得ることができるという話です。

 具体的な店頭VMDの形で本部と店舗がシーズンMDを共有する

 この商品部 営業部が目に見えるもので商品計画を共有できる、しかも、

 それはまさしく店頭でお客様がご覧になって、入店するかどうか、購入するかどうかのきっかけになるものに他なりません。

 したがって、お客様の立場になってより具体的に議論がしやすいし、

 仮説検証、修正もかけやすいというわけです。

 筆者のクライント先でも同様の取り組みで 商品企画と販売部が共通のビジュアル(VMD)と販売計画に向かって、成果を挙げているところがいくつかあります。

 店舗まるごと1店舗分つくる必要はなく・・・

 最低限の必要な共通部分を定義して、切り出して再現するだけでも 成果は表れるものです。

 これ、簡単なようで、意外と出来ているブランドさん少ないですよね。

 日頃、店頭在庫最適化の業務改革プロジェクトの一環で店舗や本部のヒアリングを行っていると気づくのですが・・・

 本部のみなさんも、店舗のみなさんも、いい仕事をしているのにも関わらず・・・

 かみ合わないために結果が出ないというケースは少なくありません。

 そんなとき、

 誰もが反論の余地のない、

 店頭でお客様に見えるものを最適にする、

 という共通項を合意、共有できれば、

 皆が同じ目標に向かって仕事をし、掛け違ったボタンを元に戻せることもあるはず。

 そんな取り組みを応援すべく、日々仕事をさせていただいている今日この頃です。

 関連エントリー-ユナイテッドアローズ グリーンレーベルリラクシング(GLR)の働く女性のための新業態で考える ファッションストアの新部門開発のセオリー
 
 執筆: ディマンドワークス代表 齊藤孝浩
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April 02, 2018

人手不足が深刻な外食産業、流通業界の取り組み~すかいらーくグループのパートアルバイトシェアによる人的資源活用策

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 3月25日の日経新聞に外食大手のすかいらーくグループが取り組むパートアルバイトのグループ内シェアによる人的資源の効率活用に関する記事が掲載されていました。

 日本経済新聞 すかいらーく系列店でパート10万人シェア 即戦力確保

 外食産業や小売業界で慢性化している人手不足はホントに深刻で、

 ファッション流通業界でも、

 既存店のワークシフトの定員が埋まらず、少人数で回している時間帯があるのは日常茶飯事化しており

 例え、よい新規出店立地があっても、販売スタッフが採用できず、出店を見送らざるを得ない事例も少なくなく、

 いまや店舗の人手不足は深刻で、経営課題の筆頭に挙がるお困りごとのひとつに間違いありません。

 記事によれば、すかいらーくグループでは、同様の人手不足の環境の中

○これまでやり方が違った全ブランドの業務マニュアルを統一し、

○システムで近隣あるいは行動範囲にある店舗の人手が足りない時間帯を可視化し、

○パートアルバイトさんが所属店舗の通常シフト以外に都合が合えば他店のシフトに入って働くことができる、その場合は手当をつける

○各種業務マニュアルもオンライン動画で閲覧可能とし、即戦力として働けるようにする など

これらの一連のシステム投資に100億円を投資するとこのことです。

 外食産業の店舗業務とファッション販売のそれでは当然 違うこともたくさんあるのでそのまま見習うことは出来ないと思いますが・・・

 人手不足のご時世に、あらためて、店舗業務を見直すきっかけになるのではないかと思いご紹介させていただきました。

 例えば、

 ・大手チェーンでは比較的店舗業務は平準化され、マニュアルはしっかりしていると思いますが・・・

 年商100億円未満のところでは機器の操作マニュアル以外は店長まかせ属人的になっているケースが多いように思います。

 そのままでは、生産性(業務効率・一人あたり売上・粗利)も店長まかせ、新しいスタッフさんの即戦力への教育も時間がかかりますし・・・

 店長が異動で変わった時に 前店長とやり方が違うことでウマが合わず、戦力だったスタッフさんが退職されるという事例も少なくないのではないでしょうか?

 人手不足の時こそ、あらためて、業務の棚卸、無駄な作業の廃止、業務マニュアルの整備を検討すべきでしょうね。

 ・ワークシフトに入っているスタッフさんが突然休むという時も比較的仲のよい店長さんが連絡を取り合ってスタッフさんを融通し合って欠員を埋めるということはよく行われていると思いますが・・・

 これは店長さんだけの負担にせず、可視化することによって本部にも現実を知っていただいた方がよいと思いますね。(本部員にとっても今日の今日の対応は出来なかったとしても、実態は課題のテーブルの上に乗ると思います)

 ・あらためて、ドミナント出店の優位性を感じます。

 首都圏、関西圏など同じエリアに集中出店するドミナント出店は人的資源の効率にも役立ちます。

 日本全国出店!は志大きく、素敵なことだと思いますが、実状や実力にあったオペレーションを行うのであれば・・・

 まずは、目の行き届く、何かあったら飛んで行ける、融通の利く範囲で仕事をしながら体制を整え、「その時」に備えることも大切かと思います。

 ・早番、遅番、中番だけでなく、主婦の方や学生さんが短時間でもワークシフトに入りやすくするように業務の細分化、ルーティン化とともにシフトの考え方も柔軟にできないだろうか? などなど

 そもそも パートアルバイトとして、「働きたくなる、店舗が醸し出す魅力」

 (=ブランド力や商品だけでなく、クレンリネス、チームワークでやりがいを感じて楽しそうに働いているかどうか? その余裕をもってもらうために、店舗に極力無駄な作業をやらせない など)

 が応募者を引き寄せるベースであることも忘れてはいけませんが・・・

 上記は、在庫最適化の支援業務の傍ら、店舗作業軽減に取り組む過程で店長さんヒアリングをしていると必ず出てくる課題のいくつかでもあります。

 もちろん、すぐにできること、事情によりできないこと、成果が出やすいこと、そうでないこと・・・いろいろあると思いますが・・・

 ファッション流通業界だけでなく、視野を広げて多くの企業が悩んでいること、いろいろな企業が取り組む企業の事例を知ることは・・・

 目先の課題や業務を見直すきっかけになるはずです。
 
 執筆: ディマンドワークス代表 齊藤孝浩
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March 23, 2018

ZARA(ザラ)のインディテックスグループの2017年決算は増収増益~実店舗とオンラインの完全統合モデルを着実に進め安定的な成長が続く

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 3月14日に発表されたZARAのインディテックスグループの2018年1月期決算レポートに目を通しました。

 売上高は 3兆4203億円 前年比9%増 
 営業利益は 5824億円 同  7%増
 営業利益率 17%    同0.2%減
 期末店舗数 7475店    同 +183店
 為替レートは1月31日の€=135円で換算

 でした。

 一方、2017年11月に締めたH&Mの決算は

 売上高 2兆7600億円 前年比4%増 
 営業利益は 2838億円 同 14%減
 営業利益率 10.3% 同 2.1%減
 店舗数 4739店   同 +388
 為替レートは1月31日のSEK=13.8円で換算

でした。

 安定的な増収増益を続けるファッション専門店世界売上ランク1位のインディテックスは、
 一方で売上が伸び悩み、連続減益となり、CEOがデジタル戦略に乗り遅れたと猛省する2位のH&Mを大きく引き離しましたね。

 両社の営業利益額が2倍も差がついたのが印象的です。

 株式時価総額に関しては10.5兆 vs 2.9兆と3倍以上もの差です。 

 今回の決算数値、インディテックス自身も若干伸びが鈍化したように見えますが・・・

 同社はこの説明として、ここ半年間の急激なユーロ高の影響を挙げており、(ユーロの商品原価に対して、売上高の回収が為替で目減りしたことによる利益率の低下)

 各国の現地通貨ベースでは10%の増収、12%の増益だと説明しています。

 既存店売上も世界のすべての地域で伸びており、グローバル平均で5%の増収(オンライン含む)とのことで、万事健全であるとのことです。

 今回の決算のトピックを3つ挙げると、

 まず、初めてオンラインの売上比率を開示しましたね。

 オンライン売上比率は 全体の売上に対して 10%
 オンライン販売を実施している地域の売上に対しては  12%
 前年比41%の増収とのことです。

 ざっと計算すると、実店舗だけでは約7%の増収 

 期末店舗数の伸びは2.4%増ですが、売場面積を7%増やしています。
 
 そうすると、既存店リアル店舗単体レベルでも微増収は続けている模様です。

 ふたつめは 積極的な店舗のスクラップアンドビルドと好立地への大型化しての移転の加速です。

 H&Mの引き続き旺盛な出店と比べると、店舗数の純増数(新店-閉店)は鈍化(2.4%増)したかに見えますが・・・

 これは成長を緩めているのではなく、むやみに店舗を増やすよりも、スクラップ&ビルドで店舗の量よりも質への転換に力を入れています。

 今年度524店出店していますが、341もの店舗を閉め、一方で、144店を改装し、122店を大型化しています。その結果、既述のように売場面積は7%増。

 これはすべてのファッションチェーンに言えることですが、

 世界中でオンライン経由の売上が増える中、既存店の質の見直しは同時に行わなければならない経営戦略のひとつであることは言うまでもありません。

 オンライン売上のアップだけに力を入れて、うつつを抜かしていると、不採算店舗や低利益率の店舗がいずれは遅かれ早かれお荷物になり、経営を深刻に圧迫することは間違いありません。

 同社は過去6年間の間に全体の80%の売場スペースがリニューアル済みとのことで、

 このあたりの対応もこれから本格化するオムニチャネル時代に臨戦体制の準備に怠りありませんね。

 3つめは 同社が「ビジョン」に掲げる 「実店舗とオンラインの完全統合モデル」へのアクセルです。

 この度 チェアマンであり、CEOであるパブロ・イスラ氏の下にCOO(最高執行責任者)としてに選任されたカルロス・クレスポ氏は

 IT、ロジスティック、運送、労務、商品調達およびサステイナビリティの各部署をコーディネートする役割の担当役員です。

 これからの同社の明確なビジョン実現にあたって最高執行責任者にこのポストを担わせるということは、
同社のビジョン実現へのスピードアップの覚悟を感じます。

 また、オンラインの新サービスとしては、マドリッド、ロンドン、パリ、上海など世界の一部の都市でオンライン注文の同日受け取りサービスを始め、

 スペイン、イギリス、フランス、中国など複数の国で翌日配送が始まっています。 

 それから、スペインやイギリスの一部の大型店で、オンライン注文の店舗での自動ピックアップ装置を導入・稼働させ始めるとのことです。

 筆者が最近講師を務めたある講演で、

 「ZARAにとって、Amazonは脅威か?」という質問がありましたが・・・

 今回の決算を見ても、施策を聴いても、AmazonPrimeに負けないくらいの配送の利便性を自前主義でしっかり準備されているようですね。

 インディテックス社はしばらく死角なし、

 そして、世界のすべてのファッションリテイラーが進むべき道の半歩先を行くお手本のひとつ

 と言っても言い過ぎではなさそうです。

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 執筆: ディマンドワークス代表 齊藤孝浩
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 【関連書籍】
 「ユニクロ対ZARA(ザラ)」単行本 ソフトカバー(日本経済新聞出版社)

  
 
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