November 01, 2009

西友で販売されているGeorge(ジョージ)が、イギリスでは期間マーケットシェア1位と絶好調

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 海外ニュースをチェックしていて、10月上旬の記事ではありますが、米ウォルマート傘下のイギリスのスーパーマーケットチェーン、ASDA(アズダ)のプライベートアパレルブランドで、日本の西友でも展開されている、”George(ジョージ)”がイギリスマーケットで好調とのニュースを目にしました。

 BBC NEWS: Asda 'beats M&S in clothes sales'

 この夏(8月17日までの12週間)、イギリスの老舗アパレルチェーン(食品や雑貨もやってますが)で、長年中産階級を支えマーケットシェアNo1を誇っていた、ご存知 Marks and Spencer (マークス&スペンサー;M&S)のアパレル部門売上げを上回って、僅差ではありますが、1位になった模様。

ランク  企業またはブランド マーケットシェア
1位   George         10.1%
2位   Primark          9.9%
3位   M&S            9.8%

 記事によると、軽衣料中心のこの期間の一時的な首位獲得で、クリスマス商戦に向けては都心型のM&SやPrimarkが首位になるのでは?との見方が強いようですが、Georgeの経営トップは、2011年には業界トップになるべく、経営戦略を組んでいるようですね。Primarkの躍進と言い、イギリスでもデフレによる低価格アパレルのシェアが拡大しているようです。

 それにしても、イギリス衣料マーケットはトップ3社でマーケットの3割のシェアを占めてしまうほど寡占の進んでいるマーケットなのだな、とちょっとビックリ。日本はダントツのユニクロでも5-6%くらいのシェアですからね。そうそう、ユニクロがUK(イギリス)マーケットで成功するためには、これらの強豪がライバルになるわけです。

 ところで、ファッションショーをしたり、TVCMを打ったり、おしゃれなタブロイド型の新聞折込を入れ、最近、感度がよくなったと言われる西友の衣料品売り場で、ちょっと前になりますが、このGoergeジョージの商品を手にしました。

 都心(三軒茶屋)と郊外モール(みずほ)の両方を見たのですが・・・

 ウィメンズの感性、クオリティ、価格のバランスは素晴らしいものがあると思いました。えぇ!?、この感覚でこの値段は安い!と。ZARAやH&Mなどでお買い物をされているお客さんには十分受け入れられるレベルではないかな~と思いますよ。

 キッズは、広告宣伝は素敵ですが、売り場では、コーディネート提案をしていて少し安いかな?という点でイトーヨーカドー、ジャスコの子供服売り場よりはよいかな、という程度。

 メンズは、「あなたたち、どうせ週末はゴルフウエアスタイルでしょ?」と言わんばかりの品揃えにがっかり。まあ、従来の顧客に合わせるとそうなってしまうのかもしれませんが・・・

 ただ、これらの品揃えを見る限り、セレクターというかバイヤーが各部門違う担当の方がやっていて、イギリスの豊富な商品ラインから何を切り出して日本の生活者に提案するかの違いだけであって、ウィメンズの方の感性でイギリスのGoergeの商品をセレクトしたら、ひょっとして日本でも化けるのかもしれない、と大きな潜在性を感じたものでした。

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September 08, 2009

東京主要商業地の店舗物件家賃相場

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 9月8日の繊研新聞にシービーリチャードエリスがまとめた東京の主要商業地の一等地、一階の坪あたり家賃相場(月額)に関する記事が掲載されていました。頭に入れておきたい数値なのでご紹介しておきます。

■銀座
 10~23万円←前年12~25万円

■表参道
  8~20万円←前年10~22万円

■新宿
 10~20万円←前年10~20万円

■渋谷
  7~14万円←前年10~15万円

■池袋
  6~12万円←前年7~12万円

 新宿以外は値下がり傾向とのこと

 いずれも日欧米の大手ファッションSPA企業が複数店舗の大型店出店をしてもよい、爆発的な集客力をもつエリアです。

 今後これらのエリアで過熱する日欧米のファストファッション世界大戦。

 その様子を、この春の原宿に始まって、新宿、渋谷と店舗ロケーション地図付きで解説する新聞、雑誌記事をよく見かけるようになりました。

 その地図は毎シーズン塗り替えられます。

 さて3年後、5年後の地図はどうなっているのでしょう。

 そのキープレイヤーはH&Mとユニクロでしょうか・・・

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関連エントリー‐ユニクロが来期大都市に大型店を集中出店
関連エントリー‐H&M今秋~来春の出店計画

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August 13, 2009

H&M今秋~来春の出店計画

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 8月13日の繊研新聞に、H&Mの出店計画に関する記事が掲載されていました。

 今秋は、

  9月 5日(土) 横浜ランドマークプラザ
  9月17日(木) ららぽーと新三郷
  9月19日(土) 渋谷旗艦店
 11月14日(土) 新宿店(フルコンセプト)

 の4店舗

 来春は、

 大阪心斎橋(心斎橋筋路面)
 イオンむさし村山ミュー(SC)(三越退店跡)

 心斎橋は決定済み、武蔵村山もほぼ決定のとのこと。

 今秋のH&Mウォッチのポイントは、

①新三郷でのSC立地でのパフォーマンスの検証

②新宿で見せるフルライン展開。銀座、原宿はそれぞれまだ一部のMDだけで新宿でいよいよすべての商品ラインが出揃います。

③渋谷で東急百貨店本店、新宿で伊勢丹本店にどんなインパクトがあるか?

 これらは、今後の業界に影響を及ぼす、2009年下半期のファッション流通の視点と言っても過言ではありません。

 基本的にZARAが成功を収めている立地であれば、近郊SCでもH&Mは十分いけるでしょうね。

 ZARAは、これまでの近郊SCではGAPの売上がトップという状況を覆し、近年出店のSCでは売上トップに躍り出た模様(越谷レイクタウンやららぽーと磐田)

 また、H&Mにコバンザメ的に出店してくると思われるフォーエバー21の2店目以降の出店にも注目しておきましょう。
  
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July 28, 2009

イケア日本法人の売上高

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 7月28日の日経新聞に、世界最大のホームファッションストア、スウェーデンイケアの日本法人が、初の値下げ(1450品目;平均25%)を行うことに関連し、気になる日本の売上高が掲載されていましたので、ご参考までに取り上げさせていただきます。

 09年8月期見込みで約520億円、日本の家具専門店の中では2006年日本進出から3年、5店舗体制で、すでに業界第3位に食い込むことになるようです。

   企業名   直近決算期売上高  期末店舗数  1店舗あたり売上高
1位 ニトリ     2440億円       182店舗     13.4億円
2位 大塚家具   668億円        19店舗      35.2億円
3位 イケアJP   520億円         5店舗      104億円

参考 無印良品  1029億円       196店舗      5.3億円
   (直営店のみ)

 世界36カ国、300店舗で約2兆9000億円を売り上げるイケアは、日本でも1店舗あたり100億円超の巨艦店舗。単純に、あと2店舗出店すれば2位の大塚家具を超える計算が成り立ちます。ジャパン社社長は、条件が合えば年間2店舗ペースで出店したいと話しているようです。

 今回の値下げも、世界で作られた商品を、これまで上海やマレーシアのアジアハブ物流で積み替え、混載していたものを、愛知県弥富市に建設した日本のローカル物流に直接集結できることになったので、そこで浮いたコストを値下原資に充てるとのこと。

 同じスウェーデンのH&Mにしても銀座、原宿の2店舗が年商平均50億円超のペースですし、外資が上陸する時のビジネススケールの違い、桁違いのインパクトを思い知らされます。

 そんな本土上陸を果たしたグローバル資本主義の代表選手たちを相手に、日本企業はどう、相対してゆくのか、その立ち位置が問われています。

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関連エントリー-グローバル企業の物流・出店戦略

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June 23, 2009

注目の日本未上陸ファッション企業

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 今週のWWD1533号にH&M、F21(フォーエバー21)の次にくるのはコレだ!という特集が組まれており、興味を持って読ませていただきました。

 ここ半年の間に、H&Mやフォーエバー21に関連して、多くのメディアの方々から取材を受けたり、執筆依頼を頂きましたが、やはり、このタイトルと同じ質問をされる方が多かったです。

 今回のWWDの特集は、本当に総力を挙げて取材されたと見られますので、ご興味のある方は、お読みになり、保存版として取って置かれることをお奨めします。

 その中でも、進出が近く、日本のファッションマーケットに一定のインパクトを与えるであろうファッション企業を私なりにコメントしてみたいと思います。

1.ヴィクトリアズ・シークレット(VS)
 ご存知、米リミテッドブランズ傘下のアメリカ最大のファッションランジェリーストア。現在、通販では日本語でも購入可。何年も前から返品を受けるコールセンターも東京には設置済み。

 知名度、ファッション感性の高いランジェリー&ホームウエアのポジショニング、同社を徹底ベンチマークしたピーチジョンが大成功している事例を見ても、幅広い年齢層の女性客に当たることは間違いなさそうです。

 但し、日本進出は決めたものの、「パートナー」と組んでの展開というところが気になります。ワコールやトリンプのような既存大手と組むのか?商社や既存の流通企業と組のか?水先案内人次第で、うまくいくかどうかが決まると思います。できれば独資でリスクをもって出てきて、しっかりマーケットを肌で感じながら拡大していって欲しいところですが。

 日本において、カップルでも入りやすいファッション感性の高いランジェリーストアーはとっても大きなスキママーケットだと思いますし、日本のランジェリーショップの常識を壊してくれるかも。

2.アーバンアウトフィッターズ(UO)グループ
 リーマンショック以降もしっかり売上を維持している、顧客の顔の見える、時間消費型、ヴィンテージテイストのファッションライフスタイルストアーのグループ。グローバルSPAがマーケットに侵食しても、アンチテーゼかのごとく、「個」を売り物に確実に生き残っていく業態群だと思っています。

 アーバンアウトフィッターズ業態は、アメリカでは、NBブランド、PBブランド、古着、生活雑貨の絶妙なマーチャンダイジングミックスが売りですが、日本に来たら日本の代理店とのからみで、彼らがこだわるNBブランドを思い通りに表現できないと思うんですよね。

 それゆえに、PBブランドとアンティーク家具中心のアンソロポロジー業態の方にむしろポテンシャルというか、高い成功確率を感じます。

 ベイクルーズグループを筆頭に、多くの大人のナチュラルカジュアル業態を展開している会社がベンチマークし、多くの日本の女性客に支持を得ていますので、私としては、このアンソロポロジーがいちおしです。

3.アメリカンイーグルアウトフィッターズ
 アメリカンカジュアルの定番、王道と言えましょう。東海岸ビンテージテイストは、アバクロと酷似したテイストで、アバクロに憧れるアメリカの学生さんたちが、自分のお小遣いで買える価格のため、こちらの方がアバクロよりも日本での成功確率が高いのではないかと思ったりします。

 その昔、マイカルグループと組んで、中途半端に商品は日本の店頭に並んでいたことはありましたが、数年前から、日本本格進出が秒読みでした。日本のファンも興味あるようで、以前に書いて、書きっぱなしになっている私のブログ記事にいまでもアクセス結構いただきます。

 但し、単独ではなく、アバクロ日本上陸後、アメリカ国内同様、アバクロ人気のテコの力を借りることが同社成功のカギになるでしょう。多分、そのタイミングを計っていたのではないかな?

4.ベルシュカ
 ZARAを展開するインディテックスグループのヤングブランド。

 ZARAのモードによる敷居の高さを取って、ヨーロピアンヤングカジュアルをZARAより低価格で提供しているので、H&MのDIVIDEDやフォーエバー21と十分競演できそうで楽しみ。

 中国には既に出店しているので、日本ももうすぐみたいですね。

 いずれにせよ、ファストファッションであったり、空間演出・時間消費型といった、まだまだ日本のファッション業界が遅れを取っていて、生活者が高く買わされているんではないかな、感動を味わえていないんじゃないかな、という部分をソリューションする業態を挙げてみました。

 彼らには、世界のファッションビジネスの深さとエンターテインメントを生活者にもたらし、日本の業界に刺激を与えてくれることを期待しています。

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関連エントリー-米ビクトリアズ・シークレットもいよいよ東京出店?
関連エントリー-米アーバンアウトフィッターズ、欧州そして日本へ
関連エントリー-ファッションストアの標準化と差別化に関する一考察
関連エントリー-アメリカンイーグル07年春、日本進出


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June 21, 2009

アバクロンビー&フィッチが、RUEHL(ルール)業態を閉鎖

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 6月19日の繊研新聞などに、アメリカで不振が続くアバクロことアバクロンビー&フィッチ社がアバクロ業態の上層マーケット向けに展開していたRUEHL(ルール)29店舗を今期末をもって閉鎖すると発表したことに関する記事が掲載されていました。

 オリジナルのプレスリリースはこちら

 Abercrombie & Fitch to Close RUEHL Operations
 
 同業態は、同社の2008年決算の中でも、業態単独で55億円程度の赤字を計上していたとのことで、同社の減収大幅減益の主要因のひとつ。 会社の「お荷物」となったため、今後、その他の業態(アバクロ、ホリスター、アバクロキッズライン、ギリーヒックス)の建て直しと、飽和になったアメリカマーケットよりも海外進出に集中投資するために閉鎖を決定したとのことです。

 ついでに2008年の同社のアニュアルレポートや最近の月次売上レポートを眺めましたが、ここんところ、アバクロは惨憺たる業績です。

 2008年年間では、既存店売上高13%減

 2008年5月から2009年5月まで、13ヶ月連続既存店売上高前年割れ

 特に、08年8月以降がひどいですね。参考までにその有様を。すべて既存店売上前年対比です。

月次      全社   アバクロ ホリスター
08年08月  △11%   △ 5%  △14%    
08年09月  △14%   △ 7%  △20%
08年10月  △20%   △14%  △25%
08年11月  △28%   △25%  △29%
08年12月  △24%   △24%  △24%
09年01月  △20%   △16%  △24%
09年02月  △30%   △27%  △33%
09年03月  △34%   △32%  △35%
09年04月  △22%   △17%  △26%
09年05月  △28%   △25%  △32%

 2008年のアニュアルレポートによると、アメリカのマーケット情勢にもかかわらず、突っ張って一品単価を上げ、客数が大幅減したというのが主要因のようです。

 昨年後半に読んだ海外ニュースで、アバクロのマイケルジェフリーズCEOが、競合他社は単価を下げているが、うちはマーケットには迎合しないというような強気な発言をしていましたが、結果は上記のような状況です。

 さて、12月に銀座1号店をオープンし、日本進出を決めているアバクロ。アジア旗艦店ということで格好の良いプレゼンテーションもよいですが、真剣に売上を取りに来なければ、まずいですよね(笑)。

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関連エントリー-アバクロが銀座にオープンするアジア1号旗艦店の開業日は12月15日
関連エントリー‐米アバクロ社が海外出店を加速


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April 28, 2009

アバクロが銀座にオープンするアジア1号旗艦店の開業日は12月15日

 先週のプレスリリースを受けて、先週から今週にかけての繊研新聞、日本繊維新聞などに米アバクロンビー&フィッチが今年末、12月15日オープンする日本1号店となる銀座グローバル旗艦店に関する記事が掲載されていました。

 ネット上で一番分かりやすいニュースはこちらから

 銀座経済新聞:米カジュアルブランド「アバクロ」、銀座にアジア初の旗艦店-12月開業へ

 待望のアバクロ日本上陸の立地と日程が、銀座中央通りZARAやH&Mの向かい、フェラガモの隣に、12月15日オープン、と発表されたわけですが、内容を読んでみると

 トータル11階で売場面積約295坪=1層あたり平均約27坪の旗艦店・・・

 ちなみに同社のアニュアルレポートによると、全米に345店舗あるアバクロの1店舗あたり平均売場面積は、おおむね1-2階建てで計247坪ですので、既存店より2割ほど広い売場面積にはなりますが、アバクロの品揃えをどのように11に分ける?ことになるのでしょうか?

 確かに、「旗艦店の中で最高の高さを誇る」かもしれませんが、このタテに細長い売場を、バッグやアクセサリーのラグジュアリーブランドグループの旗艦店ならまだしも、ひとつのアパレルブランドがどんな表現ができるのでしょうかね。

 いずれにしても、その面積と階層を聞く限り、お客さんが回遊するのにとても疲れるお店になりそうですし、アバクロ最高の持ち味である店舗演出のすばらしさが十分に発揮できないのではないかと心配になります。

 それもそうですが、
 
 客単価$81.59 セット率(一人当たり買上点数) 2.37 一品あたり平均単価 $34.43

 のアメリカの大学生をメインターゲットにするカジュアルラグジュアリーブランドをどのように日本市場でポジショニングしてゆくのか・・・とても興味があります。

 売上規模は、グローバルSPAの中でもベスト10に入る米アバクロの進出。是非、日本のファッション業界にも革新的なインパクトを与えていただきたいのですが、今後、発表されるであろう価格帯、品揃えなどに注目です。

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関連エントリー-アバクロ日本進出は2009年後半
関連エントリー-あの店の香り覚えてますか?


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November 20, 2008

米アバクロ社が海外出店を加速

 11月20日の繊研新聞にアメリカのアバクロンビー&フィッチ(アバクロ)社の海外出店加速の記事が掲載されていました。

 記事の内容は、以下の第3四半期決算(08.8月-10月に相当)と同時に発表された同社のプレスリリースに基づいているようです。

 Abercrombie & Fitch Reports Third Quarter Results

 アメリカの不況は、多くの小売企業を直撃し、同社の第3四半期速報も、基幹業態のアバクロ、ホリスター他、すべての業態が既存店売上高減収で会社全体の既存店売上高前年対比も14%減と大苦戦。

 CEOのマイク・ジェフリーズ氏は、不況下でも競合他社のように値下げに走らず、ブランドポジショニングを大切にすると言い、むしろ海外への活路を強調しているようです。

 アメリカ国内で飽和状態となったアバクロンビー&フィッチ業態(中心ターゲット大学生)は先に欧州出店を始めていて、来年秋には日本にも上陸しますが、代わって国内成長の牽引役となった2番目の柱ホリスターカンパニー業態(高校生向け)も、早くも今年の10月、ロンドンに欧州1号店を出店しており、好調な滑り出しとのことです。この後、ホリスターは、ロンドン郊外ショッピングモールを中心に数店の計画があるようです。

 それにしてもアバクロ業態はロンドン、コペンハーゲン、ミラノ、東京、パリと主要国への旗艦店の出店計画だけ明らかにしているのが気がかりです。アメリカでは、アバクロは「大学生が親に買ってもらうブランド」であって、決してラグジュアリーブランドではないので、勘違いしないで、しっかりと各国マーケットに進出して欲しいと思います。(日本進出の水先案内人が業界の旧態依然とした業態の出身者でなければよいですが・・・)

 来年は、業界では、アバクロ(09秋、銀座)と同じくアメリカのフォーエバー21(09春、原宿)の日本上陸が話題になると思いますので、このあたりのニュースは引き続き追っかけて行きたいと思います。

 ところで、アメリカファッション小売業苦戦の中、日本進出が待たれるアーバンアウトフィッターズグループ(同名の基幹業態、アンソロポロジー、フリーピープルなど)は同じ第3四半期も既存店売上高10%増の好調の模様です。彼らからも目が離せないですね。

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関連エントリー‐アバクロ日本進出は2009年後半
関連エントリー‐米アーバンアウトフィッターズ、欧州そして日本へ

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October 04, 2008

グローバル企業の物流・出店戦略

 10月3日の日経MJに世界最大のホームファッションSPA、日本で拡大中のIKEA(イケア)の日本国内向け物流センターが、このたび、愛知県弥富市、名古屋港近辺に開設、稼働したことに関連して、イケアジャパンのラース・ペーテルソン氏のインタビュー記事が掲載されていました。

 同社では、これまで上海とクアラルンプールにアジアのハブ物流を有し、世界50カ国で生産された商品のうち、アジアの店舗向けの分はこの二か所に集め、店舗ごとにまとめ、日本の4店舗に向けて船便で出荷していました。

 今後は、集中出店エリアである東京首都圏と関西圏のちょうど真ん中である名古屋港近辺に新設した物流に、日本向けの商品が一括輸送され、そこから共有在庫としたものを各店の売り上げに応じて、最適配分・補充することによって、これまで起こしていた欠品を削減しようというのが、国内物流センター設立の目的になるようです。

 ちょうど、私も、買いたいと思っていたPOANG(ポエング)というイケアの定番リラックスチェアが、船橋でも港北でもしばらく欠品をしていて、定番なんだから早く補充されないかなぁと、どうなっているのかなぁ、と思った体験を持っています。

 これに対して、同社の今後の出店計画は、当初、首都圏と関西圏に優先順位を定め、しばらくは、既存店含め、それぞれ4~6店舗づつ集中出店をする予定だったそうですが、記事によると、物流センターをオープンした愛知県にも引き合いは多いらしく、今後、前向きに同県にも出店検討をするとしています。

 イケアの全世界での1店舗あたりの平均売上高は100億円程度はありますので、数年内には日本での売上も1000億円規模になり、業界およびエリアへのインパクトも小さくなさそうですね。

 参考までにスウェーデンのグローバルファッションリテイル企業、イケアとH&Mの生産国と取引先数、出店国と店舗数をご紹介しましょう。

       生産国         出店国
 イケア 50カ国1350社  30カ国 1600店舗超
 H&M  22カ国800社   24カ国  230店舗超
 
 かようにスケールの大きいグローバル企業のビジネスでは、地域のハブ物流が要になっており、イケアがアジアに2つのハブ物流を持つように、H&Mも香港にハブのような拠点があるようです。

 H&Mでは、世界からアジア向けとして香港に集まる商品を毎日、東京港と横浜港に近い川崎の国内物流に向けて海上輸送するようで、その後、そこから毎日複数回、店舗に配送されます。

 日本のH&Mはまだ1店舗なので、この川崎の拠点の位置づけがどうなるかは、わかりませんが、同社は、世界の出店エリアにエリア店舗をカバーする「コールオフセンター」という、デイリーデリバリーならぬタイムリーデリバリーが可能な物流拠点を置くことで、店頭在庫の最適化、販売機会損失の極小化をすることを強みのひとつにしています。

 すなわち、生産された商品(品番)のうち、まずは2割程度を店舗に最低限の在庫として陳列しておいて、残りの8割の在庫は共有在庫としてコールオフセンターに保有します。その後、各店の品番別、時間帯別売上に応じて、デイリーデリバリー(実際には、毎日複数回)を行える同物流拠点が、実際、売れた分だけタイムリーに、速いものでは、その日のうちに補充してゆくというしくみです。

 いわゆるデイリーデリバリー、毎日配送は日本のファッション業界の勝ち組企業でも常識になりましたが、日に複数回という多頻度の配送は、一部の渋谷109ブランドやコンビニエンスストア並みであり、それが同社の売上の最大化につながる一つの要因であることは想像に難くありません。

 さらに言えば、それだけの強みをもつ、物流拠点づくりは、出店政策に優先されるわけで、その威力が発揮できる範囲にしか出店をしないであろう、というのが、私のH&Mは、しばらくは首都圏にしか出店しないであろうという根拠にもなっています。
 
 日本に攻め入るグローバル企業のロジスティック戦略は、われわれの店頭在庫最適化やスピードの概念も変えてゆくかもしれません。

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September 18, 2008

米ビクトリアズ・シークレットもいよいよ東京出店?

 先週9月12日の繊研新聞に、去年アパレル事業を売却して、「ビクトリアズシークレット」などのインティメイト(インナー、ランジェリー)事業と「バス&ボディーワークス」のヘルス&ビューティ事業にフォーカスした、世界第4位のファッションSPA、米リミテッドブランズが、ビクトリアズシークレット事業を2009年末から10年にかけて複数の国に出店する計画を明らかにしたことに関する記事が掲載されていました。

 リミテッドブランズは、創業者でCEOのレス・ウエクスナー氏の方針で、世界最大のマーケットであるアメリカで伸ばせる間は海外には進出しない、という方針を貫いて来ましたが、そんな同社が海外進出を打ち出すということは、米国国内マーケットの低迷、飽和感も鮮明になってきたということでしょう。

 記事によると、同事業のCEOの方が、ビクトリアズシークレットの東京出店についても「いつとはまだ言えないが、いつかは出店する」と明言されているそうです。

 ビクトリアズシークレットは、海外通販には対応しており、東京にも、日本語でのオーダーサポートと返品対応のためのコールセンターは10年ほど前からあり、潜在需要はしっかりつかまれているはず。世界のファッションSPAの元祖と言える、リミテッドブランズの基幹業態が日本に来るとなれば、その計算されたマーチャンダイジング、オペレーションを日本の生活者が享受できる日が来るということで、とても楽しみであります。

 来年日本に進出するアバクロも、もとはと言えばリミテッドグループで、そのDNAがあってか、海外進出は二の次と考えていた企業。同社の欧州、日本進出には、アメリカの既存店の前年割れが恒常的になって来たことも背景にあります。

 その他、多くの米国勝ち組ファッションチェーンが欧州、日本進出をもくろんでいるのを最近、特に耳にするようになりました。

 日本ファッション企業の新興国への出店も中長期的な課題だとは思いますが、欧米企業の襲来に対し、日本本土で繰り広げられる世界戦に臨み、お互い切磋琢磨し、生活者の購買行動をしっかり見つめて、自らのビジネスモデルに磨きをかけることが、大切であるのは言うまでもないでしょう。

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関連エントリー‐今年、アメリカではティーンズ・ヤング、アンダーウエアマーケットが熱い

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March 09, 2008

H&M(エッチアンドエム)日本語版ウェブサイト

 昨日のH&M関連のエントリーを調べていて、H&Mの日本語版のウェブサイトが開設されているのに気が付きました。

 H&M日本語版ウェブサイト

 日本は変わろうとしています
 2008年秋 東京

 TOPにこのような挑戦的なキャッチが出てくるのは、H&Mらしいですね。

 リアルタイム性を要求されるニュースリリースや株主向けのページ以外はかなり日本語されているのではないでしょうか。

 特に、多くの日本の専門家が指摘している懸案の品質問題について、丁寧に書かれていますね。

 気になる人材募集ですが、幹部の採用は済まされたと耳にしましたが、これから店舗オープニングスタッフの採用情報が始まるようです(募集職種を掲載しているだけで、まだ応募はできない模様)。

 今のところ、簡易的な感じがしますが、他国への進出時の事例を見ると、春から秋のオープンに向けてファッション情報含めて充実してゆくのではないかと思われます。

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February 17, 2008

日本繊維新聞2月19日付に「グローバルSPA」に関する寄稿が掲載されます

 来る2月19日(火)、日本繊維新聞(ニッセン)さんのご依頼で執筆したグローバルファッションSPAに関する寄稿記事が同紙に掲載されますので、事前にご案内させていただきます。

 ニッセンさんの「ファッションビジネス教室」という欄に、10月にはH&M、12月にはZARAについてコラムを執筆させていただきましたが、彼ら欧州グローバルファッションSPAの共通点と世界での成功要因をまとめたものです。

 ユーロ圏出身の企業は、米日英企業と違って、自国マーケットが小さいゆえ、ビジネスそのものがもともとグローバルであり、一極マーケットに依存しないそのビジネス哲学は、どこへ行っても、相手に合わせるというグローバルスタンダードの基本中の基本の実践によって成功しているように思います。

 今年は、日本の生活者が、「ファストファッション」との遭遇と同時に相手に合わせる「グローバルファッションSPA」との遭遇の年でもあるのだな、と思いながら原稿を書いていました。

 よろしかったらお読みください。

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February 16, 2008

アバクロのホリスターが早くもUK進出へ

 私がチェックしている海外流通系メディアの一つイギリスのRetail Weekによると、アメリカのアバクロこと、アバクロンビー&フィッチは、姉妹ブランド、ホリスターカンパニーを早くもイギリスに出店するとのことです。

 Retail Week:Hollister to make UK debut at Brent Cross

 2006年にアバクロをロンドンに出店したばかり、アバクロの多店舗化を待たずに、ロンドンの北のSCにホリスターの投入決定のようです。以前は、ホリスターはロンドンのファッションの中心地、コベントガーデンに出店か?という噂もあったんですけどね。

 ホリスターカンパニーは、アバクロが大学生向けの東海岸エスタブリッシュテイストのビンテージカジュアルに対し、高校生向け、西海岸サーフビンテージテイストが売りのアバクロの一格下の業態。 

 アバクロ社においては、全米で飽和(既存店売上前年割れ)気味の「アバクロ」業態に対し、現在の成長エンジンになっている業態で、既に、全米店舗数では、アバクロを超え、近々、会社内の売り上げ構成比がアバクロと逆転する見込みであります。

 Hollister Co.ホームページ

 先日、月刊「ファッション販売」さん向けに調査した世界ファッションリテイル企業ランキングでは、NO1のギャップ社(いまや低価格業態のOLD NAVYが最大業態)にしても、4位のリミテッドブランズにしても、トップ10に入るアバクロ社にしても、アメリカのファッションSPAは、全体の売上を伸ばし続けているわけですが、その間、かつてのトップ業態が自社内で、その後に開発したブランドにとって代わられているケースが少なくないな、と感じたものです。

 それに対して、日本のファッションリテイラーは、今のところ、次世代新業態開発、育成について、アメリカ大手企業ほど器用ではなく、開発途上にあるようです。
 
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October 26, 2007

H&Mのハイスピード経営

 遅くなりましたが、10月23日(火)、日本繊維新聞(ニッセン)さんに掲載された寄稿記事をアップしておきます。

 ファッションビジネス教室「H&Mのハイスピード経営」 ととてもわかりやすい見出しをつけていただきました。
 
 まだお読みでない方は、こちらからダウンロードしてお読みください。

 「H&Mのハイスピード経営.pdf」をダウンロード

 注:記事中の表、「世界大手SPAの業績比較」の中の「インデックス」とあるのは「インディテックス」の誤りです。

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関連エントリー-日本繊維新聞10月23日付にH&Mに関する寄稿が掲載されます

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September 27, 2007

「ファッション販売」11月号にアバクロに関する寄稿記事が掲載されました。

 本日発売の「ファッション販売(商業界発行)」11月号、47P、ファッション業界ニュース「FASHION EYE」に、2009年日本進出を決めた米アバクロンビー&フィッチに関する寄稿記事が掲載されました。

 アバクロの魅力、日本進出の背景、日本での展開についての憶測など、1ページに簡単にまとめてコメントしてあります。大きめの書店であればどこでも販売していると思いますので、ご興味ある方は、お読みください。

 執筆を依頼されて、アバクロ社のホームページ上にあるアニュアルレポートに目を通しましたが、業界の方ならちょっと興味ありそうな、同社の各業態の客単価、平均一点単価、セット販売率(業界用語で一人あたりの平均買上点数です)が掲載されていましたので、ご参考までに一覧にしておきましょう。

  業態             客単価 平均点単価 セット率
○アバクロンビー&フィッチ  $76.3  $33.76    2.26
(18-22歳対象)
○ホリスター           $54.3  $23.41    2.32
(14-18歳対象)
○アバクロンビー        $64.72 $23.28    2.78
(7-14歳対象)
○ルール             $84.24  $32.78   2.57
(23歳以上対象)
  
 米では、車で乗り付けるSC出店が多いので、どの業態もセット率が高いのが特徴ですね。日本では、ファッションビル内で1.4、都心部のカジュアルチェーンで2.0、郊外SCで2.5くらいでしょうか。

 これによると、アバクロ商品のアメリカでの平均単価は日本円換算で3900円くらいということになります。

 日本での内外価格差は、いったいどれくらいになるんでしょうかね。GAPやナイキは1.3-1.4倍程度ですが・・・

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関連エントリー-アバクロ日本進出は2009年後半

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September 21, 2007

韓国でも海外SPA進出ラッシュ?

 9月19日の繊研新聞に、韓国アパレル市場で、海外から進出したアパレルSPA(製造小売業)企業が中間価格帯マーケットで拡大しており、現地業界の驚異になっていることに関連する記事が掲載されています。

 記事によると、同マーケットでは、インポートブランドの高級ゾーンと低価格アパレルの二極化が進んでいるとのこと。国内ブランドは、軒並み中間価格帯から価格を吊り上げ高級ゾーンに向けてポジショニングを移行していた矢先。国内ブランド(NB)から見れば6-7割、内外価格差1.3程度の価格を提供する米GAPや、日本のユニクロも好調、スペインのZARA(ザラ)も近々進出が予定されているようで、国内業界各社は戦々恐々としているとのことです。

 記事を読んでいて興味深かったのは、韓国と日本での海外SPA企業がマーケットに攻め込む事情がちょっと違うというところですね。

 韓国はスキマになった中間価格帯にそういった海外SPA企業が入り込もうとしていて、一方、より成熟したマーケットである日本においては、日本のアパレルSPA系企業(主にカジュアル系)が、かつてはスキマだった中間価格帯ファッションマーケットを形成し(例:マルキュー、ポイントのローリーズファーム、コムサイズムなどなど)、彼らが、それを受け入れるマーケットの下地を作ったところに、更なるファッション性を切り口にしてZARAやH&Mが攻め込んでくるという図式があると思います。

 マーケットの事情の違いはともあれ、海外有力SPA企業には、生活者に新しい価値を提供し、業界を本気モードで生活者に向かい合わせる力があると思います。

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August 26, 2007

ゴールドマンサックスがティファニー銀座本店ビルを取得

 8月26日の日経新聞に、米投資銀行ゴールドマンサックスがティファニーから銀座本店ビルを370億円で取得するとの記事が掲載されています。

 敷地面積坪当たりの購入額は1億8000万円となり、公示地価で全国首位の山野楽器銀座本店の1億98万円を約8割上回る水準とのこと。
 
 ティファニーは、2003年に現在の土地・建物を約165億円で購入しており、今回、入札で買い手を募り、最高額のゴールドマンサックスに売却を決めたとのことで、今後も両社は長期賃借契約を結び、営業を継続するとのことです。

 海外の投資会社、ファンドが優良都心物件に目をつけ、買いあさっている話はよく聞きます。

 今回の話で、ちょっとケースは違いますが、面白いな、と引っかかっているのは、今後、日本に進出する海外ファッション企業が、都心に店舗を構えるにあたって、これら海外の投資会社が一役買うのではないか、ということです。

 日本では、ご存知のように、特に路面店に出店する際に、特有の「保証金」という制度があります。つまり、家賃の5-10か月相当を担保として大家に差し入れ、一部償却するというビジネス慣行です。

 海外にはこういった慣行はなく、高額の資金が一定期間寝かしてしまうわけで、キャッシュフロー重視のご時世、外資系、特に上場リテール企業が日本で独自に多店舗化を図る際に、株主に説明しづらく、ネックになっているという話も耳にします。

 このような場合、たとえば、海外投資会社が物件を取得し、治外法権的な条件(保証金なし;賃料のみ)で契約したり、あるいは保証金を流動化させる(これは日本でも事例がみられますね)といったスキームを組むことによって、海外のファッション企業は、今よりスムーズに優良物件にスピード出店することが可能になる、と思われます。

 外資同士が組む、または従来の商慣行にとらわれない新興企業が参入して、グローバルな共通言語で日本の不思議なビジネス慣行を壊して自由競争の基盤を作る。単なる不動産ころがしに終わらない、そんなことも今後、海外投資会社には期待できるのではないか、と少々拡大解釈させてもらったニュースでありました。

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August 10, 2007

アバクロ日本進出は2009年後半

 8月9日の繊研新聞にアバクロこと米アバクロンビー&フィッチの日本1号店は2009年後半、銀座に決定(賃貸契約)したとの記事が掲載されていました。

 これは8月7日付けアバクロプレスリリース記事を受けて書かれた記事のようです。

 以前のニュースでは、07年が延期になり、その後2008年後半をメドに日本進出という話だったと思っていましたが、イギリス、ロンドンでの出店後、これからイタリア、フランス、ドイツ、スペイン、デンマーク、スウェーデンなど欧州出店に力を入れることを7月に発表していましたので、日本はそれが一段落した後、翌年の09年後半進出ということのようです。

 ちょっと日本ではアバクロ熱も以前ほどではないので、2年後の09年後半ということで、どうなるでしょうか。

 09年後半と言えば、ちょうど、H&M、ZARAが08秋~09春夏にかけてファストファッションブームを巻き起こして、ファッション価格革命の最中だと思います。そんな洗礼を受けた日本の生活者に対して、どんなプライシング(価格設定)で来るかが見ものです。

 しかしながら、アバクロの売場演出はものすごく魅力的でアメリカでも超一級だと思いますので、日本進出によって日本の生活者の目を肥やし、国内の日本ファッション企業のレベルアップへの良い刺激にもなりますから、楽しみにしたいと思います。

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関連エントリー-アバクロ日本進出延期
関連エントリー-アバクロ日本進出へ再始動

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July 13, 2007

H&Mの銀座旗艦店出店情報

 7月13日の繊研新聞に、来年秋原宿に1号店を出店し、日本進出を決めた世界最大、スウェーデンのファッションSPA業態、H&M(エッチアンドエム)の2号店が銀座に決まったとの記事が掲載されています。

 関連ニュースを見つけました。
 
 三井不動産プレスリリース

 記事の中に外観パースがあり、しっかりH&Mのロゴも光ってますね。

 銀座の中央通りに面した東京ガスの「銀座ガスホールビル」跡地の新築ビル(中央区銀座7-1-7)で、三井不動産が企画・開発する「ティージー銀座7丁目ビル(仮称)」。地下2階、地上12階のビルで、敷地面積目一杯に立てたとして1層140坪くらいのビル。H&Mが核テナントになるということで、外観パースを見る限り1階-3階の3層の模様です(地下1階もありですかね)。

 立地的には、松坂屋百貨店、ZARA銀座店の並び、通りを挟んで反対側にはユニクロが日本最高の売上を誇る銀座店もある好立地です。

 H&Mの首都圏多階層集中出店計画、そんなに物件があるのかと疑問視する声もありますが、こうしてみると都心再開発で結構あるかもしれませんね。

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関連エントリー-H&M(エッチアンドエム)、2008年秋 日本進出
関連エントリー-H&M社長、日本進出戦略を語る
関連エントリー-ファッション業界関係者はH&M(エッチアンドエム)の日本上陸の影響をどう見るか?~WWDジャパンより
関連エントリー-㈶流通システム開発センター発行 「流通とシステム」にH&Mに関するレポートが掲載されました

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July 08, 2007

㈶流通システム開発センター発行 「流通とシステム」にH&Mに関するレポートが掲載されました

 日本の流通業で利用されているバーコードやICタグの標準規格を管理されている経済産業省関連の財団法人、流通システム開発センターさんの季刊誌「流通とシステム」131号(2007年7月発売号)にレポートが掲載されました。

 今回の「流通とシステム」の特別企画は、「伸長する小売業態の現状と今後」ということで、ドラッグ、ホームセンター、食品スーパー、ホームファッション、コンビニ、ショッピングセンター各界の著名専門家の方々がレポートを寄せていらっしゃいますが、そこに連載中の特別報告、グローバル流通企業をレポートする第5弾で、「ファッション業界の常識を覆す新しいビジネスモデル~スウェーデンファッションSPA、H&M日本進出」と題して8ページほどの論文を書かせていただいたものです。

 冊子が刷り上ってびっくり、「ユニクロvsしまむら」でおなじみの、シーズの月泉博先生やフードマーケットクリエイティブの太田美和子先生など、かつて本を読ませていただき、感銘し、大変勉強をさせていただいた方々と私のレポートが並んでいるのを見ると、光栄で、とてもうれしく感じました。
  
 私のレポートの目次をご紹介すると、

1.はじめに―H&M日本進出のインパクト
2.H&Mのプロフィール
3.ファッションビジネスにおけるH&Mの優位性
4.第1世代SPA GAP、LIMITED優る、第二世代SPA H&M、ZARAの21世紀型ビジネスモデル
5.スウェーデン企業の国際性
6.H&M日本進出戦略を考える
7.おわりに―H&M進出で日本の生活者が得るもの

 全般的に今まで当ブログでH&Mをご紹介している視点で書いていますが、専門誌ということで、6のところなどは、リテールポジショニング戦略、グローバル・ソーシング、ディストリビューション・ロジスティック戦略など少し専門的な考察を加えたところもあります。

 H&Mの日本進出については、未知な部分もありますが、同社のことですから、おそらく極めて王道的な戦略でくると想像されるところもあり、ここらへんは、考え出すと議論もつきませんね。

 ご興味ありましたら、是非ご購入ください。私のレポートに限らず、今回の特集は流通小売業界の方、業界にご興味ある方には、充実した内容になっていると思います。 

 「流通とシステム」について

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関連エントリー-日本繊維新聞「FB(ファッションビジネス)教室」にコラムが掲載されました(上)
関連エントリー-日本繊維新聞「FB(ファッションビジネス)教室」にコラムが掲載されました(下)

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June 30, 2007

バーニーズ・ニューヨーク売却で、気になるオイルマネーのファッションビジネスへの流入

 米ジョーンズ・アパレルが、傘下のファッションリーダーストア、バーニーズNYをドバイ(アラブ首長国連邦)の政府系投資会社Istithmar(イスティスマー)に8億2500万ドル(約1000億円)で売却するとのニュースが各メディアで報道されましたが、今、観光などでも注目されている中東「ドバイの」の響きが気になりました。

 バーニーズNYは会社更生法適用に陥ってから、1999年に、2社のファンドが資本を投じ、04年に現在保有するジョーンズ・アパレルが4億ドルで買収。好景気、富裕層の台頭の追い風に乗って、現在、全米に9店舗と13のアウトレットを展開し、業績も順調。今後の展望も明るい事業だったはずです。日本のフランチャイズ事業も昨年軌道に乗せた伊勢丹から住友商事に営業権が移り、これからが楽しみな業態であります。

 ジョーンズアパレル社としては、バーニーズNYを投資から3年で2倍の価値にしたわけで、売却益で、中核の中間価格帯事業へのテコ入れを行いたい模様です。

 買収側のドバイの投資会社、イスティスマーですが、 関連記事情報によると、アメリカでは、2年前にオフプライスストア(ブランドディスカウントストア)のLoehmann's(ローマンズ)を買収するなど、中東オイルマネーをアメリカ国内に投資中。アラブの投資会社は、比較的中・長期的なビジョンで投資を行うようで、WWDの記事などの中にも、バーニーズには、アメリカ国内だけではなく、国際的に富裕層への展開を期待しているようです。

 日本のファッション流通にとっては、中東はとても縁遠いものがありますが、今後、世界の金融の一角を担うオイルマネーは世界のファッションビジネスの中でも無視できない存在でありましょう。

 ヨーロッパから見ると、中東、特にドバイは、世界戦略の要衝の一つです。

 日本と違って、アパレルの国別輸入制限枠を持つEC圏では、ドバイはインド~中東~東アフリカ各国に分散して生産されるアパレル生産のハブ的な中継地でありましょう。

 また、日本のファッションに身近なところでお話すると、アフリカ方面の難民向けに輸出されるヨーロッパ古着は、一旦ドバイに集結します。ドバイにヨーロッパ古着を買い付けに行かれる古着バイヤーの話も耳にします。

 06年にH&M(エッチアンドエム)が、中東進出を果たした際に、世界で唯一のフランチャイズ権をクウェートとドバイを中心に活躍するM.H. Alshaya社に渡しています。イスラム圏という独特な文化の中では、現地パートナーが必須と考えたのでしょう。
 
 今後の中東企業の世界ファッションビジネスへの投資、参入ちょっと気になるところですね。

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関連エントリー-住友商事が伊勢丹からバーニーズを買収

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June 03, 2007

社会的責任投資(SRI)が拡大

 6月1日の日経MJに、企業の収益性のみならず、環境や人権に配慮した社会的責任策(CSR)を積極的にとっている企業に限定して投資をする「社会的責任投資(SRI)」が世界的に拡大しており、リテール業界にも多くのSRI資金が流れているとの記事が掲載されていました。

 記事が紹介しているのは、世界のSRI投資の指標として評価の高い、ダウジョーンズのDJSI(Dow Jones Sustainability Indexes)。 同指標に連動するものだけでも現在年間約6000億円に及ぶ資金が運用されているとのことです。

 どんな企業が実際このDJSIに登録されているのかちょっと興味を持ってネットで調べたところ、

○ Dow Jones Global Indexに含まれる世界の企業2500社以上のに対して、「経済合理性」「環境適合性」「社会適合性」の3つの観点から調査分析を行い、

○各業種の上位10%以内の評価を得た企業

をスクリーニング(選定)するということで、定期的に登録、抹消が行われ、2007年現在、世界、全業種合計で314社が登録され、そのうち日本企業は39社ありました。トヨタやソニーなどの世界的に有名な製造業や大手商社などのグローバル企業が中心で、流通関連ですと、イオンの1社のみにとどまります。

 世界に目をやって、ファッション関連で目についたところをアルファベット順に挙げると、
 Adidas(独)、GAP(米)、H&M(スウェーデン)、Herman Miller(米;家具)、(ZARAの)INDITEX(スペイン)、
Marks & Spencer(英老舗GMS)、NIKE(米)、PUMA(独)あたり。

 スポーツブランドと大手アパレルSPA企業が顔をそろえていますね。

 記事では、「対応が進んだ企業は中長期的に経営リスクが低い」と判断され、それらの企業は、まとまった資金調達のアドバンテージを持つことになり、株価は高値安定。一方、その逆は株価が不安定に晒され、買収リスクも高まることを警告しています。

 今後、ますます、SRI系ファンドの資金力が拡大傾向にあるのは想像に難くありません。
 
 そして、その資金は、本業にあくせくせず、社会的責任を果たしながら、余裕をもって成功している企業へと向かうという世界的構造。

 更なるグローバル時代に日本の流通企業もそういったセンスを持った企業との競争になるわけですね。

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May 30, 2007

米アーバンアウトフィッターズが日本進出に先駆けて日本語版通販をスタート

 5月30日の繊研新聞に、数年内に日本進出を計画しているアメリカのストリートカジュアルチェーン、アーバンアウトフィッターズが、リアル店舗の出店に先駆けて日本語版の通販サイトをオープンしたとの記事が掲載されていました。
 
 アーバンアウトフィッターズ日本語公式サイト

 アメリカのサイトと同じイメージにするために、そのまま和訳をしている模様です。

 さっと覗かせてもらいましたが、シンプルでセンスのある画像はよいのですが、かつて、アメリカでちょくちょく買い物させてもらって知っている分、この日本円表示価格の割高感が目に付いてしまいました。

 それから、単品販売だけで、あのアーバンアウトフィッターズの良さを伝えるのは、なかなか難しいかな、というのが印象です。もう少し、店舗の雰囲気や世界観、コンセプトが伝わるコンテンツにした方がいいと思うんですけどね。 

 やはり、アーバンアウトフィッターズは、店舗の独特の世界観と客層のライフスタイルを明確に絞り込んだマーチャンダイジングのバランスがすばらしいわけで、その良さは、店舗に優るものはありません。

 出店を楽しみにしています。

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関連エントリー-米アーバンアウトフィッターズ、欧州そして日本へ

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April 13, 2007

H&Mの足音が聞こえる

 4月13日の繊研新聞に、12日中国本土1号店となるH&M(エッチアンドエム;ヘネスアンドモーリッツ)の上海店オープンに関する記事が掲載されています。香港に続き、一歩づつ、じわりじわりと日本に近づいて来ているような感じですね。

 同紙記事の内容に加えて、H&Mのプレスリリースや海外ネットニュースを織り交ぜてどんな様子だったのか、いろいろ探ってみました。

 オープン前日の前夜祭は、オーストラリア出身のスーパースター、カイリー・ミノーグが駆けつけ、チャイナドレスで登場し、ヒットナンバーでH&M中国1号店を祝福すると同時に、来月から全世界で販売される”H&M Loves Kylie”というスイムウエアのコラボコレクションも世界に先駆けてお披露目したとのことです。少林サッカーのマドンナ、ヴィッキー・チャオなど中国の有名スターたちも招待され、ずいぶん派手なパーティーだったようですね。

 オープン当日は、開店前に700人(繊研新聞には300人とありましたが)が並び、4層、660坪のレディース、メンズ、ティーンズ、キッズのフルラインの売場は大盛況だったようです。

 訪中したロルフ・エリクセン社長への各メディアのインタビューで気になった部分としては、H&Mの生産の60%を占めるアジア生産のうち、その半分である30%が中国生産。供給国として25年の付き合いである中国には、マーケット、人脈も含めてそれなりの理解がある、とのことで、なおかつ、生産地での販売となれば、更なる短サイクル生産・デリバリーのオペレーションへのチャレンジも行いたい、としているようです。

 やはり、生産のハブ拠点、中国でオペレーションに磨きをかけて日本進出、というわけですかね。

 同様にH&Mが日本に来る時に楽しみにしているのは、顧客コミュニケーション戦略です。H&Mはメディアに対してだけでなく、一般生活者に対してのプレスリリースも上手です。つまり顧客へのファッション啓蒙活動とでも言いましょうか?

 一般的に、日本のファッション企業は、極端なことを言うと、シーズンインして、雑誌掲載や店頭に商品が並ぶまで、情報は生活者にはなかなか入って来ないものです。たぶん、競合他社に情報が漏れることを恐れての結果ではないか、と見ていますが。

 一方、H&Mは同社のプレスリリースなどを見ていると、比較的、前もって、来シーズンのうちのトレンドはこうだよ、とか、こんな仕掛け(コラボなど)をしますよ、といった情報を意図的に公表して、期待を膨らませ、「お待たせしました」って感じで発売を迎えるしかけをよくやっているように見受けられます。次シーズンのトレンドを前もって、わかりやすく説明してくれれば、生活者の立場に立っても、親切で、信頼度が高まるのは当然ですよね。

 ZARAはあまり広告宣伝にお金をかけないと言われていますが、H&Mはかけると言いますから、どんな手(宣伝活動)を尽くして来年の秋を迎えますかね?東京オープンに向けて、著名スーパースターとのコラボコレクションは当然でしょうし、海外滞在や海外旅行でH&Mでショッピングを体験した人たちをトレンドセッターとして焚き付けることも定石でありましょう。

 確か、原宿のGAPが出来た時も、当日使える割引券配布で表参道に1000人くらいは並んだと記憶していますので、H&Mはどんなしかけでどれだけ人を並ばせるかも興味深いところですね。

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March 17, 2007

アルマーニ・エクスチェンジ(A/X)が日本初上陸

 今週のファッション流通関連で一番新聞を賑わしたのは大丸・松坂屋の経営統合の話でしょう。

 アメリカ仕込?のチェーンストア経営手法を軌道に乗せんとする大丸の奥田会長が、統合後、どのように、業界では高島屋、伊勢丹を筆頭とする各連合のパワー、流通全般ではセブン&アイおよびイオン・ダイエーグループと競い、いかに豊かな生活者のライフスタイルを創造してゆくのかを楽しみにしています。

 さて、もうひとつのホットトピックは百貨店を核テナントとした2つの郊外型SCの開業でしょうか。

 ひとつは12日に高島屋、イトーヨーカ堂、ロフトを核にオープンした流山おおたかの森SC、もうひとつは15日にオープンした大丸、イトーヨーカ堂、東急ハンズを核にしたららぽーと横浜です。

 流山おおたかの森SC

 ららぽーと横浜

 武蔵村山のダイヤモンドシティの時は近隣の某百貨店のプレッシャー?があり三越含めブランドメーカーから十分な協力体制が得られなかったと言われていますので、今回こそが東京近郊の百貨店が核テナントとなる郊外SCの試金石としての期待が高まります。

 前置きが長くなりましたが、もうひとつ、この2拠点を皮切りに伊アルマーニグループのファストファッションストア「アクセシブル(手の届く)アルマーニ」こと、アルマーニエクスチェンジ(A/X)の日本進出にも興味が高まります。

 3月16日の日経MJによると、A/X は、この2店舗の後、9月には渋谷に旗艦店をオープン、今後3―5年をメドに郊外SC他20箇所に100坪前後の店舗を出店し、年商100億円を目指すとのことです。

 同業態は、アルマーニグループの中でも、かつて、「GAPへのメッセージ」として18-25歳向けに開発された手ごろな価格帯のカジュアルチェーンですが、記事によると、アルマーニジーンズ(AJ)より3―4割安いというものの、ジーンズ18,900円、ニット10,290円と、ちと高いですね。アメリカのA/Xのサイトの価格と比較ください。

 A/Xホームページ

 やはり、外資とは言え、日本の既存のアルマーニグループのブランドが入っている百貨店への遠慮から高め設定なのでしょうか。本来は、独資で進出した海外チェーンには、内外価格差ナシを期待したいのですが・・・。

 A/Xには、すでに郊外SC出店が始まったZARA(ザラ)、来年進出するH&M(エッチアンドエム)あたりと是非、欧州ファストファッションチェーンのブームの一角を担って欲しいところです。

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関連エントリー-アルマーニエクスチェンジ(A/X)も参戦、世界のファストファッション競争

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March 02, 2007

米GAP、2年連続減収減益。世界SPAの世代交代鮮明

 米GAP(ギャップ)の2007年2月3日で終わる2006年通期の決算速報が3月1日付けで同社HPにリリースされていました。

 金額は以下、わかりやすくするため、3月2日の為替レート、$=117.4円で換算し、円で表します。

 売上は1兆8,717億円で約1%の減収、
 経常利益は1,483億円で30%の減益

 となります。

 中身を見てみると、
 米GAP事業・・・・・・・・・・・・6%減収、既存店売上前年対比は-7%
 米バナリパ事業・・・・・・・・・9%増収、既存店売上前年対比は±0%
 米オールドネイビー事業・・・±0%、既存店売上前年対比は-8%
 海外事業・・・・・・・・・・・・・・±0%、既存店売上前年対比は-8%

 となり、唯一バナナリパブリック事業の収益をその他が食っている格好になっていますね。また、オールドネイビー事業の売上構成比が、海外を含めたギャップ事業を上回った模様です。
 
 これを受けて、今期は、経営戦略的には、エンターテインメントビジネスのディズニーからこられたマーケティング系のCEOさんが、業績回復を実現できず、退任され、今期は創業者の息のかかった、マーチャンダイジング系の経営陣を固め、引き続き店舗のスクラップ&ビルトを行い、商品問題の建て直しを行うようです。

 事業別方針としては、
 ①GAPのリストラ
 ②オールドネイビーの強化
 ③新規事業のフォース&タウンは撤退
 とのことです。

 気になったので、比較の意味もこめて、ちょうど07年2月で締まった世界2位のファッションSPA、LIMITED BRANDS(リミテッドブランズ)の2006年通期決算速報も除いてみましたが、同社は
 
 売上高1兆2,527億円で約10%の増収、
 経常利益は1,288億円で約15%の増益

 となりますが、中身は、インティメイト(下着)ビジネスのビクトリアズシークレットとヘルスアンドビューティー事業のバス&ボディーワークスがグループ売上高の2/3を占め、成長を牽引しており、もともとの基幹ビジネスであるアパレル事業、LIMITEDやEXPRESS(グループ売上高構成比は1/3以下)はリストラ中なのがわかります。

 ベーシック系アパレルSPAで世界1、2位の規模になった両社。GAPは既存アパレル業態の建て直しに懸命で、LIMITEDは非アパレルファッションビジネスで成長しているのが現状です。
 
 なお、GAPは以前ブログでもご紹介したように事業売却の検討にも入っているとのことです。

 一方、世界3、4位のH&MとZARAのファストファッション系SPAの躍進は、アパレル事業を中心に二ケタの増収増益中。

 今月、21日に1月31日で締まったZARA(ザラ)を展開するINDITEX社の2006年通期決算が発表される予定ですが、その時点で、世界4大SPAの順位は

    2005          2006
1位 GAP          GAP
2位 LIMITED       INDITEX (ZARA)
3位 H&M         LIMITED
4位 INDITEX(ZARA)  H&M

となることがほぼ決まった模様です。LIMITED、H&Mの成長も2桁増と立派なものですが、ZARA(ザラ)を展開するINDITEXの20%超のハイペースの出店がものすごいですね。収益性ではH&Mが確実に伸ばしています。

 このあたりはINDITEXが出揃った段階でまた見てみましょう。

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 関連エントリー-米GAPが事業再建計画検討へ

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February 18, 2007

米銀シティグループ上場で、海外ファッション企業も東証上場加速?

 2月18日の日経新聞の1面に米銀最大手のシティグループが年内にも東証に上場申請を行うことに関する記事が掲載されています。

 外国企業の日本上場を促進するため、東証とニューヨーク証券取引所との提携によって、一方に上場済みの企業の他方への上場申請が簡素化されるようで、その制度を使った1号案件になりそうだとのこと。

 シティグループはかつて、日本で生活者のかゆいところに手が届くサービスを中心に一時話題を呼び、国内既存金融機関からの風当たりや(実際には当時、日本の関係省庁間の確執もあったようですが)、不祥事で脚をすくわれましたが、私は、同行の日本の生活者を取り巻く金融サービスに一石を投じた功績は大きいと評価しています。

 彼らが、東証に上場し、より日本の投資家や生活者に理解される形で海外企業進出のお手伝いもしてゆけば、金融のみならず、生活者を取り巻くマーケットが活性化することが期待されます。

 東証は、その後、ロンドンやドイツの証券取引所と提携を進めるとのこと。

 業界に目を向け、勝手に中期的に予想されるシナリオを想像してみました。
 ①海外銀行大手が東証上場
 ②海外ファッション(リテール)企業も東証上場が増える
 ③投資家や生活者に、目に見えやすく、イメージに訴えやすい
  ファッションリテール企業が多くの理解を呼ぶ
 ④東証に上場していて、わかりやすいファッションリテール企業は
  株主の理解も得やすく、本国株式を利用した三角合併もやりやすい
 ⑤業界での海外ファッション企業の影響力が拡大

 前回のエントリーでは、ウォルマートやH&Mなどの海外リテール企業の百貨店買収の可能性も示唆しましたが、これからどうなるでしょうね。
 
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January 30, 2007

H&Mの一格上の業態、コレクション・オブ・スタイル(COS)3月ロンドンにOPEN

 1月29日の繊研新聞およびWWD.COMに、GAPに次ぐ世界第2位のファッションチェーン、H&M(へネス&モーリッツ)社が、以前から発表していた「H&M」より一格上の新業態、「Collection of Style(COS)」の1号店を今年、3月にロンドンのリージェントストリートにOPENすることに関する記事が掲載されています。

 ドイツが圧倒的に最大市場だったH&Mも、英国での躍進、アメリカの強化により、世界的にバランスが取れてきた模様で、一格上の新業態は英国での1号店OPEN、また、同記事にはZARAの後を追ってまずはインターネット通販から始めるホームファッションライン、H&M HOMEについても触れられています。

 GAPの再建が報道される一方で、07-08年の世界ファッションリテーラーの話題は、H&M 対 ZARAを展開するINDITEXの第二世代SPA、ファストファッションSPAの一騎打ちの構図になりそうですね。

 08年にH&Mは日本進出を果たしますが、彼らのビジネスモデルはともかく、正直、今のH&Mのクオリティのままでは、日本の生活者には通用しないのではないか、と見ていますが、このCOSのクオリティがどこまでのレベルのものなのか、日本での成功を占うとても大事なキーポイントになりそうな気がしてなりません。

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January 22, 2007

2008年東京まで待てない!今春上海で世界SPA戦争前哨戦が始まる

 1月22日の繊研新聞、今回の新春小売業首脳インタービューは、ハニーズの江尻社長の記事でした。

 記事によると、昨年12月中旬に出店した同社の上海万达商業広場の店舗は絶好調の模様、初年度損益トントンのメドも立ったようで、また、2月に同じく上海は正大広場に出店する立地は、4月に出店予定のH&M(エッチアンドエム)の隣とのこと。

 ちなみにH&Mが出店するビルの1、2階はH&Mで3階がユニクロとのことで、江尻社長はH&Mが日本進出する前に隣同士になり、来年の秋の前哨戦が上海で繰り広げられることを楽しみにしているとのことです。

 私も、H&MとZARAの激戦パリにユニクロが進出するのもとても楽しみですが、この春、上海で、先行のZARA、H&Mとユニクロ、ハニーズがぶつかるのもとても興味深く思っています。

 ちょうど22日の日経MJの一面も昨年、今年と中国進出を果たす欧米日強豪カテゴリーキラーの見所特集でしたね。

 世界のH&Mには店舗の世界観や広告宣伝の妙味については、まだまだ及ばないと思いますが、こと東アジア市場という地政学的なオペレーションを考えた時にまんざらハニーズに分がないとも思えません。

 というか、日本マーケットにH&Mの世界観の作り方とハニーズのスピード感あふれる企画生産オペレーションを併せ持つファッションストアが現れたら最強!とても面白いことになると以前から思っています。

 お互いベンチマークしあいながら切磋琢磨されてゆくのを楽しみに見守りたいと思います。 

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 関連エントリー-ハニーズは日本のH&Mになれるか

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December 14, 2006

H&M(ヘネスアンドモーリッツ)が日本に来るということ

 12月12日の日経新聞につづき、13日に日経MJと繊研新聞にもH&Mの記事が取り上げられたり、複数のファッション系のブロガーの方々が私のエントリーを引用してくださり、H&M関連のエントリーにたくさんのアクセスを頂きました。

 確かに、業界以外の方はもちろん、あるいは業界の方でもアジアやアメリカ西海岸くらいまでが行動フィールドであればH&Mに遭遇することは少ないでしょうし、凄いファッション企業が来るようだ、という感を受けるのみで、H&Mは「得体の知れない存在」でありましょう。

 こう想像したらよいのかなと思います。

 百貨店やセレクトショップ並のトレンドファッションが、流行の後追いではなく、それらの店と同じタイミングで、ヨーロッパ感覚のかっこいい内装の店舗に並び、ユニクロ価格で販売されている大型ファッションストアができる。

 ファッション商品をマーケットに送り出すスピードと価格を重視しているので、商品単品を見ると素材や縫製にラフなものはありますが、マネキンを多様したコーディネート提案や有名人をモデルにしたライフスタイル提案型宣伝広告(←これユニクロがH&Mをベンチマークしたと言われています)は、生活者の購買心理を大いにくすぐり、ファッションの本質的なソリューション(=着用して人前に出ても恥ずかしくない)を果たしています。

 つまり安いけどダサくないのです。

 そんなお店が出来たらみなさんはどうしますか?という話です。

 ここから視点を日本のアパレル業界サイドに置き換えます。

 かつてユニクロがブームを引き起こし、アパレル企業各社が一番安定的に売れる『ベーシック定番商品』というゾーンを根こそぎ持っていかれた時に各社が学んだことは何だったでしょうか?

 今度は、H&M来襲が意味すること、すなわち毎シーズン各アパレル企業が打ち出すべきメインディッシュである『シーズントレンド商品』を、市場最低価格で大量に販売してしまう、ファッションリーダーにも支持される大型チェーン店が都心部に次々にできたら御社はどうしますか?という命題だと思います。

 H&M日本進出まであと2年、この命題を通して各ファッションストアやアパレルブランド各社がそれぞれ

 自分たちは生活者にとってどうあるべきか・・・

 ポジショニングから品揃え、サービス、仕事のやり方まで今一度見直すよい機会になればと思っています。

 そう、少なくとも、日本のファッション企業は、H&Mよりも日本人であるがゆえに日本の国民性を理解し、生活者の近くにいる、という極めて強いアドバンテージを持っているはず。そのアドバンテージを活かせば負けることはありませんよ。

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December 12, 2006

H&M(エッチアンドエム)、2008年秋 日本進出

 12月12日の日経新聞に、スウェーデン発のファストファッションSPAの雄、H&M(エッチアンドエム)ことヘネスアンドモーリッツが2008年秋にも東京に一号店を開き、日本進出をするになったことに関する記事が掲載されています。以下にH&Mのホームページのプレスリリース記事を拾ってみました。

 H&Mプレスリリース記事

 1号店は原宿の現在、建設中のビルに約500坪の売場を展開予定で契約をすでに締結した旨が記載されています。2号店以降も交渉中とのこと。

 私は、まずは来年中国に進出して、しばらくしてGAPの跡あたりに・・・と思っていましたが、それも結構先の話ですし(2011年)、どのロケーションに構えてくるか、これから明らかになってくると思います。

※追記:上記リンク先のH&Mのプレスリリース記事の右横にH&M原宿店のイメージ画像がありますが、これは明治通り沿いの「フォレット原宿跡」ではないでしょうかね?

 いよいよ来ますねH&Mが。

 今年はNYで、2007年は上海とパリで、そして2008年には東京のそれぞれファッションの中心地、超一等地で、H&MとZARAとGAPとユニクロの激突が見られるのがとても楽しみです。

 それはそうとして、欧米で猛威を振るっているファストファッション(=欧米コレクション並みのトレンドファッションを低価格の素材でリアルタイムに、市場最低価格で販売してしまうSPA)の波がいよいよ本格的に東京に押し寄せることになります。

 日本の生活者はどんな反応をするのか、日本のアパレル業界はどんな対応に迫られるのか、1999-2000年のユニクロブーム以上の激震が日本のマーケットに起こることが予想されています。

 H&Mのことですから、おそらく、ヨーロッパやアメリカで見たそのままではやって来ないでしょう。スウェーデン企業は、相手のマーケットにあわせることがうまいと聞きますので、世界で生産した製品を日本に集結させる物流拠点の構築(上海あたり?)や、素材はともかく縫製の品質問題の改善など日本マーケットを攻略する上で用意周到にやってくることが十分に予想されます。

 そんな世界の強者たちに揉みに揉まれて業界が更に生活者最適に向かうことを期待してやみません。
 
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 関連エントリー-ファストファッションの挑戦状
 関連エントリー-H&M、次なるコラボはステラ・マッカトニー
 関連エントリー-欧米マーケットに影響与えるファストファッション
 関連エントリー-ランウェイの向こうにあるもの
 関連エントリー-H&M(エッチアンドエム)の海外市場攻略手法
 関連エントリー-H&M(エッチアンドエム)が来春中国進出
 

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November 09, 2006

A/X アルマーニ・エクスチェンジ来春日本進出決定

 11月9日の繊研新聞によると、ジョルジオ・アルマーニグループのヤング向けジーニングカジュアル業態、A/Xことアルマーニ・エクスチェンジの来春日本進出が決まったようです。

 アルマーニグループの中では、日本で初めて10-20代の客層をターゲットに、売り場面積100‐150坪の店舗に、本国からのインポート商品で単品1万円以下の商品群の商品構成になるとのこと。出店立地は、渋谷の路面店、来春新設の「ららぽーと横浜」、「流山おおたの森SC」の3箇所(それぞれ大商圏の路面・駅前SC・郊外SC)になるそうで、その後の展開は、これらの3店舗の動向を見極めて行うとのことです。

 関連エントリー-アルマーニエクスチェンジ(A/X)も参戦、世界のファストファッション競争

 のように、アルマーニ氏も世界のファストファッション戦争に参戦を表明しています。日本でどのような評価を受けるか、楽しみなところです。

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October 03, 2006

米アーバンアウトフィッターズ、欧州そして日本へ

 10月2日の繊研新聞によると、アメリカの大学生に人気のカジュアルブランドセレクト&SPA型チェーン、アーバンアウトフィッターズは、これまでの英国、アイルランドに続き、この度、コペンハーゲン、ストックホルムに出店し、今後欧州出店を加速、3年以内に日本進出も視野に入れているとのことです。

 アーバンアウトフィッターズは、アメリカにリサーチに行かれる業界の人間には、おなじみで、90年代後半から今世紀初頭まで多くのカジュアルチェーンが参考にしたファッションストアですが、一般の方にはあまりなじみがないかもしれないので、同社のメイン業態、ウィメンズ業態、ヤングレディース業態のURLを紹介しておきましょう。

Urban Outfitters アーバンアウトフィッターズ
Anthropologie アンソロポロジー
Free People フリーピープル

 アーバンアウトフィッターズとの出会いは、私が90年代前半にアメリカのヘビーウエイトのTシャツを日本に輸入すべく、アメリカ東海岸に足しげく通っていたころ。NYのSOHO店で胸躍る思いをしたのを今でも忘れはしません。

 同社は、フィラデルフィアのキャンパス近くで1号店をOPENして以来、大学に合格して、一人暮らしを始める18歳の男の子女の子のライフスタイルにあったファッションとグッズを提案するというコンセプトの店で、アパレル、服飾雑貨、アクセサリー、家具、インテリア雑貨、パーティーグッズなどなど・・・赤錆の利いた鉄骨と廃材を利用した天井の高いウエアハウスタイプの大型店にその品揃えのバラエティさはこの上ありません。

 今や、株式も公開し、アメリカ全土に出店しておりますが、90年代は、そういったコンセプトゆえに、大学のある街にしか出店しない、という出店ポリシーを貫いていたところにほれ込んだものです。

 単調なSPA系のストアや量販集荷型チェーンが多い中で、アンチテーゼのごとく、アパレルはディーゼル、トリプルファイブソウル、アディダス、スピワークなどをホットでクラシックなNBブランドを核にして、それにアメリカの新鋭ブランドや、BDG(ブルドッグ)、FP(フリーピープル)といったPBに、更に古着をミックスさせ、アジアン系の生活雑貨でスパイスを利かせた店内は1時間いても飽きなかったものです。

 最近は、既存店売上に少々翳りが見えてきたようですが、今後は積極的に海外へも展開するわけですね。

 ロンドンにハイストリートケジントンの店も訪問しましたが、イギリスの人気ブランドを上手に取り入れ、ロンドンローカルにあった店舗と品揃えをしていてさすがだなと思ったものです。

 欧州では、5~10年で50店舗を計画しているとのことですが、ロンドンに続いて、ファストファッションのH&Mの牙城、北欧を攻めるあたりは、とても面白いアプローチですね。アパレルだけでなく、生活雑貨にもこだわりがありますので、北欧っ子にも受けること間違いないのではないかと想像しております。

 日本でいうと・・・代官山や原宿などにあるDEPT(デプト)あたりが雰囲気近いかもしれませんね。

 数年前から、社長さんが来日して、日本進出のための立地を物色したり、情報収集していたのは聞いていましたが、日本マーケットをどう見て、どんなローカル商品ミックスで来るか、とても楽しみなところです。  

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August 15, 2006

アバクロ日本進出へ再始動

 8月15日の繊研新聞によると、昨年、日本進出を白紙に戻したアメリカのカジュアルスポーツウエアSPA、アバクロことアバクロンビー&フィッチが08年秋から09年初めに日本1号店を出店すべく、再び動きだしたとのことです。

 これは繊研新聞のニューヨーク通信員によるアバクロのトム・レノックス副社長のインタビューで明らかになった話のようで、表参道または銀座にニューヨーク5番街級の500坪超の店舗を出店できる立地を物色している模様です。

 さらに、記事によると、同氏は、以前日本進出のための子会社ANFの代表をされていた田代俊明氏と袂を分けた理由として、やはり、ビジネスの拡大のペースに関する考え方の相違があったことを認めているようで、日本では、田代氏が進めようとしていた拡大のスピードよりも、着実にブランドを構築したい意向で、現在、「我々のビジネスモデルとブランド哲学を理解している人、もしくは学ぼうとする意欲のある人」を統括責任者として探している最中であるとのこと。

 1号店出店後の計画は未定のようですが、そういうことであれば、じっくりブランドイメージを構築して日本市場を攻略しようというお考えのようですね。

 どんな方が日本の事業展開の責任者に選ばれるのか、そして2年後、1号店となる大型店の立地は?はたまた、アメリカでは大学生をメインターゲットにポジショニングされたブランドであるアバクロを日本では、ラグジュアリーブランド並に打ち出す戦略の成否はいかに・・・その出方が楽しみです。

 関連エントリー‐アバクロ日本進出延期

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July 30, 2006

GAPが小型店で出店攻勢

 7月29日の日経新聞に、世界最大のSPAチェーンGAP(ギャップ)が今秋から、日本で立地と客層にフォーカスした小型店の出店を始め、年20店舗以上(現在の倍のペース)の出店をめざすとの記事が掲載されています。

 同社(ギャップジャパン)は現在、250坪以上の大型店を百貨店、路面店を中心に日本全国95店舗を展開していますが、今後は郊外の大型SCへ従来の大型店舗を出店すると同時に、駅ビルへアダルトなどに特化した100-150坪タイプ、百貨店にベビーなどに特化した30-50坪タイプの出店を始める模様です。

 関連して、同社の社長人事は、今年の始めに、10年に渡ってギャップジャパンの基礎を社長として築き上げたクリストファー・ギャレック氏が退任。中継ぎでアバクロ日本支社設立に関与された元グッチジャパンの田代さんが一時的に代表取締役に就任したあと、8月より元ナイキのアジアパシフィックアパレル部門ゼネラルマネジャーとして日本マーケットを担当したジョン・アーマティンガー氏が後任に発表された矢先のプレスリリース。

 なるほど、第1ステップは大型店で日本市場でのブランディングの基礎を気づいた後、役者を代えて第2ステップで小型店で隙間を埋めるという、さすが、王道的な手堅い出店政策ではないか、と思います。

 また、昨年のバナナ・リパブリック(バナリパ)の日本での立ち上げは、GAPでの10年間の苦労がはっきり活かされている、と業界から高い評価を受けた同社。そう、基幹業態GAP自身もこれから研究を重ねた日本の客層に合わせたきめ細かい出店戦略に出るわけですね。

 ニューヨークに行かれた方はご存知の通り、昔からマンハッタンミッドタウンでは、まるでコンビニを見るかのように、街角にGAPが大型店から中小型店まで出店している強烈な印象をお持ちのはず。今回の記事を読んで、私も、新宿や渋谷や池袋などの街がマンハッタンのようになる様子を勝手に想像していました。

 日本進出時は、まんまとユニクロ成長のダシにされた節もありますが、舶来のイメージのアドバンテージを活かして、ブランドイメージを構築したGAP。どこまでユニクロ他、日本のSPA、日本進出を果たす海外勢に攻勢をかけるか?世界のGAPの日本での次の展開が楽しみです。

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July 21, 2006

英トップショップがラフォーレ原宿に出店

 7月20日の繊研新聞によると、イギリス最大のファッションチェーングループ、アルカディアグループの基幹業態、TOPSHOP(トップショップ)とTOPMAN(トップマン)が、ラフォーレ原宿と1年契約で、今年9月から店舗を展開するとのこと。商品供給はトップショップ側が、店舗運営はラフォーレ側が行うフランチャイズ契約の模様です。

 売場は30坪程度?と少々拍子抜け、どちらかというと、トップショップ側の商品が東京マーケットでどんな評判を得るか、実験的な要素の方が強いのではないかと思われます。トップショップがロンドンコレクションに出したコレクションラインをラフォーレ原宿が運営する「サイド・バイ・サイド」というセレクトショップが品揃えしていたのをきっかけに今回の話が進んだとのこと。

 ウィメンズのTOPSHOP(トップショップ)は、英国に309店舗、メンズのTOPMANは160店舗を持つヤングストリートカジュアルのチェーンストアで、本来は、欧州コレクションとリアルタイムのトレンド商品を低価格、大量販売するファストファッション(イギリスではHigh Street ファッションと言いますね)の一角です。

 記事にもありますが、トップショップのロンドンオックスフォードサーカスの旗艦店舗は、地下2階、地上2階の3000坪の売場に1日に2万8000人が訪れるという、世界最大のファッションストア。ロンドン最高の集客のある交差点で、H&M、ナイキタウン、ベネトンとガチンコ勝負を繰り広げています。

 私も5-6年前に同店を訪れた時の衝撃は今でも忘れません。おそらく私の20年のファッション業界経験の中で、最もエキサイティングなストアだと思っています。

 そんな強烈なインパクトのあるストアだからこそ、今回の出店は少し物足りなかったりします。逆に日本のファッションフリークには、これがUKのTOPSHOP?と思われるのは良くないのでは?とも思います。

 しかしながら、TOPSHOPが東京の熱いマーケットで何かを感じるきっかけとなり、その後、単独大型店出店という形で、東京マーケットにもいい刺激を与えてくれれば、と思っております。

 関連エントリー-ファストファッションの挑戦状
 関連エントリー-ヨーロッパが東京トレンドを認めた日

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April 15, 2006

IKEA(イケア)開店カウントダウン

 4月14日の日経新聞によると、いよいよ4月24日に開店をひかえた日本直営店1号店となるIKEA船橋店(12,000坪)が13日報道陣に公開されたとのことです。海外のIKEA標準店舗の構造同様、
 ①2200台収容の駐車場に車で乗りつけた生活者は
 ②2階にある70の生活シーンを再現したショールームを、これから素敵になる
  であろう自分の住空間あるいはオフィス空間を大切な人と一緒に思い浮かべ
  ながら楽しく語り合いながら、紙メジャーで測って商品番号をメモに取り、
 ③1階の商品在庫コーナーからコンパクトに梱包された商品をピックアップして
  レジに向かう
 という演出になっている模様です。原則は持ち帰り、有料宅配サービス、組み立てサービスもあるとのことです。

 これから、しばらく、多くのメディアがIKEAを紹介することによって、新しく変わるであろう日本の住関連市場について語られることになるでしょう。

 遅ればせながら、先日、流通業界向け月刊誌「販売革新3月号」のIKEA特集を読みました。IKEA開店を直前に控え、流通専門家(石原靖曠先生)の出筆や家具業界のインタビュー記事を興味深く読ませていただきました。

1.既存の家具業界は、高度経済成長&バブル時代よろしく、一戸建て&
  高級マンションに半一生ものの家具を前提にしていて、「高くて重い」のが
  あたりまえの家具ばかりにこだわってきた。 
2.家具は、商品回転が低いから、粗利をがっぽりとり、一方、値引き販売が
  当たり前で生活者には、価格に対する不信感がつのっている。
3.一方、機能だけみたせればよいという、低価格のカラーボックスに代表
  される家具や100円ショップに見られるような家財道具は存在するという
  2極分化は、進化する日本の生活者に対応しきれていない。

 以上のような状況の中で、IKEA上陸は、タイミング的にはどんぴしゃで、ある意味、サボっている家具業界の「甘え」の構造を変える、脅威ではなく、好機だと前向きに捉えている業界関係者の方も少なくないようなので、安心しました。

 ここで、IKEAのホームページ、 「イケアのビジョン」 から私が気に入っている一文を引用したいと思います。

 『美しいデザインのホームファニッシング製品は、高価でほんの一握りの人たちしか手に入れることはできない-イケアはそんな「常識」を覆そうと、創業当初から挑戦を続けてきました。私たちは、一握りの人たちではなく、多くの方々と共に歩むことに決めたのです。 (中略)
 高価で上質な家具を作るのは、それほど難しいことではありません。お金をふんだんにかけて、お客様にその分払っていただけばよいのですから。しかし、美しく長持ちする質の高い家具を手ごろな価格で作るのは、そうた易いことではありません。あらゆる工夫を凝らし、むだを省いて、コストを下げなければならないからです。』

 IKEAは、家具ビジネスのもっとも大きいネックである、「物流問題」に取組みつづけ、生活者心理を前提に考えながら、ファッショナブルだけれでも低価格を実現して来た会社。愛のある流通革命を実践している会社なのだな、と感じます。

 関連エントリー-IKEA(イケア)が日本のホームファッション業界を変える?

 関連エントリー-IKEA(イケア)日本開業決定

 関連エントリー-スウェーデン企業の国際性

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March 30, 2006

ラルフローレン、表参道出店でラグジュアリー市場に参戦

 29日の日経新聞と繊研新聞によると、アメリカ、ポロラルフローレン社の100%出資日本子会社、ラルフローレンリテールジャパンの世界最大級の直営店が30日、表参道にOPENとなります。
 表参道ヒルズに行かれた方はお気づきかと思いますが、ヒルズと同じ側の原宿駅よりにビバリーヒルズにありそうな白い建物が建設中でありましたが、それになります。

 ラルフローレンCEOはこれをきっかけに「直営店の多店舗化をしたい」と意気込みます。
同ブランドの日本のビジネスは、オンワード樫山グループのインパクト21を格としたライセンス商品の卸が中心ですが、今のところ1170億円(小売ベース)の日本の売上は世界の10%を占めます。他の成功した国際ブランドの事例を見てもまだまだ伸ばせると見るのは当然のことだと思います。

 日本では、POLO(ポロ)ブランドを筆頭に、トラッド、カジュアルのイメージが強いブランドですが、欧米では、コレクション、パープルレーベル、ブラックレーベルを含めてラグジュアリーブランドとしてのポジショニング確立に努めています。

 日本人はバーバリーと並んで、ラルフローレンのような上品なトラッド系ブランドが大好きな人種だと思います。そんな大御所ブランドがラグジュアリーに本格参入することによって、マーケットもますます活性化しそうですね。

 個人的にはカジュアルラグジュアリーとして大好きだったRRL(ダブルアールエル)の復活を望みますが・・・とにかくさっそく表参道の店、見に行ってみたいと思っています。

 <追記> TBしていただいたwowmさんのエントリーは今回のRL日本進出の意図をとてもわかりやすく書いてあります。どうぞご覧ください。 !&?びっくり&はてな
 また、OPEN当日の繊研新聞によるとRRLも並んでるらしいですね。早く行かねば!

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March 02, 2006

ZARA(ザラ)中国本土1号店開店

 ローリングストーンズが4月に中国公演決定とのニュースを聞いた矢先、3月1日の繊研新聞によると、去る2月24日、スペインのファッションSPA企業、インディテックス社のZARA(ザラ)が上海に中国1号店をOPENしたことについての記事がありました。

 インディテックス社のホームページのプレスリリースも併せて読むと、上海のもっとも盛んなラグジュアリーブランドも密集するショッピングエリアに、2つのお店をぶち抜いて30メーターの間口を確保した2層600坪のメンズ・レディ-ス・キッズフルラインの大型店で、記事によると今年 上海と北京にもう一店舗づつOPENするようですね。

 記事によると価格は、スーツとシャツの価格を見る限り、ほぼ日本と同じくらいの模様、原産国はポルトガル、モロッコ、中国など、とあります。

 もともとヨーロッパをマーケットの中心に位置づけ、スペインをメインに、地中海沿岸諸国で生産を行って、その他の地域へもFEDEXなどと提携して空輸していた同社。62カ国2700店舗体制の世界戦略の中で、日本のほかにマレーシア、シンガポール、タイ、インドネシア、フィリピンに35店舗と、アジアへの出店も加速しているようです。今回の中国出店が、マーケットだけでなく、ソーシング(生産)活動の意味でもアジア戦略の拠点作りの布石になるのではないか、とちょっと興味深く見守っています。 

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February 27, 2006

英雑貨チェーン「アクセサライズ」日本上陸

 本日の日経MJにも記事が載っていましたが、イギリス服飾雑貨チェーン 「Accessorize(アクセサライズ)」が先週末、24日、原宿に1号店をオープンしました。

 ロンドン出張の際は、手ごろな値段で、お土産に喜ばれておりましたので、よく寄らせてもらったお店で、先週からOPEN情報を聞きつけ、事務所からも近いので、早速覗いて参りました。

 同チェーンは、イギリスに200店舗強、その他ヨーロッパ・オーストラリアあたりに更に230店舗を展開する、服飾雑貨、すなわち帽子、バッグ、ベルト、サンダル、アクササリーのチェーン店。25歳~30歳代の女性向けのファッション雑貨を、インド・中国生産でこなれた値段で提供しています。
 
 Accessorize アクセサライズジャパン ホームページ

 ティーンズ向けにClaire's(クレアーズ)というアメリカのチェーン店を日本で、イオングループが多店舗展開していますが、それの「大人版」だと思っていただいてもいいかと思います。

 原宿表参道は、表参道ヒルズ詣で今も大混雑をしていますが、その恩恵もあって、平日ではありますが、ターゲットズバリの客層で狭いお店は満員状態でした。

 価格は、ちょうどUK£、€ユーロ価格と併記されているので、分かりますが、英モンスーンアクセサライズ社が独資で進出してきているだけあって、内外価格差は1.3程度に抑えてありますので、「かわいい」、「安い」という20代のお客さんの声が店内あちらこちらから聞こえてきました。

 この客層に向けた、この手の服飾雑貨専門チェーンは、日本にもあまりないので、いい意味で、マーケットを刺激してくれそうで、楽しみです。日経MJによると、年内に4店舗、今後5年で50-60店舗、年商70-80億円を目指すそうです。

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January 26, 2006

日本市場に照準定めたZARA(ザラ)

 本日の繊研新聞にジャパン社を100%子会社化して日本マーケット攻略を本格化するスペイン インディテックス社のZARA(ザラ)についての興味深い記事がありました。

 関連エントリー ZARA(ザラ)ジャパン スペイン本社100%出資へ

 ZARA(ザラ)については、世界のファッションSPA(製造小売業)のベストプラクティスとして、和文、英文問わず、情報を収集してきましたが、今回の記事によると、日本マーケットにかなり照準が定まって来たことを伺い知ることができます。

 一方では、世界統一のブランドイメージを保つため、店舗内装素材、ウィンドウディスプレー、商品貸出までをスペイン本社集中管理を徹底。 その一環で、以前、ブログで指摘した、ローカルマーケットへのサイズ対応については、「(要望があるのはわかっているがZARAは)スラっとした人に着て欲しいのでやらない」ときっぱり言い切るのは創業者のオルテガ チェアマン。むしろ世界共通の年間25、000型におよぶ商品ラインナップから地域、店ごとの客層に合わせたMDで対応する方式をとっています。

 しかしながら、スペイン本部にはメンズ、レディース、キッズそれぞれに日本人のプロダクトマネージャーがいて、店長との電話での密なアナログコミュニケーションを実施、また、200人いるデザインチームも、情報の取り方の優先順位は今や、東京、ニューヨーク、パリ、ミラノの順となっているらしく、品質も一番うるさい日本に合わせているとのこと・・・
 以前は、各国マーケット、もちろん日本にも、世界統一のMDとオペレーションを押し付けているというイメージがありましたが、ローカルマーケットとしての日本に合わせるのではなく、日本市場を世界レベルのオペレーションの中核に置きつつあるな、という印象を受けました。これは侮れませんね、ほんと。

 ザラ・ジャパンは現在18店舗、推定売上高1700億円、今年は百貨店も視野に入れて8店舗を出店するとのこと。さらに、ワンランク上の「マッシモ・デューティ」の出店も決まって、日本での存在感がますます高まります。

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December 22, 2005

ZARA(ザラ)ジャパン スペイン本社100%出資へ

 本日の繊研新聞によると、世界4大SPAのひとつ、ZARA(ザラ)を展開するスペイン インディテックスグループは、今月内にザラジャパンへの出資比率を現行の85%から100%に引き上げ完全子会社化するとのことです。

 ザラジャパンは、97年に日本のビギグループ51%、インティデックス49%で設立されましたが、03年インティデックス85%に引き上げたのに続き、05年100%となります。
 これにともない、現状、ビギ出身の城尾社長より本社のベルバラ氏が新社長に就任するとのこと。マーケティングディレクターの門田氏が副社長に昇格する模様です。

 現状、日本で大都市を中心に16店舗を展開するZARA(ザラ)の今後の出店政策などは、明らかにしていませんが、より、スペインの世界戦略の中に日本のマーケットも組み込まれてゆくと思われます。

 ZARA(ザラ)は、以前からこのブログでそのオペレーションの先進性をご紹介してきた、世界のファッションSPA(製造小売業)のベストプラクティス企業です。

 短サイクルMD、QR生産、スペインの本社から、全世界の店舗にFEDEXと組んで、週2回の商品デリバリーを行っている姿はすばらしいものがありますが、こと日本マーケットに関しては、まだ攻めあぐねているような気がします。ご存知のように、同社は、世界共通規格で企画生産している関係で、日本人にとっては、モデル体型の女性や、スポーツマン体型の男性(手が長く胸囲のある私的にはOKなのですが)には、フィットしますが、さらにマーケットを拡大するためには、GAPやバナリパにような日本仕様の検討が必要であると思われいます。最初は、着る人を選んで、スノッブに売っても、高い家賃を吸収するために、裾野を広げ実利をとる段階にも入ってゆくと思いますので。

 日本企業との協業は一長一短あると思いますが、今回の完全子会社化、スペイン人の社長就任で、日本の顧客との距離は作らないように願いたいところです。

 関連エントリー1 スペイン版トヨタ生産方式-ZARA(ザラ)
 関連エントリー2 ZARA(ザラ)の「すべてを自前で抱える強み」
 関連エントリー3 今、買わないと売り切れる
 関連エントリー4 企画生産のスピードを支えるコミュニケーション
 関連エントリー5 ユニクロはどこへ行く

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December 13, 2005

アバクロ日本進出延期

 ※このエントリーの後、2007年8月7日、再び、アバクロの2009年後半の日本進出が発表されました。以下をご覧ください。

 アバクロ日本進出は2009年後半

 本日の繊研新聞によると、アバクロことアバクロンビー&フィッチは、日本進出を正式に延期したとのことです。

 以前にもこのブログでご紹介しましたが、同社は、前COOのロバートシンガー氏の下、カナダ、英国、日本などへの海外戦略を推し進めていました。ところが、この海外進出のスピードについて、COOとCEOの意見が合わず、8月末にシンガー氏が辞任、その後、暗雲ただよっておりました。
 このたび、3ヶ月ぶりに意思表明があったらしく、カナダや英国への進出を優先すると発表し、日本については無期延期、日本進出にあたり今年の5月に設立したANF日本法人も清算することになるそうです。出店物件も3店舗ほど契約寸前だったらいしく、これらは、キャンセルしたとのこと。

 米国のアバクロは、既存店前年対比二桁増の快進撃、大手専門店チェーンの中で最も売上を伸ばしています。勢いのある時に次の手を打つ、という考え方もあるかもしれませんが、育ての親、リミテッドブランズのDNA通り、世界で一番豊かなマーケット、アメリカで伸ばせるところまで伸ばすまで、海外進出はしない、という戦略があったり、進出するにしても、マーケットの特性も言語も違う日本は慎重になった、というところではないでしょうか?

 アバクロファンの私としては、残念です。田代代表が言うように、「日本進出で言えば今回は絶好のタイミングだった」には同感で、会社方針とは言え、機を逃してしまうことも否めません。

 ライバル アメリカンイーグルアウトフィッターズ(AE)も日本とのパートナー(リテーラーとの噂)と組んで07年春に進出を表明しており、このアバクロ進出延期に対し、AEがどのように出るのかも見ものです。

 関連エントリー1 「アバクロ」日本進出
 関連エントリー2 アバクロ日本進出 続報
 関連エントリー3 「アバクロ」日本進出関連記事
 関連エントリー4 アバクロは路面店を中心に
 関連エントリー5 アメリカンイーグル07年春、日本進出
 関連エントリー6 速報-どうなる?アバクロ日本進出
 関連エントリー7 アバクロ日本出店を考える

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November 19, 2005

アルマーニエクスチェンジ(A/X)も参戦、世界のファストファッション競争

 18日の日経MJの記事では、世界のファストファッションSPA(製造小売業)の双璧 スウェーデンのH&M(エッチアンドエム=ヘネス&モーリッツ)とスペインのZARA(インディテックス)のハイペースの出店(H&Mはアメリカを中心に年間百数十店舗、ZARAのインディテックスグループは世界に四百数十店舗の出店を予定しています。)に対し、ジョルジオ・アルマーニグループのヤングストリートカジュアルチェーン、アルマーニエクスチェンジ(A/X)が彼らを意識して、現在の95店舗から日本も視野に入れて、3年間で店舗を倍増させるとの報道が紹介されていました。

 この報道は、11月4日には英文ニュースサイトに載っていたようですが、かつてブランドファッションブームの火付け役となったアルマーニにも火をつけるファストファッションSPAの動きから目が離せません。

 アルマーニエクスチェンジ(A/X)は、ジョルジオアルマーニ、エンポリオアルマーニで成功を収めたアルマーニグループが、アルマーニジーンズを立ち上げた後に、1991年、当時、ファッション界に旋風を巻き起こしたGAPに対し、「GAPへのメッセージ」としてアルマーニジーンズを核にヤングストリートを捉えたブランドとして立ち上げられたSPAブランドと記憶しています。
 その後、アルマーニグループの経営危機を救ったといわれる、シンガポールのファッション&ホテル王の大富豪、Ong夫妻に、1994年ライセンス供与(南北アメリカ大陸と日本以外のアジアでの生産および販売の権利を渡す)する形で、アメリカを中心に約10年間で95店舗まで成長しました。A/Xはアメリカでの定点観測店舗の一つでもあります。

 アルマーニエクスチェンジHP

 アルマーニ氏が自ら「ファストファッション」と位置づけてはおりますが、商品価格帯は50ドル~100ドルとH&MやZARAよりは少々高く、バナリパやカルバンクラインあたりとの比較が適切かとおもっていましたが、ファストファッション巨頭へのライバル心を感じます。
 今回、拡大にあたり、やはりOng夫妻との25%:75%の出資比率で合弁会社を設立していますが、契約には、アルマーニ側が将来、50%まで比率を上げる内容が盛り込まれており、業界では「足を向けては寝られない」恩義のある相手との噂ですが、権利奪回をもくろんでいる模様でもあります。

 アルマーニエクスチェンジ(A/X)も実質上、日本進出表明をしたことで、ますます、日本のファッションマーケットは面白くなりますね。

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November 16, 2005

ワールド上場廃止が業界に贈ったメッセージ

 11月15日、ワールドはMBOの成功を経て、いよいよ「上場廃止」となりました。

 14日に行われた経常利益前年比31%増と大幅増収増益だった9月期中間連結決算発表での寺井社長の気になるコメントを日経新聞と繊研新聞から拾いました。

 「日本のファッション産業は行き過ぎた部分最適化による水平分業になっており、全体最適モデルの構築が必要である。」

 「リスク分散が進み過ぎ、何が売れるかもわかりにくい、変化対応モデルになっていない」

 「今は、前(店頭)に近いほど利益を取っており、後ろ(川上)は利益を取るのが難しい」
 
 「全体最適モデルの構造改革はチャンスであり、多大なリスクもある。」

 ファッション業界の大問題をズバッと言い放っていると思います。
そして、顧客のために、全体最適を自己完結させなければ生き残れない、それには、時間とチャレンジが必要であり、株主のために、短期的な利益だけを追求していたら、成し遂げられない、というのが、ワールドの考え方であります。

 他の業界にも当てはまるかもしれませんが、小売店頭の顧客のこと(需要)が上手に把握できないため(必死でしようとしていない企業がいかに多いことか!)、アパレルメーカー、生産工場、原料メーカーと顧客から離れてゆけばゆくほど、需要の実情がわからなくなってしまい、その分、手探りで仕事をせざるを得ない状況。また、介在する企業がそれぞれムダや不合理のために、リスクヘッジを行っているのがまさしく業界の姿であり、そのしわ寄せを生活者が負わされていたり、うまくマネージメントできなかった企業がつぶれてゆくわけです。

 私も、この業界でなんやかんや商社、卸、小売と各流通段階を一通り経験させて頂きました。数々のムダ、不合理を見てきました。そのおかげかどうかはわかりませんが、結論として、いかに生活者に近いところで仕事をするかいかに生活者と企画生産現場の距離を出来るだけシンプルに短くするか、が継続的な成功のための必須条件であると思っています。

 ですから、このブログでは、生活者のためにそんな努力をしている企業の姿をニュースや記事で見つけては賞賛すると同時に、いいことはみんなでベンチマークしましょうよ、と訴えているわけですね。
 業界最適≠顧客最適?なんて冗談じゃない!

 ワールドの上場廃止は、業界に痛烈なメッセージを贈ってくれました。業界で働くすべての人たちがその本質をしっかりと受け止めるべきだと思います。これから日本に乗り込んでくる外資の猛者たちは、業界の慣習などお構いなしに、容赦なく、マーケットにストレートど真ん中、剛速球を投げてくるでしょう。
 「まずは業界の取引慣行を改善しよう!」なんて言って、業界の内を向いてる場合じゃなく、ワールドのように全体最適=顧客最適のために早く、行動を起こし始めなければならないわけです。

 報道によると、ワールドは、上場廃止、非公開化をしましたが、情報開示はいままでどおりに行い、コーポレートガバナンス・コンプライアンス体制を充実させ、「開かれた非公開企業」という新しい企業像を目指すとのことです。同社が業界の顧客最適のロールモデルになることを期待しています。

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November 07, 2005

IKEA(イケア)が日本のホームファッション業界を変える?

本日の日経MJの1面は、いよいよ2006年4月に船橋ザウス跡に出店の決まった、世界最大のホームファッションSPA、スウェーデンのIKEA(イケア)の特集でした。

以前もこのブログで取り上げましたが、80年代、アクタスをパートナーにして失敗した苦い経験を活かしての独資での再チャレンジとなり、非常に楽しみです。

関連記事1
関連記事2

インテリアやキッチンウエアが好きなもので、仕事でアメリカ、台湾、香港に行った際には時間を見つけてはIKEAに立ち寄って、お土産に買って帰っては喜ばれたものです。いろいろな商品の原産国を見ては、へぇ、いろんな国で作っているんだ、刃物は日本から輸入しているんだ、などとぶつぶついいながら、私をお店にいながらにして世界旅行をしている気分にさせてくれたものです。(GAPを初めてアメリカで見たときにも同じことを思いましたっけ) 

あるとき、大学時代の集まりで、そんな話をしていたら、「(人口たった800万人の)スウェーデン企業がビジネスを発想するとき、それは常にグローバルビジネスなんだ」 私が学生時代にお世話になったグローバリズムを専門とする国際経済の教授はそう、教えてくれました。

世界で調達して世界に売る。アメリカや日本のように豊かなマーケットを持たない、小国は、生まれながらにしてグローバルビジネス発想を体得し、来るべく国際化時代の先端を行っていたのでしょう。ファッション流通で言えば、IKEAやH&Mにその発想を見ることができます。

記事では、IKEAダルビッグCEOは「日本の消費者のサービスや品質への要求レベルは承知」、としながらも、「(日本のマーケットにおいて)家具は鎖国されていた。日本の競合他社の家具は品質にくらべ高い」と言い切っています。また、それを迎え撃つ最右翼郊外型ホームファッションSPA「ニトリ」の似鳥社長は、「影響は避けられない」が、「若者に受けても組み立て家具は50才以上の層に受け入れられるか?」と言います。 IKEAはもちろん「組み立てサービス」など、日本のマーケット、消費者に合わせた手を打ってきます。

確かに、日本のホームファッションはまだ未開のマーケット。都心部ではバルスのフランフラン、郊外ではニトリやアイリス大山のシンプルスタイルといい意味で競争をし、マーケットを豊かにしてくれれば、と思っています。

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November 04, 2005

バナナリパブリック日本出店を振り返って

昨日、横浜に行ったついでにバナナリパブリック(バナリパ)のランドマークタワー店を見てきました。
これで、銀座、六本木に続き、3店舗見たことになります。

アメリカのバナリパファンの私の感想としては・・・
内装、世界観は上手にアメリカのそのものを再現し、商品は、シルエット変更、素材変更、日本別注を行い、日本のクオリティに合わせたというだけあって、素材、細部に渡って上出来!ただし、アメリカの価格を知ってしまっている私としては、もう少しなんとかならないかなあ、という印象です。

 業界では、アメリカ本国主導とは言え、GAPジャパンの10年の経験を活かし、よく日本のマーケットを研究している、と◎の評価をしている人が多いです。百貨店、セレクト系の方々には、間違いなく脅威になると思われます。また、「バナリパがここまで出来るのなら、同じ手法でGAP本体もこれからまだまだよくできるだろう」と評価している人もいます。

 繊研新聞など業界紙によると、売れ行きは上々とのこと。六本木はカジュアル、日本橋はビジネス、横浜は観光客、銀座は全般的に満遍なく売れているということで客層もそれぞれ、どんぴしゃ。ベーシックよりもトレンド性の高いものが売れているらしく、これはうれしい誤算だったそうです。
 
 バナリパに限らず、これから日本に進出してくる外資系SPAは、世界で2番目においしいマーケットをめがけて、全力で日本の生活者、マーケットを研究して、切り込んでくるはず。バナリパの成功を見て、日本企業は何をすべきか?真剣に危機感をもって考える必要がありますね。

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September 30, 2005

アメリカンアパレルが投じる一石

 先週、アメリカの新興ベーシックカットソー(Tシャツなどジャージーアイテム)メーカー、アメリカンアパレルの1号店が代官山と渋谷の間にオープンしたので、仕事の合間に覗いて来ました。ベーシック素材・アイテムながら、レディース中心(70%)、メンズ、キッズ、ドッグを入れて60種類程度のアイテムと30色のカラーは華やかでした。

 同社は90年代の後半にロサンゼルスを本拠として設立された会社で、ヘインズ、アンビル、フルーツ・オブ・ザ・ルームなど大手の多い無地のプリントボディー用カットソーメーカーとしては、後発ではありますが、明確なポリシーをもって、世界最大のファッショントレードショーMAGICで鮮烈にデビューをしたのを覚えています。

 まず、多くのアメリカのアパレルメーカーが、海外の人件費の安い縫製工場で、彼らいわく「搾取構造」の中で作られているのに対し、アメリカ国内の自社工場100%=MADE IN USAにこだわっていること。当時、アジアのスウェットショップ(=強制労働工場)で生産をしていたということが発覚して不買運動を起こされた有名メーカーがいくつかありましたね。
 また、LAダウンタウンの縫製工場というと、アジア系、ヒスパニック系の不法入国者を低賃金で使っていて、安いが品質がいまひとつという印象、実態が多い中、全社員に対して、法定最低賃金の2倍の給料(時給12ドル以上)と福利厚生を施していることをアピールしていること。
 年間ベーシックアイテムではあるけれども、大手Tシャツメーカーよりレディースアイテムが充実しており、そのデザイン(カット)やフィットが斬新であること。
 そして、ちょっとエロチックだけどスタイリッシュなビジュアルカタログ。

 日本でも、MADE IN USAで、シルエットがいい、安い、ということで、数年前から定番商品の品揃えとして専門店筋に人気があり、今年、満を持しての日本進出というわけですね。

 無地でベーシックアイテムなので、ぱっと見、あまりインパクトはありませんが、業界的には、先にワールドがはじめたベーシックインナーアイテムのSHOP「ベース・ステーション」とあわせて、興味深い出店のタイミングだと思っています。

 なぜならば、日本でベーシックアイテムといえば、「ユニクロ」ですが、新聞紙上をにぎわしているユニクロのこれからの成長戦略はファッション性の追求。築き上げた「ベーシックアパレル」のポジショニングをリスクをかけて自ら崩してゆくのか?というのがもっぱらの業界のささやき。
 それに対して、ワールドやアメリカンアパレルがベーシックアイテムのコアのコアである、無地のインナー的アイテムで多店舗化を狙っている。そして、ピーチジョンやトリンプなどの活躍で、「魅せるインナー」の市民権も拡大が拡大し、インナーとアパレルの垣根も崩れ始めている昨今。この女性にとっても、男性にとっても、インナーアイテムの革新、再編、確立はマーケットの大きな流れを作ってゆくような気がしてなりません。
 
 アメリカンアパレルHP(日本語版)

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September 26, 2005

アバクロ日本出店を考える

 アバクロに関するトラックバックや検索リンクがとても多いので、今日は、ちょっと気になる関連の話題をひとつ。

 アバクロンビー&フィッチ社で、海外進出を推進したロバート・シンガー氏(当時COO)が8月末に退社してから、06年アバクロ日本進出に暗雲が立ち込めましたが、海外出店についての進め方、考え方についてCEOやその他の幹部との間に意見の違いがあったのでは、という報道があります。

 アバクロはもともとアメリカで、GAPと並ぶSPA(製造小売業)大手のリミテッド・ブランズ社の1事業でしたが、何年も前に、リミテッド社の出店戦略の考え方を記事で読んだことがあります。

 特にライバルのGAPと比較するとわかりやすいのですが、ひとつは、GAPが広告宣伝費に経費をかけるのに対し、リミテッド社は広告宣伝費に経費をかけるくらいなら、SCなどで、家賃が高くても好立地を選択する、ということ。不特定多数に対するマスメディアよりは、目だった場所に店舗を構えることこそが、最高の宣伝、という考え方です。実際、アメリカのSCに行くとSC内でも非常にいい場所に店舗を構えています。

 ふたつ目は、海外出店に対する考え方。GAPは、市場のあるところへは積極的に進出する、という拡大戦略。一方、リミテッド社は、アメリカで市場拡大が見込める以上は、伸ばせるところまでアメリカで伸ばし、国外には出店しない、という市場フォーカス戦略。

 アバクロは、もともとアバクロンビーさんとフィッチさんが19世紀に創業したアウトドアーショップを1980年代にリミテッド社が買収し、世界のSPAがお手本にした、といわれるリミテッド社の企画生産、販売検証、VMD・・・のチェーンストアオペレーションノウハウを得て標準化、多店舗出店を果たした企業です。リミテッドグループからスピンアウトした今でも、リミテッド社のDNAは多分に持っているはず。

 ご存知のように、プレミアムジーンズ&ビンテージブームも手伝って、アバクロの既存店売上高は、数ヶ月連続二桁増の快進撃。まだまだ、アメリカ国内で行ける、と踏んだら・・・海外出店のやり方で衝突があったことも考えられないでもないですね。

 いちファンとしては、日本進出を期待しますが・・・
 
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September 07, 2005

速報-どうなる?アバクロ日本進出

 アメリカの人気カジュアルチェーン、アバクロンビー&フィッチ(アバクロ)が来年の末には日本進出するとし、今年、日本法人ANFを立ち上げましたが、ちょっと雲いきの怪しいニュースが入ってきましたので速報ベースでコメントします。

 本日の繊研新聞によると、アバクロ社のCOOで、ANFの社長も兼ねていたロバート・シンガー氏が8月31日付けで退社されたそうです。同氏はグッチ出身、その関係で日本法人のもう一人の社長、伊勢丹、バーニーズ、グッチジャパン出身の田代氏に白羽の矢がたったはず。

 この退社に対し、アバクロの会長兼CEOのマイク・ジェフリー氏は、「カナダと欧州は予定通り進めるが、他の市場については、慎重なペースですすめていく」とコメントされているようです。

 さて、日本進出はどうなるのでしょうか?またシンガー氏の行き先は・・・・

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September 05, 2005

バナリパ 日本攻略へ3つのしかけ

 9月1日、プランタン銀座にOPENしたGAPグループのバナナリパブリック1号店のオープンは、各紙の紙面で話題を呼びました。
 今秋から始まる欧米ファッションリテーラーたちの黒船来襲の先陣として、「バナリパ」の紹介は、日本のファッションの変化を説明するにもうってつけであったのでしょう。

 GAP国際部門の社長アンドリュー・ロルフ氏が言うように、日本のマーケットは、「アフォーダブル・ラグジュアリー(手が届く高級品)」を望む地盤が整い、同ブランドの進出はグッドタイミングといえるでしょう。しかもビジネスにも着れるカジュアルスタイルは、特にメンズカジュアルマーケットを中心にスポンジのように浸透していくのではないか、と見ています。

 数年前にバナリパがGAP社のプレステージラインのポジショニングを図るころ、サンタモニカ、プロムナードの旗艦店を訪問した時の話。その店構え、内装はGUCCIかと見まがうほど。しかし、価格は十分手の届く価格だったので、思わず買い込んでしまったのを覚えています。こんな演出を仕掛けてくるのでしょうね。 

 日経MJによると、バナリパの日本戦略は3つ
1. イタリア製の上質素材(ロロピアーナ、ゼニア、アルビニなど)をアジアで縫製しこなれた価格で提供。
2. GAPでの経験を生かして、日本人男女数百人の体型を調査し、日本人仕様のサイズを展開。
3. 全体の3割を日本限定デザインで構成する。

 10年前のGAPオープンの際の失敗体験から学び、10年のマーケット経験を活かしての満を持しての1号店OPENとのこと。 しかし、価格はセレクトショップのPB並みのようですが、もう少しがんばって欲しかったところです。OEPN当初はいろいろ試行錯誤があるでしょうが、日本の既存セレクトショップ、百貨店ブランドにとっては、黒船の中のもっとも手ごわいブランドの動向でマーケットが生活者のために豊かに変わってゆくのが楽しみです。

 バナナリパブリック日本公式HP 

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August 29, 2005

ウォールマートに次ぐアメリカ第2位のDS、ターゲット

 西友に資本参加しているウォールマートはアメリカ国内では数年間月間ベースでも既存店前年割を知りませんが、ここのところ伸び悩みを示し、環境は決して楽観視できないものがあるようです。
 
 特に、恒常的となった原油高=ガソリン価格高騰が低所得者層の消費マインドに打撃を与えているのに加え、低価格帯をダラーズジェネラルのような99セント均一ショップに奪われ、高めの価格帯を第2位のディスカウントストア(DS)、Target(ターゲット)に奪われつつあるとのことです。

 ターゲットは、1位のウォールマートに比べ、店舗数は1/3、売上規模ではの1/5程度ですが、既存店売上の伸び率は、03年後半から常にウォールマート社の上を行っています。当初は、出店エリアが明らかに違いましたが、双方、企業規模拡大の一環から同エリアで競合し始め、ぶつかったところでは、ターゲット優位、というところなのではないでしょうか?

 ターゲットは、ウォールマートが低価格のバラエティストアから始まったチェーン店であるのに対し、百貨店のディスカウント部門が独立して出来たをいう生い立ちの違いもあって、ウォールマートより2-3割所得の高い消費者を対象にしたアップスケール(ワンランク上?)ディスカウントストアとして成長してきました。ウォールマートがナショナルブランドのディスカウントや、低価格のPBが多いのに対し、ターゲットは、安いだけじゃなくて、デザインセンスのよいPBや、有名NBの派生ブランドも結構扱っているんですね。

 カリフォルニア州在住時、よく利用させてもらいましたが、インテリア、ホームファッションはフランフランのようにカラフルで見ていても楽しくなるようなアイテムが多く、アパレルについてもデザイナーやNB別注で上下コーディネートの工夫がされ、なかなかの提案でした。
 日本のチェーンストアでも、ニトリやイオンあたりはターゲットのMDを参考にしていると聞きます。 

 アップスケールディスカウンターでチープシック(安くておしゃれ)なお買い物。低価格だけでなく、センスと品質を求める日本人はターゲットの方が素直に受け入れられるのではないかな、とも思います。 

 Target(ターゲット)ホームページ

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August 23, 2005

アメリカンイーグル07年春、日本進出

 本日の繊研新聞一面によると、アメリカヤングカジュアルファッションSPAチェーン、アメリカンイーグルアウトフィッターズ(AE)が2007年春、日本に進出すると、同社CFOが明らかにしたとのことです。
 
 AEは、先に日本進出を発表しているアバクロンビー&フィッチ(アバクロ)と並んで、アメリカで絶好調のヤングカジュアルチェーンの一社。テイストは東海岸トラディショナルヴィンテージカジュアルでアバクロに酷似し、それでいてGAPとそのボリュームゾーンオールドネイビーの中間くらいの価格帯のため、非常に幅広い客層によく売れています。数年前、宣伝広告、店舗内装VMD、商品がアバクロの模倣だとして、アバクロから訴えられたほどアバクロに似ています(訴訟は、アバクロの訴えを退けています。しかし消費者からみたら極めてクロ)。

アメリカンイーグルアウトフィッターズHP

 また、AEは、かつてイオンが再建中のマイカル(旧ニチイ)グループと提携し、日本に商品供給を行っていた経歴があります。ほとんど人気はありませんでしたが、当時は、ポロカントリーにような「ド」が付くアメカジだったと記憶しています。CFO、ローラ・ワイル氏によると、今回も何処かは明かせない、としながらも、日本にパートナーがいることをほのめかしているようです。

 同氏によると、インターネット通販では、アメリカを除く国外で日本からの注文がもっとも多く、スマートやキューティーといった宝島社系のファッション雑誌に広告を出し、Googleにインターネット広告を出しており、潜在的なマーケティングは始めており、「GAPが70店舗なら、AEは最低100店舗は可能。東京に5-6店は出店」と語っています。

 さあ、バナリパ、アバクロ、アメリカンイーグルとアメリカの強豪が次々に日本進出を決め、さらにアーバンアウトフィッターズグループ、H&M・・・世界のSPAが日本マーケットに照準をあわせてくるのは時間の問題。迎え撃つ日本企業は?ユニクロ柳井会長の焦り、ワールドの臨戦態勢の背景にはこんな事情もあるのです。

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August 22, 2005

アバクロは路面店を中心に

 アメリカ人気カジュアルファッションSPA、アバクロンビー&フィッチ=アバクロは、06年中に日本出店を計画していますが、先週の日経MJに米本社のCOOロバート・シンガー氏のインタビュー記事がありました。

 記事によると、来年末までに大都市に1店舗は出店したい、とし、当面の年次計画もいまのところ設定しないようですが、出店立地にはこだわりが見られます。
 標準店(実利戦略)と旗艦店(イメージ戦略)の二つのタイプを想定しており、標準店でも250ー300坪ということで、この規模の大型店となると、既存の百貨店や都心SCに適当な立地を見つけるのは極めてむずかしくなるため、路面店が主体になるであろうとのこと。

 実際、アメリカで定点観測含め、何店舗も訪店しておりますが、アバクロは、来店客を奥へ奥へと引き込んで行き、回遊しながらショッピングを楽しませる工夫が随所に見られます。
 ・入り口の衝撃的なイメージモデル写真
 ・打ち出し商品のVMD(ビジュアルマーチャンダイジング;マネキンやトルソーを使ったスタイリング提案)+大量陳列
 ・低音ウーハーが効いて体に響くオルタナティブ系ロックミュージックのBGM、
 ・そしてオリジナルフレグランスの香り、
 ・スノッブな店舗スタッフ
・・・日本では、芸能人やアメリカ帰りの日本人のスタイリングが単品の延長としてブランドイメージを広げましたが、ホントのアバクロの良さを伝えるには、百貨店や都心SCの「箱」じゃ物足りないのは当然だと思います。

 一方、今秋、9月からオープンとなるGAPグループのバナリパは、既存の百貨店や都心型SCのデベロッパーを対象に立地確保の展示会や営業を繰り広げている模様です。バナリパはイメージ的にも商品的にもアバクロのそれと比べて、それほど広くないスペースでも、イメージが伝えやすいのではと納得。

 日本での展開が路面中心となると、「アメリカに続く第二の市場になりうる」とは言え、多店舗出店もそう楽ではありません。しかし、アバクロには、アメリカのように日本人を酔わす、度肝を抜くようなお店作りに是非チャレンジしてもらいたいですね。

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August 07, 2005

ウォルマートを侮るなかれ

 6日付け日経新聞の米ウォルマートCEOリー・スコット氏のインタビュー記事を読みました。

 ご存知のように、同社は02年に西友に資本参加をし、現在42%の出資比率で実質主導権を握ります。その西友の05年12月期決算は4期連続の最終赤字となる見通しです。しかし、同氏に焦りは感じられず、ダイエーを含めた更なる日本へ投資への意欲満々です。
 
 資本参加した後、ウォルマートの西友へのてこ入れの「一部」がマスコミからアメリカ流の「エブリディロープライス(EDLP)」と称され、業績が上がらない西友に対して、「日本ではEDLPは通用しない」と報道されました。
 日本の消費者はEDLPよりチラシの特価を望んでいる、と結論づけられ、西友も日替わり目玉商品のチラシ掲載を再開した(昔に戻した)のです。

 アメリカのウォルマートで何回か買い物をした人ならお気づきだと思いますが、今回西友で行われたEDLPと称される商法は、アメリカのそれのほんの一部に過ぎません。それも、もっとも特徴的な部分は実践されていないように見受けられます。
 
 1年ほどアメリカ、カリフォルニア州に滞在し、実際、生活者の視点で見たウォルマートを整理するとこうです。

1.ウォルマートは、大手メーカーと組んで、メーカーブランド商品
  (NB=ナショナルブランド)をいつも安く売っています。
2.ウォルマートは、有名ブランドをモノポリーして自社オリジナルブランド
  (NPB=ナショナルプライベートブランド)として中国などで安く生産し、
  安く販売しています。
3.ウォルマートは、日曜日に特売のチラシを出しています。アメリカでは、
  スーパー、ディスカウンター、カテゴリーキラーがEDLPを行うと同時に、
  日曜日の新聞にのみ冊子のような割引クーポンを中心とした日本で言う
  特売チラシにあたるものを配布しています。クーポンとメンバーカードを併用すると
  ものすごく安く買える時があります。

 アメリカのディスカウンターのEDLPとは、おなじみのブランド品がいつも安く販売されていて、生活者は「最低限の品質」の保証と「他店で買うより高くはない」と安心してお買い物ができるシステムなのです。なおかつ、期間限定でさらなる目玉商品もあります。
 アメリカ流EDLPの本質は「お客様との価格のお約束」です。メーカーを泣かせて一時的な集客のための目玉商品を作ったり、割引を演出するために最初は高く値段をつけておいて、数週間後から20%OFFや半額セールにする日本流セールのことではありません。

 私の想像ですが、ウォルマートは、西友でのナショナルブランドについても本当のアメリカ流のEDLPを検討したと思います。ところが、アメリカには存在しないメーカーと小売の間に入っている問屋さんや、他のGMSの圧力に負けたメーカー・問屋をコントロールすることができず、また、アメリカ並みの経費率の低さが伴わなかったため、実現できず、できるところから断片的に実行に移してみたのではないか、と思っています。

 ウォルマートが西友改革に時間がかかっている様は、むしろ自由競争を妨げ、生活者にしわ寄せを負わせている日本の商慣習に問題あり、と見るべきです。ところで、カルフールは失敗しましたが、トイザラズは業界慣習を変えました。

 もっとも世界一の彼らのことですから、まだ世界戦略の実験の一部としか思っていないのではないでしょうか。

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July 25, 2005

「アバクロ」日本進出関連記事

 本日の日経MJにアバクロンビー&フィッチ日本法人ANF共同社長 田代俊明氏(元伊勢丹、バーニーズジャパン社長、グッチジャパン社長)のインタビュー記事が掲載されています。

 同氏のコメントによると、米社のいくつかある業態のうち、基幹業態の「アバクロンビー&フィッチ」を軸に来年には、1号店をOPENしたい、ということで、今年、まず、認知度アップの方策として、銀座の晴海どおり沿いに屋外広告を出しています。
 店舗、品揃えについては、アメリカと同じイメージで、20歳から22歳を中心とした層に250坪-300坪(ジーンズのライトオンくらいの売場坪数)を標準とした店舗で展開する予定とのことです。

 気になる価格帯はカジュアルラグジュアリーとして売るとのことですが、現時点では「未定」。ただ、その記事の横に「カジュアル衣料の主要ブランドのジーンズ小売価格」なるポジショニングマップが乗っており、それによると、アバクロのジーンズは、ポロ、トミー、バナリパよりも上、14,000円から40,000円とのこと!ヨーロッパもので言うとディーゼルとほぼ同じ価格帯に位置づけられています。間違いじゃないでしょうか?アメリカでは、大学生向けのブランドですよ。アメリカのアバクロのジーンズの価格は69.5-79.5ドルが標準です。内外価格差1.4として、11,000円から12,500円くらい、すなわち最近のリーバイスのミドルクラスの価格くらいで売って欲しいところです。

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July 19, 2005

アメリカ「価格最適化システム」に見る日米値下政策の違い

 7月18日付けの日経MJ一面は、アメリカマサチューセッツ州、プロフィットロジック(PL)社の価格最適化システムの事例紹介でした。
 日本でもアパレル商品の売り切りのための値下のタイミングはビジネス永遠の課題です。同社のシステムは、
 ①値下の最大回数
 ②初回値引き率
 ③期間内最大値引率
 ④商品の完売、なおかつ売上粗利の最大化
 などと単品ごとに諸条件の事前入力の上で、値下のタイミングと最適な値下幅を警告してくれるらしいです。

 日本でもアバクロと並んでブランドマニアに人気のあるアメリカのヤングカジュアルSPAチェーン、アメリカンイーグルアウトフィッターズ(AE社)は、PL社のこのシステムを使って4半期ベースではありますが、既存店売上28%増、粗利率を10.5%も上げたというからたいしたもの。
 このシステムの初期導入費は2億―3億円、事前に入力する緻密なデータの収集が必要で、なおかつ、AE社は60人のスタッフをこの価格化システムの運用に当てているとのこと。これもまた大変な騒ぎ。

 日本は、返品慣習があるため、導入機運は低い、と記事のコメントはありますが、それ以外にもアメリカと日本のビジネスの違いは大きいものがあります。
 アメリカは
 1.発注精度の低さ(そもそも値下や残在庫によるクローズアウトを前提としている)、
 2.リードタイムの長さ(今年撤廃されましたが輸入クオタにより原産国が世界各国に分散)、
 3.国土の広さ(言うまでもありません)、
 4.東西南北で全く違う気候(北東のメイン州と南西のカリフォルニア州の気温はどれくらいちがうか?)
などが挙げられます。

 日本はその逆です。値下管理、在庫で定評のあるしまむらは、日本全国920店舗とアメリカのナショナルチェーン並の店舗数を持ちますが、発注制度は高く、同じ商品を追いかけず、新しい商品を次々と投入、売れない店から売れる店への店間移動、早期値下ポリシーで年間平均値下率5%前後で商品を売り切ります。

 そもそも値下を前提としたファッションビジネスは日本では時代遅れになってきているような気がします。初回配分後、売り切り、新しいものを投入する。いつ行っても新鮮なお店。 しまむら、ポイント、ハニーズ、セシルマクビーがその典型ですし、また、海外SPAでもZARA、H&M(50%台)とGAP、LIMITED(30%台)の粗利率の差だと思います。
 ハイエンドだろうが、ボリュームだろうが、ファッションストアは鮮度を売らないといけませんぞ。

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July 09, 2005

ファッション商品の内外価格差、1.4倍は妥当?

 前にもブログで紹介したツープライススーツのSPA、「ザ・スーパースーツストア」を主業態とする「オンリー」が昨日大証ヘラクレスに上場し、公募の倍の初値をつけたとのことです。
 本日の繊研新聞によると、同社は、この秋から三井物産と組んで、イタリアの老舗紳士服専門チェーン「BOGGI MILANO(ボッジ・ミラノ)」の日本での展開をスターとさせます。
「BOGGI MILANO」は数年前、商用でミラノに行った際にも訪店した経験が、紳士のための格式高いイタリアントラディショナルのショップでありながら、イタリアンコレクションブランドに比べると買い易い、HUGO BOSSくらいの価格帯のお店であったと記憶しています。

BOGGI MILANO HP

 オンリーは、このBOGGIのイタリア製スーツを内外価格差1.4倍に抑え、十万円以内で販売することを考えています。 

 海外旅行でブランドのショッピングを経験した人は誰もが経験していることだと思いますが、海外ブランドが日本で販売されている価格は現地に比べて高い!です。2.5倍くらいが一般的ではないかと思います。この2.5倍と、1.4倍の違いはどこにあるのでしょうか? もちろん、中間業者の介在数によります。
あくまでもファッション流通の一般論ですが、具体的にいうと、以下の通りです。

 海外ブランドの卸値は、現地小売価格=1に対して、0.5。 
海外卸値0.5 x 輸出業者の手数料1.1 x 輸入経費1.3 x 輸入・卸業者の利益1.75 x 小売業者の利益2≒2.5 となるわけです。
 これに対し、オンリーの場合のように日本の小売業が商社だけを介して輸入して販売した場合、
海外卸値0.5 x 輸入経費1.3 x 輸入商社の手数料1.1 x 小売業者の利益 2 ≒1.4 になります。

 今や、この内外価格差の圧縮は、海外ブランドの日本マーケットでの成功の一つのポイントとなっています。
海外ブランドでいうと、メーカーであるナイキはアジアの工場から直接日本に商品を持ち込むことによって(業界では、ドロップ・シップメントといいます)内外価格差を解消し、世界統一価格を実現しています。
 GAPは、やはり、ドロップ・シップメントを行い、最近は価格を見直し、1.4倍程度に抑え、プロパーの売上も伸ばしているとのこと。 ZARAはスペインからの空輸と高経費ではありますが、やはりこの1.4倍以内を意識しているようです。

 今後、日本に上陸する海外企業、ブランドは、是非、世界統一価格を実現していただきたいところですが、輸入関税(アパレルで10%前後)もありますし、家賃部分が、日本ではアメリカなどにくらべて2倍から3倍しますので、「1.4倍以内」というのが今のところ妥当なところではないか、と思われます。

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July 02, 2005

アバクロ日本進出 続報

 「アバクロ」のサーチエンジン検索で当ブログに来られる方が多いので、本日の繊研新聞の記事から関連情報の抜粋を載せておきましょう。

 同誌によると、アバクロンビー&フィッチの日本現地法人は、5月18日、川崎市内でANFという社名で設立されています。日本にパートナーがいるのではないか、という噂は結構業界内に飛んでいましたが、100%独資に間違いないようです。

 代表者は、アバクロ本体のCOO、ロバートシンガー氏と、元伊勢丹、バーニーズジャパン出身で、グッチジャパンの社長も勤められた田代俊明氏だそうです。

 ロバートシンガー氏と田代氏は、グッチ時代の盟友だったそうで、こういった方々が中心になってブランディングを進めて行かれるということは、カジュアルといえども、低価格路線ではなく、ラグジュアリー路線でいかれるのだということがよくわかります。 

 おそらく、基幹業態であるアバクロンビー&フィッチからスタートされることと思いますが、アメリカでは、大学生対象のカジュアルブランドをグッチ出身の方々がどのように料理されるのか、楽しみです。

 一般的に、海外のブランドが日本に進出する際、どうしても、価格が高くなってしまうきらいがあります。日本人が、渡米した際に、お店に行って、感じられる、豊かさ、リーズナブルな価格。 日本は家賃が高いから無理、とか、アメリカと日本は違う、とは言わずに、是非、アメリカと同じターゲットのお客さんが感動できるブランドを日本でも表現していただけるように、期待しております。


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July 01, 2005

バナナリパブリック、秋の出店地決定

 この秋にオープンを計画していたGAPグループのプレステージゾーンブランド、バナナリパブリックの出店地が決まった、とは、本日の日経新聞、繊研新聞から。
 日本の第一号店は、9月1日、プランタン銀座モード館の1階、地下1階の2層、200坪で、二号店は、9月3日、六本木ヒルズ140坪でオープンとのことです。

 1983年にGAPに買収されたバナナリパブリックは、数年、サファリをイメージしたトラベルテイストウエアとして人気を博しました。 世界地図とイグアナのプリントTシャツは、お気に入りTシャツのひとつでした。その後、上質のデイリースポーツウエアラインに変更、また、90年代後半に入ってからは、GAPの松竹梅ブランド戦略の元、
 プレステージ=バナナリパブリック
 ミドルポジション=GAP
 ボリュームマーケット=オールドネイビー
とマーケットの中で上手にポジショニングされ、GAPグループが世界最大のSPAになるのに貢献しました。
現在は、アメリカに450店舗もあるそうです。

 手の届くラグジュアリーブランドとして、グッチ、アルマーニ、カルバンクラインなどを意識したクラッシックながら上品な商品ラインで、渡米した高感度な日本人はじめアジア人にも非常に人気のブランドです。
 愛用者の一人として、日本での拡大を期待しています。

 ちょっと、裏話ですが・・・アメリカのバナナリパブリックで実際に働いていた知り合いの男性から聞いた話ですが、アメリカのバナナリパブリックの男性スタッフには、ある採用基準があるそうです。独特の物腰のやわらかさ・・・ここまで言えばわかりますね。

BANANA REPUBLIC ホームページ

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June 16, 2005

スウェーデン企業の国際性

 先日、世界最大のホームファッション小売業、IKEA(イケア)が日本開業を発表しましたが、最近、読んだ小島健輔さんの本の中に、同じスウェーデン本社の世界的なファッションリテーラー、H&M(エッチアンドエム;へネス&モーリッツ)に関する章がありましたのでご紹介しておきましょう。

 H&Mは以前もブログで紹介した、ヨーロッパではZARAのライバル、アメリカではGAP、リミテッドグループの度肝を抜いたトレンドファッションを世界最低価格で販売するファッションSPAですが、その国際性にびっくりします。

 同社は、世界14カ国に店舗を持ち、国外売上シェアがなんと、90%。国外すべての国で、増収増益を続けているそうです。また、IKEAも31カ国に店舗を持ち、国外売上シェアは92%。
 世界から調達し、世界に売る、スウェーデン小売企業のこの発想とパワーはどこにあるのでしょうか?

 同国へは、デザイン系の仕事で3回程行ったことがあります。人口900万人に満たない北欧の国、ほとんどの国民が、スウェーデン語、英語を含む数カ国語を話し、永世中立国で軍隊を持たないため、教育と福祉に国家予算が使われているだけあって、冷静で、礼儀正しく、人を不快にさせない、お酒に強い?「大人な」国民性であったと記憶しています。
 小国ゆえ、国家と民族を超えて国際的に生き残らなければならないすべを歴史的に得たのではないか、と思います。
 
 小島さんの本にZARAとの比較があって面白かったのは、
 =SCMについて=
 ZARA・・・スペインの自社工場で50%を生産-直営店舗44カ国までの流れを自前で一括管理
 H&M・・・すべてアウトソーシング、21カ国900社で生産、但し、すべての国に事務所を置き、工場との連絡を
       「みつ」にしている。14カ国で展開。

 =マーケティング・業績について=
 ZARA・・・ラテンの国以外では苦戦。
 H&M・・・14カ国すべてのマーケットにあわせてマーチャンダイズをし、すべての国で成功。

人口は多い極東の小国も、スウェーデンから学ぶべきことがたくさんありそうです。 

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June 15, 2005

IKEA(イケア)日本開業決定

 本日の日経新聞によると世界最大のホームファッションストア、スウェーデンのIKEA(イケア)の2006年4月、日本開業が決定したそうです。

 IKEAは、北欧のスウェーデンの工業デザインの美しさを用い、北欧家具の重さとは逆にカジュアルで安価で品質の良い商品で世界的に人気なホームファッションSPA企業です。

 欧州、アメリカ、台湾、香港あたりでは、非常に人気で、海外滞在を経験した日本人には手軽で高感度でおなじみです(私もお世話になりました)。
 商品群は、無印良品、フランフラン、ニトリあたりを複合したイメージでしょうか。家具は自分で組み立てる組み立て家具が中心。「家具って一生ものだよね、重くて、しっかりしていないとダメ」という固定観念がないなら、日本で人気が出るのは請け合いです。
 
 日本では、一時、1970年代にアクタスと組んで進出しましたが、10年後に一旦撤退していました。今回は、独資で、上海に物流拠点を構え、満を持しての再進出になります。

 典型的な店舗は超大型で、家の一部屋くらいのブースがたくさんあり、一つ一つが部屋のファッション提案になっています。リビングになっていたり、寝室になっていたり、子供部屋になっていたりして、そんな、「進路」があるホームファッションの博物館を歩いて見ながら、お客さんたちは、自分たちの部屋をイメージするのです。博物館を見たあと、パーツ売り場で買い物ができるしくみです。
 アメリカ、台湾、香港でも同じ構造で、楽しく買い物をしましたが、仕事でスウェーデンに行った時見たストックホルム郊外の本店は圧巻でした。 世界最大のホームファッション博物館という表現がぴったりです。

 IKEA(イケア)は、またひとつ、日本の家具やホームファッションの概念を変えてくれる黒船になると期待しています。一号店は船橋のザウス跡地ですが、家の近くにもできてくれることを楽しみですね。

ホームファッション系HPリンク集
IKEA(イケア)
フランフラン
アクタス
ニトリ
シンプルスタイル

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June 10, 2005

日本にはないクローズアウトマーケットとは

 アバクロの並行輸入の話の中にあった「クローズアウトマーケット」について少々述べておきましょう。

 アメリカでは、ポロラルフローレン、クイックシルバーなどといった超有名ブランドでも、シーズン中にブランドメーカー自身あるいは専門店からキャッシュフロー目的で専門業者に在庫処分が行われます。これらの商品をクローズアウト商品と言い、しっかりと流通マーケットが成立しています。これは、ブランドメーカーが直営しているアウトレットストアとは全く別の流れです。

 業者に売れれたクローズアウト品は、シーズン中にマーシャルズ、TJX、ROSSといったオフプライスストアチェーン(ブランド物を常に80%-20%OFFで販売している業態、アメリカ全土に多数あります。)に商品が並ぶケースと、海外マーケットに流されるものの2通りがあります。

 ポロ、ノーチカ、トミーフィルフィガー、クイックシルバー、ブルックスブラザースなどのアパレルブランドはオフプライスストアに流れているのを見受けますが、GAPやリミテッドやアバクロといったSPA企業は、主に、米国内に流すことを禁じ、中南米に流しているようです。
ルートは以下のとおりです。

 ブランドメーカー → 百貨店・専門店
     ↓         ↓
   クローズ ・ アウト業者
     ↓         ↓
 オフプライスストア 海外マーケット(中南米など)  

アバクロも中南米に流すことがありますが、この業者が日本向けの輸出業者などに横流しをし、日本に入ってくることがあるようですが、シーズン中に売り切れない商品ですから、デザインも売れ筋ではないのと、色サイズも偏っているはずです。

この流通システムは、合理的というのか、大雑把というのか、いつも、アメリカ的だな、と思ってしまいます。

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June 07, 2005

「アバクロ」日本進出

 先週の繊研新聞、本日の日経新聞によると、アメリカのヤング向けカジュアルウエアSPA企業、アバクロンビー&フィッチ(通称アバクロ)が2007年をメドに日本に進出を決めたようです。

 業界では、数年前からいろいろな進出の噂はありましたが、どうやら独資での進出の模様です。

 アバクロは、アウトドアショップとして創業された後、1980年代にリミテッドグループに買収され、東海岸系ヤング向けトラディショナルカジュアルウエアのSPA(製造小売業)として磨かれ、その後、リミテッドグループからスピンアウトした優良企業です。

 ポロラルフローレンのような店内に、全米NO1と思われるVMD、店内音楽、店内の香り(ウッディなフレグランス)、ビンテージジーニングカジュアルで、高校生、大学生の心をつかみました。今や、全米に780店舗もあるそうで、中高校生狙いのホリスターカンパニーとキッズ狙いのアバクロンビーなどと複数業態で業績も絶好調です。

 この夏まで、日本でも、芸能人が着たり、並行輸入品がセレクトショップに出回り人気でした。しかし、この「並行輸入」も眉唾ですね。なんせ、アバクロはショップブランド。店頭買い付けだけで、こんなにマーケットに出回るのは不思議です(ユニクロやGAPが他のお店で売られているのと同じ事)。一部、中南米向けに出荷されたクローズアウト品という見方もできますが、韓国からの工場横流し品(偽者)も多いのでは、と懸念されます。

 それにしても、本格的大物SPAの日本上陸は楽しみです。

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May 17, 2005

H&M、次なるコラボはステラ・マッカトニー

 スウェーデン本社のヨーロッパ最大のファッションSPA(製造小売業)企業、H&M(エッチアンドエム;へネス&モーリッツ)は、ヨーロッパコレクションのトレンドアイテムを市場最低価格で販売することで、快進撃を続けていますが、同社のこの秋の仕掛けは、ステラ・マッカトニーとのコラボレーションに決定したそうです。
 昨年の秋にカール・ラガーフェルドとのコラボコレクションを欧米の大型店で、数十分で完売させた次なる仕掛けになります。

 ステラ・マッカートニーと言えば、その名の通り、ポールマッカトニーの娘、10代でクロードモンタナのコレクションを手がけ、カールラガーフェルドの後継者として、クロエの成長に貢献し、トムフォードに可愛がられ、グッチの後ろ盾で彼女のコレクションを出し、アディダスとのコラボでも有名なビッグネームですね。

 H&Mはある意味ファッションディスカウンターですが、カールラガーフェルドにしても、ステラにしても、一流コレクションデザイナーに「H&Mはすごい企業」とリスペクトさせ、プライドある彼らにH&Mとコラボすることがエキサイティングである、と言わしめるところは、やはり、すごい企業なのだな、と思います。

 H&Mは、リサーチの際、ロンドンのオックスフォードサーカスや、マンハッタンの5番街で必ずチェックする店舗です。いつも、ものすごい勢いを感じますね。買うか買わないかは別にして、ここで熱いものを感じなければ、商売人じゃないな、と思うくらいです。
 ヨーロッパの歴史を感じさせる立派な建物、内装、お客さんでごった返し、試着室前はそこそこかっこいい女性で長蛇の列。価格は安くて、日本のユニクロ価格くらいではないか、と思います。また、ZARA(ザラ)とは対象にボリュームのある商品陳列量!東欧、中近東、アフリカ製が多く、クオリティーは、日本人には耐えられないかもしれませんが、感覚は悪くなく、2-3回着れればいいや、という人には十分でしょう。

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May 13, 2005

企画生産のスピードを支えるコミュニケーション

 スペインのZARA(ザラ)の企画・生産・配送・販売のスピード、ファースト・ファッションシステムを支えているのは、シームレス・コミュニケーションとクロス・ファンクショナル・チームにあると言います。

 同社には、メンズ・レディース・キッズの3つのチームと、店舗・マーケッター・デザイナー・生産担当・工場という機能があります。チーム別の縦割りのシームレス(継ぎ目のない)なコミュニケーションとともに、各チームが、同じ場所にいて、同じ機能を共有しているため、横割りのコミュニケーションが図られて、チームを超えてよい相乗効果が得られているとのことです。
 たとえば、メンズのデザイナーがレディースのデザイナーに意見を求めたり、同じ生産ラインを共有しているため、キッズの生産担当がメンズの生産担当からアドバイスをもらうことも日常茶飯事とのこと。

 一般的に、分業が前提の業界慣習の中では、アウトソーシング先との利害、コミュニケーションの希薄性や、セクショナリズムによって他部署と取り合い、いがみ合いをしたりすることによって、ロスが発生するものです。

 SCMというと、生産効率や経費の削減ばかりに目が向きすぎていて、しくみは作ったが、一般顧客に支持が得られず、業績を落とし、結果的に不良在庫を残した事例が多いと思います。実際には、各分業企業間での利害関係のために、「顧客不在のSCM」をしているわけですね。

 ZARA(ザラ)がアパレルSCMのベストプラクティスとして紹介されるのは、やはり、顧客と店頭を基点として、そのためにどのようなインフラを整備し、オペレーションし、コミュニケーションするか?とデマンドサイドを優先させて、不測の事態も想定して、体制を敷いていることにある、と実感しました。

 日本において、ZARA(ザラ)のように、すべてを自前で抱えることは、なかなか難しいと思います。しかしながら、ザラのように、頭をまっさらにして、店頭現場を起点に企画生産販売がもし、すべて一箇所で完結するとしたら、というところから考えたら、個々の業務はどうあるべきか。結果、部分部分をアウトソーシングするにしても、どうしたら、その原型(ザラ)に限りなく近いようにオペレーションできるか、を考えることが顧客満足型SCM=DCM(ディマンドチェーンマネージメント)に近づく方法ではないか、と考えさせられました。

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May 12, 2005

今、買わないと売り切れる

 ファッションビジネスにおいて商品生産量、店頭在庫量は、いつも

 ○売り切れによる販売機会損失 と
 ○在庫過多による見切りロス

 のどちらを取るかの議論となります。
 
 店頭で需要のある分だけ、多品種小ロット短サイクル生産を積み重ねる、ZARA(ザラ)は、店頭では売り切れを奨励するといいます。
 顧客が自分に似合う商品の在庫が店頭に1枚しかなくて、今、買わないと次回来た時には、売り切れてなくなってしまうのではないか、という危機感を煽り、その場の買い上げにつなげる、また、実際、品切れの場合でも、常に新しい商品があるので、他の商品を買ってしまうという状況を作り上げます。実際、それだけ新商品が次々に入荷するため、顧客のZARA(ザラ)の店舗への来店頻度も他社に比べて高くなり、好循環を生んでいます。実際、GAPやH&Mが年間商品回転7回転に対して、ZARA(ザラ)は10回転という数字が出ています。
 
 日本のファッションチェーンストアでも、しまむらやハニーズがこの考え方で、店頭の鮮度管理を行っています。
しまむらの場合は、仕入型ですが、全店にいわゆる1アソート(各色各サイズでセット状になっているもの)1回しか配分せず、生産型のハニーズにしてもいくら売れている商品でも、まったく同じものは、追加をかけず、売れている要素だけを分析して、残し、少しデザインを変えて生産に入るのを定石にしています。

 この場合、当然店舗によって売れ行きのばらつきが出ますが、ZARA(ザラ)同様、入荷後、2-3週間で売れない店から売れていて足りない店に在庫を移動させてしまうのが、商品を売り切る秘訣にしています。

 ファッション性の高いアイテムを多品種品揃えしているお店はこれで◎だと思います。

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May 11, 2005

ZARA(ザラ)の「すべてを自前で抱える強み」

 余剰な設備、材料は持たない、流通段階で各パートナーがリスクを分散して持つのが、SCM(サプライチェーンマネージメント)の定石。 ところが、ZARA(ザラ)の場合は、その逆を行っていると言えます。
 できるだけ自前で抱えて、コントロール下に置く。需要がブレても同じリズムで発注~生産~配送を行うしくみと整える。それが、同社がもっとも大事にする、顧客の需要に対する「スピード」と社内情報共有の「リアルタイム性」を実現する「答え」と考えています。

 サプライチェーンで顧客の需要(川下)から生産原料(川上)まで役割分担するパートナーが増えると、いわゆるブルウィップ効果が起き、過剰在庫の原因となります。このブルウィップ効果とは、極端な例ですが、実際の10の店頭需要情報に対し、発注担当者がもっと売れるだろうと、12を発注し、それを受けたメーカーの営業マンがさらに売れるだろうと、生産工場に15で伝える、生産工場も切らしたらいけないと、20生産できる材料を調達してしまい、流通段階には、10の余剰在庫が発生してしまう、という話です。それぞれが、余剰在庫ロスを負担しますが、当然、そのロスは、各企業の利益を圧迫するか、転嫁されて、最終的に消費者にしわ寄せが行きます。
 
 こういった流通段階の余剰在庫を排除するために、店頭での売り切れをむしろ奨励し、(顧客は売り切れる前に買わねば、と思うし、売り切れても他の商品を買ってくれる、と考える)、需要があるものだけを週2回の発注、多品種小ロット短サイクル生産(15日)を行い、物流センターをハンガー納品で出てから、ヨーロッパで24時間、アメリカで48時間、日本で72時間で店頭に並べる体制を整えているわけです。

 この体制を維持するために、実際、余剰人員、余剰設備、低い稼動率と思われる状況を容認します。 むしろ、その体制により、店頭の鮮度が保て、商品回転が高まり、キャッシュフローが向上し、不良在庫ロスが極めて少なくなるため、余剰と思われる経費を十分吸収してもあまりある利益が出るということです。 事実、自前の設備を一切もたないGAPやH&Mよりも高い利益率、商品消化率を上げているというデータも出ているそうです。

 これらの記事を読んでいて、これはある意味、ファッションSPA(製造小売業)として、世界の一等地に店舗を構え、ファッションという高回転の商品を扱う「小売業のキャッシュフロー」に裏打ちされたしくみであって、どんなにすばらしいメーカー、例えZARA(ザラ)の工場の生産システムを指導したトヨタ自動車自身でも実現できる話ではないな、と思いました。まさに究極のSPA、SCMと言えます。

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May 10, 2005

スペイン版トヨタ生産方式-ZARA(ザラ)

 書店のビジネス誌コーナーで時間をつぶしていた時、ハーバード・ビジネス・レビューの「在庫最適化のサプライチェーン」特集のタイトルが目に入ったので、手にとってみました。日本にも進出しているスペインのファッションSPA(製造小売業)、ZARA(ザラ)の記事が出ていたの読み始めたところ、なかなか読み手あるので、2200円と高い雑誌ながら、買ってしまいました。

 ZARA(ザラ)は、世界50カ国、650店舗を直営するインターナショナルなSPA企業で、日本へは、DCブランドで有名な、BIGI(ビギ)グループと組んで進出を果たし、現在、日本主要都市に次々に大型店を出店しており、感覚のよい女性を中心に、安いのにセンスがよい、と評判のファッションチェーンです。

 同社のことは、記事や人づてに聞いて、多少知っているつもりでしたが、記事を読み終えて、ここまで、本格的「製造小売業」なファッションSPAはないのではないか、と改めて関心させられました。

 同社の歴史は、1975年、当時アパレル会社を経営していたオルテガ氏が、卸会社に納品予定だった下着を大量キャンセルされ、その在庫をさばかなければ会社が倒産するという危機にさらされ、在庫を販売するために始めた店が発端だそうです。
 そのときの教訓から成功のためには、「片手は工場に、もう一方の手は顧客に触れていなければならない」つまり、顧客が購入するまでは、商品を自社管理しなければならない、という哲学をビジネスで実践してきたそうです。その結果が、全体の50%は自社生産。自社物流から南ヨーロッパは陸路、その他は、航空便を使って、世界の直営店にデザインを起こしてから15日以内に店頭に並べる仕組みをつくったわけです。

 今週は、このZARA(ザラ)について、綴ってみます。続きはまた明日。

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May 03, 2005

アメリカの高級百貨店が身売り

 アメリカの高級百貨店であるニーマンマーカスが投資会社2社に身売りするとの報道がありました。
 アメリカの百貨店といえば、数年前のカリフォルニア在住時の感覚でいうと、
 JCペニー、シアーズ・・・・庶民的
 ロビンソン・メイ、メイシーズ、ブルーミングデールズ・・・・中級
 サックスフィフスアベニュー、バーニーズ・・・・準高級
 ニーマンマーカス・・・・高級
と、ショッピングセンターの格も同居している百貨店で、すぐにわかったものです。
 その頂点クラスのニーマンマーカスは富裕層の安定的な消費による業績好調にもかかわらず、非上場をし、株主に気を使わず、自由な経営を求めての「身売り」、という手段に出たことが興味深いと思いました。

 旬な会社を、いったん非上場にして、面白い経営をして、違った魅力をつけて、再上場して儲けよう。そんな、オーナー一族と、資金余力がふんだんにある投資ファンドの利益が一致したようです。

 一般的に上場企業は、体裁と配当のための業績を整えておけば、資金調達がしやすくなる利点はあるようですが、株主の手前、公開前のように思い切ったことができなくなったり、そのため、個性がなくなるケースが、特に店舗を持っている小売企業には顕著にあるのではないか、と思います。日本でも、結構好きだったのに、あの店なんかつまんなくなっちゃったな最近、というケースを見てきました。

 日本でも、M&A、MBO、企業再生ファンドなど、金融テクニック先行の戦略が世間を騒がせていますが、ニーマンマーカスのケースのような、営業を優先した、充電期間を設けて、また面白い姿を見せてくれるような企業の考え方もあってもいいのではないか、と思いました。

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April 19, 2005

世界のSPAから学んだユニクロ

 アメリカなどに行かれて、昔からGAPなど海外のSPA企業を知っている人は気づいていると思います。ユニクロは商品はGAP、オペレーションの仕組みはリミテッド、カタログやVMDはJクルー、広告手法はH&M(へネス&モーリッツ)と世界のSPA(製造小売業)のいいお手本のいい部分を上手に日本で具現化しました。ただの真似ではなく、あれだけのことを実現したら、立派だと思っています。

 特に、広告宣伝で有名芸能人とタイアップして、ブランドイメージアップを図るとともに、ユニクロは安くてもお客さんに安物買いをしている気にさせないテクニックはH&M(へネス&モーリッツ)の十八番です。

 H&Mは日本ではあまりおなじみではないかもしれませんが、スウェーデンに本拠を置く、ヨーロッパだけでなく、アメリカでもGAPやリミテッドグループを震撼させている世界でもっとも勢いのあるアパレルSPA(製造小売業)です。イメージは、おなじみなところでいうと、日本にも進出してビギグループと組んでいるスペインのZARA(ザラ)に近いですね。
 特徴は、ヨーロッパのコレクションに出てくる旬なファッショントレンド商品を、市場最低価格で販売することをポリシーにしている会社です。しかも憧れの有名人が来て街角や広告に登場するのですから、売れないわけがない。ユニクロと対極なのは、ベーシックではなく、トレンドで大量生産、QRをやっているところです。昨年は、限定数量ではありましたが、シャネルのデザイナーとしても有名だったカールラガーフェルド別注まで発売したもんだから大変でした。4週間分の商品が60分で売り切れたと伝説になりました。 コムデギャルソンの川久保玲がユニクロのコレクションを受け持つくらいのインパクトではないでしょうか?
 
 もしかして、ユニクロ、H&Mxカールラガーフェルドを見て、すでに何か考えているに違いない?

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March 31, 2005

ファッション製造小売業(SPA)の先輩から学ぶもの

 やはり触れておかなければならないのは、QRの生まれたアメリカの先輩SPA企業、レス・ウエックスナー氏創業のリミテッドグループでしょう。リミテッドブランズ社は最近では日本でも有名になったアバクロンビー&フィッチやビクトリアズシークレットを生み出した企業グループです。今はGAPグループの方が大きいですが、かつては世界一のファッションリテーラーグループでした。

 彼らのQR活用手法を簡単にご紹介すると、
1.コレクション情報、マーケットリサーチから、これは売れる、と思うものをバイヤーたちがヨーロッパのブティックの店頭で5店舗分買い付けをする。この際、1枚や2枚のサンプル購入ではなく、5店舗の売り場が作れるくらい大量に買う。
2.「リミテッド」のラベルに付け替えて、自分の店で売れるであろう価格をつけてあらかじめ決めているパイロット店舗5店舗で実験販売する。
3.販売結果、反応のよかったものの要素を分析し、即座に海外に仕様書発注。
4.発注した商品は、チャータージェット機まで使い、最長6週間でセンターに入る。
入荷した商品の販売、消化はすこぶるいい、とのことです。

 これらの彼らのSPA手法は、15年前に書かれた 「リミテッド社はなぜ世界最大になれたか」 に詳しく書かれています。

 マーケット分析、顧客分析を通して実験を繰り返す、科学的ファッション手法を体系化した世界のSPA企業のお手本です。日本のSPA企業にも応用できる要素がいっぱいあります。同様の手法は日本に進出しているZARA(ザラ)も使っていますね。ZARAの場合は、実験商品を自分たちで生産できる工場をスペインの本社の敷地内に持っているとのこと。これも強みですね。

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March 16, 2005

最近、“プラス”業態増えてますが・・・ファッションの隙間

最近OOOO・プラスという名前の新業態開発が増えています。
ユニクロ、ワタミ、ダイソーなど、プラスの名の下に従来の低価格ではない商品を増やし、量販ではなく、質販にチャレンジをしていますね。

アメリカでは、プラスのつく業態、GAPグループのオールドネイビーがウーマンズ・プラスという、体格のよい(プラスサイズ)女性向けの品揃えが通販で評判がよく、大型店を中心に販売を拡大しているとのことです。もともと SPAの本家本元リミテッド社にも大きめサイズの業態はあるし、ヤングストリートカジュアルのホットトピックス社も同客層に特化した業態があり、拡大中です。

日本でも体格のいい人、小柄の人が自分たちのサイズを手に入れるのには、なかなか苦労をされているようです。M,L 2サイズがあたりまえ、ヤングレディースについては、Fサイズ 1サイズも少なくありません。

 以前、小売チェーンで、ネットサイトのカスタマーサービスの責任者を兼務していた時、お客様からの問い合わせでもっとも多かったのが、この大きいサイズと小さいサイズの品揃えについてでした。そういったお客様は自分の服を探すのに苦労して購入されているのです。一方、バイヤーに言わせると、期末に在庫が残って効率が悪い、というのです。
 そこで、商品を絞り込みはしましたが、小さいサイズと大きいサイズの品揃えを実験的に始めました。店頭ベースですが、POPなどで告知をしました。結果は良好でした。実際このサイズの売上構成は10-15%強にしかすぎませんでしたが、このご時勢に10%上がるとは、そして、より多くのお客様に喜んでいただけたのが、なによりでした。
要は、仮説検証して、適度にやればいい話なのですが、なかなか、一般的には効率が悪い、で済ましてしまうのが多いようです。
 ユニクロがXSサイズやXXLサイズの品揃えをアピールしているのは、非常に面白い販売促進だと思っています。
今、流行のジュニア服を買いまわっている女性も多いようです。日本でも、もちろんファッショナブルなのが前提ですが、特に、小さいサイズの女性向けブランドがもっとあってもいいのではないか、と思いますね。

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