November 01, 2009

西友で販売されているGeorge(ジョージ)が、イギリスでは期間マーケットシェア1位と絶好調

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 海外ニュースをチェックしていて、10月上旬の記事ではありますが、米ウォルマート傘下のイギリスのスーパーマーケットチェーン、ASDA(アズダ)のプライベートアパレルブランドで、日本の西友でも展開されている、”George(ジョージ)”がイギリスマーケットで好調とのニュースを目にしました。

 BBC NEWS: Asda 'beats M&S in clothes sales'

 この夏(8月17日までの12週間)、イギリスの老舗アパレルチェーン(食品や雑貨もやってますが)で、長年中産階級を支えマーケットシェアNo1を誇っていた、ご存知 Marks and Spencer (マークス&スペンサー;M&S)のアパレル部門売上げを上回って、僅差ではありますが、1位になった模様。

ランク  企業またはブランド マーケットシェア
1位   George         10.1%
2位   Primark          9.9%
3位   M&S            9.8%

 記事によると、軽衣料中心のこの期間の一時的な首位獲得で、クリスマス商戦に向けては都心型のM&SやPrimarkが首位になるのでは?との見方が強いようですが、Georgeの経営トップは、2011年には業界トップになるべく、経営戦略を組んでいるようですね。Primarkの躍進と言い、イギリスでもデフレによる低価格アパレルのシェアが拡大しているようです。

 それにしても、イギリス衣料マーケットはトップ3社でマーケットの3割のシェアを占めてしまうほど寡占の進んでいるマーケットなのだな、とちょっとビックリ。日本はダントツのユニクロでも5-6%くらいのシェアですからね。そうそう、ユニクロがUK(イギリス)マーケットで成功するためには、これらの強豪がライバルになるわけです。

 ところで、ファッションショーをしたり、TVCMを打ったり、おしゃれなタブロイド型の新聞折込を入れ、最近、感度がよくなったと言われる西友の衣料品売り場で、ちょっと前になりますが、このGoergeジョージの商品を手にしました。

 都心(三軒茶屋)と郊外モール(みずほ)の両方を見たのですが・・・

 ウィメンズの感性、クオリティ、価格のバランスは素晴らしいものがあると思いました。えぇ!?、この感覚でこの値段は安い!と。ZARAやH&Mなどでお買い物をされているお客さんには十分受け入れられるレベルではないかな~と思いますよ。

 キッズは、広告宣伝は素敵ですが、売り場では、コーディネート提案をしていて少し安いかな?という点でイトーヨーカドー、ジャスコの子供服売り場よりはよいかな、という程度。

 メンズは、「あなたたち、どうせ週末はゴルフウエアスタイルでしょ?」と言わんばかりの品揃えにがっかり。まあ、従来の顧客に合わせるとそうなってしまうのかもしれませんが・・・

 ただ、これらの品揃えを見る限り、セレクターというかバイヤーが各部門違う担当の方がやっていて、イギリスの豊富な商品ラインから何を切り出して日本の生活者に提案するかの違いだけであって、ウィメンズの方の感性でイギリスのGoergeの商品をセレクトしたら、ひょっとして日本でも化けるのかもしれない、と大きな潜在性を感じたものでした。

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September 08, 2009

東京主要商業地の店舗物件家賃相場

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 9月8日の繊研新聞にシービーリチャードエリスがまとめた東京の主要商業地の一等地、一階の坪あたり家賃相場(月額)に関する記事が掲載されていました。頭に入れておきたい数値なのでご紹介しておきます。

■銀座
 10~23万円←前年12~25万円

■表参道
  8~20万円←前年10~22万円

■新宿
 10~20万円←前年10~20万円

■渋谷
  7~14万円←前年10~15万円

■池袋
  6~12万円←前年7~12万円

 新宿以外は値下がり傾向とのこと

 いずれも日欧米の大手ファッションSPA企業が複数店舗の大型店出店をしてもよい、爆発的な集客力をもつエリアです。

 今後これらのエリアで過熱する日欧米のファストファッション世界大戦。

 その様子を、この春の原宿に始まって、新宿、渋谷と店舗ロケーション地図付きで解説する新聞、雑誌記事をよく見かけるようになりました。

 その地図は毎シーズン塗り替えられます。

 さて3年後、5年後の地図はどうなっているのでしょう。

 そのキープレイヤーはH&Mとユニクロでしょうか・・・

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関連エントリー‐ユニクロが来期大都市に大型店を集中出店
関連エントリー‐H&M今秋~来春の出店計画

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August 13, 2009

H&M今秋~来春の出店計画

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 8月13日の繊研新聞に、H&Mの出店計画に関する記事が掲載されていました。

 今秋は、

  9月 5日(土) 横浜ランドマークプラザ
  9月17日(木) ららぽーと新三郷
  9月19日(土) 渋谷旗艦店
 11月14日(土) 新宿店(フルコンセプト)

 の4店舗

 来春は、

 大阪心斎橋(心斎橋筋路面)
 イオンむさし村山ミュー(SC)(三越退店跡)

 心斎橋は決定済み、武蔵村山もほぼ決定のとのこと。

 今秋のH&Mウォッチのポイントは、

①新三郷でのSC立地でのパフォーマンスの検証

②新宿で見せるフルライン展開。銀座、原宿はそれぞれまだ一部のMDだけで新宿でいよいよすべての商品ラインが出揃います。

③渋谷で東急百貨店本店、新宿で伊勢丹本店にどんなインパクトがあるか?

 これらは、今後の業界に影響を及ぼす、2009年下半期のファッション流通の視点と言っても過言ではありません。

 基本的にZARAが成功を収めている立地であれば、近郊SCでもH&Mは十分いけるでしょうね。

 ZARAは、これまでの近郊SCではGAPの売上がトップという状況を覆し、近年出店のSCでは売上トップに躍り出た模様(越谷レイクタウンやららぽーと磐田)

 また、H&Mにコバンザメ的に出店してくると思われるフォーエバー21の2店目以降の出店にも注目しておきましょう。
  
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July 28, 2009

イケア日本法人の売上高

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 7月28日の日経新聞に、世界最大のホームファッションストア、スウェーデンイケアの日本法人が、初の値下げ(1450品目;平均25%)を行うことに関連し、気になる日本の売上高が掲載されていましたので、ご参考までに取り上げさせていただきます。

 09年8月期見込みで約520億円、日本の家具専門店の中では2006年日本進出から3年、5店舗体制で、すでに業界第3位に食い込むことになるようです。

   企業名   直近決算期売上高  期末店舗数  1店舗あたり売上高
1位 ニトリ     2440億円       182店舗     13.4億円
2位 大塚家具   668億円        19店舗      35.2億円
3位 イケアJP   520億円         5店舗      104億円

参考 無印良品  1029億円       196店舗      5.3億円
   (直営店のみ)

 世界36カ国、300店舗で約2兆9000億円を売り上げるイケアは、日本でも1店舗あたり100億円超の巨艦店舗。単純に、あと2店舗出店すれば2位の大塚家具を超える計算が成り立ちます。ジャパン社社長は、条件が合えば年間2店舗ペースで出店したいと話しているようです。

 今回の値下げも、世界で作られた商品を、これまで上海やマレーシアのアジアハブ物流で積み替え、混載していたものを、愛知県弥富市に建設した日本のローカル物流に直接集結できることになったので、そこで浮いたコストを値下原資に充てるとのこと。

 同じスウェーデンのH&Mにしても銀座、原宿の2店舗が年商平均50億円超のペースですし、外資が上陸する時のビジネススケールの違い、桁違いのインパクトを思い知らされます。

 そんな本土上陸を果たしたグローバル資本主義の代表選手たちを相手に、日本企業はどう、相対してゆくのか、その立ち位置が問われています。

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関連エントリー-グローバル企業の物流・出店戦略

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June 23, 2009

注目の日本未上陸ファッション企業

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 今週のWWD1533号にH&M、F21(フォーエバー21)の次にくるのはコレだ!という特集が組まれており、興味を持って読ませていただきました。

 ここ半年の間に、H&Mやフォーエバー21に関連して、多くのメディアの方々から取材を受けたり、執筆依頼を頂きましたが、やはり、このタイトルと同じ質問をされる方が多かったです。

 今回のWWDの特集は、本当に総力を挙げて取材されたと見られますので、ご興味のある方は、お読みになり、保存版として取って置かれることをお奨めします。

 その中でも、進出が近く、日本のファッションマーケットに一定のインパクトを与えるであろうファッション企業を私なりにコメントしてみたいと思います。

1.ヴィクトリアズ・シークレット(VS)
 ご存知、米リミテッドブランズ傘下のアメリカ最大のファッションランジェリーストア。現在、通販では日本語でも購入可。何年も前から返品を受けるコールセンターも東京には設置済み。

 知名度、ファッション感性の高いランジェリー&ホームウエアのポジショニング、同社を徹底ベンチマークしたピーチジョンが大成功している事例を見ても、幅広い年齢層の女性客に当たることは間違いなさそうです。

 但し、日本進出は決めたものの、「パートナー」と組んでの展開というところが気になります。ワコールやトリンプのような既存大手と組むのか?商社や既存の流通企業と組のか?水先案内人次第で、うまくいくかどうかが決まると思います。できれば独資でリスクをもって出てきて、しっかりマーケットを肌で感じながら拡大していって欲しいところですが。

 日本において、カップルでも入りやすいファッション感性の高いランジェリーストアーはとっても大きなスキママーケットだと思いますし、日本のランジェリーショップの常識を壊してくれるかも。

2.アーバンアウトフィッターズ(UO)グループ
 リーマンショック以降もしっかり売上を維持している、顧客の顔の見える、時間消費型、ヴィンテージテイストのファッションライフスタイルストアーのグループ。グローバルSPAがマーケットに侵食しても、アンチテーゼかのごとく、「個」を売り物に確実に生き残っていく業態群だと思っています。

 アーバンアウトフィッターズ業態は、アメリカでは、NBブランド、PBブランド、古着、生活雑貨の絶妙なマーチャンダイジングミックスが売りですが、日本に来たら日本の代理店とのからみで、彼らがこだわるNBブランドを思い通りに表現できないと思うんですよね。

 それゆえに、PBブランドとアンティーク家具中心のアンソロポロジー業態の方にむしろポテンシャルというか、高い成功確率を感じます。

 ベイクルーズグループを筆頭に、多くの大人のナチュラルカジュアル業態を展開している会社がベンチマークし、多くの日本の女性客に支持を得ていますので、私としては、このアンソロポロジーがいちおしです。

3.アメリカンイーグルアウトフィッターズ
 アメリカンカジュアルの定番、王道と言えましょう。東海岸ビンテージテイストは、アバクロと酷似したテイストで、アバクロに憧れるアメリカの学生さんたちが、自分のお小遣いで買える価格のため、こちらの方がアバクロよりも日本での成功確率が高いのではないかと思ったりします。

 その昔、マイカルグループと組んで、中途半端に商品は日本の店頭に並んでいたことはありましたが、数年前から、日本本格進出が秒読みでした。日本のファンも興味あるようで、以前に書いて、書きっぱなしになっている私のブログ記事にいまでもアクセス結構いただきます。

 但し、単独ではなく、アバクロ日本上陸後、アメリカ国内同様、アバクロ人気のテコの力を借りることが同社成功のカギになるでしょう。多分、そのタイミングを計っていたのではないかな?

4.ベルシュカ
 ZARAを展開するインディテックスグループのヤングブランド。

 ZARAのモードによる敷居の高さを取って、ヨーロピアンヤングカジュアルをZARAより低価格で提供しているので、H&MのDIVIDEDやフォーエバー21と十分競演できそうで楽しみ。

 中国には既に出店しているので、日本ももうすぐみたいですね。

 いずれにせよ、ファストファッションであったり、空間演出・時間消費型といった、まだまだ日本のファッション業界が遅れを取っていて、生活者が高く買わされているんではないかな、感動を味わえていないんじゃないかな、という部分をソリューションする業態を挙げてみました。

 彼らには、世界のファッションビジネスの深さとエンターテインメントを生活者にもたらし、日本の業界に刺激を与えてくれることを期待しています。

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関連エントリー-米ビクトリアズ・シークレットもいよいよ東京出店?
関連エントリー-米アーバンアウトフィッターズ、欧州そして日本へ
関連エントリー-ファッションストアの標準化と差別化に関する一考察
関連エントリー-アメリカンイーグル07年春、日本進出


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June 21, 2009

アバクロンビー&フィッチが、RUEHL(ルール)業態を閉鎖

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 6月19日の繊研新聞などに、アメリカで不振が続くアバクロことアバクロンビー&フィッチ社がアバクロ業態の上層マーケット向けに展開していたRUEHL(ルール)29店舗を今期末をもって閉鎖すると発表したことに関する記事が掲載されていました。

 オリジナルのプレスリリースはこちら

 Abercrombie & Fitch to Close RUEHL Operations
 
 同業態は、同社の2008年決算の中でも、業態単独で55億円程度の赤字を計上していたとのことで、同社の減収大幅減益の主要因のひとつ。 会社の「お荷物」となったため、今後、その他の業態(アバクロ、ホリスター、アバクロキッズライン、ギリーヒックス)の建て直しと、飽和になったアメリカマーケットよりも海外進出に集中投資するために閉鎖を決定したとのことです。

 ついでに2008年の同社のアニュアルレポートや最近の月次売上レポートを眺めましたが、ここんところ、アバクロは惨憺たる業績です。

 2008年年間では、既存店売上高13%減

 2008年5月から2009年5月まで、13ヶ月連続既存店売上高前年割れ

 特に、08年8月以降がひどいですね。参考までにその有様を。すべて既存店売上前年対比です。

月次      全社   アバクロ ホリスター
08年08月  △11%   △ 5%  △14%    
08年09月  △14%   △ 7%  △20%
08年10月  △20%   △14%  △25%
08年11月  △28%   △25%  △29%
08年12月  △24%   △24%  △24%
09年01月  △20%   △16%  △24%
09年02月  △30%   △27%  △33%
09年03月  △34%   △32%  △35%
09年04月  △22%   △17%  △26%
09年05月  △28%   △25%  △32%

 2008年のアニュアルレポートによると、アメリカのマーケット情勢にもかかわらず、突っ張って一品単価を上げ、客数が大幅減したというのが主要因のようです。

 昨年後半に読んだ海外ニュースで、アバクロのマイケルジェフリーズCEOが、競合他社は単価を下げているが、うちはマーケットには迎合しないというような強気な発言をしていましたが、結果は上記のような状況です。

 さて、12月に銀座1号店をオープンし、日本進出を決めているアバクロ。アジア旗艦店ということで格好の良いプレゼンテーションもよいですが、真剣に売上を取りに来なければ、まずいですよね(笑)。

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関連エントリー-アバクロが銀座にオープンするアジア1号旗艦店の開業日は12月15日
関連エントリー‐米アバクロ社が海外出店を加速


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April 28, 2009

アバクロが銀座にオープンするアジア1号旗艦店の開業日は12月15日

 先週のプレスリリースを受けて、先週から今週にかけての繊研新聞、日本繊維新聞などに米アバクロンビー&フィッチが今年末、12月15日オープンする日本1号店となる銀座グローバル旗艦店に関する記事が掲載されていました。

 ネット上で一番分かりやすいニュースはこちらから

 銀座経済新聞:米カジュアルブランド「アバクロ」、銀座にアジア初の旗艦店-12月開業へ

 待望のアバクロ日本上陸の立地と日程が、銀座中央通りZARAやH&Mの向かい、フェラガモの隣に、12月15日オープン、と発表されたわけですが、内容を読んでみると

 トータル11階で売場面積約295坪=1層あたり平均約27坪の旗艦店・・・

 ちなみに同社のアニュアルレポートによると、全米に345店舗あるアバクロの1店舗あたり平均売場面積は、おおむね1-2階建てで計247坪ですので、既存店より2割ほど広い売場面積にはなりますが、アバクロの品揃えをどのように11に分ける?ことになるのでしょうか?

 確かに、「旗艦店の中で最高の高さを誇る」かもしれませんが、このタテに細長い売場を、バッグやアクセサリーのラグジュアリーブランドグループの旗艦店ならまだしも、ひとつのアパレルブランドがどんな表現ができるのでしょうかね。

 いずれにしても、その面積と階層を聞く限り、お客さんが回遊するのにとても疲れるお店になりそうですし、アバクロ最高の持ち味である店舗演出のすばらしさが十分に発揮できないのではないかと心配になります。

 それもそうですが、
 
 客単価$81.59 セット率(一人当たり買上点数) 2.37 一品あたり平均単価 $34.43

 のアメリカの大学生をメインターゲットにするカジュアルラグジュアリーブランドをどのように日本市場でポジショニングしてゆくのか・・・とても興味があります。

 売上規模は、グローバルSPAの中でもベスト10に入る米アバクロの進出。是非、日本のファッション業界にも革新的なインパクトを与えていただきたいのですが、今後、発表されるであろう価格帯、品揃えなどに注目です。

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関連エントリー-アバクロ日本進出は2009年後半
関連エントリー-あの店の香り覚えてますか?


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November 20, 2008

米アバクロ社が海外出店を加速

 11月20日の繊研新聞にアメリカのアバクロンビー&フィッチ(アバクロ)社の海外出店加速の記事が掲載されていました。

 記事の内容は、以下の第3四半期決算(08.8月-10月に相当)と同時に発表された同社のプレスリリースに基づいているようです。

 Abercrombie & Fitch Reports Third Quarter Results

 アメリカの不況は、多くの小売企業を直撃し、同社の第3四半期速報も、基幹業態のアバクロ、ホリスター他、すべての業態が既存店売上高減収で会社全体の既存店売上高前年対比も14%減と大苦戦。

 CEOのマイク・ジェフリーズ氏は、不況下でも競合他社のように値下げに走らず、ブランドポジショニングを大切にすると言い、むしろ海外への活路を強調しているようです。

 アメリカ国内で飽和状態となったアバクロンビー&フィッチ業態(中心ターゲット大学生)は先に欧州出店を始めていて、来年秋には日本にも上陸しますが、代わって国内成長の牽引役となった2番目の柱ホリスターカンパニー業態(高校生向け)も、早くも今年の10月、ロンドンに欧州1号店を出店しており、好調な滑り出しとのことです。この後、ホリスターは、ロンドン郊外ショッピングモールを中心に数店の計画があるようです。

 それにしてもアバクロ業態はロンドン、コペンハーゲン、ミラノ、東京、パリと主要国への旗艦店の出店計画だけ明らかにしているのが気がかりです。アメリカでは、アバクロは「大学生が親に買ってもらうブランド」であって、決してラグジュアリーブランドではないので、勘違いしないで、しっかりと各国マーケットに進出して欲しいと思います。(日本進出の水先案内人が業界の旧態依然とした業態の出身者でなければよいですが・・・)

 来年は、業界では、アバクロ(09秋、銀座)と同じくアメリカのフォーエバー21(09春、原宿)の日本上陸が話題になると思いますので、このあたりのニュースは引き続き追っかけて行きたいと思います。

 ところで、アメリカファッション小売業苦戦の中、日本進出が待たれるアーバンアウトフィッターズグループ(同名の基幹業態、アンソロポロジー、フリーピープルなど)は同じ第3四半期も既存店売上高10%増の好調の模様です。彼らからも目が離せないですね。

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関連エントリー‐アバクロ日本進出は2009年後半
関連エントリー‐米アーバンアウトフィッターズ、欧州そして日本へ

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October 04, 2008

グローバル企業の物流・出店戦略

 10月3日の日経MJに世界最大のホームファッションSPA、日本で拡大中のIKEA(イケア)の日本国内向け物流センターが、このたび、愛知県弥富市、名古屋港近辺に開設、稼働したことに関連して、イケアジャパンのラース・ペーテルソン氏のインタビュー記事が掲載されていました。

 同社では、これまで上海とクアラルンプールにアジアのハブ物流を有し、世界50カ国で生産された商品のうち、アジアの店舗向けの分はこの二か所に集め、店舗ごとにまとめ、日本の4店舗に向けて船便で出荷していました。

 今後は、集中出店エリアである東京首都圏と関西圏のちょうど真ん中である名古屋港近辺に新設した物流に、日本向けの商品が一括輸送され、そこから共有在庫としたものを各店の売り上げに応じて、最適配分・補充することによって、これまで起こしていた欠品を削減しようというのが、国内物流センター設立の目的になるようです。

 ちょうど、私も、買いたいと思っていたPOANG(ポエング)というイケアの定番リラックスチェアが、船橋でも港北でもしばらく欠品をしていて、定番なんだから早く補充されないかなぁと、どうなっているのかなぁ、と思った体験を持っています。

 これに対して、同社の今後の出店計画は、当初、首都圏と関西圏に優先順位を定め、しばらくは、既存店含め、それぞれ4~6店舗づつ集中出店をする予定だったそうですが、記事によると、物流センターをオープンした愛知県にも引き合いは多いらしく、今後、前向きに同県にも出店検討をするとしています。

 イケアの全世界での1店舗あたりの平均売上高は100億円程度はありますので、数年内には日本での売上も1000億円規模になり、業界およびエリアへのインパクトも小さくなさそうですね。

 参考までにスウェーデンのグローバルファッションリテイル企業、イケアとH&Mの生産国と取引先数、出店国と店舗数をご紹介しましょう。

       生産国         出店国
 イケア 50カ国1350社  30カ国 1600店舗超
 H&M  22カ国800社   24カ国  230店舗超
 
 かようにスケールの大きいグローバル企業のビジネスでは、地域のハブ物流が要になっており、イケアがアジアに2つのハブ物流を持つように、H&Mも香港にハブのような拠点があるようです。

 H&Mでは、世界からアジア向けとして香港に集まる商品を毎日、東京港と横浜港に近い川崎の国内物流に向けて海上輸送するようで、その後、そこから毎日複数回、店舗に配送されます。

 日本のH&Mはまだ1店舗なので、この川崎の拠点の位置づけがどうなるかは、わかりませんが、同社は、世界の出店エリアにエリア店舗をカバーする「コールオフセンター」という、デイリーデリバリーならぬタイムリーデリバリーが可能な物流拠点を置くことで、店頭在庫の最適化、販売機会損失の極小化をすることを強みのひとつにしています。

 すなわち、生産された商品(品番)のうち、まずは2割程度を店舗に最低限の在庫として陳列しておいて、残りの8割の在庫は共有在庫としてコールオフセンターに保有します。その後、各店の品番別、時間帯別売上に応じて、デイリーデリバリー(実際には、毎日複数回)を行える同物流拠点が、実際、売れた分だけタイムリーに、速いものでは、その日のうちに補充してゆくというしくみです。

 いわゆるデイリーデリバリー、毎日配送は日本のファッション業界の勝ち組企業でも常識になりましたが、日に複数回という多頻度の配送は、一部の渋谷109ブランドやコンビニエンスストア並みであり、それが同社の売上の最大化につながる一つの要因であることは想像に難くありません。

 さらに言えば、それだけの強みをもつ、物流拠点づくりは、出店政策に優先されるわけで、その威力が発揮できる範囲にしか出店をしないであろう、というのが、私のH&Mは、しばらくは首都圏にしか出店しないであろうという根拠にもなっています。
 
 日本に攻め入るグローバル企業のロジスティック戦略は、われわれの店頭在庫最適化やスピードの概念も変えてゆくかもしれません。

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September 18, 2008

米ビクトリアズ・シークレットもいよいよ東京出店?

 先週9月12日の繊研新聞に、去年アパレル事業を売却して、「ビクトリアズシークレット」などのインティメイト(インナー、ランジェリー)事業と「バス&ボディーワークス」のヘルス&ビューティ事業にフォーカスした、世界第4位のファッションSPA、米リミテッドブランズが、ビクトリアズシークレット事業を2009年末から10年にかけて複数の国に出店する計画を明らかにしたことに関する記事が掲載されていました。

 リミテッドブランズは、創業者でCEOのレス・ウエクスナー氏の方針で、世界最大のマーケットであるアメリカで伸ばせる間は海外には進出しない、という方針を貫いて来ましたが、そんな同社が海外進出を打ち出すということは、米国国内マーケットの低迷、飽和感も鮮明になってきたということでしょう。

 記事によると、同事業のCEOの方が、ビクトリアズシークレットの東京出店についても「いつとはまだ言えないが、いつかは出店する」と明言されているそうです。

 ビクトリアズシークレットは、海外通販には対応しており、東京にも、日本語でのオーダーサポートと返品対応のためのコールセンターは10年ほど前からあり、潜在需要はしっかりつかまれているはず。世界のファッションSPAの元祖と言える、リミテッドブランズの基幹業態が日本に来るとなれば、その計算されたマーチャンダイジング、オペレーションを日本の生活者が享受できる日が来るということで、とても楽しみであります。

 来年日本に進出するアバクロも、もとはと言えばリミテッドグループで、そのDNAがあってか、海外進出は二の次と考えていた企業。同社の欧州、日本進出には、アメリカの既存店の前年割れが恒常的になって来たことも背景にあります。

 その他、多くの米国勝ち組ファッションチェーンが欧州、日本進出をもくろんでいるのを最近、特に耳にするようになりました。

 日本ファッション企業の新興国への出店も中長期的な課題だとは思いますが、欧米企業の襲来に対し、日本本土で繰り広げられる世界戦に臨み、お互い切磋琢磨し、生活者の購買行動をしっかり見つめて、自らのビジネスモデルに磨きをかけることが、大切であるのは言うまでもないでしょう。

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関連エントリー‐今年、アメリカではティーンズ・ヤング、アンダーウエアマーケットが熱い

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