October 29, 2018

アマゾンプライムワードローブ(amazon prime wardrobe)はアマゾンジャパンのファッション売上拡大の起爆剤となるか?

 アマゾンジャパンが 昨年アメリカで先行スタートしたプライムワードローブ(amazon prime wardrobe) のサ―ビスを10月25日に日本でも開始しました。

 これはプライム会員限定のサービスで、顧客はアマゾンサイト上の対象アパレル商品を3~8点選び、まずは自宅に送ってもらいます。

 自宅での7日間の試着期間中に気に入った商品は購入、購入しないものは返品の意思表示をサイト上で行って、その後、後者を返品すれば、購入するとした商品しか請求されないという試着無料サービスです。

 試着品受け取り翌日から7日が経過する間に何も手続きをしなければすべて請求されますが、

 それを逃したとしても、従来通り、手間はかかりますが、30日間は返品可能とのこと。

 返品用の資材は送られて来たダンボールがそのまま使えますし、返品用送り状は同封されいるようです。

 往復の送料はプライム会費内でまかなわれるので顧客は追加負担をする必要はありません。


 ファッションのオンラインショッピングの最大のネックは試着ができないこと。

 次に

 ファッションは手持ちの服とコーディネートして使用するものなので・・・

 どんなにその商品が良くても、手持ちの商品との相性が合わなかったり、周囲からダメだしされるなど、「失敗」することが顧客の最大の不安です。

 これらを解消する手段としては、自宅で試着が最良の解決策だろう、

 とアメリカで同サービスが始まったことを聴いた時に、

 いずれ日本でもサービスが始まったら、アマゾンが売上を拡大しようとしているファッション分野の起爆剤というか・・・ある意味、「切り札」になるだろうなと思っておりました。

 ZOZOはZOZOSUITによって顧客の体格を正確に計測することによって、相応しいサイズを提案したり、ピッタリの服をつくることによって試着問題、返品問題を解決しようとしているのに対し、

 アマゾンはプライムワードローブによって試着自由、返品自由でこの課題をクリアしようとするわけです。

 ピッタリサイズのオーダーメイドでつくることと、

 既に世の中にあるものを試着返品自由にするのと 

 果たしてどちらが顧客に支持されるでしょうか? というお題ですね。

 オンラインショッピングの試着返品自由に関しては、

 米ザッポスにインスパイヤーされたロコンドなどが日本国内でも先行しています。

 報道によれば、同社の返品率は26%とのこと(前年29%からは改善されたようです)

 普通だったら、これだけの返品が来るとなると・・・

 運賃や返品処理の手間を考えたら経費倒れに終わって儲からないのではないか?

 と企業側は不安になることでしょう。

 しかし、経費度外視でも・・・

 まずは売上シェアを高めるためにはどうしたらよいか?を考える

 アマゾンだからこそ取り組める「切り札」なのかも知れません。

 また、アマゾンは、最初は経費先行かも知れませんが・・・

 購買データ、返品データから顧客のサイズを把握して・・・

 将来的には顧客が好む「サイズ感」をデータ化して、

 ZOZOSUITとは違った切り口で顧客に合う商品やサイズを提案することも視野にいれているのかも知れません。

 そうすれば、いずれは返品率は下がるかも知れませんね。
 
 将来の話は筆者の憶測ですが・・・

 さらっと報道しているメディアが多い中で・・・

 これって結構、日本のファッションショッピングにインパクトがあるかも、と感じているのは筆者だけではないはずです。

 サイトを見ると、まだまだ、レディース60000品目強、メンズ50000品目強 と対象商品数が少ないようですが、

 今後、対象商品が増えてゆけば、それなりに影響を及ぼす、常識が変わるショッピングの選択肢のひとつになるかも知れません。


 執筆: ディマンドワークス代表 齊藤孝浩

 ※業界の発展と流通イノベーションのために・・・ファッション流通企業の経営者の方や事業スタートアップ準備中の方の応援をしています。
 時代の節目にあたり、「経営お困りごとのヒアリングとビジョナリーコーチング」のキャンペーンを実施中です。 ブログ筆者の質問に答えて行くだけで・・・頭の中がスッキリ整理されるコーチング手法で事業のお困りごとを整理して今後の方向性を見出すためのお手伝いをさせていただきます。 詳しくは>>>こちらから
 
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May 14, 2018

世界アパレル専門店売上ランキング2017 トップ10

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 世界の大手アパレル専門店各社の2017年度の売上高や利益などをまとめる機会ができましたので、毎年恒例になりました売上高のランキングTOP10を共有させていただきます。

 円建て比較にあたり、為替レートは2018年1月末の €=135円、スウェーデンクローナ=13.8円、US$=108.8円、英国£=153.9円で換算しています。
 
 尚、7位のC&Aのみ2017年決算が入手できませんでしたので Deloitte Global Powers of Retailing2018と2017を参考にした2016年度の売上高を表示しています。

順位 社名 本社;決算期 売上高 前年増減 営業利益 営業利益率 期末店舗数 基幹業態
1位 インディテックス (西;2018.1期) 3兆4203億円 8.7% 5823億円 17.0% 7475 ZARA
2位 H&M (瑞;2017.11期) 2兆7600億円 4.0% 2838億円 10.3% 4739 H&M
3位 ファーストリテイリング (日;2017.8期) 1兆8619億円 4.2% 1764億円 9.5% 3294 UNIQLO
4位 GAP (米;2018.1期) 1兆7248億円 2.2% 1609億円 9.3% 3594 OLD NAVY
5位 Lブランズ (米;2018.1期) 1兆3742億円 0.5% 1879億円 13.7% 3075 Victoria's Secret
6位 プライマーク (愛;2017.9期) 1兆0854億円 18.6% 1131億円 10.4% 345 Primark
7位 C&A ヨーロッパ (独;2017.2期) 8390億円 -3.1% 非公開 非公開 1575 C&A
8位 アセナリテール (米;2017.7期) 7234億円 -4.9% -142億円 赤字 4807 Ann Taylor Justice
9位 ネクスト (英;2018.1期) 6241億円 -1.0% 1169億円 18.7% 528 NEXT
10位 しまむら (日;2018.2期) 5651億円 -0.1% 428億円 7.6% 2145 しまむら
                                        備考-米TJMaxx、Ross のオフプライスストア2社は、売上規模でトップ10に入る規模ですが、メーカーや専門店が放出した過剰在庫を販売する二次流通マーケットのため除外しました。また、中国で拡大を続け、売上規模では9位あたりに位置すると目されるE.LandWorld(韓国)は売上規模以外の実態が掴めないため除外しました。

以下 ランキングに対する解説です。

 1位のインディテックスグループは9%増収、7%営業増益、と着実な増収増益。ローカル通貨ベースでの伸び率は10%の増収12%の増益だったようです。(以下利益は営業利益を指します)。

 進出国を1か国増やし94か国とし、グローバル展開を続けながら、この1年は特に香港、トルコ、メキシコに数多く出店したようです。

 一方、スペイン、中国はスクラップ&ビルドを進めているようです。

 また、ここ数年、ZARAが過去において手薄だったアメリカへの出店を強めているのも気になります。(ここ4年で87店舗へ倍増しました)

 初めて明かしたオンライン売上構成比は10%(展開国では12%)、前年比は41%増、既存店売上高もトップ10企業の中でダントツの5%増でした。

 2位のH&Mは4%の増収、14%の減益に終わりました。

 H&Mの減益は2年連続、営業利益率も10%の水準にまで落ちています。

 同社は同期も中国、アメリカへ集中して388店舗も出店をしましたが、

 店舗数を増やしたほど売上は伸びず、

 トップ10企業の他社は既存店のスクラップ&ビルドを行って店舗の純増数は鈍化しているにも変わらず、積極出店が裏目に出たようです。

 後述するプライマークの躍進やイギリスのウルトラファストファッション系ECサイト達にシェアを奪われているようです。デジタル戦略への遅れが業績に表われていることはH&MのCEO自身も認めています。

 3位はファーストリテイリング。4%増収も38%増益、営業利益率9.5%と復調しました。

 国内ユニクロ事業の回復、海外ユニクロ事業の好調が要因で、営業利益率も国内11.8%に対して海外10.3%と海外も相当稼ぐ力がついて来ましたね。

 その後の2018年上半期では、ユニクロの海外の売上は国内を上回り・・・

 営業利益の構成比が逆転するのも時間の問題。

 いよいよユニクロは国内事業一本打法から、海外で稼ぐブランドへの脱皮を果たしたと言えるのではないでしょうか?

 4位のGAPは米国内のGAPおよびバナリパの不採算店舗の大量整理にメドがついたようで、2%の増収、24%の増益とこちらも復調。 

 ただ、日本から撤退したOLD NAVYが北米において1ブランドで気を吐いている感が否めません。

 また、久々に同社の米国内売上比率を見ましたが・・・

 80%と年々ドメスティック比率が高まっています。かつて世界一だったGAPとて、アメリカのチェーン店は海外で通用しづらい?というジンクスを覆すことはできなかったのでしょうか。
 
 5位のLブランズは0.5%の微増収も13%の大幅減益。

 ビューティ部門=バス&ボディワークスは引き続き好調だったようですが、

 基幹ブランド ヴィクトリアシークレットが政策的に水着とアパレルの販売を中止したのが減益要因で、

 同社はランジェリーのMD改革も含めてこの結果は織り込み済みとしています。

 6位以下に関しては・・・

 6位に浮上したプライマークはいよいよ年商1兆超え。

 19%の増収、7%の増益、10%の営業利益率と、インディテックスに次ぐ好業績企業と言えそうです。世界ランクトップ5入りも時間の問題でしょう。

 昨年夏にロンドンでプライマークの新しい旗艦店(オックスフォードストリートの東側の店)を視察しましたが・・・

 同ストリート 西側の旧旗艦店と比べるとわかりますが、一皮むけておしゃれで、選びやすい店舗が印象的で、進化のほどを感じました。 特に、ロンドンハイストリートでH&Mを苦しめている様子が感じられます。

 同社は2015年にアメリカ進出を果たしていますが、こちらの方はまだ試行錯誤状態のようです。

 9位のネクストは既存店のスクラップ&ビルトと高いEC売上比率(40%超)で、これまで堅調な売上高と高い営業利益率を保って来ましたが・・・

 いよいよ踊り場を迎えているようです。

 同社の戦略は欧米日など成熟マーケットにおけるチェーン店の生き残り策のお手本になるかと期待をしていたのですが・・・ 10%近い既存店の減収は痛いです。

 世界のファッション流通の最激戦地、イギリス、ロンドンでは日本以上の熾烈な勝ち残り競争が繰り広げられているようです。

 さて、

 今回のTOP10を見渡すと大きな増収、増益を達成したのはインディテックス、プライマークの2社です。

 また、ファーストリテイリングとGAPの利益の復調も見て取れます。

 一方、これまで 高い利益率を上げながらポストファストファッション時代に勝ち残る施策のいくつかの選択肢として注目して来た、

 ビューティ部門を強化する米Lブランズ、

 クリック&コレクトを中心にオムニチャネルとそのプラットホームづくりに力を入れて来た英NEXT

の2社が今踊り場を迎えています。


 ここ数年着実に伸ばしているZARAとプライマークから見習うべきことは2点あると思います。

 まずひとつは、

 目の届く近隣国と人件費の安価な国をバランスよく使い分けるハイブリッド型生産 です。

 3年連続で申し上げる話になりますが・・・

 長いリードタイムをかけて低賃金の国においてローコストで商品をつくり、

 つくったものを売り切るビジネスモデルはリスクが大きく(売上は上がるが利益をコントロールしづらい)、

 そういったグローバル資本主義的なビジネスモデルが「限界」に近づきつつあります。

 ここ数年のH&Mの様子は、まさにその反面教師的な姿かも知れません。

 一方、見習うべきはZARAのインディテックス社の近隣国とアジア生産を組み合わせるハイブリッド生産です。

 超低価格のプライマークも、かつての反省を活かし、トルコや東欧などの近隣国 短サイクル生産とベトナム中国バングラデシュの中長期生産を併用して成果を上げているようです。


 そして、そんなサプライチェーン改革と同時に進めなければならないもうひとつのチャレンジは

 ストアとオンラインの完全統合への道 です。


○ アプリによる来店前の顧客とのコミュニケーション

○ クリック&コレクト(オンライン注文の店舗受け取り)、

○ スキャン&バイ(店舗からのオンライン注文)

など、

 いわゆるオムニチャネル戦略に関してもZARAのインディテックスが半歩先を行っています。

 2018年はファストファッションからスマートショッピングの時代への大転換点。
 
 急成長しているからと言っても、プライマークのような更なる低価格路線を追及しても大資本には到底敵いませんので・・・

 ZARAの一連の取り組みを見習い、顧客の購買行動の変化に柔軟に対応できるサプライチェーンとオンラインの体制を早期に整えたいところです。

 執筆: ディマンドワークス代表 齊藤孝浩

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March 27, 2017

世界最大の低価格スポーツ用品チェーン 仏DECATHLON(デカトロン)の衝撃

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 3月中旬に2泊3日で上海のリサーチに行って来ました。

 今回のリサーチの目的は2つあり、

 ひとつは、昨年「ユニクロ対ZARA」の中国語訳本のおかげで3回ほど中国ファッションチェーン幹部向けの研修に招聘される機会があり、

 参加された企業含め中国のローカルチェーンが、市場のトップシェアを占めるユニクロやH&MやZARAらグローバルチェーンに対して、どんな棲み分けをしているのか?のリサーチを行うこと。

 そして、もうひとつは、日本未上陸のフランスの大手スポーツ量販チェーン

 Decathlon(デカトロン) の店舗を視察することでした。

 ひとつめのマーケットリサーチに関しては、

 今回は限られた時間の中で、どんなプレイヤー(ブランド)がどんな店構え、品揃えをしていて、どのチェーンに勢いがあるのかを確認するにとどまりましたが・・・今後チェックすべきブランドはだいたい頭にインプットすることができました。

 このあたりの詳細は、今回現地でお会いした、上海拠点でグローバルに活躍するVMDのプロ、内田文雄さんのブログが詳しいので是非、こちらを参考にしてみて下さい。

 グローバルで勝てるVMD:中国ファストファッション最新情報

 さて、今回のエントリーのメインは、もうひとつの目的であるDecathlonデカトロン視察レポートです。

 Decathlon SA 社(デカトロン)はフランス本社でグローバルに展開する売上高世界1位のスポーツ量販チェーンです。

 2016年12月末時点で、ヨーロッパを中心に

 世界28か国に進出し、1176店舗を展開し、
 
 年商 約 1兆2000億円(€=120円換算)を売り上げています。

 同社は売上全体の33%を母国 フランス(301店舗)で稼ぎますが、
 
 国外売上のうち、もっとも大きなマーケットが中国(214店舗)になります。

 これだけ大きなグローバルチェーンなのに日本未進出、しかもアメリカにも一度進出していますが、その後、撤退しているため、日本では意外と知られていなかった、

 未だ見ぬファッション・ライフスタイル系強豪グローバルチェーンストアのひとつです。

 日本未進出ではありますが、日本語のサイトがあるのでご覧ください。

 DECATHLON デカトロン 日本語サイト

 以前から多くの中国人から同社の名前は聞いていましたが・・・今回、初めて店舗を訪問することができました。

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 耀华路の上海万博跡 世博源店

 店舗を訪問して驚くのはスポーツカテゴリーの豊富さ、価格の安さ、そして集客力です。

 スポーツの楽しさと恩恵をできるだけ 多くの人に
 高い機能と美しくシンプルなデザインを 兼ね備えた製品をできるだけ低価格で

 をコンセプトに 考えられるすべてのスポーツカテゴリー、大衆スポーツはもちろん、

 ヨガのようなライフスタイル系から乗馬のようなハイソなスポーツまで、ギアからウエアー、シューズまで、すべてカテゴリー別に設けられたプライベートブランド(PB)で開発しています。
 
 Decathlon 展開カテゴリーとブランドリスト
 
 店舗の印象は 日本の店舗で例えれば・・・

 ゼビオあるいはヴィクトリアの売り場に

 ユニクロあるいはニトリ方式で開発されたPB(SPA) が並び
 
 価格はユニクロ価格から西松屋価格?で販売されている

 スポーツに特化したメガストア(カテゴリーキラー)とでも言いましょうか。

 日本のスポーツ業界には、スポーツやシューズはナイキやアディダスのようなナショナルブランドしか売れないというような定説?がありましたが・・・

 では、なぜ同社は世界で一兆円以上も売り上げて更に拡大を続けているのでしょうか?

 どんなマーケットでも二極化は進んでおり・・・

 低所得層だって、お金をかけたくない人たちだって…スポーツやレジャーを楽しめる大衆化を実現しているからではないでしょうか。

 今回、訪問した上海万博跡の世博源店はこども連れのファミリー層で大賑わい、商品を手に取って試したり、遊んで楽しんでいる子供たちの姿がありました。(ちなみに向かいの店はユニクロ)

 もうひとつDecathlonの店舗で興味を持ったのは店舗でのRFIDの活用です。

 商品すべての原産国表示(洗濯絵表示)ラベルがある位置にRFID(IC)タグが縫い込まれており、購入しようとする複数商品をレジ台に置いた瞬間 精算金額が表示されたのには驚きました。

 レジ担当は、値札を取りながら点数を確認し、代金を受け取って袋詰めするだけ。1490682558370_2

 店舗でお買いものをした印象は、ライフスタイル提案でカッコいいお店というよりは、

 ユニクロと同じ 価格訴求のウエアハウス型。

 誰でも、スポーツをするのに、こだわりたいアイテムと、とりあえず間に合わせでいいというアイテムがあると思いますので・・・
 
 ブランドやハイスペックな機能などにこだわりがなく、価格が安ければとりあえずこれで十分というアイテムに関しては、ここでほとんどが事足りてしまう、と思いました。

 ある意味、合理的という意味で未来のチェーンストアのひとつの形を感じたものでした。

 ご興味ある方は日本でも 通販で買うことができますのでチェックしてみて下さい。

 Decathlonデカトロン通販サイト(日本語)
 
 日本語のウェブサイト、通販サイトが整っているところを見ると、日本上陸も時間の問題かも知れません。


 【お知らせ】

 拙著「ユニクロ対ZARA」の簡体字翻訳版「如此不同如此成功:优衣库 VS ZARA」が今年の1月に中国本土で出版されました。

 日本語版はこちら  
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January 25, 2017

米オールドネイビーが日本から完全撤退

 GAPグループのオールドネイビーが1月22日をもって全店閉鎖となり、日本から完全撤退しました。

 オールドネイビーの日本サイト

 2012年にお台場に1号店をオープンして以来、3年半で53店舗を出店し、年商250億円規模にはなっていたと思われます。

 今回の撤退は 米GAP社のリストラの一環で、いくつかある同社のセグメントの中で

 日本が大半を占める「Old Navy Asia(オールドネイビーアジア)」が特に採算が悪い事業として経営陣に映ったからでしょう。

 一方の「Old Navy North America (オールドネイビー北米)」は同社の中の稼ぎ頭です。

 日本1号店の開業の時にもこのブログで指摘しましたが、

 米オールドネイビー(OLD NAVY)のリーズナブル価格に好感、ただし多店舗出店に課題も

 GAPとは違って内外価格差ほぼなしの正直プロパー価格設定(プライスポイント=最多価格帯1990円)での日本展開は、

 おぉ、これは郊外立地でユニクロやライトオンやアベイルやマックハウスなどにとって脅威になるぞと思いましたが、

 そもそも内外価格差なしだと 日本の場合 家賃負担が大きくなるため

 アメリカ並みの販売効率(売場面積あたりの売上高)では販売管理費の負担が大きくなりすぎ、営業利益が残しづらいこと

 が課題にあったと思います。

 そのような、「上手く回れば・・・」のチャレンジングなスタートに

 出店立地を精査しきれず、計画を下回る販売効率の店舗を多店化してしまったこと

 どこの売場を見ても、シーズン立ち上がりはそこそこ魅力的な売場だったものの、後半の売場の荒れ方(残品状況や値下げ度合)がひどかったこと 

 これは外資チェーンと一言で言っても、アメカジ売り減らし型のMDサイクルの問題かも知れません。

 そして、時折、GAPの日本流よろしく商品原価に関係なく、全品一律大幅値下げなんてこともやってましたからね。

 日本オリジナルを一定割合混ぜて補完していたGAPやバナリパとは違い、雑なMDオペレーションだったことも否めません。

 折しも為替のドル高基調ゆえ 

 アジアからのドル建て商品調達コストが高くつき(これは日本企業も同じ)、

 それに加えて、水揚げ(ドル建ての売上や利益)がアメリカ本社から見て目減りして見えたであろうことも撤退判断の背中を押したことでしょう。

 会社側から見れば、採算の余裕が少ないビジネスモデルに、あまりにも悪環境の中で、自滅、撤収したというのが客観的な感想です。

 一方、ネット上の生活者の評価を見ると、GAPよりOLD NAVYを残して欲しかったというようなファンのコメントも多く、(特に子供服を重宝して購入していた方々) 惜しまれながら撤退して行ったというところでしょうか。

 また、撤退してほっとしたアパレルチェーンの経営幹部の方々も少なからずいらっしゃることでしょう。

 時折、ブログで指摘していますが、国土が広く、家賃が安いアメリカで拡大したチェーン店は

 欧州や日本に来ると苦戦する傾向にあると思います。

 ところが、日本のGAPだけは例外で、アメリカ本国とは違う売り方、

 すなわち、当初、値段を高く設定してがっつり粗利を稼ぎ、50%OFFしてもそこそこ粗利益が残るという売り方にうまみを覚え、

 日本の高い家賃を吸収して生き残って来たと思います。

 日本の生活者もそのあたり慣れっこになってしまってますけどね。

 すると、このGAP方式こそが、アメリカのチェーンが日本で生き残る限られた手段のひとつなのかも知れないとも思えて来ます。

 しかし、ローカルで売り方を変えないといけないオペレーションをしている以上、世界中どこに行っても世界統一MD&オペレーションのZARAやH&Mには敵わないでしょうね。

 オールドネイビーは惜しまれながら日本から撤退しましたが・・・

 アメリカの通販サイトから円建てで購入できるようです。

 オールドネイビーがお好きだった方は引き続き通販でお買い求めいただければと思います。

 OLD NAVY US 通販サイト

 【業界ビジネス読本】

 シーズン性のあるファッション商品の購買心理と在庫コントロールの原理原則を大手企業の事例を用いてわかりやすく説明しました。

 『人気店はバーゲンセールに頼らない 勝ち組ファッション企業の新常識』

   
 
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December 31, 2016

ファストファッションの次に来る流通革新

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 年末に発売されたファッション販売2月号の特集「ファッション業界2017年の焦点」の中で「ファストファッション」をテーマに寄稿させていただきました。

 月刊「ファッション販売」17年02月特大号 

 国内外の大手SPAやチェーンストアの価格動向と市場に対するインパクトについて述べた記事の本文とは別に「TOPIC」というコラムで「ファストファッションの次に来る流通革新」について触れさせていただきました。

 2008年にH&Mが日本に上陸した時から始まった日本のファストファッションブーム。

 その10年前の1998年にはユニクロのフリースブームから始まるSPA(アパレル製造小売業)による良質廉価の流通革新がありました。 

 このようにファッション流通市場では10年サイクルで新しい流通革新が起こり、生活者のファッション消費を変えて来たのです。

 そのファストファッションブームからまもなく10年が経ちます。

 日本より早くファストファッションの洗礼を受けた欧米で何が起こっているのか?

 日本のファッション流通市場の未来のインスピレーションを得るべく、私は毎年欧米のファッション都市をリサーチして日本のファストファッションブームの次に来る流通革新の芽を探して来ましたが・・・ここに来て確信を得ています。

 ひとつはイギリスでプライマークが、アメリカでTJMaxxのようなオフプライスストアが、そして、日本ではしまむらやGUが巻き起こしているディスカウンターによる都心部での「更なる低価格化」です。

 もうひとつは、すでにお馴染みのキーワードになった「オムニチャネルリテイリング」です。

 これまでの流通革新である

 「豊富な品揃え」⇒「低価格化」⇒「品質向上」⇒「トレンド(デザイン)の低価格化」

 と言った商品やマーチャンダイジングに関する革新よりも・・・

 むしろ顧客にどう商品を手渡すかという商品の提供方法に関する革新に他なりません。

 前者の更なる低価格化は、そもそもレッドオーシャンに飛び込むようなものなので、大資本には敵わないでしょう。

 それゆえに、ファッション流通業界各社は後者の「オムニチャネルリテイリング」にフォーカスすべきです。

 2011年にアメリカでオムニチャネルリテイリングというキーワードが話題になって、

 2013年の正月のこのブログでその年の流通業界のキーワードとして日本でもおこりつつあるこのムーブメントのご紹介をさせていただきました。

 「オムニチャネルリテイリング」は今年の流通業界注目の重要キーワード

 その後、スマホやアプリの進化とともに(WEAR、メルカリ含め)、消費者の購買行動の変化が起こり、

 直営既存店よりも、いかにEC売上を伸ばすかが業界関心事となり、多くの企業が主にZOZOやAMAZONを中心としたECモールの力を借りてEC売上の拡大に力を入れて来ました。

 以前のエントリー

 15年度のファッション商品のEC売上比率は7.8%に。10%目前に次なる課題は?

 でも触れましたが、

 昨今のECを取り巻く関心事の中心はEC売上拡大から「ラストワンマイル」、

 つまりお客様にECで買っていただいたら、宅配便で送りっぱなしで終わりではなく・・・

 お客様の手に確実にお届けするまでしっかり責任を持つこと、そして

 その手渡す接点をチャンスとしてしっかりと活かすための攻防に入りつつあります。

 これまでのように倉庫でダンボールをヤマト運輸や佐川急便に任せればそれでよいのでしょうか?

 コンビニで受け取ってもらえばそれでよいのでしょうか?

 ヤマト運輸が2020年までに宅配受け取り用のロッカーを全国に5000箇所作ると言っていますが、日本中にロッカーが完備すればそれでよいのでしょうか?・・・

 直営店を持つリテイラーそして商売人としては、何か他人任せのような気がしませんか?

 ファストファッションブームから10年が目前となった、これからの10年はオムニチャネルリテイリングの精度を高めることが流通革新のテーマになることは間違いないでしょう。

 直営店からECサイトへの送客がテーマだった過去から現在、

 これからの未来はECで購入したお客様をできるだけ直営店に立ち寄ってもらえるよう努めて行きたいです。

 これって、目に見えないところで起こっている競争なので、うかうかしていると気が付いたら乗り遅れていたということになりかねません。

 この取り組みに乗り遅れると・・・ファストファッションブームの時よりも痛手になることは間違いなさそうです。

 今年もブログをお読みいただきありがとうございました。

 業務多忙につきブログの更新の頻度が落ちた一年でしたが、

 来年も生活者を取り巻くファッション消費の変化とそれに応えるファッション流通企業の愚直な改善努力の好事例をできる限り読者のみなさんと共有して行きたいと思います。

 それでは皆さんよいお年を!

 【おススメ本】

 オムニチャネルリテイリングも一枚上手のZARA 書籍を通じてファッションビジネスに対する信念を学んでいただければと思います。 
 
 出版から2年経った今でも、おかげさまでアマゾン小売ジャンルランキング1位になることもしばしばあり、感謝しております。
 
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October 02, 2015

H&Mの集中出店の威力、グローバルチェーンの価格調整力

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 10月1日の繊研新聞に先ごろ発表されたH&Mの第3四半期決算(2014年12月~2015年8月までの9か月決算)の記事が掲載されておりましたので、気になって同社のIRプレスリリースに目を通しました。

 売上ベースで22%増収、営業利益ベースで12%の増益で、9か月経過時点で売上高は1兆8780億円(SEK=14.21円で換算)規模。 

 このペースで行けば年商2兆5000億円規模になりそうで、もしや、いよいよインディテックスを抜くのではと思ってインディテックスグループの財務レポートもチェックしたところ・・・

 インディテックスグループは上半期(2015年2月~2015年7月)で売上が前年比17%増(既存店は7%増)、営業利益は25%増で同様に快走中ですので、まだまだH&Mはインディテックスグループには追い付きそうもありません。

 注:当ブログのH&Mの売上高は他のチェーンと合わせるために常にVAT抜きで表示しています。 

 それにしてもH&Mの売上上位国の中で、集中出店を宣言している アメリカと中国でのの成長率はものすごいですね。

 第2位 アメリカ の53%増(現地通貨ベースでは22%増)
      381店舗 売上は年商規模で 3500億円 相当

 第5位 中国 の 51%増 ( 同   21%増) 
      299店舗   同 年商規模  1500億円  相当

 参考まで 17位の日本は14%増 ( 同    7%増)
       53店舗   同 年商規模  510億円相当

 欧州先進国攻略の後、H&Mの矛先は現在 世界1位と2位のマーケット アメリカと中国に向いているため、日本での勢いはそれほどでもありませんが、

 アメリカと中国を攻めつくした後に向かって来るのは世界3位のマーケット、日本に間違いないでしょう。

 その時、現在のアメリカや中国並みの20%超のペースでアクセルを踏まれたら日本のアパレルマーケットは毎年150~200億円以上のペースで喰われ続けることになるでしょうね。

 現在、H&Mが日本攻略の手を緩めているからといって安心せずに・・・数年後にどう棲み分けをするかしっかり考えるべきでしょう。

 同じ外資脅威論ながら、視点がちょっと変わりますが・・・

 以下は今年8月後半にグローバルファッションチェーン激戦区ロンドンでファッションチェーンの価格調査をした時のウィメンズシャツ・ブラウスプライスポイントの一覧です。

ブランド    プライスポイント £=190円 VAT付加価値税20%込み
TOPSHOP(英)  £36.00→  ¥6,840
NEXT(英)     £26.00→  ¥4,940
M&S(英)      £25.00↑  ¥4,750
ZARA Woman   £29.99↓  ¥5,698
ZARA Basic    £25.99↓  ¥4,938
Trf(ZARA)     £19.99↓  ¥3,798
UNIQLO      £19.90↓  ¥3,781
NEWLOOK(英)  £17.99→  ¥3,418
F21         £15.00↓  ¥2,850
H&M        £14.99↓  ¥2,848
Primark      £10.00→  ¥1,900

矢印は2年前の同時期との比較で上がったか下がったか変わらないかを示したものです。

 興味深いのは・・・

 ローカルチェーンは価格を維持または値上げ

 グローバルチェーンは逆に下げていたことです。

 原価高騰や為替によってローカルチェーンはローカルの損益を中心に考え、防戦一方。

 そこにつけ込むグローバチェーンはグローバルで損得を考え、

 価格を調整してマーケットシェアを拡大するための価格調整力を発揮するという構図です。

 そんな現象は日本では起こらないと誰が言えるでしょうか?

 最近、ユニクロの店頭価格とH&Mの価格があまり変わらないこと・・・

 アウターに至ってはユニクロとZARAの価格が近づいて来ていることにお気づきでしょうか?

 マーケットの再編はまだまだ起こりそうです。

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August 15, 2015

世界アパレル専門店売上ランキング2014 トップ10

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 遅ればせながら 世界の大手アパレル専門店各社の2014年の売上高や利益などをまとめる機会ができましたので、毎年恒例になりました売上高のランキングTOP10を共有させていただきます。

 円建て比較にあたり、為替レートは、すべて2015年1月30日時点のレート、ユーロ=¥133.8、スウェーデンSEK=¥14.3、US$=¥118.2、英ポンド¥176.9にて換算しています。
 
 尚、6位のC&Aのみ2014年決算が入手できませんでしたので Deloitte Global Powers of Retailing 2015と2014を参考にした2013年度の売上高を表示しています。

ランキング
                 売上高   前年比  営業  期末  基幹業態
                              利益率 店舗数  とシェア
1位-Inditex        2兆4,254億円 +8%   18%  6,683  ZARA
 (西インディテックス;15.01期)                          64%

2位-H&M         2兆1,637億円 +18%   17%  3,511  H&M
 (瑞エッチアンドエム;14.11期)                         95 %超
  
3位-Gap          1兆9,434億円  +2%   13%  3,709  Old Navy 
 (米ギャップ;15.01期)                              40.3 %
                                            Gap
                                            37.5 %  
4位-Fast Retailing    1兆3,829億円 +21%    9%  2,753  Uniqlo  
 (日ファーストリテイリング;14.08期)                         81.7 %   

5位- L Brands      1兆3,544億円   +5%   18%   2,969 Victoria's 
 (米エルブランズ=リミテッド;15.01期)                      Secret
                                            62.9% 
6位-C&A Europe     1兆1,509億円  +9%    n/a   1,607  C&A
 (独シーアンドエー;14.2年度)                            100%
         
7位-Primark         8,756億円  +16%   13%    278  Primark
 (愛プライマーク;14.09期)                             100%

8位-Next           7,123億円   +7%    20%    539  NEXT 
 (英ネクスト;15.01期)                               96.5%

9位-Ascena retail      5,664億円   +2%    4%   3,896  Justice
 (米アセナ;2014.7期)                               28.9%
                                          Lane Bryant   
                                            22.5%              
10位-Shimamura       5,118億円   +2%    7%    1,931 しまむら
 (日しまむら;15.2期)                               81% 
                                                                     備考-アメリカのオフプライスストアー(アパレルや小売チェーンが換金目的で放出したブランドを扱う)のTJX、Rossは、2次流通とみなし、除外しました。また、中国で拡大を続け、売上規模では9位あたりに位置すると目されるE.Land World(韓国;日本ではSPAOやMIXXOを展開後撤退)は売上規模以外の実態が掴めないため除外しました。

以下 解説です。

 1位 のインディテックスはZARAを中心に8つのブランドのバランスを取りながら各国に出店し、安定的な成長を続けトップを維持。既存店売上高も世界レベルで5%の増収を確保。この間、多く出店した国の上位はロシア、中国、メキシコ、トルコ、日本です。

 2位 のH&Mは アメリカ、中国で圧倒的に出店を続け、高い増収を確保。今期も10%増ペースで伸ばす計画ですが、新規出店のほとんどをアメリカと中国に出店に充てる計画のようです。

 一方、既存店においては、ビューティ部門の強化を打ち出します。

 3位のGAPはGAPブランドの既存店減収をOLD NAVYの既存店増収でかろうじてカバーした模様。これまで均衡していたGAPとOLD NAVY両ブランドの売上構成比はOLD NAVYが優位となり、始めて両者に開きが出ました。

 今後はGAPブランドの大量退店によるリストラを強め、OLD NAVYを中心とした成長に舵を切る模様です。

 4位のファーストリテイリングは売上の伸び率は最も高いですが、グローバルトップの中では見劣りする営業利益率が気になります。

 海外ユニクロ事業とGUの急成長で嵩上げされた売上に対して・・・.改善はあるものの、まだ二桁の営業利益率が出せないそれらの事業の低い収益性を国内ユニクロ事業の高収益で支える構造。 そこからいつ抜け出せるか?が注目ですね。

 5位のLブランズは、ヴィクトリアズ・シークレットの安定的な既存店増収と利益率の高さで好調を堅持。

 2000年代に元々の母体であったアパレルSPA事業をあっさり売却して・・・見事なドメイン変更を敢行し、ファッション&ビューティー企業として、21世紀ファストファッション時代の共存モデルのひとつを確立しましたね。この点は世界中のファッション流通企業がベンチマークすべきところです。

 以下 7位のファッションディスカウンター、プライマークは継続的な高成長と2015年9月のアメリカ進出が注目されています。8位のネクストはEC売上の拡大とともに、堅実な利益体質の確保を実現。

 9位の米アセナ・リテイルはランキング初顔ですが・・・郊外路面の主婦向け低価格ファッション(dress burn)から始まり・・・その後、ジュニア向けファッション、クイーンサイズの婦人服業態など・・・ニッチマーケットを狙うアパレルチェーンを次々に事業買収し売上規模を拡大したユニークなビジネスモデルをとる専門店グループです。それぞれが成熟チェーンと思われるストアブランドばかりですが、それらをまとめ上げて、どこまで成長と利益の体質を構築できるかに注目です。

 さて、今期の注目は・・・

 中国とアメリカへの徹底集中出店により売上を伸ばすH&M。今の勢いが止まらなければ、今期末に安定成長を続けることをポリシーとするインディテックスの売上規模を超える可能性もあります。それをさせんとするインディックスはどこで売上を伸ばすのか?

 ユニクロの中国・韓国事業が絶好調のファーストリテイリングですが、「ユニクロ国内事業」頼みの収益体質が・・・今期2015年8月期決算以降でどこまで改善できるのか?

 そして2015年9月、アメリカに進出するプライマークが同国でも成功を収め、更なるグローバル成長に弾みをつけるのか?

 といったところでしょうか。

 2008年 H&Mの日本上陸以降 世界のファッション流通マーケットは完全にグローバルの波に飲み込まれました。

 海外の動向からも目を離さず、いずれ日本に影響が及ぶことを考え、そのころを見据えた 先回りしたビジネス思考と革新が求められています。

 追記 GAPの年商に誤りがありましたので訂正しました。 1兆6600億円→ 1兆9434億円
     訂正前の金額は前年のもの(当時の為替レート換算)でした。

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October 16, 2013

アメリカマーケットリサーチ報告(おわりに) グローバルファッションチェーン(SPA)が旅行者(トラベラー)にも重宝されるワケ

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 8月末にアメリカから戻ってブログにレポートを一通りアップするのに一か月半もかかってしまいました(汗)

 最後に、リサーチ中に気になっていたことを述べて結びにさせて頂きたいと思います。

 昨年夏のヨーロッパでも感じ、今年のアメリカでのマーケットリサーチでも実感したのは

 H&MやZARAのようなグローバルSPAは、ローカル(現地)の需要だけでなく、ワールドトラベラー(旅行者)の需要にもしっかり応えているのではないかということです。

 特にビジネスでの出張者や観光客の多い立地で旅行者のような来店客も少なくない両ブランド。

 ホームタウンにもH&MやZARAはあるはずなのに、彼女、彼らはなぜ旅行先でもお買いものをするのか?

 それはH&MやZARAの商品はどこにいても同じデザイン、(良いか悪いかではなくて)同じクオリティ、同じサイズの安心グローバルスタンダードであり、

 なおかつ女性にとっては、旅行中とて目を離せない、トレンドファッションの切れ目のない情報発信をしているわけで、気に入った商品を見つけたら、母国に帰るころには売り切れて店頭にないかも知れないという心理すら起こさせているのでしょう。

 長期旅行に出れば、服を買い足したりする必要もあります。

 そんな時、母国で買う商品と全く同じ感覚でお買い物ができれば、安心というわけです。

 彼らは、そんな旅行者の需要にもしっかり応えている、そんなところも人気や売上を支えている要因、強みのひとつなのではないでしょうか?

 一方、アメリカのGAPにしても日本のユニクロにしても、母国のマーケットが大きいビッグチェーンは、海外に出店する際に、逆の問題点を抱えているように思います。

 つまり、アメリカのマーケットに最適な商品展開をしていたGAPは日本市場開拓にあたって良かれと日本のマーケットに合わせようとして日本スペックの商品を作ってしまう。GAPを知るアメリカ人は日本ではアメリカ国内と同じ感覚でお買いものができないでしょう。

 同様にユニクロも、ヨーロッパでも、アメリカでも現地に合わせるために、同じMでも日本よりサイズを大きくしているわけで、我々日本人がヨーロッパやアメリカに出かけた時、たとえユニクロを見つけても、日本と同じ感覚でインナーを買う訳に行きません。

 現地スタッフに日本よりサイズが大きいことを知らされれば、ワンサイズ下を買うべきか、果たしてそれでよいのか?悩んでしまうわけです。

 そういう意味で、H&MやZARAは私たちが日本で認識している両社のサイズと同じサイズを世界のどの都市でも買えばよいのであって、ある意味 日本ブランドであるユニクロよりも安心してお買いものができるというわけです。

 この問題、日本の多くの有力アパレルブランドが海外に出て行く時のネックのひとつになるのではないかと見ています。

 日本のブランドは現地に良かれと現地に合わせることによって、日本とは別にダブルスタンダードを作ることを常識と考える。世界にひとつのヘッドクオーター(本部)でオペレーションされている企業に比べて、これ当然、人件費、管理コストが嵩みます。 

 一方、グローバルスタンダードを常識とする、ZARAやH&Mは、それぞれスペイン本社、スウェーデン本社一か所で世界のことを考え、国別にサイズを増やすことはあっても、全展開サイズの中からどこからどこまでのサイズを切り出し、どんな構成比で持って行けばいいかを考えればよいわけで、出店国を増やしても、エクストラコストはかからないオペレーションをしているわけです。

 自国マーケットが大きかったことがグローバル時代に「あだ」になる?

 そんなことが日本のアパレルブランドのグローバル展開の足かせになっているのではないでしょうか?

 もちろん、グローバルブランドを開発する上で、核となるホームマーケットは絶対必要です。

 ZARAのインディテックスグループの本国スペインの売上比率は全体の20-25%で世界最多ですし、スウェーデンのH&MやIKEAだって、両社の最大マーケットであるドイツの売上構成比はかつては30%、今でも20%はあります。

 今からアジアを股にかけたグローバルファッションチェーンを開発しようとする企業の方々に申し上げたいのは・・・

 日本または中国をホームマーケットにしながらも、ホームマーケットにだけ合わせるのではなく、ホームマーケットでも、海外でもどちらでも通用するスタンダードに磨きをかけ、出店するたびに、出店国に合わせることを考えずに済むようにブランドを開発すること。

 H&MやZARAを長年見ていて・・・

 パリやロンドンやアメリカでユニクロを日本と同じ感覚で買うことができなくて・・・

 あらためて感じたものでした。

Hm_label ユニクロもZARAやH&M並みに、本格的にグローバルへの道を踏み出すためには、将来的にはH&Mのようなサイズラベルをつけ、サイズを見直す必要があるのでしょうね?

 その時、多少は日本の消費者のネガティブな反応も覚悟しなければならないのかもしれません。

 それが収益性の高いグローバルアパレルブランドとして避けては通れない関所のひとつではないでしょうか?

 蛇足になりますが・・・食品など現地の文化や法令に従うべき産業はローカライズが必要だと思います。一方、ファッションはローカルトレンドはありますが、ヨーロッパコレクションで発信されたファッショントレンドが世界市場に影響を及ぼす産業なので、「世界統一MD」が有効な分野のひとつであると思っています。

 【おススメ本】 

 ヨーロッパのファッションチェーンが日本のファッション流通の常識を変える?
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July 19, 2013

アバクロの姉妹ブランド「ホリスター」の日本1号店はららぽーと横浜、日本多店舗展開の本気度は?

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 7月18日のFashionsnap.com、 7月19日の繊研新聞によれば 今秋日本上陸を発表していた米アバクロンビー&フィッチ社 「アバクロ」の姉妹ブランド 「ホリスターカンパニー」の1号店がららぽーと横浜に決まったようです。

 Fashionsnap.com:アバクロ姉妹ブランド「ホリスター」初上陸 ららぽーと横浜に出店

 いまやグローバルSPAの激戦地となったららぽーと横浜。

 ちょうど、このあいだの連休に視察に行ったばかりでしたのでイメージしやすいです。

 のちほど述べるように本来ホリスターはアメリカでは高校生をターゲットにしたブランドですが、日本ではヤングファミリーのパパとママに受けていると思われるので、1号店にふさわしい立地ではないでしょうか?

 日にちは未定のようですが、ロケーションは同館の1階、JR横浜線鴨居駅側の入口にあるオールドネイビーとユニクロの間に空いている087区画のようで、フロアーマップから察するに150坪くらいでしょうか?

 現在 オールドネイビーのディズニーコラボのポップアップストアがある086区画も含むのであればそこそこ目立つ角地、集客の見込める好立地になりますね。

 そして、当初アバクロをベンチマークして開発された和製ファストファッションブランドの雄、「アズール・バイ・マウジー」の斜め向かいくらいになりますから・・・ちょっと面白くなりそうです。

 ららぽーと横浜フロアマップ

 もともと東部エスタブリッシュメントの大学生をターゲットにポロラルフローレンを代表とするアメトラをヴィンテージ加工したテイストが特徴のアバクロンビー&フィッチに対して、

 アバクロンビー&フィッチ WEBサイト

 西海岸、南カリフォルニアの高校生をターゲットに著名サーフブランド群を同様にヴィンテージ加工したテイストが特徴のホリスターカンパニー。
 
 ホリスターカンパニー WEBサイト

 アバクロは少しラグジュアリ感覚で、値段が高めなため、大学生が「親に買ってもらう」ブランドになっているのに対して、ホリスターは高校生が無理なく買える価格帯の位置づけ。

 それは現在の両ブランドの店舗数や売上の差に表れています。

 今年(2013年)2月2日に発表された同社のアニュアルレポート、FORM10Kによれば、

 ホリスターは同社の中で店舗数でも売上でも半分以上を占める稼ぎ頭のストアブランドになっています。

 全米では GAP リミテッドブランズに次ぐ アパレル専門店売上ランキング第3位、世界ランキングでも 10位付近にいるアバクロ社ですが、

 同社の2012年度の年商 4,510億円 ($=100円換算) のうち 

 アバクロが 1,704億円 に対して
 ホリスターが2,314億円 と 1.4倍

 店舗数は以下の通り倍あります。

   Abercrombie &Fitch Abercrombie  Hollister  Gilly Hicks  Total
                  kids
U.S.     266          144        482      20     912
国外    19            6        107       7     139
Total    285          150        589      27    1,051

 同アニュアルレポートの過去3年の業績を眺めると、

 米国内で頭打ちになったアバクロをホリスターがカバーする格好。
 
 国外出店はスノッブなアバクロを高飛車に?出した上で、その後、比較的フレンドリーなホリスターを送り込む、ツンデレ作戦?が常套手段のようです(笑)。

 昨年度(2012年度)にはホリスターだけで国外に70店舗も新規出店して、ホリスターだけのインターナショナル店舗数も一気に100店舗を超えた模様です。

 しかし、この年は、アメリカ国内で同社の成長を牽引したホリスターもいよいよ既存店がマイナスに転じ、海外展開を加速した年だったようで、今年の日本進出もその海外に求めた成長戦略の一環でしょう。

 10年ほど前に アメリカではよく定店観察していたホリスターカンパニーですが・・・

 昨年、ロンドンや上海で久々にお目にかかることになりました。

 それらのグローバル旗艦店は アバクロ同様 薄暗いバリのリゾートコテージの雰囲気で高級感はありますが、10年前とそれほど変わらず、やはりアバクロより健康的でフレンドリーな感じがしました。

 彼らの海外進出で、店舗の独特の世界観と同時に気になるのは現地販売価格です。

 アバクロの内外価格差には日本のみならず各進出国で消費者を驚かせていますが(というか失望?)・・・

 関連エントリー‐アバクロ日本上陸、気になる実際の日米内外価格差は?

 ロンドン、上海で見た ホリスターの場合も、もともとアメリカ国内の価格が安いのでアバクロほどびっくりではないですが、やはりアメリカの国内価格に対して倍近くつけている印象を受けましたね。

 以下はホリスターカンパニーのアメリカでの国内価格です。

 Tシャツ        $17.50-19.50
 POLOシャツ    $ 29.50
 布帛シャツ半袖  $34.50-$49.50
        長袖  $39.50
 フードパーカー   $49.50-
 クルースウェット  $39.50
 ショーツ       $34.50-49.50
 ジーンズ      $49.50-59.50

 アバクロのように日本1号店オープンと同時にWEBサイトでアメリカの価格が日本から見れなくなるかも知れないので覚えておいてください。

 アメリカではGAPと同じくらいの価格帯でしょうかね。

 要は何が言いたいかというと、

 ホリスターが日本上陸にあたり内外価格差なしの

 シャツなら3990円、Tシャツなら1990円、ジーンズなら4990-5990円くらいの価格をつけたら

 おそらく日本で100店舗は狙えるストアブランドになるだろうな、という期待です。

 フォーエバー21、アメリカンイーグル、オールドネイビーはアメリカからほぼ内外価格差なしで上陸し、人気を博しているのはご存じの通り。

 「アバクロ」の閉鎖性や時代錯誤の価格で日本の消費者を失望させたところがある同社が、

 仕切り直しとも言えるホリスターでどんな本気度を見せてくれるか?

 この一点に絞って1号店のオープンを楽しみにしたいと思います。

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March 23, 2013

ZARAの内外価格差と日本のアパレル市場

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 前回のエントリーでH&Mの最近の価格戦略について述べましたが、ここでZARAについても触れておきましょう。

 私はグローバルSPAの戦略を知る上で、シーズンの変わり目に各社の店頭価格調査をするようにしていますが、

 ここのところ、H&Mが日本国内においてプライスポイント(最多価格帯)を下げているように感じられるのに対して、ZARAは逆に1000円ほど上がっているのに気づきます。
  
 例えば、同社の中でも最も売上シェアが高いと思われるカテゴリー、ZARA BASICのシャツブラウスおよびロングパンツのプライスポイントが昨年までの¥5990から¥6990に上がっています。

 海外のZARAの価格はどうなのかが気になって同社WEBサイトで主要国の販売価格をチェックしてみると次の通りになりました。

販売国  現地価格 消費税  為替  円貨 内外価格差 現地原価 航空運賃
       (税込)  or VAT  レート            (推測:¥) (推測:¥)
スペイン  €29.95   18%    121  3,624  1.00     1,450    0

フランス   €39.95  19.6%   121  4,834  1.33     1,934    484

イギリス  £29.99  20%    142  4,259   1.18    1,703    254

アメリカ   $ 59.9  税抜き   94   5,631  1.55    2,252    803
             (州による)
中国    RMB359   17%   15.1  5,421  1.50     2,168   719

日本     \6990    5%     1  6,990  1.93     2,796   1,346

 昨年夏から秋の調査に比べ、ユーロとポンドの価格に変わりありませんが、アメリカでは$10上がり、中国ではRMB40下がり、日本では¥1000上がっているようです。

 一方、為替レート換算後の内外価格差(スペイン本国と進出国の価格の差)は昨年と さほど変わりはありませんので、ZARAのプライスポイントが上がっているのは、どうやら為替レートが円安に振れたことが要因であると言えそうです。


 ところでZARAは世界87か国に進出していますが、

 H&Mがグローバル統一価格、各国でのトレンドファッションのプライスリーダーを目指しているのに対して、

 一方のZARAは、無理をせず、はっきりとした内外価格差があることで知られています。

 その理由は2つ

 ひとつは、同社(インディテックスグループ)はスペインと南欧を除いては、商品を世界の店舗にドアツードアの空輸便を利用して輸送しているため、スペインから遠い国ほど航空運賃がかかるためです。

 それでも空輸にこだわるのは、同社はファッションビジネスにおいてはコストよりもスピードが大事だと考えるからです。
 
 もうひとつは、ZARAは各国の百貨店で買い物をする働く女性をターゲットにしているので、価格設定をローカル百貨店の半額から6掛けにすることを目安にしているためです。

 日本はスペインから見たら遠い国(極東)、航空運賃がそれなりにかかるのはしかたがありませんが、

 百貨店の価格が相対的に高いため、日本の消費者にとって航空運賃を負担してでも内外価格差が2倍近いZARAの価格がそれでもリーズナブルに感じてしまうというのはなんとも皮肉なものです。

 このあたりが、外資系企業が日本をおいしいマーケット(利益額を稼ぐ場所)と位置づけるゆえんなのでしょうか?

 逆に言えば、日本企業にとってもまだまだビジネスチャンスがあるということがいえそうです。

 外資系企業はいろいろな意味で日本のビジネス構造を映し出す鏡と言えるかもしれません。

 ZARA、H&M、ユニクロ、しまむら、ポイント、ユナイテッドアローズなど国内外の『勝ち組』企業の成功の秘訣、新常識をわかりやすく解説しました⇒

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