November 05, 2009

しまむらが都心に増えたなら・・・

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 11月4日の日経MJや11月5日の日経新聞に、しまむらグループが都心部の店舗網を拡充し、将来、国内3000店舗体制にまでもってゆく構想に関する記事が掲載されていました。
 
 そのカギを握るのがしまむらグループの基幹業態で、現段階でファッション流通業界で国内最多店舗数1140を誇る「ファッションセンターしまむら」と2番手のアベイル(ジーンングカジュアル)228店舗の東京、大阪での拡大になるわけですが・・・
 
 この同社の都心部での拡大案は、しまむら高田馬場店出店以来、以前から何度も語られており、確かにスーパー2階の衣料売り場跡とか、異業種中型店の撤退物件跡とか、可能性はたくさんあると思うのですが、家賃条件が合わなかったりするのでしょう、なかなか実現しないものだなぁ~と待ちわびております。

 今回は野中社長の口から銀座、原宿、渋谷、新宿なんて立地も上がっていましたが、実現したらホント面白いと思いますので、早く進めていただきたいところですね。

 しまむらの魅力は、とにかく品種の多さ。

 6割は定番自動補充(肌着中心)でいつも変わらない売り場ですが、残りの4割は各色各サイズ各1点づつの商品投入を毎週行うことによって、多品種の新規商品が次々に売切れて行くという状態を作りだすことによって、いつ行っても宝物さがしの楽しさが味わえるところだと思います。

 その点でいったら、調達には時間をかけていますが、顧客から見た店頭は、実は、ファストファッションと同じなんですよね。

 ワンラックあたりの品種の多さでいったら古着屋さんを除けば、しまむらの右に出る店はないのではないかと思う、買い物好き、バーゲン好きな女性にとっては、まさしく毎日がワンダーランド状態のお店です。

 アパレルメーカーからの仕入れがほとんどで、グループのアベイルと併せてみたら、日本全国の大手チェーン店に並ぶ量販向けアパレルメーカー品がほぼほぼ一堂に見れるのではないか?ナショナルメーカー品のデパートと言っても過言ではないような品揃え。見習バイヤーが、新規メーカーを開拓したかったら、しまむら、アベイルにメーカータグを見に行け!というくらい豊富です←ちょっと言いすぎかな(笑)

 とにかく、ユニクロ、無印良品、欧米SPA、ファストファッションの大味に飽きたら、必ずやその品揃えの豊富さで多くの女性客を癒してくれることでしょう。

 ゆえに、本格的にしまむらの都心部多店舗出店が始まったら、昨今の「しまらー」ブームよりももっと大きなブームが来るかもしれない、と思えてならない私ですが、いかがでしょうかね。

関連エントリー-しまむら1000店舗突破、いざ都市部攻略へ
関連エントリー-ババに?しまむら?

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October 11, 2009

ヨウジヤマモトが民事再生法適用申請

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 10月10日の日経新聞、朝日新聞などに、9日民事再生法の適用申請を行ったヨウジヤマモトに関する記事が掲載されていました。

 直近75億だった年商に対して60億円の負債、特に、海外への投資、海外市況が厳しかったようで、一旦は、私的整理を目指したようですが、民事再生法を申請し、投資会社インテグラル(一時期ライブドアのM&A系ニュースに関連してよくテレビに出ていらっしゃった佐山さんの会社)の下で再建に入るようです。

 10日、私が日頃愛読、チェックさせていただいているほとんどのファッション系ブロガーの方々が一斉にこの話題を取り上げています。

 より詳しい内容は日本繊維新聞のニュースでどうぞ

 山本耀司氏「裸の王様であり続けた」

 8月に、日経ビジネスオンラインなどで取引先への支払い延期要請の事実が報道され、経営難が明るみになり、身売りの話まで出ていましたが、通信社、業界紙の記者の方々もその情報を知っていながら、今回の会見まで軽はずみに記事にしなかったのは、やはり、日本ファッション界の功労者であるヨウジさんへのリスペクトと配慮だったのでしょう。

 コムデギャルソン、イッセイミヤケさんたちと並んでヨーロッパで認められた日本人デザイナーとして、この業界ではリスペクト、一目置いていない人はいないでしょうから。

 ただ、よく比較されますが、時代を読んで、H&Mとコラボしたり、エマージェンシーブランドとして、こなれた価格の「ブラック」を開発したもともと現実派の川久保玲さんと比べて、男気よろしく、クリエイティブとビジネスのバランス感覚という点では少々課題があったとは思います・・・この市況の中で突っ張ってらっしゃったのは、ヨウジさんらしいというか・・・そこもまた根強いファンがいるゆえんなんですけどね。

 投資会社の下で、ヨウジさんご本人もチーフデザイナーを続けながら、「強烈なブランドの方向転換はしない」「(短期の利回り目的ではなく)超長期な企業支援」が受けられるということなので、再建を見守ることにしましょう。 
    
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October 09, 2009

伊ヴェルサーチ、事実上日本から撤退

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 いくつかのネットニュースで、今年の5月に紀尾井町の本店を閉店した伊ヴェルサーチ・ジャパンが、7月に百貨店内の店舗2店とアウトレット1店を閉め、国内直営店すべてをクローズした上で、10月31日をもって、ジャパン社の広報部門を閉鎖、「事実上の日本撤退」と報道されていたのを目にしました。

 一番詳しいのがこちらですかね

 J-CASTニュース ヴェルサーチ国内全4店閉店 事実上の日本撤退

 80-90年代前半のバブル期のイタリアブランドブームの象徴である3G(ジョルジオ・アルマーニ、ジャンニ・ベルサーチ、ジャン・フランコフェレ)の一角だったブランドが、世界で2番目に大きいマーケットから撤退するという事実を、ヨーロッパのラグジュアリーブランドの不振、ファッションマーケットのパラダイム転換を意味する歴史的な?ニュースとして、朝のニュースバラエティ番組でも取り上げられていたのを観たものです。

 私もバブル期に商社に就職、アパレル部門に配属され、間もなくイタリアファッションブームの洗礼を受けた身なので、ヴェルサーチがその中でもバブルを象徴するような派手な服が多かったとは言え、同ブランドの日本撤退には、少々感慨深いものがあります。

 イタリアブランドを手がけ、イタリアからの製品輸入をしながら、確かにビジネス的にはルーズなところも少なからずありますが、イタリア人のモノづくりには大きく影響されましたから。

 デザイナー、パタンナー、モデリストといった職種の社会的地位が高く、プライドを持った仕事をしているイタリアのファッション産業は、世界のファッションビジネスの理想郷。今でもリスペクトして、自分のファッション商品の良し悪しを判断するひとつの尺度、ベースになっていると思っています。

 そんなイタリアのファッション産業は最近、ホントに元気ないですね。ジャン・フランコ・フェレブランドを所有するITホールディングも今年の2月に破たんし、アルマーニも元気がないとか、いい話がありません。

 こんな状況になると、メディアは消費はラグジュアリーブランドからファストファッションブランド、バリューブランドに移っている、消滅するんじゃないかくらいの勢いで、極端に書きたてますが、もともと購買層や用途(オケージョン)が違うんで、そのマーケットは、それはそれで、適正規模にダウンサイジングしたり、体質改善したりして、しっかり生き残り、後世にいいところを継承して行って欲しいと思います。

 一方、上記のネットニュースによると、ヴェルサーチ本国の会社自体は確かに厳しいようですが、昨年あたり中国では出店を加速しているみたいですね。むしろ、伸びの期待できない日本に見切りをつけ、期待のできる中国への経営集中のための日本撤退かもしれませんが・・・どうなんでしょうか  
 
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September 09, 2009

Jフロントリテイリングが取り組む今後の百貨店のあり方

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 9月9日の繊研新聞に、大丸、松坂屋を傘下に持つJフロントリテイリングが、今後の百貨店生き残り策として9月1日付で打ち出した施策、体制に関する記事が掲載されていました。

 今年の7月まで月次売上高が26か月も続けて減収、ここ1年近くに至っては連続二ケタ減記録を更新しつづけ、底が見えない百貨店衣料品売り場。

 業界の方々と世間話をして、「不要論」も少なくありませんが、よく出てくる百貨店が生き残る道としては、

・伊勢丹メンズ館のような自主編集「ファッションリーダーストア」としての道を委託ではなく、リスクを張って完全買い取りで行う

・歩率を駅ビルくらいに下げ、SPAや専門店を入居させ、デベロッパーに徹する

 のふたつが多いですが・・・

 前者は、時間がかかるでしょうし、後者も駅上ならまだしも、駅から少し離れた立地の百貨店は駅ビルに対して不利でしょう。いずれにせよ、高い販売管理費のリストラは避けられません。

 そんな中、Jフロントが打ち出した策は

1)消化仕入れショップ部門は、今後百貨店SPA型の取引先のMDに口を出さず、デベロッパー業務に徹する。これに伴い、担当者の「バイヤー」の肩書を「デベロッパー&エディター」に変更。

2)自主編集売り場はこれまで通り「バイヤー」が責任を持って仕入にあたる

 と百貨店内に現在共存する2つのタイプの形態をそれぞれの特性を生かすべく、ふさわしい対応を取るというもの。

 そして、大丸、松坂屋、各店別には、あくまでも、立地立地で、生活者の需要とマーケット環境に基づいて、これまでの「バイイングをしている」というこだわりよりも、「マーケティング」視点でその二つの構成比を考えようというもののようです。

 同社の婦人靴売り場へのケミカル(合皮)シューズ導入や、ツープライススーツストアの百貨店内への入居、買収したそごう心斎橋店を大丸心斎橋店北館として、駅ビルに近い歩率でこれまで百貨店に入居できなかったファッションストアを誘致するなど(テナント集めに苦戦されているようですが・・・)、今までの常識にとらわれない、その反面、ちょっと大丈夫かなぁ?と思われる手を打って来たチャレンジには注目してきましたが・・・

 これから具体的にどう進むか次第ですが、転機にある百貨店業界、何もせずにいる競合の中で、早々に現実的な方向性を打ち出し、チャレンジしてゆくJフロントの動向には引き続き注目をしたいと思います。
 
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関連エントリー-都心百貨店にツープライススーツ業態が出店

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August 26, 2009

イオンの880円ジーンズ、1週間で20万本売る

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 8月26日の日経新聞によると、イオンが、ユニクログループのg.u.の990円ジーンズに対抗し、業界最安値をうたって販売した880円ジーンズが、発売後1週間で、なんと20万本を販売したとのことです。

 ウエストに対して、股下を数サイズそろえており、メンズだけでもその組み合わせは、126もあるようで、これまで、なかなか自分のジャストサイズを買えなかった、特に年配の男女に受け、まとめ買いも目立ったとのこと。

 このジャスコ約250店舗での20万本という販売数量は、昨年1年間、同店舗で販売したジーンズの総本数の4割に相当するとのことで(←逆に従来は、ずいぶん少なかったんですね)、予想以上の売れ行きに、近々機会損失を起こしそう(初回生産本数は30万本くらいだったとか・・・)。

 近くにジャスコがないので、まだ商品を手にしておりませんが、早いとこ見に行かないとなくなっちゃいそうです。

 個人的には、これらの一連のジーンズの最安値価格競争は、ちょっと冷やかな目で見てしまいます。

 ジーンズは数年かけて、はき込んでカラダになじんだり、味が出てくるのが楽しみなアイテム・・・

 インナーの低価格、ワンシーズン使い捨て感覚とは、ちと違うんじゃやないかと・・・・

 もっとも、購入客層は全く違うと思いますが、ジーンズカジュアル量販チェーンの最低価格帯の商品には一定の影響があるのでしょう。
  
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関連エントリー-イオンが880円ジーンズを発売
関連エントリー-1000円以下のジーンズ・・・
関連エントリー-ジーユー(g.u.)の新価格宣言?990円ジーンズ!

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August 09, 2009

ボブソンが投資会社にジーンズ事業を譲渡

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 8月8日付の日経新聞、繊研新聞に、ジーンズメーカーのボブソンが9月15日付で同社の看板ブランド「ボブソン」およびジーンズ事業を投資会社のマイルストーンターンアラウンドマネージメントに売却し、「オシュコシュ・ビゴッシュ」の子供服事業に集中することに関する記事が掲載されていました。

 ボブソンブランドは、1971年にスタートした日本のジーンズ老舗ブランド。

 20世紀は業界をリードする商品開発も行っていた(04ソフトジーンズとか。昔、買いましたね)、規模に開きはあるかもしれませんが、日本のジーンズメーカーでは5本の指に入るブランドだったのではないでしょうか?それゆえ、いろいろと感慨深いものがあります。

 記事によれば、同社は、

 「2000年ごろから業界の構造が大きく変化し(日経新聞)」

 「業界の主導権がカジュアルSPAに移っており、今のままメーカー型卸として事業継続しても将来性はない。早めに事業転換が必要」と判断した(繊研新聞)
 
 とのことです。

 記事にもあるように、ユニクロの3990円ジーンズが、最終的に同社に白旗を上げさせたことは間違いないと思いますが、2000年ごろと言えば、まだまだ、ユニクロのジーンズもNB(ナショナルブランド)ジーンズの眼中にはなく、一方、プレミアムジーンズブームが高まる過程で、リーバイス、エドウィンが中心単価を8000円前後から10000円超に上げていった時期ですね。

 その2大NBジーンズが単価を上げれば、大手ジーンズチェーンにおけるボブソンやビッグジョンの仕入枠も少なくなるわけで、そのころから同社は、1万円以上のジーンズにも取り組んでいましたが、一方で、ビジネスのコアは、低価格帯でのポジショングや量販店シフトを強いられるなど、思うようなビジネス展開ができなくなったのでは、と記憶しています。

 今思えば、そのころって、ジーンズバブルの絶頂期でしたね。

 本当は、そういった低価格・中間価格帯の安心できるNBジーンズがもっと生活者に的確にポジショングされていたら、「ユニクロショック」は今ほどインパクトはなかったかもしれないのに・・・

 そもそも、NBジーンズビジネスは、専門店と卸の間では、リーバイスを除き、「入れ替え」の名の下の「委託販売」取引が主流、サイズが多いため、カジュアルウエアの中でも、平均の半分以下の回転率で、歩留りの見えづらい、効率のよい商売とは言えません。メーカー側が資金が潤沢かよっぽど利益率が高くないともたない構造にあると思います。そのしわ寄せは当然価格へ・・・

 そこへ、業界のしがらみに関係なく、中間流通を排除して、リスクを背負って本気モードで勝負するユニクロが、NBジーンズを熟知した強~い開発パートナーを得て、NBジーンズの8000円前後のスタンダードクオリティを3990円というベストプライスで販売する「ジーンズ流通革命」を起こし、今や同社は、年間約1000万本、数量ベースシェアで日本のジーンズ販売の約10%を超えるといいますから、業界への影響は尋常ではありませんね。
  
 今回のニュースに始まり、これから、ジーンズ業界、ジーンズビジネスの構造転換を象徴するニュースを次々に耳にするような気がしてなりません。
 
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関連エントリー-危うしNBジーンズ?変わるジーンズマーケット勢力図
関連エントリー-ジーンズマーケットにおけるユニクロのシェア

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August 07, 2009

量販店による百貨店改革?

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 8月7日の日経新聞にセブン&アイホールディングス傘下で再建中の西武、そごう両百貨店に対する同グループのテコ入れ策についての記事が掲載されていました。

・食品売り場へのセブンイレブン及びイトーヨーカ堂のプライベートブランドの導入

・同 ヨークベニマルのノウハウの供与

・衣料に関するイトーヨーカ堂との共同商品開発(カシミヤなど)

・同 イトーヨーカ堂のサプライチェーン、主力仕入アパレルメーカーと組んだ
 低価格プライベートブランドアパレルの開発

・赤ちゃん本舗の商品供給や出店

 などなど・・・

 西武百貨店の一番店、池袋西武百貨店本店(通称イケセイ)で実験して、その後、効果を見極め、他の店舗にも広げてゆく方針とのこと。

 記事を読んでて、ちょっと頭が混乱してきました・・・

 これは百貨店事業の解体?百貨店の箱を使った新しい量販店を作るってことなんですかね。

 なんかヘン!って違和感感じたのは私だけでしょうか?

 他の百貨店でも量販店中心に卸しているメーカーに価格切り口で百貨店が取引や出店の要請している話をいくつも耳にするようになりましたが・・・

 大丸が心斎橋北館で駅ビル、ファッションビル系のブランドを低歩率(家賃比率)で導入するという実験の主旨は大いに理解できますが(というか将来を見据えたチャレンジで賛成)、量販店ご用達アパレルメーカーから仕入れた低価格、品質は基準内かもしれないけれど、それなりの面(ツラ)の商品、量販店の店頭でだって苦戦してるのに・・・

 既存の百貨店のお客さんはこの提案、どう、受け止めたらよいのでしょうか・・・

 それとも見栄を張っている場合じゃない、台所事情があり、同グループは、百貨店事業から撤退をするつもりで進んでいるのでしょうか・・・

 百貨店業界は本当に大変なことになって来たなぁという印象です。
 
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関連エントリー-ユニクロの大手百貨店への出店計画

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July 24, 2009

ユニクロの大手百貨店への出店計画

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 7月24日の日経新聞一面、「ユニクロ、大手百貨店に一斉出店」の見出しに目が止まりました。

 すでに松坂屋、松屋、東武百貨店などには出店実績があり、以前から百貨店と交渉が進んでいたことは、話題になっていましたが、今回の記事にあるトップ百貨店、高島屋の新宿店や大丸との交渉が進んでいることは、業界の方々も驚かれたことでしょう。

 記事によると、セブン&アイの西武とそごうは、今秋の西武百貨店東戸塚店を皮切りに積極誘致の方向、Jフロントの大丸もツープライススーツの低価格業態誘致やケミカル婦人靴の積極導入など、従来の百貨店の常識を覆しての集客アップをすでに戦略に据えているので、納得できますが・・・。

 それぞれ上層階に300坪~700坪規模のシャワー効果を狙った誘致、家賃売歩5%?といったところでしょうか。

 今秋以降も、都心の百貨店各社に対するファストファッション包囲網が進みます。

 特に注目は、今秋の渋谷東急百貨店本店前および新宿伊勢丹本店前に大型店を出店するH&Mです。

 H&M、ZARAが確実に百貨店の若めの客層の顧客シェアを奪ってゆくのは避けられませんから、むしろ包囲されるくらいなら、ユニクロを取り込んでしまおう、来店客数アップ、比較購買による相乗効果を計ろうという議論が百貨店各社にあっても不思議ではありません。

 それにしても、秋に向けてユニクロの新商品が次々に先行発売されていますが、

 ○静電防止の配慮がされたヒートテック

 静電気を起こしやすい体質の私も、これが改善されたら、今年は心地よく着れるかな?

 ○ネオレザー(PU、フェイクレザー、合成皮革)

 ここ数年で、業界のフェイクレザーの素材クオリティ、加工技術は格段にあがり、ファッション感性の高い人にも十分受け入れられるようになりました。ファッション業界各社がフェイクレザーのライダースジャケットをこの秋の売れ筋商品候補に挙げているところも少なくないですね。

 それをユニクロ流に表現した商品、ウェブ上にリリースされているフォトを見る限りかなり感度の高いものになっているのでは?と店頭で現物を見るのが楽しみ。昨年のダウンジャケットで作った売上高の今年の代替商品、救世主はこのアイテム群になるか?ウィメンズで仕掛けていないのが残念ですが・・・
 
 ○シルキードライのアンダーウエア

 すでに試してみましたが、この素材で、べたつかない、蒸れない、ピリング(毛玉)が起こらない、柔肌を傷つけない・・・何者?と最近、感心したところ。特に、ニットトランクス派の男性、お試しあれ。

 実際、年を重ねての改善努力とそれを生活者に上手に伝えるコミュニケーション力。ユニクロの群を抜く底力は、大量生産、大量低価格販売ではなく、そこらへんにあることは間違いありません。

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June 27, 2009

通販市場規模がコンビニ、百貨店を抜き8兆円強に

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 6月26日の日経新聞一面に、2008年度の通信販売市場に関し、日本通販協会のデータと野村総研が行った調査を基に集計されたデータが掲載されており、同市場規模は、推定8兆円強となり、コンビニ(8兆円弱)、百貨店(7兆2000億円)のそれを上回った模様とのことです。

 この8兆円強の根拠としては、ネット通販6兆2300億円(前年比22%)とファックス、郵便を使う通販2兆円を足したもののようです。

 この現象は、自分自身の実感とともに、こうなるのは時間の問題と思っていましたが、あらためて統計数値を見せられると、時代の変化を感じますね。

 記事の中の分析コメントが的を得ていて興味深かったので、ご紹介しておきまししょう。

 「ワンストップショッピング」であること
 「消費の現場」が「消費者の居場所」に歩み寄ってきたこと

 の2点については、百貨店→コンビニ→通販と、買い場の主役が変遷してきた共通項であることを指摘しながら、

 消費者にとって買い物にかかる主な負担
 
 ①支払うお金
 ②時間
 ③失敗するリスク

 を軽くしているのが通販。

 場所を選ばず、PCやケイタイに向かって、世の中にあふれる情報を整理しながら、できるだけ安く、効率よく、実際買った人のコメントを比較しながら購入に至ることができる。しかも一両日中に自宅に届けられるというスピード、手軽さも重要なポイントで、リアル店舗同様、返品、交換に対する顧客のストレスを緩和する企業も増えています。政府による解約や返品にまつわる消費者保護のルールの整備も進みつつあるようで、ますます買い手がここちよくお買い物ができる環境が整って行きますね。

 それから、通販、特にネット通販が伸びている理由には、ただネットというインフラ、PC、ケイタイというツールを使っているという新規性だけではなく、提供する企業が生活者心理、購買行動を研究、しっかりシュミレーション(仮説)して、対応しようとしている姿勢をとり、「進化」している、というところにあると思います。


 さて、こんな通販市場の伸びを、リアル店舗でご商売をされている方々は、どんな風にとらえているでしょうか?

 だから売れない?だから、通販を始めなければならない?

 通販を利用する消費者心理、購買行動を分析していると、リアル店舗の運営にもたくさんのヒント、アイデアがあるように思いますが、いかがでしょうか?

【訂正】通販の普及とともに、消費者保護を目的とした返品ルールが確立されつつありますが、それを表現する際に、現状では通販には法的に適用されていない「クーリング・オフ制度」という言葉を誤って解釈し、文中で使用しましたので、削除、訂正いたしました。ご指摘をいただきましたキョウクルさんありがとうございました。
 
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June 24, 2009

大手ジーンズメーカーが8000円前後を再強化?

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 6月24日の繊研新聞に、ユニクロの躍進によって、苦戦中の大手ナショナルブランド(NB)ジーンズメーカーが、価格を見直し、かつてNBジーンズ全盛期の中心プライスであった7900円、8900円あたりの品揃えを再強化することに関する記事が掲載されていました。

 私がカジュアル専門店チェーンで働いていた2000年初頭くらいまでは、ジーンズと言えば、NBの
 ○3900円
 ○5900円
 ○7-8900円
 のところにきれいに3つのプライスポイントがあり、バランスよく売れていましたね。

 当時、3900円は供給が少なく、あれば売れる。5900円が点数ベースの天。7-8000円のところで額を稼いでいたイメージでしょうか。

 そのころは、ユニクロも1900円、2900円のジーンズを出していましたが、クオリティ的には、どのジーンズメーカー、ジーンズチェーンも負ける気がしなかったことでしょう。

 その後、プレミアムジーンズブームの際に、NB各社付加価値をつけるとともに、価格帯を上げ、1万円くらいが中心プライスと、高くなりすぎた?感がありました。

 その間、手薄になった5000円台~1万円未満の価格帯のボトムで成功したのはポイントグループではないかと思います。

 一方、ユニクロも、エドウィン、リーバイスのOBのノウハウを得て、3900円のジーンズの精度を上げ、NBブランドのかつての7-8900円クラスのクオリティを実現し、いまや年間販売点数は国内最大手のエドウィンと並ぶ売上実績を上げるようになりました。ユニクロがジーンズ販売本数日本一になるのは秒読み段階に入っていると思います。

 そのような情勢の中、NBジーンズの対応の遅れは、ジーンズチェーンの長く続く既存店売上高前年割れに表れているのではないでしょうか?

 ユニクロの躍進、外資SPAの進出、かつてはジーンズマーケットを牛耳っていたNBメーカーの面々が完全に後手にまわっている。 

 その背景には、外資を除いて、入替という名の委託販売条件という、小売店がリスクを取らない業界商慣習もあるのかもしれません。

 今、ジーンズマーケットも大きな転換期を迎えているのは間違いありませんね。

 そんな転換期に、NBジーンズメーカーの方々には、これは、さすが!と唸らせる、やっぱり、ジーンズはNBだね、と言わしめる8000円前後のジーンズを是非是非提案していただきたいと思っています。

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関連エントリー-危うしNBジーンズ?変わるジーンズマーケット勢力図
関連エントリー-ユニクロがリーバイスを抜く日

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June 11, 2009

リサイクルファッションマーケットの認知と成長のための一考察

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 6月10日の繊研新聞に最近、静かに注目されているリサイクル衣料チェーンに関する記事が掲載されていました。

 記事で紹介されていたのは、都心近郊ショッピングセンターへの出店を進めるブックオフグループのビンゴと郊外路面店中心のトレジャーファクトリースタイルでした。ともに上場企業系。

 ここ一年でリサイクル衣料マーケットのプレイヤーも出揃った感じがするので、以下にちょっと分類してみたいと思います。

 A ラグジュアリーブランドの取扱い

 コメ兵*
 ブランドオフ

 B ハイエンドブランド、レアブランドの取扱い

 ラグタグ
 ヒートウェーブ

 C トレンド、ミッドトレンドブランドの取扱い①

 セカンドストリート/ジャンブルストア(フォーユー)*
 トレジャーファクトリースタイル*

 C トレンド、ミッドトレンドブランドの取扱いあり②

 ドンドンダウン・オン・ウェンズデイ
 ビンゴ(ブックオフグループ)*

 D 何でもこい(ユニクロ、無印、しまむら、GMSモノでもOK)

 ビースポーツ(ブックオフグループ)*
 ビースタイル(ブックオフグループ)*
 キングファミリー


 取り扱う商品を既存のファッションマーケットの階層順に並べてみました。*印がついているのは上場企業あるいは系列の会社です。

 結果、上位にあるほど都心近くに店舗があり、「目利き」が必要で(常にニセモノとも闘っています)、より買い取る側の都合で値段がついたり、つかなかったり、引き取り、未引き取りが決まるようです。

 買取を希望する、売る顧客の立場に立つと、C②以下は、持ち込めば、どんな値段がつくか、つかないかは別にして、規制がなく、値段がつかなかった古着も店舗側で処分してくれるので、手ぶらで帰ることができるので、どれだけ換金できるかは別にして、処分することを前提としたら安心して古着を持ち込めるリサイクルショップだと思います。

 また、リサイクル衣料(古着)を買う顧客の立場に立って、ホントにお金がないからできるだけ安い服をという視点ではなく、一応、おしゃれをするためのコーディネートのファッションパーツを探すという目的に耐えうる、ファッションストアとしての最低限の「環境」を意識して整えているのは、C②以上でしょう。

 この中で、成熟したAとB、どちらかというと古着処分の「インフラ」的な役割の色が強いDを除くと、今後は、C①②のグループに将来性を感じます。

 かつてブックオフが、再販制度に守られた、値引きをしない一般書店と昔ながらの入りづらい古本屋のスキマを上手について成長したように、ファッションマーケットにおけるリサイクル、リユースビジネス発展のツボは、上記のように、売りに来る顧客の心理、買いに来る顧客の心理にどれだけ応えられるかにあるのではないでしょうか。

 特に、ドンドンダウン・オン・ウェンズデイは、まだ、小規模ながら、リサイクル業界では、注目株のようですね。

 母体が欧米古着を中心としたファッションストア出身の会社のため、洋服屋さんの最低限の感性がわかっていて(商品の見せ方や店舗スタッフにそれが感じられます)、商品買取の選別方法も、商品の価値に見合った納得のいく方法が取られていますし、なおかつイベント性が売り(毎週水曜日は全品1000円引きで開店前に行列あり)で、とても潜在力を感じます。

 さて、ファッションリサイクルマーケットの3年後がどうなっているのか楽しみです。

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関連エントリー-中古ファッションマーケットの潜在性
関連エントリー-来年はファッションのリサイクルビジネスがどこまで広がるだろうか?
関連エントリー-RAGTAG(ラグタグ)の憎むべきニセモノ展2009

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June 04, 2009

ABCマートがユナイテッドアローズ(UA)の株式23%取得し、持分法適用会社化

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 6月4日の日経新聞、繊研新聞に、靴専門店大手ABCマートが、ユナイテッドアローズ(UA)の発行済み株式の23.3%を取得し、UAの筆頭株主になったことに関する記事が掲載されていました。

 ABCマートの創業者で、元会長の三木正浩氏が代表を務めるイーエムプランニングがUAの株を取得し、買い増ししていたことに関してはこれまで業界でいろいろな憶測が飛び交っていましたが、このたび、イーエムプランニングからABCマートが65億7100万円でUA株を買い取ることにより、同社の持ち株比率は23.3%、第2位の重松社長の9.6%を大きく上回り、結果、UAはABCの持分法適用会社となったことになります。
 
 これに対し、ABC側は、

 「UAの商品企画力や流行情報などを靴の開発に生かせる」

 UA側は、

 「人材育成の手法を学んだり、ABCの韓国湖会社を通じアジアの情報を得たりできるかもしれない」

 とコメントし、ともに相乗効果を模索するスタンス、と記事には書かれています。

 これから始まる一連の関連ニュースは、確実に今年の業界10大ニュースのひとつになりそうですね。

 毎年、なんらかの大掛かりなしかけを打って、マーケットシェアを着実に奪いながら、既存店売上高の前年対比クリアーに執着してきたABCマートの取り組みには、上場ファッション流通企業の中でも、ユニクロと並んで、特別な「執念」を感じられ、次の手はどんな手かな、といろいろ思いを巡らせていたところに飛び込んで来た、このニュース。

 今年は、やはり、やるんですね、

 「ファッション性の向上」と「(周辺)アパレル部門の育成」

 UAは、こだわりのセレクトショップのひとつであると思いますが、同時に、いまやファッション業界の中でも、一般生活者に対して、もっともわかりやすく、説得力のあるファッションアイコンのひとつでもあり、そこに価値を見出して手中に収めようとするABCマートの元会長さんの貪欲さには、改めて少々恐ろしさすら感じます。

 今後の展開を見守りましょう。 
 
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May 28, 2009

アウトレットモールの08年市場規模

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 5月28日の繊研新聞に連載中の「アウトレットの10年」の中に、全国30数拠点で、約5,000億円規模の市場と言われている、日本のアウトレットモールの2強である、プレミアムアウトレット(チェルシー)と三井アウトレットパーク(三井不動産)の08年度拠点別売上高が掲載されていたので、メモとして取り上げさせていただきます。

プレミアムアウトレット 総店舗面積 193,382㎡(58,601坪)
御殿場 531億円
りんくう 281億円
佐野 316億円
鳥栖 189億円
土岐  81億円
神戸三田 163億円
仙台泉  80億円(10月開業;年間回った時の目標値)
計 1,641億円

三井アウトレットパーク 総店舗面積 166,840㎡(50,558坪)
鶴見  83億円
横浜 155億円
神戸 172億円
南大沢 195億円
幕張 212億円
長島 312億円
入間 390億円(4月開業)
仙台港  77億円(9月開業)
計 1,596億円

 2強計で3,000億円超、市場全体の約7割を占めるとのこと。(ちなみに軽井沢プリンスショッピングプラザは325億円)

 ラグジュアリーブランドも買えるプレミアムアウトレットに、都心から半日で行ける距離に開発を進める三井アウトレットパーク。生活者の賢い使い分けは進みますね。

 企業側も正規店の鮮度向上のために上手に使っているところも少なくないので、新しいWIN-WIN関係の市場、販路ではないかと思います。

 アウトレットモールは、飽和との見方もありますが、規模ややり方を変えて、今後ももっと我々の身近に増えるのではないかと見ています。

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関連エントリー-日常化するアウトレットモール
関連エントリー-三井アウトレットパーク入間開業、変わるアウトレットモールの位置づけ

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May 08, 2009

4月は客数回復基調

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 一般紙、業界紙、新聞紙上に上場ファッション流通企業の4月の月次業績報告が掲載されていますが、業績回復基調を感じます。

 各社の基礎体力のバロメーター、株価にも影響を及ぼす既存店売上前年比ですが、

・20日締めのしまむら、西松屋チェーンが客数増(それぞれ103.8%、102.6%))で売上高前年越え(それぞれ103.3%、100.3%)

・末日締めのユニクロはなんと客数117.6%で、売上119.2%と驚異的な伸び

・その他、ポイント、ユナイテッドアローズは売上高こそ前年割れ(それぞれ97%、93.9%)をしているものの、客数は回復(同100.4%、100.1%)。

 と以前から「客数」を大事にしている企業が客数を回復させてきているのは、明るい兆しと言えます。

 売れない時もしっかり客数だけはおさえようとする企業はいざという時、強いのは、小売の常識と言えますので、今後もそこのところ注目でしょう。

 それにしても、ユニクロは6ヶ月連続で既存店売上前年越え、特に客数の二桁増は見事です。

 ゴールデンウィークは当然、原宿神宮前交差点界隈のファストファッション戦争がメディア含めて業界の注目の的でしたが、その一方で、さほどスポットは当たりませんでしたが、4月24日に新宿西口駅前にオープンしたユニクロのメガストアは、複数の情報によると、初日に、どうやら、H&M銀座店の初日より売った模様ですね。

 新宿が一番店というファッション企業はたくさんあるので、ユニクロの中でもトップクラスの売上を上げるだろうという予想はついていましたが、それにしても凄すぎる。

 当日夕方、私も入店してみましたが、常時、入場規制をしながら(これはむしろ「煽り」というより、狭い通路での、混乱をさけるためのもの)各階レジ前に20-30人のお客さんが並び、それぞれ6台前後のレジがフル稼働状態。

 確かにオープン限定価格もあったとは言え、お客さんの地元にはユニクロはあるだろうし、商品も変わらないのに、なんで、わざわざみんな並んでまでこんなに買うのか?とあっけにとられたものでした。

 レジ待ちのお客さんが何を手に持っているかをチェックして歩くと、まさしく、業界関係者が、今売れない理由にしている、カットソーを中心とした「不要不急品」ですよ!

 これらの、不要不急品?は、「今買わなくてもいいもの」、かもしれないけど、実は、「何枚あってもいいもの」、でもあります。

 これは、業界大手各社がリストラ、絞込み、コンサバ化、安くすればいいだろう、という方向に向かう中(それって、聞こえはいいけど、顧客からの見た目は退化だと思うのですがね・・・)、一方で、SKU数、特に商品バリエーションとカラーを増やし、品質的にも進化し続けている「ユニクロへの期待感」そのものなんだろうな、と納得して、店をあとにしたものでした。
  
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March 12, 2009

都心百貨店にツープライススーツ業態が出店

 3月12日の日経新聞に、今月14日、大丸梅田店に、紳士服チェーンのはるやま商事が展開するツープライススーツストア「パーフェクトスーツファクトリー(PSFA)プラチナ」が出店することに関する記事が掲載されていました。

 売場面積30坪のPSFAは、イタリア素材を使った39,900円と29,400円の2つの価格帯のスーツを販売、大丸側は20-35歳の男性の集客を期待しているとのこと。

 PSFAは、専門店ビル化した三越多摩センター店のような郊外型百貨店への出店実績はありますが、都心百貨店に紳士服量販チェーンが展開するツープラススーツ業態が入居するのは初めてです。

 各百貨店が年数回行う恒例の2着5万円台のスーツの催事販売はおなじみですが、常設で紳士服量販チェーンの既存ツープライススーツストアを導入するのはちょっと驚きと言えます。

 なんせ、ツープライススーツストアの元祖、オンリーのザ・スーパー・スーツストアの業態開発は、百貨店で販売されているスーツの原価構造へのアンチテーゼでしたからね。

 最近、青山商事が展開するザ・スーツ・カンパニーを筆頭に、都心のツープライススーツストアは、商品クオリティ、店頭サービスも磨きがかかり、若者のみならず、以前百貨店の紳士服売り場でスーツを購入していそうな中高年の姿を見かけることも多くなりました。

 実際、私も某社の商品を持っていますが、イタリアの著名素材で中国縫製のスーツは、「スーツはイタリア製か日本製に限る」と思っている私が見ても、百貨店が販売するヴォリューム価格帯スーツにパッと見、見劣りしません。

 記事には、PSFAは比較的若者向けのシルエットゆえ、既存の紳士服売り場とバッティングしないような記載がありますが、ユニクロを入居させた百貨店同様、それまでツープラス業態で購入経験のない既存の顧客が、悪くないじゃないか、これでいい、と気づくことになるのでは、とちょっと余計な御世話をしてしまいます。

 我々40代はうんちく付きのイタリア製素材のラベルに弱いですからね(笑)

 今後もこの流れが広がると、百貨店紳士服売り場の地盤沈下が進みかねないのでは、と思わざるを得ません。

 あるいは、自主編集売り場に取り組む一方、「できないこと」は専門の会社に任せた方がよいとの割り切りもあるのでしょうか。

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January 29, 2009

ファーストリテイリングがセオリーを完全子会社化へ

 1月29日の日経新聞、繊研新聞、日本繊維新聞に、ユニクロを展開するファーストリテイリング(ファストリ)が、現在株式の32.32%を保有し、持分法適用会社としていたリンクセオリーホールディングスをTOBにて買収、完全子会社化することを発表したことに関する記事が掲載されていました。

 買収額は295億円、これによりリンクセオリーHDは上場廃止となり、これまでファストリが出資比率分しか売上、利益計上していなかったリンクセオリーHDのそれは100%ファストリのものになり、連結売上高に数百億円の上乗せになるわけですね(リンクセオリーHDの08年8月期で売上598億円、営業利益20億円。但し最終損益は、09期も3期連続赤字見込み。海外子会社がうまくいかなかったのもあると思いますが、本業はしっかりしているので、磨きようで楽しみな買収)。ファストリとしては、ユニクロのアメリカでの拡大にあたってのネットワークにも活用できそうです。

 記事の見出しを見たとき、なるほど連結年商1兆円を目指しているファストリ、その手もあったか、と思いました。

 当初、ファストリがリンクセオリーHDに30%強出資したときも、業界の多くの人が同社の基幹ブランド「セオリー」は、ストレッチ素材のジャケットやパンツなどOLさん御用達のトレンドを取り入れながらも着まわしの利く上質ファッションベーシックの代表格ですからユニクロとの相性もいいし、相乗効果も見込めると思っていたことでしょう。

 生活者のコーディネートも「ハイ&ロー」が常識になりつつある昨今、「セオリー」のアウターを着て「ユニクロ」のニットをインナーに着るなんて着こなしをしている方も少なくないのではと思います。

 ファストリは、米GAPグループのブランドポートフォリオ戦略のように、

 松-バナナリパブリック→セオリー
 竹-GAP→ユニクロ
 梅-オールドネイビー→g.u(ジーユー)

 とい青写真を描いていたはずですから、その構想が次のフェーズに進んだと見るべきなのでしょうか。

 今回、100%子会社化にあたり、リンクセオリーHDの経営陣は今まで通り続投とのこと。それがベストかと思います。

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January 26, 2009

ドバイ投資会社イスティスマルが米バーニーズ売却へ

 1月25日の日経新聞によると、かつてユニクロのファーストリテイリングに競り勝ち、米百貨店バーニーズニューヨークを買収したアラブ首長国連邦(UAE)ドバイの政府系投資会社イスティスマルが、バーニーズ売却に向けて複数の買い手候補に打診をしていると報道されたことに関する記事が掲載されていました。

 記事によると、アメリカの消費が低迷する中、米バーニーズは、過大な負債と本業悪化で、財務状況が悪化。早期の業績回復は期待薄として売却に動いたとみられているようです。

 市場関係者は、イスティスマルが、07年9月に9億4230万ドル(約840億円)で買収したバーニーズも現在の適正価値を「3億―4億ドル(1/3程度?)」とみているとのこと。

 ファストリの買収参戦は、同社の国際知名度アップに貢献しましたが、結果、あの時買えなくてよかったということになるのでしょうか。

 果たして、イスティスマルの売却打診先にファストリは入っているのか?だとしたら、どう判断するのか?

 柳井会長も今年はM&Aの好機としており、買収対象は、ユニクロが進出国での店舗拡大のためのプラットフォームになる会社とおっしゃっていますね。

 うーん、こういう時期ですので、バーニーズよりは、実を取って、リミテッドブランズが株のマジョリティをファンドに売却したザ・リミテッド・ストアエクスプレス級のチェーンストアの方がよさそうな気がしますが・・・

 バーニーズの売却先、ファストリの買収先それぞれに興味が尽きませんね。 

【追記】2月13日の日経MJによると、イスティスマルの持株会社会長は、同売却打診報道を「何も発表しておらず、買い手を探したこともない」と否定したとのこと。

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関連エントリー-ユニクロのファストリ、米バーニーズ買収を断念
関連エントリー-米リミテッドブランズ社 リミテッドストア売却でファッションアパレルビジネスから実質撤退

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December 16, 2008

ルイ・ヴィトンが世界最大規模の銀座旗艦店計画を白紙撤回

 12月16日の日経新聞によると、「ルイ・ヴィトン」を展開するLVJグループは、高額消費不振が深刻さを増したのを理由に、2010年に銀座で出店を計画していた同ブランド世界最大級の旗艦店計画を撤回したとのこと。

 計画があったのは、銀座の数寄屋橋交差点近く、晴海通りと並木通りの交差点に建設予定の「ヒューリック数寄屋橋ビル」(地下4階・地上12階建て)。総床面積7000㎡(2000坪超)をほぼ1棟借り受けての計画だったようで、計画時は、パリの旗艦店を大きく上回る規模だったようです。

 ラグジュアリーブランドの頂点ブランドとて、浮かれていられない世界経済情勢なのでしょうね。

 この計画のあったビル、計算すると、1層あたり平均132坪になりますが、世界で一番キャッシュフローをもつファッション企業、H&Mが引き受けるなんてことはないだろうか?と勝手に想像しておりました。

 銀座はH&Mにしても、ZARAにしても、UNIQLOにしても3店舗あってもいい街ですからね。このロケーションは各社の既存の店舗に対して、絶好の場所だと思います。

 ところで、今日、大阪出張時、心斎橋の道頓堀川、戎橋たもとのH&M心斎橋店予定地を見てきました。心斎橋商店街のなんば側の入り口、マツキヨ、WEGO大型店の斜め向かい、ZARAの並びになります。

 建物自体はそれほど大きくありませんが、まったく、H&Mはホントにランドマーク的な場所をおさえる力をもっているんだなぁと改めて恐ろしさを感じたものです。

 心斎橋商店街の長堀通り側も、ZARAのもうひとつの店舗の付近に、建替えそうなビルがあるので、あのあたりも狙ってくるのでは?と眺めておりました。ドミナント志向の企業は、売れる街の四隅や入り口と出口という風に押さえ、面で捕らえるのは常套手段ですからね。

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関連エントリーH&Mが2010年春に大阪出店

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November 03, 2008

セブンイレブンがユニクロのTシャツを販売

 2回つづけてユニクロネタで恐縮ですが・・・

 11月3日の日経新聞によると、セブンイレブンが同社のネット通販サイトでユニクロの人気漫画キャラクターTシャツ6柄を予約販売し、セブンの店頭で受け渡しをするという販売提携をスタートするようです。

 日経ネットにも記事がありましたので、リンクを貼っておきます。詳細はそちらで。

 セブンイレブン、ユニクロのTシャツを販売 ネットで受注

 限定的とは言え、イトーヨーカ堂のグループとユニクロが販売で提携するというのは、画期的・・・というか、セブンアンドアイも、グループ企業のライバルというより、集客力のあるブランド、コンテンツとして、認めざるを得ない、ユニクロとしても全国の生活者にリーチするインフラとしては最高、ということでの握手なのでしょうね。
 
 企業も業界や競合ではなく、生活者と向かい合えば、こんな流通提携、今後もいろいろ生まれそうですね。  

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October 12, 2008

高島屋・阪急阪神統合へ、百貨店再編第2幕スタート

 週末の流通関連のトップニュースは、やはり百貨店業界3位の高島屋と5位の阪急・阪神百貨店を傘下に持つエイチツーオーリテイリングが2011年をメドに統合することで合意したことに関するニュースでしょう。

 統合が成立すれば、同グループ会社は、2009年2月期売上見込ベースになりますが、1位の三越伊勢丹を上回り、業界最大の売上規模となるようです。(以下、日経新聞10月11日記事より)

                    2009年2月期売上見込
1位 高島屋+H2O        1兆5585億円
2位 三越伊勢丹          1兆5400億円
3位 Jフロントリテイリング     1兆1310億円
4位 ミレニアムリテイリング      9680億円

 今回の両社の統合の期待効果としては、

○商品共同調達によるバイイングパワー、価格交渉力のアップ(特に両グループが有力店舗を持つ梅田・難波の関西地区で強み。)

○業界の中でも、収益率、財務体質のよい2社の統合による都心部再開発、大改装など投資への弾み

○株式時価総額を増し買収リスクの軽減

 などが挙げられています。
 
 12日の日経新聞に、現在7兆7千億円の百貨店市場規模が将来5兆円まで縮小するとみられている中で、百貨店が統合して投資(都心部への出店、大改装)を競っていることについて書かれているくだりがあったので、引用させていただきますが、

 「『どれだけ客数が増えるかわからないが、投資をやめたところが負けるチキンレース』(大手百貨店幹部)に突入している」

 「1店舗あたりの収益が伸びない状況下で、投資余力を保つには規模の拡大に頼るしかない。」

 という事情のようで、統合で百貨店は「4強?体制」とは言え、実態はどこも厳しい状態のようです。その後は、業界の方々が予言するように2強体制、そしてアメリカのようにメーシーズ1強のような構図になって、ディスカウンターやカテゴリーキラーと業界挙げて戦う時代がくるのでしょうか?

 ところで、上位百貨店グループの10月10日終値での株式時価総額は以下の通りです。(日経新聞10月11日記事より)

 高島屋+H2O    3371億円
 三越伊勢丹      3703億円
 Jフロントリテイリング 2343億円

 そういえば、ユニクロのファストリが今、M&Aのために用意している資金は3000ー4000億円。

 百貨店も安定株主対策はされているでしょうし、ファストリも買わないとは思いますが、ファストリが考えているM&A規模からすると、どの百貨店グループでも買えちゃうってわけですね。

 さて、10年後の百貨店業界、どうなっているのでしょうか。 

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August 13, 2008

マツキヨがヘルス&ビューティ雑貨専門店参入

 8月11日、12日の日経新聞に、来春規制緩和が実施される医薬品に関する、流通業界の対策に関する記事が掲載されています。

 要は、来年4月から、今まで、ドラッグストアや薬局でなければ買えなかった医薬品が、スーパー、家電量販店、ディスカウントストア、ホームセンター、コンビニで買えるようになり、なおかつ、定価販売が中心であった大衆薬も価格競争が始まるわけです。

 これに対して、ドラッグストア業界は、新業態の開発に躍起なわけですが、最大手のマツキヨことマツモトキヨシは、競争の激化、次なる成長エンジンを模索し、医薬品を一切取り扱わず、化粧品と美容雑貨と中心とした、業態を年内に立ち上げ、5年後に年商400億円をめざすとのことです。この新業態においては、マツキヨのディスカウント色を払拭して、ストアブランド戦略を行うとのこと。

 この業態の先行企業としては、プラザスタイル(旧ソニープラザ)やロフトが挙げられます。

 プラザは現在80店舗、400億円規模のチェーンですが、これに追いつけとばかり、年商3909億円のマツキヨグループが挑む新業態は、どんなお店になるのか、楽しみです。

 また、今回の医薬品の規制緩和を取り巻く業界の戦略は、広義のファッション業界にも影響がありそうで、異業種とは言えどもウォッチして行きたいと思っています。

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July 30, 2008

TBSが旧ソニープラザなどを子会社化

 29日、30日の繊研新聞、日経新聞にテレビ局のTBSが、女性に人気の雑貨チェーン大手「PLAZA(プラザ)=旧ソニープラザ」などを傘下に持つスタイリングライフ・ホールディングスを買収すると発表したことに関する記事が掲載されていました。

 TBSは、31日付で日興プリンシパル・インベストメンツから発行済み株式の51%を210億円で取得、TBSとスタイリングHDは業務提携委員会を設置し、テレビ番組と小売りビジネスの連携などを検討するとのことです。

 スタイリングHD傘下5社の08年3月期売上高は約730億円、営業利益は約18億円とのことですが、皆さんの関心は、このうちPLAZA、MINIプラなどを運営するプラザスタイル(株)(08年3月期売上高432億円、経常利益15億円期末店舗数80店舗)にあることと思います。
 
 PLAZA(プラザ)って言われても、今でもソニープラザ(ソニプラ)って言ってしまいますよね(笑)。

 1966年にアメリカのドラッグストアにあこがれてソニーが銀座に1号店をオープンしたソニプラは、長年にわたって、雑貨ブームの火付け役として注目の的。私も昔、雑貨バイヤーだったころは、ソニプラが何を打ち出し、若い女性がどんな反応をしているのかと定点観測しに、よく通わせてもらったものです。古くはLLビーンから、レスポ、ジェリーベリー、最近ではクロックスまで、旬なインポート雑貨は必ずと言っていいほど、ソニプラ発信でしたからね。

 06年にソニーの資本(23%)は残しつつ、ファンドの力を借りてのMBOで社名、屋号を変えていたので、その後、どこに売却されるのか、株式公開まで我慢できるのか動向は気になっていました。

 TBSは小売は素人で、放送収入低迷による放送外収入アップの対策の一環ってのは、ちょっと引っかかりますが、時代のライフスタイルをリードして来たソニプラコンテンツをクロスメディアでどう活かしてくれるのか楽しみではあります。

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July 23, 2008

どうする百貨店?

 アパレル2大業界紙、繊研新聞と日本繊維新聞の7月22日の一面は奇しくも低迷する百貨店業界に関する記事となりました。

 繊研新聞は、同紙が行った百貨店婦人服売り場に関する調査、ビジネストレンドは、今後単価重視から客数増に転換するとの結果。

 日本繊維新聞は、低迷する百貨店から依存率を下げるべく、SC、ファッションビル、フリースタンディング店舗への転換を図る百貨店を主力販路とする大手アパレルの今後の販路政策に関する内容でした。

 繊研新聞の記事にあるように、百貨店に限らず、前年に対して売上を上げるためには、まず、売上高を数量×単価に分解して考えなければならないのは、常識です。

 売上高=客数x客単価

 更に、客数と客単価も分解すると

 売上高=①入店客数×②買い上げ率×③一品単価×④セット率(一客あたりの買い上げ点数)

 となります。

 この4つの要素、のどれか、または複数要素を、どのような方策を打って、どのように上げるか、が具体的な売上アップ策となりますが、どの要素に働きかけるか、その方策は全く異なります。(この話は、私が新人店長研修を行う時に必ず取り入れるディスカッションテーマの一つであるくらい商売の基本中の基本です)

 もっとも注意を要するのは、③の一品単価のアップです。これは、②の買い上げ率と反比例する要素で、実はここ数年、株高や新富裕層台頭で、高いものが売れると百貨店が踊ってしまったツケを今、払わされているのが実情、と言っても過言ではないでしょう。

 その反省が、今回の単価重視から客数増へとの話につながるわけです。

 振り子の振り戻し・・・ 

 業界は何度これを繰り返してきたことか・・・

 話は変わりますが、今秋のH&Mの日本進出にあたり、どの会社が一番影響を受けるかという話を業界の方と世間話をする機会が増えました。

 銀座、原宿、渋谷、ここまでは、特定の企業ではなく、そのエリアに店舗のあるお店なのでしょうね。

 銀座は、百貨店やセレクトショップに影響があると思います。

 原宿は、見よう見真似のマーケットの売れ筋だけを追いかけている中途半端なヤングカジュアル店が一番危ないでしょう。

 渋谷も同様、マルキューはジャパンローカルファッションを客層等身大で売っている限りは影響は軽微だと思います。

 それだけ、H&Mはマルチ客層に対応してしまうのだと思います。

 よく聞かれる、ユニクロは?・・・たぶん、今のユニクロであれば、隣り合わせであればあるほどお互い売上は上がるのではないかと思います。なぜなら、それだけ、H&Mもユニクロも、棲み分けを前提に、「顧客ポジショニング(顧客にとってどういうお店であるか?)」を明確にし、貫いてきた企業だからだと思うからです。

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May 08, 2008

ミセス専門店向け中小アパレル卸が小売進出中

 今月から、日経新聞、日経MJ、繊研新聞に加えて、これまで何回か私の執筆記事も掲載して下さっている日本繊維新聞(ニッセン)さんの記事もブログネタに加えさせていただきます。

 その1回目になりますが、5月7日の日本繊維新聞に、ここのところ活発になっているミッシー、ミセス専門店向け中小アパレル卸の小売進出、多店舗化の事例を紹介する記事が掲載されていました。

 小売進出のきっかけは、

 ・自社商品の在庫消化
 ・アンテナショップとして

 というのもあるようですが、最近では、

 ・既存卸先専門店の後継者難など

 救済的な理由から店舗を引き継ぎ、その後、20-30店舗台と多店舗化しているケースがいくつも見られるようです。

 各社、自社商品による本格的SPA(製造小売)とまではいかないまでも、自社企画商品に半分以上の他メーカーからの仕入商品をミックスして、上手に軌道に乗せているメーカーさんもあるようです。

 専門店の自社ブランド製造、ブランドアパレルメーカーの直営店出店と業界のSPA化が着々と進み、今後も専門店向けのアパレル卸業は、厳しい局面を迎えることになる思います。
 
 一方、SPA化を進めた専門店群も、粗利率は上げながらも、同質化、販売効率低下で業績も頭打ちなっている国内マーケット。

 SPA化だけが答えじゃない、しかし、活きた店頭をもって生活者の反応を実感しながら、マーケットをビジネスを活性化させてゆく努力は今後、重要なことだと思います。

 これらの動向がマーケットにひとつのニューウェーブをもたらしてくれることも密かに期待しております。

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May 02, 2008

大手商社が参入するTV通販のうまみ

 5月2日の日経MJ1面に大手商社が取り組むテレビ通販に関する記事が掲載されています。

 先日、ジュピターショップチャンネルを子会社にもつ住友商事がガールズウォーカー、ファッションウォーカーを
運営するゼイヴェルと業務提携した時のニュースもエントリーさせていただきしたが、ここのところ急伸中で、販売効率の高いTV通販に大手商社が次々に食指を伸ばしているという話です。

 記事の中にあったTV通販の市場規模は2007年で3960億円(富士経済調べ)

 今回記事に取り上げられている大手商社が出資しているTV通販会社の年商は、 

・ショップチャンネル・・・1023億円(07年12月期;住友商事70%出資)
・QVC         ・・・734億円(06年12月期;三井物産40%出資)
・プライム       ・・・105億円(07年6月期;伊藤忠商事15%出資)

 この3社でマーケット規模の約50%を占めるわけです。

 注目の販売効率ですが、ショップチャンネルの1時間あたりの平均売上高はなんと1500万円!

 各商社は、出資するファッションブランドをTV通販で効率よく直販することを狙っているようです。

 先日、住友商事とゼイヴェルの提携第1弾で放映されたアルバローザのTV通販は、夜中の1時から2時の間に放映されましたが、通常番組の最後に行われている番組中紹介商品のレビューを待たずに商品が完売してしまい、急遽予定のなかった商品紹介を行ったとか。

 この1時間で1500万円の売上を上げたとのことですが、これはこの時間帯の平均売上高の2倍とのことです。

 ゼイヴェルのガールズウォーカーのゴールデンタイムは夜10時~翌朝4時と聞いていますので、ちょうどケイタイサイトを見ている人にテレビのチャンネルをつけさせたり、テレビを見ている人にケイタイサイトにアクセスさせたりするなんてことができるわけですね。

 マルチメディア時代の真骨頂とも言える芸当です。

 記事中のここ10年間のテレビ通販市場の売上の伸びは2.4倍とインターネット通販ほどは伸び率は低いものの、4000億円規模のマーケットにもなれば、ファッション企業もこれからの販路のひとつとして見逃す手はないでしょう。

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関連エントリー-住友商事とゼイヴェルが業務提携

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April 22, 2008

リヴァンプ再生案件のトークツをABCマートが支援検討

 4月19日の日経、繊研新聞、21日の日経MJに、元ユニクロ幹部が共同で立ち上げた企業再生会社、リヴァンプ傘下で再建中の靴卸大手トークツグループが、民事再生法適用を申請し(年商157億円、負債総額約90億円)、靴専門店業界2位のABCマートが支援をすることになったことに関する記事が掲載されています。

 06年にリヴァンプがゴールドマンサックスと、当時、ナイキジャパン、アディダスジャパンに次ぐ国内靴卸業界3位だったトークツの支援に入った際に、靴卸業界再編の興味深いニュースとして、ブログエントリーさせていただき、その後、気にかけておりました。

 リヴァンプが会長、社長、経営陣を送り込んだ上での再生の経過は詳しくは知りませんが、トークツの05年の年商は339億円、再建に入った06年は220億円、08年現在は157億円と減少、日経MJは「リヴァンプによる再生案件で初めての失敗事例」としています。

 企業再建はそう容易いものではないと思っていますので、今回のニュースでは、リヴァンプによる経営がどうだったうんぬんよりも、靴業界としては、スポンサーシップによって、役員を送り込むABCマートが手にするメリット、手腕に注目しているのではないかと思います。

 実際には、トークツの資産査定が確定してからになりますが、今回の支援によりABCマートのメリットとして考えられることを、日経MJの記事も参考にあげてみると、 
 
○ベターゾーンの婦人靴の企画ノウハウの取得

○今でも一部を除き大方老舗靴卸会社の縄張りとなっている百貨店婦人靴売場平場への参入

○トークツが持つ革靴の輸入関税割当枠(TQ)の取得

 特に、ABCマートがこれから伸ばすべき分野は婦人靴でしょうし、TQの保有量が靴業界でのビジネスの成功を左右するといわれるほど重要なファクターであることは間違いありません。今後も革靴の輸入規制が続くとなれば、老舗のトークツが持つであろう大口のTQ枠は魅力的です。

 いずれも急伸中の業界2位ABCマートが、首位チヨダに追いつかんとする上で必要なノウハウ、資産ではないかと思われますので、今後の動向に注目したいところです。 

追記1:その後、民事再生手続きの前日、ゴールドマンサックスはトークツの全株をリヴァンプに売り渡し、撤退していたことが明らかになりました。

追記2:5月10日の日経新聞によると、トークツの取引先である百貨店などがABCマートによる事業継承に難色を示したため、ABCマートは採算が取れないと判断して支援を断念、トークツは破産手続きに入る模様です。

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関連エントリー-靴業界にも大きな再編の波が

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April 16, 2008

丸井とオンリーが資本提携、首都圏2プライススーツマーケットが熱くなる?

 4月16日の日経新聞、繊研新聞に、丸井が、2プライススーツチェーンのさきがけであるオンリー(大証ヘラクレス上場)の第三者割当て増資を7億円強で引き受け、創業者中西会長に次ぐ第2位の株主となり、持分法適用関連会社化したことに関する記事が掲載されています。

 これにともなう業務提携の内容は

 ・オンリーのマルイへの出店
 ・商材の相互補完による品揃えの充実
 ・生産背景の共有によるコストダウン
 ・人材の交流による育成

 など、とのことです。

 京都のテーラー、オンリーが始めたツープライススーツストア、「ザ・スーパースーツストア」は、業界で革新的でありましたが、その後、青山商事を筆頭に紳士服チェーンが一挙に参入、一部撤退組もありますが、今ではこの業態はすっかり定着しました。

 現在、首都圏はじめ、都心部では、青山商事が展開する「ザ・スーツ・カンパニー」の一人勝ちだと思います。

 これにパイオニアとしては、指を加えて見ているわけにはいかないと思いますが、さすがの紳士服業界1位の青山商事は、年々、クオリティ、オペレーションのレベル、精度を上げて行き、一方で、オンリーは、後継者難含め、差がつく一方であったのではないかと思います。

 今回、オンリーが丸井と組むことで、懸案であった首都圏、都心部への出店機会が生まれ、丸井の資本とともに、都心部で、ザ・スーツ・カンパニーとの一騎打ちが見られそうですね。

 オンリーは、テーラー出身ということで、縫製技術、ノウハウをおさえてらっしゃると思いますので、丸井のビサルノはじめ紳士服のクオリティアップにも貢献されるのではないかとも思われます。

 最近、青山商事の「ザ・スーツ・カンパニー」や一格上のセレクトショップキラー、「ユニバーサル・ランゲージ」のMD精度、商品クオリティ、接客レベルが向上して来たのを感じます。

 丸井、オンリーの提携によって、都心部の紳士服の買い場が活性化することを楽しみにしています。

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関連エントリー-ツープライススーツの元祖、株式公開へ
関連エントリー-紳士服チェーンが期待する婦人スーツ販売

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April 12, 2008

買われる側の事情

 繊研新聞1面の連載記事、「シリーズ再編、変わるM&A(全8回)」。 11日付で完結しましたが、昨年から今年にかけて増えているファッション業界のM&A、買収後の事情をとても的確にわかりやすくまとめてあり、大変興味深く読ませていただきました。

 業界では、百貨店、GMSを除き、大手企業がシェア、バイイングパワーを拡大するために買収するケースは少なく、資金の潤沢な上場企業が、自社にはないマーケット(販路・客層)や感性を獲得するために、資金、オペレーション、人材の壁にぶちあたって伸び悩んでいる中堅企業を買収するケースが多いと思います。

 買収によって、される側の企業は、資金力と信用力が上がり、出店機会が増えるというのは確実なメリットですが、その他の点ではいろいろジレンマがあるようです。

 する側が公開企業であれば、月次で締めて短期間で損益を公表するタイムリーディスクロージャーのスピードに合わせたり、ある程度のビジネス拡大のスピードの加速はやむを得ないところでしょう。

 しかし、量販型のオペレーションが買収される側の企業に活用できるかは、なかなか難しいところのようです。

 する側のオーナー経営者は、自らが手塩にかけて構築したビジネスモデルは万能だと思い、生産背景、インフラ、マニュアルを押し付けてくるかもしれません。

 しかしながら、

 たとえ検査機関の品質基準をクリアする工場でも、小ロット・短サイクル生産やマニュアルには書けない感性に応えることにも長けているとは限りません。

 出店機会が増えるからといって、もともとのブランディングからしたら納得のいかない立地への出店もせざるをえないかもしれません。

 送り込まれた幹部が親会社の成功体験、法則を押し付けるかもしれません。

 組織管理体制と感性のジレンマ、ビジネス拡大のスピードとブランドの飽和点とのジレンマ・・・

 当然、答えはひとつではないと思いますが、これまでの事例を見る限りでは、親会社のビジネスモデルを無理やりあてはめようとするよりは、モチベーションを配慮しながら、「金は出すけど、口は出さない」。される側が、いままでの規模だったら、やりたかったけどできなかったことをソリューションするくらいの方が、いまのところはうまくいっているような気がします。

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April 08, 2008

三越大阪店計画が伊勢丹主導に

 これは、業界内では、ある程度予想されていたことですが・・・4月8日の三越伊勢丹ホールディングスのプレスリリースによると、2011年春にJR大阪駅に隣接して出店を予定されていた三越大阪店の運営主体が、三越からジェーアール西日本伊勢丹に、店名は「三越大阪店」から「ジェーアール大阪三越伊勢丹(仮称)」に変更されるとのことです。

 大阪駅新北ビルにおける百貨店事業主体について

 この「仮称」も、3年間でどうなるんでしょうね。少なくとも一般のお客さんにとっては、呼びづらい長さです。

 先日、大阪出張の際に大阪駅、梅田駅界隈を久々に歩きましたが、あらためてファッション系の商業施設のそのエリアへの集中ぶりに驚かされました。

 東京で言えば、そうですね、東京駅と新宿駅周辺と渋谷駅周辺が合体したような過密ぶり。平日でしたが、春休み真っ只中だったので、本気で買いに来ているお客さんたちの熱気も手伝っていたと思います・・・

 こんな商圏を見たら、三越伊勢丹ホールディングスの幹部の方々は、「全力投球」「フルスイング」したいだろうし、阪急メンズ館も確かに魅力はありましたが、伊勢丹本店メンズ館に比べたらまだまだ、なんて思ってるんだろうな、などなど想像しながら歩いていました。

 大阪梅田が日本最大の百貨店戦争の戦場になることは間違いなさそうです。

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関連エントリー-2010年、大都市商圏がおもしろい

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January 30, 2008

インターネット上のアウトレット販売が拡大中

 1月30日の日経新聞に、人気衣料品ブランドの在庫処分品を扱うインターネット通販の利用者が増えていることに関する記事が掲載されていました。

 紹介されていたのは、

 マガシークのアウトレットピーク 
 ゼイヴェルのアウトレットウォーカー(ケイタイサイトのみ)
 ニッセンのブランデリ
 など

 具体的な金額は掲載されていませんが、それぞれ前年比6-7割増くらいのペースで推移しているとのことです。

 ブランド衣料のアウトレットと言えば今のところ郊外立地がほとんどで、生活者にとっては、出かけていっても必ずしも欲しいものがあるとは限らず、ネットであれば手軽(商品を触れないリスクはありますが)に購入ができる。百貨店、専門店などの店頭販売が低迷している昨今、アパレル、ブランドの利害とも一致して、在庫処分を上記のようなサイトに依頼するケースが増えているとのことです。

 ブランドが自社サイトでアウトレット販売するケースもありますが、当事者ではない企業や異業種によるポータルサイトなどの立ち上げも目立っているようです。 実際は、その方が、割り切って処分できていいかもしれませんね。

 ファッション性が高い気に入った服が値下で安く買えるのは、1月と7月のセール時のみという常識は着実に崩れつつありますが、こんな流れも、賢く買いまわる生活者をますます育んでいくひとつの販路になりそうです。

 アメリカでは、百貨店で販売されている著名ブランド品(新品・新古品)を常時OFFセールしている「オフプライスストア」が、リアル店舗として、アウトレットモールとは別にファッション流通の1業態として確立していますが(2兆円規模のマーケット)、日本においても業界に対する百貨店の影響力が小さくなると、そんな業態が出現する日もそう遠くはないのかもしれませんね。

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関連エントリー-日本にはないクローズアウトマーケットとは

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January 11, 2008

松坂屋が大丸を手本に銀座店周辺に路面店出店

 1月9日付けのasahi.com によると、松坂屋が今年の3月から、銀座店の周辺に路面店を出店するそうです。
 
 東京はじめ、他の地域の方には、「百貨店が周辺に路面店ってどういうこと?」とイメージが掴みづらいかもしれませんが、大阪心斎橋や神戸では、大丸百貨店の周りの心斎橋筋のモールや神戸の旧居留地に大丸が店舗物件を押さえ、ブランドショップが出店している路面店が数多くあるのはおなじみで、実際、本体の売上にもそこそこ貢献しているようですね。 

 asahi.com:松坂屋、銀座店隣りに路面店 大丸が手本

 実際には、生活者から見ると、一見、百貨店の一部というより、ブランドの路面店にしか見えないお店になりますが、この手法は、

○巨額な増床投資を必要としない
○百貨店より敷居の低い路面店で顧客を獲得でき、売上が上がる
○ブランドショップの顧客になり、ハウスカードをもってもらえれば、将来的に百貨店本体に誘導できる
○ブランド側も百貨店のイメージ、内装とは別に、独自の世界観が表現できる
○生活者も路面店なので、立ち寄りやすい
○ハウスカード会員になればブランドショップでも特典が得られる

などのWIN-WINメリットが考えられますね。

 もともとは、大丸のこの手法も本体の売上拡大策だったり、周辺地域活性策の一環だったのかもしれません。

 しかし、一般的に大きな館をドンと構えて、敷居が高く感じる百貨店が、生活者が手軽に寄り付ける路面店を出店して、顧客に近づく、という発想には興味を持っていました。同社や伊勢丹の食品スーパー出店にも同じような発想があるのでしょう。

 さて、再開発目覚しい広域銀座での、今回の松坂屋の試み、これらのメリットがどこまで享受できるか?興味深いところですね。

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December 27, 2007

伊勢丹が三越との統合に向けて準備加速

 12月26日の日経、日経MJ、繊研新聞各紙に、伊勢丹が来年の三越への経営統合に向けて提携関係や子会社を整理することに関連する記事が掲載されていました。

 元になっているニュースリリースはこちら

 伊勢丹ニュースリリース‐阪急百貨店との業務提携解消
 伊勢丹ニュースリリース‐小倉伊勢丹の株式を井筒屋へ譲渡

 前者について、いまひとつ提携の成果が出せなかったこととあわせて、背景には、統合した阪急と阪神の梅田の本店の前に2010年、三越が大阪店を出店する計画があります。

 一方、後者についても、債務超過の小倉伊勢丹の切り離しとともに、伊勢丹が九州で提携する岩田屋のある福岡市に2011年阪急が出店する計画があるとのことです。

 ということで、効率の悪い提携、子会社の整理と同時に、阪急阪神グループとの全面対決にむけて体制を整える意味もあるようですね。

 今年は大手百貨店の統合が一段落した年でしたが、今回の伊勢丹の一手が口火を切って、来年以降2010年、11年に向けた対決への綱引き?あるいは詰将棋?が進みそうです。


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October 24, 2007

専門強化に活路を見出す百貨店

 10月23日の繊研新聞1面下段のコラム「め・て・みみ」の内容が興味深かったです。

 10月10日にグランドオープンした浦和パルコに大丸百貨店の食品部門、「フードマーケット」と丸井が開発したメンズ&服飾雑貨のセレクトショップ、「アルディート by ビサルノ」が入居していることに日本の小売業界の変化を感じるという話。

 大丸、丸井、パルコともに、地域によっては、競合する商業施設としてブランドぞろえ、品揃え、サービスで顧客獲得を奪い合っているライバルの間柄にもかかわらず、今回、パルコが、両社の「部門を切り出した専門業態」をテナントとして入れるという試みに出たところに、「旧来型の構造や秩序」をぶち壊して、「競合と共同を巧みに使い分けなければ生き残れない時代に入った」現れと読み取っているわけです。

 大丸の食品にしても、丸井のビサルノやインザルームにしても、以前から、単独でも通用する、出店できる業態づくりの一環で、ららぽーとなどのSC出店の実績はありますし、一方、パルコが開発したコレクターズというメンズ雑貨の業態も、パルコを飛び出て他のSCに出店を始めましたね。

 いい傾向ではないかと思います。

 当然のことながら、自主編集売場だろうが、PBだろうが、百貨店や著名ファッションビルのような、大きな館や看板の集客に頼って、努力をしない品揃え・サービスは、その商品だけでなく、本体も顧客にそっぽをむかれてしまいかねません。

 単体でも独立採算で、しっかり競争に晒され、顧客に支持され、切り出してどこへ行っても通用する部門づくり、仕事のしかたをしなければ、やがて巨大戦艦も沈んでしまうという、あたりまえの話だと思います。

 そう、百貨店、量販店(GMS)も、成功体験から総合力や規模のバイイングパワーに走りがちですが、ある意味、京セラの「アメーバー経営」的な発想で、ひとつひとつの部門を他の力のある専門店との競争に晒し、強くする努力を重ね、全員参加型の強い個の集まりをもって、総合力を活かさなければ、浮上の道はないのではないかと思えてなりません。 

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October 07, 2007

しまむらが田原屋(パシオス)へ資本参加

 10月6日の日経新聞、繊研新聞に、しまむらが、「パシオス」の店舗名で関東を中心に116店舗を展開する田原屋の12.7%の発行済み株式を取得し、資本参加すると発表したことに関する記事が掲載されています。

 田原屋は、今年3月期で売上高399億円、経常利益4億3800万円。年商規模は日本最大手級のしまむらと比べてしまうと、10分の1くらいですが、アパレル流通企業としては、そこそこ大きい方ですね。

 しまむらとしては、同業に資本参加するのは初めてとのことです。

 記事には、出店地域がほぼ同じで店舗運営も同じ、とありますが、そう、同じ主婦に低価格衣料を販売する大型店という点で地域地域では競合関係にあるな、と認識していました。

 お客さんから見ると、近いものがあると思いますが、

 パシオスは、しまむらに商品調達が劣る分をナショナルブランドのキャリー品などで補い、しまむらよりも比較的都心近くの商業施設にテナントとして入っているケースも少なくないので、首都圏の一般の人には、しまむらよりもパシオスの方がおなじみだったりするかもしれません。

 その点、パシオスは、しまむらと同じ低価格を実現するにしても、低粗利率ながら、販売管理費率はしまむらほど合理化されておらず、高めなのでは?それがしまむらの経常利益率との違いに出ているのではないかなと思われます。

 でも、薄利多売で商品が回転するので、回転差資金でキャッシュフローはそこそこ潤沢なのでは・・・ともお見受けします。

 それゆえ、そこへ、しまむら式販売管理費コントロール手法を導入すれば、堅く利益が残せると考える経営者の方は賢明であるというのが、今回の提携に対する感想です。

 藤原会長が社外取締役になり、ノウハウ供与を行う模様で、良品計画V字回復の事例が思い出されます。

 おそらく、同時に同社の次世代対策にもなっているのではないでしょうか。

 こうしてまた、業界にしまむら流ファッションビジネス改革の輪が広がる、というわけですね。 

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関連エントリー-MUJI(無印良品)NY旗艦店11月開業

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October 06, 2007

ワールドがシンエイと組み婦人靴専門店を開発

 10月6日の日経新聞によると、ワールドが来春から20-30代のキャリア女性向けのシューズ専門店を駅ビル、ファッションビルに開発するにあたり、婦人靴卸のシンエイと共同出資会社を設立するとのこと。

 新会社はサンピエ、店舗名はフレイバーミュー。

 トークツ、オギツとともに百貨店婦人靴問屋御三家のシンエイの靴の生産ノウハウと、ワールドの店舗開発、運営ノウハウの合体は、とても興味深いところです。

 靴マーケットには、ユナイテッドアローズ、アバハウス、ジュンなどのアパレル企業が参入中。

 アパレルとの生産手法の違いや輸入制限などの規制もある靴のマーケットは、同じファッションアイテムながら、異質なものと捉えられて、ある意味業界自身もアパレル業界に比べると守られて来た部分もあったかと思います。

 ワールド自身も「Cocue」などでは、比較的シューズを多めに展開していたと認識していましたが、正直、完成度的には、「雑貨」の域は超えていなかったと思います。

 今回は、競争の激しいアパレルから開拓の余地のある靴マーケットへの本格参入を狙うワールドと、百貨店卸の呪縛?から抜け出そうとするシンエイの利益が一致するプロジェクトになりそうですね。

 婦人靴マーケットの活性化に向けて興味深いタッグチームだと思います。 

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関連エントリー-ジュンが足元のファッションに特化したセレクトショップを展開
関連エントリー-アパレル企業の服飾雑貨売上が伸び盛り

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October 05, 2007

新宿三越の伊勢丹別館化構想

 10月5日の日経新聞に来年4月に経営統合することで合意している伊勢丹と三越が4日に発表した統合計画の詳細に関する記事が掲載されています。

 07年見込みの連結営業利益430億円を2013年度までに750億円まで高めるのが目標になりますが、増益分は、共同で進める首都圏の既存主力店舗の増床計画などにかかってくる模様です。

 この中で注目なのは、記事も取り上げている新宿三越アルコットの伊勢丹新宿本店別館化への検討という部分でしょう。

 百貨店の平均月坪あたり売上高が50万円弱なのに対し、伊勢丹新宿本店はその倍の100万円と言われています。

 流通業では、月あたり、坪当たりの売り上げ高を、坪効率と呼び、販売効率の指標とすることが多いですが、この月坪効率は高ければ高いほどよい、というものではなく、一般に月坪売上が50万円を超えると、人件費や物流コストなどの販売管理費率が増え、逆に非効率(営業利益率は下がる)になるため、増床したり、同一商圏に店舗を増やすべき、という説があります。

 同時に、坪当たりの売り上げが高ければ、それだけ忙しいわけで、ひとりひとりの顧客に対するサービスも低下するというわけです。(接客して欲しくても相手をしてくれる店員がいないとか)

 一方、伊勢丹本店の交差点挟んで斜向かいの新宿三越は、ご存知のように一階にラグジュアリーブランドの店舗を構えてはいるものの、2階以上は、出入りも激しく、大型専門店集積のテナントビルと化しており、不動産価値はあるものの、業界の中でも、物件を活かしているとは言えない例のひとつになっていたかと思います。

 そういう意味で、伊勢丹にとっては、高すぎる坪効率を分散しながら全体の売上を上げ、三越にとっては宝の持ち腐れ的な物件を活性化できるチャンスとなるはずです。

 このプランは是非実現したいところでしょうね。 

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September 08, 2007

住友商事がナラカミーチェの日本総輸入元を買収

 9月8日の日経新聞によると、リテール戦略を強化する住友商事は、イタリアのシャツブラウス専門ブランド、「NARA CAMICIE(ナラカミーチェ)」の日本総輸入元、ナラカミーチェ社を20億円弱で買収するとのことです。

 世界に365店舗を展開するナラカミーチェを日本で展開するナラカミーチェ社は、2007年2月期で、73店舗、年商50億円。住友商事は、買収後、経営幹部を送り込み、150億円を目指すそうです。

 昔、シャツブラウスの海外生産の仕事に携わっていたころ、さかんに客先のデザイナーさんたちがあこがれていて、よく話題にしたのを懐かしく思います。今も、百貨店はじめ、とてもいいところに売場をもっていてますね。

 最近、SCなどに行くと、シャツメーカー系のシャツブラウス専門店は必ずといっていいほどありますが、記憶では、同社が日本初のシャツブラウス専門店だったと思います。

 ブランドを大事にする住商さんの下でしっかりとブランディングと成長を両立されることを期待しています。 

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関連エントリー-住友商事の地に足のついたライフスタイルリテイル事業
関連エントリー-住友商事が伊勢丹からバーニーズを買収

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August 25, 2007

三越・伊勢丹の経営統合、伊勢丹の主導ぶりに脱帽

 8月24日の日経、日経MJ、繊研新聞各紙、三越と伊勢丹が来年4月1日に持ち株会社を設立して経営統合することに関する記事で持ちきりでした。

 特に、さすが日経の記事は3面に渡っての力作でありました。統合舞台裏を綴る連載記事もスタート。

 それにしても、伊勢丹さん主導の経営統合案はあっぱれですね。

 上手に老舗三越のプライドを立てながら、オセロにたとえると、要所(角)はすべて伊勢丹が抑えていて、いずれは伊勢丹一色になるような印象を受けました。

 ポイントを挙げると

○ホールディングカンパニーになれば、管理部門から統合されて行き
○売上上位の三越分のバイイングパワーを手中に収めながら 
○日本一の売上を誇る三越日本橋本店、2010年増床予定の三越銀座店、2011年出店予定の三越大阪店といったおいしいところを共同開発
○情報システム、仕入部門は2011年末までに伊勢丹主導で統合
○顧客管理、カード事業も2013年末までにアイカードに統合

 詰将棋で言えば5手詰みくらいですかねぇ。

 百貨店大型再編もこれで一段落とか書かれている記事もありましたが、これから、地方百貨店が生き残りをかけて、どのグループにつくか、仕入先(ファッションメーカー)の取組のスタンスなど、業界内ではいろいろありそうです。
 
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関連エントリー-三越、伊勢丹資本提携は誰のため?

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July 26, 2007

三越、伊勢丹資本提携は誰のため?

 7月25日に百貨店業界4位の三越と5位の伊勢丹が経営統合を視野に入れた資本提携への交渉をスタートしたとのニュースが発表され、話題になっております。

 各メディアは、業界1位となるグループ誕生、業界の流通再編進む、4強時代へ、なんて報道をしていますが、TVのあるコメンテーターが「4強じゃなくて、4弱になるんじゃないの?」と言っていたのがとても印象的でした。


 百貨店業界全体の売上は90年代初頭から年々落ち(9兆円→6兆円)、その中で、統合によって、生活者のために、品揃えをよくすると言っても、現実は、規模を大きく見せ、仕入先に対するバイングパワー(購買力)、半強制力(発言力というよりも)を増して、利益率を高め、生き残ろうという発想ですからどうなることでしょうか。

 先のコメンテーターが言われていたように、「百貨店業界の中で競うんじゃなくて、(仕入先ににらみを利かせるためじゃなくて)、生活者のために、競争して切磋琢磨する相手は、外資系を含めたファッション専門店なんじゃないのかな」っていう意見に100%AGREEです。

 今回の動きに対して、業界で耳にした声をいくつかまとめてみます。

○再三投資ファンドによる買収にさらされていた三越のメンツを保ったままでの救済策

○業界は、完全に伊勢丹の天下に

○三越の過去の栄光にすがる人たちが一掃されるまで、統合といっても最低5年はかかるでしょう

などなど

 いずれにせよ、生活者最適に百貨店業界が再編されることを望みます。

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 関連エントリー-伊勢丹・東急百貨店の業務提携の方がすごい

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June 22, 2007

香港ジョルダーノ買収の噂、再燃

 6月22日の日経MJに、香港のベーシックカジュアルファッションSPA大手、ジョルダーノ社に、昨年TOBを見送ったユニクロを展開する日本のファストリ社に加え、ZARAを展開するスペインINDITEX社、ヨーロッパで活躍する香港SPA、エスプリ社の3社による買収の噂が再燃し、株価が高騰しているとの記事が掲載されていました。

 情報源は6月初旬のYahooニュース、こちらにありました。

 Retailer Giordano soars, denies stake sale talk

 ジョルダーノは香港を中心に、アジアに1700店舗を展開し、そのうち中国には700店舗あります。買収の噂の出た3社のもくろみは、もちろん小売の成長率が17%と予想される中国市場への一気の展開です。

 記事によると、ZARAなどを展開するInditex社は今年度世界に480店舗分の新規出店、設備投資を予定しており、同社を買収することはとても理にかなっていますし、海外事業買収に4000億円を用意しているというファストリ社からも目が離せませんね。

 ところで、香港のエスプリ社は最近ノーマークでしたが、記事によると、いつのまにか、売上の4/5はヨーロッパ、うち半分はドイツマーケットだそうですね。

 それにしても、こんな企業の売った買ったが当たり前の時代がこれから加速し、日本もその舞台になってゆくのだなぁ、そのうち身の回りでも起きそうだなぁ、と記事を読んでいました。
 
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 関連エントリー-ファストリがHKジョルダーノに買収提案

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June 09, 2007

イオンが「しまむら」対策実験中?

 6月6日の繊研新聞に、イオンが小商圏向けの実用衣料専門店チェーンの実験を行っている、との記事が掲載されていました。

 IFQ(アイエフキュー)という店名の店がそれで、昨年秋イオンタウン磐田内に1号店(390坪)、今春イオン徳川明倫SC内に2号店(300坪)を開設したとのことです。

 30~45歳の女性をターゲットに、婦人カットソー(780円~1780円)、ドレスシャツ870円~1870円)、肌着、布団などの商品構成で、メーカー商品の集荷型。

 イオン側は、当然、表明はしていませんが、売り場坪数、ターゲット、品揃え、価格帯とも、「ファッションセンターしまむら」をベンチマークしていることは間違いなさそうです。記事からはわかりませんが、同客層向けの従来のメーカー品主体のアイテム別平場を「しまむら」風にくくったというところでしょうか。

 量販店の衣料売り場の売り上げが、もう何年間にも渡って確実にユニクロとしまむらあたりに持っていかれていることは、各社の毎年の衣料売上高の推移が示している通りで、特に量販店(GMS)NO1のイオンは、ライバル意識が強いと見えて、同社の自社製品開発を見ていると、うちが負けるはずがない、とばかり、ユニクロが仕掛けてきた商品にあえて真っ向から挑んだりするケースがよく見受けられました。

 ユニクロにしても、しまむらにしても、さすがのイオンでも、同じことを「真似て」勝てる相手ではないと思われますが、イオンさんほどの総合力・体力があれば、一度、彼らと同じことをやってみたらどんなことが起こるのか、生活者はどんな反応を示すのか、何ができて、何ができないのか、試してみることも、中長期戦略的には、無駄なことではないと思いますし、もっとも多い客層の一部を、これ以上、モールの外に逃す手もありません。

 しばらく実験をつづけて、同社の顧客が本当に期待する衣料売り場が実現することを楽しみにすろことにしましょう。 

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 関連エントリー‐イオンが都市部戦略に小型スーパー出店へ

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June 08, 2007

セブン&アイが赤ちゃん本舗買収へ

 6月8日の日経新聞によると、セブン&アイホールディングスは、子供用品専門店業界2位の「赤ちゃん本舗」を買収する方針を固めたとのことです。

 赤ちゃん本舗は、4月に玩具メーカー大手のタカラトミーとの資本提携が白紙となり、その後、セブン&アイや商社の双日との提携が検討されていることは、新聞でも読んでいましたが、このたび、セブン&アイが、赤ちゃん本舗の発行済み株式の過半を20億円程度で取得し、グループの総合力アップに活用しながら経営再建を支援することで合意にいたった模様です。

 ベビー・子供用品の「アカチャンホンポ」は、今年3月に買収した生活雑貨の「LOFT(ロフト)」とともに、今後、セブン&アイグループが開発するショッピングセンターのアンカー(核)テナント、カテゴリーキラーコンテンツの武器となるでしょうし、既存のイトーヨーカ堂の売場の活性化にもつながることでしょう。

 赤ちゃん本舗側も好条件での出店場所が増えることが見込まれ、再建に向けてのよいステップが踏めるのではないかと思います。 

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 関連エントリー-赤ちゃん本舗がタカラトミーの傘下に

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June 06, 2007

三越が日本の百貨店業界初のアウトレットモール出店へ

 6月6日の日経新聞、繊研新聞によると三越はインポート商品の買い付けによる自主編集売場、「ニューヨーク・ランウェイ」の在庫を処分するためにチェルシージャパンが7月6日に開業する神戸三田プレミアムアウトレットに出店するとのことです。

 アメリカではサックス・フィフスアベニューのアウトレット、OFF5th(オフフィフス)などが大商圏アウトレットモールの常連になるなど、百貨店のアウトレットモール出店は、珍しいことではありませんが、日本では、今回の三越のケースが百貨店業界初のアウトレットモール出店となります。

 今まで、日本の百貨店がアウトレットを必要としなかった理由は、アメリカの百貨店では、メーカーとの取引条件が「完全買取」=在庫リスクは百貨店側にあるのに対し、日本の場合は、「委託販売」(売れ残りは返品する)または「消化仕入」(店頭で売れたものしか仕入計上しない)が一般的で、百貨店側に在庫リスクがほとんど存在しなかったためです。

 余談になりますが、アメリカでは、百貨店や専門店も在庫リスクを張っているがゆえ、売れ行きが悪く、キャッシュフローを悪化させると判断すると、ブランドものですら、シーズン中に、アウトレットはもちろん、アンダーグラウンドなクローズアウトマーケットで在庫を換金することも少なくないと言われています。アメリカのファッションビジネスって、それくらい切迫していてドライな話なんですよね。

 日本の場合、今回のような、自ら買い付けた自主編集売場の商品は確かに百貨店の在庫リスクの対象となるわけですが、一般的には、メーカーに協力してもらったり、催事などで処分をすることによって、さほど継続的なはけ口を必要とするほどの在庫は抱えていなかったと認識していました。

 三越のニューヨーク・ランウェイは、95年にスタートし、現在9店舗で展開をしているインポートカジュアル、婦人服などの自主編集売り場。

 力を入れているからこそ、在庫のはけ口も必要となる、と理解すべきなのでしょうね。

 最近、百貨店各社、差別化のために、自主編集売り場に力を入れているようなので、今後、三越に続いて、他の百貨店もアウトレットモールに出店する話も出てくるかもしれません。

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 関連エントリー-日本にはないクローズアウトマーケットとは
 関連エントリー-単品平場と自主編集売場

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May 27, 2007

大手百貨店、07年度1500億円投資の勝算

 今週は、各紙(誌)、2月決算の流通企業の株主総会ウィークということもあって、今後の百貨店の動向を占う記事が多かったように思いました。

 5月25日の日経新聞には、07年度の大手百貨店6社(大丸・松坂屋、高島屋、三越、伊勢丹、阪急)の連結投資額合計が前年比6割増、21世紀に入って最高の1500億円になることに関連する記事が掲載されていました。

 2006年全国百貨店売上高の7兆7000億円、はピーク時の91年に比べて約2兆円減という現実ですが、大都市においては、景気回復の追い風、競合他社の改装・増床への対抗、はたまた買収対策、株主対策など、さまざまな思惑で、「今しかない」とばかり、この時期に投資が集中している様子は十分理解できます。

 しかし、果たして各社の勝算はどうなんでしょうね・・・記事では更なる競争激化、再編を生む序章的な締めくくりをしています。

 現代の百貨店繁栄のキーワードは・・・かつての小売業繁栄の源泉である客数の大幅増は正直、望めそうもありませんので、現実的には、1客あたりの年間購買額(購買頻度x客単価)をいかに高めるか、に集約されることと思われます。

 そのためのハウスカードによる顧客囲い込み、分析の精度アップとともに、「外商」の見直しも各社で進んでいるのではないか、と思われます。

 そんなことを考えていたら、ちょうど5月25日の日経MJに「三越に見る外商の接客術」という記事がありました。

 「外商」というと、以前は、老舗百貨店が特定の個人・法人顧客を訪問して、高額購入先に対して割引販売するイメージがありましたが、これからは、富裕層にご来店頂き、会話を楽しみながらのパーソナルなコンシェルジュになるのでしょうかね。

 そんな日本の百貨店の「個人外商」を、欧米の著名百貨店も評価していると聞きます。

 さて、各社どんな風になるのでしょうか。積極投資後の生まれ変わる姿、チャレンジ・・・楽しみにしたいと思います。

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 関連エントリー-百貨店都心部に積極投資も集客は新宿への一極集中か?

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May 17, 2007

米リミテッドブランズがエクスプレス業態の株式67%を売却へ

 海外のネットニュースや5月17日の繊研新聞などによると、1990年代半ば、GAPにその地位を奪われるまで世界最大のファッションSPAで、現在でも世界第3位であるリミテッドブランズは、同グループのアパレル事業のうち、EXPRESS(エクスプレス;631店舗、$=120円換算、日本円で年商約2000億円)の株式の67%を投資会社のGOLDEN GATE CAPITALに5億4800万ドル(日本円換算;約658億円)で売却すると発表したとのことです。

 以前もWWDの記事を受けて同社のアパレル事業売却の噂、ランジェリー、ヘルス&ケア事業へのフォーカスをエントリーしましたが、実行に移し始めたようです。 
 
 なお、同社は、しばらく残りの33%の株式は所有し、エクスプレスの本社も事業執行体制もしばらくはオハイオ州コロンバスのままで運営されるようです。

 今後、LIMITED STORE(253店舗年商日本円換算約590億円)の売却の検討もしている模様ですね。

 もともとアパレルのLIMITED STOREから立ち上げた同社も、2001年にLane Bryant、2002年にLernerN.Yを売却し、遡れば、90年代後半にAbercrombie&Fitch(アバクロ)やジュニア向けのLimited Too(現在はTweenに改名)を分社株式公開し、独り立ちを見届けながら手を引いて行き、手にした資金で、次なる事業(ランジェリー、ヘルス&ケア事業)に投資している経緯があります。

 エクスプレスは同グループの中で、顧客ターゲットとMD特性から言って、もっともH&Mの米国急拡大の影響を受けてるのではないかな、と思っていました。

 EXPRESSのホームページ 

 リミテッドブランズのレス・ウェックスナー会長、引き際といい、事業転換の手順といい、世界のファッションビジネスのリーダーたるものを感じます。

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関連エントリー-米リミテッドブランズがアパレル事業を売却?

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April 24, 2007

米リミテッドブランズがアパレル事業を売却?

 私が比較的よくチェックしている海外のファッション・リテール系ネットニュースに、アメリカでビクトリアズ・シークレット、バス&ボディーワークス、エクスプレス、リミテッドを展開する世界4大ファッションSPAの一角、米リミテッド・ブランズ(Limited Brands)がアパレル事業の売却を検討しているという記事が出ています。

 WWD.COM (U.S)
 Retail Week (U.K)

 記事によると、根拠は、かつては世界最大のアパレルSPA(製造小売業)だったリミテッド(LIMITED)から創業した同グループも、インティメイト(下着)事業のヴィクトリアズ・シークレットとヘルス&ビューティー事業のバス&ボディーワークスの売上が70%を占め、アパレル事業は20%程度という現状。 創業者であり、CEOのレス・ウエックスナー氏が公の場で、「インティメイト事業とヘルス&ビューティー事業は、まだまだ伸びる事業であり、5年で2倍にする」と豪語していたり、投資家に対する会合で、役員クラスの人が、「われわれの未来はインティメイト事業とヘルス&ビューティー事業にある」と発言したことによるもののようです。

 当然、当事者はまだコメントを避けていますが、買収に名乗りを上げている2社のリテールビジネス向け投資会社の名が上がっています。1社はアメリカンイーグルアウトフィッターズの株も保有している Schottenstein Stores Corp.です。

 買収額は $2.1 billion=2520億円 ($=120円)?といったまことしやかな金額が出ています。ちなみに昨年度の年商は、LIMITED BRANDS全体が1兆2840億円なのに対して、LIMITEDは、590億円(260店舗)、EXPRESSの方は、2040億円(658店舗) です。

 先日、世界4大SPAの近況をコメントした、いくつかのエントリーの中で、LIMITED BRANDSのアパレル事業構成比がかなり低くなっていることを指摘しました。 同グループは、以前、アバクロ他、いくつかのアパレル事業をスピンアウトさせた過去があります。しかし、私が最も尊敬するファッションビジネスマンであるレス・ウエックスナー氏ですが、LIMITEDという創業ビジネスにも未練はないのでしょうかね、さすが、アメリカはビジネスライクな国ですね。

 もともと、LIMITEDグループは、「立地が最大の広告宣伝」というポリシーを持っており、広告宣伝にはお金をかけず、SCにおいて、最も目立つ場所を出店立地としておさえる、という広告宣伝費を使うGAPグループと好対照なところがありました。それゆえに、LIMITED EXPRESSの知名度はもちろん、立地は抜群。ジリ貧なアパレル事業は今が売却の好機と考えてもおかしくはありません。

 経営陣によるMBOの可能性もあるとのことですが、H&Mがアメリカを一気に落とすために目を付ける可能性もあります(ドイツではかつてGAPの店舗を買収しました)。そして、ユニクロのファストリも4000億円の買収資金を用意していると言ってましたね。おっと、十分予算内じゃないですか。

 GAPのリストラ(事業分割の可能性も)と言い、LIMITEDのアパレル事業の売却の噂と言い、名実とも、世代交代は目前です。

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 関連エントリー-米GAP、2年連続減収減益。世界SPAの世代交代鮮明
 関連エントリー-ZARA(ザラ)のインディテックスグループの驚異的な成長

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April 21, 2007

大手GMS(量販店)の06年度決算

 4月21日の繊研新聞に、大手GMS(量販店)イオン、ヨーカ堂、ダイエー、ユニー、西友の06期決算比較の記事が掲載されており、「本業回復で増収」という見出しに「ほぅ」っと思いながら読んでおりました。

 出資企業の子会社化による増収、傘下コンビニの既存店回復の兆しの見えない減収要因など連結はさておいて、本業(単体)は、営業利益増収とのことですが、要因は、既存店のようやくの下げ止まり、イオンについては、自社企画拡大、情報システム投資が功を奏した在庫の圧縮による粗利率のアップという前向きな要因はありますが、イトーヨーカ堂、ユニーにしても、人件費削減、減価償却費減などあまり前向きでない販売管理費圧縮で作った数字も少なくないようで、必ずしも継続的な明るい未来が待っているようではありません。

 やはり繊研新聞の4月上旬にリリースされた毎月恒例の小島健輔先生による記事「全国有力SCテナント調査」06年冬物商戦版に同先生が興味深いコメントされていました。

 アメリカのSC開発の歴史も踏まえて、これから、日本の大型SCでも、食品は別にして、本当にGMSは核テナントとして必要なのか?通常のテナントの1/3の家賃しか負担しない、効率の悪いGMS抜きのSC開発、GMS核テナント不要論が始まる、というような内容でした。

 確かに、まちづくり三法改正後、限られたスペースの取り合いが始まる中で、成果が上げられないのであれば、現実のものとなりかねませんね。当然の流れだろうな、と納得しながら読んでおりました。すでにその動きはありますし、ただ競争社会のアメリカと事情が違うのは、イオングループについては、グループ保護政策で、他のテナントからその分むしり取るってこともあると思いますが・・・

 話は変わりますが、都心部でも、コンビニの既存店売上前年対比が下げ止まらない中、先日、英最大の流通企業、テスコが出資する「つるかめ」の展開でおなじみのシートゥーネットワーク社が生鮮コンビニ「テスコ・エクスプレス」の出店計画を発表しました。SHOP99が先行したものの、多くの企業が狙い打ちしてきているマーケットです。

 GMSグループにとっては、ますますの激戦。その先にあるのは、淘汰なのか、進化なのか?目先の合併によるバイイングパワーの拡大だけでは解決できる話ではなさそうです。

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April 14, 2007

米ポロ・ラルフローレン社がインパクト21を完全子会社化

 4月14日の日経新聞、繊研新聞によると、米ポロ・ラルフローレンの全額出資子会社ピー・アール・エルジャパンは、オンワード樫山の子会社で、ラルフローレン、ポロラルフローレン、ポロジーンズなどを百貨店中心に販売する東証一部上場企業、インパクト21をTOBにより完全子会社化し、日本での米国直轄によるグローバル戦略を加速させるとのことです。

 表参道旗艦店出店の際にいずれはこう来るかな、と思っておりましたが、いよいよですか。

 ここのところ売上を伸ばせずにいたオンワード樫山サイド、米ポロ・ラルフローレン社の世界戦略の利害が一致した結果のようで、今回の全株売却で210億円を手にするオンワード樫山は、今年の9月からホールディングカンパニーへの移行を決めており、売却資金は、国内外の買収や投資に当てるとのことです。

 米直轄となるポロ・ラルフローレンの戦略は、既存の百貨店に加えて、その他の販売チャネルも開発するとのことで、路面店や近郊大型SC・・・それから、いよいよ日本でもアウトレットにポロ・ラルフローレンが登場しますかね。

 アメリカの大型アウトレットモールへ行けば、必ずと言っていいほど、核テナント級になっているPOLO。私も結構お世話になりました。ところが、日本では、オンワード樫山本体の「アウトレットモールには出店しない」企業ポリシーからアウトレット店が存在しない、というのは、業界でも知る人ぞ知る話。

 オンワードスタイルの販売は結構飽和に来ていたところですから、同社としては、手放す好機ではないでしょうかね。これ以上の拡大は、パープル、ブラック両レーベルのラグジュアリー戦略か、アウトレットも含むマス路線ってとこでしょうか。くれぐれも、アメリカのように乱売してクローズアウトビジネス(在庫過剰による横流しビジネス)の雄になりませんように。

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 関連エントリー-ラルフローレン、表参道出店でラグジュアリー市場に参戦
 関連エントリー-日本にはないクローズアウトマーケットとは

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April 11, 2007

仏PPR(ピノー・プランタン)グループがプーマを買収

 4月11日の日経新聞、繊研新聞などによると、フランスの流通大手で、グッチ、ボッテガベネッタ、イヴサンローランなどを擁する、フランソワ・ピノー氏でおなじみのPPR(ピノープランタン)グループがスポーツシューズ売上世界三位のPUMA(プーマ)を8450億円で買収するとのことです。

 追加情報として海外のネット情報を追っかけてみましたが、PPR社は、今後のプーマの展開について

 ○ライフスタイルブランドとして育成
 ○現在85%を占める卸売中心のビジネスをリテールに大きくシフト

 などのキーワードが出てきます。

 アディダスがリーボックを買収した際もブログに記事をエントリーしましたが、そのころは、アディダスとプーマの創業者は兄弟ですから、そのうち・・・アディダス(弟が創業者)がプーマ(兄が創業者)も買収か?などとの噂話も耳にしました。 

 しかし、個人的には、大手スポーツブランドの中で、一番ファッション性が高いと思っているプーマがPPRとくっつくのは、よいのでは、と思ったりします。

 コレクションの傾向を見ると、これからファッショントレンドの中にスポーツテイストも出てきて、スポーツシューズそのものもマーケットの中で復活しそうな兆しがありますし、プーマには、マス化したナイキやアディダスと上手に差別化しておしゃれなブランドポジショニングを目指していただきたい、と期待しております。 

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関連エントリー-アディダス、リーボック買収で、どうなる世界2大ブランド対決

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March 30, 2007

イオンがグループの商品開発・仕入業務を一本化する新会社設立へ

 3月29日の日経新聞、30日の日経MJによると、イオンは、ダイエー、マルエツを実質グループ内に納めたことによって、同グループの共通業務を一本化する動きに出るとのこと。

 対象となるのは、PB開発、NBなどのメーカー仕入、物流、システムで、イオンからその機能を分社化させ、それぞれ、イオン、マイカル、マックスバリュ、カスミ、ミニストップ、ダイエー、マルエツなどのグループ企業の一括窓口になる模様です。

 記事によると、手始めにイオングループのPBである「トップバリュ」を開発する別会社を08年2月期に立ち上げ、その他の機能会社を順次立ち上げるとのこと。

 その先に、イオンホールディングカンパニー(持ち株会社)構想があるのは間違いありません。

 入り口(仕入)は一本化で業界に対する影響力強化、出口(店舗)は生活者の混乱や同質化感を避け、特色を維持するために現状のままとするもっとも合理的な戦略ですね。

 これで、イオングループの業界におけるバイイングパワーは急速に増すことになります。

 それにしても、以前、イズミヤと立ち上げた共同商品開発会社(輸入商社)、アイクはどうなっちゃうんですかね?もっとも、同社は、今は、出資会社にかかわらず、独自の道を歩んでいるようですが・・・

 アイクホームページ

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March 27, 2007

伊勢丹・東急百貨店の業務提携の方がすごい

 先々週は大丸・松坂屋、今週は阪急・阪神の経営統合の記事が大きく取り上げられていますが、正直、3月26日の日経新聞、27日の繊研新聞にある伊勢丹と東急百貨店および東急電鉄の業務提携の方がインパクトを感じました。

 まあ、私が東京の人間でそちらの方が身近だからというのもあるのでしょうけど・・・

 伊勢丹の武藤社長は常々、「米国の事例を考えると、百貨店業界は四つのグループに集約されるだろう」と指摘しておられますが、今回の経営統合、業務提携を踏まえると、

 1位 大丸+松坂屋 売上高   1兆1664億円 (8225+3439)
 2位 伊勢丹+東急 売上高   1兆 984億円 (7600+3384)
 3位 高島屋     売上高  1兆 311億円
 4位 ミレニアム(西武+そごう)   9451億円
 5位 三越               8420億円
 6位 丸井               5615億円
 7位 阪急+阪神            4938億円 (3812+1126)
 (いずれも05年度の連結ベース、日経新聞より)

 になり、伊勢丹・東急は2位に食い込むわけです。

 今回の伊勢丹、東急百の業務提携は、共同商品開発、商品・顧客情報システムの相乗り、伊勢丹から東急への役員含めた幹部の派遣が骨子になる模様です。

 ところで、伊勢丹は全日本デパートメント開発機構(ADOグループ)という百貨店の共同仕入機構を主催し、情報システム面でも同グループの面倒を見ています。上記7位までに入っていませんが、松屋や東武百貨店もこのグループ、百貨店再建で名をはせ、IFIでもお世話になったミスター百貨店こと故 山中鏆さんつながりでもあります。以下ホームページによると、ADOグループ百貨店の売上高は2兆円に上るとのこと。

 ADOグループホームページ

 今回の提携で、東急もこのグループに入ることを意味しますし、幹部を受け入れることで、ADOグループ企業よりも密接な関係となって行くのでしょう。

 東急沿線の富裕層、たまプラーザの東急SCの東急百貨店への格上げ、副都心線に乗り入れる東急東横線、伊勢丹アイカード、パスモの普及・・・すべてがつながり、伊勢丹の業界での影響力はますます大きくなりそうですね。

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March 21, 2007

ダイエー会長にイオンモール川戸社長

 3月21日の日経新聞に、イオン・ダイエー資本業務提携後の人事に関する記事が掲載されています。

 イオンがどんな方をダイエーに送り込むのか、業界ではいろいろと憶測がなされていましたが、ダイエー会長として送り込まれるのは、日本のSC時代の立役者、イオンモールの川戸社長。代表権を持つ社長は丸紅からこられた西見社長が続投。林会長は副会長に退き、残念ながら、どちらかというと閑職にあたられる模様です。

 これで、イオン、丸紅のダイエーをめぐる思惑がだいぶはっきりしましたね。
 予想通り、食品流通の覇権とまちづくり三法改正後の都心部開発の2点に焦点が絞られます。

 同記事すぐ下に、以前にも報道されていましたが、イオングループのSC開発会社イオンモールと同ダイヤモンドシティを合併、イオンモールに一本化することに関する記事も掲載されています。新生イオンモールはまちづくり三法改正後のポストSC時代に、既存SCのリーシング(テナント入替)や中国など海外進出などを手がけて行く模様です。

 話は変わりますが、多くの百貨店、GMS、専門店チェーンが影響を受けた、いわゆる「チェーンストア理論」は、この狭い日本という国で、「売り場面積の拡大」と「坪当たり営業利益の増大」といった矛盾すると思われる目標を同時に達成しようというもの。残念ながら、どこへ行っても、坪当たり売上高が上がっているという景気のいい話はなかなか耳に入ってきません(首都圏の一部勝ち組駅ビルや大商圏の路面大型店くらいかな)。

 供給過剰、オーバーストアは言われて久しいものがありますが、単独店だけでなく、イオングループも加担したオーバーモール(SC)感も否めません。オープン景気がほんの1-2ヶ月だけだったという事例も少なくないようです。残念ながら、館が集客力を失ったテナントは打つ手が極めて少ないのが現状ですよね。

 話を戻して、さて、これからしばらくイオングループの首都圏・大都市圏開発がどのような展開を見せるか、注目です。
 
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 関連エントリー-SC(ショッピングセンター)同質化は誰のせい?

 関連エントリー-まちづくり三法改正で変わる商圏勢力図

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March 11, 2007

イオンの主導で合意されたダイエー再建最終章

 3月10日、11日の各紙の流通面の一番のホットトピックは言うまでもなく、3月9日に資本業務提携で合意したイオンとダイエーの年商6兆円グループ誕生に関する記事だったでしょう。

 ダイエー、マルエツへの丸紅も含めたイオンの出資比率合意を見ると、昨年の10月の時と全く同じなので、一見スムーズに決まったかのように見えますが、11日の日経新聞の記事によると、やはり、OPAの売却延期やダイエーの店舗売却をめぐっては、イオンの意見がかなり優先された模様です。

 業務提携によるバイイングパワーの強化や流通の効率化などの営業面の相乗効果への期待は誰もが想像するところですが、一方で、次世代SC(売場面積)の覇権を睨んだイオンは、まちづくり三法改正以後の都心部好立地のOPAやダイエーの店舗資産は手放されては困る、資本提携の本命のひとつだったに違いありません。

 さて、この巨大GMS連合の誕生によって、どんな豊かさが生活者にもたらされるのでしょうね。

 9日のちょうどイオン・ダイエー・丸紅の会見が行われているころに、ある政府系流通研究機関に所属されている流通専門家の大先輩の方とお食事をする機会に恵まれました。

 話題は、当然、イオン・ダイエーの提携のゆくえに始まり、また、多くの外資流通企業が、日本に進出した際に、日本の業界の秩序を崩してもらっては困ると、日本企業からのかなりの妨害に合って、いいとこなしで、「日本は閉鎖的な国だ」と結論付けて撤退していった数々の歴史から、来年進出のH&Mもそうならなければよいが、といった話まで、意気投合した次第です。

 話は、日本の悪しき商慣習、返品制度へもおよびました。その方は、戦後始まった日本の返品制度の歴史をよくご存知で、とても興味深い話をしてくださり、明日の、生活者主権の流通を考える上で、いい刺激になった、と感謝しています。Sさん、ありがとうございました。

 そんなことを思い出しながら、イオンダイエーの提携の記事を読んでいましたが、結局、なぜ、GMSの衣料売場がしまむらやアパレルSPA(製造小売)系ファッション企業に食われていったかというところを反省し、対策を打たない限り、いくらGMSが連合になったって何も変わらないんだろうな、と思ったりします。

 バイイングパワーだけを増して、目先の値入が良くなったところで、また、売場面積ばかり拡大して、生活者を迷わせても、本質は全く変わらないんだろうな、と。

 今、「勝ち組」と呼ばれている企業の多くは、生活者からは、返品を受けるけれども、企業の都合で、仕入先に返品や値引きや未引取りはしない、あるいは、できない企業だと思います。そんなの当たり前のはず、と思うかも知れないけれど、実際、多くの企業のバイヤーには売れなかった時の逃げ道があって、やりくりをしているのが現実。だから真剣に発注しない、だから値段を叩いたつもりでも、実際には高く買わされている、だから新鮮な商品が店頭に並ばない、のでしょうね。(これは、言わずと知れた、ダイエーの末期状態の時の話ですが、他人事ではありません)

 完全買取、一切返品しない、そんな瀬戸際に追い込まれないと、真剣に考えないし、人も成長しないだろう、って言うのは、しまむらの藤原会長の有名な持論。それゆえ、同社は徹底した完全買取ポリシーを貫きます。

 いくら合併で規模が大きくなっても、各所で人が成長する舞台を作らなければ、年々落ちてゆく売場面積あたりの、あるいは従業員一人当たり販売効率は止められないのが今の世の中。これはイオンダイエーの提携に限らず、百貨店しかり、家電量販しかり、各業界の大型合併すべてにはらむ両刃の剣だと思います。

 陣取り合戦の末には、果たして、かつてチェーンストア各社の経営者たちが夢見た、アメリカのような「生活者の豊かさ」は待っているのでしょうか?
 
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March 09, 2007

サマンサタバサがメッセージ社買収でアパレル事業本格参入

 3月7日、8日の繊研新聞、9日の日経MJに当ブログでもおなじみのバッグ・宝飾製造小売のサマンサタバサジャパンリミテッドが「ラストシーン」「ラストシーンガール」などを展開する中堅アパレルSPA、メッセージを買収することに関する記事が掲載されています。

 サマンサタバサ関連IR情報

 メッセージは1976年創業、06年2月期で約50店舗年商53億6400万円の企業。

 メッセージ社HP

 同社は業界の中でも、製造小売アパレルとしては歴史の長い方だと思います。持田社長の時代への変化対応力とリーダーシップでここまでやってこられたと思いますが、同社長のコメントのように、今後、単独での成長や従業員のことを考えた時に、このような伸び盛りの若い企業に次世代を託すことも、将来を見据えた中堅アパレル企業の選択肢であることを感じさせられます。今後このような事例が業界に増えることも十分考えられます。

 両社の今後の発展をお祈りいたします。

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March 03, 2007

百貨店都心部に積極投資も集客は新宿への一極集中か?

 3月3日の日経新聞に東京と大阪の都心部での百貨店の改装・出店の過熱振りに関する記事が掲載されています。

 今週は、クライアント先でも、特に新宿伊勢丹やルミネエスト(旧マイシティ)の改装、リーシングの話題が多かっような気がします。

 記事によると、東京では、副都心線沿線の池袋、新宿、渋谷の各百貨店の改装投資額が掲載されていますが・・・

○東武池袋本店    90億円
○伊勢丹新宿本店 150億円
○高島屋新宿店   130億円
○京王新宿店     80億円
○西武渋谷       80億円

とのことで、なるほど、新宿の3社で総投資額360億円が地域としてダントツですね。これ以外にも先ほどのルミネや丸井シティがありますし。同じ副都心線と言っても、東武東上線、西武池袋線、東急東横線が副都心線へ乗り入れするとのことなので、池袋と渋谷の百貨店は、新宿に客が取られるのではと焦りを隠せない模様です。

 新宿の中でも、改装の様子を見ていると、他社が団塊世代とそれ以上の従来の百貨店客層を深堀しようとしているのに対し、伊勢丹の改装は地下から始まっていますが、明らかに、永年ファンであったシニアの客層を切り捨ててでも、比較的若くてお金を持っている30代、40代の客層を取り込もうという姿勢を感じますね。

 大阪も梅田地区で400億円を投じて新規出店する三越に対抗し、阪急梅田本店が600億円、大丸梅田も200億円超と東京以上の加熱振り。

 ところで、大阪も阿倍野、天王寺以外は坪効率が年々低下していて今後も下げ止まらないというような記事を先日繊研新聞で読みましたが、そう、昔と違って、新店や改装効果が薄くなった昨今、各社効果的な投資であることをお祈りします。

 まあ、生活者側は選択肢が多くなって悪いことはありませんが・・・

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December 27, 2006

赤ちゃん本舗がタカラトミーの傘下に

 12月26日の日経新聞によると、玩具メーカー大手のタカラトミーは、ベビー用品専門店第2位の赤ちゃん本舗(年商899億円)の優先株50万株を来年3月までに30億円で取得し、資本業務提携をするとのことです。この50万株を3年後に普通株に転換すると創業一族の77%強の株式が51%に低下、タカラトミーの株は34%に達し、第二位の大株主となり、持分法適用会社になる模様です。

 会員制卸に見立てて一般生活者にベビー子供用品をディススカウント販売する赤ちゃん本舗は、時代の風雲児として一時業界の注目を浴びましたが(確か業界がやっかんで公取も入ったと記憶しています)、トイザらスおよびベビーザらス(業界3位;年商525億円)の日本進出、いまや業界トップの西松屋チェーン(年商951億円)の快進撃、その後を追うしまむらグループのバースデイなどに対して先行者のメリットを活かすことができず、ここ2年は、不採算店の閉鎖も伴って、売上の低迷と最終損益赤字を計上していました。今回のタカラトミーの出資により赤ちゃん本舗は、従来の大型店から都心型中型店舗20店舗程度の出店資金にするとのことです。

 今年1年は、少子化を背景とした玩具業界のM&Aやアパレル事業進出が目立った年だったと思います。

 赤ちゃん本舗最大の資産は40万人にも及ぶ精度の高い会員データベースであり、総合的にベビー・子供マーケットを囲い込もうとするタカラトミーの利益と一致することは間違いなく、更に業界を刺激することは必至と記事にも記載されています。

 玩具と子供用品業界のこれらの事例は、時代背景も手伝ってこういった異業種間M&Aの先駆けのようですが、来年以降、子供マーケットに限らず、「業界」と言った「縦軸」ではなく、「生活者」のライフスタイルを切り口にした「横軸」のM&Aが増えそうでとても興味深いです。

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 関連エントリー-子供服ティンカーベル、トミー傘下へ
 関連エントリー-西松屋チェーンのローコストオペレーション
 

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December 23, 2006

丸紅、東急不動産がOPA(オーパ)の株取得

 ここのところ首都圏や近隣に注目の大型商業施設が次々とグランドOPEN(新規開店)していますが、オープン時の集客はそこそこ好調でも、1ヶ月もすると売上がいまひとつという話を出店された複数の企業の方から耳にしていろいろ考えさせられます。

 以前は新しい商業施設が出来ると、1年くらいはいわゆる新店効果があったものですが、今の現状はそういうものではないようです。

 ファッションマーケット規模全体が毎年縮小する中で、逆に郊外SC、まちづくり三法改正を受けての首都圏新商業施設開発にしても、全国的な「売場面積」は増え続けており、業界が基準とする月坪あたりの売上高が恒常的に低下している状況は今に始まった話ではありません。 さらに家賃アップと人件費アップが追い討ちをかけ、いかに月坪効率が低くても利益を確保できるかを狙ってのSPA型ファッションビジネスの展開がキーワードになっていることはいうまでもありません。

 ここ数日の日経新聞、日経MJ、繊研新聞で、旧十字屋であり再生中のダイエーの資産、西のパルコと言われるファッションビルオーパ(OPA)の株式を丸紅(51-60%出資予定)と東急不動産(残り)が取得することになったことに関連する記事が一斉に掲載されています。

 OPAはものすごくよい立地にありながら、ダイエーの再建が不透明であったため、多くのファッション企業が敬遠していた様相(保証金保障の心配から)がありましたが、これで安心して出店することが出来る基盤が出来たともいえます。

 そろそろ来年のファッションビジネス予測を立てなければいけないと思っておりましたが、そのひとつは、まちづくり三法改正を受けての既存首都圏商業施設の活性化にあると思っています。

 新しい施設はこれからも目白押しですが、好立地にある再生商業施設案件の方が面白いと思っています。特に次に上げる立地は注目です。

○ダイエー跡地およびテナント導入による再生対象店舗
○ダイエー子会社OPAの動向
○百貨店を標榜する丸井が閉鎖したターミナル駅にある丸井店舗跡地
○東急ハンズの不振店対策

 すべて集客的観点から言えば、縮小するパイを奪おうとする新商業施設よりは可能性は高いといえるのではないでしょうか?なぜならば、小売の原則、固定客が少なからず付いているというアドバンテージがあるからです。

 これらの立地で活躍するプレーヤーとしては、異業種では大手では家電およびカメラ量販店などがあるかもしれませんが、ユニクロ(丸井の跡地をデベロッパーとして押さえにかかっているという話を小耳に挟みます)、ダイエー跡地を狙うしまむら、首都圏に新業態を含め貪欲に狙う青山商事そして新興のファッションカテゴリーキラー系のストアの台頭やワールドなどの多業態大型出店の実験の場をつくるのではないかと見ています。

 川崎あたりには確立されつつありますが、JR系のトレンドファッションビルと対極に、本格的な都心型パワーセンターの定着も来年あたりは見守っていくと面白いのではないでしょうか?

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関連エントリー-まちづくり三法改正で変わる商圏勢力図

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December 22, 2006

しまむら都心型店舗が月商1億円を売り上げた

 12月21日の繊研新聞に、「ファッションセンターしまむら」の都心型店舗の試金石と位置づけられていたホームズ 葛西店(東京都江戸川区)がOPEN 1ヶ月で月商1億円の売上を上げたとの記事が掲載されています。
 
 同社の全国1000店舗を超える月商の標準は3000万円に対してこの売上は業界の脅威になることは間違いなさそうです。

 好調な売上により、郊外立地で家賃比率5%が標準の同社の都心型店舗の8%設定に対し、低めに抑えられるのでは、と自信を深めている模様で、19日にアベイル(ジーンズカジュアル業態)、バースデイ(ベビー・子供用品業態)をともなってオープンしたダイエー西葛西店跡店舗にも期待が寄せられているとのこと。

 これにより同社の都心(東京、神奈川、埼玉)出店は加速しそうですね。

 「あそこはおばちゃんの店」とライバル視していなかったお店もちょっと身を引き締めないといけないかもしれません。見た目によらず、「小売のトヨタ」と呼ばれるほど日本でもっとも科学的なアプローチのファッションビジネスを展開する企業の一つである同社が品揃えを変えて都心を地盤にしているファッションストアに挑んで来たら・・・都心生活者の反応は・・・各社ますますの企業努力が必要になりそうです。

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 関連エントリー‐しまむらが都心部に攻め込む日
 関連エントリー‐しまむら1000店舗突破、いざ都市部攻略へ

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December 06, 2006

ファッション流通で総合商社の資本提携が相次ぐ

 12月5日の日経新聞、6日の日経MJ、繊研新聞に総合商社の伊藤忠商事が、靴専門店チェーン「Asbee(アスビー)」などを展開するツルヤ靴店が年内に行う第三者割当増資を引き受け、発行済み株式数の4.99%の株式取得することに関する記事が掲載されています。
 
 これにより、ツルヤ靴店と伊藤忠商事は商品と物流に関する業務提携を行うとのことです。

 ツルヤ靴店は、これに先立って、昨年12月には、イオングループとのショッピングセンター出店に関して資本・業務提携を行っており、同社は、郊外立地展開の業界トップのチヨダ、都心部&SC中心の業界2位のABCマートが2大ガリバーとなった靴流通マーケットで、大手との提携により追撃をかけようとする政策です。

 特に、TBS株大量取得でも話題になったABCマートグループのマーケットでの猛威は靴業界のみならず、ファッション流通全体が脅威に感じているところではないかと思います。ABCマートの一人勝ちを許さない対抗勢力作りという意味で、ツルヤの選択は業界もとても興味深く注目しているのではないかと思います。

 渋谷・原宿や池袋など都心出店しているABCマートやAsbeeの店頭は昔からよくチェックさせていただいていますが、個人的には、ABCマートのPBブランドよりもAsbeeのPBブランドの商品完成度を評価してますので、今のところ規模の差は歴然としていますが、がんばって欲しいところですね。

 また、同じく5日の日経新聞に三井物産がプラザスタイル(旧ソニープラザ)の持ち株会社スタイリングライフホールディングスの株式を15%取得し、包括的な業務提携をすることに関する記事が掲載されています。

 内容の詰めはこれからのようですが、これらは総合商社がファッション流通の小売事業に食指を伸ばしてきている事例だと思います。

 かつて、食品問屋再編、大手GMSとの提携からコンビニへの資本参加まで食品業界では、総合商社の参入が相次ぎ、系列図も決まり、一段落した模様ですが、来年以降、上記のように、もっとも生活者に遠いところで活躍していた商社がファッション流通においても生活者最前線のリテールビジネスまで下りてくるケースが増えてくると予想されます。

 商社には潤沢な資金と優秀な人材が豊富であり、こういった資本参加が今後ファッション流通を活性化するのではないか、と期待しております。

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 関連エントリー-靴業界にも大きな再編の波が
 関連エントリー-伊藤忠商事、ジャヴァHD株取得で考える今後の商社の役割

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November 29, 2006

紳士服チェーンが期待する婦人スーツ販売

 11月29日の日経MJに2プライススーツのさきがけ、ザ・スーパースーツストアを展開するオンリーが、既製婦人スーツの全店販売を始める、という記事が掲載されています。

 従来は、PO(パターンオーダー)の対応のみだったものを、一部店舗で実験販売をしたところ、
 1.試着後、すぐに買って帰れ(POではお渡しまで2週間)
 2.同じ生地を使ってもPOに比べて3割安い(2万円台中心の模様)
 ということで、1割未満だった女性客構成比が3割にまで達したため、全店販売へ踏み切ったとのことです。

 郊外型大手紳士服チェーンでも、男性と一緒に来店する女性(奥さんや娘)が多いことで、団塊世代がリタイヤする2007年問題によるスーツ需要減対策として、期待をしていることを以前繊研新聞あたりでも読みましたが、まだ現状は、リクルート、フレッシャーズとお母さんの入学式対応が中心のようです。

 一時的にしか着ないこれらのスーツを百貨店では高すぎる、量販店では味気ない、ということで、スキマに対して紳士服販売の生産、接客ノウハウが活かせるかどうかに期待がかかりますが、以前読んだ記事では、とは言え、売上構成比でいっても1-2%程度。スタイル変化の激しい婦人服の方へと手を広げられるかについては各社まだまだ慎重に見ているようです。

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November 03, 2006

伊藤忠商事、ジャヴァHD株取得で考える今後の商社の役割

 11月2日の繊研新聞、3日の日経MJに、総合商社の繊維・アパレル部門ではNO1企業の伊藤忠商事が、「ロートレアモン」や子供服の「ベベ」を展開するジャヴァグループの持ち株(HD)会社、ジャヴァHDの35%の株式を取得したとの記事が掲載されています。投資額は100億円超に上ると見られているとのことです。

 ジャヴァグループの06年2月期の売上は602億円、経常利益81億円と立派な業績。伊藤忠は投資にあたって、OEM営業部隊の部門長、部長、課長クラスを3人役員として送り込んだとのことです。
 この投資の背景には、創業者の細川会長(65歳)の後継者問題があるようで、今後の商社の役割のひとつを占う案件になりそうで注目しております。

 商社のアパレル部門は、これまで、アパレルメーカーや小売チェーンの生産を請け負う業務(OEM生産管理代行ビジネス)やブランドライセンス事業が主軸でしたが、SPA化などによるマーケットの変化、勝ち組アパレル関連企業の財務体質の向上、中間業者排除などにより、従来のビジネスのジリ貧、採算悪化、また、その役割が失われつつあります。

 そんな中、小売やアパレルなど、より川下の流通企業への資本参加を行うことにより、新たなビジネスモデルを確立しようという動きが出始めています。住友商事はもともとそんな発想が強いですし、伊藤忠商事も「いまやライバルは投資ファンド」という旗を揚げています。

 成長性のある企業や事業再生の必要な企業に投資ファンドが資金をつぎ込む話はよくありますが、事業そのものを成長、立て直せるのは当然、人であり、資金はあっても人材がいないという話はよく耳にします。そういった意味で今後も後継者難や事業再生の必要は続々と出てくるでしょうし、そんな企業に対し、優秀な人材付きで商社が投資する話は大いに歓迎されるのではないかと見ています。

 人材豊富な商社がこれまでのリスクヘッジ体質から脱皮し、リスクを張った人材投資が始まる時、業界もまた活性化するのではないか、と今後の商社の腹のくくり方に期待しております。

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 関連エントリー-住友商事の地に足のついたライフスタイルリテイル事業
 関連エントリー-進化する商社の役割

 関連エントリー-見直し迫られる商社のOEM生産ビジネス

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October 28, 2006

しまむら1000店舗突破、いざ都市部攻略へ

 10月27日の日経新聞、日経MJ、繊研新聞各紙が一斉に、10月26日の3店舗の出店をもって、1002店舗と、1000店舗を突破した、しまむら社の「ファッションセンターしまむら」の記事を取り上げています。

 日本のファッションチェーン、単一業態で1000店舗達成はもちろん初の快挙になります。すばらしいですね。

 02年に沖縄に出店して47都道府県に出店を果たし、東北や北関東のいくつかの県では、衣料消費マーケットシェアの10%を占め、地方では知名度が高く、東証一部上場、ユニクロと並んで、ファッション業界のもっとも優良企業のひとつであるしまむらも、都心部ではそれほど知名度がありません。

 それもそのはず、ファッションセンターしまむらは、地代家賃の安い郊外ロードサイド立地の人口10万人商圏、売場面積300坪、年商3.5億円、ローコストオペレーションをフォーマットにしているため、これまで東京、大阪の都心部にはほとんど出店しておりませんでした。

 それを数字で表したものがしまむらの18年2月期決算概要 の10/14ページにあります。

 しまむらの衣料マーケット全国シェア平均は4.43%。福島県の14.30%を筆頭に山梨県、群馬県など6県では県のシェアを10%以上獲得している計算になりますが、東京都は0.74%、大阪府は0.67%。東京は23区では足立区に2店舗、江戸川区に1店舗という状況。

 業界では、マスマーケットでの単一業態の出店余地は1200店舗と言われており、同社も当初はそのあたりを目標にされていたようですが、1000店越えを果たし、各紙記事中の野中社長のコメントでは、「都心部の出店を考えれば2000店舗も可能、今後、グループ全体で年間100店舗出店する計画のうち東京、神奈川、埼玉で20店舗は出したい」としています。

 そのため、26日に出店した店舗のひとつ、ホームズ葛西店(東京)では、感度の高めのファッション衣料と服飾雑貨、靴のみに品揃えを絞った実験をしているとのことです。同社は、数年前から、すでに既存店でも、VMDやファッションの先取りの実験を繰り返しており、商品によっては、多少高額品も売れる、と自信を得ていると聞いています。

 確かに、都心のど真ん中でなくても、首都圏近郊地域にホームセンターやスーパーが核になったパワーモールの出店余地はあると思いますし、既存の駅前不振SCも少なくありません。

 キーになるのは、しまむらの都心型ファッション衣料マーチャンダイジングが、

 ○郊外では10万円を切る月坪当たり売上をどこまで引き上げられるか?
 ○集客力を見込んだSC誘致で、家賃比率をどこまで抑えられるか?

 にかかっていると思います。

 これは面白くなってきましたね。

 都心部でユニクロおよび低価格業態のジーユー(g.u.)、大型店の実験を始めているハニーズ、そしてファッション衣料に絞ったしまむらの都心型フォーマットの激戦がカジュアル衣料のさらなる低価格化を引き起こすか?

 勝敗はもちろん、「安さ」だけではなく、イメージ戦略も含めて、生活者に、「安いけど悪くないよね」と言わせることだと思います。 

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 関連エントリー-しまむらが都心部に攻め込む日

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October 13, 2006

イオン、ダイエー&マルエツ株取得で流通王者へ大手!

 本日の日経新聞の一面は、先だってダイエー再建に向けて優先交渉権を獲得したイオンと丸紅・ダイエーの3社間の今後の提携交渉の骨子についての記事でした。
 
 交渉内容は
 ○丸紅がダイエー株15%をイオンに売却
  (これによりダイエーへの出資比率は丸紅44%、イオン15%)
 ○ダイエーがマルエツ株20%をイオンに売却
  (これによりマルエツへの出資比率はダイエー37%、丸紅30%、イオン20%)

 その上で食品、衣料の商品共同開発や物流・システムの共同利用、商品共同仕入れが提携内容に盛り込まれている模様です。

 先週業界の予想通り、イオンへの優先権があっけなく決まった時には、イオンがマルエツの株30%を要求して、イオンの発言力が高まることを懸念した丸紅が難色を示した内容の興味深い報道がありましたね。その際は、「さすがイオンの交渉上手」と思いましたが、取り急ぎ、交渉を進めるにあたってはイオンが一歩引いた?形になったのでしょうかね。来年3月末に譲渡額を決定とありますが、これからの交渉も見ものです。

 流通業界各社のここのところの業績トレンドは、GMSは厳しく、食品は堅調。したがって、イオンのねらいはダイエーそのものの再建よりも、

 ○手薄な首都圏基盤の食品スーパー、マルエツ取得

 ○まちづくり三法改正をにらんだダイエーの都心部物件のSC開発

 ○イオン中長期計画売上7兆円に向けての数字合わせ

あたりにあるのでしょうね。

 来年3月までの、流通最大手イオンと総合商社丸紅の日本流通史上最大の綱引きに注目です。

 関連エントリー-イオンが握る?ダイエー再建第二幕のゆくえ

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October 06, 2006

クイーンズ卑弥呼にシンエイが商品供給

 10月5日の繊研新聞、6日の日経MJに、婦人靴SPAの卑弥呼が展開する大きいサイズの靴専門店「クイーンズ卑弥呼」に、百貨店のミセス靴売場に強い靴卸のシンエイ(スポーツ大手を除くと業界3位)が商品供給することに関する記事が掲載されています。

 記事によると、ヤング、キャリアに強い卑弥呼とミセスに強いシンエイ、両社の業務提携に向けての第一弾のようで、今後、流通再編、百貨店靴売場のリストラなどが進む靴業界で、売場から生産までその提携を模索するとのことです。

 以前ブログでもモデルサイズの靴(=24.5cm以上の婦人靴)はニッチマーケットであることを取り上げましたが、実際のところ生産・在庫リスクは否めないこのビジネスに、シンエイのハイセンスなミセスの商品が加わることによって、リスク分散と幅広い客層を取り込みながら、今後の展開に弾みをつけようという狙いのようです。

 話は変わりますが、先日、親しくさせて頂いている靴業界の社長さんとお話をしました。話はいつも「業界の課題」に行き着きます。

 ご存知のように、日本の靴ビジネスには産業保護のために輸入関税割当(TQ)という大きな輸入規制、参入障壁があります。ストレートに言うと、既得権益としてのTQを持っている会社以外には、革靴の関税率は法外に高いということです。紳士靴のように、スポーツシューズにかこつけた逃げ道のない婦人靴はこの影響を真っ向から受けます。この規制は時代に逆行してますます厳しくなっている模様です。

 産業保護はわからないでもないですが、それゆえに、靴メーカーが自由な流通ができずに弱体化し、再編が必要になり、また生活者が欲しい商品を納得のいく価格で買える機会が損なわれるというのは、いかがなものかな、と常々思っています。

 関連エントリー-大きいサイズの靴、クイーンズ卑弥呼
 関連エントリー-顧客は靴売り場に何を望むか?
 関連エントリー-片足陳列か、両足陳列か?
 
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September 07, 2006

イオンが握る?ダイエー再建第二幕のゆくえ

 9月7日の日経新聞や繊研新聞は、またもや6日に大型店大量出店など今後の事業戦略を発表したファストリ(ユニクログループ)の記事で持ちきりですが(ところで、ファストリの新ロゴ、どこかの新聞社の旗みたいですね)、日経新聞の記事では、柳井会長は正式にダイエーへの出資を否定されていました。

 さて、各メディアによると、丸紅は10月までに今後のダイエー再建の支援パートナーを決めるべく、今週からイオンとウォルマートそれぞれと本格的な交渉に入るとされています。

 先週、今週と何人かの業界企業幹部の方々とお話をする機会がありましたが、当然のことながら、この巨大流通企業再建第二幕の話が毎回の話題に登りました。大方の見方を整理すると、以下の通りといったところでしょうか。

○やはりイオンが本命。今、日本でダイエーの再建を実現できる企業はイオンしかないであろう。
○報道では丸紅が「選ぶ」立場にあるように写るが、焦る必要のないイオンはじっくり精査の上、交渉に臨むことができる。単独では再生の難しい丸紅の足元を見る可能性は大。
○丸紅が結論を急げばウォルマートに落ちる可能性も。しかしながらその後、再建第三幕の必要性も。

結論、交渉の長期化とイオン主導で進むのではないか、との見方が強かったですね。

約17.4兆円と言われているスーパーの国内市場規模の中で、パートナーがイオンになればグループ売上高6.1兆円(シェア35%)、ウォルマート=西友になれば同2.6兆円(シェア15%)と、いずれにせよ、卸を含めた業界再編の幕を引くのは間違いなさそうで、業界としては目が離せませんね。

関連エントリー-ダイエー営業再生の本命はユニクロ?

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September 01, 2006

良品計画がイデーを買収

 9月1日の日経新聞に無印良品を展開する良品計画がインテリア&空間プロデュースでおなじみのイデーの株式の8割を買収し、子会社化するとの記事が掲載されています。買収額は4-5億程度と見られているとのこと。

 いよいよ「無印」が「ブランド」事業を手がけるということで、注目ですね。

 イデーはシンプルながらスタイリッシュで日本のデザイン家具の代表格として、青山骨董通りのお店はチェックしていましたが、移転、新装開店のための閉店になっており気になっておりました。

 イデーホームページ

 聞くところによると、いろいろリストラが進んでいたようですね。DCブランドのニコルや目黒通りのホテルクラスカを買収した岐阜の量販系大手アパレルメーカーの美濃屋がイデーの残りの20%の株式を持っているそうです。

 良品計画であれば、低価格とは言え、こだわりのある会社なので、いいシナジー効果を発揮しながら再生していかれるのではないか、と今後の展開を期待しています。

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August 22, 2006

ダイエー営業再生の本命はユニクロ?

 今週の日経ビジネスの特集記事は「偽りの再生、ダイエー浮上せず、最後の救済者はユニクロ?」という興味深い見出しの内容です。

 先日、産業再生機構が丸紅に株式売却を発表してから続投宣言していた樋口社長が突如退任を表明し、本日(22日)の臨時取締役会で正式に決定されることになりました(但し樋口社長は顧問として残る模様)。

 その理由は、ここのところの新聞紙上では樋口社長の後盾であるアドバンテッジパートナーズの役員の退任や丸紅と戦略上のソリが合わないことなどいろいろな憶測がされていますが、定かではありません。

 樋口社長の後任は丸紅から役員クラスがお見えになるようですが、産業再生機構がリストラで一時的に改善した損益を、商社の丸紅が単独で小売業の営業再生ができるとは誰も思っていないでしょう。

 今回の日経ビジネスの記事では、営業再生を担うパートナーとして、近い将来アドバンテッジパートナーズの持ち株を譲り受けるであろう企業として、かつてダイエー再建の入札に参加し、再生機構が流通バランスが崩れることを恐れて避けたイオン、外資に渡すのを嫌って外したウォルマートなどの大手流通系企業の名前が挙がっており、その中でも「ユニクロが本命?」という部分には興味がそそられます。

 柳井会長と樋口社長の個人的な親しさ、ダイエーの衣料売場再生の切り札として手がけ始める新業態のジー・ユー、丸紅はユニクロの主要仕入先・・・説明はいくらでもつきます。

 2010年グループ年商1兆円を目指すファストリの長期経営計画の中で、何百億円規模の企業買収もこれからいくつもあるとも限らないし、一気に大手をかける大物といってもいいでしょう。ファストリの1000億円を越えるキャッシュフローは、資本参加の裏づけの信憑性も十分あります。

 また、柳井会長が日本の流通革命の大先輩として、ユニクロ発足当時から故中内功さんを強烈に意識しているのは有名なところ。記事に中内さんの追悼集会での柳井会長のスピーチ内容が掲載されていますので引用しましょう。

 「(ダイエーの中内さんは)メーカー主導の世界から消費者主導の世の中へと作り変えようとされてきたわけです。(中略)その遺志は我々小売業者の後輩が引き継いで必ず日本の小売業を顧客最優先のリーディング産業にしないといけないと思います。」

 この言葉には本気を感じます。イコール、ダイエーを引き継ぐという意味ではないと思いますが、そもそも柳井会長が掲げる年商1兆円も、もともとダイエー中内さんが初めて成し遂げた偉業であり、その後、日本のビッグストアを標榜する小売業のオーナーがゴールとしている年商規模でありましょう。

 ユニクロ側はこれについて入居する方針はあるが、今のところ考えはない、とコメントしているとのこと。そうですね、おそらく、同社もファッション企業として1兆円を目指すはずなので、私も営業再生のいちパートナーとしてはありえても、テイクオーバーするまではどうかと思いますが、とても興味深い内容でした。

 また、同記事には、なぜ産業再生機構が、前倒しして丸紅に株を売却したのかについての裏話もありますのでご興味のある方はご一読を。

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August 20, 2006

コナカとフタタの経営統合に見る日本的M&A

 AOKIのTOBによる経営統合案に端を発したフタタをめぐるコナカとAOKIの統合提案合戦は、18日にフタタがコナカ案を取り入れ、AOKIが統合案を取り下げたことで決着がつきました。

 AOKIが経営統合案を提示してから日経新聞始め、各紙で毎日のようにその動向が取り上げられており、その記事を興味深く追っていましたが、結論は株式公開企業同士でありながら、創業家企業による極めて日本的でわかりやすいものだったような気がします。

・フタタの創業者、二田相談役(二田社長の父)は二田社長(息子)が世代的に共感してコナカと業務提携したにもかかわらず、業績が目に見えて改善しない状況、そのスピードに業を煮やした。

・二田相談役(父)は、旧知のAOKIホールディングス青木社長に相談し、AOKIは株式市場の原理を利用したTOBによる経営統合、子会社化を提案をけし掛けた。

・経営統合、多角化といった革新経営に手馴れたAOKIは、リーズナブルな提案を行った。

・あわてたコナカは株式交換による経営統合、子会社化を正式にフタタに提案した。これにより、フタタは同社と株主の利益を考え、二つの選択肢のうち、どちらを取るかの選択に迫られた。

・株式会社の論理から言うと発言力がないにもかかわらず、二田相談役(父)は、中途半端ではない結論が出る直前までプレッシャーをかけ続けた。

・フタタはコナカ・フタタサイドと言える銀行をアドバイザーに役員会議でソフトランディングと言えるコナカを選択した。

・AOKIは紳士的に提案を取り下げながらも、提案の正当性を誇示した。

こんなストーリーでまとめた方も少なくなかったのではないか、と思います。

おそらく創業の父も少しは親心からホッとされていたのではないか、と想像しますし、二世経営者同士が出した結論にエールを送った青木社長の一枚も二枚も上手の役者ぶりも印象的でした。

今回の一件で特に象徴的だったのは・・・

○カリスマ創業者の二世社長への親心と苛立ち

○二つの選択肢から買収される側が選ぶM&Aの事例

○AOKIとコナカ&フタタの社内外の戦略ブレーン層の厚さの違い

でした。

 私も一時、気迫のカリスマ創業者と二世経営者に仕えた経験から今回の結論に妙に納得しながらも、株式市場の原理に問えない日本の公開企業のあり方に少し考えさせられる部分もありました。

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August 13, 2006

アパレル業界でM&Aが急増

 今週のアパレル業界の話題は紳士服専門店チェーンを核とするAOKI(アオキ)ホールディングスによる同業フタタへのTOB、子会社化提案で持ちきりだったと思いますが、それに関連して、8月11日の日経新聞に、急増する業界のM&Aについての特集記事が掲載されており、興味深く読んでおりました。

 創業者によるオーナーシップ経営、創業家同士の親密な関係、あえて付け加えると創業者と二代目の微妙な確執など、経営体質に独特の古さと閉鎖性を残すアパレル衣料専門店業界。創業者は、その危機感から、「万一に備え」、利益を蓄積し、借金はできるだけしない経営を徹底します。手形を振りながら、日銭を稼ぐ小売業ならではの回転差資金活用術、利益剰余金の積み上げ方は異業種から見れば特異に見えるのかもしれません。

 モノ言う株主、村上ファンドが利益配当を迫った東京スタイルの一件あたりから、業界でも、利益余剰金の使途をめぐって、経営者の目を、飽和気味なマーケットの中での成長戦略ともあいまって、積極的な投資、M&Aへと向けるきっかけになったのは間違いなさそうです。東スタはその後、セレクトショップのナノユニバースや、カリスマストリートブランド、ステューシーの日本代理店ジャックコーポレーションの買収へと動きましたが、まだまだ次世代を見据えた本来のキャッシュフローを活かした本格投資とは言えそうにないような気がします。

 もっとも、M&Aは手段であって、垂直あり、水平あり、目的も違うし形もいろいろあると思います。

 ユニクロを運営するファーストリテイリングの昨今のM&A戦略は、マーケットの国境を越えたビジネスの拡大と将来を見据えたダイナミックな新時代のM&Aに見えたりします。

 一方、今回のAOKIとフタタのケースは、記事が指摘するように、ジリ貧マーケット内でのシェア争い、創業家同士、世代間の関係、古い体質を引きずりながらも、業界の典型的な縮図が赤裸々に見える今後の業界内のM&Aを占う興味深いものになる事例のひとつにもなりそうです。

 いずれにせよ、株式公開企業は新株発行、株式交換という、「造幣局的」機能を武器に、力の論理と新しい企業価値の創出を、一方では株式市場の論理で買収の標的にもなりながら・・・成熟市場と言われ久しいですが、これからも業界で、キャッシュリッチな企業を取り巻くさまざまな買収劇が起こりそうです。

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August 06, 2006

ファストリがHKジョルダーノに買収提案

 8月5日の日経新聞にユニクロを展開するファーストリテイリングが香港のファッションSPA最大手、ジョルダーノ・インターナショナルに買収提案をしたという記事が掲載されていました。

 その後、インターネットを中心にニュースを追っていましたが、どうやら、ファストリが香港株式市場でジョルダーノの株式買付計画を画策して、4日に、同株式が売買停止に至ったことによって、明るみになった話のようです。

 ジョルダーノへの買収提案は複数企業から来ており、ファストリもその1社、ファストリ側もジョルダーノ側もその後、事実を認めており、ジョルダーノ側は、検討する立場にない、と拒絶した模様です。

 ジョルダーノは、欧米企業からアパレル生産を受託していたメーカーが、その蓄積したノウハウを活用して1981年に香港でスタートしたベーシックカジュアルのSPA企業(いわばアジアのGAPです。SPA化した今でもメーカー・卸事業は継続しています)。現在、アジア・オーストラリア・中東など31の国または地域に約1600店舗を展開。売上は44億HK$ですから、日本円で700億円弱でしょうか。アジアではSPAの先駆けであり、ユニクロ自身もその創業時にベンチマークした企業の一社です。日本にも22店舗ありますからご存知の方も多いはず。私もそうですが、香港に出張されたことのある方は、着替え用インナー購入などでお世話になった人も多いのでは・・・

 1600店舗のうちの約650店舗が中国にあり、一店舗あたりの規模は大きくありませんが、もし、ユニクロがジョルダーノを傘下に収めれば、アジア市場に大きな足がかりができるのは間違いありません。

 ファストリは、てっきりM&Aに関しては、日本国内と欧米に目が向いてるとばっかり思っていました。アジアにも目を向けていたのは、正直盲点でありました。

 香港には、ボッシーニやG2000など他にも大手SPAはありますので、今回の顛末に関わらず、ファストリは果敢にアジア企業の買収も視野に入れてゆくのだなと思いました。

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August 04, 2006

丸井出店が熱くする都心百貨店改装ラッシュ

 8月4日の日経新聞に、東京銀座地区での百貨店の新規出店・増床・改装計画関連の記事が掲載されています。

 景気回復で息を吹き返した百貨店各社は、今年から2010年くらいまでの間に各地で改装・増床計画を打ち出しているのは、以前からこのブログで何度も触れていますが、東京・銀座地区での目玉はやはり、有楽町のマリオンと交通会館の間に来年(2007年)新規出店をする丸井有楽町店でしょうか。

 丸井有楽町店についての丸井リリース資料16ページ参照

 また、丸井は、今年の9月に大阪地区初出店となる「なんばマルイ」を高島屋の目の前に新規出店、関西都心部に殴りこみをかけます。

 百貨店は都心駅前立地に大規模で出店するだけに、これからは、なかなか新規出店は少なく、改装、増床が中心になると思いますが、丸井の動きは、いい起爆剤になりそうですね。

 従来の百貨店を支持したシニア・アダルト層の後に、丸井で育った世代が消費リーダーとして台頭するのも時間の問題。百貨店離れをした世代を百貨店に呼び戻す上でも丸井の都心部での活躍はとても興味深いところです。 

 関連エントリー‐2010年、大都市商圏がおもしろい

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June 21, 2006

住友商事が伊勢丹からバーニーズを買収

 本日の日経新聞や繊研新聞によると、総合商社の住友商事は、ファンドと共同で、百貨店の伊勢丹から、アメリカの高級ファッションスペシャリティストア「バーニーズニューヨーク」を日本で展開する子会社バーニーズジャパンを買収すると発表しまいた。出資比率は50.1%が住友商事、残りがファンドです。

 住友商事関連プレスリリース

 06年2月期のバーニーズ・ジャパンの損益は、前期の5300万円の赤字から3億9100万円の黒字に転換しており、1989年のオープン以来、17年間育ててきた「バーニーズ」のブランドを手放すのは、伊勢丹としても口惜しいとは思います。 しかしながら、これから始まる首都圏を舞台にした百貨店改装増床戦争を前に、本業への集中投資を選択したとのこと。新宿本店メンズ新館改装の大成功を受けて、来年以降 本館も数百億を投資して改装すると聞いていますので、二兎は追えないとの判断でしょう。

 伊勢丹だからこそ守り続けた「バーニーズ」のブランド価値だと思いますし、「バーニーズ」を舞台に、世界的に活躍されている田代さん、勝田さん、藤巻さんのような人材も輩出した歴史もありますしね。伊勢丹さんに対し、まずは、ご苦労様でした、と言いたいところです。

 それを受け継ぐ住友商事も興味深いです。以前もブログで紹介しましたように、同社はこれまで、リテール・ブランド戦略については、単なるブローカーではなく、「価値を磨く」姿勢、ノウハウ、実績を蓄積した商社だと思っておりますので、コーチ同様、総合力を投下して、じっくり日本での企業価値を上げたうえで、将来、ふさわしい企業にバトンタッチしていただければ、と思っています。

 ふさわしい企業・・・コーチのようにアメリカ本社独資のジャパン社?それともユナイテッドアローズってのもありえるかもしれませんね。 

 関連エントリー‐住友商事の地に足のついたライフスタイルリテイル事業 

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June 06, 2006

進化する商社の役割

 6月5日の日経MJに伊藤忠商事、小林社長のインタビュー記事が掲載されていました。
 
 同社は総合商社ではありますが、ファッション流通においてもっとも影響力のある商社として、業界でもその戦略が注目されている企業です。

 同社長がおっしゃるように、かつての商社の機能の三本柱は、「通訳、海外情報の収集、商社金融」。しかしながら、情報化とともに、時代も移り変わり、「インキュベーション、コラボレーション、インベストメント」といった、リスクヘッジスタイルから、リスクをもって「主導権」を取るスタイルへの脱皮がこれからの商社の生き残りのキーポイントになっているという戦略は、全く的を得ていると思います。

 以前読んだ、繊研新聞の商社首脳インタビュー特集などでも、多くの商社がSPA企業との取り組みやOEM生産など、いわゆるメーカー機能強化を第一に上げているのに対し、同社は、ライバルはOEMメーカーや他の商社アパレル部門ではなく、投資ファンドであることを色濃く出していたのが印象的でした。

 ここ数年の同社、繊維カンパニーの動きは、徹底したブランド商標権取得。欧米著名ブランドの本社買収、日本の商標権取得、独占販売代理契約などなど、かつてイタリアンファッションブームの時にアルマーニなどの日本導入で成功をされた方がカンパニープレジデントとして指揮をとって圧倒的な勢いで、マーケット囲い込みをかけているのが感じられます。

 ファッションビジネスの最大の資産のひとつは、商標権だと思います。それに対して、資金と人材を集中投資している伊藤忠商事。以前、リテール事業に集中投資している住友商事の事例もご紹介しました。なかなか商社の動きは、生活者には見えてきませんが、時代とともに進化する商社の動きを見ていても、半歩先の流通の未来が見えてくるかもしれません。

 関連エントリー-住友商事の地に足のついたライフスタイルリテイル事業

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May 17, 2006

しまむら参戦で郊外靴流通が熱くなる

5月16日の日経新聞に、ご存じ日本最大、グループ1200店舗超のファッションチェーンストアー「しまむら」が、靴専門1号店を激戦西東京青梅地区に出店して、チェーン展開に乗り出したことに関連する記事が掲載されています。

 記事によると、店名は「ディバロ」。中国への委託生産、輸入販売をするパンプス、サンダル、ミュール、スニーカーなどを130坪の売り場(しまむらの半分以下)で展開、100店体制をめざすとのことです。
 注目の価格はサンダル1000‐1900円、本革2900‐3900円など百貨店価格の1/10を想定しているとのことです。

 しまむらは、分社化しているジーニングカジュアル業態、アベイル(150店舗、年商330億円)やしまむら本体でもこれらの靴の販売はウォーミングアップ済で、これから東京靴流通センターのチヨダ、ABCマート、ユニクログループのワンゾーン、イオンのニューステップとツルヤ(アスビー)連合、イトーヨーカドーが展開を始めたフットキューブなどとの郊外靴流通戦争に参戦することになります。

 しまむらの勝ち目は?・・・大いにあり、と見ました。その理由は

1.ファッショントレンドに合わせた生活者の履物購買頻度は高まっているにもかかわらず、靴業界のMDサイクルは対応が遅れていること。しまむらは衣料同様一回投入、売り切り、新しい商品を次々に被せて行く手法を取るそうです。

2.しまむらのサイズ在庫管理のノウハウや店間移動のインフラは、ハイスピードで売り場の鮮度を維持し、既存靴流通の商品回転をはるかに上まるであろう。最大手のチヨダですら、ようやく最近POS導入を決めた状況。

3.ローコストオペレーションによる低価格の実現。しかし本革となると輸入規制=関税輸入割当(TQ)問題が懸念されます。もっとも、ファストファッション的品揃えであるならTQの影響を受けない「合皮(ケミカル)」で十分かと思います。
一方、スニーカーはある程度NB(ナショナルブランド)に頼らざるを得ないと思いますが・・・。

4.しまむらの他業態(アベイル=ヤング、メンズ、キッズ、バースデー=ベビー、シャンブル=生活雑貨)との共同出店で自前ファッションパワーセンターの完成。これから開発が加速する他の近隣型SCやSuCに負けない集客力がつく?

後発ながら婦人ものを核にしたダークホースにして本命になりうる企業の参入で、郊外靴流通再編の役者がそろった、という感があります。

 関連エントリー‐靴業界にも大きな再編の波が

 関連エントリー‐ABCマートが低価格のNBスニーカー販売


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May 12, 2006

リヴァンプのユニクロ流効率経営とは?

 今週の日経新聞、繊研新聞、日経MJ各紙で流通企業専門の企業再生請負会社、元ユニクロ幹部コンビが設立したリヴァンプがゴールドマンサックスと共同で、帽子・ネクタイ・マフラーなどの服飾雑貨の百貨店向けブランドライセンス商品を中核に卸売りを行うアルプス・カワムラの株式の100%をテイボーから取得し、10日付けで買収したと報道する記事が掲載されていました。

 役割分担としてはゴールドマンサックスが資金を、リヴァンプが経営支援を行うわけですが、リヴァンプが乗り出す時にいつものように紙上に登場する「ユニクロ流」とか「ユニクロのノウハウ」という言葉がとても気になります。

 今回も、アメリカのMBAを取得された優秀なプロスタッフによる本格的ターンアラウンド(企業再生)のようですから、定石どおり、債務整理(本件はあるのかどうか存じ上げません)、在庫ポジション、価値の的確な把握などを行った上で、勝てる営業再生への転換、株式上場あるいは事業売却が王道でありましょうが、マスコミが言うどんな営業再生が「ユニクロのノウハウ」なのかがとても興味深いところです。

 以前代表のひとりである澤田さんがインタビュー記事で「マーケティング」を強調していたのが印象に残っています。

 ユニクロがマーケティングにふんだんに投資が出来たのも、アパレルメーカーを飛ばして商社ファイナンスを利用して大量に中国生産を行い、店頭では、低価格ながら高い収益性で叩き出した利益高とキャッシュフローから捻出された広告宣伝予算が背景にあったのは間違いありません。
 また、澤田、玉塚両氏も業界では秀でた指折りの経営幹部であったことは間違いありませんが、現実的には、柳井会長の意思をよりアカデミックに、的確に現場に落とすという役割にすぐれていた存在だったと思います。

 ご本人たちは、マスコミで「ユニクロ流」とか言われるのをどう思っていらっしゃるのでしょうか。当初は、名刺代わりに使えるかもしれませんが、実は、歯がゆく思っているのではないかと思うことがあります。企業再生は、きれいごとではなく、地味で、いや、泥臭く、ある意味、人間不信にも陥りがちな命がけの仕事だと思いますから。

 いずれにせよ、ロッテリア、フージャース、トークツ、アルプスカワムラ・・・事業はスタートしたばかりです。業界のよき先輩として、「リヴァンプ流」の背中を見せていただけることを期待しています。

 関連エントリー-元ユニクロ首脳が企業再生ファンド共同設立

 関連エントリー-靴業界にも大きな再編の波が


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May 11, 2006

ワコールHDがピーチジョン(PJ)と資本業務提携

 5月11日(本日)の日経新聞、繊研新聞によると、婦人下着大手のワコールホールディングスは、ピーチジョン(PJ)の発行済み株式の49%を取得して資本業務提携を決めたと発表したとのことです。6月2日付で野口正二会長(野口美佳社長の元旦那さん)が持つ全株式を取得するとのことで、残りの51%は引き続き野口美佳社長が所有していますので、主導権は野口社長のままで変わりなさそうです。

 PJは、正式な情報はありませんが、20歳前後の客層を中心に、現状、売上170億、経常利益30億を上げ、カタログもネットも店舗も好調の模様で、飛ぶ鳥を落とす勢い。ワコールは、30-50代の客層を中心に、既存のビジネスの伸びなやみがあるものの、老舗、大手としての信用、インフラを持ち、多事業体制に柔軟なホールディングカンパニー形式を取っています。
 
 PJは、野口社長の男前経営論、キャラクターと行動力で、ここまで見事にブランディングをし、ぐんぐん業績を伸ばして来ましたが、一方では、業界では品質や在庫管理に課題があるとも言われていました。 
 諸事情は判りませんが、今後、PJが企業としてブラッシュアップして、株式公開も狙える、資本業務提携のタイミングとして、絶妙なのではないか、と思います。

 野口社長の「よさ」を殺さずに伸ばせば、相乗効果あり!両者の強みを上手に発揮しながら、これからも生活者に楽しいインナーファッションを提供していってもらいたいと思います。
 
 ますますがんばれーS40生まれの同年代の社長!

 関連エントリー‐ピーチ・ジョン(PJ)が贈る最強の谷間

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May 08, 2006

靴業界、問われる顧客との距離

 本日、5月8日の日経MJに月星化成、アキレスといった大手靴メーカーが販売子会社の統廃合に乗り出すことに関する記事が掲載されています。

 月星は、昨年すでに販社から本体に商品在庫を今年7月には営業権も引継ぎ、アキレスも3年かけて段階的に商品在庫を移管するとのこと。両社のねらいは、もちろん、企画生産と営業の一体管理による店頭情報の把握と機会損失の極小化になります。

 靴業界は、その流通に販売会社など問屋がかなり介在しているケースが多く、今回の大手2社の動きは、業界の流通構造を、スポーツシューズ業界をも巻き込んで大きく変える動きになりそうです。

 この背景には、

 ○今まで販社が手厚く支援をしていた中小小売店が大手チェーンや大型SCにより
  加速度的に減少、
 ○ABCマートやワンゾーンなどバイイングパワーのある大手チェーンが
  メーカーとの直接取引、タフな価格交渉を開始していること

 などがあり、販社の存在意義が問われているものです。

 いずれにしても、上記の「ねらい」のところで指摘したように、川上のメーカーサイドから流しっぱなしの時代は終焉を迎え、マーケットや店頭の変化への機敏な対応が雌雄を決する時代。靴業界の流通再編はこれからです。

 関連エントリー‐靴業界にも大きな再編の波が

 関連エントリー‐ABCマートが低価格のNBスニーカー販売

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April 20, 2006

ファストリがキャビンを傘下に

 本日の日経新聞、繊研新聞によると、ユニクロを展開するファーストリテーリングは、再建中の婦人服専門チェーンのキャビンの25.7%の株式を大和SMBCプリンシパル・インベストメンツから取得し、グループ傘下に収めることを発表したとのことです。

 ご存知、キャビンは、80年代、90年代、鈴屋、鈴丹などとともに、日本全国の主要ファッションビルで多業態による幅広い客層の取り込みにより、全盛を極めました。

 その後、急激な多業態化による拡大と高経費率体質から抜けきれず、フットワークの軽い新興SPA企業や、RIOやハニーズといった、ワンランク安いSPA企業に押されてしばらくの間赤字を計上していましたが、06年02月期決算では久々に黒字化したとのこと。一時期は、400店舗以上あったのでは、と思いますが、現在は、ザジ、アンラシーネ、e.a.p(イーエーピー)などの業態で全国190店舗ほどの展開で年商252億円。

 今回の株取得により、ファストリは、キャビンのレディース商品&専門店ノウハウと日本全国のファッションビルの立地での販売情報を、キャビンは、ユニクロの生産背景や、今後期待の持たれる勝田さん率いる世界のファッションデザインソースを活用できるのかと思います。

 以前もブログでコメントしましたが、ユニクロの今後の成長の本命はレディースだと思います。今回のキャビンの株取得は、キャビンが一時期よりも規模が小さくなったとは言え、活用次第で、ファストリ1兆円構想の大きなプラスになるのではないが、と見ています。

 関連エントリー‐ユニクロ6000億円達成に必要なこと
 
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April 08, 2006

無印良品、ポイントサービスでCCCと提携

 4月8日の日経新聞によると、無印良品を展開する良品計画は、TSUTAYAを展開するカルチャーコンビニエンスクラブ(CCC)と提携し、TSUTAYAの会員が無印良品でお買い物をするとポイントが100円につき1ポイントが付与されるサービスを始めると発表しました。4月19日から神奈川県内の直営店で実験した上で来年1月から全店に広げる予定とのこと。

 良品計画のMUJI CARDの会員は64万人に対して、TSUTAYAは、同社ホームページによると1900万人超(これは累計か、年会費有効期限内会員数かどうかは不明)。これにより、良品計画としては、これらのTSUTAYA会員を無印良品へ動員するメリットが得られます。

 一方、CCC側は、異業種同盟結成により、業界を超えた発想で、顧客囲い込みを行うべく、100%出資の関連会社に集積される「横串」の顧客購買情報をマーケティング事業に利用することを目的にしており、今回、全国チェーンの新しい、特に女性に強い企業パートナーを獲得したことになります。

 同社のポイントシステム Tポイントのホームページのポイントが貯まる加盟店を顧客の利便性の視点から整理してみますと

ソフトレンタル・・・ TSUTAYA
コンビニ・・・ ローソン
銀行・・・ 三菱東京UFJ
クレジットカード・・・ DC、 UC
紳士服・・・ 洋服の青山、ザ・スーツカンパニー
カジュアル生活雑貨・・・ カジュアルランドあおやま(旧キャラジャ)、無印良品(*)
飛行機・・・ ANA
ホテル・・・ 東急ホテルズ
アミューズメント・・・ ワーナーマイカルシネマズ、カラオケゆー坊
外食・・・ ガスト、白木屋、ピザハット
ガソリンスタンド・・・ ENEOS
カメラフォト関係・・・カメラのキタムラ、55ステーション

となります。こう見ると、今回の無印良品はそこそこ大きな前進になるかもしれませんね。

生活者として望むべくは、あと、本屋、大手CDチェーン、家電量販(むしろカメラ量販店がいいかも)、スーパーマーケット(GMS)、ヘルス&ビューティ系・・・購買頻度はそれほど高くないけれども、靴チェーン、めがねチェーンあたりでしょうか。

 多くの企業が、ポイントカード(FSP)やケイタイメール配信を利用したCRMに効果を出せずに後退してゆく中、CCCのポイントに関するこれらの動きは、表に見えない、「裏の流通革命」として注目しています。そして、落としどころは、やっぱり、電子マネーの本命、JRのSUICAとの交換を実現して、ケイタイでの運用ということでしょうか。

 今後の加盟店獲得に注目です。

 関連エントリー-青山商事、CCCとポイントサービスで提携(05.12.16)

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March 19, 2006

セオリーがプラダからヘルムートラングの商標権取得へ

 18日の日経新聞、繊研新聞によると、セオリーを展開するリンクセオリーホールディングスは、3月末までに、ハイファッションで名高い「ヘルムート・ラング」の商標権をプラダから取得するとのこと。

 ヘルムートラングは、ご存知の通り、オーストリア出身のデザイナーブランドで、「ミニマリズム(※注)の旗手」として80年代から90年代にかけてパリコレを中心に活躍し、世界のハイエンド百貨店・専門店売場に並んでおります(日本では伊勢丹新宿・西武渋谷など)。99年プラダが51%取得、04年に完全子会社化。その後、売上もピーク時の1/3に落ち込み、赤字でプラダグループの損益の足を引っ張っていたようで、ミニマリズム再燃?の追い風にも関わらず、05年春以降のパリコレには出ず、ラング氏ご本人も05年1月に退任していたようで、今回の買収は、リンクセオリーによるヘルムートラングブランドの再生ビジネスになる模様です。同社は、2007年春夏、NYで新生ヘルムートラングを再スタートする予定とのことです。

※注 ミニマリズムとはあまり装飾をせず、デザインはシンプルながら、素材感やカットやシルエットで感性を伝えるスタイル、といったらよいでしょうか。HLの場合、素材も合繊や機能素材もよく使っていたと記憶していますが。

これからリンクセオリーがヘルムートラングをどう再生させるかの考察は、両国さくらさんのファッション・イン・ファッションで詳しくかつ興味深い展開がされているので、どうぞそちらもご覧ください。

 私も、ヘルムート・ラングは、こなし方によって、普及性、シナジー効果は十分にあると見ており、今回の買収は、セオリーにとっても、ユニクログループにとっても面白いチャレンジ、いい買物になると期待しています。

 ファストリの潤沢な資金を背景に、リッキー佐々木さん(リンクセオリーの社長)という世界のファッション戦略の通訳者をパートナーにした柳井会長のところへは、これからも面白い話が持ち込まれることになると思いますが今後も楽しみにしています。(ある日本人ブランドの権利奪回作戦もうまくいくといいですね。)

 ところで、権利を譲渡する側のPRADA(プラダ)にも興味深い話題があります。よろしかったら、本日2つ目のエントリーもお読みください↓↓↓↓。

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February 22, 2006

量販店の衣料売場で思ったこと

 22日の日経MJの1面は、関西地盤の量販店イズミヤが展開するスーパーセンター(ウエアハウス型の食品スーパーとディスカウントストアの複合店)で、好調の衣料売場についての記事でした。

 好調の要因を記事を引用していいますと、「イオンやベイシアのそれが効率追求型なのに対し」「どんな客層に何を売るか」「利益を出すために何を売るべきか」「小売業の基本である商品政策(MD)で勝負している」。具体的に言うと、かような売場では買わない婦人の売場をあえて捨て(縮小して)、紳士や子供の売場を大きく取って売上を上げているらしいです。
 
 同様に、昨年から、PBよりもナショナルブランドを主力に、メーカーさんの協力を得て好調な量販店、イズミや平和堂の記事も目に入って来ます。共通点は、「自分たちのお客が何を望むか」に取り組んでいることだと思います。

 それに対して、衣料売場改革中の大手量販店はどうして素直にこのようなことができないのか、と考えてしまいます。

 先日、家の近所に、藤巻さんのコレクション、pbiを見に行きました。最初のコレクションなので、これから試行錯誤はされ、改善されてゆくと思いますが、価格もテイストもGAPとユニクロの中間くらい、お世辞にもIYベーシックより、よい素材とはいえませんでした(どこで作ったのでしょうか)。

 土曜日の午後なのに残念ながら、売場にいるのは私だけ。偶然、売場の前で、スピーカーを肩からさげた店員がシングルラックを2本を持ってきて、岐阜メーカーの冬の中綿アウター処分1000円のタイムセールを始めました。集まって来たのは、50~60歳のおじさんとおばさん。pbiの売場に上着を置いて、1000円の中綿ジャケットを試着していました。報道によれば、pbiの狙いは、同館1階のコムサイズムにはいるような、30代のファミリーと聞いていましたが・・・ちょっと皮肉な光景でした。

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February 16, 2006

子供服ティンカーベル、トミー傘下へ

 15日の日経新聞、16日の繊研新聞によると、今年3月にタカラと合併する玩具メーカー、トミーは、子供服メーカーのティンカーベル(年商56億円)を子会社化するとのことです。
 トミーは、昨年、ベビー服メーカーの和興も買収しており、現状17億円のアパレル事業を3年後には年商90億円規模を目指す模様です。

 ティンカーベル ホームページ

 業界トップのバンダイがキャラクターコンテンツ活用事業として、アパレルグッズを含めたライフスタイル事業をすでに200億円規模にしており(アパレル単体はおそらく120億円くらいの規模と推測)、それを追撃するタカラトミーは、コンテンツだけにとらわれず、ベビー&キッズマーケットを総合的に捉え、活性化、相乗効果を目指していこうという狙いのようです。

 2児の父である私から見ると、偏見かもしれませんが、キャラクターアパレルの着用年齢は、子供がキャラクターものを着たい、と主張する小学校入学前後2-3年くらいと、それほど長くないのでは、と思われます。
 また、ミキハウスやティンカーベルのようなかわいらしさを特徴とする百貨店の常連子供服は、今はむしろ贈答用が中心なのでは、と思ったりもします。

 むしろ、DC系、やんちゃ系、アイドル系の「親が着せたい子供服」「親のデザインセンスをそのまま小さくした子供服」にアパレルSPA各社が力を入れ、郊外SC中心にファミリー需要で伸ばしている中で、今回合併する両者が、昔ながらの子供服の概念にとらわれず、今の生活者マーケットに素直に照準を当てた時にいい成果がでるのではないか、と思います。

 異業種が参入して業界が活性化することは大いに歓迎、今後の展開を期待しています。

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February 15, 2006

コクヨが輸入家具販売のアクタスを買収

 2月15日日経MJによると、文具最大手のコクヨは、13日輸入家具販売のアクタスの発行済み株式の56.3%を投資会社のアドバンテッジパートナーズ(AP)から取得し、子会社化すると発表しました。

 アクタスは、もともとミネベアの子会社として設立されたデザイン性の高い北欧家具の輸入や感性の高いオリジナルのインテリア用品の販売を手がける大型家具&インテリアショップです。80年代には、今年独資で日本再進出を果たすIKEA(イケア)の日本展開も手がけました。
 2001年にAPが株式を買い取り、アパレル大手レナウンで海外ブランドの取り扱い経験の豊富な森さんを社長に招聘し、ファッションライフスタイル視点で、今年夏の株式公開を目指していました(年商123億円;9店舗+35店舗のパートナーショップへの卸)。

 コクヨは、直近単独売上918億円、連結2835億円と文具業界ではガリバー企業でしたが、2番手のプラスがアスクル(通販)の好調により2545億円(単独553億円;アスクル1446億円)にまで追い上げてきています。文具業界の事情は詳しくありませんが、今回の子会社化で、コクヨは、一般生活者向け家具のシェア拡大、リテール販売の強化、生活者視点の感性ノウハウの吸収が、また、アクタスは、生産・卸面や財務面でメリットが出るのではないか、と思います。

 アクタスのHPによると、今回のコクヨの子会社化にかかわらず、株式公開は引き続き目指すようです。

 以前もこのブログで触れましたが、私は、今年、IKEA(イケア)日本進出により、日本の家具を含むホームファッションマーケットが大いに活性化する、と見ています。

 関連エントリー-IKEA(イケア)が日本のホームファッション業界を変える?

 アクタスも大きな後ろ盾を得て、このある意味「日本ホームファッション元年」にあたる戦線のキープレーヤーになることを期待しています。

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February 10, 2006

ダイエー、「駅前パワーセンター」への準備着々

 2月10日付け日経新聞によると、経営再建中のダイエーは、3月から衣料品、生活用品売り場(ファッション売り場)は外部専門店に委託する方針を固めたとのことです。

 以前、ユニクロを展開するファーストリテイリングと業務提携したニュースはこのブログでもエントリーさせていただきましたが、それで弾みをつけて、いよいよ、弱いところはパートナーに任せ、主力の食品にフォーカスすることに腹を決めたことは、いいことではないか、と思います。ダイエーは、08年2月末までに、208店舗のほぼ全店を改装するとのことです。

 関連エントリー ファストリ、ダイエーでの低価格業態出店決定

 外部専門店の顔ぶれは、
 ファーストリテイリングのほかに、ニトリ(ホームファッション)、西松屋(ベビーキッズ)、アカチャンホンポ(同)、ユザワヤ(手芸)、チヨダ(靴)、ハニーズ(ヤングレディスカジュアル)など、CCC(TSUTAYAのカルチャーコンビニエンスクラブ)とも交渉中とのことで、郊外でダントツの力をつけたいわゆるカテゴリーキラーたちです。

 イトーヨーカ堂やイオンが、ハイファッションの専門家たちと組み、意地で衣料売り場の再建を模索する中、このダイエーの「駅前パワーセンター」化構想の方が、生活者にとっては商品的にも価格的にも間違いなく喜ばれるはずですし、家賃でマイナスが出ない限り、十分勝ち目もあると思います。まちづくり三法改正で一番メリットを得られるのは、もしかしたらダイエーかもしれませんね。

 生活者にとって、ますます便利な買い場を創造するために今後のダイエー、林さん、樋口さんのご活躍をお祈りいたします。

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February 09, 2006

ABCマートが低価格のNBスニーカー販売

 2月8日の日経MJによると、ABCマートは、まちづくり三法改正を見据えた、今後の店舗拡大対策として、アディダス、ナイキ、ニューバランス、プーマなど、ナショナルブランドシューズの3900円、4900円といった低価格ラインの販売を開始したとのことです。

 ABCマートは、駅前路面店、大型SCを中心に店舗を拡大してきましたが、07年以降、大型SCの出店規制を見据えて、店舗拡大を、規制を受けない
 ・食品スーパーを核としたNSC(ネイバーフッドショッピングセンター)や
 ・郊外のフリースタンディング店舗
にフォーカスしてゆくという戦略を打ち出していました。

 以前この戦略を聞いた時、
1.NSCでは、ABCマートの価格帯(平均8000円前後では?)は厳しいのでは?
2.同様に郊外で東京靴流通センター(チヨダ)やワンゾーン(ファストリ)とどう戦ってゆくのか?

が不透明でしたが、今回の戦略は極めて的を得ています。

 通常、NBスポーツブランドのスニーカーの価格帯は8000円-12000円くらいですが、3900円-4900円と言えばはこれらのブランドを集客のために「チラシ目玉」で使う時や、「処分」時の価格帯として、とても消化が早いのは業界の知るところ。これをプロパー価格として常時揃え、利益も十分に取れるということであれば、郊外立地でビジネスが十分成り立つことは間違いなさそうです。

 これにホーキンスの低価格ラインを開発すれば、郊外中心に年間60店舗出店のペースの成長ロジックも現実味を帯びてきますね。

 今回の報道は、大手ナショナルブランドが揃って同社の要望に応じたということで、同社の業界でのバイイングパワー、影響力を実感します。

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January 27, 2006

ファストリ、ダイエーでの低価格業態出店決定

 本日の日経、日経MJ、繊研新聞に一斉にユニクロを展開するファーストリテイリングがダイエーと基本協定を締結し、今秋からユニクロより2-3割安い新業態の出店をすると正式に発表したとのこと。

 ファッション・イン・ファッションの両国さくらさんは、早くも昨日のうちにネットでニュースをキャッチして興味深いエントリーされていますので、こちらも是非ご覧ください。>>>こちら

 私のブログでも、去年発表された時点でのエントリーがありますので、ご覧ください。
 
 関連エントリー ユニクロが今より低価格のブランドを開発へ(05.10.23)

 詳細は、ゆくゆく発表されると思いますが、今回、発表された内容によると、

 ・対象はファミリー
 ・ユニクロより2-3割安い価格
 ・デザインはベーシックに徹するユニクロと異なり、楽しさを強調する
 ・ダイエーに優先出店(これによりダイエーは食品への特化をすすめ、
  衣料品は、実用衣料への絞込み)
 ・一店舗あたり最大300坪、将来1000億円規模の売り上げを目指す
 ・当面ファストリ社内で準備を進め、出店を開始する今秋までに100%出資の
  子会社を設立しそちらに事業継承。

 とのことです。かつてのファミクロ、スポクロよりも本格的、現実味、真剣度を感じます。

 想像するに、私は、ユニクロも高くて買えない所得層の方は日本にどれほどいるかわからないのですが、価格の安さだけを切り口にした業態をやるとは思えないので、「ユニクロと異なり、楽しさを強調する」という意味を勝手に解釈すると、同社が抑えるべきポジショニングは、

 1.GAPのOLD NAVY(オールドネイビー)のように、低価格ながら若者受けする
  店内や販促物の”世界観”を大切にする業態
 2.H&M(エッチアンドエム)のように、”トレンドファッション”を市場最低価格で
  高回転でまわす業態

 のどちらかだと思いますし、おそらくユニクロの既存の生産インフラが活かせる前者でしょう。まあ、いずれにチャレンジするにしても楽しみにしています。

 また、同社にとっても、まちづくり三法改正は、07年以降の成長ロジック上の課題であり、今回の提携で、比較的駅に近い立地の、ダイエー200店舗中、150店舗を手中に収める可能性が出てくるとなると、まさに、渡りに船だという話になりますね。ダイエーの衣料売り場を取りたいほかの専門店もあるでしょうから、先手必勝で抑えにかかった、ところでもあるのでしょうね。 
 
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January 10, 2006

住友商事の地に足のついたライフスタイルリテイル事業

 1月9日付日経MJや10日発売の日経ビジネスに、内容は違えど、総合商社、住友商事の地に足のついたリテイル戦略についての記事が掲載されており、とても興味深く読んでおりました。

 同社は、こと生活関連流通事業に関しては、総合商社にありがちな、資金力にものを言わせて系列化し、商流をがんじがらめにすることによってシェアの獲得をする戦略に陥ることなく、合弁によって上手にノウハウを吸収したり、投資事業に粘り強く取り組み、長期的ビジョンで成功に導くセンスを持っているという点で、昔から関心しておりました。

 古くは、日本のスーパーマーケット(食品スーパー)創成期にアメリカセイフウェイの協力を得て「サミット」を立ち上げ、「スーパーの女」の原作本著者としても有名な安土敏こと荒井伸也さんが同社から出向して、粘り強く、軌道に乗せたのをはじめ、「アメリカンファーマシー」「トモズ」といったドラッグストア、米アパレルの「エディバウアー」、「ジュピターショップチャンネル」、また、昨年株を米本社に返却しましたが、手の届くラグジュアリーブームの火付け役バッグブランド「コーチ」の日本での成功にも一役かいましたし、「西友、ウォールマート」の仲人でもあります。産業再生機構案件、「マツヤデンキ」の再生に腕を振るった切石さんも住友商事のこの事業部のご出身の元役員さんでしたね。

 実は、アメリカのリテールマーケティングやチェーンストア業態論を学んで行くと、日本の生活者にあわせて、半歩先を行く同社の戦略が非常によく理解できます。

 また、同社は、他の大手商社が、いまだに川上(原料・製造)サイドの発想で、業界・業種軸で事業部を構成(食品本部、食料本部、繊維本部・・とか)しているのに対し、昨年、繊維本部と消費流通本部を統合してライフスタイルリテイル事業本部を設立し、同じ事業部で衣食住をしかも川下(リテイル)視点で見ているのがわかります。
 さらに、その中にブランド・リテイル事業開発部を設置して、「ポスト・コーチ」を育てるべく、海外ブランドの日本進出に投資して行こうという方針。同社のような生活者視点、腰をすえた事業育成の姿勢なら、海外から日本進出する企業も信頼できるのではないでしょうか。

 また、メディア事業とリテイル事業を事業横断的に「ウェブビジネス戦略会議」でつなげている点も見逃せません。まさしく、これからの生活者視点ですね。

 生活者からもっとも遠いところにいそうな総合商社もここまで次世代リテイル対策を考えているところもあります。これから更にすすむ日本の流通再編でも、重要な役割を果たしていただけそうで、期待しております。

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January 08, 2006

イオンが都市部戦略に小型スーパー出店へ

 1月7日の日経新聞によると、イオンは、この夏から都市部向けの50坪クラスの直営小型スーパー「まいばすけっと」の多店舗化に乗り出すとのことです。同社は、昨年末に横浜保土ヶ谷の住宅街に実験店を開いたばかり。

 これは、人口の都心回帰、高齢化、「まちづくり三法改正」を受けて、イオンが「次の手」として打つ一手。既存の24時間食品コンビニのSHOP99、ローソンストア100、先にダイエーがスタートした新業態「フーディアム」などに対抗して、この領域は、ますます競争が激化しそうな様相です。

 イオンは、ご存知の通り、チェーンストア理論よろしく、長年売上効率よりも、「売り場面積拡大」に命を燃やしてきましたが、まちづくり三法改正で、郊外箱型SCや次の一手となるはずだったオープンモールも封じ手とされてしまうと、今後は、大型店規制の引っかからないNSC(小商圏型モールSC)や手薄だった都心部への対策に迫られます。JR東日本との業務提携もどんな形になるのか楽しみです。

 同立地の食品コンビニでは、当初SHOP99が独走していましたが、ライバルが次ぎ次ぎに登場し、すでに同社の既存店も伸び悩みの状況。であれば、食品もいいですが、イオンには、是非、非食品、特にファッション関連で都市部を豊かにして欲しいと思います。

 以前からもこのブログで話題にして来ましたが、いわゆる徒歩客向け都心型ファッション店舗開発は意外と「穴」といわれています。
 高感度な生活者が生活習慣として、コンビ二やドラッグ買い物をしながら、商品のクオリティアップを牽引しており、ヘルス&ビューティ、服飾雑貨、デイリーカジュアルウエア、生活雑貨などでは、必ずしも、わざわざハレの場、つまり百貨店やファッションビルに行かずとも、商店街立地にその買い場としての下地はできていると思います。

 イオングループ内でも、すでに商店街立地に出店している、クレアーズがあります。ワールドのIT’S DEMO(イッツデモ)は、そういった立地も意識した業態でしょう。以前ブログでご紹介した激安ティーンズカジュアルjam☆pixy(ジャムピクシー)も元気です。トリンプのAMO’S STYLEもいけるでしょう。

 都心商店街立地のファッションによる更なる活性化に期待したいと思います。

 クレアーズ ホームページ
 IT’DEMO ホームページ
 jam☆pixy ホームページ 
 AMO’S STYLE ホームページ
 
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January 05, 2006

動き出した「まちづくり三法改正」対策

 年末に「まちづくり三法」の改正案については、このブログでもエントリーしましたが、

 関連エントリー まちづくり三法改正で変わる商圏勢力図

 早速、07年以降の立地対策に関連して、いくつかの新しい動きが出てきました。

 まず、1月4日付日経新聞によると、イトーヨーカ堂は、不採算店舗の閉鎖計画を見直し、閉鎖を決定していた30店舗中、10店舗程度について閉鎖の見直し、つまり改装や、百貨店との提携によるノウハウを活用し、品揃え活性化などの新たな手段による再生を模索したり、食品中心のスーパーへの業態転換を検討すると発表しています。
 
 また、本日の日経新聞によると、日本ショッピングセンター協会は、07年以降、再び注目されるであろう全国の中心市街地不振SCに対して、その改装、テナント入れ替えなど活性化に協会自らが立ち上がり、コンサル会社と組んで指導、再生に本腰を入れると発表しています。
 
 一方、しまむらの藤原会長は、本日の繊研新聞インタビュー記事で無理に再生をするならむしろ、新しいものを作ってしまった方が、よい、といった主旨のドライながらも、いつも通りの生活者の自然な気持ちに逆らわないコメントをされているのが印象的でした。
 確かに、一度、生活者に見捨てられ、心のリストから消えてしまった買い場が、前の印象を引きずって「変わりました」、と言われるより、「全く新しいものが出来ました」、という方が、投資リスクは高いかもしれませんが、生活者にとっては新鮮であることは否めません。

 いずれにしても、「まちづくり三法改正」によって狭められるであろう出店余地のパイを巡って、各企業の次の戦略が問われる時を迎えています。

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December 30, 2005

郊外の猛者の逆襲

 29日の日経新聞によると年商1兆円リテール企業、ヤマダ電機は一連の都心攻略作戦として、06年心斎橋、06年池袋に続き、07年、このたび取得した渋谷109の隣の立地に出店を決定したとのことです。

 このブログで首都圏に再投資する百貨店やまちづくり三法による郊外SCの出店規制をとりあげることによって、今後の企業の出店戦略を通して、変わりゆく生活者の消費の舞台について考えて来ました。

 関連エントリー1-2010年、大都市商圏がおもしろい
 関連エントリー2-まちづくり三法改正で変わる商圏勢力図

 郊外SC出店が規制される07年以降、都心部がさらに様変わりすることは間違いないでしょう。一時は買い手のつかなかったダイエーのリストラ跡地も人気を博し、大商圏型駅前SCや常連テナントをターゲットに、かつてのユニクロ、しまむら、ニトリのような郊外でローコストオペレーションによる価格以上の価値で支持を受け、株式公開、資金力を得た猛者たちが攻め込んでくることが想像されます。感性だけでなく、クオリティと価格のバランスが、都心生活者に新しいバリューを提供することが期待されます。

 今年のはじめに読んだ、しまむら藤原会長の新聞のインタビュー記事が思い出されます。
 「今年は、地方のチェーン店が彗星のごとく現れ、世の中を驚かせる」というな主旨の言葉であったと思います。

 福島のハニーズはすでに全国区になっていましたし、それ以外に今のところ目だった動きはありませんでしが、北陸や中部出身のチェーン店に注目株がある話は、いろいろ耳に入ってきますので来年は来年は楽しみです。

 百貨店アパレル、ワールド、オンワード樫山、サンエーインターナショナルなどが開発した業態が地方SCを舞台に暴れまくって「感性」の同期化を促した今年。そのお返しに、来年以降は地方、郊外の猛者たちの価格だけではない「バリュー」の逆襲が都心部で始まる・・・

 ヤマダ電機やしまむらの都心部攻略を見ていると、これからますます都心部が面白くなる、と期待できます。

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December 26, 2005

コンビニが百貨店を傘下に-流通は「生活者最適」に動く

 本日の日経新聞1面、言わずもがなのセブン&アイの西武百貨店・そごう買収は流通を取り巻く時代の変化の象徴を感じます。

 今回の統合を見ていると、間違いなく、時代とともに流通が「生活者最適」に動いている証を実感します。しかも、それが加速していることを。

 百貨店・・・その名の通り、バラエティ豊かな「品揃え」を実現した。
 GMS・・・豊かな品揃えを、ボリューム、トレードオフにより「低価格」を実現した。
 コンビニ・・・「価格」より距離と時間の「利便性」を実現した。

 品揃え(質)→価格(量)→利便性(時間)

 もちろん今後、百貨店、GMS、コンビニ、それぞれの役割は失われないと思いますが、それらのマルチな顧客軸および消費行動軸を一手に持ち合わせ、IYバンクによりカネの流れも掴んで時代を読もうとするセブン&アイというか、鈴木さんのすごさに唸ると同時に、次の一手をどう読むか・・・

 やはり、答えは、「生活者最適」しかない、と思います。

 「生活者最適」を考えるためには・・・自ら妥協を許さない生活者になること。

 昔読んだ、ノードストローム ベッツィ・サンダースさんの言葉を思い出し、噛みしめています。

 参考文献「サービスが伝説になる時」ベッツィ・A・サンダース著

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December 25, 2005

まちづくり三法改正で変わる商圏勢力図

 政府与党が21日にまとめた、来年の国会に提出する「まちづくり三法」改正案について、22日の日経新聞、23日の日経MJの記事を読みながら、これから流通はどのように変わってゆくのかを考えめぐらせておりました。
 
 これに至る流れを簡単に整理すると、
 ○アメリカなどの規制緩和要求を受けて、1998年に大型店出店を規制する
  大店法を廃止。届け出と地元との調整は要するものの、実質的に大型SCの
  出店はかなり自由に。
 ○その代わりに「まちづくり三法」を制定し、中小小売業立地である中心市街地の
  両方を活性化させる予定であった。
 ○2000年前後からの郊外への大型SC出店ラッシュは、その爆発的な集客力
  により、加速度的に中心市街地から顧客を奪い、駅前商店街の空洞化は
  深刻なものへ。
 ○大型店出店可能地域を中心市街地と相乗効果の見込まれる「商業地域」、
  「近隣商業地域」、「(大商圏および政令指定都市の)準工業地域」に限定し、
  その外側への出店は禁止へ(ゾーニング強化)。
 
 と一旦は「自由化した出店」を、大型SCが「出店できる地域を限定して行こう」というものです。この改正案は、07年より施行の模様です。
 ちなみに、イオングル-プの直近の計画でも、その7割くらいは、禁止となる地域にあたるらしく、業界の商圏拡大ベクトルに大きく影響を及ぼすことになります。

 現在、売上を大きく伸ばしているファッションSPA(製造小売業)が、この郊外SC開発の波に乗ったものであることは、言うまでもありません。デベロッパーだけでなく、彼らはどこへその成長ロジックの場をシフトするのか、そして、施行後の覇者は?

 考えられることは・・・
 ○ 06年いっぱい、駆け込み大型SC出店・・・ラフな出店避けられず
 ○ 07年以降、郊外大型SCは既得権益に・・・家賃高騰
 ○ 郊外では、規制の影響を受けない規模の食品スーパーやしまむらの
  ような実用衣料を核としたNSC(近隣小商圏向けSC)が活躍
 ○ 都心再開発、都心既存店の改装が進む・・・ダイエー・西友浮上?
 ○ 現在、死に体になっている、非ターミナル駅の駅ビルに脚光が
  ・・・JR系デベロッパーの時代へ?見越して提携したイオンはさすが
 ○ 都心好立地に既存店舗を持つ企業を標的としたM&Aが進む?

 家賃負担が上がり、体力のある、利益率の高い大手企業による品揃え同質化は避けられないような気がしますね。狭い場所でパイを食い合う日本では、自由競争と同時にバラエティ豊かな真の生活者利益の実現は難しいんでしょうかねえ。

イオンの岡田社長が言われるように、市街地活性化のための具体的な策を議論せずしての、出店規制は大いに問題ありと思います。

 一方では、現在、「穴」と言われる大商圏の商店街立地(コンビニ、ドラッグ、百均立地)へのファッション業態開発も進むのではないか、と楽しみではあります。

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December 21, 2005

靴業界にも大きな再編の波が

 本日の日経新聞によると流通企業再生会社リヴァンプは、ゴールドマンサックスと組んで、ナイキ、アディダスに次ぐ靴卸業界第3位のトークツを買収すると発表しました。買収額50億円(トークツの年商は220億円)の模様で、リヴァンプ15億円、ゴールドマンサックス15億円出資する会社が受け皿になる模様です。将来、株式公開による利益を見込んでいるととのこと、ロッテリア(外食)、フージャース(マンション)もいいですが、よりファッションに近い企業でのリヴァンプの腕の見せ所ではないか、と期待しております。

 一方、イオングループはAsbee、H2Companyなどを展開する名証2部上場のツルヤ靴店の第三者割り当てを引き受け、21%に相当する株式を取得し、資本提携をすることを発表しました。

 ツルヤは、婦人靴専門店を除くと東京靴流通センター、SHOE PLAZA、フットアップ、SPCなどを展開するチヨダ、ABCマート、ユニクロ傘下のワンゾーン、イオングループのニューステップ、に次ぐ業界第5位の靴専門店チェーンで、同じイオングループ内のニューステップと合わせれば、ABCマートに迫る売上規模になります。
 また、ツルヤは、イオンとの提携により、イオングループが開発するSCへの出店機会が得られますね。

 来年以降、靴業界も大きな再編の嵐が吹き荒れそうです。

 シューズビジネスは、アパレルに比べると国内皮革産業保護の輸入規制、中間流通の多さ、サイズが多いことによる高い在庫リスク(長いサイトの支払手形)、低い商品回転率で、リスクの高いビジネスです。
 最近では、アパレルSPAがファッションとコーディネートできる靴の開発も進めており、靴業界の従来の発想が通用しなくなっているとも言われます。先日も、靴製造メーカーの社長さんとそんな話をしておりました。

 これらの再編が引き金になり、より生活者最適な商品提供、売場提案ができるよう、マーケットが活性化されれば、と思います。

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December 16, 2005

青山商事、CCCとポイントサービスで提携

 本日の日経MJ、繊研新聞によると、洋服の青山やザ・スーツ・カンパニーなど全国約790店舗を展開する青山商事は、来年2月上旬から、お買い物の際、CCC(カルチャーコンビニエンスクラブ)のTSUTAYA会員カードを提示すれば、同カードサービスのTポイントが蓄積できるサービスをスタートするとのことです。お買い物100円あたり1ポイント(1円相当)のTポイントがたまり、提携企業でのお買い物に使えるというものです。

 この話は、昨日のエントリーと通ずる話ですが、異業種企業がそれぞれ発行するポイント(マイレージ)に互換性を持たせることによって、「財布を厚くしているカードを一枚にまとめ」、生活者を囲い込み、消費行動分析をしようとする企業戦略で、日本では、CCCが、先行しているようです。

 今後、アメリカのように、業種を飛び越えて、ポイントが貯まり、使えるという企業同盟サービスも活発になるでしょうし、また、それらの