October 25, 2007

ウォルマートの西友完全子会社化で思ったこと

 日経新聞、日経MJ各紙に、米ウォルマートがすでに過半数の株式を取得している西友を、TOBによって完全子会社化し、株主の意見に左右されない本格的な改革に取り組むことを決めたことに関連する記事が掲載されています。
 
 10月24日の日経MJを読んでいて、一番印象的だったのは、会見に臨んだビッグス上級副社長、カレジェッスキー西友CEOの両氏が口にしていた

 「世界でも類を見ない厳しい日本の消費者」

 という言葉でした。

 まずは、アメリカとは、勝手が違う、と認め、理解した、学んだ、ことは、よいことですが、ちょっと時間がかかっているようですね。

 また、同じ会見の中で、日本に最適な商品を世界中から調達するネットワークを強調されていましたが、今の日本に、アメリカと同じネットワークで、「世界中」から安い商品を持ってくる必要があるでしょうかね?

 日本は発展途上国じゃない、成熟したマーケットですから、生活者は、価格だけでなく、「鮮度」と「そこそこの品質」を求めています。すると、スピード、タイミングが大切になりますから、プライベートブランドだけでなく、比較購買のためのナショナルブランドや、鮮度、スピードに対応できる国内、アジア近隣諸国のメーカーの協力が必要になるわけで、アメリカとは違った、日本市場向け独自のオペレーションまたはマーチャンダイジングを構築する必要があると思います。(←日本のメーカーに協力してもらえないゆえの「世界中から調達」なのかもしれませんが・・・)

 ウォルマート含め、アメリカの企業は、世界最大で、所得によってセグメントされたマーケットを相手に、システマチックに動くことで成功している企業が多いですから、一般的に、海外でも、そのシステムを相手国に押し付ける傾向が強いと思います。

 それゆえ、モノが満たされていない国ではうまくいくようですが、成熟マーケットでは、なかなか成功事例は少ないのではないでしょうか。

 そういった意味では、グローバルビジネスが前提となっているヨーロッパ企業の方が、相手の事情にあわせて、柔軟に対応することが上手なように思います。

 そんなことを考えていたら、以前、アメリカで働いていた時に、会社のオーナー(ユダヤ系白人)から、こんな話をされたのを思い出しました。

 「君は、世界でもっともバイリンガルではない、自国語しか話さない国民はどこの誰だかわかるか?」

 と聞かれました。

 てっきり、つたない英語を話す、自分を含めた日本人のことかと思って口ごもっていると、

 「それはアメリカ人さ。アメリカ人は、外国には行くが、どこに行っても英語が通用すると思っているから、相手に合わせる努力をしない。海外からやってきて英語を勉強し、話す君のような連中がうらやましい(笑)」

 意外でした。アメリカは、日本人にとって、インターナショナルの象徴だと思っていましたから。

 話を元に戻しますが、ウォルマートのEDSLP(EVERY DAY SAME LOW PRICE)の発想は、日本のスーパーにも必要だと思っています。それは、「価格に対する安心感」という発想だからです。それを日本の生活者に合わせて実現していただければ、成功の道はまだ残されていると思っています。

 世界一の流通企業は、「世界でも類を見ない厳しい日本の消費者」に対し、いかに、対応して、変わることができるか?

 しゃらくさければ、完全子会社化後、売却という選択肢もありますが・・・ 

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October 09, 2007

マウジー、スライをフランスファンドが買収

 10月9日の繊研新聞によると、マウジー、スライなどを展開するバロックジャパンリミテッドの100%持ち株会社、フェイクデリックホールディングスは、9月20日付でフランス最大手の金融機関アグリコールグループの投資ファンドCLSAキャピタルパートナーズジャパンに全株式を譲渡したとのことです。

 ご存知マウジー、スライはセシルマクビーとともに渋谷109(マルキュー)系の中でも、名実ともに一過性のブームではない「ファッションブランド」として確立された、マルキューから抜きにでた御三家のうちの2ブランドと言っても過言ではないでしょう。

 両ブランド、特にマウジーが常勝ブランドとして確立した背景には、立ち上げたキャラクターのカリスマ性はさることながら、デニムジーンズを核とした商品構成でリピーターづくりに成功したことがその要因にあると思っています。

 記事によると、バロックジャパンは08年1月期で年商300億円の見込み。5年後に900億円を目指し、上場も視野に入れているとのことです。

 ファンドから役員を数名受け入れるとのことですが、今まで通り自由な社風を維持してゆくとのこと。

 そうですね、こういったマルキュー系ブランドこそ、創り手のライフスタイルも顧客と等身大であり、シーズンひきつけての企画生産、直営店での同世代のスタッフによる販売と、「顧客に最も近い」マーチャンダイジングを実践している最たるブランドなわけですから、組織や定石でがんじがらめにせず、最低限の「ゆるい枠組み」の中で、彼女ら、彼らを思いっきり仕事をさせてあげられる環境を温存していただきたいと思います。

 等身大のリアルクローズを実践する代表的なブランドとして、アカデミックな経営陣とうまく融合し、海外進出も含めた更なる飛躍を期待したいと思います。

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関連エントリー-カリスマ再び?等身大でアラサー狙う森本容子氏
関連エントリー-業界各社、等身大のリアルクローズを

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May 06, 2007

「ニッポン買イマス」 主役は新興国(BRICs)?

 今週の日経新聞の連載記事「BRICsx日本 けいざいの現場から」はとても興味深かったです。

 円安、金利安で、お買い得になったニッポン(日本)という舞台を利用して今後、国際的に活躍するのは、欧米ではなく、むしろ新興国ではないか?というテーマの内容です。

 特に、ファッションビジネス・流通関連では、5月3日付の第2回目の「ニッポン買イマス」が印象的でした。

 ゴールデンウィーク中も当社の事務所のある原宿、表参道界隈の街ゆく人々のざっと4-5人に1人は、外国語をしゃべっているような気がしていましたが、記事によると、原宿の商店会の売上の3割は、中国などアジア系の外国人によって構成され、欧米からの顧客よりも客単価が高いだけでなく、「銀聯(ぎんれん)」という中国の銀行が発行するデビットカード機能をもったキャッシュカードを利用する顧客の客単価は、日本のクレジットカード利用客の3倍にも及ぶというからびっくり。
 日本のクレジットカードの1回あたり平均利用金額は15,000円程度を言われており、その3倍となれば、上顧客さんですね。

 私たちも海外に行くと、気持ちも大きくなって、日本国内よりは高額の買い物をすると思いますので、この事実から、中国の方が急激に金持ちになったと言い切る訳にはいきませんが、それを差し引いても、観光客の多い買い物エリアでは、無視できない、むしろ当てにすべき対象であることは間違いありません。

 以前、日本のラグジュアリーブランドのマーケットが成熟する中で、どうして表参道にブランドのメガショップが続々とできるのか、について書いたエントリーでも、このアジア観光客需要を挙げたかと思います。

 そんな中、原宿表参道界隈では、この「銀聯」が利用できる店舗が続々と増えているとのことです。

 「銀聯」は、中国人民銀行が中心となって、各銀行間の決済を代行している組織のようで、決済金額は、中国国内では、即銀行口座から引き落とされるいわゆるデビットカード。中国では、クレジットカードよりもこちらのデビットカードの方が普及しており、発行枚数は、8億枚とも9億枚とも言われているそうです。

 日本では、対応端末(CAT)を導入すれば三井住友カードがクレジットカードの決済同様に決済代行をしているそうです。

 外国企業の東証上場、企業買収にしても、中国やインドの新興国の中には、時価総額がびっくりするくらい大きな企業があります。金利の安い日本で資金を調達して、日本の技術やブランドを手に入れる。十分考えられる話です。

 これから始まる海外勢の日本買い。企業買収についても、リテールの買い物についても、キープレーヤーとして、「欧米か!」だけではなく、むしろこれら新興国をマークしなければならないかもしれませんね。

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 関連エントリー-今、日本がお買い得

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April 28, 2007

「日本買収」の幕開け

 4月27日、米シティグループの日興コーディアル証券へのTOBが成立したことを各メディアが報じています。
 
 なんか、5月からいよいよ解禁になる三角合併の「鏡開き」のような象徴的な出来事のような気がしてなりませんね。

 以前だったら各業界が大挙して排他してきた外資を、歓迎するかのようにTOB資金を用立てたのは、まぎれもなく日本のみずほグループ。

 シティの東証上場、大手証券会社の子会社化はあらゆる面で外資系企業の上陸、日本企業買収、鎖国的?だった日本の外の世界との交流を強力にバックアップすることでしょう。

 4月25日の日経新聞によると、東証も外国で上場している企業の上場審査基準を緩和すると言います。理由は三角合併によって外国企業の株式を手にする株主が売却しやすくする、保護のためといいます

 すでに上陸済みのウォルマート、テスコなどの世界の大手流通企業はもちろん、来年日本上陸を決めているH&Mも、買収も視野に入れた急速な拡大をほのめかしています。

 外資が日本企業を買収する目的として、製造業であれば技術や特許も目当てかもしれませんが、リテール企業の場合は、彼らにとっては、欧米を真似て作った日本の店舗業態には特に魅力はなく、お目当ては、おそらく狭い日本の中で、「好立地の店舗」と「人材」を獲得するためでありましょう。

 巨額な資金を背景にした外資による日本企業買収、負けじと同じ日本企業同士の買収・合併も加速するでしょうし、防衛策を講じる企業も増えるでしょう。

 27日の日経新聞によると、家具・ホームファッションリテーラー大手のニトリが、第三者企業による大量取得にあたって、目的や情報提供を求め、場合によっては、既存株主に新株予約権を無償で付与する事前警告型買収防衛策を次回の5月の株主総会で決議するとのことです。

 そんな日本が買われる時代の幕開けに対応すべく、当ブログでも、従来「外資来襲」や「流通再編」というカテゴリーに入れていたM&A関係のエントリーを独立させ、新たに「04.日本買収」というカテゴリーを追加いたしました。これからのファッションを含めた流通全般の業界関心事、キーワードの一つになることでしょう。

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関連エントリー-今、日本がお買い得
関連エントリー‐米銀シティグループ上場で、海外ファッション企業も東証上場加速?
関連エントリー‐ウォルマートの三角合併が怖い
関連エントリー‐H&M社長、日本進出戦略を語る

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March 14, 2007

香港Li&Fung利豊(リー&フォン)社の兼松繊維買収が意味するところ

 3月14日の繊研新聞に、商社の兼松が、同社の子会社である繊維専門商社、兼松繊維の55%の株式を3月末付けで香港大手企業グループ利豊(Li&Fung;リー&フォン)に売却する報道を受けて、各商社アパレル部門の首脳が持つ危機感のコメント記事が掲載されており、興味深く読んでおりました。

 ※Li&Fungの読み方は、昔、リーフンとか呼んでいた記憶がありますが、繊研新聞にならってリー&フォンとします。

 この報道のもとは、以下のプレスリリースに詳しいのでご覧ください。

 兼松プレスリリース記事

 この記事を読み解くにあたって、説明しておかなければならないのは、繊研新聞の記事にも、ちらっと、コメントがあるように、日本のアパレル企業と欧米のアパレル企業のソーシング活動(海外で素材や委託工場を見つけて生産、輸入すること)はちょっと違うところがあるということです。

日本-デザインはアパレル企業が出すにしても、日本の商社に海外生産~国内納品
までを依頼する。商談は主に日本で行い、その連絡を受けた生産国の商社の
駐在員やその配下のスタッフが動いて委託先工場とやり取りをする。

欧米-アパレル企業が生産国に自身のバイイングオフィスを開設し、現地採用
スタッフが委託先工場とやり取りをする。あるいは、バイヤーが自ら現地に赴き、
素材や委託工場を開拓し、直接取引をする。
   
 つまり、欧米では、アパレル企業から見ても、生産国の工場から見ても「直接取引が当たり前」なんですよね。
だから、昔、そんな商慣習を知らない欧米人や日本と初めて取引する海外工場にmiddleman(中間業者)である「商社」の位置づけ、役割を説明するのに苦労したことを覚えています。

 日本では、今でも、言葉の問題(通訳代わり)、人材および人件費問題、回転差資金や在庫リスクヘッジの問題などから、商社は使い勝手はありますが、今後、より生活者に近づき、スピードが要求されるアパレル企業にとって、意思疎通を伝言ゲームではなく、ストレートにスピーディに行うという意味で、委託工場との「直接取引」はマストなマクロトレンドになってゆくことになるでしょう。

 以前から、やはり香港大手のシャツメーカーエスケルグループなどが、日本にジャパン社を作って、ファッションリテーラーと直接取引を始めてはいますが、今回、香港のグローバルソーシングの最大手のリー&フォン社が日本の繊維商社買収によって、直接、アパレル企業と商談を始めることは、そのような動きの口火を切ることは間違いなさそうです。
  
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February 18, 2007

米銀シティグループ上場で、海外ファッション企業も東証上場加速?

 2月18日の日経新聞の1面に米銀最大手のシティグループが年内にも東証に上場申請を行うことに関する記事が掲載されています。

 外国企業の日本上場を促進するため、東証とニューヨーク証券取引所との提携によって、一方に上場済みの企業の他方への上場申請が簡素化されるようで、その制度を使った1号案件になりそうだとのこと。

 シティグループはかつて、日本で生活者のかゆいところに手が届くサービスを中心に一時話題を呼び、国内既存金融機関からの風当たりや(実際には当時、日本の関係省庁間の確執もあったようですが)、不祥事で脚をすくわれましたが、私は、同行の日本の生活者を取り巻く金融サービスに一石を投じた功績は大きいと評価しています。

 彼らが、東証に上場し、より日本の投資家や生活者に理解される形で海外企業進出のお手伝いもしてゆけば、金融のみならず、生活者を取り巻くマーケットが活性化することが期待されます。

 東証は、その後、ロンドンやドイツの証券取引所と提携を進めるとのこと。

 業界に目を向け、勝手に中期的に予想されるシナリオを想像してみました。
 ①海外銀行大手が東証上場
 ②海外ファッション(リテール)企業も東証上場が増える
 ③投資家や生活者に、目に見えやすく、イメージに訴えやすい
  ファッションリテール企業が多くの理解を呼ぶ
 ④東証に上場していて、わかりやすいファッションリテール企業は
  株主の理解も得やすく、本国株式を利用した三角合併もやりやすい
 ⑤業界での海外ファッション企業の影響力が拡大

 前回のエントリーでは、ウォルマートやH&Mなどの海外リテール企業の百貨店買収の可能性も示唆しましたが、これからどうなるでしょうね。
 
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February 17, 2007

H&M社長、日本進出戦略を語る

 2回連続でH&M(エッチアンドエム)のエントリーで恐縮ですが、2月16日の日経MJにスウェーデンのファストファッションSPA、H&M(へネス&モーリッツ)のロルフエリクセン社長が日経MJのインタビューに答えて、日本進出戦略について語った記事が掲載されていました。
 
 ポイントをまとめておくと、

○日本にパートナーはおらず、独資で進出(ご存知のように、ZARAはビギと組んで日本の第一歩を踏み出しましたが・・・)

○原宿の1号店は(客層に合わせて)若年層スタイルで行く。(フォレット跡地を見に行くとわかりますが、地下1階地上10階建ての建物のうち3層x150坪の店舗になる模様ですね)

○その後は銀座、渋谷など東京首都圏をドミナント的に固めてから地方へ出店する見通し。

○条件と環境が合えば既存チェーン買収も視野に入れるとのこと。

 今回のインタビュー記事からわかることは以上になりますが、これらのうち立地戦略である3番目と4番目は非常に興味深いところです。

 前回の記事で、今年OPENする中国も上海を固めてから各地へ、の戦略であり、日本も同様。ZARAのようにスペインの本部から世界の裏側の店舗でも72時間以内に商品を届けるFEDEXと組んだ空爆式の物流とは違って、世界で買って世界に売るH&Mは、ローカルディストリビューションセンターが要となるので、この戦略は合点がいきます。

 また、「買収」の一言は非常に重みを持ちますね。

 これから東京の好立地に大型店を出すとなると、なかなかいい立地がないので、再開発立地か、既存チェーンの買収が有効なのも納得できます。同社が2004年にライバルGAPのドイツ国内事業を買収し、好立地10箇所を手に入れた話も記憶に新しいところです。

 また、以下はイトーヨーカドーが2005年にまとめた資料ですが、

 イトーヨーカドーインベスターズガイド2005

 ウォルマートを筆頭にした世界の小売業時価総額ランキングの中でH&Mの時価総額は第9位、当時で3兆円相当は、世界のファッションリテーラーではダントツトップ、日本一の小売業セブンイレブンジャパンをも凌いでいるのがわかります。

 今年の6月から日本で外資企業の三角合併が可能になりますので、同社もこの手を使ってくることは十分考えられますね。
 
 リテーラーである同社が、日本のマーケットですばらしいプレゼンテーション(マーケティング)を行えば、毎年2桁成長を続ける同社の収益性とともに、株式交換を受ける株主も納得させることができるかもしれません。

 これらが現実味を帯びてくると、同社のインパクトは、業界に限らず社会的なものになるかもしれませんね。

 本日、17日の日経新聞1面の大丸、松坂屋の統合も買収対策の一手でもあるとのこと。ウォルマートやH&Mが日本の百貨店を買収しないとも限りません。

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 関連エントリー-H&M(ヘネスアンドモーリッツ)が日本に来るということ

 関連エントリー-ウォルマートの三角合併が怖い

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January 27, 2007

ウォルマートの三角合併が怖い

 1月27日の日経新聞に米ウォルマートの副会長マイケル・デューク氏のインタビュー記事が掲載されています。

 同氏は、昨年秋、ダイエー提携をめぐりイオンに競り負けたが、今年5月に解禁になる「三角合併」に「日本政府に感謝している」と日本企業買収に攻勢を強める考えを示したとのことです。

 三角合併とは、外国企業が日本の現地法人を使って日本企業を買収する時に、株主に自国の自社株で払えるようになる制度。つまり、企業の時価総額がものを言うわけですね。

 記事によると、ウォルマートの株式時価総額はイオンの10倍!

 同氏は、韓国、ドイツからは撤退したのの、西友5期連続の赤字にもかかわらず、日本からは退かない意思表示をしています。イオン+ダイエーとセブン&アイの二強体制は許すまじ、と西友+αのバイイングパワーを増すための買収に意欲的な内容の記事です。
 
 今年は、外資の三角合併、日本人が想像のつかない、ちょっと、怖いことになりそうな気がしますね。
 
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January 03, 2007

今、日本がお買い得

 2007年、今年もどうぞよろしくお願いいたします。

 さて、今年初のエントリーは年末年始、日経新聞のいくつかの記事を読んでいて感じた、ファッションビジネスにもひとごとではなさそうなマクロ経済的な話を取り上げてみたいと思います。

 1月1日の日経新聞の一面に、総額1400兆円にもおよぶ日本の家計の金融資産(現金、預貯金、株、投資信託など)のゆくえに関する記事が掲載されています。

 「家計」の金融資産は、従来、主流だった低金利の金融機関への預貯金から、ここのところ、高利回りを期待して、日本企業への直接投資(株や債券の購入)のみならず、外貨建ての金融資産に向かい、以前、政府が三年前に行った円売り為替介入総額35兆円を上回る、40兆円規模の「円売り」の力が恒常的に円高を阻止するほどになっているとのことです。

 そういった「家計」の円売り円高阻止の力が、日本の経済を支える輸出企業の史上最高益をもたらし、一方では、海外投資ファンドの日本企業M&A資金や、株、不動産といった資産投資をも少なからず下支えしている模様です。

 12月31日の日経新聞の「エコノ探偵団」では、なぜここのところ海外のブランド店が日本の銀座や表参道などの超一等地に相次ぎ大型店を出店しているのか?の裏側に迫る内容を取り上げていました。

 記事の内容をまとめると、

1.日本の不動産価格が路線価ベースで、ピーク時の5割程度と割安なこと。当然、円安も割安感に一役かっている。今後好景気継続によって値上がりの期待もある。

2.日本人以外にも、円安で増加の傾向にあるアジアからの観光客向けに、現地より種類が豊富で、割安感の出た日本でのブランドショッピングに大いに期待ができる。

ということでした。

 日本人が汗水たらして貯めた金融資産が海外に流れ、日本の輸出企業は潤うものの、そんな資産を利用した外国企業が「お買い得な」日本の資産を買いあさる。

 なんか、相変わらず、日本人が自分で稼いだお金で楽しんで豊かになるという構造には程遠いような気がしてしかたがありませんでした。
 
 戻って1月1日の日経新聞によると、景気が15年目に入った英国と90年代に10年景気を経験したアメリカ。英米両国の共通点は、国内総生産(GDP)に占める家計消費の割合が70%。一方、日本の景気拡大は4年10ヶ月といざなぎ景気越えで戦後最長を更新中とは言え、同55%と両国に比べればかなりの低め。
記事は「その差は家計の力を引き出せる国か、とじ込めている国か、ではないか」とコメントしています。

 今年も、日本マーケットはそんな外資の荒波、刺激を受けることになるでしょう。しかしながら、憂うばかりでなく、そんな環境の中で、日本が着実に「家計の力を引き出せる国」「自ら豊かさを楽しめる国」へと脱皮してゆくことを期待したいと思います。

 “JAPANESE DO IT BETTER” の言葉を信じて・・・

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