May 15, 2017

ZARAのインディテックスグループのサステイナビリティ経営

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 前回のブログ記事 

  世界アパレル専門店売上ランキング2016

 のデータ整理にあたり、各社の年次報告やファイナンシャルレポートに目を通していて、

 最も感心したことのひとつが

 世界ランク1位のインディテックスグループの現会長兼CEOパブロ・イスラ氏が決算発表時にまとめられた同社の2016年度のトピックのハイライトのところでした。

 企業の社会的責任(CSR)が問われる昨今、世界のいろいろな企業がその社会貢献度合いをアピールしているわけですが、

 インディテックスグループも弁護士出身のパブロ・イスラ氏が2005年に創業者であるアマンシオ・オルテガ氏や彼を長年支えたホセ・マリア・カスティリャ―ノ(当時副社長)氏にかわって経営トップになって以来掲げているのが

 サステイナブルな(持続可能な成長のための)経営です。

 「ユニクロ対ZARA」の執筆にあたり、1990年代後半からの直近までの同社の年次報告書に目を通しましたが・・・

 2005年に同氏が就任して以来、それまで業績や財務状況中心だった約200ページ程度の年次報告書(アニュアルレポート)が

 400ページを超えるサステイナビリティレポートに変わり、(半分の200ページがCSR=企業の社会的責任に関するページ)

 グローバルな年率20%の急成長から10%程度の持続可能な成長に舵を切り始めたことに気づいたものでした。

 2005年と早くからサステイナビリティに取り組み始めたのは、グローバルに展開するファッション流通企業の中では、かなりの先駆けであり、

 そんなところにも同社の時代の先を行く経営ポリシーが感じられたものでした。

 今回の決算ハイライトの中では、特にアピールされたのが、母国であるスペイン国内経済に対する貢献です。

 気になったトピックをいくつかご紹介すると・・・

-1年間にスペイン国内で2480人の新たな雇用を創出したこと(これは毎年発表していること)

-この1年に7500社に上るスペイン国内企業がインディテックス社に請求書を発行したこと。 

 その総額は人件費フルタイムベースで50,000人の雇用に相当する
 (つまり、同社の社員以外にスペイン国内だけで50,000人の雇用を支えている。)

-スペイン政府が年間に徴収する法人税の2%をインディテックスグループが支払ったこと

 全体の約6割の商品をスペインおよび近隣国で生産して、世界93カ国に販売する
 
 地元から世界へ展開するグローバル企業の同社が、

 自社の繁栄、売上利益だけでなく、

 国内産業も潤し、雇用面でも、税収面でも母国にも貢献しているというアピールです。

 また、環境に配慮したグローバルなサステイナビリティへの取り組みに関しては

-電子レシートによるペーパレス化への取り組み

 顧客が自社開発したスマホアプリinWalletをインストールして、クレジットカードを登録しておくと、

 レジでの決済が短時間で済み、更にアプリ内に電子レシートの記録が残るので、
 紙のレシートを発行する必要がない=ペーパレスの促進です。

- ダンボールの再利用と再生 
 
 倉庫から店舗へ商品を送る際に使う段ボール箱を5回リユースする。
 その後は通販用のパッキンに再生加工して利用する。

- 不要な服の回収、リサイクル 

 着なくなった服の店頭回収はもちろん家庭回収にも取り組む (団体と組んでスペインからスタート)

 などなど

 同社の取り組みを聞いていると・・・多くの専門店やチェーン店がいかに周回遅れなのかを感じざるを得ません。

 ビジネスモデルや収益性だけでなく、地元に貢献しながらグローバルな環境にも配慮する同社の姿勢や取り組みからもいろいろ学ぶところはありそうです。

 執筆: ディマンドワークス代表 齊藤孝浩

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May 08, 2017

世界アパレル専門店売上ランキング2016 トップ10

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 世界の大手アパレル専門店各社の2016年の売上高や利益などをまとめる機会ができましたので、毎年恒例になりました売上高のランキングTOP10を共有させていただきます。

 円建て比較にあたり、為替レートは2017年1月末の €=121.7円、スウェーデンクローナ=12.9円、US$=113.8円、英国£=142.4円で換算しています。
 
 尚、6位のC&Aのみ2016年決算が入手できませんでしたので Deloitte Global Powers of Retailing2017と2016を参考にした2015年度の売上高を表示しています。


ランキング          売上高   前年比  営業  期末  基幹業態
                              利益率 店舗数  
1位-Inditex        2兆8,368億円 +12%  17.2% 7,292  ZARA
 (西インディテックス;17.01期)                          

2位-H&M         2兆4,802億円 + 6%  12.4% 4,351  H&M
 (瑞エッチアンドエム;16.11期)                         
  
3位-Fast Retailing    1兆7,864億円 + 6%  7.1%  3,160  Uniqlo  
 (日ファーストリテイリング;16.08期)                            

4位-Gap          1兆7,657億円  -2%  7.7%  3,659  Old Navy 
 (米ギャップ;17.01期)                              
                                           Gap 
                                              
5位- L Brands      1兆4,309億円  +3%  15.9%   3,074  Victoria's 
 (米エルブランズ=リミテッド;17.01期)                      Secret
                                             
6位-C&A Europe     1兆0,446億円  -0.2%   n/a   1,577  C&A
 (独シーアンドエー;15年度)                            
         
7位-Primark         8,471億円   +11% 11.6%   315  Primark
 (愛プライマーク;16.09期)                            

8位-Ascena retail      7,960億円   +46%  1.3%  4,906  Ann taylor
 (米アセナ;16.7期)                                Justice
                                           LaneBryant   
                                                   

9位-Next           5,834億円   -2%  20.2%   538  NEXT 
 (英ネクスト;17.01期)                               


10位-Shimamura       5,654億円   +4%   8.6%  2,066  しまむら
 (日しまむら;17.2期)                               
                                                                     

備考-米TJMaxx、Ross のオフプライスストア2社は売上規模はトップ10に入る規模ですが、メーカーや専門店が放出した過剰在庫を販売する二次流通マーケットのため除外しました。また、中国で拡大を続け、売上規模では9位あたりに位置すると目されるE.LandWorld(韓国)は売上規模以外の実態が掴めないため除外しました。

以下 解説です。

 1位のインディテックスグループは12%増収、9%営業増益と着実な増収増益(以下利益は営業利益を指します)。

 進出国を5か国増やし93か国とし、グローバル展開を続けながら、この1年は特にロシア、中国、メキシコ、イタリアに数多く出店したようです。

 ブランド別ではZARAが絶好調、ZARA HOMEが好調。

 一方で、主要各国でオンラインビジネス(EC)を強化し実店舗とECを合わせた既存店売上の伸びは・・・なんと10%増でした。 

 2位のH&Mは6%の増収も12%の減益に終わりました。

 同期も中国、アメリカへの集中出店をしましたが、店舗数を増やしたほど売上は伸びず、またドル建てで行っている商品調達コストの増加、世界的な温暖な気温にともなう値下げ増による粗利率の低下が痛手でした。

 同社は今後、ただ店舗数を増やすことによる売上拡大を見直し、既存店とEC強化による売上拡大に成長目標を切り替えるとしています。

 3位はファーストリテイリング。いよいよGAPを抜いて世界3位に浮上しましたが・・・6%増収も23%減益、そして営業利益率(7.1%)の落ち込みが気になります。

 国内ユニクロ事業、海外ユニクロ事業の中の中国事業、グローバルブランド事業の中のジーユーが同社の売上と利益の3本柱。

 グローバルブランドとしては欧米への展開も必要かも知れませんが・・・

 主力事業3本柱が稼ぐ利益を喰わないように、ほどほどにすることが利益率回復のカギになるでしょうね。

 また、国内ユニクロ事業が価格政策を見直したことによって、ユニクロとジーユーのカニバリが始まっている気がします。

 今後はファストリさんも、投資家さんも日本国内事業に関してはユニクロ単体ではなく、ユニクロ+ジーユーで評価する必要があるのではないでしょうか。

 4位のGAPは米国内の不採算店舗の大量整理が続き2%減収22%減益と減収大幅減益。

 比較的堅調なのは米国OLD NAVYのみ。当期のGAPの米国内リストラやOLD NAVY日本撤退で止血は完了したのでしょうか?
 
 5位のLブランズは3%増収も9%減益と久々の減益となりました。

 ビューティ部門=バス&ボディワークスは引き続き好調だったようですが、基幹ブランド ヴィクトリアシークレットの既存店売上が前年割れして不振に終わったのが要因です。

 アメリカで常勝を続けて来たLブランズの陰りは一時的なものなのか?今期の動向に注目です。
 
 6位以下に関しては・・・

 8位に浮上した米アセナリテールはアンテイラーの買収によって売上規模を拡大し、黒字化を果したもの。

 9位のネクストは既存店のスクラップ&ビルトと高いEC売上比率(42%)で20%の高営業利益率を保っていますが・・・

 イギリスのEU離脱宣言など社会情勢不安による既存店の減収およびECの減速が減収減益(2%減収3%減益)の要因のようです。

 同社は情勢を厳しく受け止めているようで、今期の予測も楽観できないものとしています。

 同社の店舗のスクラップ&ビルトとEC強化による収益性の維持は成熟市場における勝ち残りモデルのひとつ。日本企業も注目に値します。

 さて、

 今回のTOP10を見渡すと増収増益は インディテックス、プライマーク、しまむらの3社のみ

 営業利益率が15%を超える高収益企業は ネクスト、インディテックス、Lブランズの3社 

 明らかにインディテックスグループのひとり勝ちの様相です。 

 1年前のランキングでも指摘しましたが、

 ファッションビジネスにおいては・・・

 長いリードタイムをかけて低賃金の国においてローコストでつくり、

 つくったものを売り切るビジネスモデルはリスクが大きく(売上は上がるが利益をコントロールしづらい)、

 そういったグローバル資本主義的なビジネスモデルに陰りというか「限界」が見え始めたように思います。

 マーケットの変化にあわせて顧客が欲しいものを、コストは多少高くても目が行き届く近隣国において小ロット短サイクルでつくり足し、

 値下げと期末在庫を抑えることでしっかり利益を残すインディテックスグループのビジネスモデルにあらためて軍配が上がったと言えます。

 インディテックスグループはその一方で、ECビジネスを売上を補完する新たな販路としてではなく・・・

 お客様に店舗に足を運んでいただくためのマーケティングツールとしてフル活用して成果をあげています。

 今回のTOP10企業を始め(H&M、ファストリ、Lブランズ、プライマーク、ネクスト・・・)多くのグローバル企業が、これまでの手法を反省し、インディテックスグループのオペレーションを見習い

 短納期生産と中長期生産の折衷=ハイブリッド生産に取り組み

 ECを強化しながら既存店への来店頻度を高めるオムニチャネル・リテイリングに力を入れている

 のが昨今のグローバルトレンドです。

 これらを規模の違いと考えるのか?日本は海外と違うと切り捨てるのか?

 私はこれらの課題はどんな企業にも突きつけられている・・・将来 勝ち残るための問題提起だと思っています。

 執筆: ディマンドワークス代表 齊藤孝浩
 
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May 01, 2017

レナウンが取り組むファストファッション志向の新業態~アパレル出身企業がSPAに取り組む時のハードル

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 4月21日の日経新聞、24日の繊研新聞、日経MJなどに大手老舗アパレル レナウンが2018年春から立ち上げるショッピングセンター(SC)向け低価格新業態に関する記事が掲載されていました。

 レナウンの2017年2月期連結決算は年商676億円(前年比5%減)、営業利益6億円の赤字。

 百貨店販路が63%を占める同社が一通りのブランドの統廃合を終え、今後の伸び代として、

 売上シェアがまだ10.3%のSC販路と同2.1%のEC販路向けに、

 20、30代の若い世代を対象とするユニクロやZARA並みの低価格業態を開発し、

 早期に50億円規模の売上を目指すとのことです。

 記事を読んだ感想としては・・・

 同社がこれまで手掛けていなかった新しいことにチャレンジしようとする意図はよくわかりますが(親会社の中国山東如意の意向もあるのでしょう)・・・

 今回の新業態は なかなかハードルが高いことは業界の多くの方々も感じるところではないでしょうか。


 私的には

 三陽商会のバーバーリーが抜けた穴を アクアスキュータム=卸ベース66億円(前年比101%)およびそのディフュージョンブランドを開発して狙いに行くとか・・・

 約70店舗まで拡大した SC立地のファミリー向け直営業態、アーノルドパーマタイムレス 直営店53億円(前年比99.3%)に磨きをかけて販売効率を高める方が

 経営資源の活用につながる気がしますが・・・

 でも、せっかくリテイルビジネスに本腰を入れて取り組もうというのであれば

 過去に近い試みをして上手くいかなかった企業さんたちの失敗の轍を踏まないように頑張って頂きたいと願うばかりです。

 今回のニュースを読んで・・・

 これまで業務上いろいろなタイプのアパレルや靴の専門店チェーンさんやSPA企業さんのご支援をして来て、

 特にメーカー出身企業の直営店やSPAが陥りがちな小売ビジネスに対する認識違いに関して

 思うところがあるので、以下にまとめてみたいと思います。


 まず、

 いいものを作れば(高くても)売れる!と思わないことでしょうか  

 お客様が求める 「価格の制約」の中で価値ある(コスパの高い)ものづくりをしなければ売れないこと、

 また、逆に価格が安いんだからこんなもんと投げやりに安っぽいものを作らないこと。

 こだわり過ぎず、手を抜かず・・・ 

 顧客にとって必要な部分を残してその他はそぎ落とす「トレードオフ」の発想が必要なのが小売ビジネスです。

 次に

 シーズン(半期)計画に基づく売り減らし販売では店頭の鮮度を保てないこと。
 
 シーズン立ち上がりまでに計画通りつくったら終わりではなく、小売業はシーズンインしてからが勝負。

 商品企画も店頭と一丸となって週次仮説検証サイクルを回すべし(安易なQRではありません)

 商品企画している方々がなかなかその頭(サイクル)にならないんですよね。

 小売をやるなら昔ながらの「展示会」を中心とした発想を追い出した方がいいかも。

 また

 出店への投資を甘く見ないことです。

 アパレル卸は在庫過多で潰れますが、小売業は出店ミスで潰れるものです。 

 単店赤字かどうかだけでなく家賃は安くでも低効率店舗の量産も本部オペレーション、店頭在庫コントロールの足を引っ張るものです。

 そして最後に・・・ここがキモかも知れません

 MD(マーチャンダイザー)を頂点とした組織ではなく、お客様最前線にいる店長および店舗スタッフが活躍できる組織づくりを。

  店舗はつくったもの(与えられたもの)を売るだけが仕事ではなく、

 店頭は情報の宝の山と考え、リスペクトしつつ、いかに店頭の声を次の商品企画に活かそうと聴き上手になれるかどうか?

 事業部全体が本部の方を見て仕事をするのではなく、お客様の方を見て仕事をすることができて初めて小売ビジネスのスタートラインに立てると思っています。

 少々辛口なコメントばかりしましたが・・・

 百貨店出身アパレルメーカーさんのいいところもあります。

 それは、いいものを触って来た経験もあり、質感、特に素材感に対する感覚はチェーンストアマーケットしか知らない方々よりも優れたものを持っていると思っています。

 ですので、低価格チェーンストアマーケット出身の方々とは妥協線の異なったトレードオフが実践できれば・・・

 同じ低価格でも面(ツラ)のよいコスパの高い商品やブランドづくりが出来る可能性があると思います。

 その昔、商社時代にお世話になったこともあり、ご健闘をお祈りしております。

 関連エントリー-アパレル型SPA(製造小売業)と小売り型SPA

 【グローバルSPAを理解するおススメ本】

 世界一のインディテックス(ZARA)の背中を追う、ユニクロのファーストリテイリング。

 それぞれトレンドファッションとベーシックカジュアルのチェーンストアモデルの最高のお手本です。それぞれの信念、強み、将来性を多角的に解説しました。
 
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April 26, 2017

YKKのファストファッション向け取り組みとアパレル生産のボトルネック

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 4月17日のWWD JAPANにファスナーの世界シェアNO1、金額ベースで4割超を誇るYKKの今後の戦略に関する記事が掲載されていました。 

 3月初旬に発表された同社の中期経営計画関連の日経新聞や繊研新聞の記事(ともに3月3日付)の内容と織り交ぜてご紹介させていただきたいと思います。

 同社はこれまで高品質を武器にラグジュアリーブランドや著名インターナショナルブランドやナショナルブランドを中心に中高価格帯向けのファスナー供給をメインにして来ましたが、

 これから世界のマーケットはますますラグジュアリーとファストファッションへの二極化が進むであろうことを見据え、

 最大の成長の伸び代は中国・アジアで普及するファストファッションSPAと欧米NBにあると考え、これらの領域での商売拡大のために集中設備投資をすることを宣言しています。

 同社の新戦略のポイントは

 「低価格対応」 と 「納期の短縮」 の2点です。

 「低価格対応」に関しては、製法や材料を見直して中国製の競合と同じ価格水準でもしっかり利益を出せるものづくりを目指し、

 一方、

 メッキ・染色などの表面加工技術の内製化によって

 対応できる商品バリエーションを増やすとともに短納期ラインの構築を行い、

 製造ラインの省力化にも取り組むことで 「納期の短縮」を実現し、

 これまで最も取りこぼして来たファストファッション市場を攻略しようというものです。

 この新戦略のグローバル展開にあたり、

 上海YKKで世界に先駆けてこれらの対応を手がけて来た大谷新社長が中心となり、

 中国、バングラ、ベトナムに次々に導入した新しい生産管理手法を日本の黒部本社工場を含む世界の主要マーケット向け近隣生産地に展開する模様です。

 この取り組みによって

 これまで客先から一括受注した注文を、生産計画を立てた上で順次取り掛かるという従来型のやりかたを見直し

 受注したものを必要な分だけを小ロット(スモールバッチ)でつくり供給するというスピード供給体制へと変革する模様です。

 これは

 「ファストファッション企業だけでなく、今後は多くのアパレル企業が、アイテムによって短期・中期・長期という3つの時間軸で生産するようになり、アパレル生産はますますグローバルに拡散する」(大谷社長)

 ことに対応するための戦略です。

 この動きはまさしく、多くのグローバルSPA、ZARAのインディテックスグループを筆頭にH&MやNEXTやプライマークなどがすでに取り組んでいるものであり、

 日本のユニクロの「有明プロジェクト」にしても、このような対応をすることが目的のひとつにあると思っています。

 今回のYKKのファスナーの納期短縮への取り組みの記事を読んで私が思い出すのは・・・

 かつて商社でアパレル生産の仕事をしていた時のことです。

 当時、アパレル生産、特にスポーツウエアやブルゾンなどの生産を行う上で早期に意思決定をしなければならなかったボトルネックは・・・

 生地の生機(きばた;染色前の生地)と(YKKの)ファスナーだったと記憶をしています。

 つまり他の資材の中でも特に調達に時間がかかるために、最終的に商品ごとの生産数を決める前に、先駆けて注文しなければならないものがこの2つだったのです。

 シーズン性があり、トレンドの変化が激しいファッションビジネス、アパレルビジネスにおける最大のリスクはズバリ、商品ごと、カラー・サイズごとに出来上がってしまった時の在庫にあります。

 上記の2つのボトルネックのうち染色前の生地であれば・・・まだ別の色に染めるとか、他の商品に使うとか、「転用」が利きますが・・・

 カラー・サイズ(長さ)ごとに早期進行しなければならなかったファスナーは「転用」が難しく(結構、見込で無駄な注文をしたこともありましたっけね)、

 そのため、アパレル商品をつくるのが目的なのに、YKKのファスナーのリードタイムに合わせて製品の計画を立てなければならないという局面もありました。

 そういう意味では今振り返ると、ファスナーはアパレル生産の最大のボトルネックのひとつだったのかも知れません。

 これはファストファッションだけの話ではないでしょう。

 あれから20年は経っているので、多少はリードタイム(納期)は改善されたかとは思いますが・・・

 そんなボトルネックのひとつであるファスナーの納期が劇的に短縮されるのであれば、業界の在庫リスク回避に大いに貢献することと期待します。
 
 ファスナーの世界のトップシェアを誇る日本のYKKが時代の要請にあわせて業務改善を行い(まるで小説「ザ・ゴール」の世界?)、ますますグローバルで発展されることを楽しみにしています。

 関連エントリー-必要十分な品質

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March 21, 2017

ユニクロが挑むハイブリッド型マーチャンダイジング

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 3月17日の日経新聞に前日行われたファーストリテイリングの「有明プロジェクト」説明会に関する記事が掲載されていました。その後も多くのメディアが関連記事を取り上げていましたね。

 ファストリはユニクロの商品部組織を東京ミッドタウンから倉庫のある有明に移し、複数階層あった商品部やマーケティングに携わるスタッフを約5000坪のワンフロアーにまとめ

 マーチャンダイザー、デザイナー、パタンナー、生産、マーケティング担当が

 これまで1年がかりでリレー式で行って来た商品開発業務を定例会議だけに限らない、意見を求めたいことがあれば、すぐに打ち合わせを始められるインフォーマルなコミュニケーションを促進することによって

 業務のスピードアップを計り、シーズン中の需要の変化にも対応できる体制をつくることを目論んでいるようです。

 メディアでは

「つくったモノを売るという所から消費者が求めているモノだけをつくる」

「消費者個人の好みに合わせたサイズやデザインの服を10日でつくり届ける」

 ことが誇張され、ユニクロがこれまでのビジネスモデルを180℃変えるかのように報道されていますが、

 実際には、

 これまでのほとんどの商品が企画から店頭まで1年がかりだった計画生産、売り減らし型の商品開発体制に加え

 ・シーズン中にも新商品を開発して店頭に並べることができるようにすること

 ・サイズのパーソナル対応を拡大すること

 の2つを意図しているものと思われます。

 今回のプロジェクトの背景にあるのは言うまでもなく世界一を目指すファストリの新たなチャレンジです。

 昨年までは世界売上規模第三位の米GAPの背中を追いかけて来たファストリでしたが・・・

 今年2月23日に発表されたGAP社の2016年度(2017年1月末)決算速報によれば 
 
 前年比 2%の減収、22%の大幅営業減益、

 1月末の為替レート 1ドル=113.8円で換算すると

 ファストリ(2016年8月期)  1兆7864億円
 GAP INC(2017年1月期)  1兆7657億円

 となり、ファストリはいよいよ売上規模ではGAP社を抜き、世界3位となりました。

 但し、営業利益ベースでは

 ファストリ (同)        1272億円
 GAP INC (同)        1355億円

 とまだGAPには劣っていますが・・・

 この結果を予測して、ファストリの今期からの目標は売上利益とも世界一で快走を続けるZARAを運営するインディテックスグループ一本に絞り切ったと見ていいでしょう。

 関連エントリー- 世界アパレル専門店売上ランキング2015 トップ10

 昨年あたりから話題になっているファストリの一連の「有明プロジェクト」の報道を聞いていると・・・
 
 私が2014年に「ユニクロ対ZARA」の執筆のためにスペイン インディテックスグループ本社を訪問して取材した時に見たインディテックス本社の業務スタイルをそっくり目指しているように思えてなりません。

 当時、インディテックスの本社では

 ZARAの同じセクション(ウィメンズ、メンズ、キッズなど)の商品開発職務の方々がすべてワンフロア―のほぼ壁のない大部屋で、「実際の売場」を想定して仕事をし(デザイン、サンプリング、商品発注、グレーディング、裁断指示まで)、

 同じ敷地内で生地の裁断、縫製現場から戻って来た縫い上り商品の検品とプレス、店舗振り分けの上、空港近くのハブ物流に届けるまでの出荷物流までを行っていましたから・・・

 今回の有明プロジェクトでは、できる限り、それに近いことを実現しようとしているのでしょう。

 ただし、それはユニクロがZARAのマネをしてトレンドファッションに取り組むという話ではなく、

 ZARAの強みである

 業務のスピードアップと
 Flexibility(柔軟性)と
 Accuracy(正確性)

 に取り組むという話でしょうね。

 そして、気をつけなくてはいけないのは、

 ユニクロの世界最強といっても過言ではない、これまで築き上げてきたベーシックの商品開発から店頭売り切りまでのオペレーションの強みを捨てるのではなく、それに磨きをかけながら、

 それと並行する形で、今回の柔軟性のあるオペレーションを走らせるべきでしょうね。

 ZARAは、とかくトレンド商品の高速生産ばかりが注目されがちですが、実際には

 ・トレンド性のある商品は在庫リスクが大きいのでできるだけサプライチェーンを内製化してスピード重視で管理する

 逆に

 ・流行にさほど左右されないベーシックなものは品質と価格のバランスが大切なので、アジアの工場にアウトソーシングして時間をかけてつくる

というサプライチェーンのハイブリッドな使い分けを行っていることに強みがあります。

 つまり、人間ってものは、そう器用なものではないので、

 同じチームに違う勘所、違うサイクルの業務を同時にもとめても生産性が上がらず、上手く行きません。

 それゆえ内製化とアウトソーシングの使い分け、あるいは内部でもチームを分けての運用が現実的となるのです。

 そして、それぞれのサプライチェーンのサイクルは違っても、それらを店頭で上手にミックス=ハイブリッドさせているのが、

 ZARAの店頭の魅力であり、魅せるところと売るところのバランスであり、本当の強みであると思います。

 このあたり、ZARAのオーナーであるオルテガさんが製造業出身だからこそ 

 現場に無理をさせず、同じリズムで安定的な操業を求め、結果利益が残るということがわかっていらっしゃるからこそなのかも知れませんが・・・

 もうひとつ、ユニクロはカスタムサイズを10日間でつくり届けるといいますが、

 それも別オペレーションで取り組む大事なことのひとつかも知れませんが・・・

 その前に店頭のSサイズやXLサイズの欠品を防止して欲しいという声にも耳を傾けるべきかも知れません。

 いずれにしても、柳井会長のある意味「振り切った」理想の高いハードルから・・・

 結果、現実的なところに落ち着いて、進化を続けるユニクロからは目が離せませんね。

 【おススメ本】

 ユニクロが目指すZARAとの違い、見習えるポイントは?両社の経営信念、ビジネスモデルの強みなどわかりやすくまとめました。 今年1月には中国語簡体字翻訳版も中国本土で出版されました。 
  
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February 10, 2017

「オンワードHDのオーガニック化粧品ベンチャー買収」のニュースで考えるアパレルビジネスノウハウの異業種活用

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 先週2月2日の日経新聞にアパレル大手のオンワードホールディングス(HD)が、米カリフォルニア拠点で日本でオーガニック化粧品(ヘアケア、スキンケア)を販売する米ベンチャー企業を買収し、化粧品分野に参入することに関する記事が掲載されていました。

 ネット記事はこちら
オンワード、VB買収し化粧品参入 自然派商品で顧客開拓


 同社が買収した事業の通販サイトKOKOBUYも主力商品のproductも、ネットで検索したレベルでは、品数も少なく、決して大した規模ではないようですが・・・

 アパレル企業に近年取り扱いが広がる、いわゆる「ライフスタイル提案」ビジネスと言われるカテゴリーの中で、(なぜがアパレルがやりたがる)カフェや家具やインテリア雑貨なんかよりも・・・

 ずっと「ファッション」に親和性があって、地に足がついていると感じていた ヘアケア、スキンケアを中心とした自然派化粧品分野に

 オンワードHDが資本を注入して足を踏み入れることについて、とても興味を持ちました。

 今、商業施設を見渡せば、駅ビルのルミネなどのもっともトラフィックが多く、アクセスの良い場所に売場が広がっているのがオーガニック化粧品ブランドであることは誰もがお気づきのことでしょう。

 私自身も、ジョンマスター、キールズ、マークス&ウェブなどの製品には毎日お世話になっているヘビーユーザーのひとりであります(笑)

 欧米先進市場を見てもわかるように、成熟ファッションマーケットにおける生活者の関心事は、女性に限らず、時代に敏感な男性も含め、

 服→ヘアスタイル→スキンケア

 (アンチエイジングも含みますからジェンダレス&エイジレスの幅広い客層、そして自然派に訴えれば教養層=客単価高につながります)

 と必然的に進むものだと思います。

 業界の好調企業「マッシュスタイルラボ」が スナイデル(トレンドアパレル)、ジェラートピケ(ホームウエア)の成功の後に、

 仕入型ではありますが、コスメキッチン(ヘアケア、スキンケア)に取り組んだ時に、この会社は(顧客目線、マーケットインで)「さすが!わかってる」と唸ったものでした。

 ヘアケア、スキンケアのビジネスは、端(はた)から見れば、原価率が低く、粗利が稼げそう、そして消耗品なので、アパレルよりも購買頻度も高そう・・・それゆえにおいしそうなビジネスに見えます。

 しかしながら、肌に触れるものなので面倒な薬事法が立ちはだかりますから・・・なかなか取り組みづらそうな参入障壁が高いビジネスに感じられます。

 それゆえに、オンワードHDのように潤沢な資本力活かして、ノウハウごと買ってしまうというのが正解なのでしょうね。

 オンワードHDは これまで買収したペットグッズのクリエイティブヨーコも、ダンス用品のチャコットも、ライフスタイル自転車販売のSAKULA(サクラ)も・・・とても目の付け所がよく、

 それぞれの業界の中で、一人勝ちであったり、上手にライフスタイル提案をしている素敵な会社を買収していながら、純投資ビジネスとしては成功しているかも知れませんが・・・

 アパレルのノウハウを熟知した企業が買収した意味や相乗効果を十分に活かし切っているのかどうかは未知数です。

 買収したビジネスから新しいコンテンツ(カテゴリー)をこれまでの既存の顧客さんに提供することも大事ですが・・・

 むしろ、買収によって新たにリーチした客層にいかにアパレルビジネスで培ったノウハウで買収事業に磨きを掛けながら、新しい価値を提供できるか?

 つまり、既存顧客の客単価を上げるだけでなく、新規顧客とリピーターを増やすことができたら買収の本当の意味での相乗効果があるというものでしょう。

 その点、以前もブログで紹介しましたが、

 アメリカのSPA(アパレル製造小売業)の元祖「ザ・リミテッド」の全店閉店と創業者レスリー・ウェクスナー氏から学ぶこと

 アメリカのLブランズはアパレル企業が時代の変化にあわせて、周辺ライフスタイル事業を買収したり、新規事業を立ち上げて、「アパレル企業ならでは」の磨きをかけるノウハウに長けている世界レベルのお手本と言えます。

 同社はアパレル小売業から始まり、サプライチェーンマネジメントを強みとしたSPA(アパレル製造小売業)手法で進化し、GAPより先に、20世紀に年商規模世界一のアパレル専門店に登りつめます。

 その後、21世紀になると、アパレル市場が成熟したと見るや、それまでに買収していたヴィクトリアズシークレット(インナーウエア、ホームウエア)や自ら立ち上げたバス&ボディーワークス(ヘアケア、スキンケア)にアパレルSPAの週次管理や高速サプライチェーンマネジメントのノウハウを注入し、

 従来のインナー業界や化粧品業界の業界常識を超える販売効率や商品回転率や収益率を実現します。

 2007年に出身母体であるアパレル事業をファンドに売却しても、その後、アメリカで

 アパレルだけに頼らない21世紀型のファッションストア企業、世界的にも最も収益力の高いファッションリテイル企業の一社として成功をし続けているわけです。

 アメリカにアパレル出身で、生活者視点で、時代に合わせて事業転換を図って来た世界のお手本となるファッションチェーンモデルがある。 それがLブランズの今の姿だと思います。

 オンワードHD社にとって、今回の買収が売上利益を増やすだけの投資で終わるのか、Lブランズのように、次代に合わせて脱皮して一皮むけるきっかけになるのか?
 
 興味を持って見守りたいと思います。

 【おススメ本】

 ベーシックとトレンドファッション・・・アパレルSPA(製造小売業)の勝ち組のビジネスモデルが1冊で早わかり
 
 「ユニクロ対ZARA(ザラ)」単行本 ソフトカバー(日本経済新聞出版社)

  

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January 13, 2017

アメリカのSPA(アパレル製造小売業)の元祖「ザ・リミテッド」の全店閉店と創業者レスリー・ウェクスナー氏から学ぶこと

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 1月10日のWWD JAPAN.COMにアメリカの婦人アパレルSPAチェーン「ザ・リミテッド」が全米250店舗全店を閉店して、以後WEBストアのみで販売を続けることに関する記事が掲載されていました。

 ニュースの詳細はリンク先をお読みいただければと思いますが、

 ザ・リミテッドが全店舗閉店 4000人を解雇
 
 私も含め、90年代から世界のSPA(アパレル製造小売業)をウォッチしてきた業界の方々からすると今回の全店閉店ニュースには感慨深いものがあると思います。

 業界のトップコンサルである小島健輔先生も自身の思いをブログで取り上げていらっしゃいますね。

 小島健輔の言いたい放題 ウェクスナー氏の「先見の明」?

 SPA(Specialty store retailer of Private label Apparel)という言葉の語源はGAPの創業者である故ドナルドフィッシャー氏が1986年の同社決算発表会で使った同氏の造語ですが・・・

 GAPより早くからアメリカでお手本となる本格的なSPAをしていたのは「ザ・リミテッド」であるのは業界でも広く知られています。

 もう中古本としてしか購入できませんが・・・SPA原論とも呼べる

 「リミテッド社はなぜ世界最大になれたか(桜井多恵子著商業界1996年)」 を

 アパレル専門店のブランドポートフォリオやプライベートブランド(PB)開発のバイブルとして何度も線を引きながら読まれたアパレルチェーンの方もいらっしゃるでしょう。 私もそのひとりです。

 1963年「ザ・リミテッド」からスタートした旧リミテッド社の強みは 

 商品企画をして直営店で売るものの、つくることはベンダーに任せるという表層的なSPAではなく・・・

 店頭での試験販売と生産地にバイイングオフィスを持つ社内商社を活用したアジアでのQR生産、空輸インフラなど店頭起点のサプライチェーンマネジメントにあり、

 その結果として、ウィメンズ向けファッションベーシックカテゴリーの商品企画的中率が高かったところにあったと思います。

 その点、ユニセックス向けのベーシックカジュアルが中心で、比較的農耕的な?ものづくりのGAPとはまた違ったものづくりのお手本でした。

 90年代に「ザ・リミテッド」や「エクスプレス」などのSPAブランドを中心に世界一のアパレル専門チェーン企業に上り詰めた旧リミテッド社の転機は・・・

 2000年のH&Mのアメリカ上陸後に訪れます。

 H&Mのアメリカ上陸後、それまでさほど目立たなかったフォーエバー21(F21)も大量出店を始め、全米アパレル市場を舞台としたH&MとF21のファストファッションの競演が始まります。

 ここからアメリカのアパレル市場は正しくレッドオーシャンに突入したわけです。

 2007年、リミテッド社の創業者レスリー・ウェクスナー会長は

 創業業態である「ザ・リミテッド」ともうひとつのアパレルチェーン「エクスプレス」の2つの事業の権利の75%を投資ファンドに売却、2010年には残り25%の権利もファンドに売り渡し、外衣アパレル専門の業態からは撤退。

 一方、1982年に買収して磨きをかけて来たランジェリー中心の「ヴィクトリアズシークレット」と1990年に自ら開発した「バス&ボディワークス」というヘルス&ビューティ事業に特化します。

 その間、社名を「リミテッドブランズ」から「Lブランズ」と社名変更し、創業業態であるLIMITEDのLの頭文字は残しながらも、売却した「ザ・リミテッド」と違う、アパレル専業とは違うファッションチェーンの道を歩みます。

 2007年に「ザ・リミテッド」「エクスプレス」のアパレル業態を売却することを発表した際のウェクスナー氏のコメントが今でも忘れられません。

 「アパレルビジネスは我々にとって、もはやエキサイティングなビジネスではない」

 もしかしたらその言葉は、ご自身の本音だけでなく・・・ファッショントレンドをマーケットイン発想で素早くつくるより・・・むしろ安くつくってしまうH&Mやフォーエバー21らのファスト性に辟易としていたファッション好きな大人の女性の言葉を代弁していたのかも知れません。

 今回、全店閉鎖となったのは、創業者が10年前に見切りをつけた、もう同氏の信念の宿っていないファンド傘下の「ザ・リミテッド」。

 一方、創業者は現在、Lブランズとして、女性の内面の美をテーマにランジェリー、ホームウエア、スキンケア、ヘルス&ビューティ部門を核にアメリカで最も好業績のファッション企業の経営者として大成功を収めています。

 世界アパレル専門店売上ランキング2015 トップ10

 の5位に位置する、その「Lブランズ」については、少なくとも年に一回はアニュアルレポートに目を通させていただいていますが・・・

 同社が成功した理由は、ランジェリーやスキンケア事業を選んだからではなく、もともとその業界にいる同業プレイヤー(企業)とは違い・・・

 創業の「ザ・リミテッド」で培ったアパレルビジネスアプローチとサプライチェーンマネジメントを取り入れ、磨きをかけているからにほかなりません。

 毎年、期中生産比率を高め、究極の短納期生産を行い、商品的中率を上げることによって、在庫回転率を飛躍的に高めて・・・

 店舗の大型化を図りながらも売場面積(スクエアフィート)あたりの売上高をぐんぐん高め、既存店増収を続けながら、

 2016年1月期では、営業利益率18%という売上トップ企業の中でも指折りの高い営業利益率を上げています。

 これはランジェリーやスキンケアというカテゴリーがアパレルよりブルーオーシャンで儲かるビジネスだからではなく、

 レス・ウェクスナー氏が成熟市場の中でも伸び代のあるインナーウエアやスキンケアというカテゴリーにアパレルSPAならではの手法を持ち込んだからこそと思っています。

 創業業態「ザ・リミテッド」が全店閉鎖されても・・・

 同氏のビジネスセンスとファッション流通革新のグルとしての存在は健在です。

 世界がSPA化に向かった時にも大いに啓発され、大いに勉強させてもらったものでしたが・・・

 ファストファッションの拡大によって翻弄されている成熟マーケットにおいても、消費者のライフスタイルの変化に対して、我々が進むべき方向を示唆してくれているように思います。

 【おススメ本】

 ファッション流通業界において、Lブランズのレスリー・ウェクスナー氏とともに尊敬する経営者のおひとりであるインディテックスグループのアマンシオ・オルテガ氏の信念とは? 
  
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December 31, 2016

ファストファッションの次に来る流通革新

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 年末に発売されたファッション販売2月号の特集「ファッション業界2017年の焦点」の中で「ファストファッション」をテーマに寄稿させていただきました。

 月刊「ファッション販売」17年02月特大号 

 国内外の大手SPAやチェーンストアの価格動向と市場に対するインパクトについて述べた記事の本文とは別に「TOPIC」というコラムで「ファストファッションの次に来る流通革新」について触れさせていただきました。

 2008年にH&Mが日本に上陸した時から始まった日本のファストファッションブーム。

 その10年前の1998年にはユニクロのフリースブームから始まるSPA(アパレル製造小売業)による良質廉価の流通革新がありました。 

 このようにファッション流通市場では10年サイクルで新しい流通革新が起こり、生活者のファッション消費を変えて来たのです。

 そのファストファッションブームからまもなく10年が経ちます。

 日本より早くファストファッションの洗礼を受けた欧米で何が起こっているのか?

 日本のファッション流通市場の未来のインスピレーションを得るべく、私は毎年欧米のファッション都市をリサーチして日本のファストファッションブームの次に来る流通革新の芽を探して来ましたが・・・ここに来て確信を得ています。

 ひとつはイギリスでプライマークが、アメリカでTJMaxxのようなオフプライスストアが、そして、日本ではしまむらやGUが巻き起こしているディスカウンターによる都心部での「更なる低価格化」です。

 もうひとつは、すでにお馴染みのキーワードになった「オムニチャネルリテイリング」です。

 これまでの流通革新である

 「豊富な品揃え」⇒「低価格化」⇒「品質向上」⇒「トレンド(デザイン)の低価格化」

 と言った商品やマーチャンダイジングに関する革新よりも・・・

 むしろ顧客にどう商品を手渡すかという商品の提供方法に関する革新に他なりません。

 前者の更なる低価格化は、そもそもレッドオーシャンに飛び込むようなものなので、大資本には敵わないでしょう。

 それゆえに、ファッション流通業界各社は後者の「オムニチャネルリテイリング」にフォーカスすべきです。

 2011年にアメリカでオムニチャネルリテイリングというキーワードが話題になって、

 2013年の正月のこのブログでその年の流通業界のキーワードとして日本でもおこりつつあるこのムーブメントのご紹介をさせていただきました。

 「オムニチャネルリテイリング」は今年の流通業界注目の重要キーワード

 その後、スマホやアプリの進化とともに(WEAR、メルカリ含め)、消費者の購買行動の変化が起こり、

 直営既存店よりも、いかにEC売上を伸ばすかが業界関心事となり、多くの企業が主にZOZOやAMAZONを中心としたECモールの力を借りてEC売上の拡大に力を入れて来ました。

 以前のエントリー

 15年度のファッション商品のEC売上比率は7.8%に。10%目前に次なる課題は?

 でも触れましたが、

 昨今のECを取り巻く関心事の中心はEC売上拡大から「ラストワンマイル」、

 つまりお客様にECで買っていただいたら、宅配便で送りっぱなしで終わりではなく・・・

 お客様の手に確実にお届けするまでしっかり責任を持つこと、そして

 その手渡す接点をチャンスとしてしっかりと活かすための攻防に入りつつあります。

 これまでのように倉庫でダンボールをヤマト運輸や佐川急便に任せればそれでよいのでしょうか?

 コンビニで受け取ってもらえばそれでよいのでしょうか?

 ヤマト運輸が2020年までに宅配受け取り用のロッカーを全国に5000箇所作ると言っていますが、日本中にロッカーが完備すればそれでよいのでしょうか?・・・

 直営店を持つリテイラーそして商売人としては、何か他人任せのような気がしませんか?

 ファストファッションブームから10年が目前となった、これからの10年はオムニチャネルリテイリングの精度を高めることが流通革新のテーマになることは間違いないでしょう。

 直営店からECサイトへの送客がテーマだった過去から現在、

 これからの未来はECで購入したお客様をできるだけ直営店に立ち寄ってもらえるよう努めて行きたいです。

 これって、目に見えないところで起こっている競争なので、うかうかしていると気が付いたら乗り遅れていたということになりかねません。

 この取り組みに乗り遅れると・・・ファストファッションブームの時よりも痛手になることは間違いなさそうです。

 今年もブログをお読みいただきありがとうございました。

 業務多忙につきブログの更新の頻度が落ちた一年でしたが、

 来年も生活者を取り巻くファッション消費の変化とそれに応えるファッション流通企業の愚直な改善努力の好事例をできる限り読者のみなさんと共有して行きたいと思います。

 それでは皆さんよいお年を!

 【おススメ本】

 オムニチャネルリテイリングも一枚上手のZARA 書籍を通じてファッションビジネスに対する信念を学んでいただければと思います。 
 
 出版から2年経った今でも、おかげさまでアマゾン小売ジャンルランキング1位になることもしばしばあり、感謝しております。
 
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October 30, 2016

アダストリアのICタグの物流実証実験とRFID活用の課題

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 10月27日の繊研新聞にローリーズファーム、グローバルワーク、ニコアンドなどを展開するアダストリア(旧ポイント社)のICタグを活用した物流の実証実験に関する記事が掲載されていました。

 今回、同社のブリスポイント事業で行われる実験は中国の縫製工場から出荷される商品にICタグを付け、検品場を通過したところから運送、船積み、通関、国内物流倉庫を経て店頭に到着するまでのステイタスを可視化することが目的のようで、

 いずれは関連して、工場の納品伝票作成や通関手続きの簡素化などにもつなげる考えがあるようです。

 業界では、セレクトショップなどを中心にICタグの実験・導入が進んでいますが、今でもタグのコストと読み取りの精度の課題があり、本格的な導入を検討する企業は限られている模様です。

 コストに関しては、値札にICチップを埋め込むことを想定しているために、使い切りの値札に現在10~20円すると言われているICチップのコストがかけられるかという問題があります。

 国内で流通するアパレル商品の平均売価は2000円台前半と言われていますから、販売価格からすると1%程度、仕入コストからすると2.5%のコストを負担できるかという課題です。

 比較的高額(平均の3~4倍の単価)な商品を扱うセレクトショップであればその比率は下がりますので、導入のハードルは低いと言えましょう。

 また、読み取り精度については、近くに読み取りを妨げる金属があったりする場合やICタグが物理的な刺激を受けると破損する可能性があることから・・・

 現在は多少改善されているかも知れませんが、1.7%くらいの確率で読み取り漏れの可能性があると聴きます。

 今回のアダストリアの実験のように物流関連であれば、箱詰めされた(保護された)状態ですから問題は少ないかも知れませんが・・・

 店頭に出て商品どうしや什器などにぶつかったり、バックヤードの管理状況が悪かったり、お客様が試着をする際に物理的な刺激を受ける頻度が高くなると・・・

 ICチップが破損する可能性があるというものです。

 また、通常のバーコードの値札だって、量を扱うセルフ販売店での店頭では頻繁にタグ落ち問題がありますので、そもそもタグが落ちてしまったら読み取れません。

 従って、店頭での入出荷や棚卸業務への活用に関しても、スキャナーを持って魔法をかけるようなポーズで済む話ではなく、

 箱の中に何点入っているか、什器の中に何点陳列されているかを数えた上で読み漏れがないかどうかを確認する、点数棚卸を併用する必要は出て来ます。

 これらの日本の事例に対して、外資の導入事例をご紹介しましょう。

 拙著「ユニクロ対ZARA」を執筆する際にスペインの本社で話を伺いましたが、インディテックスグループでもICタグ(RFID)を活用した物流、商品管理、店舗作業軽減の取り組みが進んでいます。

 同社では、値札ではなく、もともとスペインの物流倉庫出荷時に全商品につけて全世界に送り出していたセキュリティタグ(防犯タグ)の中にRFIDチップを埋め込むことでまずはチップのもろさを解消しています。

 また、コスト面でも、そもそもICチップのよいところは書き換え可能なところですから、値札に埋め込むような一回使い切りの活用ではなく、セキュリティタグを回収することで再利用が可能になります。

 つまり、もとのコストがどうであれ、何回も使うことができれば、1回あたりのコストは再利用すればするほど安くできますよね。

 同社の物流のコンセプトの中に「ラウンドトリップ」や「リサイクル」という考え方があります。

 つまり、「往路」のみで行ったっきり、使い切りにするのではなく、本来空気を運んでいるかもしれない「復路」を使って回収することで物流スペースをフル活用したり、廃棄されることを前提にしないで再利用したりすることで

 トータルコストを削減しようという努力をしている話です。

 この考え方に基づけば、ICチップのコストをいかに安くするか?ではなく、多少コストは高くても、何度も再利用できるものにするという発想に変わって来ますよね。
 
 明らかに一枚上手です。

 店舗作業についても、

 レジではお会計時にセキュリティタグを外すと同時にお買い上げ商品の情報がPOSレジに読み込まれますのでバーコードスキャンの必要はありません。

 また、同社では顧客が試着商品のうち買わなかった商品を店舗スタッフがチェックする作業がありますが、こちらもRFIDの読み取りを行えばすぐに終わるでしょう。

 そして、店頭のサイズ欠品や商品の店内ロケーション管理にもRFIDは活用されていることでしょう。

 一方、ZARAのオンラインショップを利用するとわかりますが、
 
 注文商品が出荷された時や店舗受け取り指定にした際に商品が店舗に到着した時、いずれもメールが来ますが、こちらもこのRFIDと連動して自動化されていると思われます。 

 というように当然のことながら、物流にも活用されていますね。

 ひとつの技術を取り入れる時も目先のコストではなく、店頭を起点にあらゆる業務の効率化を考えるインディテックスグループの発想からは多くのことを学ぶことができます。

 【おススメ本】

 すべてはお客様の期待を店頭で叶えるためにある。それが本書を書き終えた時に感じた、ユニクロとZARAからの最大の学びでした。
 
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October 27, 2016

成熟市場イギリスで高収益を上げるNEXT(ネクスト)のオムニチャネルリテイリング戦略

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 毎年このブログで最もアクセスを頂いているエントリーのひとつに世界アパレル専門店売上ランキングがありますが、2015年度のランキングで最も注目すべき企業は8位にランクするイギリスのNEXT(ネクスト)でしょう。

 世界アパレル専門店売上ランキング2015 トップ10

 英NEXT(ネクスト)は1864年創業のベーシックカジュアルの老舗アパレルチェーンで、

 米GAPと並び、ユニクロのSPA(製造小売業)お手本のひとつになったことでも知られています。

 売上規模ではプライマークに抜かれ、TOP10の中では成長率も左程高くない成熟ブランド、日本でもゼビオがフランチャイズ展開をしていますが、コンサバでちょいとイケていないブランド(失礼!)に見られがちなため、これまで業界関係者もあまり注目して来なかったのが正直なところです。

 しかし、NEXT(ネクスト)は2016年1月期決算で年商7152億円、20.5%の営業利益率をたたき出す世界の中でもトップクラスの高収益率の企業です。

 以下は事業ごとの売上構成比と営業利益に関する数値です。

事業        売上構成比 前年比 営業利益シェア 営業利益率
英国直営店事業  57.2%   +1.1%  47.2%      16.9%
通販事業      40.0%   +7.7%   47.6%      24.4%
他海外FCなど   2.8%     -15.5%   5.2%        37.9%
合計         100%    +3.0%   100%      20.5%

 通販事業の売上構成比40.0%は小売チェーンの中でも極めて高いですが、営業利益構成比47.6%には驚かされますね。 

 同社の通販事業(NEXT DIRECTORY)は英国を中心に世界70か国に展開し、過去20週以内に1回以上オーダーしているアクティブユーザーが457万人いるNEXTが手掛けるカタログおよびECビジネスの総称です。

 同事業は

            事業内シェア 営業利益率
1)英国通販事業   77.4%    27.5%
2)LABEL事業    10.8%    12.2%
3)海外通販事業   11.8%    15.7%

の3つから構成されます。

 ネクストの通販事業の構成比の高さと収益性の理由をまとめると・・・

 まずは、1988年にカタログ通販を始め、1999年にはインターネット通販を開始するなど、業界の中でも早くから取り組んだ先行者利得があるでしょう。

 次に、ZOZO TOWNの「ツケつけ払い」ではありませんが、通販購入者は代金を分割払いができるクレジット決済(掛け売り)口座を設けていることも挙げられます。これにより、顧客の購買のハードルは下がりますね。

 また、自ら築いた顧客網、通販および物流インフラを活用して・・・

 本来競合するはずのナショナルブランドやインターナショナルブランドをセレクトし、ネクストの通販アカウントを持っている顧客に販売代行するLABEL(レーベル)というファッション商品のECモールのような機能を果たす事業があります。

 これも既存顧客のまとめ買いや囲い込みに一役買っているようです。

 さらに同社の通販事業の資料に目を通していて、着目すべきことは、

 EC購入客の店舗での受け取り比率55%という高さでしょう。これは5年前の13%から飛躍的に上がった数字のようで、その理由はいくつかあります。

 イギリスでは日本のヤマト運輸ほどきめ細かい対応を取る業者が出てきていないため、ECで注文した商品を不在により自宅で受け取りできない確率が高いことが挙げられます。

 これに対して、NEXTは国内540の店舗網(アクセスポイント)と独自の物流網をフル活用し、注文した翌日の昼には送料無料で顧客の指定した店舗で商品を受け取れるというサービスを実施した結果です。
 
 同社の資料を見ていて、ECモールを活用して通販売上を上げることに躍起になっている日本企業にとって、意外と「店舗での商品受け取り」というのは盲点だったのではないか?と思いました。

 店舗での商品受け取りは顧客にとって、

 運賃を払う必要がなく、自分の都合にあわせて受け取ることができ、あらかじめ決済を済ませていれば、お会計をする手間もいりません。

 もし、商品を確認したり、試着をしたければ、店舗のフィッティングルームを使えますし、場合によってはその場で交換返品もできるでしょうし、また、店舗で気に入った商品が見つかれば買い足しも可能です。

 一方、小売り側も

 既存の物流網に載せることができれば追加の運賃コストはかからないし、顧客が来店してくれれば、ついで買いも期待できます。

 接客販売するお店であれば、そんな絶好のご提案のチャンスはないでしょう。

 ある商品を受け取りに来られるお客様がいらっしゃるとなれば、それに合うこんな商品もご提案してみよう、あんな商品はどうだろうか?とお待ちしている間も店舗スタッフさんのモチベーションが高まるのではないでしょうか?

 あと余談ですが、通販で使われるダンボールの廃棄問題や無駄にトラック便や運転手さんを走らせたりする環境問題、労働問題も少なくなるでしょうから環境的、社会的にもよいのではないでしょうか?
 
 もちろん、商品をどのように受け取りたいかは、お客様のお望み次第ですが・・・

 以上のように店舗受け取りには顧客、店舗双方にたくさんのメリットがありますね。

 そこに徹底的に投資をして来たNEXTの事例は・・・直営店とECのインフラを顧客のためにフル活用した、業界の中でも極めて正統派のオムニチャネルリテイリングのお手本のひとつだと思います。

 昨今、ゾゾタウンやアマゾンなどECモールを経由しての通販売上の向上に努力してきたアパレルブランドは少なくありません。

 その結果、各社の売上に占めるEC売上比率は高まり、業界平均も5%を超え10%へと向かっています。

 しかし、以前ご紹介したエントリーのように

 ECモールに任せきりにして、店舗業務との調和を取らないことによる課題も徐々に顕在化し始めているようです。

 15年度のファッション商品のEC売上比率は7.8%に。10%目前に次なる課題は?

 やはり、直営店を持つファッション専門店であれば、倉庫で宅配業者さんにダンボールを渡して、あとはよろしく!ではなく・・・

 商品を自らの手でお客様に届けるところまでしっかりとフォローしたいですよね。

 2008年に始まった流通革新である「ファストファッション」からまもなく10年、

 次の10年のテーマとなる流通革新がはっきり見えてきました。

 それは「オムニチャネルリテイリング」に他なりません。

 これまでのECモール依存から今後は自社ECの強化へ、そして、

 商品の店舗での受け取りを促進し、直営店とECインフラが一丸となった本格的なオムニチャネルリテイリングに取り組む時です。

  ECモール~宅配便に任せていたお客様との接点を店舗をキーステーションにして取り戻そう!

 【おススメ本】

 すべてはお客様の期待を店頭で叶えるためにある。それが本書を書き終えた時に感じた、ユニクロとZARAからの最大の学びでした。
 
 出版から2年経った今でも、おかげさまでアマゾン小売ジャンルランキング1位になることもしばしばあり、感謝しております。
 
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