April 08, 2019

世界最大のスポーツ用品チェーン、仏デカトロンが狙うのは、すべてのスポーツの民主化

329日に西宮ガーデンズに

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日本1号店をオープンした世界最大のスポーツ用品チェーン、

フランス本社のデカトロンのお店を覗いて来ました。

デカトロンは2年前に中国上海で訪店して以来、注目してきましたが、

関連エントリー 世界最大の低価格スポーツ用品チェーン 仏DECATHLON(デカトロン)の衝撃

日本上陸が決まり、今、話題の作業服チェーンから機能性スポーツウエアを打ち出す、ワークマンとともに日経TRENDY2019年のヒット商品番付筆頭に取り上げられて以来、更に関心をもって見守っている次第です。

関連エントリー ワークマンプラス 対 デカトロン

 ちょうど、ワークマンプラスとデカトロンを徹底比較した、現在発売中の日経TRENDY6月号の特集の中にも筆者の流通業界の専門家としてのデカトロンに関するコメントが掲載さ20190404_183858 れていますのでよろしければこちらの方もお読みになって下さい。

 今回(平日夜7時くらい)、西宮ガーデンズの店舗(約550坪)を覗いて強く感じたのは・・・

 ワークマンが作業服を開発するチェーンストアNO1の世界からタウンウエアとして使える服や、スポーツウエアとして使えるものを切り出して提案しているのに対し、

 デカトロンはキャンプやランニングやヨガと行った大人が関心のあるスポーツのみならず、子供と共にスポーツを楽しみたい親たちにむけて、新しくスポーツを始める子供たちを突破口としたファミリースポーツライフスタイルを提案している業態であるというところでした。

 同じスポーツカテゴリーの中でも、初心者向け、中級者向け、キッズ向けにフォーカスし、デカトロンに来たらギアからウエアから消耗品まで機能性の高い商品が安価で一通り揃うというワンストップな品揃えを提供しています。

 現在、同社にとって中国が本国フランスに次ぐ第2のマーケットになっていますが、中国進出のタイミングは2003年。

 2008年の北京オリンピック開催が決まったのが2001年だったので、明らかに中国でオリンピックを契機に盛んになることが予想される各種スポーツに関心を持つ人たちを対象に中国進出をしたことが想像できます。

 そして、日本進出のタイミングも東京オリンピックの前年。

 おそらく東京オリンピックを目の当たりにする子供たちは、従来の野球やサッカーのような球技だけでなく、陸上、フィールドスポーツ、マリンスポーツ、他今まで馴染みのなかった、見たこともなかったスポーツをテレビで見て、ワクワクすることでしょう。

 少子高齢化の進む日本ですが、そんな子供たちが新しいスポーツを始めたいと言い出した時、もし、それほどお金を掛けず、ワンストップで一通り揃うデカトロンが身近にあれば、思わず財布のひもを緩めてしまうのが親御さんの心理ではないでしょうか?

 同店訪問時、夜の時間帯にも関わらず、子供連れの家族が多かったのが印象的でした。

 そして、そんなファミリー層の会話や新しいスポーツギアを手にして、やや興奮気味に話す来店客たちが発するオーラが筆者にそう語りかけてくれたものでした。

 子供のころに母国でオリンピックを見る、デカトロンで買ったギア、ウエアで新しいスポーツを始める、初心者が中級者になってもデカトロンとの関係はしばらく続き、また大人になった子供たちは、そのまた子供たちとスポーツを楽しみたいと考え、子供を連れてデカトロンを訪れるようになる。

 「ライフタイムバリュー」という言葉がマーケッターの中で使われることが多くなりましたが・・・デカトロンが新しいマーケットに参入する時はまさしく、そんな生涯お付き合いをする覚悟でやってくるのではないか?

 たった1時間強の訪店ではありましたが、そんなことを強く想像させてくれるお店でした。

 関西、そして関東でも拡大することを楽しみにしています。

 執筆: ディマンドワークス代表 齊藤孝浩

 ※業界の発展と流通イノベーションのために・・・ファッション流通企業の経営者の方や事業スタートアップ準備中の方の応援をしています。
 時代の節目にあたり、「経営お困りごとのヒアリングとビジョナリーコーチング」のキャンペーンを実施中です。 ブログ筆者の質問に答えて行くだけで・・・頭の中がスッキリ整理されるコーチング手法で事業のお困りごとを整理して今後の方向性を見出すためのお手伝いをさせていただきます。 詳しくは>>>こちらから

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March 06, 2019

米GAP(ギャップ)社の2019年1月期決算は増収減益。OLD NAVYを分社化してGAPの更なるリストラへ

 2月28日に発表された米GAP(ギャップ)社の2019年1月期決算は

売上高は   4.6%増の1兆8065億円

営業利益は 7.9%減の 1484億円

営業利益率は 8.2%(前年は9.3%)

の増収減益でした。 US$=108.9円換算

期末店舗数は3666店舗(前比+72)です。


 好調の低価格業態 OLD NAVYは出店+既存店増収と好調も・・・

リストラが進むGAPとBANANA REPUBLICが芳しくなくなかった模様です。

 事業別に見ると

 売上の47%を占める OLD NAVY は8.3%増(既存店3%増)

 同 31%を占める GAPは3%減(同5%減)

 同 15%を占める BANANAは3%増(1%増)

会社全体の既存店売上前年比はトントンです。


 同じタイミングで同社は

米国中心(国内売上比率90%)に好調なOLD NAVYを別会社として切り離し 

残りのブランドを展開する存続会社は向こう2年間でGAPの230店舗の閉鎖など事業リストラに入ることを発表しています。

 この分社化後は単純に

 9523億円規模の旧GAP社と

 8542億円規模の新OLD NAVY社 

 の2社に別れることになりますが・・・

 事業別の過去の既存店の前年比や国外売上比率をを見たところ

既存店売上前年比  3年前対比    5年前対比
OLD NAVY      110%     115%
GAP            91%       81% 
BANANA         92%       82%
全体            101%      97%

国外売上比率
OLD NAVY   9%
GAP        42% 
BANANA    15%
全体        20%

とのことなので、

 アメリカ国内中心に低価格で成長を続けるOLD NAVYを活かし・・・

存続会社に残ったブランドは投資家のご意向で煮るなり焼くなり・・・って感じになってしまうのでしょうかね。

 昨年夏にアメリカを視察した時のGAPやOLD NAVYの店舗の印象ですが
 
彼らよりも規模が大きくなり、販売力のあるTJMaxx(ティージェーマックス)やROSS(ロス)のようなオフプライスストアとの競合にかなり晒されている印象を受けました。

 TJMaxxのプライスポイント(最多価格帯)はOFF後で$19.99、ROSSに至っては同じく$13.99くらいのトップスを
数多く品揃えして販売しているという印象です。

 もともとブランドをOFFして安く販売するオフプライスストアですが、

 顧客にわかりやすい、ズバリ価格設定戦略を採っていますし、アンダーウエアなどの日用品は在庫が充実しています。

 きっとそれが宝物探しの楽しみだけではなく、デイリーユースとしても支持されている要因のひとつでもあるでしょう。

 一方のGAPやOLD NAVYは・・・「らしさ」のあるズバリ価格を通すというよりは、日本のGAPのように従来よりも高めの当初価格をつけて・・・

 しょっちゅう30%-50%OFFで販売するという悪癖が染みついてしまっているような気がして残念でした。

 かつてはそこまではやっていなかったと思うのですが・・・

 オフプライスストア、ディスカウントストア、Amazon含めたオンラインストアがシェアを高めるレッドオーシャンなアメリカのアパレル市場で・・・

 かつて世界一に君臨したGAPがリストラを経てどのような再生が図れるのか? 

 やはりかつては世界一であったTHE LIMITED STOREがファンドの手に渡った後に、最終的に全店閉鎖になったような末路はあまり期待したくはないのですがね・・・

執筆: ディマンドワークス代表 齊藤孝浩

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【オススメ本】

 アメリカのファッション流通市場の変化もレポートしています。


 

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February 19, 2019

これから10年のファッション消費を考えるビジネス書「アパレル・サバイバル」発売

 筆者3冊目のビジネス書となる

 「アパレル・サバイバル」(日本経済新聞出版社)

 が今週2月21日(木)に発売、書店の店頭に並ぶことになりました。


 前著「ユニクロ対ZARA」(2014年初版;リンクは2018年更新文庫本)では

 21世紀の勝ち組モデルとして

 ユニクロのベーシック衣料型SPA(アパレル製造小売業)と
 ZARAのトレンドファッションを低価格で販売するファストファッション型SPAの

 それぞれのビジネスモデルを比較することによってアパレルビジネスの構造や急所を解説させて頂きました。

 同著の初版から4年、

 日本でファストファッションブームを巻き起こしたH&Mの上陸から10年が経過し

 あらたな流通革新が起こっているのはお気づきの通りです。

 今回の流通革新は

 オフラインからオンラインへ

 企業から消費者へ
 
 価格から時間へ

 と主戦場と担い手が変わり、テーマも変わって行く大きな転換期なので

 変化のスピードはこれまで以上に速くなることでしょう。

 筆者は日本において、新たな流通革新が欧米の後を追いながら10年周期で起こると見て・・・

 ファストファッションブーム後から海外の動向を観察して来ましたが

 欧米で起こり始めたその波がいよいよ日本にもやって来たように感じています。

 本書のメインテーマは

 「ショッピングのデジタルシフト」

 「溢れるクローゼットの持続可能な循環」

 です。

 英米の先進事例の店頭体験で感じたインスピレーションをもとに

 生活者のショッピングのお困りごと起点で整理して仮説を立て

 オンラインで芽生え始めたショッピング革新の事例を多数取材して

 書き上げました。

 未来を語るので賛否両論あろうかとは思いますが(笑)

 本書がきっかけとなり

 過去の延長線上ではなく、

 生活者のお困りごと起点で

 未来の理想の状態(ビジョン)を描きながら

 そこから逆算する形で

 新しい、斬新な革新の議論が始まることを期待して問題提起をしています。

 出版社さんのご意向もあり挑発的なタイトル・表紙になっていますが・・・(笑)

 未来を前向きに考えるための一冊に仕上げたつもりです。

 店頭でお見かけになりましたら是非お手に取っていただければ幸いです。

執筆: ディマンドワークス代表 齊藤孝浩

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July 20, 2018

しまむらが大きいサイズの衣料専門店の出店を検討

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 先月の日経新聞 日経MJになりますが、ファッションセンターしまむらが大きいサイズの衣料展開を増やし、2018年中に専門業態の開発を検討していることに関する記事が掲載されていました。

 同社の東大宮店で展開していた紳士3L~5L、婦人LL~5L の大きいサイズのコーナーが好調なことから、まずは既存店での展開を15店舗に広げ、その後、新業態としての出店を考えることを検討されるようです。

 この大きいサイズの需要は確実にあると思うので楽しみですね。

 紳士服系では古くから「サカゼン」がメンズ&レディスを首都圏中心に30店舗規模で取扱い、

 全国チェーンでは紳士服のはるやまグループが大きいサイズ専門の「フォーエル」を全国約100店舗を展開し、紳士服が中心のようですが、婦人服の取扱いも行っているようです。

 また、婦人カジュアルではネット通販のニッセンのスマイルランドが一時 大きいサイズの服で話題になりましたね。

 現実には、現在ネットで購入される方々が多いのかもしれません。

 アメリカでは、このマーケットは「プラスサイズマーケット」と呼ばれ、

 あるレポートによれば、

 この市場は アメリカのレディスマーケット全体の17.5%を占め(2016年)、

 マーケット全体が5年前対比8.6%成長のところ、このプラスサイズマーケットは23%成長した成長余地のあるマーケットと位置づけているようです。

 同レポートではネット検索調査から、このプラスサイズマーケットは潜在的にもっと大きなマーケットと考えられているようです。

 体格の違うアメリカと日本を比べるのはどうかと思いますが、

 日本でそれを求める消費者に十分な買い場があるかどうかと言えば、困っている人が多いことは間違いなさそうですから

 日本でしまむらなどの大手がリアル店舗のチェーン化でその需要を取り組むことは大変興味深いです。

 ただ、既存業態の中で展開するのは納得行きますが・・・

 単独業態がどこまで成り立つかどうかについては議論の余地がありそうです。

 ひとつはしまむらが得意とする、人口が限られた郊外小商圏で少数派を狙った単独店のチェーン化が成り立つかどうかということ (そこそこの人口=商圏規模が必要なのでは?)

 また、一般サイズの展開の延長線で大きいサイズや小さいサイズを扱うのであれば顧客も人目をはばかることはないと思いますが、

 単独専門店になると、その店に出入りすることにお客さんが抵抗があるのではないか?と心配します。

 かつて、別の経営問題もあったかも知れませんが、

 クイーンサイズの婦人靴専門業態が需要が十分にあって、注目されていたにも関わらず、うまく行かず

 
 一方、既存業態の中でサイズ展開の幅を広げ、大きいサイズの婦人靴の需要を取り込んだ

 オリエンタルトラフィックが拡大しているように

 ファッション消費には、市場性だけでなく、購入者への配慮も必要かも知れません。

 また、外資系チェーンのH&Mやアメリカンイーグルあたりはショッピングセンター立地で大きいサイズのカジュアルウエア需要を上手く捉えているので、

 そのあたりが競合になるかも知れませんね。

 店舗数が1400店舗を超え、オンラインにもライバルが増え、顧客の服の買い方も変わり・・・

 既存の品揃えだけでは飽和に近づいた感のあるしまむらですが、

 是非、小商圏での強みを生かしてあらたなカテゴリーで顧客の需要に応えることを期待しています。

 執筆: ディマンドワークス代表 齊藤孝浩

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 「ユニクロ対ZARA」 文庫本


 

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July 13, 2018

H&Mの日本1号店=銀座店が閉店

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 日経新聞やWWDジャパンによれば H&M(へネスアンドマウリッツ)は2008年に開業した日本1号店である銀座店を契約満了に伴い、来週7月16日(祝)をもって閉店するとのこと。

 WWDジャパン 「H&M」が銀座店を閉店 5000人が行列した日本1号店、ファストファッション・ブームの震源地

 同店は10年前に日本のファストファッションブームが始まった場所。

 オープン当日は5000人が入店待ちの行列をし、9月の残暑の中、

 H&Mからの配慮で黒い折り畳み傘が配られ

 銀座中央通りから晴海通りにかけて長蛇の黒薔薇の花壇のような列が出来たのを覚えています。

 関連エントリー-H&M銀座店オープン、その時ZARA、ユニクロは・・・

 関連エントリー-H&M銀座店オープンの最も素敵な広告宣伝

 
 今日は銀座に行く機会があったので久しぶりにH&M銀座店を覗いて来ましたが・・・

 近隣のZARAが混雑だったのに対し、

 H&Mは閉店をする告知もなく、商品ヴォリュームも少なく、客数もまばらだったのが対象的でした。

 同社は、間口が狭く、手狭、家賃負担も大きかった銀座1号店は役割を終え、

 今後も良い大型物件があれば銀座に再出店する可能性を残しながら、

 むしろ日本100店舗体制に向けて未出店エリアに力を入れるとのことです。

 報道が指摘しているように同社の銀座店閉店はひとつの通過点に過ぎず、

 筆者はまだ同社の日本でのポジションと役割は十分残されていると思っています。

 しかし 最近の業績は・・・

 快進撃が続く世界一のZARAを擁すインディテックスや

 中国で絶好調の3位のユニクロファーストリテイリングに比べ、

 かつてインディテックスとツートップだったH&Mの近年の収益力低下は顕著です。

 筆者はここ数年ZARAが世界的に低価格戦略を採り、H&Mの価格に近づき

 欧州ではプライマークやローカルのウルトラファストファッション系のオンラインサイトに押され、

 アメリカや中国では過剰出店感が否めず・・・

 日本でもZARAとユニクロ、ジーユーに挟まれ、オンライン戦略が後手に回り、優位性が薄れていたところに

 ファストファッションながら、得意なはずだったアジアでの低価格、中長期的生産が結果的に在庫過多を生んでしまったと見ています。

 ZARAとH&Mの明暗には多くの低価格系のファッションチェーンが学ぶべき教訓がたくさんあると思います。

 世界アパレル専門店売上ランキング2017 トップ10

 そのあたりもお話する筆者も講師を務める来週のセミナーがありますので、もしお時間あれば まだ若干席はあるようなので聴きに来て頂ければ幸いです。

 シンクエージェント主催 経営革新セミナー デジタル化する小売業~ファッション企業はどう生き残るべきか?

 また2018年バージョンになった 拙著「ユニクロ対ZARA」文庫版をお読みいただければ、

 昨今のグローバルファッションチェーンの動向をご理解いただけるのではないかと思っております。

 執筆: ディマンドワークス代表 齊藤孝浩

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 「ユニクロ対ZARA」 文庫本


 

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July 03, 2018

「ユニクロ対ZARA」の文庫本が日経ビジネス人文庫から発売

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 ブログ筆者である 齊藤孝浩(タカ サイトウ)が執筆し、2014年11月に発売された「ユニクロ対ZARA」がこの度 文庫本として発売されることになりました。

 「ユニクロ対ZARA」(日経ビジネス人文庫)
 
 本日Amazonで発売開始、明日には全国の書店の文庫本コーナーに並ぶと思います。

 おかげさまで旧版は2014年から2015年にかけてビジネス書のベストセラーとなり、

 訳本が台湾、香港、中国本土でも発売され、多くの出会いの機会を頂きました。


 文庫化にあたり、数値は両社の最新決算のものに置き換え
 
 4年間の動向を踏まえ、最終章の未来予測のところを書き換えました。

 書き換えを通じて、筆者も両社がこの4年間で着実にパワーアップしていることを思い知らされたものでした。

 ユニクロはベーシック商品の商品管理のベストプラクティス、

 ZARAはトレンドファッションの商品管理のベストプラクティス

 だと思っていますので、両社のオペレーションはシーズン性のあるアイテムを扱っていらっしゃる小売業の方々には業界問わず、参考になると思います。

 また、両社とも、明確な経営ビジョンを持ち、企業経営をする企業のグローバルレベルのお手本でもありますので、

 アマンシオ・オルテガさん、柳井正さんの経営信念からも刺激を受けて頂けると思います。

 文庫本になって、更に読みやすく、 携帯しやすくなっておりますので、

 書店で見かけたら是非お手に取って下されば幸いです。


 執筆: ディマンドワークス代表 齊藤孝浩

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May 14, 2018

世界アパレル専門店売上ランキング2017 トップ10

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 世界の大手アパレル専門店各社の2017年度の売上高や利益などをまとめる機会ができましたので、毎年恒例になりました売上高のランキングTOP10を共有させていただきます。

 円建て比較にあたり、為替レートは2018年1月末の €=135円、スウェーデンクローナ=13.8円、US$=108.8円、英国£=153.9円で換算しています。
 
 尚、7位のC&Aのみ2017年決算が入手できませんでしたので Deloitte Global Powers of Retailing2018と2017を参考にした2016年度の売上高を表示しています。

順位 社名 本社;決算期 売上高 前年増減 営業利益 営業利益率 期末店舗数 基幹業態
1位 インディテックス (西;2018.1期) 3兆4203億円 8.7% 5823億円 17.0% 7475 ZARA
2位 H&M (瑞;2017.11期) 2兆7600億円 4.0% 2838億円 10.3% 4739 H&M
3位 ファーストリテイリング (日;2017.8期) 1兆8619億円 4.2% 1764億円 9.5% 3294 UNIQLO
4位 GAP (米;2018.1期) 1兆7248億円 2.2% 1609億円 9.3% 3594 OLD NAVY
5位 Lブランズ (米;2018.1期) 1兆3742億円 0.5% 1879億円 13.7% 3075 Victoria's Secret
6位 プライマーク (愛;2017.9期) 1兆0854億円 18.6% 1131億円 10.4% 345 Primark
7位 C&A ヨーロッパ (独;2017.2期) 8390億円 -3.1% 非公開 非公開 1575 C&A
8位 アセナリテール (米;2017.7期) 7234億円 -4.9% -142億円 赤字 4807 Ann Taylor Justice
9位 ネクスト (英;2018.1期) 6241億円 -1.0% 1169億円 18.7% 528 NEXT
10位 しまむら (日;2018.2期) 5651億円 -0.1% 428億円 7.6% 2145 しまむら
                                        備考-米TJMaxx、Ross のオフプライスストア2社は、売上規模でトップ10に入る規模ですが、メーカーや専門店が放出した過剰在庫を販売する二次流通マーケットのため除外しました。また、中国で拡大を続け、売上規模では9位あたりに位置すると目されるE.LandWorld(韓国)は売上規模以外の実態が掴めないため除外しました。

以下 ランキングに対する解説です。

 1位のインディテックスグループは9%増収、7%営業増益、と着実な増収増益。ローカル通貨ベースでの伸び率は10%の増収12%の増益だったようです。(以下利益は営業利益を指します)。

 進出国を1か国増やし94か国とし、グローバル展開を続けながら、この1年は特に香港、トルコ、メキシコに数多く出店したようです。

 一方、スペイン、中国はスクラップ&ビルドを進めているようです。

 また、ここ数年、ZARAが過去において手薄だったアメリカへの出店を強めているのも気になります。(ここ4年で87店舗へ倍増しました)

 初めて明かしたオンライン売上構成比は10%(展開国では12%)、前年比は41%増、既存店売上高もトップ10企業の中でダントツの5%増でした。

 2位のH&Mは4%の増収、14%の減益に終わりました。

 H&Mの減益は2年連続、営業利益率も10%の水準にまで落ちています。

 同社は同期も中国、アメリカへ集中して388店舗も出店をしましたが、

 店舗数を増やしたほど売上は伸びず、

 トップ10企業の他社は既存店のスクラップ&ビルドを行って店舗の純増数は鈍化しているにも変わらず、積極出店が裏目に出たようです。

 後述するプライマークの躍進やイギリスのウルトラファストファッション系ECサイト達にシェアを奪われているようです。デジタル戦略への遅れが業績に表われていることはH&MのCEO自身も認めています。

 3位はファーストリテイリング。4%増収も38%増益、営業利益率9.5%と復調しました。

 国内ユニクロ事業の回復、海外ユニクロ事業の好調が要因で、営業利益率も国内11.8%に対して海外10.3%と海外も相当稼ぐ力がついて来ましたね。

 その後の2018年上半期では、ユニクロの海外の売上は国内を上回り・・・

 営業利益の構成比が逆転するのも時間の問題。

 いよいよユニクロは国内事業一本打法から、海外で稼ぐブランドへの脱皮を果たしたと言えるのではないでしょうか?

 4位のGAPは米国内のGAPおよびバナリパの不採算店舗の大量整理にメドがついたようで、2%の増収、24%の増益とこちらも復調。 

 ただ、日本から撤退したOLD NAVYが北米において1ブランドで気を吐いている感が否めません。

 また、久々に同社の米国内売上比率を見ましたが・・・

 80%と年々ドメスティック比率が高まっています。かつて世界一だったGAPとて、アメリカのチェーン店は海外で通用しづらい?というジンクスを覆すことはできなかったのでしょうか。
 
 5位のLブランズは0.5%の微増収も13%の大幅減益。

 ビューティ部門=バス&ボディワークスは引き続き好調だったようですが、

 基幹ブランド ヴィクトリアシークレットが政策的に水着とアパレルの販売を中止したのが減益要因で、

 同社はランジェリーのMD改革も含めてこの結果は織り込み済みとしています。

 6位以下に関しては・・・

 6位に浮上したプライマークはいよいよ年商1兆超え。

 19%の増収、7%の増益、10%の営業利益率と、インディテックスに次ぐ好業績企業と言えそうです。世界ランクトップ5入りも時間の問題でしょう。

 昨年夏にロンドンでプライマークの新しい旗艦店(オックスフォードストリートの東側の店)を視察しましたが・・・

 同ストリート 西側の旧旗艦店と比べるとわかりますが、一皮むけておしゃれで、選びやすい店舗が印象的で、進化のほどを感じました。 特に、ロンドンハイストリートでH&Mを苦しめている様子が感じられます。

 同社は2015年にアメリカ進出を果たしていますが、こちらの方はまだ試行錯誤状態のようです。

 9位のネクストは既存店のスクラップ&ビルトと高いEC売上比率(40%超)で、これまで堅調な売上高と高い営業利益率を保って来ましたが・・・

 いよいよ踊り場を迎えているようです。

 同社の戦略は欧米日など成熟マーケットにおけるチェーン店の生き残り策のお手本になるかと期待をしていたのですが・・・ 10%近い既存店の減収は痛いです。

 世界のファッション流通の最激戦地、イギリス、ロンドンでは日本以上の熾烈な勝ち残り競争が繰り広げられているようです。

 さて、

 今回のTOP10を見渡すと大きな増収、増益を達成したのはインディテックス、プライマークの2社です。

 また、ファーストリテイリングとGAPの利益の復調も見て取れます。

 一方、これまで 高い利益率を上げながらポストファストファッション時代に勝ち残る施策のいくつかの選択肢として注目して来た、

 ビューティ部門を強化する米Lブランズ、

 クリック&コレクトを中心にオムニチャネルとそのプラットホームづくりに力を入れて来た英NEXT

の2社が今踊り場を迎えています。


 ここ数年着実に伸ばしているZARAとプライマークから見習うべきことは2点あると思います。

 まずひとつは、

 目の届く近隣国と人件費の安価な国をバランスよく使い分けるハイブリッド型生産 です。

 3年連続で申し上げる話になりますが・・・

 長いリードタイムをかけて低賃金の国においてローコストで商品をつくり、

 つくったものを売り切るビジネスモデルはリスクが大きく(売上は上がるが利益をコントロールしづらい)、

 そういったグローバル資本主義的なビジネスモデルが「限界」に近づきつつあります。

 ここ数年のH&Mの様子は、まさにその反面教師的な姿かも知れません。

 一方、見習うべきはZARAのインディテックス社の近隣国とアジア生産を組み合わせるハイブリッド生産です。

 超低価格のプライマークも、かつての反省を活かし、トルコや東欧などの近隣国 短サイクル生産とベトナム中国バングラデシュの中長期生産を併用して成果を上げているようです。


 そして、そんなサプライチェーン改革と同時に進めなければならないもうひとつのチャレンジは

 ストアとオンラインの完全統合への道 です。


○ アプリによる来店前の顧客とのコミュニケーション

○ クリック&コレクト(オンライン注文の店舗受け取り)、

○ スキャン&バイ(店舗からのオンライン注文)

など、

 いわゆるオムニチャネル戦略に関してもZARAのインディテックスが半歩先を行っています。

 2018年はファストファッションからスマートショッピングの時代への大転換点。
 
 急成長しているからと言っても、プライマークのような更なる低価格路線を追及しても大資本には到底敵いませんので・・・

 ZARAの一連の取り組みを見習い、顧客の購買行動の変化に柔軟に対応できるサプライチェーンとオンラインの体制を早期に整えたいところです。

 執筆: ディマンドワークス代表 齊藤孝浩

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April 02, 2018

人手不足が深刻な外食産業、流通業界の取り組み~すかいらーくグループのパートアルバイトシェアによる人的資源活用策

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 3月25日の日経新聞に外食大手のすかいらーくグループが取り組むパートアルバイトのグループ内シェアによる人的資源の効率活用に関する記事が掲載されていました。

 日本経済新聞 すかいらーく系列店でパート10万人シェア 即戦力確保

 外食産業や小売業界で慢性化している人手不足はホントに深刻で、

 ファッション流通業界でも、

 既存店のワークシフトの定員が埋まらず、少人数で回している時間帯があるのは日常茶飯事化しており

 例え、よい新規出店立地があっても、販売スタッフが採用できず、出店を見送らざるを得ない事例も少なくなく、

 いまや店舗の人手不足は深刻で、経営課題の筆頭に挙がるお困りごとのひとつに間違いありません。

 記事によれば、すかいらーくグループでは、同様の人手不足の環境の中

○これまでやり方が違った全ブランドの業務マニュアルを統一し、

○システムで近隣あるいは行動範囲にある店舗の人手が足りない時間帯を可視化し、

○パートアルバイトさんが所属店舗の通常シフト以外に都合が合えば他店のシフトに入って働くことができる、その場合は手当をつける

○各種業務マニュアルもオンライン動画で閲覧可能とし、即戦力として働けるようにする など

これらの一連のシステム投資に100億円を投資するとこのことです。

 外食産業の店舗業務とファッション販売のそれでは当然 違うこともたくさんあるのでそのまま見習うことは出来ないと思いますが・・・

 人手不足のご時世に、あらためて、店舗業務を見直すきっかけになるのではないかと思いご紹介させていただきました。

 例えば、

 ・大手チェーンでは比較的店舗業務は平準化され、マニュアルはしっかりしていると思いますが・・・

 年商100億円未満のところでは機器の操作マニュアル以外は店長まかせ属人的になっているケースが多いように思います。

 そのままでは、生産性(業務効率・一人あたり売上・粗利)も店長まかせ、新しいスタッフさんの即戦力への教育も時間がかかりますし・・・

 店長が異動で変わった時に 前店長とやり方が違うことでウマが合わず、戦力だったスタッフさんが退職されるという事例も少なくないのではないでしょうか?

 人手不足の時こそ、あらためて、業務の棚卸、無駄な作業の廃止、業務マニュアルの整備を検討すべきでしょうね。

 ・ワークシフトに入っているスタッフさんが突然休むという時も比較的仲のよい店長さんが連絡を取り合ってスタッフさんを融通し合って欠員を埋めるということはよく行われていると思いますが・・・

 これは店長さんだけの負担にせず、可視化することによって本部にも現実を知っていただいた方がよいと思いますね。(本部員にとっても今日の今日の対応は出来なかったとしても、実態は課題のテーブルの上に乗ると思います)

 ・あらためて、ドミナント出店の優位性を感じます。

 首都圏、関西圏など同じエリアに集中出店するドミナント出店は人的資源の効率にも役立ちます。

 日本全国出店!は志大きく、素敵なことだと思いますが、実状や実力にあったオペレーションを行うのであれば・・・

 まずは、目の行き届く、何かあったら飛んで行ける、融通の利く範囲で仕事をしながら体制を整え、「その時」に備えることも大切かと思います。

 ・早番、遅番、中番だけでなく、主婦の方や学生さんが短時間でもワークシフトに入りやすくするように業務の細分化、ルーティン化とともにシフトの考え方も柔軟にできないだろうか? などなど

 そもそも パートアルバイトとして、「働きたくなる、店舗が醸し出す魅力」

 (=ブランド力や商品だけでなく、クレンリネス、チームワークでやりがいを感じて楽しそうに働いているかどうか? その余裕をもってもらうために、店舗に極力無駄な作業をやらせない など)

 が応募者を引き寄せるベースであることも忘れてはいけませんが・・・

 上記は、在庫最適化の支援業務の傍ら、店舗作業軽減に取り組む過程で店長さんヒアリングをしていると必ず出てくる課題のいくつかでもあります。

 もちろん、すぐにできること、事情によりできないこと、成果が出やすいこと、そうでないこと・・・いろいろあると思いますが・・・

 ファッション流通業界だけでなく、視野を広げて多くの企業が悩んでいること、いろいろな企業が取り組む企業の事例を知ることは・・・

 目先の課題や業務を見直すきっかけになるはずです。
 
 執筆: ディマンドワークス代表 齊藤孝浩
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February 12, 2018

ユナイテッドアローズ グリーンレーベルリラクシング(GLR)の働く女性のための新業態で考える ファッションストアの新部門開発のセオリー

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 1月25日の日経新聞や2月2日の日経MJにユナイテッドアローズ(UA)が展開するグリーンレーベルリラクシング(GLR)が働く女性に向けた品揃えに特化した新業態「Lurow GREEN LABEL RELAXING」を立ち上げることに関する記事が掲載されていました。

 既存のGLRの品揃えの中から通勤や職場でも使えそうな服・雑貨を切出し、3月1日のアトレ川崎(33.9坪)の1号店を皮切りに今後数店舗の出店を予定しているようです。

 UA社 プレスリリース ユナイテッドアローズ グリーンレーベル リラクシング ウィメンズオンリーショップ「Lurow GREEN LABEL RELAXING」をスタート アトレ川崎に1号店新規出店


 これまで、業界のいろいろな新業態や大型化に伴う新部門導入のニュースリリースを目にして来ましたが、

 「うーん、これは厳しそう」というケースが多い中、

 今回の同ブランドのライン・ロビング型のスピンアウト業態は大きな伸び代を感じ、とても安心して見守れるなと思いました。
 
 ※ 念のため、「ライン・ロビング」とはある専門分野に特化して品揃えを豊富にすることによって、近隣の競合店から客層を奪うカテゴリー戦略のマーケティング用語です。

 その理由は2つあります。

 ひとつは

 以前当ブログでもTOKYO BASEのCITY(シティ)立ち上げに関連した記事をエントリーしましたが、

 TOKYO BASEが都心で働く女性に向けた服の新業態「シティ」をSPA方式で本格展開


・百貨店のキャリアブランドと

・働く女性をメインターゲットとするZARAが創造したマーケット

の間には意外と各ブランドが中途半端にしか攻めていない大きなマーケットがあると思っています。

 ユニクロが万人に受ける低価格良品質のベーシックのマーケットをおさえ、

 ZARAやH&Mといった外資ファストファッションブランドやGUなどが百貨店の半額以下で低価格トレンドファッションマーケットをおさえた後の

 残された数少ない巨大マーケットのひとつ と言っても過言ではないでしょう。

 TOKYO BASEのCITYは 都心駅ビルを中心にプライスポイント10000円超の、いわばUAのビューティアンドユース(BY)くらいの価格でそのマーケットを狙い、

 今回GLRのLUROW(ルロウ;輝く+成長を合わせた造語だそうです・・・)はその価格帯の下を潜り、

 おそらく従来のGLRのプライスポイントからすると・・・

 最多価格帯 7900円あたりで駅ビルと近郊SCを股にかけても通用する価格帯で提供するのでしょう。

 それゆえ、少なくとも、前者よりは大きな売上規模になるでしょうね。

 成功する可能性が高いと思う2つめの理由は

 今回の新業態は小売業が店舗の大型化やスピンアウト型の新業態に取り組む時に

 新しい部門(カテゴリー)導入を検討するにあたり、取るべきセオリーに則っていると感じるためです。

 そもそも、その企業、あるいはストアブランドの出自(出身)や、どんなビジネスからスタートし、どんなビジネスで儲けているかは、

 「企業(ブランド)体質」や「ビジネスモデル」という観点から無視してはならないことは言うまでもありません。

 その中で非常に大事な要素は、

 顧客の視点に立てば、取扱商品の「顧客購買頻度」という観点です。

 企業側の経営数値で言えば、それにほぼ近い数値で表れる「年間商品回転率」にも置き換えることができると思います。

 つまり、既存の取扱商品と比べて、新しい部門(カテゴリー)あるいはフォーカスする部門の
「顧客購買頻度」は相対的に高いのか低いのか?という視点です。

 購買頻度が高い方向に新部門開発をする時は、相対的に商品が良く回転するので、

 「これは売れる!儲かる!」という実感がすぐ得られるので上手く行き、

 その逆は、

 当初は新しい商品が入るので新鮮に感じるかも知れませんが・・・

 すぐに「上澄み」が取られ、既存商品と比べて

 「なんでこんなに売れないの?在庫が重い!」と感じ、シビレを切らして上手く行かないケースが多いように思います。

 このロジックから、これまでの業界の歴史の中で成功したと思う成功パターンをいくつか挙げると、

○ メンズやユニセックスカジュアル中心の店がレディースの取扱いを増やす

○ 古着を扱っていたカジュアル店が新品の取扱いを増やす

○ 紳士服を扱っていたところがカジュアルウエアに取り組む

○ 生活雑貨を中心に扱っていたストアが服の取扱いを増やす

○ レディスカジュアル中心のストアが職場にも着て行けるキレイめ服を増やす

○ 子供服を扱っているストアがママのカジュアル服の品揃えを増やす

などが挙げられるでしょうか。

具体例としては

 1つめはセレクトショップやユニクロ、2つめはユーズドミックス店、3つめはユニクロなど(旧ポイント社もそうですね)、4つめは旧トリニティアーツのニコアンドやスタジオクリップなど、5つめはニコアンドやグローバルワークなど、6つめはしまむらバースデイなどあたりでしょうかね。

 一方、上記の逆を行って、成功したという事例はほとんど聴きません。

 ここ数年の中で、上記のセオリーを無視して、上手くいかなかった事例はいくつもありますが、ひとつだけ挙げると・・・

 アパレル専門店が店舗大型化のため、ライフスタイル業態に転換しようとして、生活雑貨の品揃えを増やしたケースでしょうか。上記で言えば4番目の逆パターンを行った例です。

 もちろん 例外はあるでしょうし、ビジネスの成否は、最終的には

 経営者の辛抱強さと信念をもって取り組む人材によるところにつきます。

 ただし、顧客購買行動をベースにしたセオリーを無視した新部門開発は・・・無謀と言わざるを得ませんね。

 上記の2つの観点から、

 都心部や近郊の働く女性のマーケットは購買頻度も高いですし、比較的お金もかけます。

 ゆえに、ファミリーカジュアル業態で鍛えられたGLRの新業態は「スーツ屋さん」にならなければ・・・

 高効率業態として安心して成長が見込めるのではないか?と私は見ています。

 日頃いろいろな店舗を見ていて・・・商売人が多いなと感心することが多いGLRの取り組みに

 今後とも注目しております。

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February 05, 2018

プラットフォーマーをめざす専門店のEC戦略

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 1月31日の日経新聞にアースミュージック&エコロジーなどを展開するストライプインターナショナルがソフトバンクと共同出資で他社ブランドも販売するECモール「ストライプデパートメント」を立ち上げる記事が掲載されていました。

 記事によれば同ECモールには、百貨店を主力に展開する大手アパレル 三陽商会 レナウンなどを含む企業からの出品が決まっているようで、参加ブランドは数百ブランドにのぼる見込みとのこと。 

 ストライプ社にはZOZOTOWNのライバルになるというよりは・・・より大人(30代後半以上)のマーケットを狙って棲み分けを図る意図があるようです。

 一方 ヨーロッパに目を向けると・・・

 デジタル戦略に遅れをとり 2017年11月期 近年にない微増収減益の決算に終わったH&Mが 

 H&Mグループのブランドとスウェーデンのローカルブランドやインターナショナルブランドの商品をディスカウントプライスで実店舗とオンラインの両方で販売するオフプライスストア型のマーケットプレイス業態 AFOUND(アファウンド)を立ち上げるようです。 

 AFOUND – AN INNOVATIVE OFF-PRICE MARKETPLACE – LAUNCHES IN 2018

 こちらは、定価販売のECモールではなく、在庫消化目的のアウトレットであり、ブランドのディスカウントを切り口に別のマーケットの需要を取り込もうというものです。

 もしかしたら、イギリスで拡大中のアメリカのオフプライスストアの巨人、T.J.maxxグループのT.K Maxxへの対抗措置でしょうか。

 T.K Maxx


 これまで、EC戦略、オムニチャネル戦略と言えば、ECモールへの出店から始まり、自社ECを強化して実店舗との相乗効果を図る流れが主流でしたが・・・

 いよいよ中長期戦略を採る大手ファッション専門店の中から、

 独自で構築した店舗、物流、ITのインフラを活かして、自らが自社ブランドだけではなく他社ブランドも販売する AmazonやZOZOのようなECモールやマーケットプレイスづくりを目論む、いわゆる「プラットフォーマー」志向の企業が現れ始めましたね。

 今後このような動きはAmazonやローカルの競合ECモールに対抗して、世界各国で大手企業を中心に活発になってくるように思います。

 海外の先行事例としては、イギリスのNEXT(ネクスト)が挙げられます。

 同社は世界アパレル専門店ランキング第9位(イギリスでは2位) 日本円で5800億円規模(2017年1月期)の年商の、柳井さんがユニクロを立ち上げる時のモデルのひとつでもあったイギリスの老舗SPAですが・・・

 世界アパレル専門店売上ランキング2016 トップ10

 早く(1999年)からECに取り組み、現在ではEC売上高比率42%を誇り、EC売上のうち12%は同社と競合しない著名インターナショナルブランド含む約100ブランドを販売しています。

 NEXTと一緒に注文して、宅配はもちろん、店舗で受け取る(=クリック&コレクト)ことも可能なインフラを整えています。

 NEXT社は英国内500店舗超の店舗網、独自の物流網を活かして、

 深夜12時までに注文した商品を翌日の昼の12時以降に顧客が指定する店舗で受け取る

 「クリック&コレクト」網を敷いているオムニチャネル戦略の先進企業で、

 筆者はイギリス同様、成熟マーケットとなった日本のチェーン店がベンチマークすべき事例のひとつだと思っています。

 日本の最大手である ユニクロはEC売上を行く末は売上比率30%まで高めるため、アクセルを踏み、

 国内2位のしまむらはこれからのようですが、

 目先の自社ECの強化やECモールへの出店の取り組みもよいですが・・・

 いっそのこと、NEXTのように、その先を見越して、プラットフォーム事業者を兼ねることを視野に入れて、未来からの逆算方式で中長期戦略を組まれるべきなんでしょうね。 

 ユニクロやしまむらのような店舗網 物流網を持った企業は日本国内でもそうないと思いますので、

 そのアドバンテージは活かすべきでしょう。 

 先日、楽天がウォルマート(西友)と組みましたが、

 しまむらともクリック&コレクトで組んだら楽天ポイント大好きな主婦層との相乗効果抜群で、とても相性がよいと思うのですが、いかがでしょうかね?

 執筆: ディマンドワークス代表 齊藤孝浩
 ※ただ今、ファッション流通企業の経営者の方、事業スタートアップ準備中の方のための「ビジョナリーコーチング」キャンペーン実施中。 質問に答えて行くだけで頭の中がスッキリ整理されるコーチング手法で事業の経営課題や方向性の整理のお手伝いをさせていただきます。 詳しくは>>>こちらから
 
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