July 20, 2018

しまむらが大きいサイズの衣料専門店の出店を検討

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 先月の日経新聞 日経MJになりますが、ファッションセンターしまむらが大きいサイズの衣料展開を増やし、2018年中に専門業態の開発を検討していることに関する記事が掲載されていました。

 同社の東大宮店で展開していた紳士3L~5L、婦人LL~5L の大きいサイズのコーナーが好調なことから、まずは既存店での展開を15店舗に広げ、その後、新業態としての出店を考えることを検討されるようです。

 この大きいサイズの需要は確実にあると思うので楽しみですね。

 紳士服系では古くから「サカゼン」がメンズ&レディスを首都圏中心に30店舗規模で取扱い、

 全国チェーンでは紳士服のはるやまグループが大きいサイズ専門の「フォーエル」を全国約100店舗を展開し、紳士服が中心のようですが、婦人服の取扱いも行っているようです。

 また、婦人カジュアルではネット通販のニッセンのスマイルランドが一時 大きいサイズの服で話題になりましたね。

 現実には、現在ネットで購入される方々が多いのかもしれません。

 アメリカでは、このマーケットは「プラスサイズマーケット」と呼ばれ、

 あるレポートによれば、

 この市場は アメリカのレディスマーケット全体の17.5%を占め(2016年)、

 マーケット全体が5年前対比8.6%成長のところ、このプラスサイズマーケットは23%成長した成長余地のあるマーケットと位置づけているようです。

 同レポートではネット検索調査から、このプラスサイズマーケットは潜在的にもっと大きなマーケットと考えられているようです。

 体格の違うアメリカと日本を比べるのはどうかと思いますが、

 日本でそれを求める消費者に十分な買い場があるかどうかと言えば、困っている人が多いことは間違いなさそうですから

 日本でしまむらなどの大手がリアル店舗のチェーン化でその需要を取り組むことは大変興味深いです。

 ただ、既存業態の中で展開するのは納得行きますが・・・

 単独業態がどこまで成り立つかどうかについては議論の余地がありそうです。

 ひとつはしまむらが得意とする、人口が限られた郊外小商圏で少数派を狙った単独店のチェーン化が成り立つかどうかということ (そこそこの人口=商圏規模が必要なのでは?)

 また、一般サイズの展開の延長線で大きいサイズや小さいサイズを扱うのであれば顧客も人目をはばかることはないと思いますが、

 単独専門店になると、その店に出入りすることにお客さんが抵抗があるのではないか?と心配します。

 かつて、別の経営問題もあったかも知れませんが、

 クイーンサイズの婦人靴専門業態が需要が十分にあって、注目されていたにも関わらず、うまく行かず

 
 一方、既存業態の中でサイズ展開の幅を広げ、大きいサイズの婦人靴の需要を取り込んだ

 オリエンタルトラフィックが拡大しているように

 ファッション消費には、市場性だけでなく、購入者への配慮も必要かも知れません。

 また、外資系チェーンのH&Mやアメリカンイーグルあたりはショッピングセンター立地で大きいサイズのカジュアルウエア需要を上手く捉えているので、

 そのあたりが競合になるかも知れませんね。

 店舗数が1400店舗を超え、オンラインにもライバルが増え、顧客の服の買い方も変わり・・・

 既存の品揃えだけでは飽和に近づいた感のあるしまむらですが、

 是非、小商圏での強みを生かしてあらたなカテゴリーで顧客の需要に応えることを期待しています。

 執筆: ディマンドワークス代表 齊藤孝浩

 ※業界の発展と流通イノベーションのために・・・ファッション流通企業の経営者の方や事業スタートアップ準備中の方の応援をしています。
 時代の節目にあたり、「経営お困りごとのヒアリングとビジョナリーコーチング」のキャンペーンを実施中です。 ブログ筆者の質問に答えて行くだけで・・・頭の中がスッキリ整理されるコーチング手法で事業のお困りごとを整理して今後の方向性を見出すためのお手伝いをさせていただきます。 詳しくは>>>こちらから
 
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July 13, 2018

H&Mの日本1号店=銀座店が閉店

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 日経新聞やWWDジャパンによれば H&M(へネスアンドマウリッツ)は2008年に開業した日本1号店である銀座店を契約満了に伴い、来週7月16日(祝)をもって閉店するとのこと。

 WWDジャパン 「H&M」が銀座店を閉店 5000人が行列した日本1号店、ファストファッション・ブームの震源地

 同店は10年前に日本のファストファッションブームが始まった場所。

 オープン当日は5000人が入店待ちの行列をし、9月の残暑の中、

 H&Mからの配慮で黒い折り畳み傘が配られ

 銀座中央通りから晴海通りにかけて長蛇の黒薔薇の花壇のような列が出来たのを覚えています。

 関連エントリー-H&M銀座店オープン、その時ZARA、ユニクロは・・・

 関連エントリー-H&M銀座店オープンの最も素敵な広告宣伝

 
 今日は銀座に行く機会があったので久しぶりにH&M銀座店を覗いて来ましたが・・・

 近隣のZARAが混雑だったのに対し、

 H&Mは閉店をする告知もなく、商品ヴォリュームも少なく、客数もまばらだったのが対象的でした。

 同社は、間口が狭く、手狭、家賃負担も大きかった銀座1号店は役割を終え、

 今後も良い大型物件があれば銀座に再出店する可能性を残しながら、

 むしろ日本100店舗体制に向けて未出店エリアに力を入れるとのことです。

 報道が指摘しているように同社の銀座店閉店はひとつの通過点に過ぎず、

 筆者はまだ同社の日本でのポジションと役割は十分残されていると思っています。

 しかし 最近の業績は・・・

 快進撃が続く世界一のZARAを擁すインディテックスや

 中国で絶好調の3位のユニクロファーストリテイリングに比べ、

 かつてインディテックスとツートップだったH&Mの近年の収益力低下は顕著です。

 筆者はここ数年ZARAが世界的に低価格戦略を採り、H&Mの価格に近づき

 欧州ではプライマークやローカルのウルトラファストファッション系のオンラインサイトに押され、

 アメリカや中国では過剰出店感が否めず・・・

 日本でもZARAとユニクロ、ジーユーに挟まれ、オンライン戦略が後手に回り、優位性が薄れていたところに

 ファストファッションながら、得意なはずだったアジアでの低価格、中長期的生産が結果的に在庫過多を生んでしまったと見ています。

 ZARAとH&Mの明暗には多くの低価格系のファッションチェーンが学ぶべき教訓がたくさんあると思います。

 世界アパレル専門店売上ランキング2017 トップ10

 そのあたりもお話する筆者も講師を務める来週のセミナーがありますので、もしお時間あれば まだ若干席はあるようなので聴きに来て頂ければ幸いです。

 シンクエージェント主催 経営革新セミナー デジタル化する小売業~ファッション企業はどう生き残るべきか?

 また2018年バージョンになった 拙著「ユニクロ対ZARA」文庫版をお読みいただければ、

 昨今のグローバルファッションチェーンの動向をご理解いただけるのではないかと思っております。

 執筆: ディマンドワークス代表 齊藤孝浩

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July 03, 2018

「ユニクロ対ZARA」の文庫本が日経ビジネス人文庫から発売

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 ブログ筆者である 齊藤孝浩(タカ サイトウ)が執筆し、2014年11月に発売された「ユニクロ対ZARA」がこの度 文庫本として発売されることになりました。

 「ユニクロ対ZARA」(日経ビジネス人文庫)
 
 本日Amazonで発売開始、明日には全国の書店の文庫本コーナーに並ぶと思います。

 おかげさまで旧版は2014年から2015年にかけてビジネス書のベストセラーとなり、

 訳本が台湾、香港、中国本土でも発売され、多くの出会いの機会を頂きました。


 文庫化にあたり、数値は両社の最新決算のものに置き換え
 
 4年間の動向を踏まえ、最終章の未来予測のところを書き換えました。

 書き換えを通じて、筆者も両社がこの4年間で着実にパワーアップしていることを思い知らされたものでした。

 ユニクロはベーシック商品の商品管理のベストプラクティス、

 ZARAはトレンドファッションの商品管理のベストプラクティス

 だと思っていますので、両社のオペレーションはシーズン性のあるアイテムを扱っていらっしゃる小売業の方々には業界問わず、参考になると思います。

 また、両社とも、明確な経営ビジョンを持ち、企業経営をする企業のグローバルレベルのお手本でもありますので、

 アマンシオ・オルテガさん、柳井正さんの経営信念からも刺激を受けて頂けると思います。

 文庫本になって、更に読みやすく、 携帯しやすくなっておりますので、

 書店で見かけたら是非お手に取って下されば幸いです。


 執筆: ディマンドワークス代表 齊藤孝浩

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May 14, 2018

世界アパレル専門店売上ランキング2017 トップ10

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 世界の大手アパレル専門店各社の2017年度の売上高や利益などをまとめる機会ができましたので、毎年恒例になりました売上高のランキングTOP10を共有させていただきます。

 円建て比較にあたり、為替レートは2018年1月末の €=135円、スウェーデンクローナ=13.8円、US$=108.8円、英国£=153.9円で換算しています。
 
 尚、7位のC&Aのみ2017年決算が入手できませんでしたので Deloitte Global Powers of Retailing2018と2017を参考にした2016年度の売上高を表示しています。

順位 社名 本社;決算期 売上高 前年増減 営業利益 営業利益率 期末店舗数 基幹業態
1位 インディテックス (西;2018.1期) 3兆4203億円 8.7% 5823億円 17.0% 7475 ZARA
2位 H&M (瑞;2017.11期) 2兆7600億円 4.0% 2838億円 10.3% 4739 H&M
3位 ファーストリテイリング (日;2017.8期) 1兆8619億円 4.2% 1764億円 9.5% 3294 UNIQLO
4位 GAP (米;2018.1期) 1兆7248億円 2.2% 1609億円 9.3% 3594 OLD NAVY
5位 Lブランズ (米;2018.1期) 1兆3742億円 0.5% 1879億円 13.7% 3075 Victoria's Secret
6位 プライマーク (愛;2017.9期) 1兆0854億円 18.6% 1131億円 10.4% 345 Primark
7位 C&A ヨーロッパ (独;2017.2期) 8390億円 -3.1% 非公開 非公開 1575 C&A
8位 アセナリテール (米;2017.7期) 7234億円 -4.9% -142億円 赤字 4807 Ann Taylor Justice
9位 ネクスト (英;2018.1期) 6241億円 -1.0% 1169億円 18.7% 528 NEXT
10位 しまむら (日;2018.2期) 5651億円 -0.1% 428億円 7.6% 2145 しまむら
                                        備考-米TJMaxx、Ross のオフプライスストア2社は、売上規模でトップ10に入る規模ですが、メーカーや専門店が放出した過剰在庫を販売する二次流通マーケットのため除外しました。また、中国で拡大を続け、売上規模では9位あたりに位置すると目されるE.LandWorld(韓国)は売上規模以外の実態が掴めないため除外しました。

以下 ランキングに対する解説です。

 1位のインディテックスグループは9%増収、7%営業増益、と着実な増収増益。ローカル通貨ベースでの伸び率は10%の増収12%の増益だったようです。(以下利益は営業利益を指します)。

 進出国を1か国増やし94か国とし、グローバル展開を続けながら、この1年は特に香港、トルコ、メキシコに数多く出店したようです。

 一方、スペイン、中国はスクラップ&ビルドを進めているようです。

 また、ここ数年、ZARAが過去において手薄だったアメリカへの出店を強めているのも気になります。(ここ4年で87店舗へ倍増しました)

 初めて明かしたオンライン売上構成比は10%(展開国では12%)、前年比は41%増、既存店売上高もトップ10企業の中でダントツの5%増でした。

 2位のH&Mは4%の増収、14%の減益に終わりました。

 H&Mの減益は2年連続、営業利益率も10%の水準にまで落ちています。

 同社は同期も中国、アメリカへ集中して388店舗も出店をしましたが、

 店舗数を増やしたほど売上は伸びず、

 トップ10企業の他社は既存店のスクラップ&ビルドを行って店舗の純増数は鈍化しているにも変わらず、積極出店が裏目に出たようです。

 後述するプライマークの躍進やイギリスのウルトラファストファッション系ECサイト達にシェアを奪われているようです。デジタル戦略への遅れが業績に表われていることはH&MのCEO自身も認めています。

 3位はファーストリテイリング。4%増収も38%増益、営業利益率9.5%と復調しました。

 国内ユニクロ事業の回復、海外ユニクロ事業の好調が要因で、営業利益率も国内11.8%に対して海外10.3%と海外も相当稼ぐ力がついて来ましたね。

 その後の2018年上半期では、ユニクロの海外の売上は国内を上回り・・・

 営業利益の構成比が逆転するのも時間の問題。

 いよいよユニクロは国内事業一本打法から、海外で稼ぐブランドへの脱皮を果たしたと言えるのではないでしょうか?

 4位のGAPは米国内のGAPおよびバナリパの不採算店舗の大量整理にメドがついたようで、2%の増収、24%の増益とこちらも復調。 

 ただ、日本から撤退したOLD NAVYが北米において1ブランドで気を吐いている感が否めません。

 また、久々に同社の米国内売上比率を見ましたが・・・

 80%と年々ドメスティック比率が高まっています。かつて世界一だったGAPとて、アメリカのチェーン店は海外で通用しづらい?というジンクスを覆すことはできなかったのでしょうか。
 
 5位のLブランズは0.5%の微増収も13%の大幅減益。

 ビューティ部門=バス&ボディワークスは引き続き好調だったようですが、

 基幹ブランド ヴィクトリアシークレットが政策的に水着とアパレルの販売を中止したのが減益要因で、

 同社はランジェリーのMD改革も含めてこの結果は織り込み済みとしています。

 6位以下に関しては・・・

 6位に浮上したプライマークはいよいよ年商1兆超え。

 19%の増収、7%の増益、10%の営業利益率と、インディテックスに次ぐ好業績企業と言えそうです。世界ランクトップ5入りも時間の問題でしょう。

 昨年夏にロンドンでプライマークの新しい旗艦店(オックスフォードストリートの東側の店)を視察しましたが・・・

 同ストリート 西側の旧旗艦店と比べるとわかりますが、一皮むけておしゃれで、選びやすい店舗が印象的で、進化のほどを感じました。 特に、ロンドンハイストリートでH&Mを苦しめている様子が感じられます。

 同社は2015年にアメリカ進出を果たしていますが、こちらの方はまだ試行錯誤状態のようです。

 9位のネクストは既存店のスクラップ&ビルトと高いEC売上比率(40%超)で、これまで堅調な売上高と高い営業利益率を保って来ましたが・・・

 いよいよ踊り場を迎えているようです。

 同社の戦略は欧米日など成熟マーケットにおけるチェーン店の生き残り策のお手本になるかと期待をしていたのですが・・・ 10%近い既存店の減収は痛いです。

 世界のファッション流通の最激戦地、イギリス、ロンドンでは日本以上の熾烈な勝ち残り競争が繰り広げられているようです。

 さて、

 今回のTOP10を見渡すと大きな増収、増益を達成したのはインディテックス、プライマークの2社です。

 また、ファーストリテイリングとGAPの利益の復調も見て取れます。

 一方、これまで 高い利益率を上げながらポストファストファッション時代に勝ち残る施策のいくつかの選択肢として注目して来た、

 ビューティ部門を強化する米Lブランズ、

 クリック&コレクトを中心にオムニチャネルとそのプラットホームづくりに力を入れて来た英NEXT

の2社が今踊り場を迎えています。


 ここ数年着実に伸ばしているZARAとプライマークから見習うべきことは2点あると思います。

 まずひとつは、

 目の届く近隣国と人件費の安価な国をバランスよく使い分けるハイブリッド型生産 です。

 3年連続で申し上げる話になりますが・・・

 長いリードタイムをかけて低賃金の国においてローコストで商品をつくり、

 つくったものを売り切るビジネスモデルはリスクが大きく(売上は上がるが利益をコントロールしづらい)、

 そういったグローバル資本主義的なビジネスモデルが「限界」に近づきつつあります。

 ここ数年のH&Mの様子は、まさにその反面教師的な姿かも知れません。

 一方、見習うべきはZARAのインディテックス社の近隣国とアジア生産を組み合わせるハイブリッド生産です。

 超低価格のプライマークも、かつての反省を活かし、トルコや東欧などの近隣国 短サイクル生産とベトナム中国バングラデシュの中長期生産を併用して成果を上げているようです。


 そして、そんなサプライチェーン改革と同時に進めなければならないもうひとつのチャレンジは

 ストアとオンラインの完全統合への道 です。


○ アプリによる来店前の顧客とのコミュニケーション

○ クリック&コレクト(オンライン注文の店舗受け取り)、

○ スキャン&バイ(店舗からのオンライン注文)

など、

 いわゆるオムニチャネル戦略に関してもZARAのインディテックスが半歩先を行っています。

 2018年はファストファッションからスマートショッピングの時代への大転換点。
 
 急成長しているからと言っても、プライマークのような更なる低価格路線を追及しても大資本には到底敵いませんので・・・

 ZARAの一連の取り組みを見習い、顧客の購買行動の変化に柔軟に対応できるサプライチェーンとオンラインの体制を早期に整えたいところです。

 執筆: ディマンドワークス代表 齊藤孝浩

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April 02, 2018

人手不足が深刻な外食産業、流通業界の取り組み~すかいらーくグループのパートアルバイトシェアによる人的資源活用策

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 3月25日の日経新聞に外食大手のすかいらーくグループが取り組むパートアルバイトのグループ内シェアによる人的資源の効率活用に関する記事が掲載されていました。

 日本経済新聞 すかいらーく系列店でパート10万人シェア 即戦力確保

 外食産業や小売業界で慢性化している人手不足はホントに深刻で、

 ファッション流通業界でも、

 既存店のワークシフトの定員が埋まらず、少人数で回している時間帯があるのは日常茶飯事化しており

 例え、よい新規出店立地があっても、販売スタッフが採用できず、出店を見送らざるを得ない事例も少なくなく、

 いまや店舗の人手不足は深刻で、経営課題の筆頭に挙がるお困りごとのひとつに間違いありません。

 記事によれば、すかいらーくグループでは、同様の人手不足の環境の中

○これまでやり方が違った全ブランドの業務マニュアルを統一し、

○システムで近隣あるいは行動範囲にある店舗の人手が足りない時間帯を可視化し、

○パートアルバイトさんが所属店舗の通常シフト以外に都合が合えば他店のシフトに入って働くことができる、その場合は手当をつける

○各種業務マニュアルもオンライン動画で閲覧可能とし、即戦力として働けるようにする など

これらの一連のシステム投資に100億円を投資するとこのことです。

 外食産業の店舗業務とファッション販売のそれでは当然 違うこともたくさんあるのでそのまま見習うことは出来ないと思いますが・・・

 人手不足のご時世に、あらためて、店舗業務を見直すきっかけになるのではないかと思いご紹介させていただきました。

 例えば、

 ・大手チェーンでは比較的店舗業務は平準化され、マニュアルはしっかりしていると思いますが・・・

 年商100億円未満のところでは機器の操作マニュアル以外は店長まかせ属人的になっているケースが多いように思います。

 そのままでは、生産性(業務効率・一人あたり売上・粗利)も店長まかせ、新しいスタッフさんの即戦力への教育も時間がかかりますし・・・

 店長が異動で変わった時に 前店長とやり方が違うことでウマが合わず、戦力だったスタッフさんが退職されるという事例も少なくないのではないでしょうか?

 人手不足の時こそ、あらためて、業務の棚卸、無駄な作業の廃止、業務マニュアルの整備を検討すべきでしょうね。

 ・ワークシフトに入っているスタッフさんが突然休むという時も比較的仲のよい店長さんが連絡を取り合ってスタッフさんを融通し合って欠員を埋めるということはよく行われていると思いますが・・・

 これは店長さんだけの負担にせず、可視化することによって本部にも現実を知っていただいた方がよいと思いますね。(本部員にとっても今日の今日の対応は出来なかったとしても、実態は課題のテーブルの上に乗ると思います)

 ・あらためて、ドミナント出店の優位性を感じます。

 首都圏、関西圏など同じエリアに集中出店するドミナント出店は人的資源の効率にも役立ちます。

 日本全国出店!は志大きく、素敵なことだと思いますが、実状や実力にあったオペレーションを行うのであれば・・・

 まずは、目の行き届く、何かあったら飛んで行ける、融通の利く範囲で仕事をしながら体制を整え、「その時」に備えることも大切かと思います。

 ・早番、遅番、中番だけでなく、主婦の方や学生さんが短時間でもワークシフトに入りやすくするように業務の細分化、ルーティン化とともにシフトの考え方も柔軟にできないだろうか? などなど

 そもそも パートアルバイトとして、「働きたくなる、店舗が醸し出す魅力」

 (=ブランド力や商品だけでなく、クレンリネス、チームワークでやりがいを感じて楽しそうに働いているかどうか? その余裕をもってもらうために、店舗に極力無駄な作業をやらせない など)

 が応募者を引き寄せるベースであることも忘れてはいけませんが・・・

 上記は、在庫最適化の支援業務の傍ら、店舗作業軽減に取り組む過程で店長さんヒアリングをしていると必ず出てくる課題のいくつかでもあります。

 もちろん、すぐにできること、事情によりできないこと、成果が出やすいこと、そうでないこと・・・いろいろあると思いますが・・・

 ファッション流通業界だけでなく、視野を広げて多くの企業が悩んでいること、いろいろな企業が取り組む企業の事例を知ることは・・・

 目先の課題や業務を見直すきっかけになるはずです。
 
 執筆: ディマンドワークス代表 齊藤孝浩
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February 12, 2018

ユナイテッドアローズ グリーンレーベルリラクシング(GLR)の働く女性のための新業態で考える ファッションストアの新部門開発のセオリー

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 1月25日の日経新聞や2月2日の日経MJにユナイテッドアローズ(UA)が展開するグリーンレーベルリラクシング(GLR)が働く女性に向けた品揃えに特化した新業態「Lurow GREEN LABEL RELAXING」を立ち上げることに関する記事が掲載されていました。

 既存のGLRの品揃えの中から通勤や職場でも使えそうな服・雑貨を切出し、3月1日のアトレ川崎(33.9坪)の1号店を皮切りに今後数店舗の出店を予定しているようです。

 UA社 プレスリリース ユナイテッドアローズ グリーンレーベル リラクシング ウィメンズオンリーショップ「Lurow GREEN LABEL RELAXING」をスタート アトレ川崎に1号店新規出店


 これまで、業界のいろいろな新業態や大型化に伴う新部門導入のニュースリリースを目にして来ましたが、

 「うーん、これは厳しそう」というケースが多い中、

 今回の同ブランドのライン・ロビング型のスピンアウト業態は大きな伸び代を感じ、とても安心して見守れるなと思いました。
 
 ※ 念のため、「ライン・ロビング」とはある専門分野に特化して品揃えを豊富にすることによって、近隣の競合店から客層を奪うカテゴリー戦略のマーケティング用語です。

 その理由は2つあります。

 ひとつは

 以前当ブログでもTOKYO BASEのCITY(シティ)立ち上げに関連した記事をエントリーしましたが、

 TOKYO BASEが都心で働く女性に向けた服の新業態「シティ」をSPA方式で本格展開


・百貨店のキャリアブランドと

・働く女性をメインターゲットとするZARAが創造したマーケット

の間には意外と各ブランドが中途半端にしか攻めていない大きなマーケットがあると思っています。

 ユニクロが万人に受ける低価格良品質のベーシックのマーケットをおさえ、

 ZARAやH&Mといった外資ファストファッションブランドやGUなどが百貨店の半額以下で低価格トレンドファッションマーケットをおさえた後の

 残された数少ない巨大マーケットのひとつ と言っても過言ではないでしょう。

 TOKYO BASEのCITYは 都心駅ビルを中心にプライスポイント10000円超の、いわばUAのビューティアンドユース(BY)くらいの価格でそのマーケットを狙い、

 今回GLRのLUROW(ルロウ;輝く+成長を合わせた造語だそうです・・・)はその価格帯の下を潜り、

 おそらく従来のGLRのプライスポイントからすると・・・

 最多価格帯 7900円あたりで駅ビルと近郊SCを股にかけても通用する価格帯で提供するのでしょう。

 それゆえ、少なくとも、前者よりは大きな売上規模になるでしょうね。

 成功する可能性が高いと思う2つめの理由は

 今回の新業態は小売業が店舗の大型化やスピンアウト型の新業態に取り組む時に

 新しい部門(カテゴリー)導入を検討するにあたり、取るべきセオリーに則っていると感じるためです。

 そもそも、その企業、あるいはストアブランドの出自(出身)や、どんなビジネスからスタートし、どんなビジネスで儲けているかは、

 「企業(ブランド)体質」や「ビジネスモデル」という観点から無視してはならないことは言うまでもありません。

 その中で非常に大事な要素は、

 顧客の視点に立てば、取扱商品の「顧客購買頻度」という観点です。

 企業側の経営数値で言えば、それにほぼ近い数値で表れる「年間商品回転率」にも置き換えることができると思います。

 つまり、既存の取扱商品と比べて、新しい部門(カテゴリー)あるいはフォーカスする部門の
「顧客購買頻度」は相対的に高いのか低いのか?という視点です。

 購買頻度が高い方向に新部門開発をする時は、相対的に商品が良く回転するので、

 「これは売れる!儲かる!」という実感がすぐ得られるので上手く行き、

 その逆は、

 当初は新しい商品が入るので新鮮に感じるかも知れませんが・・・

 すぐに「上澄み」が取られ、既存商品と比べて

 「なんでこんなに売れないの?在庫が重い!」と感じ、シビレを切らして上手く行かないケースが多いように思います。

 このロジックから、これまでの業界の歴史の中で成功したと思う成功パターンをいくつか挙げると、

○ メンズやユニセックスカジュアル中心の店がレディースの取扱いを増やす

○ 古着を扱っていたカジュアル店が新品の取扱いを増やす

○ 紳士服を扱っていたところがカジュアルウエアに取り組む

○ 生活雑貨を中心に扱っていたストアが服の取扱いを増やす

○ レディスカジュアル中心のストアが職場にも着て行けるキレイめ服を増やす

○ 子供服を扱っているストアがママのカジュアル服の品揃えを増やす

などが挙げられるでしょうか。

具体例としては

 1つめはセレクトショップやユニクロ、2つめはユーズドミックス店、3つめはユニクロなど(旧ポイント社もそうですね)、4つめは旧トリニティアーツのニコアンドやスタジオクリップなど、5つめはニコアンドやグローバルワークなど、6つめはしまむらバースデイなどあたりでしょうかね。

 一方、上記の逆を行って、成功したという事例はほとんど聴きません。

 ここ数年の中で、上記のセオリーを無視して、上手くいかなかった事例はいくつもありますが、ひとつだけ挙げると・・・

 アパレル専門店が店舗大型化のため、ライフスタイル業態に転換しようとして、生活雑貨の品揃えを増やしたケースでしょうか。上記で言えば4番目の逆パターンを行った例です。

 もちろん 例外はあるでしょうし、ビジネスの成否は、最終的には

 経営者の辛抱強さと信念をもって取り組む人材によるところにつきます。

 ただし、顧客購買行動をベースにしたセオリーを無視した新部門開発は・・・無謀と言わざるを得ませんね。

 上記の2つの観点から、

 都心部や近郊の働く女性のマーケットは購買頻度も高いですし、比較的お金もかけます。

 ゆえに、ファミリーカジュアル業態で鍛えられたGLRの新業態は「スーツ屋さん」にならなければ・・・

 高効率業態として安心して成長が見込めるのではないか?と私は見ています。

 日頃いろいろな店舗を見ていて・・・商売人が多いなと感心することが多いGLRの取り組みに

 今後とも注目しております。

 執筆: ディマンドワークス代表 齊藤孝浩
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February 05, 2018

プラットフォーマーをめざす専門店のEC戦略

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 1月31日の日経新聞にアースミュージック&エコロジーなどを展開するストライプインターナショナルがソフトバンクと共同出資で他社ブランドも販売するECモール「ストライプデパートメント」を立ち上げる記事が掲載されていました。

 記事によれば同ECモールには、百貨店を主力に展開する大手アパレル 三陽商会 レナウンなどを含む企業からの出品が決まっているようで、参加ブランドは数百ブランドにのぼる見込みとのこと。 

 ストライプ社にはZOZOTOWNのライバルになるというよりは・・・より大人(30代後半以上)のマーケットを狙って棲み分けを図る意図があるようです。

 一方 ヨーロッパに目を向けると・・・

 デジタル戦略に遅れをとり 2017年11月期 近年にない微増収減益の決算に終わったH&Mが 

 H&Mグループのブランドとスウェーデンのローカルブランドやインターナショナルブランドの商品をディスカウントプライスで実店舗とオンラインの両方で販売するオフプライスストア型のマーケットプレイス業態 AFOUND(アファウンド)を立ち上げるようです。 

 AFOUND – AN INNOVATIVE OFF-PRICE MARKETPLACE – LAUNCHES IN 2018

 こちらは、定価販売のECモールではなく、在庫消化目的のアウトレットであり、ブランドのディスカウントを切り口に別のマーケットの需要を取り込もうというものです。

 もしかしたら、イギリスで拡大中のアメリカのオフプライスストアの巨人、T.J.maxxグループのT.K Maxxへの対抗措置でしょうか。

 T.K Maxx


 これまで、EC戦略、オムニチャネル戦略と言えば、ECモールへの出店から始まり、自社ECを強化して実店舗との相乗効果を図る流れが主流でしたが・・・

 いよいよ中長期戦略を採る大手ファッション専門店の中から、

 独自で構築した店舗、物流、ITのインフラを活かして、自らが自社ブランドだけではなく他社ブランドも販売する AmazonやZOZOのようなECモールやマーケットプレイスづくりを目論む、いわゆる「プラットフォーマー」志向の企業が現れ始めましたね。

 今後このような動きはAmazonやローカルの競合ECモールに対抗して、世界各国で大手企業を中心に活発になってくるように思います。

 海外の先行事例としては、イギリスのNEXT(ネクスト)が挙げられます。

 同社は世界アパレル専門店ランキング第9位(イギリスでは2位) 日本円で5800億円規模(2017年1月期)の年商の、柳井さんがユニクロを立ち上げる時のモデルのひとつでもあったイギリスの老舗SPAですが・・・

 世界アパレル専門店売上ランキング2016 トップ10

 早く(1999年)からECに取り組み、現在ではEC売上高比率42%を誇り、EC売上のうち12%は同社と競合しない著名インターナショナルブランド含む約100ブランドを販売しています。

 NEXTと一緒に注文して、宅配はもちろん、店舗で受け取る(=クリック&コレクト)ことも可能なインフラを整えています。

 NEXT社は英国内500店舗超の店舗網、独自の物流網を活かして、

 深夜12時までに注文した商品を翌日の昼の12時以降に顧客が指定する店舗で受け取る

 「クリック&コレクト」網を敷いているオムニチャネル戦略の先進企業で、

 筆者はイギリス同様、成熟マーケットとなった日本のチェーン店がベンチマークすべき事例のひとつだと思っています。

 日本の最大手である ユニクロはEC売上を行く末は売上比率30%まで高めるため、アクセルを踏み、

 国内2位のしまむらはこれからのようですが、

 目先の自社ECの強化やECモールへの出店の取り組みもよいですが・・・

 いっそのこと、NEXTのように、その先を見越して、プラットフォーム事業者を兼ねることを視野に入れて、未来からの逆算方式で中長期戦略を組まれるべきなんでしょうね。 

 ユニクロやしまむらのような店舗網 物流網を持った企業は日本国内でもそうないと思いますので、

 そのアドバンテージは活かすべきでしょう。 

 先日、楽天がウォルマート(西友)と組みましたが、

 しまむらともクリック&コレクトで組んだら楽天ポイント大好きな主婦層との相乗効果抜群で、とても相性がよいと思うのですが、いかがでしょうかね?

 執筆: ディマンドワークス代表 齊藤孝浩
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December 12, 2017

ZOZOSUITでは顧客の正確なサイズをどう活かすのか

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 11月の後半から12月の初旬は11月22日に無料配布を発表したZOZOSUITの話題で持ちきりでしたね。

 最新テクノロジーのボディスーツ=ZOZOSUITを使って多くの消費者のリアルな体型サイズを採寸してデータベース化する試みはこれまで考えた人はたくさんいたかも知れませんが、それを実現する試みはとても革新的なことだと思いました。

 そもそもアパレル業界では「これがうちのサイズ」という明確なサイズ基準を持っているブランドや専門店は長年続けて来た大手以外では少ないです。

 持っていたとしても、流行が変わり、担当者が変わるとその方の判断で変えてしまったり・・・

 例え基準(サイズスペック)は持っていたとしても生産委託先(メーカーや商社や工場)任せにしているところも少なくないので、結果的につくる先の商品によってばらつきが出ることが普通かも知れません。

 そして、生産前に試作品サンプルを確認する時も、実際には時間がなかったり、人手が足りず、近くにいる人やデザイナー本人が着て確認し、その時の気分で良しあしが変わるケースも少なくないのが現実でしょう。

 また、中心サイズであるMサイズはしっかりチェックしていたとしても、量産するSやLやXLサイズなど他のサイズが理想のサイズやフィットに出来上がっているのか?すべてを確認しているわけではないのが多くのブランドやチェーン店の実情だと思います。

 ユニクロ含め、大手チェーンが基準にしているJIS規格をとってみても、だいたい古いデータでしばらく更新されていなかったり・・・JISを基準にした上で体型の維持を心がけているモデル事務所所属のフィッティングモデルを活用していたとしても、

 最終的にはジャストサイズではなく、多くの消費者をカバーするために、あえて大き目につくられるケースが多いようです。

 そんな現実なので、Mサイズと言ってもブランドによって、商品によって基準サイズもフィットもまちまちなわけで、店頭で実際に試着をしてもらって納得した上でご購入頂くというのが現実だったのではないでしょうか。

 日本最大のファッションECモールであるZOZOTOWNでは数ある出店ブランドを独自で商品の採寸をして対応して来たものの、そんな現実から起こるサイズ交換や返品に長年苦労し、業を煮やして来たのでしょうね。

 ZOZOSUITの試みは そんなミスマッチによる返品や手間を減らすことが第一でしょう。

 更には顧客データに基づき顧客のサイズに合ったブランドや商品をレコメンドすること、

 顧客のぴったりのサイズの在庫のある商品しか画面に表示されなかったらお買いものもストレスフリーで便利かも知れません。

 そして、出店ブランド側にも、顧客が望んでいるのはこのサイズ、とサイズ規格の管理を徹底させるコンサルティングをすることも視野に入れているのでしょうね。

 これらが改善するだけで、PB商品などを作らなくても業績は上がるのではないかと思っています。

 もっとも、ZOZOSUITを無料で世界中に配るほどの投資をするくらいですから、そのリターンとしては、やはりPB商品の販売による増益を狙うべきだと思いますが・・・

 究極のフィットのベーシックと言っても、低価格、量産を想定しているので、ネットで騒がれているような、パターンオーダーやイージーオーダーのようなカスタマイズはあり得ないでしょうね。

 リアルな生活者のサイズをアップデイトし、新たなスタンダードをつくり、多くの人をカバーする、最適なサイズのボディに対して、

 せいぜい シャツの袖丈や、裾上げをしなくていいようにパンツの股下のバリエーションをつけるくらいから始めるのではないでしょうか?

 「パーソナライゼイション」は確かにこれからのキーワードだと思いますが・・・

 何万円もする商品であれば別ですが、低価格のマスマーケットを相手にしている企業が既製品の丈詰め以外のサイズの「カスタムメイド」に取り組むことは極めて効率が悪いので取り組むべきではないと思っています。

 その観点からユニクロのセミオーダーの取り組みにも少々懐疑的です。

 それよりも業界は先にやることがあるでしょう。

 まずは、既存に流通している溢れんばかりの商品、情報の中からその人にあった商品在庫をマッチングして差し上げることです。

 それから、これまで業界が軽視していた小さいサイズや大きいサイズの方々への対応は固定客、まとめ買いにつながるので、客単価の高いリピーターづくりという観点からいいでしょうね。


 ところで、ZOZOSUITによって、顧客の正確なサイズデータが得られたとしても、

 それに基づいて最適な着心地や履き心地の商品をつくることの方がはるかに難しいでしょう。

 正しいサイズに基づいてつくられた服と着心地がよい服は必ずしもイコールではないでしょうし

 (人の体にはいろいろな動きがありますので)、

 更に、ピッタリの服と、着た人が美しくあるいはカッコよく見える(似合う)服ってのも

 必ずしもイコールではないので、このあたりも相当研究が必要でしょうね。

 期待したいのは、ユニクロ始め日本の多くのアパレルが歴史的にそうして来たアメリカや日本式の量産を前提とした平面製図的な発想から始まった型紙やものづくりではなく、

 フランスやイタリアやスペインで実践されて来たヨーロッパの着る人を起点とした立体裁断的な発想をベースとする手法。

 着る人を美しく見せながら、かつ着心地のよい工夫のされた服づくりが実現したら・・・

 本当に革新的なことになるでしょうね。

 以前 弊社でベテランパタンナーさんたちと行った勉強会では

 ZARAは量産ながらそれを実現しているようですので不可能ではないはずです。(以下のリンクをご参照下さい)

 これまでの量産志向の業界が解決できなかったサイズやシルエットのジレンマを取り上げた過去のエントリーがいくつかあるので、あわせてご紹介しておきますね。

 今回のZOZOの取り組みがきっかけとなり、そのあたりのソリューションにつながれば、

 ファッションの民主化(大衆化)が進み・・・

 これまでファッション消費にそれほど関心を持たなかった人や楽しめなかった人たちもファッションを楽しむ、その裾野が広がり・・・

 マーケットの活性化につながることを期待をしております。

 関連エントリー-ZARA(ザラ)も実践する 顧客起点のヨーロッパの服づくりの基本

 関連エントリー‐グローバルSPA(H&MとZARA)と日本のアパレル企業の商品を比較して思ったこと

 関連エントリー‐ヨーロッパの服は「細く見えるだけで本当は細くない」

 関連エントリー‐モダナイズドとサイズ展開

 執筆: ディマンドワークス代表 齊藤孝浩

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November 06, 2017

いよいよ年内発売開始、ZOZOTOWNのプライベートブランド(PB)の概要が徐々に明らかに

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 11月1日の繊研新聞や11月3日の日経MJに先ごろ発表されたスタートトゥデイ第2四半期決算を受けてZOZOTOWNの今後の施策に関する記事が掲載されていました。

 引き続き増収増益の絶好調が続く中で、各紙の記事は前澤社長が自ら説明した今後の

 「送料」と「プライベートブランド(PB)」に関する内容が中心でした。

 送料に関しては、「送料自由化」のテストを経て11月1日から一律200円に決定しましたね。

 この新送料決定までのプロセスが非常に見事だったので、ちょっと整理してみましょう。

 まず、購入者が任意に選べる「送料自由化」(=購入代金に関わらず顧客が希望する送料で発送する;0円=無料も含む)の中間報告では平均が96円、無料を選んだ顧客が43%あったとのことでしたので、
 
 有料を選んだ残り57%の顧客が選んだ送料の平均はおそらく170円弱だったと推計されます。

 そして、これまで5000円以上の購入者が送料無料、それ未満は有料で一律399円だったので、

 前者と後者の構成が半々だったら今回の新送料設定での両者のプラスマイナスはほぼトントン

 5000円以上     0円+200円=200円
 5000円未満   399円-200円=199円

 おそらく、平均出荷単価が8186円ということなので、5000円以上の方が多数と推測できます。これにより、ZOZOはこれまで送料を頂けなかった顧客からも送料を頂く「有料化」=「送料無料撤廃」を果し、

 運送会社の運賃立て替え収入総額が増えることによって・・・運賃値上げによる経費増にある程度充当することが出来るようになりますね。

 一方、運送会社の値上げを

 単純に顧客に転嫁したモールや
 
 頑張って値上げしませんと宣言して経費増になっているモール・・・

 いろいろあると思いますが・・・

 同社は 顧客、ZOZO自身(そして株主対策)、運送会社 すべてに納得感のある、

 「送料値下に見える実質値上げ」は見事だったと言わざるを得ません。 

 さすが商売人です。

 次に業界が注目する、今後のZOZOの更なる成長を左右すると言っても過言ではない、プライベートブランド(PB)について。

 今回、「全貌の半分~2/3を語る」と前置きして始まった前澤社長自らのプレゼンテーションで出たキーワードを列挙すると 以下の通りです。

・年内ZOZOTOWNで販売スタート (海外でもアメリカ・ドイツで来春から販売スタート)

・誰もが1枚や2枚、1本や2本持っている超ベーシックアイテムを、最高品質、バリュープライスで提供する 

・成功すれば世界中のアパレル企業を超える規模感のブランドになりうる

・ファッションに関心のない層への洋服で根源的な課題を解決するもの

・これまでファッションブランドが使ったことのない設備を使って製造

・科学やテクノロジーの力でサイズ・シルエットなど究極のフィット感を実現 

・究極のフィット感を実現するために設備投資 9億円 研究開発 5億円を 使った

また、

・デザインや価格面で既存出店ブランドと競合しない

・コーディネートが得意な販売員を100人募集する。着こなしの分析や解析もしてゆく

・あまり在庫リスクを抱える商売にはならない

とも発言されています。

以前のエントリー
 ZOZOのスタートトゥデイが大幅増収増益で株式時価総額1兆円を突破 現状の課題と次の手は?

 の後半部分で 筆者は ユニクロと競合するベーシックを最有力に挙げましたが、

 この方向はどうやら正しいようで・・・ 

 ただ、これまでファッションブランドが使ったことがない、特殊な設備を利用するとしているところが意味深で楽しみです。

もうひとつ、

・ファッションに関心のない層への洋服で根源的な課題を解決するもの

・コーディネートが得意な販売員を募集とのこと

というところがとても気になりました。

 もしかしたら、PB商品の単品開発&販売にとどまらず、ZOZOTOWN既存出店ブランドの在庫も活用して

 アメリカで急成長中の定期購入型のオンラインパーソナルスタイリングサービスのファッションECサイトである

 Stitch Fix(スティッチフィックス) 

 の日本版もスタートするのではないか?

 とも思えてきました。

 年内発売とのこと、リリース間もなくですね。 

 どんな商品、アイデアが飛び出すのか、楽しみにしていましょう。

 執筆: ディマンドワークス代表 齊藤孝浩

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August 31, 2017

ファッション流通 世界の最激戦区 ロンドン オックスフォードストリートを歩いて感じたこと

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 8月の終わりにロンドンに行って来ました。

 目的のひとつは世界のファッション都市の中で最も激戦区と言われるロンドンが2年前と比べてどう変わっているか、その競合状況を見たかったこと、

 そして、日本のファッション消費の未来図のヒントになるであろうクリック&コレクト(オンラインで注文して店舗で商品を受け取る)の現場を体験することでした。

 後者はあらためてブログで取り上げますが、今回はグローバルチェーンの競合状況について感想をお話ししたいと思います。

 ロンドンの中心を東西に走るオックスフォードストリートは観光客を含めロンドン市内でも最も人通りの多い通りのひとつです。日本では銀座中央通りや表参道のような感じでしょうか。

 日本から撤退した英TOPSHOPの旗艦店が中心(オックスフォードサーカス)にあり、2017_ss_topshop

 百貨店から低価格のチェーンストアまで各社が大型店を出店しています。

 ZARA、H&M、ユニクロのようなグローバルSPAはこの通りだけで複数店舗を出店しているほど客数が多く各社がしのぎを削る商業地。

 この通りとリージェントストリートあたりを歩けば、直近の勢いのあるチェーンや競合関係が感じられる場所として、数年に1度は視察することにしています。

 通りを歩く人が持つショップバッグのトップ3は圧倒的に

 プライマーク、
 H&M、
 セルフリッジ(百貨店)

 でしょうか。 3社に続くのはTOPSHOP、ZARAといったあたりです。

 今回特に感じたのはプライマークの進化です。

 プライマークは日本ではあまり知られていませんが・・・

 毎年このブログで発表している世界アパレル専門店売上ランキングでは、英国で老舗のNEXTを数年前に抜いて1位、世界でも7位にランクする、アイルランド出身で英国で急拡大を続ける低価格のアパレルチェーンです。

 関連エントリー-世界アパレル専門店売上ランキング2016 トップ10

 トレンドファッションと実用衣料の両方を売場面積1000坪を超える超大型店でH&Mの2/3くらいの価格で販売しているのが特徴です。

 £10がプライスポイントですから、日本ではしまむらくらいの価格イメージでしょうか。

 客層は地元のティーンズからアラブ系や東欧系を中心とした移民系の方々が目出ちます。

 2016年はドル高による商品コストの上昇、欧州の天候不順、英国のEU離脱などで低迷した消費を受けて若干収益率は下がりましたが、引き続き二桁増の売上成長率を維持しています。

 プライマークはこのオックスフォードストリートの東端と西端に超大型店を2店舗構え、いわゆる商圏の入口と出口をおさえるチェーンストア―の王道的な陣取りを行っていますが、

 今回、オックスフォートストリート東店を見てその進化ぶりにびっくりしました。

2017_ss_primark

 まるで、TOPSHOPやH&Mの新タイプの店舗をベンチマークしたようなきれいな内装は、プライマークのオックスフォードストリートの西側の店舗を初めて見た5年前、前回視察した2年前と比べて一皮も二皮も剥けた感じがしました。

 内装だけでなく、商品調達も、低価格品はベトナム製、トレンド品はトルコ製が増えて生産ポートフォリオもかつて南西アジアが多かった時期と比べると安さ一辺倒ではなく、使い分けが上手くなり、クオリティ的にも上がった印象を受けます。
 
 今回のロンドン視察では、いくつかの定点観測地点でプライマークとH&Mの圧倒的な強さを感じたわけですが、

 一番印象的だったのは、そういった強者はその強さに甘んじず、改装投資を行って店舗を更に魅力的にして、進化し、ますます競合を引き離して行くのだなと感じたことです。

 当地ではプライマークやH&MやZARAがそれにあたりますが、

 それに比べると、ユニクロのオックスフォード東、同中心、リージェントストリートの3店舗にも寄ってみましたが、・・・アダルトで小柄な客層を中心に以前よりは客数が増えた感じはしますが、店舗が何か10年前とあまり変わらない?印象は否めませんでした。

 日本においても、流通マーケットは市況が厳しく、既存店の売上の落ち込みをカバーしようとECに力を入れる風潮がありますが・・・

 既存店に関しても、しっかりと投資計画を立てて定期的に改装などによりリフレッシュをして行かないと・・・

 ますますジリ貧になってしまうのではないかと、あらためて改装計画の必要性を思い知らされた次第です。

 執筆: ディマンドワークス代表 齊藤孝浩

 【おススメ本】

 2008年のH&Mの日本上陸以降、グローバル競合の波に飲み込まれた日本のファッション流通市場。グローバルな視点で考える上でも参考にしていただければ幸いです。
 
 「ユニクロ対ZARA(ザラ)」単行本 ソフトカバー(日本経済新聞出版社)

  

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