August 31, 2017

ファッション流通 世界の最激戦区 ロンドン オックスフォードストリートを歩いて感じたこと

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 8月の終わりにロンドンに行って来ました。

 目的のひとつは世界のファッション都市の中で最も激戦区と言われるロンドンが2年前と比べてどう変わっているか、その競合状況を見たかったこと、

 そして、日本のファッション消費の未来図のヒントになるであろうクリック&コレクト(オンラインで注文して店舗で商品を受け取る)の現場を体験することでした。

 後者はあらためてブログで取り上げますが、今回はグローバルチェーンの競合状況について感想をお話ししたいと思います。

 ロンドンの中心を東西に走るオックスフォードストリートは観光客を含めロンドン市内でも最も人通りの多い通りのひとつです。日本では銀座中央通りや表参道のような感じでしょうか。

 日本から撤退した英TOPSHOPの旗艦店が中心(オックスフォードサーカス)にあり、2017_ss_topshop

 百貨店から低価格のチェーンストアまで各社が大型店を出店しています。

 ZARA、H&M、ユニクロのようなグローバルSPAはこの通りだけで複数店舗を出店しているほど客数が多く各社がしのぎを削る商業地。

 この通りとリージェントストリートあたりを歩けば、直近の勢いのあるチェーンや競合関係が感じられる場所として、数年に1度は視察することにしています。

 通りを歩く人が持つショップバッグのトップ3は圧倒的に

 プライマーク、
 H&M、
 セルフリッジ(百貨店)

 でしょうか。 3社に続くのはTOPSHOP、ZARAといったあたりです。

 今回特に感じたのはプライマークの進化です。

 プライマークは日本ではあまり知られていませんが・・・

 毎年このブログで発表している世界アパレル専門店売上ランキングでは、英国で老舗のNEXTを数年前に抜いて1位、世界でも7位にランクする、アイルランド出身で英国で急拡大を続ける低価格のアパレルチェーンです。

 関連エントリー-世界アパレル専門店売上ランキング2016 トップ10

 トレンドファッションと実用衣料の両方を売場面積1000坪を超える超大型店でH&Mの2/3くらいの価格で販売しているのが特徴です。

 £10がプライスポイントですから、日本ではしまむらくらいの価格イメージでしょうか。

 客層は地元のティーンズからアラブ系や東欧系を中心とした移民系の方々が目出ちます。

 2016年はドル高による商品コストの上昇、欧州の天候不順、英国のEU離脱などで低迷した消費を受けて若干収益率は下がりましたが、引き続き二桁増の売上成長率を維持しています。

 プライマークはこのオックスフォードストリートの東端と西端に超大型店を2店舗構え、いわゆる商圏の入口と出口をおさえるチェーンストア―の王道的な陣取りを行っていますが、

 今回、オックスフォートストリート東店を見てその進化ぶりにびっくりしました。

2017_ss_primark

 まるで、TOPSHOPやH&Mの新タイプの店舗をベンチマークしたようなきれいな内装は、プライマークのオックスフォードストリートの西側の店舗を初めて見た5年前、前回視察した2年前と比べて一皮も二皮も剥けた感じがしました。

 内装だけでなく、商品調達も、低価格品はベトナム製、トレンド品はトルコ製が増えて生産ポートフォリオもかつて南西アジアが多かった時期と比べると安さ一辺倒ではなく、使い分けが上手くなり、クオリティ的にも上がった印象を受けます。
 
 今回のロンドン視察では、いくつかの定点観測地点でプライマークとH&Mの圧倒的な強さを感じたわけですが、

 一番印象的だったのは、そういった強者はその強さに甘んじず、改装投資を行って店舗を更に魅力的にして、進化し、ますます競合を引き離して行くのだなと感じたことです。

 当地ではプライマークやH&MやZARAがそれにあたりますが、

 それに比べると、ユニクロのオックスフォード東、同中心、リージェントストリートの3店舗にも寄ってみましたが、・・・アダルトで小柄な客層を中心に以前よりは客数が増えた感じはしますが、店舗が何か10年前とあまり変わらない?印象は否めませんでした。

 日本においても、流通マーケットは市況が厳しく、既存店の売上の落ち込みをカバーしようとECに力を入れる風潮がありますが・・・

 既存店に関しても、しっかりと投資計画を立てて定期的に改装などによりリフレッシュをして行かないと・・・

 ますますジリ貧になってしまうのではないかと、あらためて改装計画の必要性を思い知らされた次第です。

 執筆: ディマンドワークス代表 齊藤孝浩

 【おススメ本】

 2008年のH&Mの日本上陸以降、グローバル競合の波に飲み込まれた日本のファッション流通市場。グローバルな視点で考える上でも参考にしていただければ幸いです。
 
 「ユニクロ対ZARA(ザラ)」単行本 ソフトカバー(日本経済新聞出版社)

  

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July 24, 2017

TOKYO BASEが都心で働く女性に向けた服の新業態「シティ」をSPA方式で本格展開

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 7月19日の繊研新聞に「ステュディオス」「ユナイテッドトウキョウ」を展開し、絶好調が続く新興東証一部上場企業TOKYO BASE(トウキョウベース)が、この春に「ステュディオス」の派生業態として大人の女性のための服として立ち上げていたセレクトショップ「ステュディオス・シティ」を「シティ」というブランドでSPA業態に転換するという記事が掲載されており、大変興味深く読ませていただきました。

 記事によれば、「シティ」のコンセプトは

・(都心で)働く女性向けの上質な服を

・海外ラグジュアリーブランドと同水準の生地を用い

・旬のモードトレンドを盛り込んで

・原価率50%のものづくりを行う

・素材は小売価格の20%を基準にする

 というものです。

 私も常日頃から

 都心で働く女性のための上質でコストパフォーマンスのよい服は
 
 ほとんどのアパレル企業がまだまだ攻めきれていない。 日本のみならず、

 新興国において女性の社会進出が進むにつれて、グローバルレベルでも通用するカテゴリーのひとつだと思っていました。

 要はマーケット的に百貨店キャリアブランドとZARAの間に位置づくと思いますが、

 百貨店で販売されているキャリア服(原価率20-25%)は・・・モノは良くても高くて買いづらい。

 これに対する価格とクオリティのバランスのアンチテーゼであり、また

 国内100店舗になってすでに大人の女性のワードローブの選択肢のひとつとして認知度が確立されたZARAに関しても・・・

 価格はこなれているけれども、もう少しきちっとしたい、物足りない、

 と考える働く女性のための服は

 飽和状態になったアパレルマーケットにおいて残された・・・

 数少ない?あるいは最後の巨大マーケットのひとつではないかと。

 そこに若くて、今、業界で最も勢いのある同社が取り組むのは大変興味深いなと思いました。


 ところで、1975年にアマンシオ・オルテガさんがZARAを立ち上げた時のコンセプトは・・・

 当時女性の社会進出が急速に進むスペインにおいて・・・

 オフィスで働く女性をいかにこなれた価格でおしゃれになってもらうか?でした。

 そこで独自のSPA手法を用いて百貨店クオリティのリーズナブルプライスを追求したのがZARAの始まりです。

 ZARAの創業当時の思いはグローバル展開する今でも全く変わっていません。

 そして、そんな働く女性に対する愛があるからこそZARAは世界で支持をされ続けている訳です。

 お客様に対する想いを、自らの流通革新の信念で実現する。

 TOKYO BASEの谷社長もそんな信念をお持ちであることを想像しながら、

 これからのチャレンジにも注目して行きたいと思います。

 ちょっと前の記事ですが・・・

 関連エントリー-絶好調TOKYO BASEの決算発表資料を読んで

 関連エントリー-次世代セレクトショップ、STUDIOUS(ステュディオス)の勢いが止まらない

 執筆: ディマンドワークス代表 齊藤孝浩

 【おススメ本】

 世界中の女性をおしゃれにしたい。そんな思いでスペインの西の端の街で創業したオルテガさんは信念を貫き、ZARA(インディテックス)を世界一にした。

 本書を通じて、ZARAのビジネスモデルだけでなく、オルテガさんのファッションビジネスに対する想いを感じ取って頂きたいです。

 「ユニクロ対ZARA(ザラ)」単行本 ソフトカバー(日本経済新聞出版社)

  

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May 30, 2017

ジーンズカジュアルショップからの脱却

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 5月26日の繊研新聞に靴のチヨダグループのジーンズカジュアルチェーン、マックハウスの白土社長のインタビュー記事が掲載されており、

 「ジーンズカジュアルは幻想」という見出しに目が止まり興味深く読ませていただきました。

 以下 気になったフレーズを少し引用、紹介させて頂きます。

 以下引用

 「我々は長年にわたり、『ジーンズカジュアル業界』などという言葉を使ってきましたが、そんな定義はもはや幻想で、ずっと昔に終焉(しゅうえん)を迎えていたんです。」

 (中略)

 「今後は『暮らしに役立つ』をキーワードに、ジーンズカジュアルから実需衣料中心のビジネスモデルに転換します。ジーニングやアメカジ一辺倒のMDからの脱却を図るとともに、強化してきた『ビジカジスタイル』など新たな提案への挑戦を繰り返すことで、客数増による売り上げ拡大を図ります。」

 以上引用

 元記事は繊研新聞の繊研plus マックハウス白土氏“ジーンズカジュアル業界”は幻想

 にも掲載されています。

 正直、この話はもうすでに10年くらい前に誰かが語っていてもおかしくない話のように聞こえます。

 ユニクロの柳井会長は20年前にそう思い行動していたかも知れません。

 しかし、ライトオンと並びいわゆるジーンズカジュアルチェーン大手の一角、「当事者」であるマックハウスの社長さんがそう自覚されて、メディアで発言したことに意味があると思いました。

 白土社長の経歴を拝見すると東京靴流通センターやSHOE PLAZAでおなじみのマックハウスの親会社、チヨダ出身で、4年前にマックハウスの社長に就任されたようです。

 おそらく社長就任後、数年、「ジーンズカジュアル業界」に付き合って来られたと思いますが、同氏は長年その業界にいる方ではないので「客観視」が出来き、ようやくそう公言ができるようになったというところでしょうね。

 ジーンズカジュアルチェーンとは

 リーバイスやエドウィンなどのナショナルブランドジーンズを壁面にドンと在庫を構えて、同時にライセンスブランドのトップスを中心にアメカジテイストのアパレルや雑貨を品揃えする専門店。

 かつては5900円や7900円くらいのエドウィンやリーバイスのジーンズが稼ぎ頭で、あわせて2900円や3900円のライセンスブランドのトップスをお客様に買ってもらい売上を立てるビジネスモデルでした。

 ところが、2000年代のユニクロは自社開発により3900円でナショナルブランド7900円並みのクオリティのジーンズを実現し、その後、H&M、ZARAなども3900円~4900円のジーンズを販売し、おしゃれな3900円のジーンズが一般化。

 GUは990円でジーンズの価格破壊を行い、それまでの「ジーンズはナショナルブランドしか売れない」という「ジーンズカジュアル業界」の神話を崩しました。

 おそらく、この時点が実際のターニングポイントだったんでしょうね。

 その前後のリーバイスの高価格路線の失敗や、本業はうまく行っていたものの金融投資失敗によって伊藤忠に買収されたエドウィン社のガタつきもその後の「業界」の弱体化に拍車をかけたことでしょう。

 最近 ベストセラーになっている「誰がアパレルを殺すのか」を読み終えました。

 前半では主に百貨店および百貨店アパレルがダメになった話が中心ですが、

 その要因として、委託販売(売れ残った在庫はメーカーが何とかしてくれる)や海外著名ブランドのライセンスブランドへの過度な依存が挙げられていますが・・・

 この話は実は百貨店業界だけでなく、実はジーンズカジュアル業界にも一部当てはまる話です。

 つまり、エドウィンのジーンズの委託販売に近い入れ替え制や大衆受けするナショナルブランドのライセンス商品の知名度に過度に依存した結果、ユニクロやグローバルSPAが牽引した2000年代以降のアパレル業界のSPA化やグローバル競合の変化の波に乗り遅れてしまったんだろうなと。

 ところで、マックハウスの親会社の白土社長の出身であるチヨダ、特に「東京靴流通センター」業態はもともと古くから自社開発商品の靴の多い業態です。

 郊外ロードサイド立地で販売効率は決して高くはありませんが、徹底したローコストオペレーションで堅く利益を残すビジネスモデルです(そういう意味では同じ靴チェーン大手でもABCマートとは真逆のビジネスモデル)

 「そちらの世界」から来られた白土社長からすると、ジーンズカジュアル業界の商慣習は「ぬるま湯」に感じられたかも知れません。

 さて、もし、何事も遅すぎることはない、とするならば・・・

 マックハウスが「(旧)ジーンズカジュアルショップ」から脱却してどのように変わるのか? 

 その昔、「ジーンズカジュアル業界」に身を置いていたひとりとして注目していたいと思います。

 執筆: ディマンドワークス代表 齊藤孝浩

 【おススメ本】

 ユニクロはどのようにしてジーンズカジュアルショップから脱却したのか?その変遷についても紐解いています。
 
 「ユニクロ対ZARA(ザラ)」単行本 ソフトカバー(日本経済新聞出版社)

  

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May 23, 2017

H&MグループのCOS(コス)3号店が銀座にオープン~H&Mとは真逆の出店戦略

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 5月19日の繊研新聞に銀座のマロニエ通りに日本3号店目をオープンしたH&Mグループの高価格帯ブランドCOS(コス)に関する記事が掲載されていました。

 ネットニュースも意外と少なく、オープンを報じたのはファッションプレスさんくらいしか見当たりませんでしたね。

 COS(コス)銀座店がマロニエ通りにオープン - 日本最大規模の国内3号店

 昨日ちょうど銀座に行く機会があったので ちょっとお店に立ち寄ってみました。

 店舗は、近隣に名だたるラグジュアリーブランド、グローバルブランドの旗艦店が立ち並ぶマロニエ通りにあるシルバーグレーの外壁の路面店。総売場面積は2層で170坪とのこと。

 あえてマスメディアを使った宣伝はしていないのでしょうか?

 オープン報道も少ないですし、月曜日の夕方でOLさんの仕事帰りの時間帯、決して敷居の高い印象ではない、入りやすいエントランスにも関わらず、

 COSを知っているらしき人くらいしか入って来ない・・・静かに開業したような印象を受けます。
 (週末はもっと混んでいたのかも知れませんが)

 COS(コス)のことをあまりご存じない方のために少しブランド解説をさせていただくと・・・

 ブランド名のCOSはCollection of styleの略。

 2007年にH&Mが既存業態では取り込めない、上質を好む都心生活者のために、

 手の届くラグジュアリー(ハイファッション)あるいはファストファッションの改良版として、

 ロンドンを拠点にして立ち上げた業態です。
 (H&Mはストックホルムにデザインオフィスがありますが、COSはロンドンにあります)

 商品コンセプトは、繊研新聞の記事には

 「素材の質感にこだわったミニマル、クリーン、モードデザイン」

 と紹介されていますが、

 HPには

 「シーズンを越えてコーディネートできる、タイムレスでシンプル、クラシックで新しいワードローブの必需品」

 とも表現されています。

 COS URL  

 ロンドンで初めてCOSの店舗を見た時の印象は・・・
 「ジルサンダーがZARAを手がけたらこんな店になるかも?」と思ったことを思い出します。

 日本での価格帯は・・・ シャツ・ブラウスのプライスポイント(最多価格帯)で8900円あたり、

 日本の著名ブランドと比較すると、セレクトショップの「ビームス」あたりの価格帯でしょうか。

 ネットで各国の価格帯を調べたところ・・・内外価格差はほとんどなく、むしろアメリカより日本が安いようです。

  国   当地価格 円換算
 
 イギリス £ 59    8496円
 フランス € 69    8625円
 日本   \ 8900   8900円
 アメリカ  $ 89   9879円

 欧米アジアに海外出張に行った時には、各地で必要になったアイテムを買い足すのに結構好んでCOSを利用する私ですが・・・

 正直、これまで、日本ではあまり購入する気が起こりませんでした。

 ハイファッションばりのスタイリッシュなデザインからすると、モードの世界ではこなれた値段なのかも知れませんが

 どうしても、このラグジュアリーな店舗のイメージと「店頭の商品ボリューム感(陳列量)」の中で・・・

 財布のひもを緩めるほどの価格の納得感というか、

 「価格のサプライズ」があまり感じられず、品定めに慎重になってしまうからかも知れません。

 ある意味、日本ではこの価格帯であれば他の選択肢が豊富、競合が多いからなのかも知れません。

 店内の他のお客さんの購買行動を観察していても、それを感じることがあります。

 COSのグローバルな出店戦略としては、

 創業10年目で世界35か国に210店舗と、H&Mとは真逆に多国分散型

 むしろZARAの出店戦略に近いかも知れません。

 出店国の上位は

 中国(23香港除く)、イギリス(20)、フランス(20)、ドイツ(18)、アメリカ(13)

 都市で言えば

 ロンドン(11)、パリ(9)、香港(5)、ソウル(5)、北京(4)、上海(4)、ドバイ(4)、

 の順に多いようです。

 日本では今回の銀座が3店舗目、

 東京では南青山(表参道)に続く2店舗目ですが(もう1店舗はマリン&ウォーク横浜にあります)

 東京よりもソウルに店舗が多いってのは、やはりヨーロピアンモード色が強いせいなのでしょうかね。

 今後、日本ではどのように認知度を上げ、拡大するのか興味深いです。

 3年前、2014年の日本上陸時にCOSをブログで取り上げた時のエントリーがあるのでご紹介しましょう。

 COS(コス)は「手の届くラグジュアリー」需要を喚起する引き金となるか?


 ところで、海外ではCOSと比較的同じ立地に出店しているブランドにZARA(インディテックス)グループのマッシモデュッティがありますが、

 Massimo Dutti(マッシモ デュッティ) HP

 こちらの方がトラディショナルテイストなので、日本に上陸したら受けるかも知れませんね。 

 あるいは、COSとマッシモデュッティの両者が日本市場に出揃い・・・

 「手の届くラグジュアリー(ハイファッション)」に対する認知度が高まれば・・・

 そこからがCOSのブレイクスルーが始まるのかも知れません。

 新しいマーケットが認知拡大するためには、何事も比較対象される「お友達」が必要ですからね。

 その時は、いずれも、

 ZARAはちょっとトレンディ過ぎる、H&Mはチープ過ぎると思っている大人に支持されるとともに・・・

 百貨店ブランドの存在価値や品質と価格のバランス(コスパ)があらためて問われることになると思います。

 執筆: ディマンドワークス代表 齊藤孝浩

 【おススメ本】

 ベーシックとトレンドファッションの顧客心理、サプライチェーンマネージメントをそれぞれ極めたユニクロとZARAは今後の商品管理のお手本です。
 
 「ユニクロ対ZARA(ザラ)」単行本 ソフトカバー(日本経済新聞出版社)

  

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May 08, 2017

世界アパレル専門店売上ランキング2016 トップ10

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 世界の大手アパレル専門店各社の2016年の売上高や利益などをまとめる機会ができましたので、毎年恒例になりました売上高のランキングTOP10を共有させていただきます。

 円建て比較にあたり、為替レートは2017年1月末の €=121.7円、スウェーデンクローナ=12.9円、US$=113.8円、英国£=142.4円で換算しています。
 
 尚、6位のC&Aのみ2016年決算が入手できませんでしたので Deloitte Global Powers of Retailing2017と2016を参考にした2015年度の売上高を表示しています。


ランキング          売上高   前年比  営業  期末  基幹業態
                              利益率 店舗数  
1位-Inditex        2兆8,368億円 +12%  17.2% 7,292  ZARA
 (西インディテックス;17.01期)                          

2位-H&M         2兆4,802億円 + 6%  12.4% 4,351  H&M
 (瑞エッチアンドエム;16.11期)                         
  
3位-Fast Retailing    1兆7,864億円 + 6%  7.1%  3,160  Uniqlo  
 (日ファーストリテイリング;16.08期)                            

4位-Gap          1兆7,657億円  -2%  7.7%  3,659  Old Navy 
 (米ギャップ;17.01期)                              
                                           Gap 
                                              
5位- L Brands      1兆4,309億円  +3%  15.9%   3,074  Victoria's 
 (米エルブランズ=リミテッド;17.01期)                      Secret
                                             
6位-C&A Europe     1兆0,446億円  -0.2%   n/a   1,577  C&A
 (独シーアンドエー;15年度)                            
         
7位-Primark         8,471億円   +11% 11.6%   315  Primark
 (愛プライマーク;16.09期)                            

8位-Ascena retail      7,960億円   +46%  1.3%  4,906  Ann taylor
 (米アセナ;16.7期)                                Justice
                                           LaneBryant   
                                                   

9位-Next           5,834億円   -2%  20.2%   538  NEXT 
 (英ネクスト;17.01期)                               


10位-Shimamura       5,654億円   +4%   8.6%  2,066  しまむら
 (日しまむら;17.2期)                               
                                                                     

備考-米TJMaxx、Ross のオフプライスストア2社は売上規模はトップ10に入る規模ですが、メーカーや専門店が放出した過剰在庫を販売する二次流通マーケットのため除外しました。また、中国で拡大を続け、売上規模では9位あたりに位置すると目されるE.LandWorld(韓国)は売上規模以外の実態が掴めないため除外しました。

以下 解説です。

 1位のインディテックスグループは12%増収、9%営業増益と着実な増収増益(以下利益は営業利益を指します)。

 進出国を5か国増やし93か国とし、グローバル展開を続けながら、この1年は特にロシア、中国、メキシコ、イタリアに数多く出店したようです。

 ブランド別ではZARAが絶好調、ZARA HOMEが好調。

 一方で、主要各国でオンラインビジネス(EC)を強化し実店舗とECを合わせた既存店売上の伸びは・・・なんと10%増でした。 

 2位のH&Mは6%の増収も12%の減益に終わりました。

 同期も中国、アメリカへの集中出店をしましたが、店舗数を増やしたほど売上は伸びず、またドル建てで行っている商品調達コストの増加、世界的な温暖な気温にともなう値下げ増による粗利率の低下が痛手でした。

 同社は今後、ただ店舗数を増やすことによる売上拡大を見直し、既存店とEC強化による売上拡大に成長目標を切り替えるとしています。

 3位はファーストリテイリング。いよいよGAPを抜いて世界3位に浮上しましたが・・・6%増収も23%減益、そして営業利益率(7.1%)の落ち込みが気になります。

 国内ユニクロ事業、海外ユニクロ事業の中の中国事業、グローバルブランド事業の中のジーユーが同社の売上と利益の3本柱。

 グローバルブランドとしては欧米への展開も必要かも知れませんが・・・

 主力事業3本柱が稼ぐ利益を喰わないように、ほどほどにすることが利益率回復のカギになるでしょうね。

 また、国内ユニクロ事業が価格政策を見直したことによって、ユニクロとジーユーのカニバリが始まっている気がします。

 今後はファストリさんも、投資家さんも日本国内事業に関してはユニクロ単体ではなく、ユニクロ+ジーユーで評価する必要があるのではないでしょうか。

 4位のGAPは米国内の不採算店舗の大量整理が続き2%減収22%減益と減収大幅減益。

 比較的堅調なのは米国OLD NAVYのみ。当期のGAPの米国内リストラやOLD NAVY日本撤退で止血は完了したのでしょうか?
 
 5位のLブランズは3%増収も9%減益と久々の減益となりました。

 ビューティ部門=バス&ボディワークスは引き続き好調だったようですが、基幹ブランド ヴィクトリアシークレットの既存店売上が前年割れして不振に終わったのが要因です。

 アメリカで常勝を続けて来たLブランズの陰りは一時的なものなのか?今期の動向に注目です。
 
 6位以下に関しては・・・

 8位に浮上した米アセナリテールはアンテイラーの買収によって売上規模を拡大し、黒字化を果したもの。

 9位のネクストは既存店のスクラップ&ビルトと高いEC売上比率(42%)で20%の高営業利益率を保っていますが・・・

 イギリスのEU離脱宣言など社会情勢不安による既存店の減収およびECの減速が減収減益(2%減収3%減益)の要因のようです。

 同社は情勢を厳しく受け止めているようで、今期の予測も楽観できないものとしています。

 同社の店舗のスクラップ&ビルトとEC強化による収益性の維持は成熟市場における勝ち残りモデルのひとつ。日本企業も注目に値します。

 さて、

 今回のTOP10を見渡すと増収増益は インディテックス、プライマーク、しまむらの3社のみ

 営業利益率が15%を超える高収益企業は ネクスト、インディテックス、Lブランズの3社 

 明らかにインディテックスグループのひとり勝ちの様相です。 

 1年前のランキングでも指摘しましたが、

 ファッションビジネスにおいては・・・

 長いリードタイムをかけて低賃金の国においてローコストでつくり、

 つくったものを売り切るビジネスモデルはリスクが大きく(売上は上がるが利益をコントロールしづらい)、

 そういったグローバル資本主義的なビジネスモデルに陰りというか「限界」が見え始めたように思います。

 マーケットの変化にあわせて顧客が欲しいものを、コストは多少高くても目が行き届く近隣国において小ロット短サイクルでつくり足し、

 値下げと期末在庫を抑えることでしっかり利益を残すインディテックスグループのビジネスモデルにあらためて軍配が上がったと言えます。

 インディテックスグループはその一方で、ECビジネスを売上を補完する新たな販路としてではなく・・・

 お客様に店舗に足を運んでいただくためのマーケティングツールとしてフル活用して成果をあげています。

 今回のTOP10企業を始め(H&M、ファストリ、Lブランズ、プライマーク、ネクスト・・・)多くのグローバル企業が、これまでの手法を反省し、インディテックスグループのオペレーションを見習い

 短納期生産と中長期生産の折衷=ハイブリッド生産に取り組み

 ECを強化しながら既存店への来店頻度を高めるオムニチャネル・リテイリングに力を入れている

 のが昨今のグローバルトレンドです。

 これらを規模の違いと考えるのか?日本は海外と違うと切り捨てるのか?

 私はこれらの課題はどんな企業にも突きつけられている・・・将来 勝ち残るための問題提起だと思っています。

 執筆: ディマンドワークス代表 齊藤孝浩
 
 【おススメ本】

 アパレルビジネスの特性も、世界のファッション流通マーケットも・・・ベーシックのユニクロとトレンドファッションのZARAを比較すれば よりわかりやすくなる!
 
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February 28, 2017

誰のどんなシーンをハッピーにするために仕事をするか?~ストアブランドのペルソナとユーザーエクスペリエンス

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 ちょっと前の記事ですが、WWDジャパンの2月13日号と2月20日号の2週に渡って紹介されていた 日本ショッピングンセンター全国大会でのジュンの佐々木社長とマッシュホールディングスの近藤社長のパネルセッションの記事を大変興味深く読ませていただきました。

 ジュンとマッシュと言えば、直近では、恵比寿アトレ西館など・・・都心ターミナル駅のファッションビルで次々に新しい衣食住のライフスタイル提案の業態を手掛け、ファッション好きな女性を楽しませてくれる両雄ですが・・・

 いつのまにか老舗のジュン年商約640億円、新興のマッシュ年商580億円と・・・年商規模も近づいて来ている両社のマーケットに対するアプローチの違いが如実に表れていて面白かったです。

 ジュンは国内外の独自のネットワークを活用した半歩先のカルチャーを提案する業態開発力に長け、

 マッシュは潜在需要を等身大で目に見える形にするスピード感が得意

 というように、両社長の言葉からは、「プロダクトアウト」的と「マーケットイン」的のコントラストもはっきり出ていたいような気がしました。

 記事の中で、なるほど!と 最も私の琴線に触れた部分はマッシュ近藤社長が語る同社の企業コンセプトのところでした。

「企業のベーシックコンセプトは『ウェルネスデザイン』
女性の24時間、起きてから寝るまでをさまざま角度から分析して少しでも幸せにしていきたい。その時間帯に起こるいろいろな事象を考えながら商品開発している。」 (以上「 」内引用)

 なるほど、だから

ストリートフォーマルの「スナイデル」で成功した後、

ホームウエアの「ジェラートピケ」、

自然派ヘア&スキンケアの「コスメキッチン」に発展し、

ラン&ヨガの「エミ」に取り組み・・・

さらに、最近オーガニックレストラン業態を始めたのだな、

と「女性の24時間」あるいは1週間のライフスタイルをベースにストーリー性や連続性が感じられた理由がとても納得が行ったものです。
 
 いつもマッシュの業態開発を見ていて感じていたことですが・・・

 確かに、日本の都心部の「女性の24時間」の等身大でもあり、

 一方で、私の中では、海外、特にアメリカ市場でファストファッションの洗礼を受けた2000年以降に大人の女性たちに支持をされてしっかりと業績を伸ばしている、

 Lブランズ(インナーウエア、ヘルス&ビューティ)やルルレモン(ヨガ&ラン)やアンソロポロジー(ライフスタイル全般)、はたまたホールフーズ(自然派食品スーパー)

 の取り組みや成功に重なるところがあるんですよね。 

 異業種というよりは、トレンドファッションがファストファッションによって価格が引き下げられ、行くところまで行ってしまい、

 それに辟易した女性たちの「もうトレンドファッションだけが関心事じゃないわよ」という気持ちを代弁するようなファッションから連続性のある業態たちとも言えます。

 いずれにしても、ブランド開発の基本である「ペルソナ」(対象顧客像およびライフスタイル)をリアルに想像し、等身大的にチャレンジされているところにすごく安定感を感じますね。

 
 ところで、ブランドを開発する時によく使われるこの「ペルソナ」というマーケティング用語・・・

 昔の、特に百貨店アパレル系ブランドでは、

そんな お金持ちでハイソな生活している人、本当にどれくらいいるのかな?とか、

ブランド開発している人がそんな生活していないし、

そもそも、できる給料をもらっていない、

なんていう矛盾がたくさんあったように思います。

 だから結局は、原点を忘れ、みんながトレンドを追いかけ、当てたかどうかのプロダクト(単品)志向の議論になり、同質化してしまう。

 一方、2000年以降のSPAの台頭はある意味 等身大なペルソナを設定して、というか、提供側本人たちそのもので、等身大のマーチャンダイジング(自分たちが欲しいかどうか?)に取り組む事例がたくさん出て来て、地に足のついたブランドも増えて来たように思います。 

 誰のためのどんなシーンのための商品を提供するのか?

 ブランドの「ペルソナ」を話題にするときに、私がよく引き合いに出す例のひとつに、アメリカのアーバンアウトフィッターズの事例があります。

 アーバンアウトフィッターズURL

 もともとアメリカのフィラデルフィアの大学のキャンパスの中の大学生協のようなインショップからスタートした同業態のペルソナは

 高校生までは親元で暮らし、大学に入学して初めて親元を離れて寮生活を始める18-20歳の男女。

 その世代が寮の部屋やライフスタイルに必要な 服、インテリア、文具、音楽、カルチャーブック、パーティグッズなどを品揃えするというのがコンセプトです。

 従って、出店は大学のキャンパスのある街に限るというものでした。

 また、日本の事例になりますが、かつてご成長のお手伝いをさせていただいた、現在、全国で絶好調のWEGO(ウィゴー)さんも 「エントランスストア」というコンセプトというか「ミッション」をお持ちでした。 

 それまで服は親に買ってもらっていた世代が、アルバイトを始め、自分で稼いだお金で初めて自分の好きな服を買う時のお店でありたい、というコンセプトで、

 当時とても共感しながら、そんなペルソナ像を思い浮かべながらお手伝いさせていただいたものでした。

 いずれも、お客様像や彼ら彼女らのライフスタイルシーンが思い浮かんできますよね。

 さて、皆さんは

 誰のどんなシーンをハッピーにするために仕事をしていますか?

 それは、ファッションブランド、ストアブランドに限らず、仕事に対する姿勢の基本だと思っています。

 【おススメ本】

 ファッション専門店の事例を用いて、顧客心理と在庫コントロールの大切さをわかりやすく解説したビジネス読本です。

 『人気店はバーゲンセールに頼らない 勝ち組ファッション企業の新常識』

   
 
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February 21, 2017

ファッション専門店のECサイトのあるべき姿とは?

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 前回の2月10日付繊研新聞折り込みオムニチャネル特集を読んだ感想の続きです。

 リアル店舗とECの在庫連携や在庫運用以外で、ECサイトはどうあるべきか?を考えさせられた企業事例を要約しながら、私の感想を添えてご紹介させていただきたいと思います。

 まず、サザビーリーグ社の事例から

 ・同社は以前グループポータルECサイトに複数ブランドを掲載していたものをブランドごとに解体して単独サイトにしたところ・・・プラスの効果が出て、16年のEC売り上げ伸び率は二桁増

 【コメント】 お客様は企業が見せたいものより、自分が知りたい目的の情報に早くたどり着きたいのですよね。


 次に、ビームス社の事例

 ・ECサイトをオフィシャルサイトと統合した結果、圧倒的にECサイトの訪問者数が伸びている

 ・オーダースーツを作るようなロイヤルカスタマーは実店舗で買われるが、そんな顧客さんでも情報収集にはウェブをかなり使っている。

 ・企業サイトとECを統合したのは、お客様がお忙しい中、すき間時間に少しでもビームスと接点を持ってもらうため。

 ・サイトは一括で欲しい情報を見ることができるようになり、すぐに店舗に連絡する手段になった。

 【コメント】 お客様の多くは、自分の空き時間にできるかぎりの情報を事前にネットでとっておいた上で・・・店頭で商品を確かめて、店舗スタッフさんからより深い知識を得て納得しながら、自分のペースでお買いものをしたいのですよね。


 続いて、ナノ・ユニバース社の事例

 ・同社では、すでに自社EC在庫と店舗フォロー在庫を共通にしてあり、店頭に在庫がなくても、店頭スタッフのアシストがあれば売上を立てることができる。

 ただし、逆に店頭の在庫をEC売上に引き当てるのには慎重である。

 なぜならEC売上比率約40%の同社にとって、EC売上の瞬発力は大きく、それを進めてしまったら店頭の在庫が不足して、VMD含めて、店頭が弱体化するから。

 【コメント】 以前ブログでご紹介したように、EC売上をイケイケで伸ばし、EC比率が高いブランドさん、あるいはECに販売計画がなく、そもそも店舗在庫を販売のあてにしているブランドさんではすでに店頭の弱体化が始まっているように思います。

 関連エントリー- 15年度のファッション商品のEC売上比率は7.8%に。10%目前に次なる課題は?


 最後にワールド社の事例、

 ・EC を各ブランドの売上一番店としてとらえて品ぞろえを重視し仕入枠の中で配分している。中にはEC店長を置くブランドもある。
 (別の記事ではEC店長を置いているブランドは他ブランドよりも順調に売上を伸ばしているとのこと)

 【コメント】 実際にZOZO店が一番店となっているブランドさんも少なくないはずです。

 社内の組織はどうであれ、お客様から見たらEC店もリアル店舗も同じ横並びでどっちで買おうが構わないのが現実でしょう。

 リアル店舗で商売人としてセンスを培った店長経験者にお客様の購買行動とリアルの他店に配慮しながらEC店を運営してもらえたら・・・いい業績を残すでしょうね。

 また、店頭現場では発揮できなかった、現場とは違った潜在的なタレント(ハマリ役)の発掘にもつながるかも知れません。


 さて、皆さんのあるいは皆さんがよく利用されるファッションブランドにとってECサイトはどんな存在になっていて・・・どっちの方向に向って進化しているでしょうか?

 ブランドのイメージを伝えながら、商品を購入する販路のひとつというだけではなく・・・
 
 お客様の情報収集の時間を短縮する機能

 そして

 お買い物の時間を短縮する機能

 であるべきでしょう

 また、これからは

 決済をスムーズにする「決済手段」 

 という視点も加わってくるかと思います。

 
 今回のオムニチャネル特集は後半半分は広告ですが、前半半分については、さすが、繊研新聞さん、とても充実して読み応えのある特集記事でした。


 最後にビームスさんのECビジネス責任者の方のコメントで締めくくりたいと思います。

 「購買は実店舗でいい。やっぱり私たちは店頭を大事にしたい。EC担当者なのに、変ですけどね。」

 全然、変じゃありませんよ。 それが私たちファッション小売業に携わるものの使命(ミッション)であり、モチベーションです。

 最近の各メディアによれば、同社では店頭を起点にしたEC改革が進んでおり、業界の中でも頭一つ抜きんでた感じがしますね。

 お客様が店頭で素敵な商品に出会う場を次々に演出、アシストするために・・・

 業界のEC担当者の方々にはますます頑張って欲しいです。 応援しています。

 【おススメ本】

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January 18, 2017

適正品番数とメリハリ発注

 1月14日の日経新聞にユナイテッドアローズやしまむらなどのアパレル専門店大手が2017年春夏の品揃えについて最大3割の商品数を減らす方針であることに関する記事が掲載されていました。

 衣料大手、商品数絞り込み 売れ筋や定番に集中

 記事によれば、両社とも過剰だった商品数を減らすことによって売れ残り在庫の値下を抑制し、一方で、売れ筋商品に絞り込んで在庫を充実させることによって売り逃しをなくすことに労力を振り向けることが狙いのようです。

 この「商品数(品番数)が多い、少ない」の議論は・・・

 毎シーズン業界各社が繰り返しているある意味「永遠の悩み」ですが(笑) 

 何を基準に多い、少ないと言っているのかが不明確なことが多いのも現実です。

 記事で取り上げられている大手の2社さんはそれなりのデータやロジックに基づいてお話しされていると思いますが、

 中小・中堅の小売企業さんは、おそらく、

 期末在庫の品番別消化率(売上数量÷純仕入数量)を見て、
 売上上位品番は消化率が極めて高く、
 逆に下位に消化率の低い商品がゴソっとあり、
 これらの多数の下位品番は本当に必要だったのか?と感じたから

 という理由が多いのかも知れません。

 仕事柄、新しい成長期にあるクライアント企業さんと取り組みが始まると、

 「うちは品番数が多すぎる、適正品番数はどれくらいでしょうか?」と問われて、あるべき品番数の議論をすることがよくありますが・・・

 逆に「ところで、通常 店頭に展開できる品番数(キャパ)の基準はありますか?」と聞き返すと、明確な答えが返ってこない場合が多いものです。

 そんな場合、ご一緒に什器調査をして什器の棚卸を行い、
 商品計画のための標準となる展開スペース(器の大きさ)を定めた上で、
 シーズン中にそれらの什器の中でどれくらいの頻度で商品を入れ替えるか

 を確認して・・・

 はじめて適正品番数の基準となる数値が出てくるなんて話も少なくありません。

 いわゆる小売業の「定数定量」の基本となる話です。

 実際、そんな作業をやってみると・・・

 バイヤーやMDなど仕入れ担当者の仕入総額は予算内に収まっていても、

 仕入品番数が「基準」をはるかに上回り、どう見ても定数(販売スペース)から溢れんばかりの品番数・・・(汗)

 売上TOP品番は黙っていても各店で優遇されるのでともかく、

 そうでない個々の商品に各店で十分な販売機会(スペースと販売期間)が与えられなかったために・・・結果、売れ残った商品がたくさんあった、全体の消化率が低かったということに気付くことになります。

 そんなことを反省しながら・・・次のシーズンに向けては、店頭什器配列を確認しながら、

 店頭展開可能な標準品番数x回転数に多少の+α(プラスアルファ)の品番数を上乗せして品揃え計画を組み始めることになります。

 店舗数がまだ少ない時期は、店舗投入時に売場から多少商品が溢れていても、行動力のある本部販売部、商品部のスタッフが店舗に通う頻度が高ければ、人海戦術で店舗間で調整つけながら、最終的には売り切ってしまうことも出来たでしょう。

 しかし、ある一定の事業規模を超えてくると(その境目はおおよそ20店舗前後でしょうか?)・・・

 全店に目が行き届かなくなり、これまでと勝手が変わって、コントロールが難しくなり、商品数の過剰が経営課題のひとつとして上がるようになるものです。

 いずれにしても、品番数が多い、少ない、の議論は、まずはこの商品計画の基準となる店頭の「定数定量」を一度、把握した上で行いたいものですね。


 また、適正品番数に関連してよく話題になることとして、事業拡大局面(多店舗出店中)における品番数の在り方があります。

 店舗数が急増して、仕入担当者の売上・仕入予算が一気に増えると、品番あたりの発注量を増やすのではなく、ついついむやみに品番数(商品のバリエーション)を増やしてしまう、いろいろなものを買いたくなる、というジレンマに陥ることがあるものです。

 予算が大きくなったからと言って、けっして既存の店舗の売場面積が大きくなったり、急に商品回転が高まるわけではないんですけどね・・・。

 そうすると、品番数を増やしたがために、品番ごとの発注量に十分なメリハリがつけられなくなり、結果的には、売上上位品番はすぐに欠品して売り逃し、十分に販売機会が与えられなかった下位品番たちが売れ残る。 売れ筋を追加しようにも後者の在庫が多いために、追加仕入もできない、というループに陥る話です。

 そんな局面でどうすべきか?の解も、答えは同じだと思っています。 

 やはり、売場に基づいて適正品番数を定め、上位(見込み)品番と下位品番の役割に応じてメリハリ発注を行うことに尽きるでしょう。

 いくつかのブランドが成長局面でブレイクスルーしたのを見て来ましたが・・・

 その共通項として言えることは、

 売れると見込んだ商品、あるいはみんなで売ろうと決めた商品(品番)を絞り込んで定め、販売ピーク週などの大事な時にむけて、十分な在庫を積み込み、全社一丸となってMAX販売できた実感をどれだけ全社共有できているかだと思います。

 在庫の奥行がなく、すぐに欠品してしまう商品をいくらたくさん持っていても、ブレイクスルーの実感は得られませんから。

 売上が好調だった時の売上ベストセラーを振り返ればわかるように、いつの時代も売上は売れる上位商品に集中するものです。

 そしてその時の集中度合(売上上位構成比)を参考にして、上位に来るであろう商品をどれだけ売るかを決め、その時に欠品しないだけの必要な仕入を行う。 

 小売の商売もスポーツと同じで、そんな勝った、うまくいった時のイメージトレーニング(販売計画)とそれに向けた行動(周到な準備)がなくしては目標達成はありえないでしょう。

 【おススメ本】

 ファッション消費の顧客購買心理を考えるビジネス読本

 おかげさまで多くのアパレル専門店、SPAさんでMD計画の参考文献として愛読していただいています。

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November 01, 2016

絶好調TOKYO BASEの決算発表資料を読んで

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 10月24日の繊研新聞にステュディオスやユナイテッドトウキョウを展開する東証マザーズ上場TOKYO BASEの2017年2月期 第2四半期決算関連および谷社長のインタビュー記事が掲載されていました。

同社については2年前にもこのブログでエントリーしましたが、

次世代セレクトショップ、STUDIOUS(ステュディオス)の勢いが止まらない

 毎年30%以上の成長を続け、昨年には東証マザーズに上場、

 ファッション消費が冷え込んでいると言われている中で、毎月繊研新聞に掲載されている月次の主要ファッションビルの好調テナント情報にも「ステュディオス」と「ユナイテッドトウキョウ」は常に名を連ねていましたから・・・目が離せない企業としてメディアの報道にはいつも目を止めておりました。

 特に、ここ数年、上場した後に業績が悪化するファッション流通企業が続出という印象がぬぐい切れない株式市場の中で、

 売上規模はまだ年商100億円に満たないものの、上場後も30%の高成長と10%の高営業利益をしっかり確保しているところには感心します。

 今回あらためて決算資料などを読んでみたところ、いろいろな気づきがありましたのでご紹介したいと思います。

 同社の強みはいくつかありますが、ひとつは品揃えの差別化でしょう。

 セレクトショップと言っても旧世代とは違って欧米インポートブランドへの憧れから始まったものではなく、新世代らしくドメスティックブランドに特化して販売しているところ(ステュディオス)、また、もうひとつのユナイテッドトウキョウはいわゆるSPA型ですが、MADE IN JAPANにこだわっています。

 なかなか一般の消費者からは身近ではない東京コレクションのデザイナーブランドのこだわりや国内の産地が得意とする単品(アウターなら岐阜、ニットなら新潟、山形など)の魅力を

 ルミネやZOZOTOWNと言ったメジャーな販路に乗せて、同社の店舗スタッフが情熱をもって紹介、接客販売しています。

 そして原価率が限りなく50%に近い40%台ということなので若い世代が手を出しやすく、またバリューを感じられる価格設定になります。

 次に少数精鋭による販売効率や生産性の高さです。

 販売効率は店舗数やおおよその売場面積からざっと計算してみましたが直営店の月坪売上が60万円くらいでしょうか?

 また、163人(正社員99人+PAさん64人の従業員換算)で年商60億円を売り上げるのでひとりあたり売上高は単純計算37百万円超となりますのでファッション小売業の中ではトップクラスの生産性です(UAやユニクロあたりと比べても2割高い)。

 また、店舗では売上や人件費だけでなく、店長が店舗の営業利益まで管理し、同時に在庫消化を意識するために在庫回転率をKPIにしているので、

 若くして(平均年齢約28歳)、経営感覚を身につける環境におかれています。 

 その結果がプロパー消化85%!在庫回転率11回転(前期)!!だとか・・・。

 ファッションが好きなだけでなく、同時に数値管理ができる社員を雇い、育成する、それに対して報いる(平均年齢28.9歳で平均年収459万円)という経営スタイルもいままで業界の中には少なかった発想です。

 ちょっと話はそれますが、今回決算書、特にPL(損益決算書)を見ていて思ったのは、同社のようにEC売上比率が高い企業が増えてくると、同じ小売業でも、従来とは違ったPLの見かたをしなければいけなくなるなと思ったことです。

 つまり、直営店とECではPL構造、特に販売管理費構造が違います。

 直営店は人件費、家賃、減価償却などを意識し、ECの場合は、特にECモールでの売上が主力となると、販売手数料という項目のインパクトが大きくなります。

 したがってEC売上比率に基づいて、PLを直営店とEC2つに分解して、販売管理費を配分して考え、それぞれの成長性と収益構造を見て行かなければいけないな、と。

 日本ではまだそんな決算発表資料を見たことありませんが、

 欧米のSPA(GAP、L BRANDS、NEXTなど)には直営店とオンラインの損益をわけて説明しているところが多いように思います。

 今後日本でもそんな決算発表が主流になるかも知れませんね。

 さて、順風満帆の同社ですが、今後の課題と感じたことを乗り越えて行く期待を込めていくつか・・・

 ひとつはルミネ、ZOZOを主力にしている現在の販売効率をベースにしてしまうと、今後、それらほど高い販売効率の出店余地は極めて限られているので、今後の成長にあたってのビジネスモデルというかKPIの標準値をどう設定して行くかというところでしょう。

 前期でメンズの売上構成比65%、ウィメンズが35%。

 多くのセレクトショップがメンズ出身でその後、ウィメンズを伸ばして成長していったように、ウィメンズの強化は高効率を維持するカギのひとつだと思いますが・・・

 将来的には坪効率主義より大型化を図って一店舗あたりの売上高を高める(ネガティブではない意味で坪効率を薄める)などの転換を視野に入れておく必要もあるのではないかと思われます。

 そういった意味も含めて、ECもひとつのカギでしょう。

 現在のEC売上比率31%に対して将来的には50%に引き上げたいという目標を掲げているようですが、やはりそこでも引き続きZOZO依存なのでしょうかね(現在90%がZOZO経由)? 

 計算上、販売手数料は比較的優遇されているようですが・・・ZOZOも自社ブランド(PB)を始めると言ってますし、将来競合しないとも限りませんし・・・、資本関係があるわけではないので重要セグメントは自らコントロールできる管理化においておきたいところです。

 また、私は、MADE IN JAPANのSPAである「ユナイテッドトウキョウ」のグローバルな可能性に期待をしていますが、

 今後は、それぞれの国内工場との単品の取り組みではなく、むしろ素材からサプライチェーンマネジメントに踏み込んで、日本の製品をコレクションとして世界に売り込むべく、

 日本を起点にして世界に送り込む、アトリエや品質管理やSCM&ロジスティックスの体制作りを整えていただきたいですね。

 価格帯は違いますが、ZARAがスペインでやっているオペレーションの日本産地ならではオペレーションが日本発信でできないだろうか?と密かに期待しております。

 以上、好き勝手なこと申し上げましたが・・・同社のような全く違う発想をもった新世代の企業ががんばって、ファッション消費の未来を切り開いていってもらいたいな、と期待の星である同社の成長をこれからも楽しみに見守って行きたいと思っています。

 【おススメ本】

 ファッション商品を目の行き届くところでつくり、世界中の女性をおしゃれにするためにいち早く届けることに情熱を燃やしたZARAの創業者、アマンシオ・オルテガさんの起業家精神に触れていただければ幸いです。
 
 出版から2年経った今でも、おかげさまでアマゾン小売ジャンルランキング1位になることもしばしばあり、感謝しております。
 
 「ユニクロ対ZARA(ザラ)」単行本 ソフトカバー(日本経済新聞出版社)

  

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October 27, 2016

成熟市場イギリスで高収益を上げるNEXT(ネクスト)のオムニチャネルリテイリング戦略

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 毎年このブログで最もアクセスを頂いているエントリーのひとつに世界アパレル専門店売上ランキングがありますが、2015年度のランキングで最も注目すべき企業は8位にランクするイギリスのNEXT(ネクスト)でしょう。

 世界アパレル専門店売上ランキング2015 トップ10

 英NEXT(ネクスト)は1864年創業のベーシックカジュアルの老舗アパレルチェーンで、

 米GAPと並び、ユニクロのSPA(製造小売業)お手本のひとつになったことでも知られています。

 売上規模ではプライマークに抜かれ、TOP10の中では成長率も左程高くない成熟ブランド、日本でもゼビオがフランチャイズ展開をしていますが、コンサバでちょいとイケていないブランド(失礼!)に見られがちなため、これまで業界関係者もあまり注目して来なかったのが正直なところです。

 しかし、NEXT(ネクスト)は2016年1月期決算で年商7152億円、20.5%の営業利益率をたたき出す世界の中でもトップクラスの高収益率の企業です。

 以下は事業ごとの売上構成比と営業利益に関する数値です。

事業        売上構成比 前年比 営業利益シェア 営業利益率
英国直営店事業  57.2%   +1.1%  47.2%      16.9%
通販事業      40.0%   +7.7%   47.6%      24.4%
他海外FCなど   2.8%     -15.5%   5.2%        37.9%
合計         100%    +3.0%   100%      20.5%

 通販事業の売上構成比40.0%は小売チェーンの中でも極めて高いですが、営業利益構成比47.6%には驚かされますね。 

 同社の通販事業(NEXT DIRECTORY)は英国を中心に世界70か国に展開し、過去20週以内に1回以上オーダーしているアクティブユーザーが457万人いるNEXTが手掛けるカタログおよびECビジネスの総称です。

 同事業は

            事業内シェア 営業利益率
1)英国通販事業   77.4%    27.5%
2)LABEL事業    10.8%    12.2%
3)海外通販事業   11.8%    15.7%

の3つから構成されます。

 ネクストの通販事業の構成比の高さと収益性の理由をまとめると・・・

 まずは、1988年にカタログ通販を始め、1999年にはインターネット通販を開始するなど、業界の中でも早くから取り組んだ先行者利得があるでしょう。

 次に、ZOZO TOWNの「ツケつけ払い」ではありませんが、通販購入者は代金を分割払いができるクレジット決済(掛け売り)口座を設けていることも挙げられます。これにより、顧客の購買のハードルは下がりますね。

 また、自ら築いた顧客網、通販および物流インフラを活用して・・・

 本来競合するはずのナショナルブランドやインターナショナルブランドをセレクトし、ネクストの通販アカウントを持っている顧客に販売代行するLABEL(レーベル)というファッション商品のECモールのような機能を果たす事業があります。

 これも既存顧客のまとめ買いや囲い込みに一役買っているようです。

 さらに同社の通販事業の資料に目を通していて、着目すべきことは、

 EC購入客の店舗での受け取り比率55%という高さでしょう。これは5年前の13%から飛躍的に上がった数字のようで、その理由はいくつかあります。

 イギリスでは日本のヤマト運輸ほどきめ細かい対応を取る業者が出てきていないため、ECで注文した商品を不在により自宅で受け取りできない確率が高いことが挙げられます。

 これに対して、NEXTは国内540の店舗網(アクセスポイント)と独自の物流網をフル活用し、注文した翌日の昼には送料無料で顧客の指定した店舗で商品を受け取れるというサービスを実施した結果です。
 
 同社の資料を見ていて、ECモールを活用して通販売上を上げることに躍起になっている日本企業にとって、意外と「店舗での商品受け取り」というのは盲点だったのではないか?と思いました。

 店舗での商品受け取りは顧客にとって、

 運賃を払う必要がなく、自分の都合にあわせて受け取ることができ、あらかじめ決済を済ませていれば、お会計をする手間もいりません。

 もし、商品を確認したり、試着をしたければ、店舗のフィッティングルームを使えますし、場合によってはその場で交換返品もできるでしょうし、また、店舗で気に入った商品が見つかれば買い足しも可能です。

 一方、小売り側も

 既存の物流網に載せることができれば追加の運賃コストはかからないし、顧客が来店してくれれば、ついで買いも期待できます。

 接客販売するお店であれば、そんな絶好のご提案のチャンスはないでしょう。

 ある商品を受け取りに来られるお客様がいらっしゃるとなれば、それに合うこんな商品もご提案してみよう、あんな商品はどうだろうか?とお待ちしている間も店舗スタッフさんのモチベーションが高まるのではないでしょうか?

 あと余談ですが、通販で使われるダンボールの廃棄問題や無駄にトラック便や運転手さんを走らせたりする環境問題、労働問題も少なくなるでしょうから環境的、社会的にもよいのではないでしょうか?
 
 もちろん、商品をどのように受け取りたいかは、お客様のお望み次第ですが・・・

 以上のように店舗受け取りには顧客、店舗双方にたくさんのメリットがありますね。

 そこに徹底的に投資をして来たNEXTの事例は・・・直営店とECのインフラを顧客のためにフル活用した、業界の中でも極めて正統派のオムニチャネルリテイリングのお手本のひとつだと思います。

 昨今、ゾゾタウンやアマゾンなどECモールを経由しての通販売上の向上に努力してきたアパレルブランドは少なくありません。

 その結果、各社の売上に占めるEC売上比率は高まり、業界平均も5%を超え10%へと向かっています。

 しかし、以前ご紹介したエントリーのように

 ECモールに任せきりにして、店舗業務との調和を取らないことによる課題も徐々に顕在化し始めているようです。

 15年度のファッション商品のEC売上比率は7.8%に。10%目前に次なる課題は?

 やはり、直営店を持つファッション専門店であれば、倉庫で宅配業者さんにダンボールを渡して、あとはよろしく!ではなく・・・

 商品を自らの手でお客様に届けるところまでしっかりとフォローしたいですよね。

 2008年に始まった流通革新である「ファストファッション」からまもなく10年、

 次の10年のテーマとなる流通革新がはっきり見えてきました。

 それは「オムニチャネルリテイリング」に他なりません。

 これまでのECモール依存から今後は自社ECの強化へ、そして、

 商品の店舗での受け取りを促進し、直営店とECインフラが一丸となった本格的なオムニチャネルリテイリングに取り組む時です。

  ECモール~宅配便に任せていたお客様との接点を店舗をキーステーションにして取り戻そう!

 【おススメ本】

 すべてはお客様の期待を店頭で叶えるためにある。それが本書を書き終えた時に感じた、ユニクロとZARAからの最大の学びでした。
 
 出版から2年経った今でも、おかげさまでアマゾン小売ジャンルランキング1位になることもしばしばあり、感謝しております。
 
 「ユニクロ対ZARA(ザラ)」単行本 ソフトカバー(日本経済新聞出版社)

  

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