June 16, 2009

ECによる在庫適正化へのチャレンジ

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 6月16日の日本繊維新聞、「マイナス成長時代の指針」に、急成長中、EC総合サイト、ZOZOTOWNを運営するスタートトゥデイの前澤社長のインタビュー記事が掲載されていました。

 ネット上のアウトレットやファミリーセール専門業者が台頭する中で、同社がアウトレットをやらないと断言する理由を聞かれて

 (以下引用)

 「アウトレットもファミリーセールも余剰商品を前提にして成り立つ商売ですよね。ECビジネスの発展の先にあるのは、アパレル製品供給の適正化という”流通革命”です。それによってファッション業界を活性化しようというのが僕たちの目標。アウトレットとは本質的に相容れないと考えています。」

 「ECをもっとうまく使えば、余分な製品をつくらないくてよくなる。最終的には機会ロス、在庫ロスをゼロにするのがEC企業としての僕らの使命だと思っています。そうなれば無理に価格を下げるセールやアウトレットに頼る必要もなくなります。」

 (以上引用)

 リアル店舗ではありますが、日ごろ在庫コントロールのコンサルティングをさせていただいていて、すごく共感するところがあったので、引用させていただきました。

 なぜならば、在庫コントロールの本質も、適正供給の追及、「売り切る」ための理念と技術にありますからね。

 そして、その成果は、「いつ行っても鮮度溢れる店頭」という形で表れるはずです。

 特にメーカー出身SPA、直営店系の方々とお話をしていて、時折、違和感を感じることに、「セール予算」であったり、各品番、セールで売る分を見込んで「多め」に発注する、という行為があります。

 計画通りに売り切れないために、常時、実現粗利よりも値入を取り、その差を「値下予算」として確保しておくのは分かるのですが・・・端からプロパーで売れないと分かっている量をあえて作るということに、何か最初から「負け戦」をしているようだなぁと感じる時があるのです。

 必然的に、売れなければセールで売ればよい、アウトレットに回せばよい、と現場のプロパー(当初価格)で「売り切る」執念が薄れてしまいますね。

 結果は、生活者の価格不信、プロパー消化率の低下、セール比率、残品率の上昇となって現れます。

 スタートトゥデイのZOZOの話も、適量(売れる分=売ろうとする分)完全買取、プロパー売り切りに執念を燃やしている、そして、シーズン中にEC上で一元管理された在庫とすべての顧客とを直接つなげているところに強みがあるわけで、本質的な「在庫コントロール」を行う上での条件は整っていると言うことができるのではないでしょうか。

 ECではありませんが、ファストファッションにしたって、今着たいものを「リアルタイムに」「ベストプライスで」「適正供給」されるからあまり値下をせずとも次々に売り切れて行くわけであって、基本、彼らは、イベントとしてのセールはたくみに利用していますが、セール期を設ける必要がなく、52週シームレスな鮮度溢れる店頭展開になるわけです。

 今でも、1月と7月のセールを基本に売り減らし型MDを組んでいらっしゃる企業も、そろそろ発想の転換が迫られている時ではないでしょうか?

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関連エントリー-ZOZO TOWN(ゾゾタウン)のスタートトゥデイがアパレルEC事業支援の子会社設立

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June 03, 2009

g.u.(ジーユー)の今夏約5割の商品は990円以下

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 プレスリリースを受けて、6月3日の一般紙、業界紙、TVニュースが、一斉に、ユニクロのファストリグループの低価格業態、g.u.(ジーユー)が、新価格戦略第2弾として、この夏、490円、990円の商品を拡大し、展開商品の半分を990円以下にすることに関するニュースを取り上げました。

 第1弾の990円ジーンズ発売からg.u.の既存店は前年比70%増の増収、勘違いされた顧客がユニクロに殺到して、ユニクロにも相乗効果があったようですが、追随するGMS、量販チェーンなどの価格戦略を振り回すかのようなプライスリーダー的な動きは、ユニクロの柳井会長らしいと思いました。

 実際、g.u.の店頭を何度か拝見し、立ち上げ当初に比べ、メーカー依存からユニクロ独自のサプライチェーンに切り替え、ユニクロの半値近い価格帯ながら、オリジナリティもクオリティーも格段に進化をしていることが認められます。

 メディアは、価格そのものをクローズアップし、その価格と価格以上のクオリティを実現したユニクログループのサプライチェーンはさすが、と取り上げますが、業界の方々の目下の関心は、1000円以下の品揃え中心で、ユニクログループが期待すべき損益がどこまで上げられるかというところにあると思います。

 月坪効率20万円の損益モデルでスタートした同業態は、当初3掛けの達成状況。これが70%増となった今でも、同10万円の推移と見られます。

 古い話ですが、アパレルチェーンストア勤務時代、経営企画の業務にも携わっていた私は、当時の経営トップから、990円の店頭商品(いわゆる1000円だま)がよく売れるので、全品990円の店を作ったら儲かるか?というお題を出され、何度もシュミレーションした経験があります(当時の経営者の宿題には相当鍛えられました(笑))。都心では家賃が高く、郊外立地で、相当のローコスト構造でなければ、難しく、一方、そういう立地では、客数は稼げても、思うように売上があがらないので、当時の私の答えはネガティブでした。

 もともとの坪効率がよい企業が坪効率の悪いビジネスモデルにチャレンジしても、結局は我慢ができないのが現実なのですよね~

 要は、ユニクロの半値ということは、倍の数量を売らないといけないわけで、g.u.は、都心近郊で、そんな前人未到のチャレンジに舵を切り始めたのだな~、と思いました。そのチャレンジのもくろみには、都心で出店を加速するというしまむら、あるいは、日本の業界というより、イギリスで絶好調のプライマークの存在を意識しているのでしょうかね?

 でも、ユニクログループができなければ、今の日本企業にはできない、と言ってもいいかもしれない話なので、今後の動向、注目していきたいと思います。
 
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関連エントリー-ジーユー(g.u.)の新価格宣言?990円ジーンズ!

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February 14, 2009

必要十分な品質

 2月12日の日経新聞の一面、「大転換」という連載記事を読んで・・・

 これまで先進国を中心に売上を伸ばして来た日本企業が、今後主力となる新興国市場に対応するための日本企業が取り組む「ダウンサイジング」が取り上げられていました。

 その中に、世界のファスナーシェアの4割を占めるおなじみ日本のYKK(吉田工業)が、品質基準を見直して価格が半分の第2のブランド「ARC」という廉価版のファスナーを立ち上げ、多くの中国企業が採用しているという話が掲載されており、興味深く感じました。

 YKK社は、年間生産74億本の7割を新興国に出荷しており、それまでの「YKK」ブランドの1万回の上げ下しに耐えうるファスナーの「過剰品質」が新興国で必要か?という自問自答から生まれてきたのが「ARC」だったようです。 

 YKKファスナーと言えばアパレル生産に携わっておられる多くの方がお世話になっていることでしょう。私も、冬のアウターウエアーやスポーツブランドの生産を担当していたころは、絶対安心品質のYKKのファスナーがほとんどの日本の大手アパレルメーカーご指名だったもので、その長い納期が、製品そのものの発注時期と生産リードタイムを決め、悩みのタネだったことを思い出します。

 「日本企業の多くはモデルチェンジのたびに価格を上げる経営に慣れ、割り高なコスト構造を引きずる。(記事からの引用)」

 我々の業界も耳の痛い話ですね。百貨店や量販店向けにアパレル製品を納めていると、時に過剰とも思われる品質基準をクリア―するために、生産業務の半分以上の時間と労力を品質管理室とのやりとりに費やしていたころを思い出します。一度どこかで品質クレームが起こると、その都度、厳しくなる品質基準。そんな労力、保険、リスクヘッジのためのコスト・・・しわ寄せは積みあがって、結果、顧客が払う価格に転嫁されるのは言うまでもありません。

 今、ファッションマーケットの中で、そんな日本の伝統的なALWAYSベスト(BEST)クオリティに対し、アンチテーゼかのように、ファストファッションの、顧客が求める商品の賞味期限を前提とした必要十分な品質=イナフ(ENOUGH)クオリティの挑戦状がつきつけられているような気がします。

 品質や感性ってものは、一度ベターなものを知ってしまうと、たとえ金回りが悪くなっても、易々クオリティを落としたくない、センスを落としたくない、と考える不可逆的なところもあると思います。しかし、一方で、何でもかんでもベストクオリティだから高いというのは通用しなくなりそうですね。今後、ますます、一定以上の品質や感性をクリア―した低価格商品が台頭し、それを後押しするわけですから。

 これだけ選択肢が増え、豊かになったマーケットで、目を肥やし、必要十分な品質を見極める生活者。そして、それに対応する企業も生活者の立場で柔軟でなければならない時代なのですね。

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December 20, 2008

サプライチェーンからディマンドチェーンへ

 今週の火曜日、12月16日付け日本繊維新聞の最終面に私が執筆させていただいた記事が掲載されましたので遅ればせながら概要をご紹介をさせていただきます。

 「ファッションの民主化~ファストファッションの挑戦状」というタイトルを頂いた3回シリーズ隔月連載の2回目になりますが、今回の内容は、

 ○戦後のファッション流通革命の歴史と

 ○SPA(製造小売業)がもたらした革新

 について論じてみました。

 その中で、私が『第4次ファッション流通革命』の担い手であるとする「ファストファッション」が、SPAモデルに則って、これまでの業界の常識であった、特にアパレルメーカー主導で業界の川上から川下に流れる一方通行の線=フローの形をしているサプライチェーンの発想を、生活者の需要・心理を起点にした輪=サークル型をしたディマンドチェーンの発想へのパラダイム転換を促していることを強調させていただきました。

 サプライチェーンとディマンドチェーンの違いをイメージ図をつけておきました。↓↓↓(日本繊維新聞掲載記事より)ちょっと見えづらいかな?

Photo

 この顧客を起点とするサプライチェーンである「ディマンドチェーン」という発想は、もともと90年代の中ごろに、アメリカの消費者行動学(ConsumerBehavior)の企業ケーススタディの第1人者のひとりであり、米リミテッド・ブランズのレス・ウエックスナー会長のブレーンであったオハイオ州立大学のロジャー・ブラックウェル教授が提唱し、日本でも2000年になって神戸大学の小川進教授の著書「ディマンドチェーン経営」にも著わされる発想ですが、あれから10年、最近、ようやく、この言葉が時流にハマるタイミングが来たかなと感じています。

 (余談ですが、私が自分の社名に命名した「ディマンドワークス」の由来もここから頂いたものです。)

 わかりやすく言うと、このブログでも称賛している「等身大MD」、すなわち、マルキューブランドやポイントのローリーズファームなどに代表される、ターゲット顧客と同じ生活感を持ち、ライフスタイルに共感できる商品企画チームが、ごく自然に自分たちと同じような生活者のために発信したMDは、いまや勝ち組企業の要件のひとつになっていますが、ファッションビジネスにおいては、これこそ、まさしくこのディマンドチェーンを体現したものであると思っています。

 そこでは、業界の理屈や古い慣習は排除され、純粋に共感、スピード、店頭鮮度といった生活者の利益のために、いかに、ディマンドチェーン(サークル)を速く回すかが競われるわけです。

 来年もますます広がるであろう、そんな企業のチャレンジ、そして、そんな考え方をもって仕事ができる人財の育成を応援して行きたいと思っています。

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関連エントリー‐ポイントの好業績を牽引する「等身大MD」

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December 18, 2008

在庫コントロールセミナーへのご来場ありがとうございました

 12月17日、東京、新宿で開催された、富士通ビジネスシステムさん主催のファッションビジネスセミナー、「ファッションストアの店頭鮮度管理と在庫コントロール」に雨の中、ご来場、会場をいっぱいにして下さった方々、どうもありがとうございました。

 富士通ビジネスシステムの方々、いつも多くの企業への集客努力をしてくださり、素晴らしい出会いの場をセッティングしていただき、感謝します。

 従来ですと、情報システム室や中堅企業の経営陣の方の参加が多いセミナーなのですが、今回は、在庫コントロールを実際に行っている部署の方々、店舗運営に携わる方といった「現場」の方々と、一方で、大手企業の経営企画室の方々のご来場が多く、業界の中で、現場的にも経営的にも在庫コントロールへの関心が高まっていることが実感できました。

 セミナーの内容が少しでも日々の、そしてこれからの業務改善の気づきにつながれば幸いです。

 在庫コントロールを実践することは、企業利益のためだけでなく、お客さんのニーズ、購買行動を仮説立てて、先回りして品揃えするため、とても「顧客満足」につながる発想、技術なのです。

 今回は、顧客の期待に応えるプライスライン政策も在庫コントロール業務の一環として触れさせていただきましたが、業界で低価格戦略が激化する来年に向けて、是非、そんな視点も見失わないでいただきたいなと思います。

 次回は来年2月@東京の予定です。
 
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November 11, 2008

店頭情報活用の精度を上げるレッグファッションSPA

 11月11日の繊研新聞に好調勝ち組レッグファッションSPA企業、チュチュアンナとタビオ(靴下屋)の2社に関する記事が掲載されていました。

 チュチュアンナは07年度売上高111億円、ここ数年年間30店舗ペースで今年末には157店になる見込み。貿易子会社経由で80%を海外生産、20%は国内でQR(クイックレスポンス)対応。店の客層にあわせて、テイスト別に、
 
☆ ピンクレーベル‐基幹ブランドでヤングからミセスまで幅広くベーシックからトレンドまでを展開
☆ グリーンレーベル‐郊外SC向けトラッドテイストでヤングからキャリアをターゲット
☆ ブラックレーベル‐都心背伸びしたい女子高生

 と使い分け、なおかつ立地にあわせてアイテムも靴下だけでなく、インナーウエア、ホームウエアを組み合わせて販売するところに特徴があります。

 タビオ(旧社名ダン)は、レッグファッションSPA業態のパイオニア的存在「靴下屋」を基幹業態に、07年年度売上高145億円、283店(FC・海外込み)。

 「日本の靴下産業の直営店」と言っても過言ではないほど、国産にこだわりつづけ、日本の靴下産地を背負って立つ代表企業です。(いつも表参道ヒルズのTabio利用させてもらってます)

 同社は、従来は、生産側の都合のプロダクトアウト型品揃えが中心だったものが、最近では、種まき型、実験商品の販売実績から、店頭で売れ筋の芽を見つけては、サプライチェーンにフィードバックする方式も定着してきたようです。

 昨年からスタイリングのトレンドにマッチしたレギンスやタイツなどのヒット商品に恵まれ、絶好調と言われていたレッグファッション業界でしたが、実は、「春夏物はヒット商品はなかったが、売上は落ちなかった」その裏には、同社の店頭起点で実験販売を繰り返しながら売れ筋を見つける仮説検証MDの精度向上があったようです。

 個人的な話になりますが、私がアパレル小売チェーンで働き始めた時、ソックス、アンダーウエアーを含む服飾雑貨と靴のバイヤー兼ディストリビューターからキャリアをスタートさせてもらったことは、貴重な経験であり、今の仕事(在庫コントロール)のベースになっていると思っています。

 特にソックスやアンダーウエアのようなアパレルに比べ単価が安く、回転の速いファッションアイテムで、小スペースでバラエティーを打ち出すことも出来たので、一方では、定番的な商品を1点売れたら1点補充、決して在庫を切らさない、いわゆるカンバン方式を徹底しながら、もう一方では、実験販売を繰り返し、データや店頭の顧客の反応を見ながら、芽が出たものを広げて行く楽しさがありました。販売実験が失敗したらしたで、アイテム特性上、在庫処理もやりやすかったですから。

 つまり、ファッション小売で在庫補充の大切さと仮説検証の基礎がわかり、練習(と言っては失礼かもしれませんが)をするには、うってつけのアイテム群だったという訳です。

 記事を読みながら、昔の仕事を思い出すとともに、両社でもそんな風に、店頭のお客さんの反応とデータを見ながら、楽しみながら仮説検証をしてゆく人財、そして商売人がどんどん育って行き、会社も伸びて行かれるといいな、と思った次第です。 

 チュチュアンナHP
 タビオHP

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関連エントリー‐レッグファッション人気で靴下SPA(製造小売業)が好調
関連エントリー‐インナー専業メーカーのSPA(製造小売)化が進む

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October 04, 2008

グローバル企業の物流・出店戦略

 10月3日の日経MJに世界最大のホームファッションSPA、日本で拡大中のIKEA(イケア)の日本国内向け物流センターが、このたび、愛知県弥富市、名古屋港近辺に開設、稼働したことに関連して、イケアジャパンのラース・ペーテルソン氏のインタビュー記事が掲載されていました。

 同社では、これまで上海とクアラルンプールにアジアのハブ物流を有し、世界50カ国で生産された商品のうち、アジアの店舗向けの分はこの二か所に集め、店舗ごとにまとめ、日本の4店舗に向けて船便で出荷していました。

 今後は、集中出店エリアである東京首都圏と関西圏のちょうど真ん中である名古屋港近辺に新設した物流に、日本向けの商品が一括輸送され、そこから共有在庫としたものを各店の売り上げに応じて、最適配分・補充することによって、これまで起こしていた欠品を削減しようというのが、国内物流センター設立の目的になるようです。

 ちょうど、私も、買いたいと思っていたPOANG(ポエング)というイケアの定番リラックスチェアが、船橋でも港北でもしばらく欠品をしていて、定番なんだから早く補充されないかなぁと、どうなっているのかなぁ、と思った体験を持っています。

 これに対して、同社の今後の出店計画は、当初、首都圏と関西圏に優先順位を定め、しばらくは、既存店含め、それぞれ4~6店舗づつ集中出店をする予定だったそうですが、記事によると、物流センターをオープンした愛知県にも引き合いは多いらしく、今後、前向きに同県にも出店検討をするとしています。

 イケアの全世界での1店舗あたりの平均売上高は100億円程度はありますので、数年内には日本での売上も1000億円規模になり、業界およびエリアへのインパクトも小さくなさそうですね。

 参考までにスウェーデンのグローバルファッションリテイル企業、イケアとH&Mの生産国と取引先数、出店国と店舗数をご紹介しましょう。

       生産国         出店国
 イケア 50カ国1350社  30カ国 1600店舗超
 H&M  22カ国800社   24カ国  230店舗超
 
 かようにスケールの大きいグローバル企業のビジネスでは、地域のハブ物流が要になっており、イケアがアジアに2つのハブ物流を持つように、H&Mも香港にハブのような拠点があるようです。

 H&Mでは、世界からアジア向けとして香港に集まる商品を毎日、東京港と横浜港に近い川崎の国内物流に向けて海上輸送するようで、その後、そこから毎日複数回、店舗に配送されます。

 日本のH&Mはまだ1店舗なので、この川崎の拠点の位置づけがどうなるかは、わかりませんが、同社は、世界の出店エリアにエリア店舗をカバーする「コールオフセンター」という、デイリーデリバリーならぬタイムリーデリバリーが可能な物流拠点を置くことで、店頭在庫の最適化、販売機会損失の極小化をすることを強みのひとつにしています。

 すなわち、生産された商品(品番)のうち、まずは2割程度を店舗に最低限の在庫として陳列しておいて、残りの8割の在庫は共有在庫としてコールオフセンターに保有します。その後、各店の品番別、時間帯別売上に応じて、デイリーデリバリー(実際には、毎日複数回)を行える同物流拠点が、実際、売れた分だけタイムリーに、速いものでは、その日のうちに補充してゆくというしくみです。

 いわゆるデイリーデリバリー、毎日配送は日本のファッション業界の勝ち組企業でも常識になりましたが、日に複数回という多頻度の配送は、一部の渋谷109ブランドやコンビニエンスストア並みであり、それが同社の売上の最大化につながる一つの要因であることは想像に難くありません。

 さらに言えば、それだけの強みをもつ、物流拠点づくりは、出店政策に優先されるわけで、その威力が発揮できる範囲にしか出店をしないであろう、というのが、私のH&Mは、しばらくは首都圏にしか出店しないであろうという根拠にもなっています。
 
 日本に攻め入るグローバル企業のロジスティック戦略は、われわれの店頭在庫最適化やスピードの概念も変えてゆくかもしれません。

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September 02, 2008

クロスカンパニーの今後の出店方針は売場面積3割減

 9月1日の繊研新聞に、アースミュージック&エコロジー、イーハイフンワールドギャラリーなどを展開する成長中企業、クロスカンパニーの石川社長が、来春からの出店を従来の3割減の売り場面積で展開することを表明する記事が掲載されていました。

 同社は、従来、駅ビルを中心に出店している基幹業態、アースミュージック&エコロジーは25坪、郊外SC向けのグリーンパークスは80坪などを標準として展開していましたが、ここ3-4年は景気が回復しないことを想定し、投資を抑える意味で、いずれの業態も3割小さい売場面積で出店し、むしろ販売効率を高めることに注力するとのことです。

 売場面積を縮小したことにより、品揃えは、

・重点販売商品、
・戦略価格商品、
・雑誌タイアップ商品に絞り込む

とのこと。

 業界勝ち組企業各社が大型化を標榜する中で、小型化宣言は確かに珍しいと思いますが、これも、理にかなっていると思います。

 こんなご時勢なので、デベロッパーからの勝ち組企業に対する出店要請は集中していますが、ここ数年、新店の効率は実際、芳しくなく、むしろ店舗を増やすことによって得たスケールメリットで、既存の上位店舗の売上効率を上げ、全体をカバーしているのが現状ではないでしょうか。

 それゆえに、業界のトレンドは、会社全体の規模は大きくなっても、売り場面積の拡大とともに売上効率(平均坪効率)は年々下がり続けているようです。

 売場効率を落とさないように、投資額、損益分岐点も下げて小型店を出店、予定以上の効率をたたけば、増床あるいは増床移転。

 これからは、そんな手堅い経営も大切な時代なのかもしれません。

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August 26, 2008

数字で見るZARA(ザラ)の店頭鮮度

 先々日に取り上げたインディテックス社に関する海外ニュースをいろいろ読んでいて見つけた、ZARA(ザラ)の店頭がどれくらいバラエティ豊かで、鮮度が高いかを示す数値をご紹介します。

1.シーズン前先行発注比率
  60%  (NEXTなどUKの一般のファッションリテイラーは80-85%)

2.年間展開品番数(SKUではありません)
  22,000品番 (一般のファッションリテイラーは4桁;数千品番)

3.ひとりの顧客の来店頻度(買い上げではありません)
  年間17回 (一般のファッションリテイラーは2-3回から5回)

4.プロパー消化率(値下げをせずに、もとの売価で売り切った数量比率)
  85-88% (一般のファッションリテイラーは55%-75%)

 1はシーズンに入ってからの柔軟性、2は商品バラエティの豊かさ、3はアクセスの良さと顧客の期待度(ちなみにZARAはほとんど広告を打ちません)、4は結果商品的中率が高いことを意味します。

 ちなみに日本のZARA(ザラ)では、毎週2回、月曜日の朝と金曜日の朝、新商品が入荷して売り場が変わるようです。何か新しい商品をチェックしたい方はお見逃しなく。

 また、ご参考までに、昨日読んだWWDジャパンのファストファッション特集の中で、H&Mを迎え撃つポイント社のローリーズファームの初回生産比率3割、これもとても同社の柔軟性、シーズン中対応能力を示す数字ですね。

 さて、ブログをお読みの皆さんの店舗、あるいは、皆さんがよく利用されるお店は、どれくらいの頻度で顧客が足を運ぶ魅力をお持ちでしょうか? 

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August 23, 2008

しまむらが回収ハンガーの自前圧縮加工で収益

 8月22日の繊研新聞に、ファッションセンターしまむらを展開するしまむらが、現在、一部の店舗で行っているハンガーゴミの回収、自前倉庫での圧縮機を使ったリサイクル資源化による販売が軌道に乗り、一定の収益をあげられることから、回収店舗を拡大することになったとの記事が掲載されていました。

 同社は現在210店舗分で、ハンガー回収を行っていますが、自前圧縮機で加工することにより特定業者に頼る必要がなくなり、リサイクル業者の販売先の選択肢が広がり、より高値での販売が可能となるため、毎月5百万円の収益が上がるとのことです。

 記事によると、まずはもう一軒、別の倉庫にも設置し対象店舗を倍強にすることによって毎月一千万円以上の利益が見込めるとのこと。その後、順次対象店舗の拡大を検討するようです。

 圧縮機の設備投資も10ヵ月で償却できるということです。

 「うちはリサイクルというより商売上の観点でやっている」(藤原会長)

 CSRよろしく、業者任せにしての環境問題の取り組みは多いと思いますが、本業ではなくとも、コストマインド、商売気質から、自前で取り組まない手はないと判断されたのは、とても同社らしいなと思った次第です。

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August 12, 2008

三陽商会バーバリーブランドのミッドナイトエクスプレス

 8月11日の日経MJに、三陽商会が、バーバリー・ブルーレーベルで実績を上げている、品薄商品の翌朝配送のしくみ、「ミッドナイトエクスプレス」を来春からバーバリー・ブラックレーベルにも広げることに関連して、同社の物流戦略に関する記事が掲載されていました。

 このミッドナイトエクスプレスとは、

 ①毎日営業終了後に店頭在庫を確認

 ②午後11時ごろ、規定数量に達しない品目を物流センターに発注

 ③物流は出荷作業に入り、

 ④翌朝百貨店開店時には、在庫が店舗に届いており、販売できる

 というデイリーデリバリーのしくみです。

 関連して、同社は、全国13拠点に分散していた物流センターを東西2拠点に集約し、なおかつ、百貨店への商品配送の指定業者、東京納品代行をその拠点に入居させることによって、出荷指示から店着までのリードタイムを短縮する体制も整ってきている模様です。

 業界では、前週1週間で売れた商品の補充を週の初めに、週1回のみしている企業が今でも多いと思います。そうすると、1週間に各店でどれくらい売れるかを見込んで、店舗によって強弱をつけて、あるいは多めに在庫を積み込んでおく必要があります。その見込が狂うと、売れるお店で欠品が起こり、一方、売れないお店では、それらの商品在庫がだぶついている状況が起こるわけです。

 私が小売業でバイヤーとして働き始めたころ、一番最初に、確実に目先の売り上げを上げる方法のひとつとして、気づいたことは、こういった欠品の防止でした。 

 限られた仕入予算の中で、仕入れた商品をすべて店舗に分配してしまうのではなく、店舗に最低限必要なだけの在庫を持たせておいて、残りは、物流センターに共有在庫として持つ。日々の販売データをウォッチしておき、一点売れたら一点補充するきめ細かいデリバリーを実現することによって、各店の欠品を極小化させると同時に、将来に向けてお客様をつなぎ留める、ということでした。

 いわゆる、小売業におけるトヨタのジャストインタイム方式です。

 その頻度は多く、売上から補充のスピードが速いほど効果的であることは、想像に難くないでしょう。

 今では、週2回以上、多くて日曜を除く毎日、補充ができるしくみを作っていることが、勝ち組企業の共通項と言っても過言ではないでしょう。

 その中でも、この三陽商会のバーバリーのケースは、知りうる限り、当日販売、翌朝補充という最短体制だと思います。

 多くの企業が、まだまだできる!実現可能な欠品防止=売上アップの方法として、同社の補充物流への取組はベンチマークに値する事例だと思います。
 
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August 08, 2008

ファッションビジネスセミナーへのご来場ありがとうございました。

 8月8日、東京、新宿で開催された、富士通ビジネスシステムさん主催のファッションビジネスセミナー、「ファッションストアの店頭鮮度管理と在庫コントロール」にご来場くださった方々、どうもありがとうございました。

 富士通ビジネスシステムの方々、いつも多くの企業への集客努力をしてくださり、素晴らしい出会いの場をセッティングしていただき、感謝しております。

 今回は、定員の倍以上の方にお申込みいただき、急遽、会場と変更するという事態になるほど盛況でした。

 普段、ブログをお読みになって下さり、お見えになった方々も今まで以上に多く、大手企業の方、成長中の企業の方、これから、ファッション業界に就職されることが決まっている方まで、幅広い方々にブログを読んでいただいていることも実感できました。

 全員の方とはご挨拶ができませんでしたが、とてもうれしかったです。ありがとうございます。

 アンケートなども拝見したところ、多くの企業の方が、今後本格的に在庫コントロールに取り組んだり、見直しをされるご様子です。

 「在庫コントロール」は、不良在庫をできるだけ持ち越さないという企業収益面のみならず、期待に胸ふくらませ、お店を訪れるお客様をガッカリさせないように、先回りして、しっかり在庫をご用意しておく、という企業のミッションのひとつでもあります。

 今回の内容が少しでもご参考、気づき、整理になれば、と思っています。

 なお、今回、ご参加できなかった方々も多数いらっしゃったということで、9月19日(金)に同じ内容のビジネスセミナーの開催が決定しています(東京、外苑前駅近くの予定)。申込がスタートしましたら、また、ブログなどで告知させていただきますので、よろしくお願いいたします。

 また、8月19日付の日本繊維新聞に、今回のセミナーの内容「店頭在庫コントロール」のポイントを簡単にまとめた執筆記事が掲載される予定です。そちらの方も、よろしかったら、お読み下さい。

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July 28, 2008

【お知らせ】ファッションビジネスセミナーin東京

 来る8月8日(金)、東京の富士通ビジネスシステムさん主催のファッションビジネスセミナーの基調講演の講師をさせていただきますのでお知らせさせていただきます。

日時   2008年8月8日(金)
     14:00-17:00(前半90分が私の講演です)
 
場所   富士通株式会社 新宿アイランドタワー33階セミナールームB
      新宿区西新宿6-5-1
      TEL:03-5323-7534
      【ご注意】会場が上記に変更になりました。

講演テーマ 「ファッションストアの店頭鮮度管理と在庫コントロール」

 講演内容は、以前私が勤務していたアパレル専門チェーンにおいて、社長特命で在庫コントロール部を立ち上げてから、他社のベンチマーキングと試行錯誤を繰り返しながら、業務を構築、人財育成を行った3年間の事例を振り返って体系的にまとめたケーススタディが中心となりますが、日頃、ビジネスコーチング現場で感じていることを織り交ぜながらアップデートしたお話ができるよう努めたいと思います。

 ファッション業界は、SPA(製造小売業)化が進み、海外大手企業が日本進出・拡大を図る昨今、ますます競合が激しくなる一方。 そんな中、業界各社、商品企画力を強化することはもちろんですが、それと同時に、店頭起点で機会損失を防ぎながら、在庫過多に陥らないための在庫コントロールの実践や精度向上の「技術」が勝ち残りのための必須条件になりつつあると思います。

 最近では、既存店とアウトレット店舗をどう使い分けるか、なんていう話題も今回のテーマの範疇ですね。
 
主な内容は

■在庫コントロールに取り組むための定義とは?     

■在庫コントロールのシーズン、月間、週間単位での実践例       

■店間移動、マークダウンを行うための考え方と基準設定
 
になります。

 セミナーの、後半は、200社以上に導入実績があり、某大手SPA企業や某靴専門チェーン企業が活用して実績を上げている、私のビジネスパートナーでもある松山電子計算センターさん開発のファッション専門店向けマーチャンダイジング業務パッケージソフト「現場主義II」のデモンストレーションもあります。
 
 ご興味のある方、参加をご検討される方は、こちらからDMダウンロードができます。

 現在10-50店舗超くらいの規模で将来100店舗を目指す成長中ファッションリテイル事業を運営されている企業の方にタイムリーな内容です。

 参加費無料で、まだ、多少空き席はあるようですので、参加ご希望の方は、富士通ビジネスシステムさんホームページからお申し込みくださるか、同社受付窓口にお電話ください。

 問い合わせ先
 株式会社富士通ビジネスシステム
 第一営業本部 リテイルソリューション営業部
 セミナー事務局 
 担当:柏原氏、福岡氏、廣川氏、小海氏、神谷氏

 TEL:03-5804-8261 
 FAX:03-5804-8269

 富士通ビジネスシステム主催セミナー参加申込ホームページ

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July 16, 2008

ファッションビジネスで天候情報をどこまで活用できるか

 7月16日の日経新聞、「気象と経営」という連載記事の1回目が掲載されていました。天気や気温への取り組みは、ファッション販売含め小売業の業績と深く関係していますので、興味深く読ませていただきました。

 コンビニのサークルKサンクスの事例が取り上げられており、同社は、これまで毎日4回配信していた、全国の店舗が翌日の商品発注の指標とするための気象や売れ行き予測を、今後、8回に増やす新情報システムを稼働させるとのことです。同業のセブンイレブンも毎日5回配信しているようで、+店舗を訪問するスーパーバイザーが予測の誤差を調整するアドバイスをするのが当たり前になっているようです。

 ファッション業界では、はずかしながら、「過去」の業績不振の言い訳をする時には、よく天候情報が用いられますが、コンビニのように、「未来」の仮説、需要予測や当週対応を行う上であまり取り組まれていないのが現状ではないでしょうか?

 記事にもあるように、ファッション商品の場合、3ヶ月以上前に発注しなければならない百貨店が、天候はシー
ズンのふたを開けてみなければ判らないというのも確かだと思いますが、だからと言って、せっかくの情報化社会、無防備なのもいかがなものかと思います。

 アナログの域ではありますが、
 
 Yahoo!天気の「過去の天気」

 をご利用の方々もいらっしゃるのではないでしょうか?私も、以前、ファッションチェーンの営業責任者だったころ、我流ではありましたが過去の天気情報、天気予報、POSデータを絡めて利用したものです。

○前年データによると、東京地区で、週間の平均最高気温が00℃を超えたら、あるアイテム群の売上数が前週比000%に跳ね上がるから、今年は、この週から在庫を積めるように準備しよう

というようなシーズンアイテム需要予測から、

○今週は、前年同週に比べて気温が低くなりそうだから、あるいは週末に雨が降りそうだから手を打とう

というような週間対策まで、

当たらずとも遠からず、予測なしで取り組んだ場合よりも業績が向上、改善した実感はありました。

 ファッション企業本部は、一般的に、先のこと(来月、次シーズン)を考えて動いているので、読めない天候予測をすることに悲観的かもしれませんが、店頭は今週のことを考え、日々の営業努力の積み重ねを行っているので、ある程度天候予測、仮説が店頭体制を組むのに有効だったりします。

 そして、そんな仮説検証の積み重ねが、未来の情報源になることも忘れないでいたいなと思います。 

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June 19, 2008

6月17日付日本繊維新聞に執筆記事が掲載されました。

 6月17日付けの日本繊維新聞(ニッセン)さん、「ファッションビジネス教室」の欄に、執筆記事が掲載されましたのでご紹介させていだたきます。

 4月からスタートしたシリーズ記事で、本業であります、ファッション専門店の多店舗化、SPA(製造小売業)化ビジネスコーチングの現場において日頃感じている基本的なテーマについて解説してます。

 2回目の今回は、店頭のマーチャンダイジング業務を、「数量ベース」で考えることの大切さについてまとめてみました。

 一般的に、会社の売上、在庫、仕入予算が「金額ベース」で設定されていると、どうしても店頭スタッフも本部の方も、商品販売業務の会話が「金額ベース」に終始してしまいがちです。 

 しかしながら、顧客から見える店頭の品揃え(MD)は、どうでしょう。 

 現実は、「数量ベース」(型数、カラーサイズ展開、店頭ボリューム、バックストック在庫・・・)で成り立っていて、そのギャップに業界の永遠のテーマ、「在庫過多」や「機会損失(売り逃し)」の根源のひとつがありそうです。

 日頃、「店頭在庫が少なくて売上が取れない!」「投入が多すぎて販売に集中できない!」「在庫が多すぎる!」といったやりとりにお悩みの方、記事をPDFでお読みいただけるようにいたしましたので、よろしかったら読んでみてください。

 「日本繊維新聞08.6.17-SPAコーチングの現場から②数量ベースで店頭を考えよう」をダウンロード
 
 日本繊維新聞ホームページ

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 【過去の日本繊維新聞執筆記事】
 ●H&M、ZARA、トップショップ・・・ファストファッションの時代到来
 ●『ファッションの民主化』で何が変わるか・・・ファストファッションの衝撃波
 ●H&Mのハイスピード経営
 ●ZARA(ザラ)のビジネス哲学に学ぶ
 ●グローバルSPA時代のファッションビジネス
 ●SPAコーチングの現場から①週単位で業務を遂行しよう」をダウンロード

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June 08, 2008

ニトリが、円高差益還元で268品目を値下げ

 6月6日付の日経新聞に、ホームファッションSPA(製造小売業)大手のニトリが、円高による為替差益を生活者に還元すべく、家具、インテリア製品など268品目を平均19.6%値下げしたと発表したことに関する記事が掲載されていました。

 記事によると、原料コストが上昇し、メーカー、流通各社が値上げに踏み切る昨今ですが、同社も原料コストは上昇しているものの、企業努力によって、物流コストが削減できたことと円高差益を原資に「値下げ」に踏み切るとのことです。なお、268品目は、同社全商品の3%に相当し、一度値下した商品は再値上げしないとのこと。

 ちょうど5月下旬に、6月から123品目を値上げすることを発表した「無印良品」を展開する良品計画のニュースを思い出しながら、この記事を読んでいました。

 無印良品が値上げしたのは、プラスチック、ポリプロピレン関連の生活雑貨中心で、ニトリが値下げしたのは、木製、ファブリック系の家具・インテリア商品と商品内容が違うので一概に比較は難しいですが、「OOO品目、値下げ」という無印良品得意の広告コピーを意識したような発表だったので、面白いなと思って読んでいました。

 円高が進んだ時、イオン、イトーヨーカ堂が円高還元セールをされていましたが、メーカーや問屋からの仕入が多いGMSのそういったセールは仕入先の「協賛」を得た一過性の消費刺激策に思えてしかたがありません。

 ニトリの場合は、海外に自社工場を持っていたり、毎年、自身の足で海外委託工場を開拓し、直輸入をしていると聞いていますので、コストコントロールもやりようがあるでしょうし、同じ円高差益還元でも継続性という意味で説得力があります。

 世界最大のホームファッションSPA企業、スウェーデンのIKEA(イケア)が一店舗あたり年商100億円級の巨艦店舗を都心近郊に出店し、日本の生活者に低価格で、家の中をファッション化するという新しい価値を提供しています。

 ニトリ、無印良品、フランフランはじめ、日本のホームファッション業界のプレーヤー各社にも、ますます切磋琢磨していただき、ファッション化に目覚める生活者に、IKEAに負けない、あるいは、うまく棲み分けした、価値を提供して頂きたいと思っています。

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関連エントリー-IKEA(イケア)を迎え撃つニトリの品質管理改革

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May 14, 2008

ロンドン・ハイストリートファッション・マーケットリサーチ

 5月13日の繊研新聞の1面にロンドンのファッションショッピングの中心地、ウエストエンド地区に乱立する世界の有力ファッションSPA(製造小売業)についてのレポート記事が掲載されています。

 オックスフォードストリートおよびそれと交差するリージェントストリート、ボンドストリートという大通り沿いによくもまあこれだけ世界のアパレルSPAが並んだものだと、記事中のショップ名入りの地図を見ながら感心しました。

 それもそのはず、記事によると、このエリアにある600の店舗に、年間2億人が訪れ(うち半数が観光客)、55億ポンド(1兆1千万円くらいでしょうか)のお金を落としてゆくそうです。
 
 このエリア(地下鉄で3駅分くらい)の記事中地図内の店舗数を数えてみたところ、

 H&M(スウェーデン)が4店舗
 ZARA(スペイン)が4店舗
 ユニクロ(日)が4店舗
 GAP(米)が3店舗
 NEXT(英)が3店舗
 フレンチコネクション(英)が3店舗

 もあります。こんな密集エリア、日本にはありませんよね。

 もちろん、英国のストリートファッションストア、トップショップとプライマークの超大型旗艦店もありますね。それぞれ1店舗づつですが、上記のSPA店舗の売上の一桁上の売上は軽く上げているくらい大きな店です。確か、トップショップは1店舗で年商200億円超だったと記憶していますが・・・

 この地区は、まさしく、世界最大のファッションSPA大戦が繰り広げられているところですね。

 タイトルの「ハイストリート」とは、「大通り」を意味し、大通りに面している大手ファッションチェーン店が提案するファッションを、英国では、ハイストリートファッション(=ファストファッション)と呼びます。

 私もロンドンにファッションマーケットリサーチに通っていたころは、必見のオックスフォードストリート。
 
 その中心地のオックスフォードサーカスというリージェントストリートとの交差点でのトップショップ、H&M、ZARAのガチンコ勝負に、伊勢丹メンズ館が参考にした?と言われる百貨店セルフリッジをよく定点観測したものです。

 ロンドンにマーケットリサーチに行かれた方はよくご存知のように、ロンドン中心地は、このほかに、

 ・コベントガーデン
 ・カーナビーストリート
 ・カムデン(古着とヤングカジュアルストア多数)
 ・ナイツブリッジ(ハロッズのあたり)

 あたりをおさえておけば、地下鉄を利用して、余裕で1日で周れるマーケットリサーチコースになります。もう一日ある方は、ロンドンから鉄道で1時間弱の、ヨーロッパ最大級のショッピングセンター、

 ・ブルーウォーターショッピングセンター

 をお奨めします。

 ああ、また、ロンドンに行きたくなってきましたね。

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May 10, 2008

しまむらの情報公開と「適正値」の考え方

 5月9日の日本繊維新聞に、しまむらが推進している、いわゆる「直流」によるコスト削減に関する記事が掲載されていました。

 「直流」とは、しまむらに納品するメーカーが、中国各地で生産した商品を中国内のしまむら指定物流拠点に集結させ、現地でしまむらの店舗ごとに振分けてしまい、箱詰め、まとめてコンテナに積み込み輸入し、そのまま日本国内のしまむらの物流センターに直接持ち込み、箱ごとしまむらの国内トラックルート便に載せることによって物流コストを削減しようという試みです。

 同社は、この「直流」によって浮いた物流コストをメーカーと折半し、その「直流」比率を高めることによって、自社の商品仕入原価率を下げ続けています(「値入率」でいうと上げ続けている)。

 いつも、このようなしまむら関連の記事を読んでいて感心することですが、同社は、何か改革に取り組む時に、実額や、売上高対比構成比といった金額ベースの数値だけでなく、荷物の個数(数量)や「1個あたり」のコスト(単価)をしっかり把握していて、それをどうコントロールするかを考えている、なおかつ、驚きなのは、その数値を一般に情報公開しているところです。

 ところで、毎年4月にしまむらの2月期決算発表にあわせて公表されるIR情報のひとつに決算概要がありますが、これは、業務改善に取り組む業界の経営者、幹部、経営企画の方、必見の資料だと思います。

 しまむら決算概要

 客数、客単価、セット率、値下率、棚卸ロス率・・・業界が関心を持っている経営数値が前年比とかではなく、実数で、数年間時系列で掲載されている、ここまで公開するか、と同社の自信のほども見て取れる資料です。


 話は変わりますが、仕事上、よく業界の「適正値」や「基準値」を聞かれることがあります。

 ロス率、値下げ率、プロパー消化率、シーズン末残在庫率・・・

 実は、私は、多くの方が期待する「適正値」ってものは業界に存在しないと思っています。強いて挙げればゼロか100ですかね・・・不可能に近いですが(笑) 

 むしろ「適正値」を考える時、いつもお勧めすることがあります。

 ○まずは自社の現状を数値化する
 ○そして、その数値を来年に向けてどうしたら少しでも改善できるのかを考える

 この行為こそが、「適正値」に向けての取り組みだと思っています。

 しまむらの決算概要をご覧になったら、それらの項目の自社の数値はどうなっているか?一度算出してみるといろいろなことがわかると思います。お試しを。

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April 23, 2008

4月22日付日本繊維新聞に執筆記事が掲載されました。

 今回は業界ニュースではありませんが、4月22日付けの日本繊維新聞(ニッセン)さん、ファッションビジネス教室の欄に、執筆記事が掲載されましたのでご紹介させていだたきます。

 今月から隔月(4月・6月・8月)になりますが3回にわたり、私の本業でありますファッションビジネスコーチングの中でも行っている、ファッションリテイラーがSPA(製造小売業)化、多店舗化する上で大切だと思われる基本事項について、寄稿してます。

 1回目は、基本中の基本、ファッション商品のMD業務、販売業務を週単位で業務を遂行することの意味、重要性、方法論について簡単ではありますが、まとめでみました。
 
 「52週MDが常識」とされて久しいものがありますが、頭で解っていても、実行するには、いろいろなハードルがあるものです。あらためてその「遂行」のためにおさえておきたいことついて確認していただければと思います。
 
 記事をPDFでお読みいただけるようにいたしました。

 よろしかったら、お読みください。

 「日本繊維新聞08.4.22-SPAコーチングの現場から①週単位で業務を遂行しよう」をダウンロード

 日本繊維新聞ホームページ

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 【過去の日本繊維新聞執筆記事】
 ●H&M、ZARA、トップショップ・・・ファストファッションの時代到来
 ●『ファッションの民主化』で何が変わるか・・・ファストファッションの衝撃波
 ●H&Mのハイスピード経営
 ●ZARA(ザラ)のビジネス哲学に学ぶ
 ●グローバルSPA時代のファッションビジネス 

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March 27, 2008

ハニーズの店舗客層(年代)別商品対応

 3月27日の繊研新聞に、年間100店舗超の大量出店を続け、成長のひずみが出てきていると言われる婦人カジュアルチェーン大手のハニーズの今後の商品政策に関する記事が掲載されていました。

 同社は、従来の準都心、近郊の大型ショッピングセンター中心の出店から、ここのところ食品や日用品店と同居する近隣型SC(NSC)など郊外の立地への出店が増え、立地別、客層別の対応が急務となっています。

 記事によると、

○全体の70%にあたる自社企画型数を、1ヶ月あたり300型から250型に絞込み、在庫を抑制する
○客層を年代別に5タイプに分け、どの客層に向けた商品かを企画段階で明確にし、店舗ごとに違う(広がった)客層に対応する

の2つの方針を打ち出しています。

 2つめの客層別商品区分は、

 A 10代向け
 B 10~20代向け
 C 20代向け
 D 20~30代向け
 E 30代向け

 の5区分としているようですね。

 同社が郊外への出店が多くなるに従い、従来、28歳までの客数とそれ以上の比率が7:3だったのに対して、5:5まで来ているようで、今後、これら広がった客層に対して、ヤングマインドをもったミセスカジュアル服を充実させることによって、対応しようということのようです。
 
 これまで、同社は、販売効率に基づき、店舗を3タイプに分けて商品投入を行っていたと聞いていますが、今後は、これに加え、年代別タイプ分類も行って、より顧客のニーズにきめ細かく対応しようというわけですね。

 規模は違いますが、私もアパレルチェーン勤務時代は、立地、客層の違いによって、売れる商品が違ったり、シーズントレンドが変わると好調、不振店舗のばらつきが出ることを懸念し、コンビニエンスストアがよく行っている「時間帯別性別年代別購買客層レジ登録」をベンチマークし、ファッション商品にも応用した経験があります。 

 継続的な統計データにより、購買客層にもとづく店舗分類や商品企画が実践でき、一定の成果を上げることができました。

 要は、シーズン立ち上がりの品揃えから、より各店客層の的を得たものになり、シーズン中の在庫調整(店間移動)も期中値下げも許容範囲となり、全体の在庫抑制、粗利率向上にもつながったものでした。

 先日のしまむらの事例とともに、幅広い客層をねらうナショナルチェーンストアと言えども、今後はこのような、店舗の客層に合わせた、きめ細かい品揃えが雌雄を決する時代となりそうです。

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March 13, 2008

青山商事、高頻度補充物流で首都圏攻勢

 3月13日の日経新聞に紳士服チェーン最大手の青山商事が、競合のAOKIやコナカと比較して手薄となっている首都圏一都三県(東京・埼玉・千葉・神奈川)を攻略するにあたって、店舗に毎日商品を補充できる物流および情報システムへの刷新に対し、100億円規模の投資をするとの記事が掲載されていました。

 同社は、一都三県に今後、5年間で40店舗を出店するようですが、家賃の高い首都圏では、郊外同様の売り場面積、バックストックスペースは望めないため、販売効率の高い小型店舗での出店を想定。

 これに対して、週1-2回の商品補充であった従来の物流方式を改め、バックストックスペースが小さく、在庫が少なくても機会損失を最小限に抑え、売れる店を実現するために、千葉県に新物流センターを建設し、毎日、売れた分だけ翌日補充のきく物流体制を構築するというもの。

 スーツはサイズが多く、業界の中でも1品番あたりのSKU(最小在庫管理単位;アパレルの場合はカラー・サイズ展開数)が多いアイテムの一つで、サイズ在庫をしっかりもっているかが売上を左右し、一般的に機会損失と在庫過多の併存が悩みの種です。

 これに対し、店舗では最低限の在庫(たとえば各1点)、売れたら翌日に補充されるとなれば、大きく売り上げに貢献しますし、センター在庫を複数店舗で共有できるわけですから全体の在庫も最小限に抑えられるというわけです。

 また、推測するに、これだけのインフラを整えるのであれば、各店の在庫を平準化させるための商品店間移動もかなり柔軟にできるようになるはずです。

 さすが青山商事、用意周到ですね。

 先行する別業態、「ザ・スーツ・カンパニー」は、同社の首都圏攻略の切り込み隊長だったわけですが、そのあたりでも実験を重ねていたことは推測に難くありません。

 製造原価から家賃、人件費と、流通業界は今後もコスト高に苦しむことになると思いますが、これからは、各社、客層に合わせたマルチMD対策、その後の調整を担う物流改革で、機会損失を削減し、いかにそういった経費増を吸収できるか?という真剣勝負が始まるに違いありません。
 
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関連エントリー-多業態化は儲からない?

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February 15, 2008

海外生産物流の合理化でCO2も削減

 2月15日の日経MJに、繊維製品に強い商社、住金物産の中国生産商品の輸入物流の合理化に関する記事が掲載されていました。

 最近は、中国での生産コストアップを受けて、各社物流の合理化で吸収しようとする動きも活発ですが、記事で取り上げられていた同社の良品計画(無印良品)との取り組みは、

1.中国各地で生産された商品を上海にもつ物流拠点に集約
   ↓
2.検品作業
   ↓
3.クライアントの店別に仕分け
   ↓
4.東京、大阪、博多と店舗の近隣の港に分けて船便で出荷
   ↓
5.各港でそれぞれ通関、港から各店に配送
   
という流れになります。

 1~3までの流れは以前からよくある話で、これまでは配送先が日本全国でも、仕向港(ディスティネーション)が横浜や神戸など一ヶ所だったりするのが多かったと思いますが、最近は、同じ商品でも中国側から複数の港に分けて出荷するリテイラーの取り組みが増えてきているのを耳にするようになりました。

 昔、海外生産のために香港に通っていたころは、GAPやエディーバウアーなどアメリカの大手のリテイラーが広いアメリカの国土の東海岸、西海岸それぞれ複数の港に直接出荷している話を聞いて、さすがアメリカはスケールが違うななどと思っていたものですが、最近は、日本のリテイラーも

 ○何百店舗も展開するところが増えてきたこと
 ○国内トラック運賃の削減が課題である
 とともに
 ○CO2(二酸化炭素)排出の削減が企業に課せられている

 こともその要因にあるようで、住金物産の事例でも、この手法により「排出量が半減した」という実績が紹介されています。

 物流の合理化を考えることは多いですが、同時に環境問題対策にもなるとなれば、もっともっと工夫をして取り組みたいところですね。 
 
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January 27, 2008

【お知らせ】2月8日(金)名古屋にて、「ファッション商品の店頭在庫コントロール」のセミナー開催します。

 今回は、来る2月8日(金)に名古屋で開催される、POSレジ業界大手の東芝テック(TEC)さんのセミナーで講師をさせていただくことになりましたので、そのご案内をさせていただきます。

日時   2008年2月8日(金)
     13:30-17:15 
     (14:00-16:30が私の講演です)
 
場所   キャッスルプラザ
      〒450-0002
      愛知県名古屋市中村区名駅4‐3‐25
      TEL 052-582-2121
 
講演テーマ 「ファッション商品の店頭在庫コントロール」

 内容は、以前私が勤務していたアパレル専門チェーンにおいて、社長特命で「在庫コントロール部」を立ち上げてから、他社のベンチマーキングと試行錯誤を繰り返しながら、業務を構築、人材育成、引き継ぎを行った3年間の事例をまとめたものです。

 国内外の勝ち組SPA企業が賢く買いまわる顧客にソリューションを提供し、着実に、シェアを獲得している昨今、商品マーチャンダイジングの進化はもちろん、その上で、店頭の顧客満足と企業収益をリアルタイムにマッチングさせる「店頭在庫コントロール」の技術は必須条件になりつつあります。

 そんな「店頭在庫コントロール」を実践する上での基本を体系的にまとめましたので、現状の課題解決の気づき、明日の業務のヒントにしていただければ、と思います。

 東京、大阪に続き、今回は名古屋で初めて東海、北陸地区のファッションリテイラー様向けにセミナーをさせて頂くことになりました。

 専門店様、アパレル出身SPA様、10-50店舗超くらいの規模の成長中ファッションリテイル事業を運営されている企業の方々にタイムリーな内容だと思います。

 ご興味のある方、参加をご検討される方は、こちらからDMダウンロードができます。

 参加をご希望の方は、東芝テックさんの受付窓口にお電話いただくか、上記からDMをダウンロードしていただき、裏面の申込用紙をファックスしてお申し込みください。
 
 また、セミナーの後半には、大手ファッションSPA企業、同靴専門店チェーンで実績を上げている、発注から売り切りまで、かゆいところに手の届くアパレル専門店向けMD業務パッケージソフト、松山電子計算センターさんの

 現場主義II

 のデモンストレーションがあります。店頭在庫コントロールを行う上でとても適したパッケージソフトで、お勧めです。
 
 お問合せ先
  東芝テック株式会社 中部支社
  営業推進部
  佐藤 伸一氏
  TEL 052-889-5210
  FAX 052-889-5290

 東芝テックイベント情報ホームページ

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January 26, 2008

ルミネの次なる改革ポイントは?

 1月23日の繊研新聞の「小売業首脳新春インタビュー」に、絶好調のターミナル駅ファッションビル、ルミネの花崎社長の記事が掲載されていました。

 マーケットトレンドから、消費が都心部駅周辺に向かうのは誰もが認めるところだと思いますが、そんな環境の中、JR系のデベロッパー、ルミネは現在のファッションマーケットのキーデベロッパー、主役の1社であることは間違いなく、その動向は今、業界が注目するところです。

 同社は、日本最高の立地を最大限に利用して、業績を伸ばしていますが、その立地アドバンテージに甘んじることなく、テナントおよびその企業本部を巻き込んで、販売スタッフの人財育成や、それをサポートする本社に業務改善要求を行う、そして、会社を超えてプラスになるテナント成功事例を他のテナントと共有してもらう機会を設けるところまで、かなり突っ込んだ取組をしていることで有名です。

 以前もブログで紹介しましたが、テナント企業で接客技術を競うロールプレイングコンテスト「ルミネスト」は業界の中でも同社をベンチマークするデベロッパーが増えていますし、企業を超えて店長のナレッジを共有する「ショップマスター研修」も効果を上げている模様です。

 今回の記事で更なる運営の質の向上へ、と今後の課題を挙げていらっしゃったのは、

 ①テナント各社の商品投入ロジスティック
 ②テナント側の頻繁な人事異動の課題

でした。

 ②の課題は、要は、優秀な店長、副店長クラスの異動は、売上に影響しやすいので、して欲しくないのは、当たり前の話で、ルミネに入るようなテナントはどこのデベロッパーからも引っ張りだこですし、予算の高い好立地への新店、大型店出店機会があれば、テナント企業は、優秀な店長は抜擢せざるを得ない事情があるでしょうから、なかなか難しいところだと思います。あとテナント企業側のES(従業員満足)、人事定着率の問題もあるかもしれませんしね・・・。

 一方、①は、ロジスティックによる販売機会損失削減の話で、日本一坪効率(坪当たり売上高)の高い立地のひとつであるターミナル駅にあるルミネ店舗に対する商品投入は、十分改善が可能な課題だと思いました。

 おそらく、ルミネでは、各テナントが、他の既存店の効率の倍かそれ以上の効率を挙げていると思いますが、特別なディストリビューション、ロジスティックが必要でしょう。

 いわゆる「ジャスト・イン・タイム」に近いロジスティックが組めれば機会損失を減らすことができ、販売効率向上に直結しそうです。現状テナントの多くは、勘にもとづく対応をされているところが多いのではないかなと思われます・・・。

 ある坪効率の高い百貨店では、そのための専用の物流拠点を店舗の近隣に設けていると言います。

 ますます人が集まる立地で、顧客と店舗スタッフの笑顔の中、鮮度あふれる商品が次々に高回転する様、商売人としては、これ以上の光景はないと思います。

 ルミネさんが、そんなシーンを実現されてゆくことを今後も期待したいと思います。

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関連エントリー-ルミネのショップマスター研修

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January 10, 2008

今年は中国一辺倒の海外生産比率が見直せるだろうか

 昨年末に、ユニクロが、かつてのビジネスモデル、中国一辺倒(現在は90%中国;残り10%はベトナムやカンボジアとのこと)の海外生産比率を徐々に90%→60%にするとの発表がありましたが・・・

 年始に入って、業界の方々と世間話をする機会が何度かありましたが、(特に生産サイドの)皆さん口をそろえて、「中国生産一辺倒」に本当に危機感をもっていらっしゃるな、というのをひしひしと感じました。
 
 素材、附属品、日本マーケットへの対応の慣れ、スピードを考えると、ファッション業界にとって、中国はどうしても外せない生産地ですが、人件費アップ、為替レート、税制問題、というコスト高によってコストメリットが薄れ、従来活用していた沿岸地域の小中規模の工場が、軒並み欧米を相手にする大手に吸収されたり、廃業に追い込まれている話は深刻のようです。そんな影響で、今まで、30日だった生産期間が50日かかるという話も耳にします。

 百貨店向けメーカーの方々は、是非国内生産の見直しを行っていただきたいと思いますが、SPA、専門店、チェーンストアのバイヤーさん、メーカーさんは、中国から遠方の生産地を検討せざるを得ないわけです。

 日本企業でも、スーツ、ドレスシャツ、定番ボトムス、ユニフォームといった比較的デザイン変化が少なく、3ヶ月以上の生産期間を取れるアイテムは、ベトナム、カンボジア、ミャンマーなど東南アジアに生産国がシフトされていますが、今後は、ファッション商品も「そのうち」、とは言っていられない様相かもしれませんね。

 小さな坪数で、高回転で回しているマルキュー系ブランドを筆頭とするヤングファッションストアはともかく、「トレンド商品」と「定番的な商品」をミックスして販売しているファッションストアは、生産分散、使い分けを検討、実行に移す時期も近いかなとも思います。

 「ファストファッション」と呼ばれるH&MやZARAにしても、もともとは欧米諸国への国内産業保護を目的としたアイテム別国別輸入クオタ(制限枠)があったからこそ、必然的に数十カ国にグローバルソーシング(商品調達)を行っているわけですが、このクオタの存在にかかわらず、トレンド商品は、「ファスト(小回り利く国で、短納期、多少のラフな品質に目をつぶる)」、ベーシック(定番的)アイテムは「スロー(遠方の国でも、長い生産期間でも、品質を重視して生産)」を上手に使い分けているのは、知られているところです。

 なんでもかんでも、納期に引き付けて意思決定、フットワークのよい地で生産すれば、リスクが小さいのは間違いありませんが、今一度、社内で暗黙の了解にしている自社商品の企画分類政策(トレンド提案、定番、実験アイテム、の別)の再定義、見極めと、それにあわせた生産地を見直す必要もあるのではないか、と考えさせられたものでした。 

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December 20, 2007

ZARA(ザラ)のビジネス哲学に学ぶ

 先にご案内の通り、12月18日の日本繊維新聞に世界最大級のファッションSPA(製造小売業)グループ、スペイン、Inditex(インディテックス)社の基幹業態、ZARA(ザラ)に関する寄稿記事が掲載されましたのでご紹介させていただきます。

 今回の見出しは、「ファッション小売りのベストプラクティス~ZARAのビジネス哲学に学ぶ」としていただきました。

 正直、世界のファッションリテイラーのベストプラクティスと言える、ZARAから学ぶべきことを、制限字数(2000字台)でまとめるのに苦労しました。読み返してみると、一文一文にちょっと力が入りすぎていたかな、とも思いますので(笑)、業界外の方には読みづらい部分もあるかもしれませんが、ZARAのオペレーションを広く知っていただく入り口としては何とか、まとまったかなとも思っています。

○どうしたら顧客の来店頻度を高められるか?
○どうしたら店頭情報を企画生産現場とリアルタイムに共有し、マーケットの変化に対応できるか?
○どうしたら必要最低限の在庫で売上を高めることができるか?
○どうしたら週末だけでなく、週の初めも売り逃しをせず、週の売上を極大化できるか?

 ZARAのオペレーションには、すべてのファッション企業を勇気づけるヒントが詰まっていると思います。

 よろしかったら記事をPDFダウンロードしてお読みください。そして、是非、ZARAの店頭に行って何かを感じてください。

 いつの日か、ZARAのようなファッションリテイラーが日本から出現することを夢見て・・・

 「ZARAのビジネス哲学に学ぶ」をダウンロード

 末筆ながら、ニッセンさん、この度も機会を頂戴しありがとうございました。 

 日本繊維新聞ホームページ

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関連エントリー-ZARA(ザラ)のインディテックスグループの驚異的な成長

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December 16, 2007

日本繊維新聞12月18日付にZARA(ザラ)に関する寄稿が掲載されます

 来る12月18日(火)、日本繊維新聞(ニッセン)さんのご依頼で執筆したスペインのインディテックスグループの基幹業態、日本でもすっかりおなじみになったZARA(ザラ)に関する寄稿記事が同紙に掲載されますので、事前にご案内させていただきます。

 ニッセンさんには、以前、ファストファッションについて2回、H&Mについて1回コラムを執筆しましたが、今回は、ファッションリテイラーがZARAに学ぶべき政策を簡単にまとめさせていただきました。

 ZARAの哲学、オペレーションを整理するたびに、ファッション業界で、これほど進んだディマンドチェーンマネージメント(顧客起点のサプライチェーンマネージメント=SCM)はないだろうと、思い知らされます。

 しかしながら、そのひとつひとつはファッションビジネスの基本中の基本であり、彼らをゴールにして日々の業務改善を考えたら、まだまだ日本のファッション企業が「やれる」ことはたくさんあることにも気付かされます。

 その点、来年、マークすべきは、H&MよりむしろZARAではないかと思えてきます。

 2008年の取り組む課題のひとつに「ZARAのベンチマーキング」というのも悪くないんじゃないでしょうか? 

 よろしかったら是非お読みください。

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関連エントリー-日本繊維新聞「FB(ファッションビジネス)教室」にコラムが掲載されました(上)
関連エントリー-日本繊維新聞「FB(ファッションビジネス)教室」にコラムが掲載されました(下)
関連エントリー-H&Mのハイスピード経営

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November 21, 2007

アパレル流通における「逆三角形の積み木」崩し

 今週の繊研新聞の一面に「どうするものづくり 日本のアパレル生産のひずみ」というシリーズ記事が連載されています。現在のアパレル生産の典型的な問題点、課題が的確に整理されていて、とてもよい記事だと思いながら読ませていただいております。これからアパレル業界を理解しようという方は是非、お読みいただくとよいと思います。

 特に、シリーズ6回目11月20日付けの「逆三角形の積み木」は、状況を的確に表し、とてもいいネーミングですね。

 要は、
 
 小売店→アパレル(卸)→商社→工場

 と流通を川上に遡るほど利益率、額とも取り分が少なくなる構造は、日本の他の業界でもそうかも知れませんが、

 ・小売の販売効率の低下、家賃の高騰
 ・アパレルの人件費、物流費、小売からの返品・値引対策経費の高まり

 から、中国などの生産サイドにも原材料、燃料、人件費、税金など原価アップの要因はめじろ押しなのにもかかわらず、従来より安い原価を要求しているという構図は、逆三角形状態の積み木を、上の方はそのままで、下からくずしている様子と同じだということを言っているわけです。

 記事にある、店頭売価10,000円の商品に対するそれぞれ流通の出値の例を引用すると、次の通りになります。(百貨店業界の場合) 

 小売店 →アパレル(卸) → 商社  → 工場(日本サイドの商社輸入原価)
 ¥10,000  ¥5,500     ¥1,600   ¥1,300  

 これでいくと、ホントの工場出し、いわゆるFOBは¥1,000強でしょうか。小売価格の10%。

 10年以上前、商社で海外生産をしていたころは、商社のアパレルまたは小売への出値が25%~30%、今、昔の同僚に話を聞くと、最近の商社出しは20%以下と言います。

 また、当時、素材価格は店頭価格の10%くらいを目安に生産していたのですが、今や、工場側のコスト、利益込みで同じくらいの価格を要求されているようですね。専門店の場合、原則買取になりますので、アパレルの出値は変わりますが、このコストモデルは、だいたい今の実態を表していそうな感じです。

 記事の中に、日本の業界の取り分のバランスを見直すべき、という業界の方の意見も掲載されていますが、上記のような理由もあり、それが、なかなか現実的でないのは、業界の誰もが認めるところではないでしょうかね。

 そんなわけで、日本のファッション業界では、商社を介在させるかどうかは別にして、小売が直接工場に発注する、あるいは、アパレルが直営店を運営する、いわゆるSPA(製造小売)業態化が進むわけですが、そうすると、単純に上記の¥1,600くらいを小売の原価にできる可能性があるわけで、同じ品質の商品を、30%OFF=¥7,000くらいで売って、シーズン中でも値下などで上手く消化が図れるビジネスモデルが成立するというわけです。

 海外SPAにいたっては、商社の介在もないので、リスクはありますが、世界の店頭を起点とし、生産サイドとも、柔軟な対応ができ、自社内コストコントロールも効きやすい、ということになります。

 というわけで、記事によると、中国有力縫製工場の顧客優先リストの上位は欧米SPA企業に占められ、かつて上位だった日本の大手アパレルは下位という現実。

 バランスというか、店頭と生産サイドをいかに直結させるか、といった構造そのものが問われている、という現状でしょうか。  

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November 16, 2007

客足鈍らない値上げ?

 11月15日の日経新聞連載記事、「先読みビジネス天気」に、「客足鈍らない値上げ探る」という見出しが出ていて、目がとまりました。

 原材料、燃料の価格の高騰を受けて、スーパー、コンビニに商品を供給している食品・消費財メーカーが値上げを表明しているのに対し、スーパーの多くが、値上げは客数、売上を落とすと、価格据え置きキャンペーンを張っている現状。

 しかしながら、いずれ製造サイドが耐えきれない時が来るのは明らかで、議論は、その時期はいつなのかタイミングを計っている、という話。

 ちょうど、同日の繊研新聞にも、同様のアパレル業界の現状、原材料高、燃料高に加えて、アパレル輸入品の数量ベースで92%、金額ベースで83%を依存する中国での人件費増、増値税還付率引き下げなどコストアップ要因に関する記事が掲載されていました。

 記事にもありますが、品質を落としての価格維持は論外で、同品質でも単なるコストアップ事情による価格転嫁が通用しないのも間違いないでしょう。これに対して、カジュアルマーケットのアパレルメーカー各社は、「わかりやすい付加価値」で、チェーン店バイヤーに価値に見合った価格を認めてもらう作業を進めている、とのことです。

 これらの記事を読んでいて、やはり、日本の業界の多くはまだまだ小売とメーカーが一枚岩になっていないのだな、と思わざるをえませんでした。おそらく、その大きな要因の一つは、生活者に一番近くにいて、一番生活者のことがわかっているはずの小売側が本来のリーダーシップをもったリスクの張り方が弱いことに起因するものと思っています。

 こんな時代への対応として日ごろ感心するのは、

○毎年同じようなアイテムを展開しているけれども、確実に価格以上の品質アップをしているユニクロ
○毎年、ファッション性を高めながら、消費者物価指数と連動した値下げを敢行するために、発注から店頭まで工程を研究し、削れるコストをあぶりだし、浮いたコストをメーカーと小売で折半する姿勢を貫くしまむら

 ともに生活者からの返品は受け入れるけれど、メーカーへはやたらと返品や未引取りをしない、商品リスクをすべて小売側が負う、「背水の陣」をポリシーとしている企業です。

 また、ナショナルブランドを取り扱わない分、独自の柔軟な価格決定権と粗利コントロールができる企業でもあります。

 これから本格化する国内外のSPA(製造小売業)企業との競争は、そんな連中との真剣勝負なんですよね。

 ところで、欧州ファストファッションに対して、日本のファッション企業はどんな対応をすべきか?と雑談することが時折あります。

 単純に価格で応戦したら思うつぼなのは言うまでもありません。

 キーワードは、彼らがある意味二の次にした「品質」、と日本というローカルマーケットに合わせることのできる、国内企業ならでは「柔軟性」ではないでしょうか。

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November 09, 2007

11月9日のセミナーへのご来場ありがとうございました。

 11月9日の富士通ビジネスシステムさん主催、私が講師を務めさせていただきました「ファッションリテイラーの在庫コントロール」のセミナーにご来場いただいた方々、誠にありがとうございました。

 今回は、ファッションリテイル企業の方々だけでなく、ブログをお読みいただいている、ファッション企業をクライアントとするコンサルティングファーム、シンクタンク系の会社からのご来場も多数あり、幅広くブログの内容や店頭在庫コントロールへご興味を示していただき、感謝をしております。

 これからも、SPA時代のファッションリテイラーの生活者視点、店頭起点の事業育成、人財育成に励んで参ります。

 今後ともどうぞよろしくお願いいたします。

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November 01, 2007

QR(クイックレスポンス)時代の品質管理

 今週の繊研新聞の1面に「ハニーズ1400店舗への挑戦」という特集記事が連載されています。

 11月1日付の3回目には、同社の短納期生産~店頭投入を支える、独自の洗濯テストによる製品船積み前品質検査について書かれており、以前、私が海外生産をやっていたころの苦労を思い出し、興味深く読ませていただきました。

 この記事にもあるように、百貨店や大手チェーン店(GMSやユニクロなど)に納品される商品は、必ず、生地、製品について、指定公的検査機関で品質検査を受けたり、企業内品質管理室の厳格な基準をパスしたものだけが物流センターに納品され、店頭に並ぶというのが、一般的な流れです。

 実はこの品質検査、ものづくりに携わっている人にとっては、時間的にも精神的にも本当に馬鹿になりません。

 私の実感では、海外生産の受託業務を行っていると、その半分いやいや、60%くらいはこの品質検査をパスする商品をいかに作るか?裏を返せばいかに品質検査をパスするか?を考えていたような気がします(苦笑)。

 生地段階では問題なかったのに、製品で引っかかるなんて話、よくありましたから・・・

 業界の検査機関には、

 カケン
 Qtec
 ボーケン

 などがあって、私も相当通いつめたり、お世話になりましたが、生地や製品の洗濯後の色落ち、強度、縮率、斜行(ねじれ)や外観の検査の結果を待つのに、1週間程度かかっており、心配な商品の検査中は、夜もぐっすり眠れなかったこともありましたっけ?

 これは、大手小売企業が万が一の顧客からの品質クレームに対応するための保険目的で行われていることも少なくなく、厳格な検査基準に若干達しなくても、通常の着用には問題なかったりするケースも多々ありました。

 一方、顧客が、さほどうるさくないカジュアルチェーンや、私自身がカジュアルアパレルチェーンで働いていたときは、もっぱら、ハニーズがされているように、船積み前商品の「実用洗濯テスト」だったものです。2枚抜き取って、1枚を洗濯し、外観を比較をしたり、サイズを測ったり、着用して問題がなければ、OKしたもので、これをパスして店頭で大きな問題になったケースはほとんど記憶にありませんでした。

 その際、微妙なものは、MDやバイヤーなど関係者で協議したり、覚悟?したものですが、さすが、ハニーズ、この洗濯テストに対しても、しっかりA4サイズ 8ページからなる基準書を作ってらっしゃるわけですね。

 クイックレスポンス、ファストファッションの時代に、一考の価値ある話題ではないでしょうか?

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関連エントリー-本格的QRを実践する日本のアパレルSPA(製造小売業)
関連エントリー-ハニーズが極めるデマンドチェーンマネージメント

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October 19, 2007

ピークパフォーマンス

 今週は、52週MDを実践されているファッション企業さんにとっては、第42週目にあたる週です。

 特に、レディースアパレルマーケットの企業あたりでは、毎年、この42週~43週を、1月のセールを除く、秋冬プロパー(定価)販売期間の中で、もっとも売上が上がる週として、「ピーク週」と位置づけていることと思います。

 多くの企業が、この週に売り逃しをせず、いかに売上を最大化できるかを考え、シーズン立ち上がり時期から、仮説検証を繰り返し、ベストな品揃えと在庫を準備して、この時期を迎えたと思われます。

 この時期に、よい結果が出れば、当然、上昇気流にのってシーズン全体の売上はよくなるでしょうし、その好調さは、プロパーに限らず、セール時期にも持続されることになるでしょう。

 さて、関連して、タイトルの「ピークパフォーマンス」という言葉を聞いたことがありますでしょうか?

 これは、私がファッションビジネス、特にリテールビジネスに携わって大切にしてきた発想のひとつです。

 その意味は、もっとも大切な瞬間(ピーク=お客さんに買ってもらえる時)に、自分たちの力(実力=品揃え・接客サービス)を最大限に発揮できるように、コントロールするという考え方です。

 もともと、私が学生時代から大好きなスポーツの一つであるラグビーの優勝に登りつめるための効果的な練習、試合方法からこの発想を学びました。

 ラグビーやいくつかのスポーツでは、1敗も許されないトーナメント制でない限りは、全戦全力で全勝しなくても優勝することはできます。

 スポーツにおいては、個人の体力には限界があり、バイオリズムもあり、怪我もつきものですから、もっとも大事な時にベストメンバーがベストコンディションで、最大限の実力を発揮するためには・・・という発想をすることになります。そうすると、常に全力疾走すべきか?準備、充電、試運転といった発想も必要になってくるわけです。

 シーズン性のある、ファッションリテールビジネスも近いものがあると思います。お客さんが買う気のない時も、常に頑張り過ぎても、空回りするだけで、大事な時に力を発揮できなければもったいないですからね。

 まずは、自分たちのピーク(=お客さんの買いたい時)を知ること、そして、そこで最高のパフォーマンス(品揃え、在庫、接客)を演じるためにはどうしたらよいかと考え、仮説検証をしながら、準備をする。

 さて、皆さんは、この秋冬ビジネスのピークにあたり、準備にぬかりはありませんか?

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October 02, 2007

適品・適時・適価・適所・適量

 今回のタイトルは、言わずと知れた「マーチャンダイジングの『5適』」です。

 この5つの「適」がマッチした時、ファッションビジネスはうまくいく、と言われ、ファッションリテーラーでは、シーズンごと、商品特性ごとにこの5適を実現すべく、取り組んでいるわけです。

 先週、ユニクロがこの秋冬シーズンにカシミヤアイテムを仕掛けるにあたってプレスリリースを行い、各紙がこれを取り上げた記事を読んでいました。

 この秋、これらカシミヤアイテムの一部をデザインするコラボデザイナーは、去年の秋もデザイナーズインビテーションプロジェクト第1弾で取り組んだアダムジョーンズ、この春に第2弾で取り組んだ、ルッツ & パトモス、そして、いよいよ日本が世界に誇るコレクションデザイナーのひとりケイタマルヤマ(丸山敬太氏)の登場です。

 さすがですね、ユニクロは。

 実は、今回のニュースを聞いて一番最初に頭に思い浮かんだのが「5適」という言葉でした。

 今年はどうなのかな・・・と。

 昨年の同社のデザイナーズインビテーションプロジェクトの企画、すべての商品を見たわけではありませんが、さすがコレクション系のデザイナーがデザインしたとあって、とても素敵で、いい商品だったと思います。

 しかし、プロジェクトそのものは、ビジネスとしては、うまくいかなかったと聞いています。

 たぶん、5適の前の3つはよくても、後の2つ、「適所」、「適量」に問題があったのではないかな、と想像に難くありませんでした。

 私の知りうる限り、ほぼ全店でコーナー展開され、しばらくして、某数店舗で大量に値下げ販売されていた棚を目撃して、ああ、もったいないなと思ったものです。

 商品を仕掛けるなら年間52週、全国の家庭の新聞に折り込まれるチラシで、土日期間限定価格で、大量販売!チラシに載らない商品は仕掛けじゃない、くらいの勢いがこれまでの同社のスタイルであり、強みだったと思います。

 余談ですが、私もかつて、広告宣伝やチラシに載せるから、商品を切らさないようにと発注しすぎて、当初は評判もよく、よく売れたものの、在庫がさばききれず、大量に値下げ販売をした苦い経験をいくつか持っていますので、彼らのやり方、苦労を理解できないわけではありません。

 そんなことを考えながら、WEBサイトを眺めていたところ、不安とはうらはらに、今回のコラボコレクションの中には、限定店舗とWEB STOREのみ販売の商品もあるようで、同社もいよいよファッション性に見合った商品の売り方や、希少価値を売るきめ細かいビジネススタイルへのチャレンジにも着手していることに気づき、少し安心したものです。

 TOKYOxPARISxNEWYORK WORLD DESIGNERS MEET 100%CASHMERE 世界のデザイナーとUNIQLOがコラボレーション

 アイテムの鮮度や商品特性、生活者の期待に合わせた商品ごとの「5適」。

 欧州のSPA、ZARAやH&Mはそこらへんの使い分け、コントロールがとても上手だと言われています。そこが、彼らがプッシュ型(広告や接客による押し売り販売)ではなくプル型(広告に頼らずとも自然と顧客が期待して店舗にやってくる品揃え)と言われる所以だと思います。

 日本のSPAの雄であるユニクロもそこらへんの精度に磨きをかけておくことが、これからますます激しくなる世界ファッションSPA戦国時代に向けての武装のひとつであると思う今日この頃です。

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September 25, 2007

オンワード樫山のマーケットの変化に対応する組織再編

 9月24日の日経MJの一面に、創業60周年を迎え、今年、ホールディングカンパニー制に移行したアパレル最大手のオンワード樫山が、今後の成長のために、従来の「殻」を破って、現在取り組んでいる3つ課題についての特集記事が掲載されていました。 

 記事の言う同社の3つの課題とは、
 1.脱・自前主義
 2.脱・内弁慶
 3.脱・セクショナリズム

 1つめは、販売する商品については、すべて自社開発にこだわり続けてきた同社が、SC向け新業態で他社ブランドを導入、自社開発商品とミックスして、生活者の幅広いニーズに応えようとする試みを始めたこと。

 2つめは、日本国内では、業界の東の横綱と言える同社が、国内市場だけに依存せず、買収した海外企業、英ジョセフと伊ジボコーを核に海外事業に力を入れ、現在の海外年商500億円規模を3年後に1000億円規模に拡大しようという話。

 3つめは、マーケットの変化にスピーディに対応するために、以前、各営業事業部(販売+商品企画)と別事業部だった生産部を今年3月の組織編成で各事業部に組み込んだという話です。

 記事を読んでいて、この3つ目に着目しました。

 この組織再編では、要は、大手企業にとって効率的と思われる「横割り」組織から、あえてマーケットにあわせた「縦割り」組織にしたというわけですね。

 狙いは明確かつ的確だと思います。

 部署が違うと、部署ごとの利害もちがっって、セクショナリズムになるというもの。同じ会社にいながら、独立採算制や部署ごとに効率目標などを設定していると、結構、別会社と同じあるいは別会社より始末が悪いかもしれません。

 現在、同社が、春夏・秋冬という2つの大きなシーズン(商品企画の単位)を、独自に8つに細分化して対応しているように、生活者、マーケットは、よりきめ細かく、スピーディーに仕事をすることを業界各社に求めているのが現実です。

 こういった現実の中で、もっとも大事なのは、高度なIT技術よりも、チーム内の高頻度のアナログコミュニケーションであることは言うまでもありません。

 私も経験がありますが、おなじ目的を達成しようというチームのメンバーが机が離れたところにいたり、思いついた時にすぐにコミュニケーションを図れる距離にいないと、案外、心の距離も出来て、いい仕事が出来ないものです。部署が違って、なおかつフロアの階も違って、会議くらいでしか会わないなんて言ったら、セクショナリズムがはびこって、意思決定の時間がかかって、うまくいくものもうまくいかないなんてことは、よくある話です。

 記事によると、同社は、今回の組織再編で、従来では考えられなかった、柔軟な生産体制、短サイクルの追加生産(QR;クイックレスポンス)が実現し、一定の成果が出せたとしています。 

 同社のこの事例は、スピード時代のファッションマーケットにおいては、生活者・店頭を起点にしたシームレスな縦割りコミュニケーションが必須であることを表した好例のひとつと言えそうです。

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August 29, 2007

商品ロスと万引き

 今回は業界関心事の中でも、ちょっと泥臭い話をひとつ。

 8月29日の日経MJ一面に異業種の話ではありますが、カー用品やDVD業界で、万引き対策に、メーカーが製造段階から防犯タグ(レジを通さず商品を持ってゲートを通るとアラームがなるヤツです)をつけて出荷する「ソースタギング」に注目が集まっているという記事が掲載されています。

 記事によると、従来、店頭商品ロスという小売サイドの問題ではありながら、今後、装置の標準化や、メーカーサイドでの取り付けのコストが飛躍的に下がっているため、製販一体になって深刻な万引き問題に対応しようという機運になっているとのことです。

 帳簿やデータ上の在庫数と実際の店頭の商品実数が合わない、いわゆる棚卸し商品ロスは、小売業のみならず流通企業が永遠に逃れられない問題なのは言うまでもありません。

 ご興味あると思いますので、ご参考までに、記事に載っている全国万引犯罪防止機構調べの直近年度、業態別ロス率(売上対比)からファッション関連の業態の数字を引用してみます。

 服飾雑貨    1.54%
 靴         1.39%
 婦人・子供服  0.48%
 スポーツ用品  0.31%
 百貨店      0.2%
 紳士服      0.05%
 宝飾品      0.04%

 適正ロス率?なんてものは当然ゼロに決まっていますが、以前、計数管理の先生から、「目安として、粗利率の5%は『深刻』、3%が『許容』、1%以下は『優秀』と考えるとよい」なんて話を聞いたことがあります。当時、商品管理責任者だった私は、会社のロス率がその基準で言うと「優秀」の部類に入っていたので、ちょっと、ほっとした記憶があります。

 また、棚卸しロスの原因は、この記事で問題にしているように、確かに「万引き」もその一因だと思いますが(万引きは確かに一番目立ちますし、現場の子達もよく話題にします)、経験的に言うと、それよりも、

・店舗スタッフによる売上、仕入、返品、移動時の計上ケアレスミス、
・棚卸し作業時のカウントミス

が多く、そこをマニュアル化したり、指導するだけでも数字はかなり改善することもわかりました。

 以前聞いたある報告によると、「社内不正」も万引きを上回るものとのことでした。

 防犯という外的な対策だけでなく、ミスが起こりづらい、不正が起こりづらい、社内の商品管理制度の整備も忘れてはなりませんね。

 こんな話をしていたら、昔、勤務していた会社のオーナーがバイヤーたちによくおっしゃっていた言葉を思い出しました。

 「万引きされないのは君たちの仕入れた商品に魅力がないからだ。万引きが多くなるくらいみんなが欲しがるものを品揃えしろ」

 乱暴な話ですが、今でも耳に残っています。

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August 11, 2007

大阪セミナーへのご来場ありがとうございました。

 昨日、8月10日大阪で開催された富士通ビジネスシステムさん主催のファッションビジネスセミナー「SPA時代のファッションリテーラーの在庫コントロール」、おかげさまで盛況でございました。大きな会場を取っていただいた富士通ビジネスシステムさん、ほぼ満席埋めていただきましたご来場の皆様には、感謝を申し上げます。ありがとうございました。

 ブログをご覧になってご来場頂き、名刺交換させていただいた方々、アンケートにコメントいただいた方々、今後の励みになり、とてもうれしかったです。

 今回は、講演本題資料の他に、H&Mに関する研究論文も配布させていただきました。今後、国内外の勝ち組SPA企業との競合にあたり、「店頭在庫コントロール」は必須技術の一つだと思っています。講演内容が少しでもそんな気づきにつながり、今後の業務のお役に立てればという思いでいっぱいです。

 今後ともどうぞよろしくお願いいたします。

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July 29, 2007

8月10日(金)、大阪にてファッションビジネスセミナーの講師務めます

 来る8月10日(金)、大阪の富士通ビジネスシステムさん主催のファッションビジネスセミナーの基調講演の講師をさせていただきます。

日時   8月10日(金)
     14:00-17:00(前半90分が私の講演です)
 
場所   株式会社富士通ビジネスシステム
      関西営業本部 セミナールーム
      大阪市北区梅田3-3-10 梅田ダイビル13階
 
講演テーマ 「SPA時代のファッションリテーラーの在庫コントロール」

 東京の富士通ビジネスシステムさん主催のセミナーで、過去3回連続で満員御礼いただきました好評の内容につき、このたびは大阪でやらせていただきます。
 
 内容は、以前私が勤務していたアパレル専門チェーンにおいて、社長特命で在庫コントロール部を立ち上げてから、他社のベンチマーキングと試行錯誤を繰り返しながら、業務を構築、人材育成を行った3年間の事例をまとめたものです。

 今週、恒例のIFIファッションビジネススクールのプロフェッショナルコースでも大手アパレル、SPA、百貨店の中堅社員の方々向けに類似の講義をさせていただきましたが、ここに来て、ようやく、マーチャンダイジングにおける在庫コントロールの重要性が認知されてきたなぁという実感があります。

 これから、海外から参入する大手ファッションSPA企業、国内の好調ファッションSPA企業と競っていく上で、私が常々ブログを通じて訴えていること・・・よくお読みになっている方はおわかりだと思いますが

○等身大のマーチャンダイジング

○生活者の心理、店頭を起点としたディマンドチェーン発想によるサプライチェーンマネージメント

○変化に対応するための店頭在庫コントロールの精度アップ

 こそが、雌雄を決する時代に突入したと思っています。

 このうち、セミナーでは、生活者視点の店頭在庫コントロールの実践論について語りたいと思います。

 セミナーの、後半は、200社以上に導入実績があり、某大手SPA企業や某靴専門チェーン企業が活用して実績を上げている、私のビジネスパートナーでもある松山電子計算センターさん開発のファッション専門店向けマーチャンダイジング業務パッケージソフト「現場主義II」のデモンストレーションもあります。
 
 ご興味のある方、参加をご検討される方は、こちらからDMをダウンロードができます。

 10-50店舗超くらいの規模の成長中ファッションリテール事業を運営されている方にタイムリーな内容です。参加費無料で、まだ、多少空き席はあるようですので、参加ご希望の方は、富士通ビジネスシステムさんホームページからお申し込みくださるか、同社受付窓口にお電話ください。

 株式会社富士通ビジネスシステム
 関西営業本部営業支援部
 Tel:06-6343-2628

 富士通ビジネスシステム主催セミナー参加申込ホームページ

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May 15, 2007

【お知らせ】ファッションビジネスセミナー第3弾

 宣伝になりますが、来る5月23日(水)14:00-16:50、業界で、中堅ファッション専門チェーンの業務システムに強い富士通ビジネスシステムさんのファッションビジネスセミナー(場所:東京 飯田橋)で講師を務めさせていただきます。

 セミナーのテーマは「SPA時代のファッションリテーラーの在庫コントロール」です。

 過去2回、満員御礼だったため、ご好評にお応えして、同じ内容となりますが、少しブラッシュアップさせていただき、3回目をやらせていただくことになりました。

 内容は、以前私が勤務していたアパレル専門チェーンにおいて、社長特命で在庫コントロール部を立ち上げてから、他社のベンチマーキングと試行錯誤を繰り返しながら、業務を構築、人材育成を行った3年間の事例をまとめたものです。

 この業界で働き始めてから、20年になろうとしていますが、こと「在庫」には苦労させられました。

 商社勤務時代、大手アパレルの億単位の未引取り在庫の前に途方にくれました。ヨーロッパブランドのジャパン社時代は、売り切れないのをわかっていながら、契約上本国から買い付けざるを得なかったインポート商品の在庫処理に苦しみました。小売チェーンで靴のバイヤーとして、働き始めた時、前任者から引き継いだ、それまで売れ筋だったにもかかわらず全店にサイズが点在して全く動かなくなった在庫の山を、どうすればうまく消化できるかを考えるのが最初の仕事となりました。

 生産現場から店頭に至るまで、在庫の悩みはつきものですが、今まで一歩づつ生活者に近づくにつれて、リテーラーがどんな発想に基づいて考え、行動し、リーダーシップを取れば、生活者に鮮度あふれる売場を提案でき、流通の滞留在庫を減らすことができるか?について考え続けて来ました。

 セミナーの内容は、そんなファッションリテーラーの在庫コントロールの基本的な考え方を体系的にまとめたものです。参加者の皆さんとご一緒に、SPA時代にファッション企業に必要な、店頭での週間単位の仮説検証力と店舗ごとの鮮度管理の徹底、それを実践する人財育成などについて考えてゆければと思っています。

 前半で、私の講義、後半は、150社以上に導入実績があり、某大手SPA企業や某靴専門チェーン企業が活用して実績を上げている、私のビジネスパートナーでもある松山電子計算センターさん開発のファッション専門店向けマーチャンダイジング業務パッケージソフト「現場主義II」のデモンストレーションがあります。
 
 ご興味のある方、参加をご検討される方は、こちらからDMダウンロードができます。

 10-50店舗くらいの規模のファッションリテール企業の方を対象としています。参加費無料で、まだ、多少空き席はあるようですので、参加ご希望の方は、富士通ビジネスシステムさんホームページからお申し込みくださるか、同社受付窓口にお電話ください。

 株式会社富士通ビジネスシステム
 東京第一営業本部リテイルソリューション営業部
 セミナー事務局 担当:柏原氏
 富士通ビジネスシステム主催セミナーホームページ
 TEL:03-5804-8261
 FAX:03-5804-8269

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April 08, 2007

しまむらの海外マーケットリサーチ

 今週は、経済紙、業界紙各紙が4月4日に発表されたファッションセンターしまむらを展開する、しまむら社の6期連続過去最高益を上げた同社の07年02月期決算について報道していますが、それにあわせて繊研新聞でも今週1面に「ネクストステージしまむら」という今後のしまむらの展開を考える連載特集企画を組んでいました。

 余談ですが、同社が毎回決算発表の際にリリースする「決算概要」は、毎年の衣料マーケットのマクロトレンドを知る上で、業界の経営企画担当者のバイブルのひとつと言っても過言ではないくらい、いろいろなことがわかるので、一読に値します。

 ファッションセンターしまむらが、メーカー提案商品を品揃えの主軸にしながらも、数年前からヤング化、ファッショントレンド性にチャレンジして成果を上げながら、全国1000店舗を超えた昨年からこれまで手薄であった東京、大阪といった都心部に攻め入り、着実な成果を上げている状況は、かつて主婦の店と呼ばれたヴォリュームマーケットの最右翼とて、トレンドマーケットを含めたファッションマーケット全体が侮っていはならない存在になりつつある話であると思います。

 記事でも盛んに話題にしているのは、しまむらの約50人のバイヤーは年4回、多い人で6回、パリやNYの定点マーケットリサーチを行って、インターナショナルなトレンドを肌で感じながら、仕入先アパレルメーカーを指導し、同店の目先の品揃えに味付けを行っているという点です。

 このあたりは、同社のホームページにも詳しく記されています。

 しまむらの事業活動-マーケットリサーチ

 記事には、主要納品メーカー幹部へのインタビューも載っていますが、「(しまむらの)情報収集力に追い越されたら存在意義が失われる」と危機感を持ち、「身を引き締めて商売を行う」と言わしめるほどです。

 10年以上前に商社のアパレル海外ソーシング(開発輸入)の営業担当をしていた私は、やはり年4回欧米のショップを定点観測し、大量に買い付けたサンプル商品をハンドキャリーして帰り、現地(NY、ミラノ、ストックホルムなど)提携先デザインオフィスのデザイン提案と一緒に、中国やインドで生産した場合の製品見積とともにプレゼンテーションすると大手アパレルメーカーのMDさんや小売チェーンのバイヤーさんたちにとても喜ばれたものでした。

 当時は、そんな芸当、商社マンやフットワークのよい大手アパレルMDの専売特許のように思っていましたが、そんなこと、今や、しまむらのバイヤーさんたちは当たり前のようにやっているわけですよね。

 まだまだ後追いやモノマネが多いとは思いますが、市場最低価格のヴォリュームマーケットとは言え、世界の店頭情報から裏づけをとりながら、ローカルなマーケットで生活者にファッションを提案するしまむら・・・時代はそこまで来ているということを、業界関係者に訴えたいところです。

 先日、アメリカ、パリ、ミラノの視察から戻られたアパレルチェーンのオーナーの方とお話をしました。パリやミラノの街を歩いていると、もうラグジュアリーブランドかH&MやZARAのファストファッションの店ばかり。ブランドの集荷(セレクト)型のお店もモノマネ店も消え去った・・・。高くても安くても自社で独自にデザインしたスタイリングを打ち出せるストアしか生き残れない時代が到来した、と危機感をあらわにされていました。

 マーケットの下からはしまむらが、海外からは今年、来年とかなりパワーアップするというZARAや日本進出を決めたH&Mが・・・もう生半可なマーチャンダイジングじゃ通用しませんぞ。

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 関連エントリー-しまむら1000店舗突破、いざ都市部攻略へ

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December 21, 2006

リーン・リテーリングに期待するもの

 12月20日の日経MJに大手コンサルティング会社マッキンゼーがあるアウトドア系SPA企業で行った「リーン・リテーリング」という業務改革の事例に関する記事が掲載されています。

 以前、ルイヴィトン・ジャパンでも同社のリーン・リテーリングによる業務改革を行って、一定の効果を上げている事例を当ブログでもご紹介しました。

 リーン・リテーリングとは、簡単に言えば、トヨタのジャストインタイム、工場の製造工程において作業を定量化(数値や時間に)して分析し徹底的にムダ取りをして生産効率を上げる手法です。

 ファッションストアでは、「ファッションビジネスはアナログだ」「チェーンストアならまだしもウチは違う」という言い訳よろしく、いろいろなことが人海戦術、精神論的にすすめられていることが少なくありません。

 記事によると 事例企業の店舗で、店舗の状況や作業をストップウォッチで測ったり、メモ帳を手に観察したりすることにより、属人的であったり、あいまいだったことを「見える化」することによって、特に、人員シフト、バックオフィス業務、配送頻度などの改善により2ヶ月間で売上の2-3%の向上とともに、
○在庫が25%減って
○欠品率が15%低下
○接客時間が30%増えて、
○顧客の待ち時間が30%減った
という成果があがった成功例が紹介されています。

 最初は懐疑的だったスタッフの人たちは、成果が上がると協力的になり、いまや一丸となって業務改革に取り組んでいるといいます。

 その昔、私がリテールビジネスに転じて間もないころ、会議で 「かなり売れてます」とか「(競合店を見に行ったら)結構、混んでましたよ」とか「いっぱい、いっぱいで限界です」といったあいまいな会話でものごとが進行していく光景に、ものすごく抵抗を感じたのを覚えています。

 これでいいのだろうかと思ったというか、何がなんだかさっぱりわからなかった私は、当たり前のことかもしれませんが、意識的に裏づけを取るべく、「何点の商品在庫に対して何点売れました」とか、「ショッピングバッグを持って出てくる人が30分の間に何人中何人いました」とか、「同じ時間に行ったら、A社がこうだったのに対して、B社はこうで、うちはこうでした」とか 数値化したり、比較対象となるものを設定して比べたり、同じものを継続的に見続けること(定点観測)をこころがけたものでした。
 
 幸い私がバイイングしていた商品群で成果があがったため、その後、特に若手の連中はその癖を真似てくれ、会議もここちよくなったのを記憶しています。

 上記のSPAで改善されたものは、すべてある程度、本気になって工程分析を行えば、改善することが期待できるものと共感します。

 しかしながら、業務の効率化を履き違えてはいけないのも言うまでもありません。 業務改革は、リストラ目的の人員削減や血の通わないサービスのマニュアル化のために行うのではなく、効率が上がった分、スタッフの行動にゆとりが生まれ、笑顔が溢れ、本当にアナログでしかできない、お客さんのお買物をお手伝いするという楽しいひとときに時間がとれることを期待して行いたいものですね。

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 関連エントリー‐ルイ・ヴィトンもトヨタ方式でカイゼン中

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December 16, 2006

日本向け中国優良工場を口説きにかかる欧州ファッション企業

 12月15日の繊研新聞の1面の「変わる繊維地図-中国(上)」という連載特集記事を興味深く読んでいました。

 記事によると、「最近日本向けに強い(中国のファッション商品)生産拠点を欧州企業が次々に訪問している」といううわさが上海界隈を飛び交っているとのこと。

 それらの欧州企業は工場を訪れては、

 「お宅はユニクロ向けを生産しているか。生産しているなら取引しよう。」

 と話を持ちかけてくるらしい・・・。

 06年の欧米の繊維製品輸入クオタ(輸入制限枠)廃止に関連して、欧米企業が中国に生産を集中し、日本企業の中国生産への影響が懸念されていたことについては、当ブログでも幾度となくコメントしてきました。

 しかしながら、現実は、

 ○クオタは廃止したが欧米各政府が国内産業保護のセーフガード(輸入自主規制)
  を発動したり、
 ○実際には、欧米向け(量を追求)と日本向け(小回りよく品質に対応)の工場は
  かなり住み分けされていた

 のが実情で、オペレーター(縫製スタッフ)の工場間転職以外はさほど日本向け生産に影響が無かったというのが業界の見方のようでした。

 しかしながら、今回の動きは・・・

 欧州ブランド企業が本国工場の閉鎖を行ったことや(例:バーバリー)やユーロ高で収益性の落ちたラグジュアリーブランドが(コーチを見習って?)いよいよコスト削減の目的で、日本が鍛えた品質を誇る工場で生産を行うのではないか、というのが背景があるようです。

 また、さらに、勝手な想像ですが、このたび日本進出を表明したH&Mの動きも見逃せません。H&Mが日本に来れば今のところ急速な拡大はしていないZARAのライバル心に火をつけることは間違いありません。

 ZARAとともに、H&Mも感覚はよいが、品質が本当に日本の生活者に支持されるか?というのが彼らの日本マーケットでの成功のカギのひとつだと思います。

 そこで、H&MやZARAのような企業が本格的に日本マーケットを攻略するために、ユニクロ他日本企業に鍛えられた工場の生産キャパシティを押さえにかかる・・・想像に難くない話です。

 特にスペインを世界の生産およびデリバリーの基地にしているZARAより世界数十カ国にバイイングオフィスを持ち、生産網を張り巡らせ、各地からターゲットとなるマーケットを攻めるH&Mの方が手ごわいかもしれません。

 今週はすっかりH&M特集になってしまいましたが、これから2年後に日本にやってくるH&M。かつての世界No.1 SPA企業、リミテッドブランズを抜いて、GAPに続き世界2位となったファッションリテーラーの動向からは目が離せません。

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【第9位】↑up (06.12.16現在)

関連エントリー-匠(たくみ)の技が奪われる
関連エントリー-アパレル中国生産に異変あり?

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November 05, 2006

ルイ・ヴィトンもトヨタ方式でカイゼン中

 11月18日から封切られる映画「プラダを着た悪魔」のモデルになったと言われる米ヴォーグの編集長、アナ・ウィンター氏関連の記事が気になって、「クーリエ・ジャポン」11月16日号を買い、特集「ファッション業界の内幕、有名ブランドを動かす権力者たち」を読みました。

 独裁者的な女帝と言われながらも、結果として、ファッション業界の表と裏を仲介する役割を果たしたアナ・ウィンター氏の記事や、欧米のハイファッションブランド企業でデザイナーを上手に操るMBAホルダーのCEOたちやマネジャーと呼ばれる演出家たちの活躍を興味深く読んでおりましたが(余談:ところで「クーリエ・ジャポン」は、専門家ではない翻訳家が訳しているから記事が読みづらいんでしょうかね?)、特集記事の最後は品切れ防止の改革に取り組む「ルイ・ヴィトンの挑戦」でした。この元ネタはアメリカ、ウォールストリートジャーナルです。

 ルイ・ヴィトンのバッグと言えば、限定商品を売上促進に利用し、「人気商品のウェイティングリストに名前を連れねOヶ月待ち」の代名詞のようなブランドでありましたが、この1年間、マッキンゼーのコンサルティングを受け、トヨタ生産方式(いわゆるリーン生産方式)をベースに

 「顧客の要求は、商品がいつも店頭に並んでいることだ」

 を実現すべく生産から店頭までの効率経営に取り組んでいるとのことです。
 効率経営といっても単なる合理化、大量生産化ではなく、無駄の多かった、専門化された職人技工程についてブランド品質を落とさないように再編成をしているようですね。

 記事にある1年間の変化を数字で拾ってみます。

 ○トートバッグ「リード」を1個作るのに要していた人員と時間
 20-30人→6-12人  8日間→1日  
 ※デザインによってチームを再編成し多品種対応可能に

 ○新作を店頭に送り込むスピード
 12週間→6週間

 ○工場のスケジュール
 週単位で調整→世界の店舗からの売れ行きに応じて毎日調整

 記事を読んでいて、ルイ・ヴィトンほどの世界のトップブランドでも狙った希少性(生活者を飢えさせて話題を呼ぶ)ではなくて、4代にもわたって、専門化した職人工程だから仕方がないと「あきらめられていた生産の無駄」による店頭品薄状況だったのかと、ちょっと意外にも思いました。

 いずれにせよ、ハイファッションであろうと、ビッグブランドであろうと、手が込んでいれば、こだわりがあれば品切れしてもあたりまえ、という生活者無視の作り手の発想、驕りは通用しなくなってきているんだな、と「ファッションの生活者主権化」の時代への着実な進行を感じています。

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October 30, 2006

ファッション2.0に乗り遅れるな

 日経新聞に同紙本社コラムニストによる「核心」というコラムがありますが、10月30日のテーマ(見出し)は「『2.0』に乗り遅れるな-革新的な進化問う時代」というものでした。

 最近、当ブログでも話題にする『2.0(ニーテンゼロ)』は、ご存知、Web2.0(ウェッブ2.0)の言い回しになぞらえて現代用語になりつつありますが、記事中でも、

 「2.0を1.0からの革新的な体質の進化の表現ととらえると2.0現象は随所に出てきている」

 と、デル、アップルコンピュータ、出光興産、ソニーから小泉内閣までを引き合いに出して、それぞれが従来のやり方=1.0に対して、ここ5年間で、「革新的な進化」=2.0に生まれ変われた事例、そうでない事例について論じています。
 そして「視力検査のように2.0を上限」とせず、「2.0時代に乗り遅れず」「しかも連続的なバージョンアップを忘れない」ことの必要性を説いてコラムの結びとしています。

 さて、本題の「ファッション2.0」ですが、私の先日のエントリー ”ファストファッション”から”ファッション2.0”が始まる に関して、ファッションブログ仲間の「新・両国さくらのファッション・イン・ファッション」のさくらさんがコメントをエントリーしてくださっています。 「ファッションの民主主義化」って何?

 日経のコラム同様に、ファッション2.0は、Webを活用しているかどうかにかかわらず、いろんな解釈があってもいいのではないかと思っていますが、ファッション業界の「革新的な体質の進化」をファッション流通ブログde業界関心事的にいうと、

 ファッション1.0・・・毎シーズン生産者側流通者側の論理、都合で
            プロダクトアウトされるファッション
 ファッション2.0・・・生活者のマインド(ディマンド)を起点に
            スピードをもって提案されるファッション

 この思いは、私自身の原体験に基づきます。

 私のこの業界でのキャリアは商社アパレル部門でアパレル企業やアパレル小売チェーンのための企画生産業務代行から始まり、その後、アパレル卸会社(欧州アパレルジャパン社)、カジュアル系小売チェーンでの業務を経験しましたが、その過程において、供給側の怠慢による多くのリスク、ロス、無駄、習慣・・・が、生活者への小売価格にヘッジされるのを見てきました。

 生活者は生産者・流通者側の都合で高く買わされているのではないか?

 なぜこんな風になっているかというと、たぶんその理由のひとつは、生活者から遠いところで仕事をしているゆえの各流通段階の「生活者に対する無知・無関心・情報不足」ではないかと思っています。

 ファッション流通を、「真実の瞬間」とは何か(ちょっと大げさですね)を問いながら、企画生産側から生活者に近づきながら業務経験を重ね、小売で働くようになって目から鱗が落ちたような気がしました。

 お客さんって、店頭で、こんな風に感じて、財布からお金を出して、実際着用して、友達にもほめてもらって、喜んでくれたらまた戻ってくるんだなと。なあんだ自分自身だってそうじゃないか。 

 そう思ってからは、あの喜んでくれたお客さんたちの顔が頭に浮かび、今度はこうやって喜んでもらいたい、なんて考えながら業務にあたったものでした。

 そうすると、とびっきり旬なものを、納得の行くクオリティで、そしてどこよりも安く、早くお届けしたい、って考えるようになるんですね。それをどうしたら実現できるか真剣に考えるわけです。

 話は変わりますが、ファッション業界では、これまでハイファッション→トレンド→ヴォリュームといったファッションビジネスのヒエラルキーが存在し、トレンドは高いところから時間(シーズン)をかけて低いところに流れる、といった特権的な?状況や、ヨーロッパ→アメリカ→日本といったファッション文化の成熟度の差による情報伝達の差がビジネスチャンスを生み出していたと思います。
 
 ところが、情報化社会、インターネット時代において、成熟した生活者の進化は止められず、ファッショントレンドの同期化、または逆転現象をも引き起こし、その象徴が、いまや、世界最速と言われるようになった東京のストリートファッションではないかと思います。

 そんな動きとも呼応するかたちで、生活者に近いところで生活者の立ち場に立ってファッションビジネスを考え、生活者にとっての適時、適材、適所、適価、適量を追求し、かつスピードを持って提供するビジネスモデルが次々に生まれ、マーチャンダイザーあるいはバイヤーと店頭との密なPDCAサイクルを高回転でまわすことによって成功を収める企業が続々と出現しています。

 キーワードは "from mind to market" そして "speed to market"でしょうか。
 (傾倒している消費者購買行動学の大家RogerBlackwell教授の
  リテールマーケティング書の言葉より) 

 当ブログでご紹介しているマルキュー系、ワールド、ポイントなどのSPA系ファッション企業やゼイヴェルのgirlswalker&TGCあたりが、今のところ日本の代表格にあたるのではないかと思いますし、海外を見渡せば、ZARA、H&M、TOPSHOPという欧米で”ファストファッション”あるいは”ハイストリートファッション”と呼ばれるSPA企業がその全世界的な動きをリードしていると思われます(ユニクロはこのあたりを強烈に意識して2.0に向けての改革を始めたばかりでしょうか)。

 そして、その動きがヒエラルキーの頂点にいるハイファッションのブランド群や旧来型の企業に突きつけている現実、業界に生活者最適への「革新的な体質の進化」を迫っている図式であると思えてならないのです。

 正直、ファストファッションを否定的にとらえる業界の方は少なくありません。しかし、私は、彼らの活躍が業界全体が一皮剥けるきっかけになれば・・・多くの生活者がそれに賛同し、その声、態度を業界が無視できない状態になりつつあることをむしろ歓迎しています。

 その先にあるものこそ、生活者のディマンドを起点とした「ファッションの生活者主権化」であり、旧来型ヒエラルキーをも変革する解放された生活者が主役の「ファッションの民主主義化」ではないかと思うのです。

 ファッションと一言で言っても、さまざまであり、わかる人にだけしかわからないものがあってもよいだろうし、もちろん、お金持ちしか手の出せないものがあってもよいと思います。

 しかし、マクロトレンドは価格帯にかかわらず生産者都合ではなく、生活者起点のファッション2.0だと思いますし、この波に乗るかどうかが、未来を決するのだと思います。

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October 17, 2006

【お知らせ】ファッションビジネスセミナー(再)

 本日は、私が講師を務めますファッションビジネスセミナーのお知らせです。
 
 日時:2006年11月10日(金) 14:00-16:50
  ※当初10月26日(木)に予定していたセミナーが延期になったものです。
 場所:富士通ビジネスシステム 後楽本社(最寄駅 後楽園、飯田橋)
 テーマ 「SPA時代のファッションリテーラーの在庫コントロール」

 
 先月15日に同じテーマで開催しましたが、その際、定員オーバーだったのと、とても好評だったので、前回お聞きになれなかった方を対象にもう一度同じ内容で開催することになりました。

 主催は、中堅ファッション専門チェーンの業務システムに強い 富士通ビジネスシステムさん、前半で、私の講演、後半は、150社以上に導入実績があり、某大手SPA企業や某靴専門チェーン企業が活用して実績を上げている、私のビジネスパートナーでもある松山電子計算センターさん開発のファッション専門店向けマーチャンダイジング業務パッケージソフト「現場主義II」のデモンストレーションになります。

 セミナーの内容に関連して私のテーマへの想いをお伝えするために今一度、以前のエントリーの内容を以下『 』内に述べさせていただきます。 

 『店頭起点と叫ばれて久しいファッション業界で、顧客ロイヤリティの向上と企業収益の両立を目指すファッションリテーラーの店頭在庫コントロールの基本中の基本をマーチャンダイジング組織論から特に業務の概念定義と実践まで、体系的にまとめ、お話します。

 内容は、私が以前勤務していたファッション専門チェーンで、社長特命で在庫コントロール部を立ち上げてから、業務構築、人材育成を行った3年間の事例をまとめたものです。

 この業界で働き始めてから、こと在庫にはいろいろ苦労させられました。

 商社勤務時代、大手アパレルの億単位の未引取り在庫の前に途方にくれました。ヨーロッパブランドのジャパン社時代は、売り切れないのをわかっていながら、契約上本国から買い付けざるを得なかった輸入商品在庫の処理に苦しみました。小売チェーンで靴のバイヤーをしていた時には、前任者から引き継いだ、当初、売れ筋だったにもかかわらず全店にサイズが点在して不稼動となった在庫をどうすればうまく消化できるかを考えるのが最初の仕事でした。

 生産現場から店頭に至るまで、在庫の悩みはあるものですが、生活者に近づくにつれて、その内容や質が変わって来るのを私自身、身をもって体験してきました。

 今回お話する内容は、そんな在庫に対する「なぜ?」を私自身が仕事を通して生活者に近づきながら考え、たどり着いた私なりの結論で成り立っているのではないかな、と準備をしながら考えておりました。

 SPA時代にファッション企業がぶち当たる壁。店頭での週間単位の仮説検証力と店舗ごとの鮮度管理の徹底、そしてリテーラーのサプライチェーンに対するリーダーシップについて参加される皆さんと考えてゆきたいと思います。』

 前回は、特に、30店舗から50店舗くらいをお持ちで、年商30億円から100億円くらいまでのアパレル、アクセサリー、靴の専門店、チェーン店様の現状の課題にフィットし、好評でした。

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 セミナー事務局 担当:三宅氏
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October 14, 2006

店頭情報収集、ハニーズの場合

 10月13日の繊研新聞に、レディースSPAチェーン大手のハニーズが今年2月から始めている新着商品人気投票システムに関する記事が掲載されています。

 ハニーズは、毎週
 月曜日・・・前週の販売データの分析
 火曜日水曜日・・・バイヤーによる都内の定点観測(マーケットリサーチ)
 木曜日・・・発注会議
 金曜日・・・中国の工場への発注
 を繰り返し、30-40日の生産期間で毎週店頭に60-70品番の新商品を投入しています。

 毎週木曜日の発注会議では、現場の声を反映させるために、顧客の世代に近い店長の一部を会議に呼び、商品ひとつひとつにつきデザイン、品質、価格について、挙手方式で反応を見た上でデータとの整合性をとって発注数量を決定してきましたが、さらなる精度を上げるために、まずは、今年の2月から全店(約600店舗)が人気投票形式で、投入商品の良し悪しや今後欲しい数量などを投票出来るシステムを導入し、上位50位を見て追加発注や新規商品発注の判断などに活用しているとのことです。

 同社は従来の企画生産サイクルにこの情報を付加するとともに、月曜日に投票された結果を火曜日には全店に返すことによって各店に仮説検証をさせ、将来のバイヤー育成にもつなげようと考えているようです。
 また、8月からは、未投入の商品も画像ベースで投票をしてもらい、初回発注数量の判断に活用し始めたとのことです。

 以前もポイントの店頭情報収集に関するエントリーをしまいたが、ファッションストアにとって、いかに生活者との接点である店頭からデータでは読み取れない情報を収集するかが、課題だと思います。

 そのひとつの手法として各社が取り入れているのが、営業日報や週報だと思いますが、効果的な運用が出来ている企業は結構、少ないのではないかと思います。店長育成も含めて永遠の課題ではないでしょうか?

 私もかつて、いかにPOSから読み取れない、まだ売れてないけど試着する人が増えた、など先の判断に役立つ「顧客行動」をいかに週報に書いてもらうかに躍起になったものです。

 ある私の知り合いの有名SPAご出身のファッションコンサルの方がよくおっしゃいますが、彼がSPA企業のコンサルを始めるとまず一番初めにチェックするのが、週報。

 週報を見ればMD(マーチャンダイジング)に意思があるのかないのか、それが本部から店舗に的確に伝わっているかがはっきりわかるとのこと。

 うまくいっていないところは、POSを見ればわかる、売れている商品の点数や金額しか書いてなかったり、もっともひどいのは、「予算取れなくて申し訳ありません」なんて懺悔文があるところ。押しなべてMDもむちゃくちゃ!といいます。

 120%同感ですね。

 毎週毎週の企画・仕入のMD意図を明確に店舗に伝えてこそ本当にできる仮説検証(PDCA)だと思います。

 どんなツールを入れようが、やはり魂を入れるのは人、であるということを忘れてはいけませんね。
 
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 関連エントリー-絶好調企業「ポイント」に思う店頭情報活用考

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September 30, 2006

見直し迫られる商社のOEM生産ビジネス

 今回は業界の中でも、ちょっと泥臭い話です。

 9月29日の繊研新聞の一面に「岐路に立つ商社OEM、コスト競争は限界」との見出しの記事が掲載されています。

 アパレル業界において製品の海外生産を舞台裏で支える商社のOEM(相手先ブランドによる生産)ビジネス。つまり、アパレル卸や小売チェーンの企画担当者やデザイナーが次シーズンのマーチャンダイジングを考え、商社担当者が素材と生産地を求めて海外を走り回る、二人三脚の取り組みは、これまで、商社各社のアパレルビジネスの中核を占めておりました。

 好調SPAのポイントのローリーズファームをはじめ、ユニクロしかり、業界の成功事例の裏には、商社の活躍あり、という話も少なくありません。

 実は、私も、業界でのキャリアはこの商社アパレル部門のOEM生産担当者でありましたが、商社の客先への売値(出値)は、当時(90年代)、百貨店・専門店系アパレルで、小売価格の30%、量販系であれば35%くらいが相場だったと記憶していますが、記事の内容では、最近はSPAだとしても20%くらいでなければ通らないとの話。

 アパレル、SPA企業の勝ち組も、SCへの大量出店と原価率低減による粗利率のアップで好業績を上げているが現状で、そのしわ寄せは当然生産側に来るものです。

 素材を切り詰めるか、中国でも奥地に行くか、物流を簡略化(検品省略)させるか、小ロット生産でも短納期を要求され、いずれにせよ、供給側にリスクを抱え込む話・・・たまに情報交換をする昔の先輩や同僚との話とも符合します。

 また、商社や生産現場にこのようなリスクを張らせることは、裏を返せば生活者に品質のリスクを押し付けることにもなりかねません。
 
 正直、商社と言えども、他には真似の出来ないクリエイティブなことをしているわけではなく、勝ち組アパレルおよびSPA企業に対して、競合との価格競争に陥るとともに、さらに、言われた通りに生産をするだけではなく、デザイナーを抱えての企画提案や自社リスク型のビジネスへと展開し、ますますハイリスク、ローリターンビジネスと化して行きます。

 このような状況下、不採算ビジネスを見直す商社各社の事情、また、そういったビジネスを打ち切られ、商社から独立して、ローコスト体制で同じビジネスでメシを食っている商社OBも数多く知っています。

 しかし、商社から、小売に身を転じた一人として、いつも思うのですが、生産側の人間は、もっと顧客や店頭のことを知るべきだと思いますし、小売側ももっとその情報を的確にサプライチェーンに伝達して、生産側をプロジェクトに巻き込んで味方につけるべきだと思います。

 餅屋は餅屋。コミュニケーション力と相互理解のあるプロのパートナー集団こそが勝ち組の条件の一つだと思っています。

 関連エントリー-流通段階と仕事の発想、サイクルの違い
 
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September 11, 2006

【お知らせ】ファッションビジネスセミナーの講師務めます

 今回は、来る15日(金)14:00-16:50、業界で、中堅ファッション専門チェーンの業務システムに強い富士通ビジネスシステムさんのセミナーで講師を務めさせていただくことになっていますので、少々宣伝と内容について書かせていただきます。

 セミナーのテーマは「SPA時代のファッションリテーラーの在庫コントロール」です。

 前半で、私の講義、後半は、150社以上に導入実績があり、某大手SPA企業や某靴専門チェーン企業が活用して実績を上げている、私のビジネスパートナーでもある松山電子計算センターさん開発のファッション専門店向けマーチャンダイジング業務パッケージソフト「現場主義II」のデモンストレーションがあります。

 店頭起点と叫ばれて久しいファッション業界で、顧客ロイヤリティの向上と企業収益の両立を目指すファッションリテーラーの店頭在庫コントロールの基本中の基本をマーチャンダイジング組織論から特に業務の概念定義と実践まで、体系的にまとめ、お話します。

 内容は、私が以前勤務していたファッション専門チェーンで、社長特命で在庫コントロール部を立ち上げてから、業務構築、人材育成を行った3年間の事例をまとめたものです。

 この業界で働き始めてから、こと在庫にはいろいろ苦労させられました。

 商社勤務時代、大手アパレルの億単位の未引取り在庫の前に途方にくれました。ヨーロッパブランドのジャパン社時代は、売り切れないのをわかっていながら、契約上本国から買い付けざるを得なかった輸入商品在庫の処理に苦しみました。小売チェーンで靴のバイヤーをしていた時には、前任者から引き継いだ売れ筋だったにもかかわらず全店にサイズが点在して不稼動となった在庫をどうすればうまく消化できるかを考えるのが最初の仕事でした。

 生産現場から店頭に至るまで、在庫の悩みはあるものですが、生活者に近づくにつれて、その内容や質が変わって来るのを私自身、身をもって体験してきました。

 今回お話する内容は、そんな在庫に対する「なぜ?」を生活者に近づきながら考え、たどり着いた私なりの結論で成り立っているのではないかな、と準備をしながら考えておりました。

 SPA時代にファッション企業がぶち当たる壁。店頭での週間単位の仮説検証力と店舗ごとの鮮度管理の徹底、そしてリテーラーのサプライチェーンに対するリーダーシップについて参加される皆さんと考えてゆきたいと思います。

 参加をご検討される方は、詳細こちらからDMのダウンロードができます。

 業界の10-50店舗くらいの規模の企業の方を対象としています。参加費無料で、まだ、多少空き席はあるようですので、業界の方で、ご興味ある方は富士通ビジネスシステムさんホームページからお申し込みくださるか、同社受付窓口にお電話ください。

 株式会社富士通ビジネスシステム
 東京第一営業本部リテイルソリューション営業部
 セミナー事務局 担当:磯野氏、三宅氏
 富士通ビジネスシステム主催セミナーホームページ
 TEL:03-5804-8261
 FAX:03-5804-8269

 【追伸】 9.15 満員御礼 参加された皆様ありがとうございました。
       少しでも今後の実務に役立てていただければと思います。

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August 31, 2006

ピーチジョンとワコールの連携始まる

 8月30日の繊研新聞に、5月に資本提携した女性インナー最大手のワコールと同急成長企業のピーチジョン(PJ)の具体的な業務提携案が掲載されていました。

 以前ブログで両社の資本提携の話題は取り上げましたが、その後、ワコールが野口会長(社長の元夫)が保有するPJの49%の株式を約150億円(記事を読んだ時びっくりしましたが)で譲り受けることになり、株式の51%は野口社長、49%をワコールホールディングスの体制で、野口社長の良さを活かすべく業務提携の話が進んでいたようです。

 PJは生活者の心を上手に掴んだマーケティング先行型なところはありますが、業界筋や消費者調査などでは、品切れ、納期遅れ、品質に課題があると聞いていました。そこで今回は、ワコールが2人の役員を送り込んで、まずは、特にサプライチェーンの業務改革を行うようです。

 ワコールの海外生産拠点を利用して、PJのそれを強化改善しようというもので特に、

 ○人気商品の在庫管理
 ○リードタイムの短縮や品質向上
 ○コストダウン

 に力点が置かれる模様です。おそらくワコールの工場を使ってしまうとPJの商品の顔が「硬く」なってしまう可能性もあると思われますので、PJの工場を指導するという形が理想的なのではないか、と思ったりします。

 また、記事によると、PJのアジア出店やPJを卒業したお姉さん版のブランド開発も視野に入れているとのこと。面白い展開になりそうですね。

 ここのところますます都心のJRの車内ではPJの広告が目立ちますね。以前にも増して力が入っているような気がします。

 今回の提携では、当然株式公開も視野に入っているでしょうし、両社の良さを活かしての息の長いブランディングが行われることを楽しみにしています。

 関連エントリー-ワコールHDがピーチジョン(PJ)と資本業務提携

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July 15, 2006

オンワード樫山もベトナム工場新設で中国生産一辺倒からのリスク分散

 7月15日の日経新聞にアパレル最大手のオンワード樫山が国内縫製メーカーと組んでベトナムに縫製工場を新設し中国一辺倒の生産拠点のリスク分散を目指す内容の記事が掲載されています。

 安定性の見込める婦人スーツや手先の器用なベトナム人の手縫いを活かすリボンなどの商品を生産する計画とのことです。

 記事によると、同社の海外生産比率は60%、そのうち90%が中国生産。今回のベトナム新工場設立で、中国生産比率は4%程度低下するとのことです。また、一昨年からフィリピン、今秋からはインドからの調達を始めるとあります。

 ちょうど1週間前、気になる記事を読んでいました。

 7月7日の日経新聞、「人口が変える世界、データで読む未来」という特集記事です。

○2030年前後にインドの人口は14億人になり世界一の人口大国になる。
○一方、中国は、一人っ子政策などの人口抑制政策の影響で2030年ごろに人口は減少に転じる。

○2050年ごろには、働き盛りの20-59歳の層が膨らむインド(平均年齢39歳)に対し、
○高齢化が進む(平均年齢45歳)中国では社会保障費の増大が中国の活力を奪う。

2050年ごろに中国は成熟した今の日本のような状態になり、時代はインドに移る・・・

 10年ほど前の頃、海外OEM生産を担当していたころ、綿素材独特の風合いを出す商品を求めてインドへしょっちゅう出かけたものです。しかしながら、当時は、品質と納期にはとてつもなく気の遠くなる距離を感じたものです。

 今から4半世紀後、成熟しきった日本と伸び盛りのインドとの関係はどうなるのか、いろいろ想像は尽きないところです。

 関連エントリー-ユニクロのポスト中国生産はいかに

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July 09, 2006

一物多価

 システム投資に積極的で、実際にシステムの効果的運用により業績を上げているジーンズカジュアル量販最大手のライトオンですが、ここのところ、新聞やビジネス誌の記事で同社が新システムにより「一物多価」を実現しようとする話が頻繁に掲載されています(最新は繊研新聞7月5日記事)。

 「一物多価」とは、同じ商品が店によって価格が違うことを容認しようというものです。すなわち、店によって商品の売れ行きは違うので、一定の販売期間を過ぎた商品を、店舗側に価格設定権を移行し、同じRight-onという看板のお店でも、あるTシャツが、A店では、2900円だけれども、B店では1900円という状況、つまり店ごとに無理に値下げをしなくとも、「売れる値段」で売り切ろうというコンセプトです。

 私の小売経験の中でも、この「一物多価」は何度も議論されたものです。

確かに、
○うちの店では売れているのに、何で値下げするのか?
○売上アップのために限定特価品を作りたい
など、といったお店の意見に対して、

○同社の他店と価格が違うとお客様からのクレームになる
○店がルールを越えて価格を下げ始めたら危険
○その統制管理が大変
といった本部の声

結局SCのセール対応は別にして、商品の店間移動によって一物一価を維持したり、スーパーバイザー(店舗サポートの本部員)とバイヤーの個々の運用で対応したものです。

こういった制度を大々的にやるのは大胆だなあ、と思いましたが、システムの科学的運用で定評のあるライトオンがこの政策で、どんな成果を上げるかを見守りたいと思います。 

 関連エントリー-ライトオンの「売れる仕組み」

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June 28, 2006

見直されるバーゲン

 6月27日の日経新聞に、百貨店各社が夏のバーゲン期間を短縮したり、値引き率を抑制したりする動きに関する記事が掲載されています。

 百貨店やファッションビルでは、今でも7月と1月のバーゲンシーズンの売上は大きいものがありますが、業界全体で、プロパーシーズン(定価販売期間)とバーゲンシーズンの売上の差が年々小さくなっているのが現状です。

 背景には、生活者にあわせた業界の企画生産販売体質の変化があるのは間違いありません。

 従来は、
○春夏秋冬それぞれのシーズンに必要な商品を半年前から仕込み、期間中「売り減らし」をする
○バーゲン時に一斉値引き販売、その後の残在庫処理に追われる

 生産側の都合とバーゲン値引きや残在庫処分損を定価で購入する生活者に負担させていることに他なりません。

 これに対して、
○シーズンを生活者の需要にあわせて細かく分け、その時に必要な分だけ作り、
○売れたら追いかける(「買い足し」型)、売れても深追いをせず、次の新しい商品を投入する
○新しい商品が入ってくるから滞留期間の長い商品はバーゲン期間でなくても売場から引き上げたり、値下したりする
この方式が全体的に主流になりつつあると思います。

 生活者側から見れば、今買わないと売り切れる、という危機感は煽られますが、いつも新しい商品が売場に並んでおり、売り手側もそれほど値下をしなくて済むわけです。
 
 今回の百貨店のバーゲンに対する動きはまさにこういった流れを受けたもの。かつては、天候要因で、季節にメリハリ(夏暑く、冬寒い)があるとバーゲンは玉切れ、その逆だと、バーゲン好調ってな天候頼みの他力本願的な話をよく聞きましたが、今後は、企業もさらに努力をし、生活者も鮮度の高い商品を手にすることが現実になればな、と思います。

 そうしたら楽しみなバーゲンがなくなるじゃないかって?

 大丈夫、そんな動きが進めば、シーズン通していい商品が安く買えるようになるはずですから、大局的に見れば、得するのは、生活者ですよ。

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June 15, 2006

中国物流加工活用でアパレルコストを削減する条件

 6月14日の日経新聞、本日(6月15日)の繊研新聞それぞれに、中国生産したアパレル製品を日本に輸入後、出来るだけコストをかけずに店舗に届けるSCM(サプライチェーン)プロジェクトに取り組む企業の記事が掲載されています。

 前者は、洋服の青山やザ・スーツカンパニーを展開する青山商事、オンワード樫山のエニファム、PIKOやタウン&カントリーなど量販向けサーフブランドを販売するカジュアルアパレルのクリムゾン、後者はナルミヤインターナショナルの取り組み事例です。

 中国生産へのシフトが異業種よりも進んでいると言われるアパレル業界。これまでも流通の合理化(中抜き)、SPA化などにより、製造原価や流通コストを下げる努力を続け、粗利益率を上げる努力を重ねてきました。

 競争はさらに激化、店頭価格は下げ止まったものの、家賃・人件費の高騰を中心としたコスト(販売管理費)アップは深刻な問題。さらなるコスト削減に余念がありません。
そういった改革の一環で、ここ数年、各社がメスを入れているのが、今まで国内でかけていた加工経費や物流経費です。具体的にいうと

○品質検品(検数と検質)
○小売客先別値札(バーコード)つけ
○検針(ミシンの折れ針が残留していないかどうかの機械によるチェック)
○アソート組み(各店で必要なカラー・サイズのセット組)

などの作業。

 これまでも日本人技術者の派遣や日本の検品加工会社の現地法人設立などにより徐々にではありますが、これらの作業を中国側で完結させていましたが、今回の各社の取り組みのように、日本で輸入通関を終えた商品を港からそのまま全国の店舗あるいは客先のセンターへ直接納品という試みはここ最近増えて来た話だと思います。記事によると、これらにより物流コストの2-5割削減が可能とのこと。

 もっとも、こういったコスト削減を実現するための条件は、

 ・小売側がリスク分担を伴う主導権を取る
 ・アパレル卸と小売の密なコミュニケーションと信頼関係
 ・SPA(製造小売)業態で自己完結していること

などなど、いずれにせよ小売側のリスク分担、信頼関係、リーダーシップが問われるわけです。

 記事にはありませんでしたが、しまむらの今年の決算で粗利率を押し上げた要因のひとつは、こういったリーダーシップだったわけですし、今回の記事の事例もクリムゾンを除きすべて店頭を持つSPA業態です。

 言うは易し。行うは・・・。コストを削減するには、小売の意識改革とリーダーシップが必須だということです。

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June 02, 2006

ユニクロのポスト中国生産はいかに

 5月26日の日経新聞や5月31日の日経MJにユニクロが中国に傾斜した生産体制を見直しすることに関する記事が掲載されています。

 今後、ベトナムやカンボジアなど東南アジアに分散し、2009年までに東南アジア生産の比率を全体の3割以上に高め、現在9割以上を占める中国での生産比率を、6割台に落とすとの話です。

 記事によると中国での人件費上昇、米欧と中国との貿易摩擦に巻き込まれるリスクなどを回避する狙いで、欧米市場拡大に備えたもの。すなわち、欧米向け売上構成比の拡大に伴う話であって、日本向けについても、とは解釈し難いと思われます。

 今回の話を聞いて思い出すのは、10年ほど前、アパレル製品の海外生産(ソーシング)の仕事をしていたころに、取り組んでいた韓国、台湾、香港のメーカーが欧米のクオタ(原産国別輸入制限枠)対策でこぞってベトナム、ミャンマーに工場を新設するブームがあったのを思いだします。
 当時、アパレルの海外ソーシングに携わる人は、そういったメーカーの誘いでいろいろ日本向けの可能性を探り、トライアルもしたと思いますが、結局、原料調達と運送時間の問題で生産期間が長くなってしまい、ドレスシャツ、スラックス、ユニフォームなどスピードを要求されない比較的ファッション性の低い商品しか定着しなかったのが現実だったと思います。

 無論10年たった今、そういった地域にも改善は見られますが日本マーケットが要求するスピードの方がそれ以上であったと言わざるを得ないのではないでしょうか。

 ユニクロは、あえて遠方を管理する労力と時間をかけるより、むしろ上海近辺にスピードを重視したオペレーションを構築する方に投資したほうが今後の成長戦略にも、国内外の業界への脅威にもなると思われますが・・・いかがでしょうかね。

 関連エントリー-匠(たくみ)の技が奪われる
 関連エントリー-アパレル中国生産に異変あり?
 関連エントリー-中国人民元切り上げと日本のファッションビジネス
 
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May 27, 2006

流通を悩ます駐車違反取締強化

 5月26日(金)の日経新聞によると、6月1日に施行される「改正道路交通法」で、都市部の駐車違反が厳しく取締られるとのことで、物流が「動脈」である流通企業、運送会社にとって大きな問題となりそうです。

 記事によると、警察から委託される民間の「駐車監視員」が違反車両を確認し、ただちに駐車違反が成立するような内容です。

 従来ならミニパトの婦人警官などが、タイヤにチョークで印を付け、しばらく様子を見る猶予時間がありましたが、6月からは、「駐車監視員」が発見と同時にデジカメ撮影をし、ナンバーを携帯端末に入力、そういった作業の間、おおむね5-10分様子を見て運転手が戻る気配がないと、ただちに駐車違反の認定ステッカーを貼る模様。

 ファッション流通はじめ流通企業が佐川急便、ヤマト運輸、福山通運などの宅配便業者に依存しているのはだれもが認めるところ。いつも汗水たらして、笑顔で元気に待ちわびた荷物を届けてくれる、時間ぎりぎりまで集荷の荷物を待ってくれる「佐川さん」には誰もがお世話になった経験があるはず。

 そんな宅配便業者さんも、都内に中継基地を新たに数百拠点作って、台車や自転車で対応したりすることを検討しています。
 1日に5回の集配のあるコンビニも、トラック1台あたりドライバー2人体制で駐車違反を免れようと頭を悩ませています。

 流通業では小口多頻度納品が主流になりつつあり、確かに、それが都心渋滞を引き起こしたひとつの原因にはなっているかもしれません。今回の措置が、荷物の到着が遅れる、コストアップなど、わが流通業界への影響は小さくなさそうです。何とか工夫と流通企業&運送企業の相互協力理解で乗り切らねばなりませんね。

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May 08, 2006

小口多頻度運送の時代

 5月7日の日経新聞のファミリー経済「エコノ探偵団」に、生産が増え続ける段ボールに関する調査記事が掲載されていました。
 
 「段ボール」と「ファッション」は関係ないように思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、ファッション業界で、段ボールと「お友達」でない人はいないと思いますので、話題にしてみたいと思います。

 記事によると、2001年から年々増え続けた段ボールシートの生産量は、2005年、137億2393万平方メートル(残念ながら、どれくらいすごいのかは想像つきません)で、2年連続過去最高を更新とのこと。

 経済成長時代であれば、段ボールの需要が増えるということは、景気がよく、イコール商品の総出荷量が増えることを意味していたかもしれません。確かに、デフレ脱却がささやかれる昨今、景気は回復しているかもしれませんが、絶対的な「消費量」が増えたとは思えません。

 答えは、流通関係の方ならお察しの通り、次のような流通の変化によるもののようです。

 ○ビールはビン(ケース配送;回収)から缶(段ボール配送;行ったきり)へ
 ○清涼飲料水は缶から容器の大きいペットボトルに形状が変化し、
  大き目の段ボールが必要に
 ○通販、ネットショップが増え、個人宅へも段ボールが
 ○コンビニが先鞭を切って、大手スーパー、ドラッグの毎日発注毎日小口配送に対応
  するために、小さな段ボールの需要が増えている

 いろいろありますが、少子高齢化による一回の消費量の減少やそれに対する企業の鮮度競争、スピード経営による小口多頻度運送の影響が一番大きいようです。

 ファッション流通においてもご他聞にもれず、店頭に毎日(週5-6日)新しい商品やサイズ補充商品を届けられるかどうか?それによって、お客さんがいつお見えになっても新しい売場、商品が提案できるか?サイズ切れを限りなくなくすことができるか、が勝敗を決する時代になりました。倉庫と店舗を行き来する折りたたみコンテナ(オリコン)も普及してきましたが、やはり、これからも段ボールのお世話になる機会が減ることはないだろうな、と思われます。

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March 20, 2006

百貨店でもセントラルバイイングが功奏

 19日の日経新聞、大丸百貨店の山本社長のインタビュー記事。同社は、従来の各店仕入れから本部一括仕入へ移行し、上々の成果を上げているとのこと。

 実際に、05年3-8月期、全店の婦人靴、紳士服売り場など5つの売り場で始め、対象売り場は売上前年対比8.2%の伸び、05年9月-06年2月期は25の売り場に広げ同5.9%の伸びを見せているとのことです。

 百貨店の多くは、従来、顧客に近い各店の売場担当者が同じ会社ながら個々にアパレルメーカーに発注をしているケースがほとんどで、顧客の近くにいるというメリットがあるにもかかわらず、

・実は接客はアパレルの派遣社員に任せているので
 どこまで体感できているかわからない。
・森(マーケット)を見るより木(自店)を見てしまっている。
・会社全体のバイイングパワー(購買力)を生かせず、
 実はアパレル主導の品揃えになっている。

 というようなデメリットがあり、百貨店の看板の集客力はありながら、多くの売り逃しをしているのが現状ではないか、と思われます。

 このような課題への対策として、本部一括仕入=セントラルバイイングへの動きが大丸以外にも高島屋、松坂屋、阪急などで始まっているようです。

 専門店チェーンでは、当たり前のことなのですが、セントラルバイイングにおいては、バイイングパワーを高めることも大事ですが、各店の客層の違いを知った上で、当初の品揃えの仮説を立てて初回投入を行い、売れ行きに応じて検証し、取引先との期中交渉はもちろんのこと、売上だけでなく、在庫管理をしっかり行い、店間移動も視野に入れて、適材適所を実現し、いかに売り切るかを取引先と二人三脚で実践することが大事ではないか、と思います。

 また、一部の百貨店の婦人靴売場のICタグ実験の効果でも実証されたように、もっともICタグがあってもなくても、顧客の立場に立った「在庫管理」を行うことを忘れてはなりません。

 景気も回復して追い風が吹いている今、このあたりの改革も進めば、百貨店はまだまだお客さんの期待に応えられると思いますよ。

 関連エントリー-百貨店婦人靴売り場でICタグ本格稼動開始

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March 07, 2006

ハニーズが極めるデマンドチェーンマネージメント

 昨日、6日の日経MJの1面全面および3面に急成長を続けるヤングレディースファッションSPAハニーズのオペレーションが特集されていました。

 今回の記事の内容は、

・店頭場からの体系的な情報の吸いあげ
・生活者に近い全社員参加型MD
・効果的なストリート定点観測
・徹底して週間単位で手を打つ業務サイクル
・4週間QR生産
・大卒社員活用による早期店長育成

など、もともと同社は業界のベストプラクティスのひとつとして業界誌やビジネス誌でたびたび紹介されている内容ばかりで、決して目新しいものはありませんでしたが、同社の成長の理由が、業界外の方、これからファッション業界を志す方にもとてもわかりやすくまとめられていますので、次世代ファッションビジネスの事例として是非お読みになることをお勧めします。

 同社の事例を読んでいると、いつも私がもっとも尊敬するファッションビジネスマンのひとり、リミテッドグループ創業者レス・ウェクスナー氏の言葉を思い出します。

  「デザインの天才はいらない。必要なのは頑固で綿密で努力するリサーチャーであることだ」

 そう、江尻社長率いるハニーズは、流行は作り出さないかもしれないけれど、もっとも生活者に素直に向かいあい、アカデミックにファッションビジネスを考え、可能な手は、ことごとく実践している様子が伺えるのです。

 リミテッドが、ZARA(ザラ)が、H&M(エッチアンドエム)がハイスピードでマーケットに対応するために行なっている手段をことごとくベンチマークしているのか?あるいは正しい手法を普通に追求していくと結果的に誰もが行き着く方法なのかもしれません。レス・ウェクスナー氏はこうも言いました。

 ”Do the right things in the right way.That's it”

 (生活者のために)正しいことを正しい方法で行えばよい。生活者を起点にデマンドチェーン発想で躍進するハニーズ社。 記事にもあるように、急激な出店がアキレス腱になっているかもしれませんが、従来のファッションビジネスとは違うことを、見せつけて乗り越えて行って欲しいと思います。

 関連エントリー1 -ハニーズ東証一部に上場(05.05.02)

 関連エントリー2 -ハニーズは日本のH&Mになれるか(05.07.14)
 
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January 13, 2006

トリンプの「八ヶ岳MD」

 1月12日付け繊研新聞のランジェリーメーカー&SPA企業のトリンプインターナショナルジャパンの記事を読んで。

 「八ヶ岳MD」とは、さすが、早朝会議によるスピード経営、ノー残業で有名な同社の吉越社長らしいネーミングですね。以前、このブログでも、同社の「売り切り御免トコロテン戦略」をご紹介しましたが、それをプロダクトライフサイクル曲線の側面から見たネーミングであります。

 今や、ピーチジョン(PJ)などが火をつけたファッションとランジェリーの垣根崩しは、いわゆる肌着業界にも「鮮度重視」の影響を与えています。トリンプも同社のSPA業態、AMO‘S STYLEなどで、従来の販売期間想定を半分に短縮する単サイクルMDを実践しており、直営店既存店売上高は、32ヶ月連続増収増益とすばらしい数字に支えられ、会社の決算も20期連続の増収増益も見えた、とのことです。
季節商品の販売期間を6ヶ月から2-3ヶ月に、スポット商品を3ヶ月から1ヶ月に短縮設定し、企画数は2倍に増えたものの、店頭の鮮度を維持して、在庫と、最終見切り損を減らした、というファッション販売の近代手法を取り入れたもの。

 ファッションでは、一般的に、追加をかけなかった場合、新商品投入から、2-3週が売上のピークにあたり、その後、店間移動を駆使しても、売上点数はゆっくり下降に向かいます。それを、1企画あたりの生産数を7割に押さえ、下降を新商品の投入でカバーするというもので、それぞれのプロダクトライフサイクル曲線を重ね合わせると、八ヶ岳連邦のように見えることから「八ヶ岳MD」と命名しているようです。

 この手法は、従来なら、作り手の視点で、プロパー、バーゲンを軸に考えられていたファッション業界を、いつも新鮮な売り場の維持と、今買わないと売り切れるという顧客心理側面から実践したもので、109やヤングカジュアルファッション、海外ファストファッションでは主流になっています。

ますますワクワクする売り場作りへ、業界各社のチャレンジは続きます。

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January 11, 2006

絶好調企業「ポイント」に思う店頭情報活用考

 SCを中心に「ローリーズファーム」や「グローバルワーク」といったSPAで快進撃を続ける東証一部上場企業ポイントの強さに迫る連載記事が、昨日から繊研新聞で始まっていますが、本日の店頭情報をいかに取るか、という記事はとても興味深いものです。

 ファッション業界でも「店頭起点」が叫ばれて久しいですが、依然、上手に出来ている企業は少ないと思います。
つまり、叫べば叫ぶほど、精神論的になり、店頭スタッフへの負荷が増え、そのしわ寄せが顧客サービスの低下などとしてあらわれ、成果が出ない、といったのが、多くの現場の現状ではないでしょうか? 

 ポイント社は、等身大MD(関連エントリーは>>>こちら)は守りながらも、企画生産業務を繊維商社にアウトソーシングし(但し、投げっぱなしではなく、かなりの二人三脚型)、在庫調整も含めて、同社に依存して身軽になりながら、リテーラーの動脈といわれる情報システム、物流、店頭といった部分をしっかりコントロールしている模様です。

 特に、重要なのは、情報システムや物流を店頭の鮮度管理と店舗作業軽減を重視して考えれれているため、余裕が出来た店舗スタッフは、等身大MD持ち前のMDプレゼンや、データでは見えない、店頭の顧客の動向を本部に伝えることに集中できている、ということです。

 店舗から本部へ、営業日報や営業週報という類の報告書類が、各企業にあると思いますが、この使い方をめぐっては、試行錯誤しているのが現状ではないでしょうか。

 やはり、店舗スタッフには、売ることにプレッシャーをかけ、戦果報告や言い訳をさせるではなく、来店客の動向をよく観察すること、そこで得た気づきがいかに業務改善に生かせるか、を理解してもらい、それに対する意欲は、評価すべきである、と考えています。

 以前も紹介した、パコアンダーヒルさんの「ついこの店で買ってしまう理由(わけ)」にも大変わかりやすい文章がいくつかありますが、その中で私が好きな助言の中に、

 「客は自ら工夫して商品を検討する」

 というフレーズがあります。つまり、店頭で、顧客が、どういう風に商品を手に取り、どういう場所で、どういう風に比較して検討しているか、をよく観察しなさい、ということです。
 顧客は店頭で、お店の提案に反して、実に、自分に快適な方法で、工夫して、そういった行為をしていることが多いことか?そこには、本部ではわからないカイゼンのヒントがたくさん詰まっている、というのは、経験的に非常に共感・実感できることです。そんな、些細なことでも、日報や週報に書き込んでもらうことで、明日への商品・サービス改善ができるのではないか、と思います。

 ちなみに、世界のSPAのベストプラクティス、スペインのZARAの世界全店の店長の毎日の最も重要な仕事は、店頭で感じたことを、スペインの本社のバイヤーたちにメールで伝えることだそうです。バイヤーたちは、POSと同時に、独自のソフトで整理されたこれらの情報を毎日見て、毎週の生産計画に反映されているということです。

 何が大事か?をおさえていれば、明日からすぐ実行できることもありそうです。
 
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January 04, 2006

109(マルキュー)ブランドが変える?メンズマーケットのスピード

 3日の日経新聞、4日の日経MJ、繊研新聞の都心商業施設初売り関連記事によると、予想通り、今年2日の初売りバーゲンは、景気回復、冬物好調の波に乗って、百貨店では各社軒並み前年対比2桁増の大盛況。
 特に、伊勢丹新宿は、大型福袋を4日発売にずらして、冬物セールだけで勝負したにも関わらず、開店前に1万6千人が並び(前年比千人増)、単日売上新記録は、ほんとに立派だと思います。私の友人もセールに行ったが、品薄気味、とぼやきながらも購入した、と言っておりました。

 それを上回るのが、ご存知、渋谷109(マルキュー)、開店前に3万人が並び、11時の開店を8時15分に早め、過去最高の昨年並みの売上を記録したそうです。

 毎年、業界では、話題性の高い109ですが、今年もやってくれそうです。タイトルにあるように、マルキューブランドが、メンズに進出、メンズマーケットのサイクル、スピードの常識を覆そうという動きがあります。

 90年代、109系ブランドが韓国を生産背景として行なったQRが、現在のヤングレディースマーケットの短サイクルMDの常識の引き金になったことは間違いないでしょう。
 今やレディースマーケットでは、52週毎週変わる売り場で、最長でも8週間と言われるライフサイクルのファッション商品を企画から4週間以内追加なら1週間程度で店頭に並べるスピードを競っています。

 そんな企画生産サイクルがレディースマスマーケットにも定着した今世紀の初頭に、当時、カジュアルチェーンのMD改革に取り組んでいた私は、ヤングメンズカジュアルメーカーの社長さんや幹部の方々と、議論を重ねていました。
 顧客の来店頻度はまちがいなく高まっている、近い将来いずれはメンズもそうなるのでは、それに対して今、何が出来るか、と繰り返したものですが、ほとんどの方が、メンズは違う、との意見であまり話にならなかったのを覚えています。

 しかしながら、ここに来て、雑誌レオン、伊勢丹メンズ新館改装から始まった一連のメンズブームは、昨年のゴージャス、セクシー系メンズファッションブームとなり、加えて、109系など既存レディースブランドが顧客の彼氏狙いという切口で、レディースの短サイクル、QR手法でクオリティより「スタイリング」や「鮮度」を重視するメンズブランドが今年、次々に立ち上がりそうな様相を呈してきたものです。

 昨年の繊研新聞記事スクラップ(12月22日付)によると、すでにメンズラインを立ち上げているマウジーに続き、SWORD FISH(ソードフィッシュ)のフォーティフォーインターナショナル、JASSEE(ジャッシー)のジョーインターナショナル、GOA(ゴア)あたりがメンズブランドを立ち上げる予定。109メンズフロア計画もあるとか。

 また、最近の世間話では、すでに比較的マスマーケット狙いのレディースメーカーさんのところにも、複数取引先からレディースと同じ手法でメンズを作ってくれ、という要望が来ていて、対応に迫られているとのことでした。

 こだわり、保守的と言われたメンズマーケットが、ヤングレディース同様、マルキューブランドの影響でスタイルとスピード重視の発想へと変わるのか?今年目が離せない注目の業界トピックの一つです。

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December 08, 2005

リテールロジスティック戦略の真骨頂

 ある物流改革のプロジェクトで、全国展開のリテールチェーンの物流センターを見学に行きました。
 
 業界では、有名なところなので、いろいろ聞かされてはおりましたが、その完成度に、訪問メンバーは全員関心するばかり。 「すごいね、でもうちには到底できない・・・」「事情が違うからね」というメンバーの言葉。

 確かに、その積年の研究や、設備投資はそう簡単に真似できないかもしれません。しかし、前回の他社の物流センター訪問の際にも触れましたが(関連記事)、彼らが、何を大事にして、どういう思いで、この物流センターの仕組みを作ったか?をヒアリングから感じとり、やり方や規模は違うけれど、実現できることもあるのではないか、と考えをめぐらしておりました。
 
 彼らが大事にしていること・・・
 
 ・毎日新しい商品を店舗に届けること(鮮度)
 ・出来るだけ早く店舗に届けること(スピード)
 ・店舗作業を単純にし、間違えや不測のことが起こっても
  店舗サイドのイレギュラー作業を極力無くすこと(誰でもできる平準作業化)
 ・売れ残り在庫を残さないこと(鮮度;企業利益)

 業界では、「現場主義」の名の下に、問題を現場任せにしていたり、トップが会議で怒るたびに、店舗作業が増えてゆく会社が少なくありません。本部の無計画性が店舗へ、そしてお客さんへのサービスにしわ寄せが行く・・・。多くの企業が耳の痛い話ではないでしょうか?
 一方、訪問先は、パートさんの戦力化でも長けている会社でもありますが、物流の在り方も含めてそのひとつひとつに、イズムが一環していることを感じました。

 ところで、リテールの物流戦略=「ロジスティック」とは、軍事用語の「兵站」にその語源があると言われます。チェーン店のエリア攻略においては、本部や物流センターは、距離や時間を考えて、店舗がベストパフォーマンスするための後方支援基地であると考えなければならないと改めて、実感させられます。

 そんな視点から日本に進出中の海外ファッションSPAのロジスティック物流戦略を比較してみると・・・

 ZARA(ザラ)は、毎週2回、スペイン本国の基地(本社)から大都市一等地を「空爆」(FEDEXと提携)。
 一方、ホームファッションのIKEA(イケア)は、世界各国で生産された商品を上海に建設した基地(物流拠点)に集約させ、そこからまとめて「軍艦」で日本の店舗に送り込んで来る模様です。日本進出に選ばれた立地は、船橋、横浜、神戸・・・港に近いのは間違いなく、戦略的だと思います。IKEAは、その上海の拠点に万全を期すため、当初のOPEN予定は、05年秋だったのですが、06年4月へと先延ばししたいきさつがあります。それだけ、後方支援のためのロジスティック戦略に時間をかけて、日本を徹底攻略しようとしているところに本気度を感じざるをえません。彼らは、世界ロジスティック戦略の絵の中の日本をどのように見ているのでしょうか。
 
 それに対して、日本の企業は・・・今回の訪問先のようなところは、ほんの一握りで、まだまだ「竹やり」が多いですかね。 

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October 30, 2005

ファッションストアの顧客満足と物流改革

 先日、今かかわっている物流改革案件に関連して、ある大手専門店チェーンの物流センターを視察する機会をえました。
 そのセンターには、中国で生産されたすべての商品が毎日、入荷します。ダンボールの個口のチェックは行われますが、すぐに開梱され、商品についているバーコードを、一品残らず、ソーターというベルトコンベア式の仕分け機で読み取り、各店別に仕分けされ、その日のうちに全国数百店舗に出荷されて行きます。全店への出荷は毎日行われ、ほとんどの商品が出て行くため、大きなセンターではありましたが、在庫はとても少ない状況でした。

感想としては、

・毎日配送なので、店舗はいつ行っても新鮮である
 ことが想像できる点。
・同じ理由で、センターの作業がムラなく、平準化しているため、
 毎日定時に出荷が終了する点。
・システムとソーターの2つで在庫をおさえているため、
 入荷と店舗の作業が軽減できる点。

これなら、同じロジックで、1,000店舗でも2,000店舗でも対応できるな、と関心したものです。 
 
 ファッションリテールビジネスをやっていても、今や物流は極めて重要な要素になります。

 かつては、広告を打ち、いい商品を作れば、あるいは、売れ筋をそろえれば売上は十分取れました。そのころは、商品が売れる時というのは、ある意味、商品とお客さんの「出会いがしら」だったと思います。お客さんも在庫がなければ仕方ない、と思ったでしょうし、販売員が「気合で」代替品を売りつけていたかもしれません。

 しかしながら、今や、生活者は、溢れるまでの情報と同質化した環境の中から、店を選び、商品を比較し、気に入った商品を見つけ出さなければなりません。 お買物のプロセスをすこしでも楽しく、また、感動を演出するためには、科学的なアプローチが必要になってきている、というのが、持論です。

 「出会いがしら」ではなく、「計算された演出」が必要な時代・・・

 それには、お客さんが欲しいものを、その場所にマッチングさせる、そういった「顧客満足」を実現するために、きめ細かな在庫管理と物流の不断の努力が必須です。セブンイレブン、しまむら・・・「勝ち組」の多くは、そういった「物流の覇者」ですね。

 極めて身近なビジネスモデルで、そしてシンプルな方法で、成長されている視察先も明日の覇者でありましょうし、次に続く覇者になることも夢ではないな、と同行の方々と話しながら帰路に着いたものです。 

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October 02, 2005

ライトオンの「売れる仕組み」

 今月の日経情報ストラテジーというちょっとお堅い専門誌、郊外SCで活躍中のジーンズカジュアルチェーン最大手ライトオンの記事からです。

 東証一部上場の同社の8月決算は、ジーンズカジュアルチェーンが軒並み苦戦する中で、1人勝ちをおさめ、既存店売上前年対比104%、経常利益率10%超、過去最高益は間違いない模様です。その原動力=同社いわく「売れる仕組み」、この「仕組み」は前期のIR決算報告で説明されているものと同じですが、同誌では、その内容が社長や社員の言葉を借りてわかりやすく掲載されていました。

 「販売力の強化」「販売機会損失の削減」の2つ。
 業界では極めて単純な、あたりまえなキーワードですが、同社は掛け声だけではなく、シンプルにそして緻密に実行しています。

 一つ目の「販売力の強化」については、300店舗超の実際顧客に接している店舗スタッフをシーズン前の商品企画選定段階から参加させ、シーズン中でも、店舗の意見で商品政策の軌道修正を行なう、意思決定にスピードを持たせる体制を引いているようです。そして、企画段階から商品知識を得たFA(ファッションアドバイザー)たちがジーンズの販売点数コンテストを毎週行っており、毎週個人ランキングがイントラネットで発表されるもので、上位入賞者は海外研修やメーカーからの商品プレゼントなどで報奨される仕組みです。 

 二つ目の「販売機会損失の削減」については、メーカーの協力を得て、商品をライトオン社契約の物流センターに一定量備蓄し、毎日、売れた商品、色、サイズが、翌日には店舗に届く、という「デイリーデリバリー」という体制を敷いています。
 通常、業界では、1週間に1回もしくは、多くて2回の納品が一般的ですが、ジーンズのようなサイズの多い商品は無制限に店頭に在庫を置けないため、見込みで発注していても、週の中ごろまたは、週末までにサイズ切れを起す可能性が高い商品群です。皆さんも欲しいジーンズのサイズ切れを何度かご経験ではないでしょうか?店舗の在庫を必要最低限に抑え(=店舗作業の軽減)、販売機会損失も極限まで無くす(=顧客満足)のがこのデイリーデリバリーです。ある意味、ファッション業界のジャストインタイム、カンバン方式ですね。

 要は、言葉だけ「店頭起点」、「顧客主義」と言う企業が多い中で、このように、販売員に売れ売れというだけでなく、接客しても恥じない、お客さんに喜んでいただける商品知識をスタッフに伝えていますか?せっかくご来店いただいたお客さんの期待に応えるべく、売れ筋を切らさないようにどんな努力をしていますか?ライトオンの取り組み、業績は、そんな、あたりまえだけど、実践されていない、非常にシンプルな企業の基本的な努力の積み重ねから来ています。 

 同社はこういった仕組みの更なるブラッシュアップのために、ここ3年間で30億円のIT投資を計画しています。 

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September 08, 2005

「売り切りごめん型」マーチャンダイジングへ

 ここのところ業界の繊研新聞の紙上では、ヤングレディース向けの専門チェーン店の掲題のような商品政策変更の記事が目立っています。

 従来専門店チェーンは、「今年の夏は、この商品を売るぞ」、と単品で10%以上の売上が見込めるヒットの芽のある商品<プロモーション商品>(わかりやすい例でいうとユニクロのフリーのようなもの)を設け、シーズン中、追加生産で対応したり、あらかじめ多品種少量生産をしておいて、シーズン中に見つけた「売れ筋商品」をQR(クイックレスポンス)で何度も追加生産をするというスタイルをとっていました。

 ところが、ここのところ、このようなやり方をすると、初回生産分は売り切れても、追加分を残してしまったり、お客さんに飽きられるといった現象が起こり、顧客離れ、業績低迷の恐れが懸念されています。
 
 この背景には、一般的に言われる「顧客の嗜好の多様化」以外に
1. どこの会社も売れ筋のQRは標準装備になって、シーズン後半には
  店舗が同質化してしまう。
2. 百貨店アパレルや新興SPAショップをそろえたSCが郊外に乱立していて、
  駅前でなくても感度の高いファッションが買える。 
3. 低価格でもファッション性の高い商品が購入できるし、マーケットのスピードが
  速くなっているので、お客さんの買い替え頻度も高まっている。そのため、
  頻繁な新商品投入、売場変更が求められている。
などの要因が挙げられます。

 キャビン(店名は e.a.p イー・エー・ピーなど)、パレモ(店名はGalFitギャルフィットなど)、ブルーグラス(店名はvanceヴァンスなど)あたりのカジュアルチェーンでは、売れ筋単品追加生産型から、スタイリング(クロスマーチャンダイジング)対応の組織に変えた模様です。 各社は計画的に2週間で変わるMDストーリーを組み、以前販売した商品の追加はせず、逆にそれらとコーディネート可能な新しい商品の投入を積極的に行いました。

 また、このような単品訴求ではなく、スタイリング・コーディネート中心の商品政策変更に連動して顧客への提案のためのPOPやポスターなど広告宣伝費を1.5倍から2倍に増やして、お客さんを飽きさせない手法をとり、レディース業界全体が低迷したこの春商戦を既存店売上アップで乗り切ったとのことです。
 
 アパレルだけではなく、トリンプインターナショナルのようなランジェリーSPAも通常6ヶ月の販売期間設定の定番商品を3ヶ月に、3ヶ月で売り切る予定のスポット商品を1ヶ月に短縮することによって、新しい商品を次々に入れるようです。もっとも、先日紹介したピーチジョンのようなランジェリーとファッションアパレルの際を無くすような勢力も活躍しているので、もっともな話かもしれません。 

 以前にもブログで紹介しましたが、今日のような手法は、スペインのZARA(ザラ)の十八番です。これから外資まみえてめまぐるしいスピード、変化に臨機応変、緻密に対応できる企業が生き残る厳しい情勢です。生活者にとっては、選択肢が増え豊かになるのでいいことだと思いますが・・・

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July 03, 2005

韓国からの運び屋に厳しい取締り

 マルキューなど、レディースカジュアルファッションのQR(クイックレスポンス)生産、デリバリーの原動力となっているのが、韓国生産。 売れ筋商品を数日で生産し、1日で日本の客先に届けるのが身上。最近は、出来上がった商品を運ぶ輸送業者の申告に目に余るものが多くなり、税関で厳しい取締りを行い、善意の第三者も通関を遅らされたり、追徴を取られるという被害を受けているそうです。

 韓国からのクイックデリバリーに活用されているのが、ポッタリジャンサ(韓国語で「運び屋商人」)と呼ばれる、韓国人の運び屋のおばちゃんたちです。彼女たちは、前日に韓国で出来上がった商品を翌日旅客機で手荷物として日本に持ち込み、通関をし、その日のうちに日本のアパレル企業に届けるという速さ。スピードが命のレディースカジュアルSPA(製造小売業)では頻繁に利用されています。空港でダンボールを10個くらいもった、VIPラウンジで休憩している方々を見かけたことはありませんか?

 しかし、このいわゆる「簡易通関」には、合計30万円以下というきまりがあり、運び屋ができるだけ多く商品を持ち込むために、一品あたりの価格を過少申告する(業界ではアンダーバリューといいます)ことがあります。これは、もちろん脱税行為。アパレルなら輸入総額に対して簡易課税一律10%(普通に輸入すると9%-12%、商品によって違います。)の税金を支払わなければなりません。

 業を煮やした税関は取り締まりに出て、普通に安く仕入れた輸入業者でも、追徴されたり、簡易通関を認められず、通関に時間がかかって、欲しい納期に間に合わなかったケースがかなりでているそうです。ゴールデンウイーク後、遅れは少なくなったらしいですが、秋の最盛期には、また問題になりそうです。

 スピード時代に、大変便利なものではありますが、しくみと実情をよく理解し、自社に降りかかってくるリスクも計算しながら、利用したいところですね。

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May 13, 2005

企画生産のスピードを支えるコミュニケーション

 スペインのZARA(ザラ)の企画・生産・配送・販売のスピード、ファースト・ファッションシステムを支えているのは、シームレス・コミュニケーションとクロス・ファンクショナル・チームにあると言います。

 同社には、メンズ・レディース・キッズの3つのチームと、店舗・マーケッター・デザイナー・生産担当・工場という機能があります。チーム別の縦割りのシームレス(継ぎ目のない)なコミュニケーションとともに、各チームが、同じ場所にいて、同じ機能を共有しているため、横割りのコミュニケーションが図られて、チームを超えてよい相乗効果が得られているとのことです。
 たとえば、メンズのデザイナーがレディースのデザイナーに意見を求めたり、同じ生産ラインを共有しているため、キッズの生産担当がメンズの生産担当からアドバイスをもらうことも日常茶飯事とのこと。

 一般的に、分業が前提の業界慣習の中では、アウトソーシング先との利害、コミュニケーションの希薄性や、セクショナリズムによって他部署と取り合い、いがみ合いをしたりすることによって、ロスが発生するものです。

 SCMというと、生産効率や経費の削減ばかりに目が向きすぎていて、しくみは作ったが、一般顧客に支持が得られず、業績を落とし、結果的に不良在庫を残した事例が多いと思います。実際には、各分業企業間での利害関係のために、「顧客不在のSCM」をしているわけですね。

 ZARA(ザラ)がアパレルSCMのベストプラクティスとして紹介されるのは、やはり、顧客と店頭を基点として、そのためにどのようなインフラを整備し、オペレーションし、コミュニケーションするか?とデマンドサイドを優先させて、不測の事態も想定して、体制を敷いていることにある、と実感しました。

 日本において、ZARA(ザラ)のように、すべてを自前で抱えることは、なかなか難しいと思います。しかしながら、ザラのように、頭をまっさらにして、店頭現場を起点に企画生産販売がもし、すべて一箇所で完結するとしたら、というところから考えたら、個々の業務はどうあるべきか。結果、部分部分をアウトソーシングするにしても、どうしたら、その原型(ザラ)に限りなく近いようにオペレーションできるか、を考えることが顧客満足型SCM=DCM(ディマンドチェーンマネージメント)に近づく方法ではないか、と考えさせられました。

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May 11, 2005

ZARA(ザラ)の「すべてを自前で抱える強み」

 余剰な設備、材料は持たない、流通段階で各パートナーがリスクを分散して持つのが、SCM(サプライチェーンマネージメント)の定石。 ところが、ZARA(ザラ)の場合は、その逆を行っていると言えます。
 できるだけ自前で抱えて、コントロール下に置く。需要がブレても同じリズムで発注~生産~配送を行うしくみと整える。それが、同社がもっとも大事にする、顧客の需要に対する「スピード」と社内情報共有の「リアルタイム性」を実現する「答え」と考えています。

 サプライチェーンで顧客の需要(川下)から生産原料(川上)まで役割分担するパートナーが増えると、いわゆるブルウィップ効果が起き、過剰在庫の原因となります。このブルウィップ効果とは、極端な例ですが、実際の10の店頭需要情報に対し、発注担当者がもっと売れるだろうと、12を発注し、それを受けたメーカーの営業マンがさらに売れるだろうと、生産工場に15で伝える、生産工場も切らしたらいけないと、20生産できる材料を調達してしまい、流通段階には、10の余剰在庫が発生してしまう、という話です。それぞれが、余剰在庫ロスを負担しますが、当然、そのロスは、各企業の利益を圧迫するか、転嫁されて、最終的に消費者にしわ寄せが行きます。
 
 こういった流通段階の余剰在庫を排除するために、店頭での売り切れをむしろ奨励し、(顧客は売り切れる前に買わねば、と思うし、売り切れても他の商品を買ってくれる、と考える)、需要があるものだけを週2回の発注、多品種小ロット短サイクル生産(15日)を行い、物流センターをハンガー納品で出てから、ヨーロッパで24時間、アメリカで48時間、日本で72時間で店頭に並べる体制を整えているわけです。

 この体制を維持するために、実際、余剰人員、余剰設備、低い稼動率と思われる状況を容認します。 むしろ、その体制により、店頭の鮮度が保て、商品回転が高まり、キャッシュフローが向上し、不良在庫ロスが極めて少なくなるため、余剰と思われる経費を十分吸収してもあまりある利益が出るということです。 事実、自前の設備を一切もたないGAPやH&Mよりも高い利益率、商品消化率を上げているというデータも出ているそうです。

 これらの記事を読んでいて、これはある意味、ファッションSPA(製造小売業)として、世界の一等地に店舗を構え、ファッションという高回転の商品を扱う「小売業のキャッシュフロー」に裏打ちされたしくみであって、どんなにすばらしいメーカー、例えZARA(ザラ)の工場の生産システムを指導したトヨタ自動車自身でも実現できる話ではないな、と思いました。まさに究極のSPA、SCMと言えます。

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May 10, 2005

スペイン版トヨタ生産方式-ZARA(ザラ)

 書店のビジネス誌コーナーで時間をつぶしていた時、ハーバード・ビジネス・レビューの「在庫最適化のサプライチェーン」特集のタイトルが目に入ったので、手にとってみました。日本にも進出しているスペインのファッションSPA(製造小売業)、ZARA(ザラ)の記事が出ていたの読み始めたところ、なかなか読み手あるので、2200円と高い雑誌ながら、買ってしまいました。

 ZARA(ザラ)は、世界50カ国、650店舗を直営するインターナショナルなSPA企業で、日本へは、DCブランドで有名な、BIGI(ビギ)グループと組んで進出を果たし、現在、日本主要都市に次々に大型店を出店しており、感覚のよい女性を中心に、安いのにセンスがよい、と評判のファッションチェーンです。

 同社のことは、記事や人づてに聞いて、多少知っているつもりでしたが、記事を読み終えて、ここまで、本格的「製造小売業」なファッションSPAはないのではないか、と改めて関心させられました。

 同社の歴史は、1975年、当時アパレル会社を経営していたオルテガ氏が、卸会社に納品予定だった下着を大量キャンセルされ、その在庫をさばかなければ会社が倒産するという危機にさらされ、在庫を販売するために始めた店が発端だそうです。
 そのときの教訓から成功のためには、「片手は工場に、もう一方の手は顧客に触れていなければならない」つまり、顧客が購入するまでは、商品を自社管理しなければならない、という哲学をビジネスで実践してきたそうです。その結果が、全体の50%は自社生産。自社物流から南ヨーロッパは陸路、その他は、航空便を使って、世界の直営店にデザインを起こしてから15日以内に店頭に並べる仕組みをつくったわけです。

 今週は、このZARA(ザラ)について、綴ってみます。続きはまた明日。

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April 26, 2005

作り手側に固定概念はないか?

 シーズン売上でかつて上位だった12月が落ちている原因は間違いなく1年間でもっとも単価の高いアウター(防寒)が売れなくなっているからでしょう。暖冬の影響が大きいと思います。重ね着(レイヤード)の着こなしの定着、また、ユニクロがヒットさせたフリースなどの中間アイテムの影響もあって、アウターはここ5年くらい連続で各社毎年10%以上の前年割を続けているはずで、これは影響が小さくありません。

 こんな時代には、作り手、売り手も業界の慣習にとらわれず、お客さんの動向の変化に逆らわず、まずはお客さんが 財布の口を開いた通り 、いつ、何が、いくらで買われたか?すなわち消費者行動を素直に分析して受け入れてみたらどうか、と思います。
 そうすると、新しい消費パターンも見えてくるわけで、それで見えてきたパターンから、QR(クイックレスポンス)の機能を活用するのです。QRでは、前にも述べましたが、売れ筋を追いかけて顧客の飽きを誘うのではなく、仮説を立て、新鮮なアイテムにチャレンジするべきだと思うのです。

 109系の成功ブランドや、量販系でもハニーズのような企業は週間での政策見直しに対応できる業務を敷いていると思います。そこらへんが、百貨店ブランドがそれらの企業に大きく水をあけられている理由ではないかと思われます。

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April 25, 2005

ファッションビジネスにシーズンがなくなる?

 もう何年も、温暖化、天候不順といわれて久しくなりました。言うまでもなく、ファッション商品は特に寒暖の影響を受けやすい商品群です。 業界では、シーズンというと、もっぱら春夏秋冬を基軸に考えられていましたが、この仕事のやり方がファッション業界で通用しなくなってきているという話が業界新聞である繊研新聞で特集が始まりました。
 レディースの場合、最も売れる月は3月、次に10月、12月と続くのが、業界の常識でありました。春の実需と夏の新作(3月)、秋の実需と冬の立ち上がり(10月)、冬の実需(12月)というわけです。ところが、昨年は1番が1月(冬のバーゲン)、2番目が3月(既述)、3番目7月(夏のバーゲン)だったとのこと。
 
 この実情にもあるように、ここ数年ファッションリテールビジネスに携わっていて消費動向で感じるのは、
1.実需消費
体感的に欲しくなった時、本当に必要になった時に買う傾向。新しい提案が少なくなったせいか?
2.イベント消費
それより、GW、夏休み、クリスマスといったイベント時に集中的に思いっきり楽しむために買う。
それから
3.アイテムのシーズンレスです。
重ね着(レイヤード)需要が高まり年間通して売れる商品が増えた、または売れる時期が長くなった。(Tシャツ、タンクトップ、長袖Tシャツ、カーデガンタイプのもの、ジャージなど)

 そんなかんなで、シーズンとバーゲン時期の見直しが迫られているとのことです。
 もっとも小売の商品回転数(数量ベース)=実需(デマンド)は6-7回転くらいはあるわけですから、年間4回(3ヶ月にいっぺん)の企画(サプライ)では、飽きられてしまうわけですよね。

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April 13, 2005

ファッション商品を売り切る力

 ファッション商品は、ディスプレーに使ったり、店内マネキンに着せたり、販売スタッフが着たりすることによって、売れる確率が高くなるものです。これは、お客さんが商品を選ぶときに、「着たときの自分」を想像しやすい、という心理に基づくものだと思っています。業界では、VMD(ビジュアルマーチャンダイジング)と言います。
 この顧客心理をついて、アースミュージック&エコロジーを展開するクロスカンパニーでは、思ったほど売れない商品がある時に、その商品を売り切るために、ディスプレーをしたり、スタッフが着用したりして、売り切りコンテストを行うそうです。コンテストですから、がんばったお店には報奨金がでます。
 一般的に、ディスプレー推奨商品は、「売れるものをますます売るため」に行われることが多い中で、同社は「売りづらいものを売りやすくするため」に利用しているようです。これは、店の鮮度を落とすリスクがありますが、そこがブランドとスタッフに勢いがあるからこそできるのではないか、と思いました。 また、ディスプレーがたくさんある時には、実は、数量が少なくなった商品の最後の1枚を処分したい時にも有効なのです。
 マスマーケットではありますが、しまむらが2-3年前からディスプレー(VMD)に力を入れているのは有名な話です。彼らは、安いだけではなく、こういった顧客満足に訴える手法も欠かせないわけですね。最近見たTV CMは、一瞬PJ(ピーチジョン)のCMかと思いました。 このあたりが、最近のしまむらとユニクロの株価の違いにでているのではないか、と思います。

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April 12, 2005

ファッション商品の発注管理にどう取り組むか

 トレンド予測が当たったり外れたりすることが、会社の業績を左右することが多いものです。この永遠の課題をアースミュージック&エコロジーを展開するクロスカンパニーの事例で考えてみたい、と思います。
 
 同社は、計画発注は50%で抑える、展示会のよしあしで上下10%までの許容を認める。そして1.トレンド先読み、2.前年の売れ筋の進化版、3.定番 で各1/3づつ、とバランスを基準にしているとのことです。残りの50%は、シーズンイン後、追加や品揃え漏れをクイック生産で調整してゆくわけですね。
 この「1/3づつ」というのは、前のシーズンをきちっと検証していること、ブランドを支持してくれている固定客が何を望んでいるか、をつかんでいなければできないことです。こういった検証と仮説ができるということ、シーズン中に変化に対応できる体制が整っているということですね。
 また、各ブランド、マーチャンダイザー(企画・品揃え責任者)、デザイナー、生産管理 が一人づつしか置かないということで、意思決定の一貫性、スピードアップ、責任の明確化を行っているわけです。
 
 このあたりは理想的な体制ではないかと思います。会社が大きくなっても、意思決定のスピードを重視した、組織単位づくりが大事だと思います。

クロスカンパニーHP
アースミュージック&エコロジーHP

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April 03, 2005

顧客満足を実現するQRを妨げるもの

 今週はアパレル業界のQR(クイックレスポンス)について綴ってきました。
 これをきっかけに、業界のいろいろな方ともお話しましたが、やはり、生産側からすると、QRを実現するインフラは整っていると実感しました。 むしろ、何をQRするかの意思決定をするのに、小売最前線に問題があるとの指摘が多かったです。 つまり、顧客需要にあわせて、予測して何を売るか?が、ほんとにわかっているのか?という疑問です。それを打ち合わせせず、「売れ筋をもってこい」、の話に商談が終始しているのではないか、だから店頭商品が同質化し、お客さんにすぐに飽きられてしまうのではないか、と思うのです。
 
 ファッションアパレル業界に限らず、業界の中でもっとも利益を生む情報は、小売業とエンドユーザー(消費者)との接点にあります。つまり店頭の状況と店頭販売情報です。 ここで小売サイドのリーダーシップが発揮できなければ、サプライチェーン、ひいては業界総崩れとなるわけです。
 特に百貨店系は深刻な話を聞きます。 委託販売、派遣社員を送り込んでいるアパレルの方も販売・在庫情報が取れない、取らせてもらいえない、百貨店自身も取っていない、という状況も少なくないようです。 百貨店のバイヤーがスーツの売れ筋傾向をつかむのに、手書きの補正伝票(寸法直しを管理する複写伝票)を一枚づつめくっているという話には、ちょっとビックリしたものです。
 
 情報システムとマーケットリサーチと仮説で成功している企業の事例をいくつかご紹介しました。
成功している企業の共通点は、
1. 情報を正しく捉えること、
2. お客さんを飽きさせないこと、
3. 仮説をたててスピード行動すること、
4. ブレが発生したらスピード修正すること
を実践し、リーダーシップをもって顧客満足と企業収益を実現していることです。

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April 01, 2005

本格的QRを実践する日本のアパレルSPA(製造小売業)

 15年前に書かれた 「リミテッド社はなぜ世界最大になれたか」 はユニクロ、しまむらといった超優良企業のビジネスモデルで参考にされてきました。 しかし、この手法で今、最も板についたオペレーションを実践しているのは「ハニーズ」だと思います。東京23区の人にはあまりなじみのない企業ですが、昨年ジャスダクに上場し、年間で100店舗近くを出店するという、レディースカジュアルファッションでは、最も勢いのある会社です。

 同社はヤングレディースの今流行のカジュアルファッションを平均1900円で販売する、仕入れと自社企画製造を組み合わせたチェーン店ですが、自社企画も60%はあるということですからSPA企業と言ってよいと思います。
 毎週、販売データ分析、店頭の意見、原宿と渋谷での定点観測を総合させて、売れる商品の仮説を立て、その週の週末までに中国の工場に発注をかけるのを週間業務にしています。それをサポートするQR生産システムは、国内自社工場、提携取引アパレル、中国工場との直接商談(オペレーションは商社が代行していますが)と考えられるすべての方法論を駆使しています。
 一回投入した商品はまったく同じ形では追加をかけるということもしないようです。売れる要素を分析してちょっと違う商品を発注かけるので、毎週新しい商品が入荷するわけです。お店による売上のばらつきは店間移動で解消しています。
 これもお客さんのことを考えていますね。ハニーズの売り場に行くといつも10代の女の子が楽しそうにどれにしようか、と選んでいる姿を目にします。

 ハニーズは立派な21世紀型デマンドチェーン経営実践企業だと思います。

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March 31, 2005

ファッション製造小売業(SPA)の先輩から学ぶもの

 やはり触れておかなければならないのは、QRの生まれたアメリカの先輩SPA企業、レス・ウエックスナー氏創業のリミテッドグループでしょう。リミテッドブランズ社は最近では日本でも有名になったアバクロンビー&フィッチやビクトリアズシークレットを生み出した企業グループです。今はGAPグループの方が大きいですが、かつては世界一のファッションリテーラーグループでした。

 彼らのQR活用手法を簡単にご紹介すると、
1.コレクション情報、マーケットリサーチから、これは売れる、と思うものをバイヤーたちがヨーロッパのブティックの店頭で5店舗分買い付けをする。この際、1枚や2枚のサンプル購入ではなく、5店舗の売り場が作れるくらい大量に買う。
2.「リミテッド」のラベルに付け替えて、自分の店で売れるであろう価格をつけてあらかじめ決めているパイロット店舗5店舗で実験販売する。
3.販売結果、反応のよかったものの要素を分析し、即座に海外に仕様書発注。
4.発注した商品は、チャータージェット機まで使い、最長6週間でセンターに入る。
入荷した商品の販売、消化はすこぶるいい、とのことです。

 これらの彼らのSPA手法は、15年前に書かれた 「リミテッド社はなぜ世界最大になれたか」 に詳しく書かれています。

 マーケット分析、顧客分析を通して実験を繰り返す、科学的ファッション手法を体系化した世界のSPA企業のお手本です。日本のSPA企業にも応用できる要素がいっぱいあります。同様の手法は日本に進出しているZARA(ザラ)も使っていますね。ZARAの場合は、実験商品を自分たちで生産できる工場をスペインの本社の敷地内に持っているとのこと。これも強みですね。

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March 30, 2005

ファッションライフサイクル論

 商品の寿命、陳腐化は、経営学的に言うと、プロダクトライフサイクル曲線というもので表現できます。わかりやすく言うと、富士山の形のイメージ。まず、徐々に売れ始め、なだらかな右上がりの線を描きます。頂上(ピーク)に差しかかると、しばらく横ばい、その後、なだらかに右下がりの線になるので「富士山型」と言います。
 ところが、トレンドのスピードが速くなると、セブンイレブンジャパンの鈴木会長の言葉を借りると、茶筒型になります。茶筒というのは、古い言葉なので、「ビル型」と言った方がいいかもしれません。すなわち、売れ筋は一瞬にして売れ、売上はすぐにピークに達します。その後しばらく横ばいになりますが、突然ストーンと急直下、売れなくなる、というわけです。
 そのため、今、売れているものは、飽きの早い生活者にとって、早々に、陳腐なもの、流行遅れのものとなるというもの。そうならないようにするために、お客さんの動向を粒さに観察し、世の中のトレンドとすり併せて次なる商品のチャレンジ(仮説)をし続けなければならない、と言いますが、この考え方はまったく、ファッションにも言えることです。

 明日からは、業界のQR(クイックレスポンス)チャレンジの実践事例に触れて見ます。

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March 29, 2005

ファッション、クイックレスポンスの功罪

 昨日は百貨店アパレルの事例に触れましたが、そもそもクイックレスポンスって何でしょう。
 MJの用語解説の言葉を借りれば、1980年代にアメリカアパレル業界を中心に進んだサプライチェーンマネージメントのひとつ。初期生産量を抑え、シーズン売れ筋商品の機動的な追加投入が可能。在庫リスクを最小限にし、欠品を減らし、生産調達の合理化につながる、とのことです。
 また、ファッションアパレルでクイックとはどれくらいクイックなのでしょうか?
経験的な話になりますが、国内で染色が終わった生地または糸があれば、発注から1-2週間で店頭。 中国でも4週間、韓国だとソウルやプサンで1週間以内も可能です。シブヤ109の著名ブランドの多くがこの韓国のクイックレスポンスを使ったのは有名な話です。
 古い話ですが、アムロがバーバーリーチェックのスカートを履いてTVのインタビューに応えた、とか、アユが・・・を着た、と見るや、2週間くらいでコピー商品が多くの店頭に並ぶのも、普通な話となりました。それがまた実際売れてしまうんですね。同じような商品が多くの店頭に並び、同じ服装をした人々が街にあふれたらどうなるでしょうか・・・

<続きはまた明日>

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March 28, 2005

QR(クイックレスポンス)、アパレル効率生産の罠

今日の日経流通新聞(MJ)の一面の記事見出しです。興味深い記事なので、今週はこのあたり、を中心にブログを綴っていこうかな、と思います。

この記事は百貨店アパレルを中心に取材した記事です。アパレルがシーズン中に、売れ筋を見極め、新規発注、追加生産するQR。このQRがそこそこ定着してきましたが、このQRにとらわれると、売り場で商品の同質化を引き起こし、顧客離れを起こしてしまう。よって、計画生産の比率を高め、独自性を出してゆく百貨店アパレルが増えてきた、という事例の話です。
 残念ながら、百貨店やショッピングセンターで、近隣店舗の売れ筋をそのまま追いかけ生産したら店頭が同質化するのは、あたりまえだと思いました。
 情報化が進み、今やファッションアパレル商品の寿命は8週間といわれるスピード。一方、作る側も、日本国内、韓国、上海と生産を使い分け、4-6週間で納品される体制が整ってきました。いつ、何を作ってお店に並べるか?が問われている時代です。
 作り手の計画や勘ではなく、試行錯誤して、顧客心理を読み取った上でこの生産システムを活かしている企業が勝ち組となっていると思います。
 どのように企画して生産するかは企業の個性ですが、その前に、ファンにはどんなお客さんがいて、そのお客さんのどんな気持ちに訴えかけるか?ここらへんをはっきり確信して行えば、QRも絶大な力が発揮できると思うんです。

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March 18, 2005

ファッション小売でも活かされるトヨタのカンバン方式

 競合店が既存店前年割れに苦しむチェーンストアの中で、あるジーンズ専門店は、ジーンズのカンバン方式で業績を伸ばしています。

 一般的にジーンズやシューズは、品番あたりのサイズが多く、単価の高い商品です。顧客の期待に応えるためには、必然的に在庫が膨れ上がってしまい、効率が低いため、企業の資金繰りを圧迫する頭の痛い商品群でした。
 それに対し、このチェーン店では、店別のジーンズの商品回転を分析して、最低限の店別在庫計画を作成、一方、サイズ切れによる顧客離れ、売り逃しを防ぐために、1本売れたら、翌日に1本補充するメーカーの協力と物流を整備しました。
 結果として、全体の在庫が大幅に削減されたにもかかわらず、機会損失を減らし、顧客満足を上げ、売上を上げました。まさしく、ジャストインタイム、トヨタのカンバン方式です。

 その昔、私がシューズバイヤーだったころも、同様の手法(仕入れとセンター物流の活用と店間移動の併用)で店舗ごとのサイズ切れを減らし、お客さんや店舗スタッフに喜ばれ、見事業績に貢献することができました。

 ファッション流通業界では、売り逃しを避けるために、店舗在庫が過多になったり、一方、売れ筋は逆に欠品してしまって、売り場の魅力がなくなり、その割には店員の商品管理作業が忙しくなり、笑顔も消え、顧客離れを起こすことが多いです。どんぶり勘定の「つけ」ですね。
 上記のチェーン店のように、システムを使って上手に商品管理をすれば、資金繰りだけでなく、品切れなし、という顧客満足を実現することによって、業績も向上するものです。ここにも、異業種の英知を活かした、企業戦略がありました。

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