April 06, 2012

ミャンマーで試される?日本のアパレル海外生産の姿勢

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 4月6日の繊研新聞一面にアパレル生産のチャイナプラスワンのひとつとして期待されているミャンマーに関する記事が掲載されていました。

 これまでアメリカがミャンマー軍事独裁政権への経済制裁目的でミャンマーからの輸入を禁じていたために

 ・アメリカのビッグオーダーという競争相手がなく

 ・歴史的に親日国であり

 ・人件費がASEANで最も安く

 ・人口5000万人の労働力の背景があり

 ・これまで軍政下ゆえにストライキで生産止まることのなかった

 ミャンマーはこれまで日本が与し易く、生産キャパシティが確保しやすい低賃金の生産国だったわけです。

 付け加えると、時折、量販店あたりで見かけるミャンマー製のシャツやパンツの縫製クオリティは、悪くないと私は評価しています。昔から、業界では、箸を使う国は、比較的、手先が器用で、縫製技術が高いと言われますからね。

 これに対して、4月1日の同国の総選挙の結果、民主化が進むことは間違いなく、アメリカの経済制裁解除は時間の問題。

 そうすると、アメリカのビッグオーダーによって日本の小さなオーダーが弾き飛ばされてしまうのではないか?と心配しているのが今回の記事の主旨です。

 記事によれば、現地にはわずかに日系の工場はあるようですが・・・

 現地資本に加えて、早くから目をつけた韓国系工場が多いようで、たとえこれまで日本企業のオーダーをあてにし、友好関係だった工場も、アメリカの制裁解除の暁には、細かく手間がかかる日本のオーダーに対しアメリカのビッグオーダーを優先することは、想像に難くないというわけです。

 この記事を読む限り、日本企業の生産国への入り方、根っこのところは昔とちっとも変わっていないのかなあ~と考えさせられてしまいます。

 かつてベトナム生産する時も韓国や台湾の企業経由。中国生産を始めたころも、中国企業が日本語で直接取引してくれるまでは、香港や台湾の企業経由。現在も、カンボジア生産は、ほとんど中国企業の現地工場ではないでしょうか?

 日本企業は昔から、いい意味で言えば、分業が進み、お互い、役割分担をして、任せる、リスクを分散する信頼関係?の上にビジネスを構築してきたところがあると思います。

 うまく行っている時はよいですが、悪く言えば、無責任で業者任せ。誰が主導権を持っているのかわかりません(「買う側」が威張っているのは間違いないですが、主導権を取っているわけではないように思います)。

 スピードとコストが優先される競争局面に入ると、先見の明があり、リスクを取って直接入り込み、投資をして根っこをおさえる韓国企業や中国企業に主導権が移るのは、ファッション業界に限ったことではないでしょう。

 日本の企業の中でも、異業種で、輸出を中心にしていた企業さんなんかは、自ら入り込み、直接販売する開拓的な営業を取られている企業もたくさんあるようで、リスペクトしていますが・・・

 日本マーケットをターゲットに、国産や輸入を中心としていたアパレル業界は、グローバル時代に、「業者思想」から脱却し、リスクヘッジからリスクテイクへの体質改善が迫られそうです。

 そんな意味で、上述のように、日本にとって失いたくない、最後に残された?素敵なパートナー国家である、ミャンマーで・・・

 日本のアパレル企業は、みすみすチャンスを失うのか?それとも海外生産の姿勢を変えて安定供給体制を確保するのか?ミャンマーは、その試金石になるのではないかと注目しております。

関連エントリー-グローバルSPAが生産する国の賃金比較

関連エントリー-日本人の開拓者精神、ハングリー精神

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March 21, 2012

ファッションビジネスの売り逃し

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 3月19日の繊研新聞に、2月29日東証マザーズから東証1部上場に指定替えとなった、ゾゾタウンを運営するスタートトゥデイの前澤社長のインタビュー記事が掲載されていました。

 同社が成長のキーワードとして掲げる「ファッションビジネス業界の効率化」

 関連して、私の琴線に触れた部分を紹介させていただきます。

 記事によれば、同社が約94億円の商品取扱高を上げた昨年12月に、ゾゾ内の再リクエスト総額は約65億円分あったことに対し、(以下引用)

 「あるブランドの協力で調査したら、リクエストの6割の商品が店頭や倉庫に存在した。つまり売り逃し商品だ。買いたい人がいるのに商品を届けられない歯がゆさ。この実態を知ったら、経営者はどうするだろう。」(以上引用)

 店頭でも売れるものを、すべてゾゾ最優先に回すことは難しいにしても・・・この前澤社長の商売人根性、何とかしようという執念、実際の取り組みを業界の経営陣の方々は見習うべきでないでしょうか?

 なぜなら、同じことがリアル店舗でも毎日のように起こっているからです。

 ファッションビジネスのキモは、常に同時多発する「売り逃し」と「在庫過多」をどう最小限に食い止めるかにあります。

 私が専門にする在庫コントロールも、需要予測と購買行動分析から、その2つへの対処を年中考える業務に他なりません。

 しかしながら、実態をつかめず(つかまず?)、具体的な対処ができず、放置しているケースが業界にどれだけ多いことか・・・

  そのあたりに取り組むだけでも顧客満足、売上、在庫、キャッシュフローは確実に改善することは誰もがわかっているはずです。

 どうせ実態なんかつかめないんだから・・・という「負け癖」ついていませんか?

 eコマースの成長期にあたり、リアルとウェッブの相乗効果を目指す業界の中で・・・

 私がeコマースの流通革新に期待していることのひとつは・・・前澤社長が言われるように、売り逃しの実態をつかもう、具体的な対策を講じようと考え、行動に移すきっかけになってくれることです。

 決してeコマースにしかできないことじゃない、その諦めない、何とかしようとする執念こそが大事なのだと思います。

 お客さんが欲しかった商品を手に入れる喜び、それを手助けできたことを自分のことのように喜ぶ店舗スタッフのために。

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March 20, 2012

しまむらの業績は一番わかりやすい衣料消費インデックス

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 3月19日の日経新聞、月曜経済観測に、ファッションセンターしまむらを展開する、しまむらの野中社長のインタビュー記事が掲載されていました。

 内容は、東日本大震災後の都道府県別消費動向から、同社のメイン客層である主婦の購買心理、最近では、ティーンズ向けトレンド商品を強化していることから、カジュアルマーケットのトレンド動向まで、とてもわかりやすく語られていました。

 しまむらは、ご存じの通り、全業態含めて全国1700店舗以上を展開し、今のところ手薄な東京、大阪の都心部を除き各地域で一定のマーケットシェアを持っており、なおかつ、実用衣料から1470円、1870円をプライスポイント(最多価格帯)とする低価格のシーズントレンド商品まで幅広く品ぞろえ、おもいやりをもって安定供給しているので、

 同社の既存店売上高前年対比をはじめ、同社の数値は、かなり信頼性の高い衣料消費インデックス(指標)として、業界、投資家の中で、定評があります。

 これまでの?ユニクロのそれが、ヒット商品やプロモーションによって乱高下しているのとはとても対照的だと思っています。

 まあ、それも企業、経営者の生きざまですので、どちらが正解とは言えませんが・・・

 持続可能な成長、従業員の成長・働きがいがテーマの私としては、しまむらさんから学ぶことの方が多いですが・・・ドラマとしては、ユニクロさんの方が面白いですかね~(笑)

 そんなしまむらの野中社長によれば、

 消費の底堅さを実感している

 といいますから、業界にとっては明るい話ではないでしょうか?

 さて、以前も何度かブログでご紹介しましたが、同社が決算ごとにリリースする決算概要は、ファッション流通企業がKPI(key performance indicator)=重要業績評価指標としている数字をとても細かに公表しているので、経営者、経営企画担当者のバイブルと言っても過言ではありません。

 しまむら 直近決算概要

 うちのマーケットは違う、うちはトレンドファッションを売っているのだ、と思われる方も、過去数年間分を一読されたらいかがでしょうか?

 目から鱗の数値が沢山出ていますよ。 

 よく業界の初対面の経営者の方から、業界水準(数値)を教えてくれ、と言われることが少なくありません。

 事情をお聞きして、数値を選んでご紹介することもありますが、まずは決まって、しまむらの決算概要をご覧になったらいかがでしょうか?とお勧めすることにしています。 

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March 11, 2012

ユナイテッドアローズがGoogle(グーグル)ローカルショッピングに参加

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 3月7日の日経MJに、セレクトショップ大手のユナイテッドアローズ(UA)が、検索エンジンサイト、Google(グーグル)が提供するサービス、Googleローカルショッピング(Google ショッピング内のサービス)に参加し、クロームハーツ、アウトレットなどを除く、同社のほとんどの業態の全店の商品在庫情報をネット上で公開し始めることに関する記事が掲載されていました。

 Googleローカルショッピングとは、Googleから→ショッピングと進み、商品名を入力すると、複数のECサイトのポータルになっており、そこから商品が購入できるサービスですが、

 更に、商品名の下に「付近の店舗」というリンクが表示されたものについて、Googleマップで在庫のある店舗の所在地、営業時間、電話番号などが表示される付加サービス。

 顧客は、その店に出向いて行って、商品を確認(試着)の上、購入することができるわけです。

 昨年発足当初、ヨドバシカメラ、ブックファースト、東急ハンズ、HMV、無印良品等がこの店舗在庫情報サービスに参加しており、この度、上新電機、紀伊国屋とともに、ユナイテッドアローズ(UA)がファッションストア第1号として、加わったようです。

 試しにUAの自社通販サイト、UAオンラインにあるの商品名を、いくつかGoogleショッピングに入力してみると・・・出ますね、商品在庫のある店舗情報。

 もともと、UA自身も、UAオンライン上で1時間ごと情報更新で店舗の在庫を公開していますので、その情報を適時、Googleに提供することによって、実現したのでしょうね。

 O to O(オンラインtoオフライン)時代に、店舗の商品在庫をネット上で一般公開し、お客さんを在庫のある店舗に誘導する試みは、小売りビジネスに求められる最新サービスのひとつだと思っています。

 私の専門分野である、「在庫コントロール」の観点から見ても、これは、ある意味画期的なことだと思うんですよね。

 なぜなら・・・

 在庫コントロールは本来、需要予測と顧客購買行動分析に基づき、お客さんが、店舗にお買いものにいらっしゃった時に、欲しいと思う商品の在庫を欠品させておかない、がっかりさせない、いわゆる売り逃しを出来るだけ少なくして、売上を最大化させる技術のひとつだと思っていますが・・・

 当然のことながら、お客さんの行動は、予測通りになるとは限らないもの・・・

 であれば、ある程度の在庫調整、在庫コントロールの努力はするものの、あとは、お客さん自身に在庫のある店舗を見つけてもらって、出向いて行ってもらい、ご購入頂くことによって補完して頂く。

 素敵ではありませんか?

 これは、今までの業務の常識を変える?お客さんとのコラボであり、かなり革新的なことだと思うのですよね。

 但し、これを実現するには、一方で、企業側の覚悟も必要なんですよね。すなわち、在庫管理の徹底も欠かせませんから。

 せっかく情報開示しても、入力ミスや棚卸ロスが重なり、データ上あるはずの在庫が店舗になかったら・・・お客さんをがっかりさせる、という逆効果になりますからね。(もっとも、在庫開示しても、念のため、お電話で確認いただいてから来店いただくべきものですが・・・)

 ですから、在庫情報公開と会社ぐるみの在庫管理の徹底への取り組みは同時進行でなければならないのです。
 
 このGoogleローカルショッピングのサービスは、もちろんスマホにも対応しているようです。

 そして、この先にある未来のサービスは・・・

 店頭で欲しくなった商品のタグ上のJANコード(バーコード)をスマホやケイタイに載ったアプリでスキャンすると・・・

 商品情報、在庫情報が表示され、お客さんが自ら考え、行動を起こせるようになること、なのでしょうね。

 関連エントリー-顧客を在庫管理に巻き込む最新技術

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February 03, 2012

クロスMDとセット率アップ

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 2月1日の日経MJにスーパーマーケットなどでは日常的に取り組まれるようになったクロスMD(マーチャンダイジング)の事例紹介記事が掲載されていました。

 クロスMDとは、関連する別部門に属する商品、たとえば、今の季節であれば、鍋ものの具材とポン酢などを部門を飛び越えて並べて、顧客に消費の具体的なイメージを持ってもらい、購買のスイッチを入れたり、買上点数を上げる努力をする陳列方法です。

 POSデータのバスケット分析、つまりどんな商品が同時に購入される傾向にあるかを分析し、同一部門商品を同じ場所に整然と並べるだけではなく、仮説を立てて提案型の演出を行うパターンが一般的で、記事によれば、最近では、専門チームを設けたり、メーカーの協力を得て、本格的に取り組んでいるスーパーが増えているようです。

 このクロスMDの記事、業種が違う食品スーパーの話だからと言って、スルーしてはいけません。

 なぜならば、ファッション小売業界も、一人のお客さん、顧客さんににどれだけ多く数量を買っていただくか?が勝ち残りのための経営最重要課題であり、その数値は

 1) ひとりのお客さんの1回のお買いものにおけるセット率(一人当たり平均買上点数)と

 2) 再来店頻度、購買回数

 に表れると思っているからです。

 昨今、「客数は減るもんだから、客単価を上げなきゃ生き残れない!」とおっしゃって、価格を意図的に上げたり、価格の高いものを売ろうとする経営者の発言を業界紙で目にしたり、聞いたりしますが、私は、その発想は、ラグジュアリーブランド以外では、非常に危険な、時代に逆行したものだと思っています。 

 売上高は

 客数x客単価(一品単価xセット率)

 で表されますが、上記の経営者様がおっしゃる一品単価アップの落とし穴は、

 セット率(買上点数)と客数が反比例して下がるところにあります。

 客単価を上げるなら、同一服種の一品単価(プライスポイント)は決して上げずに、キープしながら、できれば付加価値をつける、そして、別の商品をもう一点、数量を買ってもらう努力(=セット率アップ)をする

 あわせて、一回の購買金額よりも、頻繁に来店いただけるような魅力的な提案を繰り出し、来店頻度を高め、購買回数を増やす努力をする

 ことが、昨今、国内外の勝ち組SPAが愚直に行っている既存店売上増収の方程式です。

 これは、今は、単価、金額で取るのではなく、数量を売るビジネスを目指さなければならない時代だということに他なりません。

 そんな時代に、各社さんでは、どんな方法で、セット率を上げ、来店頻度を高める努力をされているでしょうか?

 ファッション業界では、店頭のVP(ヴィジュアルプレゼンテーション)の努力や雑貨の品ぞろえを増やして、取り組んでいるところも少なくないようですが、何枚あってもいい、定番品を欠落、欠品させない、という基本動作も忘れてはいけません。

 同業の発想に凝り固まるだけでなく、異業種にも視野を広げて、買上点数アップへ取り組みを考えることも、大切な時ではないでしょうか?

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August 11, 2011

POSデータから読み取れない店頭情報の収集例

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 先週(8月4日)から繊研新聞の一面で連載スタートした「変わる専門店の収益モデル」を楽しみに読ませていただいております。

 8月11日付の3回目では、市況が厳しい中、大健闘しているユナイテッドアローズ、ビューティー&ユース(B&Y)の店頭情報活用の事例が紹介されており、興味深く読ませていただきました。

 SPAモデルの広がりとともに、「店頭起点」がキーワードになって久しいですが、店頭の情報をどう吸い上げるか?それをどうMD精度向上に活かすかは各社の永遠の経営課題であると思います。

 各社さん、毎週月曜日に、店舗からの週報(週間営業報告書)を読んだり、気になったコメントについては、電話でのヒアリングをされているようですが、週報のテーマもフリーであるために、なかなか視点が定まらず、活かしきれていない事例を多く耳にします。

 予算対比、前年対比、売上ベストは、別に週報に書いてもらわなくても、POSデータの方が正確ですし(店長さんのお勉強のためなら意味はあるかもしれませんが)・・・

 せっかく店舗、本部お互いの時間を割くわけですから、POSデータからは読み取れない定性情報を体系的に収集したいものです。

 今回の記事のB&Yの事例にもありますが、来店客がインスピレーションを感じて、手に取った、試着検討したが、購入に至らなかった商品、買わなかった商品の理由分析、定性情報の定量化(データ化)は、有効として、有力企業で取り入れられている情報のひとつです。

 接客をメインにしているところは、接客の中で、顧客の声を聴いたり、反応を感じることはできますし、(シルエット、サイズの良しあし、価格など)

 セルフでも、気に入っただけ試着をしてもらい、買わなかった商品のかかったハンガーラックにある商品を分析、本部に上げることによって、

 MD(マーチャンダイジング)の改善、精度向上ができるとされています。

 後者の例で有名なのは、ZARA(ザラ)です。

 ZARA(ザラ)では、

・ひとりのお客さんに、6枚までの試着を促し、

・買わなかった4~5枚を売場に戻す前に、一定時間ハンガーラックに、溜めておき、

・それらの商品を分析、店舗スタッフが感じたことをスペイン本部に報告すること

 が店舗の重要な仕事のひとつに位置付けられているようです。

 当然のことながら、本部側には、その情報を受けるキャッチャー(専門職)がおり、彼らは、その定性情報を定量化して、デザイナーに直接伝達するのが仕事、この専門職の方々、本社に多数在籍しているようです。

 潜在需要を15日で商品化できる同社の経営戦略の肝(キモ)のひとつですから・・・

 もっともそんなZARAのようなQR生産ができなくても、

 作ってしまった商品を売りつけるのではなく・・・よりよいものを顧客に提供しようという気持ちがあれば、リードタイムの長い会社でも活かせる情報だと思います。

 本部バイヤー、MD、デザイナーにとっては、ちょいと耳の痛い話が集まると思いますが・・・

 一度トライしてみてはいかがでしょうか?

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August 05, 2011

中国生産のメリット、原産国を選ぶ理由

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 8月4日の繊研新聞に経済産業省が調査した東南アジア各国のアパレル縫製事情に関する記事が掲載されていました。

 中国の経済成長、人件費、原材料高を背景に、中国以外のアジアでの生産がここ数年の業界の最大関心事のひとつになっていますが…

 業界内の身近のアパレル生産に携わる方の話によれば、まだ話題になるほど中国を補完する新生産地開拓が進んでいないのが現状のようです。

 記事によると、当該調査ではベトナム、カンボジア、インドネシア、タイ、ミャンマーに関して、

 賃金コスト、技術・品質、生産ロット、キャパシティー、検品、物流・リードタイムの観点から比較し、

 各国の各項目を◎、○、△、×で評価した上で、比較的◎や○の多い、タイとベトナムを高く評価しているようです。

 多分この評価からすると、中国は、賃金コストは○~△でしょうが、後は◎になるのでしょうかね。

 今回の記事もそうですが、コストは高くなったものの、リードタイム、使いやすさで比べると、やはり中国有利、

 コスト面とリードタイム面だけでチャイナプラスワン、ポストチャイナを考えるのもどうか?と思ったりします。

 日本に進出済みのグローバルSPA、ZARA、H&Mなどの店頭をよく見に行きますが・・・

 是非、彼らがどんな商品をどんな国で生産しているのかを見てみてください。衿のサイズラベルのところに原産国があるので、すぐわかりますから。
 
 グローバル企業のグローバルソーシング(調達)戦略の中で、特に、中国で何を生産しているか?を見てみるといろいろな気づきがあります。

 日本にとっては、中国が近くて、最も使い勝手がよいので、中国一辺倒になりがちですが、彼らにとっては、中国は最も遠い国のひとつ。

 それゆえに、わざわざ遠い中国で作る訳ですから、中国が得意とし、中国で作ることにメリットがある商品だけを中国で生産することになります。

 ヨーロッパ企業から見た中国での適地適品を見てみると、我々が中国生産および海外生産ポートフォリオを見直しする時のよいヒントになるのではないかと思っています。

関連エントリー-中国生産問題の課題と対策に関する一考察

関連エントリー-グローバルSPAが生産する国の賃金比較

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July 11, 2011

アジア衣料品生産における商社の役割

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 7月10日付け日経MJに、大手商社のチャイナプラスワン、中国に続くアジアでの衣料品生産地囲い込みに関する記事が掲載されていました。

 記事によれば、

 丸紅は、ベトナム繊維最大手ビナテックス(ハノイ)と包括提携、ワイシャツ年400万枚分の生産キャパシティを確保。日本に限らず、中国含め、世界市場向けの生産にあてる模様。

 住金物産は、ミャンマーで年70万枚の生産ラインを新規確保、インドネシアではこれまでの90万枚だった生産キャパシティを150万枚まで引き上げるとのこと。

 これら2社のように、経済成長著しい中国の人件費高騰、内需拡大によって、新しい生産地、生産キャパシティの確保、陣取りが、現在、各商社アパレル部門の最重要課題のひとつになっています。

 中国問題によって、時代が大きく変わる今、商社にとってはビジネスチャンス。

 いづれは、中国のように、日本のアパレルメーカーやアパレルチェーンが現地工場と直接取引を始めるにしても・・・

 当面の間は、資金力、語学力、開拓者精神、コーディネート力のある日本の商社の腕の見せ所になるでしょう。

 しかしながら、中国の生産工場開拓時のように悠長なことは言っていられない事情もあります。

 輸入クオタ制が廃止された欧米が競合でしょうし、世界の工場だった中国自身もキャパ取りのライバルですから、記事の中の商社幹部の方がおっしゃるように、ここ1-2年で有望な工場の生産ラインはすべて押さえられてしまうことになるでしょう・・・

 というか、もうすでにいっぱいという話も頻繁に東南アジアに行かれている方からよくお聴きしますね。

 また、一般的に、中国工場開拓との違いは、多くの中国人が日本語を話してくれるという語学的な問題だけでなく、

・タイやインドネシアを除く、ほとんどの原産国が原材料を他国から持ち込まなければならないこと

・特に内陸の国では、工場から港までの輸送経路、輸送手段(陸運インフラ)は未整備のところが多く

・港まで着いても、日本への輸送期間が長いこと(中国沿岸部のプラス2-3週間くらいでしょうか)

 などなど、既存の物流に乗っかればよいという話ではありません。物流、インフラ整備の問題も同時に解決しなければならないわけですね。
 
 生産地開拓だけでなく、あわせて求められる国際物流の安全性、効率、コスト対策、組織力のある商社ならではの「お題」ではないでしょうか?
 
 原産国の事情も理解しながら・・・5年後にはアジアにどんな生産地勢力図が引きなおされているのでしょうか?

 とても興味深く見守っております。

関連エントリー-アパレル海外生産のチャイナプラスワン
関連エントリー-転換期を迎えた中国アパレル生産
関連エントリー-グローバルSPAが生産する国の賃金比較

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July 07, 2011

【御礼】7月7日セミナー「グローバルSPAに学ぶ発注、配分、補充、売り切り」へのご来場ありがとうございました。

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 7月7日、富士通マーケティングさん主催で開催されたファッションビジネスセミナーの講演を聴きに来て下さった皆様、お忙しい中、お暑い中、どうもありがとうございました。

 いつも会場をいっぱいにしてくださる、富士通マーケティングの皆さんの集客力にも感謝いたしております。

 今回は、過去にたくさんの皆様に聞いていただいた、定番講演、「ファッションストアの在庫コントロール」に、私の7年間のコンサルティングの成果とグローバルSPAの事例を盛り込んだ内容になりました。

 事例は大手企業のものでしたが、そのイズムは、すべてのファッション企業に通ずるものだと確信しております。

 たとえ、生産リードタイムが90日かかるファッション商品を扱っていらっしゃる企業でも、バーゲン時期しか売価変更できない企業でも、講演内容の中に、採用できる事例は複数あったはずです。

 是非、気づきを皆さんの企業用にカスタマイズして、運用してみてください。

 今回も講演の後に、多くのブログ読者の方と名刺交換をさせていただき、うれしく思いました。

 どうもありがとうございます。

 これからもどうぞよろしくお願いいたします。

 尚、来週は7月14日(木)、大阪東芝テックさんでセミナー講演を行います。関西の方、よろしかったら聴きに来てください。 

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July 06, 2011

無印良品(MUJI)の海外進出物流戦略

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 7月5日の日経新聞に、今後海外出店を加速し、2020年には400店舗超と海外店舗数が国内のそれを上回るという、無印良品(MUJI)を展開する良品計画のアジアハブ物流戦略に関する記事が掲載されていました。

 同社はアジア全土出店を見据えて、来年春にはシンガポールに物流拠点を稼働させ、

 既存の中国上海、華南地区の深圳(しんせん)の物流拠点も強化、日本を経由せず、欧米向けに直接発送できるよう整備をするとのこと。

 海外進出の先輩企業、良品計画の戦略は、これから中国を中心に、海外を目指す日本のファッションチェーンのひとつの参考事例になるでしょう。

 ファストファッションの雄、H&Mは極東を攻略するために世界で生産される商品を原産国から集め、まとめて東アジア各国市場に送り込むハブ物流を上海に構えた上でやって来たのは有名な話。

 市場としてインドあたりまでカバーするのであれば、良品計画のシンガポールはハブ物流として、いい拠点になるかもしれません。

 ZARAのように本国から世界を空爆する手もありますが・・・

 小売業の新市場攻略、物流が成功のカギを握ることは間違いありませんね。

 関連エントリー-グローバル企業の物流・出店戦略

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