December 15, 2013

IKEAの日本市場拡大に見るグローバルチェーンの商品開発とローカル対応

 クリックして人気blogランキングへ

 12月13日の日経MJの一面に日本上陸から7年が経ち6店舗ながら年商が700億円を越えた世界最大のホームファッションストア、IKEAの日本市場浸透戦略に関する記事が掲載されており、興味深く読ませて頂きました。

 IKEAのようなヨーロッパ系のグローバルチェーンの多くは、ZARA(ザラ)にしてもH&Mにしても、そもそも自国のマーケットがさほど大きくないため・・・ビジネスを考える時、常にグローバルビジネスを考えるのが通常です。

 それゆえ、どこの国に持って行っても通用するデザインや規格を考えて、世界統一企画で商品企画をするのが一般的です。

 ある進出国を攻める時、既存のMDの中から、個々の商品やサイズ展開を選別して対応することはあっても、その国のためだけの商品は作りません。

 一方で、ある国で気づいた何か新しいアイデアが、世界にとってもカイゼンすべき要素を持っている場合は、喜んで世界統一基準(企画&規格)に組み込むことを奨励します。

 そのためグローバルチェーンの現地法人には「世界統一商品」をいかにローカルマーケットに合った売り方で提案するか?が求められるわけです。

 記事の中では

・店舗の近くにあるマンションのモデルルーム(三井系、UR系)にIKEAの家具やホームファニシングを提供。モダンなコーディネイトでも、IKEAよろしく、手の届く価格だということで、マンション購入者に好感を得ていること。

・IKEAの店舗がないエリアでは、地元の建設会社と組んでIKEAのシステムキッチンを配したショールームを持つ。欧米のようなDIY(日曜大工)が一般的でない日本では、工務店と組んで施工を任せる取り組みが始まっていること。

・商品を自分で持って帰らない購買客の多い日本に合わせて、来年開業予定の東京立川店では、会計前に配送手続きができるような構造に変更。
 配送費用込みでも業界1位のニトリと比べて割高感のないようにしていること。

また、現在は

・欧米に比べると寝室を後回しにされがちな日本に、寝具および、くつろげる寝室空間を提案し、潜在需要を発掘するキャンペーンに注力しているとのこと。

などの事例が紹介されていました。

 最後の話は、通勤時間が長くて寝室にいる時間が短い、そもそも家にいる時間が短い?日本人に自宅での「くつろぎ」と「安眠」をもたらせれば日本の大きなライフスタイル革新になりそうですね。

 そんなイケアジャパン、記事によれば、2020年には14店舗で年商1350億円を目指しているとのことです。

 さて、記事を読んでいてあらためて感じたこと。

 この話、日本企業だけじゃなくて、アメリカのような自国マーケットが大きい国のリテーラーが海外に進出する時に共通する課題だと思うのですが・・・

 商品開発=デザインやサイズを自国マーケットに合わせて最適化して成長してきた企業が

 いざ海外に進出する時に

 ・現地に合わせた特別企画の必要性が議論されたり

 ・日本に上陸する外資系企業がジャパン社が思うような売上を上げられない時の理由をローカル企画がないところに求めたり・・・

 1国でビジネスを完結させるならそれでよいのかも知れませんが・・・

 果たして、そんなことを繰り返していてよいのだろうか?

 そういった発想で上記のヨーロッパ企業とのグローバル競合に勝てるのだろうか?

 そんなことを考えさせられたものでした。

 これからアジアにビジネスを拡大しようとする企業は、ユニクロやMUJIも含めて・・・

 ヨーロッパ企業がグローバルで通用する統一商品企画を考えたように・・・

 少なくともアジア各国で通用する統一商品企画&規格の検討を行った方がいいかもしれませんね。

 もっとも、すでに国内で確立されているブランドの場合は・・・大幅な変更のリスクを取ることはそう容易な話ではないと思います。

 そんな場合、いっそのこと、一からアジア統一ブランドを開発する方が早道かな・・・とも思えてきます。

 これから「グローバル」を考える時・・・そもそもビジネスの発想がグローバルから始まるヨーロッパ企業の事例はとても参考になるのではないかと感じている今日この頃です。

『人気店はバーゲンセールに頼らない 勝ち組ファッション企業の新常識』

 ZARA(ザラ)やH&Mのヨーロッパチェーンの店頭から感じられる目からウロコの事例を多数紹介しています。

  


いつもお読み頂きありがとうございます。
こちらのアイコンをクリックして応援よろしくお願いします!

↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓
blogrankings2  ビジネス・業界ブログランキング 【第2位】stay→(13.12.15現在)


 

| | TrackBack (0)

April 01, 2013

【出版のお知らせ】『人気店はバーゲンセールに頼らない 勝ち組ファッション企業の新常識』

 クリックして人気blogランキングへ 

 初出版本がいよいよ4月10日に発売されることになりました。

 タイトル 「人気店はバーゲンセールに頼らない 勝ち組ファッション企業の新常識」(中公新書ラクレ)

 齊藤孝浩(さいとうたかひろ) 著 中央公論新社 861円(税込) 2013年4月10日発売

 多くの方々に読んで頂けるように、そしてバッグの中に入れてもお邪魔にならないように、単行本ではなく新書サイズにこだわってみました(笑)

 【目次】

 はじめに
 第1章 勝ち組企業の年間計画
 第2章 勝ち組企業の行動サイクル
 第3章 勝ち組企業の販売戦略
 第4章 勝ち組企業の価格戦略
 第5章 勝ち組企業の在庫コントロール
 第6章 勝ち組企業が気遣う購買心理
 第7章 ファッションビジネスはどこに向かっているのか?
 付録  業界で学んだ情報収集、整理、活用術
 おわりに

 本の内容は 

 ZARA,H&M、ユニクロ、しまむら、ポイント、ユナイテッドアローズ・・・

 成長ファッション小売企業の最新事例や取り組みをできるだけたくさんご紹介しながら、ファッション・アパレル業界に限らない、小売りビジネスで大切なことをわかりやすく解説したものです。

 このブログと同じように、ファッション業界にお勤めの方はもちろん、幅広く業界の事情や事例を知っていただき、少しでも仕事のヒントになるように工夫をして書かせていただきました。

 ○流通業界全般の方には、いまや賞味期限が8週間と言われる(トレンド)ファッション商品を販売するファッション小売業のマーケット対応、リスクマネジメントを参考にしていただくために

 ○ファッション業界の方には、お客さんがしょっちゅう立ち寄ってしまう店頭の販売管理と在庫コントロールの新しいスタンダードや考え方を確認していただくために

 ○一般の社会人の方や学生さんには人気ファッションチェーンのとても真面目できめ細かい努力を知っていただき、より身近に感じ、もっともっとお買いものを楽しんでいただくために

 お読みいただければお仕事に役立つ、知って得する気づきが詰まっていると思います。

 最後の付録(8章目)の部分では、日ごろクライアント企業さんたちと一緒に実践している私のコンサルタント、ビジネスパーソンとしてのフィールドワークやノウハウを惜しげもなくご紹介しています。

 おかげさまで今年はファッション業界で働き始めて25年が経過し、独立開業10期目となる節目にあたる年になります。

 これまでたくさんのことを教えて頂きながら応援して下さった方々、

 店頭で感動と刺激を与えてくれた世界中のファッションストアに

 感謝と敬意を表して

 そして、これからお客さんをもっとワクワクさせながらファッション業界を流通業界を楽しく変えてゆく次世代の方々に

 ファッション流通ビジネスへの情熱を込めて贈ります。

 Amazonで予約受付中です。

 


 いつもお読み頂きありがとうございます。
こちらのアイコンをクリックして応援よろしくお願いします!

↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓
blogrankings2  ビジネス・業界ブログランキング 【第1位】up↑(13.4.1現在)


 

| | TrackBack (1)

January 23, 2013

品質を高め、実質的に価格を下げることが現代の価格破壊

 クリックして人気blogランキングへ

 1月22日の日経新聞、「プライスウォーズ (1)PB覇権 哲学の衝突」の記事にあった、イオンとセブン&アイの価格に対する考え方の違いはとても面白かったです。

・バイイングパワーによって「絶対的な低価格」を目指す イオン 

・価格は上がるが、価値や品質が高いものをこれまでの流通の常識を覆す価格で売り出すことによって「実質的に価格を下げる」ことを 目指す セブン

 プライベートブランド(PB)ビールの開発を行った両者の結論は

 ・100円の第三のビールを出したイオン
 
 ・イオンが販売するアサヒスーパードライよりも高い198円の100%モルトビールを出したセブン

 でした。

 記事の中のセブン&アイの会長 鈴木敏文氏の言葉

 「(ダイエーの故)中内さんは大量生産時代の価格破壊、質も高いセブンこそが現代の価格破壊だよ」

 なるほど~とうなずけます。

 購買層の絶対数としてはイオンの絶対低価格支持派の方が多いかも知れませんが・・・

 少なくとも、なんだかんだ言っても中間層の多い成熟マーケット日本では現行価格を下げることだけがチェーンストアの使命ではないことをセブンの鈴木会長は教えてくれています。

 後者の発想であれば、高所得者層の選択肢にも入りますからね。

 両者は同じチェーンストアでも、意外と同じ土俵で相撲を取っていないのがよくわかり、興味深いです。


 ここのところ本当に景気が回復したのか?政府の宣言通りデフレから脱却して物価が上がるのかどうかわかりませんが・・・

 新聞各紙で「(商品に付加価値をつけて)単価を上げたい」という経営者や商品責任者の発言が目につき、少々気になっています。

 お気持ちはわかりますが・・・今、販売している商品に少しくらい付加価値をつけて単価を上げたところでお客さんからはどれだけ理解を得られるでしょうか?

 それよりは、今までなかなか手が出ない価格だった商品や非日常を

 これまでの自社の中心販売価格またはそれよりは少し高いかもしれないけれども、

 企業努力で業界常識より遥かに安く(*)販売するしくみを作る。

 その方が、結果として単価を上げながら、実質 値下げ(価格破壊)ができるのではないか、とセブンの鈴木会長の発想を読んでいて、ふと整理がつき、スッキリしたものでした。

 ユニクロのフリースやヒートテックだってそうだったでしょう。

 ファストファッションだってそうです。

 比較するのはどうかと思いますが、回転ずしや焼き肉チェーンしかりです。

 それらより安い商品はマーケットにいくらでもありますが、何故それらは生活者に支持をされているのか?

 ただ単価を上げたり、下げたりすることを考える前に・・・視野を広げて、そんな商品、サービスを探してみたいものです。

 次の流通革新はそんなところから生まれるのではないでしょうか?

 (*)ご参考まで 「遥かに安い」の参考価格

 STEP1 7掛け は 通常セール価格レベル  
       ルミネ、セレクトが百貨店から顧客を奪った理由のひとつはここ。

 STEP2 半額  は 確実にお得と思わせる価格
       STEP3 流通革新への過渡期 ディスカウントプライス
 
 STEP3 3掛け は 興味があれば迷わずまとめ買いしてしまう価格 
       ユニクロなどチェーンストア流 流通革新プライス

 いつもお読み頂きありがとうございます。
こちらのアイコンをクリックして応援よろしくお願いします!

↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓
blogrankings2  ビジネス・業界ブログランキング 【第1位】stay→(13.1.23現在)


 

| | TrackBack (0)

January 19, 2013

カインズホームのプライベートブランド(PB)開発三原則

 クリックして人気blogランキングへ

 1月18日の日経MJ一面にベイシアグループ、カインズホームの創業者から2代目への世代交代への道のりについて書かれた記事が掲載されていますが・・・

 その中で、カインズホームのプライベートブランド(PB)開発に関する話がとても参考になると思いましたので、紹介させていただきます。

 ホームセンターはローコストオペレーションでナショナルブランド(NB)を低価格で販売することが多い中・・・

 同社のPB比率は4割とホームセンターの中では高水準のようです。

 記事によれば、同社のPB開発には三原則があり

 「機能」、「デザイン」、「コーディネート」

 同社ではこのうち2つ以上満たすことが成功確率を上げる鉄則としているとのことです。

 個人的な話になりますが、現在、生活圏の中で、インテリアというとイケア、無印、ニトリ、カインズあたりで買い回ることが多い我が家ですが、確かに最近はデザインが決め手でカインズで買うことが増えているんですよね。

 イケアほど重厚長大でもなく、無印良品ほど軽過ぎない

 ニトリよりおしゃれな色柄が多くてコーディネートができる

 価格が安い上に、機能的、さらにファッション化による3拍子がそろっているのがカインズのPBというのが私の評価です。

 ベイシアグループは、ニトリなどと並んでペガサスクラブの優等生企業、なるほど、記事を読んでいると、やはりペガサスクラブの故渥美俊一先生やおそらく桜井多恵子先生の教えに基づいてPB開発をされたとされる話が何回か登場します。

 このカインズのPB開発三原則の話を読んで、以前ある勝ち組成長ファッションSPA企業の方の話を聞いて感心した話を思い出しました。

 売り筋商品とは・・・

 お客さんにとってのメリットが3つ以上挙げることのできる商品。

 商品開発チームは常に顧客にとってのメリットが3つ以上あるかを考え抜いた上で商品化することを心がけている、

 という話。

 カインズ、成長ファッションSPA、両社の成長に共通するのは

 今や顧客メリットは1つや2つどころじゃ通用しない、価値を認めてもらえない時代であることがわかっているということです。

 目先の利益率確保でどこにでもあるような定番品のPB化を図る企業が絶えない中・・・

 彼ら彼女らは もう価格がこなれているのは当たり前、

 顧客目線の「開発原則」をしっかり持って、妥協をせず、考え抜いて商品化をする姿勢こそが・・・

 差別化につながるPB開発なんだということを教えてくれています。

 是非、肝に銘じておきましょう。

 関連エントリー-日経ビジネス記事「ベイシアの諦めない経営」を読んで

 いつもお読み頂きありがとうございます。
こちらのアイコンをクリックして応援よろしくお願いします!

↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓
blogrankings2  ビジネス・業界ブログランキング 【第1位】stay→(13.1.19現在)


 

| | TrackBack (0)

November 22, 2012

ABCマートがネット在庫を店舗と共有して店頭での売り逃し削減を目指す

クリックして人気blogランキングへ

 11月21日の日経新聞にABCマートが店頭で在庫切れの商品をiPadを使って発注できるサービスを22日からスタートすることに関する記事が掲載されていました。

 これはインターネット通販の在庫をiPadを使って来店客に紹介しながら、ネット通販用倉庫から顧客の自宅に届けるサービスで、年内に19店舗に導入し、2013年末には全店に普及させるとのこと。

 同社では、このネット通販用倉庫の在庫の共有により、小型の店舗でも100坪級の大型店の品ぞろえが網羅でき、既存店の売り上げ2-3%アップを目指しているとのことです。

 服よりサイズが多く、サイズ欠品による売り逃しが発生しやすい靴のビジネス。

 私もアパレル専門店で靴のバイヤーや店頭販売をしていたり、サイズの多いパンツの在庫コントロールに取り組んだ経験があるので、店頭の売り逃しの悔しさをサイズの少ない服の担当者以上に痛感しています。

 在庫コントロールの観点から、このウェブ在庫を使った売り逃し削減、売り切りへの取り組みは、これからのファッションビジネスのキモのひとつだと思っています。

 ABCマートや以前私のコメントが採用された10月8日の日経MJ一面記事のラコステの事例にみられるように、

 小型店の品ぞろえを補完する役割も大事ですが、私はむしろ、

 ある程度 消化が進んで、店舗段階では欠品が始まったりバラになった商品、

 販売期間が晩期に近づいて、集約が必要になった商品など全店の共有在庫をウェブ在庫に集約しておき、

 店舗で接客中に選択肢のひとつとして、顧客に勧めたり、顧客自身がネット購入できるようにしておくことは在庫を売り切る努力のひとつとして専門店の標準装備になるべきことではないかと思います。

 その導入に当たっては、店頭でお客さんが気に入った商品の在庫がなかったとき、似寄商品が検索できる機能があると更によいのではないかと思います。

 サイズが多い靴ビジネスで、「ないと言わない」ポリシー、最後の一点を売り切る執念をもつABCマートが始めた試み、ファッション専門店全体に広がることを願っています。

 関連エントリー‐「ない」と言わない、ABCマートの売り切る執念

いつもお読み頂きありがとうございます。
こちらのアイコンをクリックして応援よろしくお願いします!

↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓
blogrankings2  ビジネス・業界ブログランキング 【第1位】stay→(12.11.21現在)


 

| | TrackBack (0)

February 03, 2012

クロスMDとセット率アップ

 クリックして人気blogランキングへ

 2月1日の日経MJにスーパーマーケットなどでは日常的に取り組まれるようになったクロスMD(マーチャンダイジング)の事例紹介記事が掲載されていました。

 クロスMDとは、関連する別部門に属する商品、たとえば、今の季節であれば、鍋ものの具材とポン酢などを部門を飛び越えて並べて、顧客に消費の具体的なイメージを持ってもらい、購買のスイッチを入れたり、買上点数を上げる努力をする陳列方法です。

 POSデータのバスケット分析、つまりどんな商品が同時に購入される傾向にあるかを分析し、同一部門商品を同じ場所に整然と並べるだけではなく、仮説を立てて提案型の演出を行うパターンが一般的で、記事によれば、最近では、専門チームを設けたり、メーカーの協力を得て、本格的に取り組んでいるスーパーが増えているようです。

 このクロスMDの記事、業種が違う食品スーパーの話だからと言って、スルーしてはいけません。

 なぜならば、ファッション小売業界も、一人のお客さん、顧客さんににどれだけ多く数量を買っていただくか?が勝ち残りのための経営最重要課題であり、その数値は

 1) ひとりのお客さんの1回のお買いものにおけるセット率(一人当たり平均買上点数)と

 2) 再来店頻度、購買回数

 に表れると思っているからです。

 昨今、「客数は減るもんだから、客単価を上げなきゃ生き残れない!」とおっしゃって、価格を意図的に上げたり、価格の高いものを売ろうとする経営者の発言を業界紙で目にしたり、聞いたりしますが、私は、その発想は、ラグジュアリーブランド以外では、非常に危険な、時代に逆行したものだと思っています。 

 売上高は

 客数x客単価(一品単価xセット率)

 で表されますが、上記の経営者様がおっしゃる一品単価アップの落とし穴は、

 セット率(買上点数)と客数が反比例して下がるところにあります。

 客単価を上げるなら、同一服種の一品単価(プライスポイント)は決して上げずに、キープしながら、できれば付加価値をつける、そして、別の商品をもう一点、数量を買ってもらう努力(=セット率アップ)をする

 あわせて、一回の購買金額よりも、頻繁に来店いただけるような魅力的な提案を繰り出し、来店頻度を高め、購買回数を増やす努力をする

 ことが、昨今、国内外の勝ち組SPAが愚直に行っている既存店売上増収の方程式です。

 これは、今は、単価、金額で取るのではなく、数量を売るビジネスを目指さなければならない時代だということに他なりません。

 そんな時代に、各社さんでは、どんな方法で、セット率を上げ、来店頻度を高める努力をされているでしょうか?

 ファッション業界では、店頭のVP(ヴィジュアルプレゼンテーション)の努力や雑貨の品ぞろえを増やして、取り組んでいるところも少なくないようですが、何枚あってもいい、定番品を欠落、欠品させない、という基本動作も忘れてはいけません。

 同業の発想に凝り固まるだけでなく、異業種にも視野を広げて、買上点数アップへ取り組みを考えることも、大切な時ではないでしょうか?

いつもお読み頂きありがとうございます。
こちらのアイコンをクリックして応援よろしくお願いします!

↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓
blogrankings2  ビジネス・業界ブログランキング 【第3位】→stay(12.2.3現在)


 

| | Comments (0) | TrackBack (0)

October 14, 2011

開業5年、IKEA(イケア)船橋店が日本向けにショールームを大改装

 クリックして人気blogランキングへ

 10月13日の日経新聞に、日本再上陸から5年が経った世界最大のホームファッションストア、IKEA(イケア)の船橋店が、同社が売り物とする「ショールーム」の大改装に着手したことに関する記事が掲載されていました。

 日経新聞電子版にも同じ内容の記事が掲載されています。

 イケア船橋店、日本家屋ブース設置 初の大改装

 この取り組みは、開業から5年の間に、日本の住宅とのフィット&ギャップの研究を重ね、船橋店の周辺世帯に合わせた現実的な日本のマンションや一戸建ての間取りをショールームに再現し、その中で、IKEA(イケア)の商品をどう取り入れたらよいかをリアルにプレゼンテーションしようというもの。

 大きい部屋=ホームセットを10室
 小さい部屋=ルームセットを50室

 作る模様で、完成は12月17日、その間、改装工事をしながら営業は続けるようです。

 港北店も8月をめどに同じような改装に着手するようですね。

 私は、イケアのショールームを見て歩くのが大好きですが、確かに、日本の住宅には、非現実的な提案も少なくなかったと思います。

 料理好きなもので、特にキッチン周りは憧れて、ワクワクしながら時間をかけて見ていますが、残念ながら、どれも実現はとうてい無理なものばかりでしたね。

 ソファーも大き目のものが欲しかったけど・・・間口の関係で入らないと指摘され、ワンサイズ小さいものに変更した経験もあります。

 私も含めて、一般生活者って、見せられると、その気になって、期待も膨らむものですが、現実を知らされると、急激に冷めたりなんかするものですから・・・

 「期待未満の現実」をどう少なくマネジするかもビジネスにとって重要なファクターだと思います。

 これは、いくらVP(ヴィジュアルプレゼンテーション)の技術があっても、顧客が店頭で気に入った服や靴を見つけて一目ぼれしたとしても・・・サイズ欠品している状況を放置していたら意味がないことにも通じる話だと思います。

 さて、IKEA(イケア)の5年間の日本の現実の研究の答え・・・どんなものになるかとても楽しみですね。

いつもお読み頂きありがとうございます。
こちらのアイコンをクリックして応援よろしくお願いします!

↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓
blogrankings2  ビジネス・業界ブログランキング 【第2位】stay(11.10.14現在)


 

| | Comments (0) | TrackBack (0)

September 30, 2011

小売ビジネスを科学する!サイゼリヤの「おいしいから売れるのではない、売れているのがおいしい料理だ」を読んで

 クリックして人気blogランキングへ

 サイゼリヤ創業者で現会長の正垣泰彦さんの書かれた

 「おいしいから売れるのではない 売れているのがおいしい料理だ」(日経BP社)

 を読みました。

 会長、社長を筆頭に理系出身の社員が中心に、チェーンストアビジネスを科学的に考える外食チェーンとして定評のあるサイゼリヤの正垣会長初の著書ということで大変興味深く読ませていただきました。

 知る人ぞ知る話ですが、正垣会長は、チェーンストア理論でおなじみの故渥美俊一先生のペガサスクラブの、最も優秀な門下生のひとりであり、同理論を上手に取り入れて成功した経営者としても有名です。

 その昔、十年も前の話ですが、私も渥美先生の薫陶を受けていたころがあり、当時よく、渥美先生から

 「外食チェーンでは先を走るマクドナルド、吉野家、サイゼリヤはすでにカーブを曲がっていて、もはや背中は見えない。よっぽどのことでは追いつけない。一方、アパレルチェーンの連中は、それに比べたらユニクロの背中はまだ見えているぞ」、と発破をかけられたものです。

 残念ながら10年経った今、アパレル業界はユニクロの背中が見えなくなるくらい、すっかり独走を許してしまったようです(汗)

 昔話はさておき・・・

 同著は、正垣会長が外食産業関係者や飲食店経営者に語りかけるような異業種の話ではありますが、その話をアパレル小売ビジネスに置き換えたら・・・と考えながら読んでみると、実に当てはまることが多いと感じたものです。

 ファッションでも、小売ビジネスに携わる方々には、一般生活者の購買行動や、自分たちの経営感覚、業務のあり方、作業の決め方を考えるという視点で、共通点も少なくなく、気づきの多い書籍だと思います。

 では、私が、参考になると思い、ドッグイヤーをつけた箇所からいくつかご紹介しましょう。

○顧客にとって、「おいしい」、「まずい」(顧客満足)の基準は、(絶対的なものではなく)料理の品質と顧客の求める「用途」が合っているかどうかで決まる

 商品さえ良ければ売れるという作り手の自己満足の時代から、顧客が求める用途にあった品質と価格のバランスの時代へ。客数増(特にリピーター)こそがその唯一のバロメーター。

○店で起きるあらゆる現象を観察し、可能な限り、数値や客観的なデータに置き換えて因果関係を考える。

 売上だけでなく、経験値でも何でも、因数分解して、数値化(見える化)して、常に仮説検証を行う姿勢こそ「小売ビジネスを科学すること」の第一歩です。

○標準化のコツは、従業員の中で一番優秀な人間がやっている名人芸を誰にでもこなせるようにできないかと考えること

 いわゆるベストプラクティス、課題解決、成長、人財育成のヒントは社内にあるもの。

○「テーブルをきれいに拭く」という言葉は「布巾をテーブルの上で左右に4回往復させること」と決めよ

 これは耳が痛い!作業指示とは、本来、誰がやっても同じ結果が得られるようにしなければならないものです。

 その他にも、なるほどそういう風に考え、伝えればできそう、と気づきが結構ありました。

 渥美先生が、普遍的なもの、共通項を抽象的に語ったチェーンストア理論が、サイゼリヤ正垣会長流に非常に身近にわかりやすく感じる書籍でもあります。

 この本を

 外食とファッションビジネスは全く違うから参考にならないと思うか?

 それとも

 異業種からも学ぶもの、ベンチマークできるものは沢山あるという貪欲な姿勢で読むか?

 で皆さんの未来は変わって来ると思います。ご興味持たれたら是非ご一読を。

関連エントリー‐サイゼリヤの生産性向上への取り組み
関連エントリー‐訃報 渥美俊一先生逝く

いつもお読み頂きありがとうございます。
こちらのアイコンをクリックして応援よろしくお願いします!

↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓
blogrankings2  ビジネス・業界ブログランキング 【第2位】→stay(11.9.30現在)


 

| | Comments (0) | TrackBack (0)

August 11, 2011

マクドナルドの次世代ビジネスモデル

 クリックして人気blogランキングへ

 8月10日の日経MJの一面にマクドナルドの次世代ビジネスモデルに関する記事が掲載されていました。

 記事では、

 ・個客対応型ケイタイクーポンの配信実験や

 ・カーナビからドライブスルーに事前注文ができるしくみのアイデア

 などITを活用したサービス、効率向上のアイデアや

 ・店舗を増やさずに、1店舗あたりの売上を上げる戦略

 などが紹介されており、興味深く読ませていただきました。

 異業種ではありますが、外食産業のキング、日本マクドナルド(原田CEO)のマーケティングや着眼点はすべての流通企業にとって、参考になることがたくさん詰まっていると思っています。

 なぜならば・・・今やモノを売る時代ではなく、購買行動の半歩先を考え、かゆいところに手が届くマーケティング、商品、サービス提案の発想が、一般顧客を対象にしている、すべてのリテイル企業に必要だからだと思います。

 そんな視点を持っていれば、業界内だけでなく、いろいろな元気企業から学ぶことができるのではないでしょうか?

 例えば、個客対応型クーポンを配信するには、言うまでもなく、まず客層分類と購買行動パターン、そして、どんなサービスを提供したら、いまよりももっと利用してもらえるか?の仮説が必要です。

 ライフスタイル、来店時間、購買パターン別にアプローチと琴線に触れる情報は違うわけで、マックが考えていることを読むと、ファッション専門店でも、もっともっとマーチャンダイジングの基本である、「客層分類」を社内で議論する必要性を考えさせられます。

 また、同社の店舗の大型化についても、ナショナルチェーンであろうが、ローカルドミナントチェーンであろうが、新店出店で売上を積み上げるのもよいですが・・・既存店のブラッシュアップ、テコ入れの重要性を考えさせられます。

 既存店が一定年度経過して、ピークを迎えるころ(一般的には5年くらいでしょうか)、改装が検討されることがよくありますが・・・

 果たして、経費をかけて、改装して売上が上がるのか?の声の大きな人?の一言に反論できず、議論が流れてしまうことがよくあるように思います。

 そうこうしているうちに、新規参入企業にシェアを奪われ、店は老朽化・・・なんて事例どこにでもありますね。

 地域複数店舗化も含めた同一優良商圏内での増床または増床移転は商圏を面で捉え、顧客利便性と経営効率の両方によい一手として、ここのところ注目されています。

 業界内でも、「増床移転」で売上を伸ばしている成功事例をよく耳にするようになりました。

 自社の業務を一歩引いて客観的に見直してみるのに、異業種ベンチマークは有効です。

 難しいことは考えず、まずは日経MJを購読することから始めてもよいかもしれません。

 私は、日経さんの回し者ではありませんが(笑)・・・お勧めします。

 ↓↓↓ 過去の「異業種から学ぶ」関連エントリーはこちら

 関連エントリー-異業種から学ぶ

いつもお読み頂きありがとうございます。
こちらのアイコンをクリックして応援よろしくお願いします!

↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓
blogrankings2  ビジネス・業界ブログランキング 【第2位】→stay(11.8.11現在)


 

| | Comments (0) | TrackBack (0)

March 20, 2010

開拓者精神で成長続けるサムスン

 クリックして人気blogランキングへ

 3月20日の日経新聞夕刊の一面に韓国のサムスン電子が、アフリカ、中東、中南米、旧ソ連地域など23カ国のエレクトロニクス市場としては未開拓の地域に赴任する駐在員を社内公募し、おもに30代前半の若手社員を中心に抜擢する人事制度を初めたことについての記事が掲載されていました。

 同制度は、早くから新興国市場での販売に取り組み、世界でくまなく稼ぐ同社のグローバル戦略の延長線上で、さらに奥地に攻め込んで、日米欧のエレクトロニクスメーカーに先んじるとともに、開拓者精神を煽りながら、世界に通用する人材育成を図ることを目的にしているようです。

 最近、日経新聞や経済週刊誌でサムスン電子のグローバル性(海外売上比率の高さ、社員の語学力の高さ)、成長性、いまやソニー、パナソニックを抜き去った・・・などなど、グローバル時代に手を打ち続ける同社の記事が頻繁に目に留まるようになりました。

 世界で2番目に大きな市場=日本をバックに、ぬるま湯の中で成長を続け、安定を求めて汗をかくことをしなくなった日本企業と、北欧のスウェーデンのように、人口の少ない母国のマーケットを当てにすることなく、子供のころから海外ビジネスを前提とした国際性や開拓者精神を植えつけられてきた韓国人、韓国企業の差が、ここのところ鮮明に現れてきていると危機感を感じるのは私だけではないはず・・・

 この兆し、現象はファッション業界の裏舞台の各所にも現れています。

  ↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓

関連エントリー-ファストファッションとコリアンパワー
関連エントリー-日本人の開拓者精神、ハングリー精神 

いつもお読み頂きありがとうございます。
こちらのアイコンをクリックして応援よろしくお願いします!

↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓
blogrankings2  ビジネス・業界ブログランキング 【第1位】→stay(10.3.20現在)

14.異業種から学ぶ | | Comments (2) | TrackBack (0)

より以前の記事一覧