October 12, 2020

ニトリのアパレル事業成功の可能性

20200922_194530先日発表された、ホームファッションチェーン最大手=ニトリの2021年2月期の上半期決算は売上高前年比113.7%、営業利益同139.7%の大幅増収増益、過去最高益を更新し、同社は2020年通期決算を上方修正しました。

コロナ禍の消費が家の中に向く、いわゆる「巣ごもり需要」をしっかり取り込んだ格好で、休業に追い込まれなかった郊外フリースタンディング立地の強みを活かして、上半期の既存店買い上げ客数が114%増、加えて、これまで磨き上げて来たEコマースをフルに活かし、前年比156.3%となったのが大きな要因です。

同決算発表時に同社が、今後アパレル事業にも力を入れる、と宣言していたので、今回はニトリのアパレルビジネスの可能性について考えてみました。

ニトリ社は、筆者もかつて、小売事業会社勤務時代に学ばせて頂いた、故 渥美俊一先生のペガサスクラブの最優等生企業の1社で・・・アメリカや海外のチェーンストアに刺激を受けてビジネスのロマンを抱き、チェーンストア理論の原理原則を正しく理解され、試行錯誤を繰り返しながら、仕様書発注が基本で、自前工場まで持つ製造小売業を貫いて来られ、

出自は家具店ながら、季節にあわせてコーディネート提案をするという発想もしっかり持ち合わせていらっしゃる企業ということで、筆者はその取り組みや姿勢をリスペクトしている異業種企業のひとつでした。

今回、初めて、決算財務諸表を見て驚いたのは、その収益性と在庫効率の高さでした。

ニトリ
       2020年2月期(通期)  2020年8月期(半期)     
粗利率      55.2%         56.7%
販売管理費率   38.5%         34.3%   
営業利益率    16.7%         22.4%

在庫日数     74日          60日

※ お断り: 在庫日数は 期末在庫原価を翌四半期の1日あたりの売上原価で割っています。

一般的に、家具やインテリアショップチェーンは、取り扱いアイテムの顧客購買頻度がアパレルなどに比べて低いので、年間の在庫回転が低い代わりに・・・高い粗利率で稼ぐビジネスモデルと認識していたのですが・・・

同社の場合は、自社商品開発による高粗利率や営業利益率の高さだけでなく、
何より、際立った在庫日数の短さ(在庫回転数にする時は365÷在庫日数で判断下さい)

に目が留まりました。

おそらく、取り扱いアイテムの中で、顧客の家具の購買頻度は高くはないと思いますが・・・

季節にあわせて、コーディネートして着替えることを提案するファブリック(各種カバー類)、
防寒、冷感アイテムなどのシーズナル商品や、
低単価の消耗品(電球・乾電池、オフィスサプライなど)などが商品回転の高さに寄与しているのでしょう。

また、直貿(直輸入)が圧倒的に多いのですが、本来であれば、在庫過多になりがちなところを、在庫日数が長くならないように、サプライチェーン管理を徹底されているのでしょうね。

ちなみにアパレル大手のファーストリテイリング社とZARAのインディテックス社の直近の開示数字と比べてみると、

ファーストリテイリング
        2019年8月期(通期)     
粗利率         48.9%
販売管理費率      37.3%
営業利益率       11.0%
在庫日数        119日

インディテックス は 2020年1月期末はコロナ対策決算をしているイレギュラーなので、2019年8月の半期決算の数字で、平時で見てみます。

       2019年1月期(通期) 2019年8月期(半期)     
粗利率        56.7%     56.8%
販売管理費率     40.0%      40.9%    
営業利益率        16.7%     15.9%
在庫日数       102日      87日

これらの数字を見る限り、ニトリは国内中心事業ではありますが、財務構造や収益性や販売効率の良さは、世界トップクラスのアパレル企業に似ている、いや、それら以上に良い、と言えるかも知れません。

なぜ、同社の収益性や在庫日数(在庫回転)に着目したかというと、

小売業は粗利率x回転率ミックスのビジネスであり、構造が全く違うカテゴリーに手を出すと、既存のビジネスと折り合いが上手く行かなくなり、バランスを崩し(売れない、儲からない、在庫過多に苦しむなど)、早々に失敗、撤退になる事例が少なからずあるからです。

一方、既存ビジネスと客層が近い、あるいはすそ野を広げる効果があり、既存ビジネスと比べ、適度に利益率が高めで、適度に回転率が良ければ、儲かる、良いビジネスと認識され、次のビジネスの柱や成長エンジンになることもあり得ます。

例えば、ユニクロがかつて取り組んだ野菜などは、企業力はあり、志は評価できたとは思いますが、全く違うビジネス構造、本当に畑違いのへの取り組みが上手く行かなかった要因だったと見ています。

そういう意味で、ニトリの既存の損益構造や在庫効率は、製造小売業であること、数字を見る限り、アパレルのそれに近いことと、古くから、ホームファッションというカテゴリーの商品開発において、コーディネート思考を持っているという点で・・・

少なくとも、季節性のある、継続販売も視野に入れたベーシックアパレル群であれば、決して、全くの畑違いとは言えず、全く別のビジネスに取り組むわけではなく、社内理解度も早く、やりよう次第で上手く行く、規模の大きくなる可能性があるのではないかと期待ができます。

先日、ららぽーと立飛のニトリのアパレル業態 N+(エヌ・プラス)を拝見して、ミセス向けの2490円-2990円あたりがプライスポイントのベーシックアパレル店という印象を受けました。

かつての米リミテッド・ストアやタルボットを見る思いでしたが・・・日本では、ドゥクラッセやベルーナの間くらいの位置づけになるのかも知れません。

N+のオンラインサイトでは、ZARAの店頭提案のようにカラー別のコーディネート提案をアピールしていたので、コーディネートにこだわるニトリがどんな売場をつくっているのか?と思って見てみましたが・・・

あいにく売場が狭い(40坪程度)こともあり、カラーコーディネート提案ではなく、品番でくくった、あまり特徴のない、価格訴求の普通の品種別売場にしか見えませんでした。

アパレル経験者を雇い、まだ規模が小さいので、自前ではなく、アウトソーシングを活用して商品開発をしているとのこと。

しかしながら、ホームファッションの隣にあるマーケットとしての、婦人ベーシックアパレル市場は、同社にとって、決して悪くはない、大きく、新しい開拓市場のひとつではないか、と思ったものでした。

執筆: ディマンドワークス代表 齊藤孝浩

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【参考書籍】

ニトリの強さ、人財育成がよくわかる本です。

「ニトリの働き方」(大和書房)

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August 31, 2020

「アフターデジタル2 UXと自由」を読んで

藤井保文さんが書かれた「アフターデジタル2 UXと自由」を読みました。20200831_145410

昨年出版され、大ベストセラーとなった前著の「アフターデジタル オフラインのない時代に生き残る」に刺激を受け・・・

当時、頻繁に企業研修講師の仕事で訪れていた中国の杭州、広州では、同著に登場するアリババのスーパーマーケットHema FreshやLuckin Coffeeを中国人パートナーの手を借りて実体験して・・・

その背景にあることも含めて理解し、目から鱗が落ち、これから世界で進んで行くであろう小売業のDX(デジタルトランスフォーメーション)による明るい未来に思いをはせたものでした。

今回の続編は、前著に感銘を受けて、著者が相談を受けたり、ツアーをお手伝いされた多くの日本企業とのやり取りも踏まえて、日本企業の組織や仕事の進め方の実情にも触れながら、アフターデジタル時代の企業戦略としてのOMO(Online merges with Offline)の考え方について、誤解を解くように、新たな事例紹介とともに、再定義しているところに意味があります。

一番のポイントは、DX(デジタルトランスフォーメーション)という言葉だけが独り歩きしている昨今ですが、顧客目線で顧客行動にポジティブな影響を与えるものでなければ、
たとえ、オンラインやAIを使ったところで、それは、企業都合の(あるいは、システムベンダー都合の)単なる業務効率のためのシステム化であって、同著が主張するところのOMOの本質でもなければ、アフターデジタル時代に勝ち残れる顧客体験価値(UX)創造型の取り組みでもない、という点でしょう。

最新のデジタル投資ばかりに目を向けている方々は、是非お読み頂きたいと思います。

スタートラインに立つためには、

まずは顧客行動(カスタマージャーニー)が理解、言語化出来て、

顧客にとっての「成功」は何か?

その実現のために、その過程に立ちはだかる顧客の「お困りごと(ペインポイント)」が特定できること。

そして、それに対して、情熱と執念をもって、オンライン技術を駆使しながら、とことん解決のお手伝いをし、その結果、ご利益として、顧客との長いお付き合いができる、という発想が大事なわけです。

実は、同著の主張と同じことを、拙著「アパレル・サバイバル」執筆の際の取材時の2018年に、アメリカ西海岸で体験したamazon go(コンビニ)、amazon books(本屋)、Nike(シューズショップ)、日本で体験したZARA六本木ポップアップストア(アパレル専門店)でも感じたものでした。

彼らがそれぞれの店舗において、DXで解決したのは、まさしくそれぞれの専門店ならではの購買行動(UX)の中のお困りごとに他ならなかったからです。

それらの体験をした時、顧客としては、何か呪縛から解き放たれて、スッとしたような感じ、そして、そのDXを実現した経営者、技術者に対するリスペクトを覚えたものでした。

また、DX担当者にとっては単にUXを研究するだけでなく、実際に体験してみて、その感覚(原体験)を体に覚えさせることも、執念を持って取り組む上では大事なことだと思います。

話を戻しますが・・・

今回の続編の中で、最も参考になったのは、P61から始まる「売らないメーカーの脅威」のところで、メーカー、サプライヤーではなく、「サービサー」として紹介されていた、中国企業群の事例です。

電気自動車メーカーのNIOは、車を売ることが目的ではなく、車を売ったところからが、顧客との付き合いの始まり。

年間23万円もするクルマのオーナーに対する、「会員サービス」がキモです。

維持費やメンテナンスサービスどころか、顧客のカスタマージャーニー上にある、クルマにまつわる痒い所に手が届くサービスの数々が憎いです。そのため、NIOのオーナーではない、別のメーカーのクルマのユーザーもそのサービスを受けるために会員になるとか。

それに続く、不動産仲介業のズールーの事例も、住まいの賃貸仲介したら終わりのスポットビジネスではなく、家探しを手伝いにとどまらず、そのコミュニティに住む、生活する、時には、旅先のシーンにまで関与し、顧客と一生つきあう覚悟すら感じます。

ファッション業界の方々は、是非、そんな事例を知って、日本のファッション販売に置き換えたら、顧客の成功のために何ができるか?を考えてみて頂きたいものです。

つくって、売ることに徹していたファッション業界も、顧客がコーディネートして着回す、メンテナンスする、保管する、手放す・・・・

などなど、幅広くカスタマージャーニー中の「お困りごと」に着目すれば、まだまだ顧客とつながってゆけるチャンスはあるし、広がると思っています。

このあたりは、ちょうど「アパレル・サバイバル」の中でも P205 CHAPTER5「テクノロジーの進化を享受するのは誰か?」という章以降で詳しく述べていますので、参考までに併せてお読みいただければと思います。

コロナショックを受けて、一気に「アフターデジタル」の時代に放り込まれた私たち。
この著書の顧客目線のDXの心構えを理解せずに生き残ることはできないでしょう。

 

 執筆: ディマンドワークス代表 齊藤孝浩

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July 27, 2020

セシルマクビー全店閉鎖で考える、ブランドのライフサイクルの見極めと対応

先週、1330257_m 1990年台から2000年台前半に業界のトップランナーのひとつだった
と言っても過言ではない、マルキューブランドの代表格である「セシルマクビー」が

1987年の創業から33年目となる今年(2020年)、
全店を閉鎖してストアブランドとしての歴史の幕を閉じることになった

というニュースが報道され、

SNS拡散、TVのバラエティ番組でも取り上げられるなど、大きな話題になりました。

同ブランドを展開するジャパンイマジネーション社は
今後、これから市場性が見込める4つのブランドに絞って、それらを運営する子会社を存続し、

自らは「セシルマクビー」ブランドのライセンス管理を行う形で事業を継続されるとのことです。

このニュースを聴いて、
業界の一時代を盛り上げた同ブランドと同社の功績に敬服すると共に
客層を絞った、個性のあるブランドには、
やはりライフサイクルというものがあるのだということを
あらためて感じさせられたものでした。

WWDジャパンさんの2つの関連記事

「セシルマクビーの時代の終わりはずっと前から感じていた」 社長が語る全店閉鎖の背景

ジャパンイマジネーションが「セシルマクビー」全店閉店

を読むとわかるのですが、

筆者がこれまでいろいろなストアブランドの分析をお手伝いして感じた
「ブランドや事業のライフサイクルの仮説」が
セシルマクビーにも当てはまることを感じたので、ここでご紹介したいと思います。

まず、
上記WWDジャパンの2つの記事の同社の社長さんのコメントと記者の方の解説をまとめて

セシルマクビーのライフサイクルの仮説を整理すると
以下のような感じになりました。【 】内は 筆者の視点で独自に定義したものです

1987~1994年の8年間 【導入期】ブランド立ち上げから店舗拡大とともに知名度が高まり始める時期
1995~2004年の10年間 【成長期】ブレイク~売上右肩上がり 
2005~2014年の10年間 【成熟期】店舗数拡大とともに全体売上拡大できても1店舗あたり販売効率が下がる
2015~2020年の6年間 【衰退期】事業赤字が続く

そして、2019年にテイストと客層若返りのリ・ブランディングを図ったものの、
2020年の今春、コロナショックに見舞われ、全店閉鎖の決断に至った

というものです。

これまで分析させていただいた多くのアパレルブランド事業に共通していたのは
神田昌典さんによるプロダクト系のマーケティング理論にもあるように、

ある事業が導入期から成長期に入ったところ、
つまり売上前年比が急激(25%以上複数年)に伸び始める時期がわかると

1)それまでにかかった年数のおおよそ4倍がブランドの寿命になる
そして
2)導入~衰退までの4つの期はほぼ同じ長さになる、
という仮説で

まさにセシルマクビーにも
この仮説が当てはまっているように思えます。

導入~ブレイク(成長期スタート)まで 
約8年 x 4= ブランド寿命 32年

そして、ここからは筆者の臆測になりますが、

おそらく、店舗拡大による売上高のピークは
成熟期2005年~2014年の間にあったと思いますが、

営業利益高のピークはちょうど成長期から成熟期に移行する
2004~5年あたりだったのではないかと思われます。

そう、これは 前年度比較ではなく・・・
業績を時系列に並べて振り返って見ないと
なかなかわからないかも知れませんが、

出店によって規模拡大はできても、販売効率が下がり始め
営業利益高がピークアウトしたな~
と感じた時が成熟期入り

気づいたにもかかわらず、再成長のための何らかのてこ入れをせず、
成功体験に執着して突っ走っていると
いずれは衰退期を待つばかり・・・

というのが多くの「儲からなくなった」事業の
時系列分析から気づく共通項です。

これに対して、

この仮説に立って考えれば、いつ頃、成熟期を迎えるかの予測はできるわけですから、

〇 海外市場を開拓したり、
〇 成長の見込める新カテゴリーの導入をしたり
〇 リ・ブランディングを図る

などが成熟期のまま衰退期(赤字続き)に陥らないための対処療法になるわけです。

業界を見渡すと、

海外市場に軸足を移して成長軌道を持続した数少ない成功例のひとつは
ユニクロでしょうか。

国内に絞って改革をするのであれば、

既存事業や既存の品揃えに固執せず、

◎より客層が広く、

◎販売効率がよい、あるいは

◎より利益率の取れる新カテゴリーを導入したり、

また、

◎より幅広い客層が見込める新事業に軸足を移す

ことによって、新たな成長ドライバーを育て、利益を高めたり、

◎ブランドのイメージや商品構成を一新して客層を増やす、あるいは

◎客層を変更するリ・ブランディングを行う

のが対処例になるでしょう。

この点で、これまで国内中心に比較的うまく対処されて来たと思われるのは
アダストリア社やユナイテッドアローズ社あたりでしょうか。

しかし、個性が強いブランドに至っては・・・
割り切って事業終了も視野に入れて、

早めに、別業態・別ブランドを育て、成長の軸足を移す
一方で旧ブランドは店舗リストラ、フェイドアウトを進める、

というのも企業存続の選択肢のひとつかと思います。

もっとも、既存ブランドの成功・貢献の会社へのインパクトが大きすぎると、
乗り換えは、かなり困難を極めるとは思いますが・・・

さて、話をジャパンイマジネーション社に戻しますが、

同社は幸い、借金がなく、
主力業態であったセシルの店舗閉鎖を決め
かなりのダウンサイジングをして
なおかつ、知名度を生かしたライセンスを収入源に、企業として営業継続する選択肢を選ばれました。

会社を成長させてブランドを終了するというのは
そのブランドのために社内外で働く方々がいらっしゃいますから、
本当に苦渋の決断だったと思います。

しかし、今回の決断がもっと遅ければ、
取り返しのつかないことになっていたかも知れません。

「セシルマクビー」ブランドの終焉は残念ではありますが・・・

記事の中で社長さんが最も気にかけられていらっしゃるように
お辞めになる方々の進路についてはしっかりフォローして頂きたいと思っています。

 執筆: ディマンドワークス代表 齊藤孝浩

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June 22, 2020

コロナショック後の店舗の役割の変化~固定費をシェアしてフル活用するダークストア併用という生き残り方

6月21日の日経新聞、「料理人『脱店舗』に活路」という見出しで
コロナショックで休業を迫られた飲食店の今後の生き残り策を模索する事例記事が掲載されていました。

記事では、
1軒あたりの固定費を軽くするために
客席を設けず、複数の飲食店が利用できる共同宅配用厨房施設を貸し出すクラウドキッチンの事例や
客席を減らして、厨房を拡張し、移動販売用のキッチンカー向けの仕込みに力を入れる事例などが紹介されていました。

記事には出ていませんでしたが、アメリカでは「ダークキッチン」と言って、
宅配やテイクアウト専門飲食店向けに共同キッチンの賃貸を運営する会社も多数存在していると聞きます。
※ダークというのは、通常の店舗ほど照明が明るい必要がない、作業中心の拠点であることを意味します。

ファッション専門店も、コロナショックで飲食店、宿泊施設と共に大打撃を受けた業種のひとつ

今後も起こりうる疫病ショック時にも耐えうる店舗や施設の在り方について、
これから議論が進むと思いますので、異業種の事例ながら、とても興味深く読ませて頂きました。

そもそも店舗の役割って何でしょう?

店舗の機能を考えられるだけ列挙して、店舗以外に代替えできる機能をそぎ落として行った時、
果たして何が残るか?と考えた時、既述の飲食店で言えば、究極は
シェフが料理を加工する「キッチン」ということになるんでしょうね。

では、ファッションストアでは何でしょう?

・ブランドの世界観を見せる場所?
・商品の現物を確かめる場所?
・思いがけなかった商品に出会う場所?
・スタッフから商品の説明を受け、知識を得る(接客の)場所?
・気に入った服や靴を試着するための場所
・買いたい商品を手に入れる、そこから商品を持ち帰えることができる在庫拠点
などなどと列挙して行きます。

そんなブレストをしたら、いろいろな意見が出ると思いますが(楽しそうです♪)、
筆者は「試着」というキーワードが究極の機能のひとつとして残ると思っています。

もちろん、正解はひとつではないと思いますが・・・
ブランドまたはショップが行きついた究極の機能にまずは絞って、そこに付加価値を肉付けして行くという作業をしたら、

お客様にとっても、店舗スタッフにとっても、そしてそれに合わせて採算を考えて行ったら
理想の店舗の在り方に行くつくかも知れませんね。

100年に一度の疫病ショック、
10年に一度のファッション流通革新の節目が重なった今、

新常識(ニューノーマル)を模索するにあたって、
過去の延長線上の「改善」ではなく、
白紙からグランドデザインを考え直すことも大事ではないかと思った次第です。41cimg0394

実は、先日、これから2-3年間で1200店舗を閉めると発表した 

ZARAを運営するインディテックスグループも
店舗のスクラップ&ビルドを行うことでそんなビジョンを描いているようです。

いつ行っても新商品が入荷していて、トレンディな着こなしのアイデアがもらえて、商品を試着出来て、
店舗からでも、自宅からでもオンラインで購入できるステーション

RFIDの導入と店舗作業(フロント・バック)の分業によって、
店舗のバックヤード在庫もEC販売できるインフラを整えています。 (画像はスペイン・ア・コルニャのZARA;2014年取材時)

これが世界的に完成したら、(以下は筆者の想像です)
今後、今回のようなコロナショックのようなことが起こっても、

世界の店舗から商品情報・在庫情報を発信して、
顧客に最も近い近隣店舗でオンライン注文品を受け付け、店舗から出荷するのでしょうね。
テイクアウト専用に入店せずとも受け取れる受取カウンターを設置してもいいかもです。

普段はVMDが楽しめ、フィッティングが出来る体験店舗が、有事の時にはダークストア(EC専用店舗型倉庫)として機能し、
送料無料、返品無料の施策を打って顧客の自宅をフィッティングルーム代わりにするのでしょう。

普段から試着体験を提供する店舗としての信頼があれば、日頃からも、そして、有事の時でもオンラインからでも顧客の要望、需要をフォロー出来る。

これからのファッションストアの在り方って、そんな姿もありなのではないでしょうか?

 執筆: ディマンドワークス代表 齊藤孝浩

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April 07, 2020

ナラティブ(顧客を主人公にした物語)から考える

4月7日火曜日の繊研新聞6面、繊研教室の中の「知見・知恵・知行」に、寄稿させて頂いたコラムが掲載されました。
20200407_114333 見出しは「ナラティブから考える」。ナラティブって聞きなれない言葉かも知れませんが、「物語」という意味の英語です。ストーリーとの違いは後述します。

プラットフォーマー、特にアマゾンの考え方を理解するために、何冊か本を読みましたが、彼らが新しいサービスを検討する際に、必ず行っていることがあり、とても感心したので、そのことについて書かせて頂いたものです。

書籍によれば、アマゾン社はジェフ・ベゾスさんが出席する役員会で新規サービスプロジェクトを検討する際には必ず、

①ナラティブ(顧客の未来体験の様子をストーリー化した物語)

②未来のプレスリリース(サービスがスタートする時に対外的に発表するであろう文章)

③FAQ(サービスに対する顧客からの想定質問と回答集)

を用意することを提案者に義務付けているそうです。

この話を知った時に、アマゾンという会社がどうして顧客の未来から逆算する発想ができるのかがとても腹落ちしました。

拙著「アパレル・サバイバル」の取材中に、これからの10年は過去の延長線上ではなく、未来の理想からの逆算発想からでないと、今、革新を起こしているデジタル企業やプラットフォーマーたちに太刀打ちどころか、共存も出来ないだろうと感じたものでした。

まさしく、この発想の違いがアマゾンらがアドバンテージを持っている所以でしょう。

「アパレル・サバイバル」の冒頭にある短編小説仕立ての「Her Story~10年後のファッション消費の未来」をお読みになった方はお判りかと思いますが・・・これからは、まず、顧客の未来の理想のショッピング体験(ナラティブと呼んでもカスタマージャーニーと呼んでもでもいいですが)を言語化して、チームで共有した上で…

これからそれを実現するために、ゴールに向けて、どんなことから取り組むのかを考える、そんな「ナラティブから考える」アプローチが必要かと思っています。

ちなみに、ストーリーマーケティングの主役は「企業またはブランド」、ナラティブの主人公は「顧客」という違いもあるようです。視点の中心誰を置くかですね♪

参考文献は共に、アメリカ、日本のそれぞれアマゾンの幹部として在籍経験がある方々が書かれた以下の2冊です。

「アマゾンのように考える 仕事を無敵にする思考と行動50のアイデア」

「amazonの絶対思考」

 執筆: ディマンドワークス代表 齊藤孝浩

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February 03, 2020

ワークマンの決算書を読んで

WWDジャパンの1月13日号、筆者が月イチ連載しているの「ファッション業界のミカタ=企業の決算書を見る着眼点」の10回目。
話題のワークマンの決算書を取り上げて読み解きました。
20200410_183937 同社は作業着、作業アイテム専門チェーンですが、タウンウエア、アウトドアウエアとしても使える商品開発力が注目される同社ですが・・・

商品のバリュー、コスパを支える本当の秘密はローコストオペレーションとキャッシュフロー経営にあり、というのがよくわかりました。

決算書の見方も、会計上の損益計算書(PL)のままではなく、FC売上も含む、チェーン全体売上高(商品取り扱い高のようなもの)を売上高とみなし2019年3月期なら930億円(会計上の売上高は669億円)とし、それに対して、販売管理費がどれくらいかかっているかを見ると一般の専門店と比較をしやすくなります。

そのローコストぺレーションの秘密・・・

ひとつは人件費です。

圧倒的大多数の店舗が出店地域の世帯(=夫婦)を契約対象にしたフランチャイズ方式を取ることによって、稼ぐ粗利を一定比率(本部:オーナー=60:40)で分け合う、人件費の変動経費化がポイント。同社が目をつけた立地、資金繰りと仕入は本部が担い、標準化されたオペレーションなので、一定以上の売上が見込め・・・

地方であれば、平均的な世帯年収よりは十分高いと言える所得が得られるしくみ。しかも、コンビニと違って、閉店前に奥さんを先に帰らせて、閉店後8時半には一緒に夕食を食べることができるという持続可能な契約です。

もうひとつは店舗家賃です。

ほとんどの物件がワークマン本社による物件取得のため、資産計上(BS)はされますが、地代家賃はチェーン全体売上高に対して売上比率1%代、減価償却費を考えても2.4%と損益計算書(PL)に対するインパクトは極めて低いです。

そんな販売管理費率の低さにより、粗利が35%程度と低くても、残る営業利益率は20%。

しっかり稼いだ営業利益は言うまでもなくキャッシュフローの原資、それらを主に物件取得や更なる標準化のためのシステム投資に回すというとても健全な循環型ビジネスです。

こんな、顧客とFCオーナーと本部が三方よしの決算書、今まで見たことない、と言いたくなるような思いでした。

専門店、チェーン店は誰のために、何のために稼ぐのか?をあらためて考えさせられたものでした。

業界の中には、急成長のワークマンをやっかんで、ブームは一過性のもの、とおっしゃる方もいるようですが、
メディアが報じる表面的なことだけではなく、このビジネスモデルを知れば、十分、持続可能なビジネスモデルのひとつに見えますね。

WWDのバックナンバーをお読みになりたい方は、こちらから 

 

 執筆: ディマンドワークス代表 齊藤孝浩

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January 06, 2020

2020年ファッション流通トピックス予測

2020年の幕開けに、今年、日本のファッション流通に影響を及ぼしそうなトピックを3つご紹介します。
キーワードは「スーパーアプリ」、「Amazon」、「デカトロン」です。
20200409_165117
1)スーパーアプリの覇権争い
これまでファッションのEC普及を牽引してきたZOZOTOWNを運営するZOZO社が昨年、Yahooジャパンの傘下に入りました。
これはオンラインショッピングがファッション購入という生活の一面だけではなく、
ライフスタイルあるいは、消費者行動という大きな視点でとらえなければならなくなったことを示唆するものとみています。
その背景にあるのは「スーパーアプリ」の覇権争いです。
移動、コミュニケーション、ショッピング、宅配、決済まで生活の多くの局面を1つのアプリで済ませ
顧客を囲い込もうとする「スーパーアプリ」の普及が中国、東南アジアでは始まっています。
日本では楽天、Yahoo!、Amazonの3陣営が有力で、今後、この3陣営を中心にスーパーアプリ「コングロマリット」化に向けて各陣営で業務提携が進みそうです。
これまでファッション流通企業の歴史では
どこの百貨店に入居するか、
その後はどこのSCに入るかを考えて来たものですが・・・
これからは、
どのECモールに出店するかを飛び越えて、
オンライン上のそれぞれのスーパーアプリ陣営とどう付き合いながら・・・
それぞれのお客様層とどう接して行くかの戦略を考えることを迫られそうです。
2)Amazonのファッション流通浸透
スーパーアプリの覇権争いの1陣営でもあるAmazonのファッション市場への浸透・拡大も注目されます。
その動向の中で注目すべきことはプライベートブランドのベーシックアパレル=アマゾンエッセンシャルズの本格発売です。
アメリカではベーシックPBが牽引してアマゾンが国内アパレル市場の大きなシェアを占めているという調査結果も目にします。
年末に日本でも一部の商品がリリースされ始めていることに気が付きました。
いわゆる「ユニクロ価格」いやそれ以下ですね。
アイテムの幅が広がれば、アンダーウエア、インナーウエアを中心にAmazon愛用者の「ついで買い」を誘うことでしょう。
アメリカでは顧客のレビューを参考にしながら、商品の改善を続けているそうです。
日本でも同じことをしてきたら、ユニクロとて、国内で安住はしていられないはずです。
3)スポーツの民主化を進めるデカトロン
3つめは東京オリンピックが開催される2020年に注目されるスポーツアイテムについてです。
昨年西宮ガーデンズに1号店をオープンして日本上陸を果たした、フランスの低価格スポーツ用品チェーン、デカトロンが
日本で2号店、3号店を出店するにあたりその商品バリエーションと価格の安さが話題になり、人気が急上昇することが予想されます。
スポーツと言えば、
ナイキやアディダスやアシックスなど、グローバルブランド、ナショナルブランドが話題の中心で、ブランドでないと
売れないというのが業界の通説でした。
この過去の常識を覆すのが、低価格PBを中心にスポーツ用品を展開するデカトロンの役割です。
80以上のスポーツジャンルについて、これからそのスポーツを始める初心者から
中級者にフォーカスしそれぞれのジャンルのアスリート社員が自ら関り
メジャーカテゴリーについては自社で研究所まで設けて、
ユーザー目線、プロ目線で自社開発を行っています。
ブームというより、いろいろなスポーツを始める人のすそ野を広げることが彼らの大きな役割でしょうね。
すでに多店舗展開している中国や日本の西宮の店頭で初めて触れる乗馬具やアーチェリーの弓や水球の玉を手にした時は、ちょっとワクワクしたものでした。
さて、今年はどうなるでしょうね。
※当記事はディマンドワークスが月1配信している「ファッション流通ニュースレター2020年1月号」からの転載です。
【追記】今年の東京オリンピックは新型コロナウイルスの世界的な蔓延のため、1年延期になりました。

 執筆: ディマンドワークス代表 齊藤孝浩

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November 06, 2019

お気に入りのアイテムと長く付き合う~ロンドンのトレンドスニーカーチェーンもクリーニングサービスにフォーカス

11月5日の繊研新聞6面、繊研教室の「知見 知恵 知行」にブログ筆者のコラムが掲載されました。
テーマは「お気に入りを長く使う」。

Size

 

サステイナブルというキーワードが流行りのように使われています。

エコな素材を使ったものづくりをしたり、不要品を回収することも、つくり手、売り手企業にとってはその一環としてありですが…

顧客が「気に入ったアイテムを上手に手入れをしながら、長く付き合ってもらうことを啓発する」こともひとつではないかと思います。

 

コラムでは夏にインスピレーショントリップで渡航したロンドンの定点観測地のスニーカーショップ「SIZE?」
ショップの一角でJason Markkのスニーカークリーニングサービスカウンター設置をしていたのを見て感じたことを書きました。

SiZE?はその時々のホットなストリート系スニーカーを販売するだけでなく、ポップアップコーナーには
ホットなテーマのコーナーをつくることで知られています。

前回(2017年夏)はクリック&コレクトの受取コーナー

今回はスニーカークリーニングサービスカウンター(2018年のはじめからだそうです)

時代の流れ、お客さんの気持ちをしっかりとらえているところに関心しました。

 

拙著「アパレル・サバイバル」の中でもオンライン完結型クリーニングサービスの「Lenet リネット」さんが
服をただきれいに洗って戻すだけではなく、できるだけ新品状態に近づけてお客さんに戻す
プレミアム仕上げ加工を売りにして会員数を伸ばされていることを紹介しています。

これからは新品を売るだけでなく、お気に入りを大切にすることをお手伝いすることも

ファッション企業の重要な役割になりそうです。

 

【オススメ本】 欧米の最新デジタルショッピング事情、日本の10年後を未来から逆算して考える視点、それらを示唆する事例を取り上げて日本のファッションショッピングの未来を考えました。



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June 24, 2019

ショッピングのデジタルシフト時代には店舗損益を「2階建て」で考えよ

5月に中国企業向け研修に講師として伺った際に
中国・杭州でいくつかのニューリテール体験をする機会がありました。

そのひとつがメディアで話題のアリババが展開する生鮮食品スーパー、
フーマー・フレッシュ(フレシッポ)です。

この事業、
当初、坪あたり売上高をスーパーマーケットの業界水準の倍にすることを
存続条件にスタートした事業だそうです。

事業責任者は常識外の高い目標に、
オンラインをフル活用して事業を構築することを考えました。

店舗は品揃えの豊富さと生鮮食品の新鮮さ、そして美味しさを体験する場所と位置付けました。

訪問してみると、日本の紀伊国屋のような、輸入食材も豊富な高級スーパーの品揃え。

鮮魚は生け簀(いけす)に泳ぐ元気な魚介類を中心に販売します。

店舗内のフードコートでは購入した鮮魚の調理もしてもらえ、出来立て料理が美味しく味わえます。

店舗で商品の品質と鮮度を体験し、不安が払拭されて信頼した消費者には・・・

忙しい時には来店せずともオンライン注文してもらえればスピード宅配するサービスを提供しました。

店舗の中ではオンライン注文された商品を軽快な動きでピックアップして保冷バッグに詰め込むスタッフの姿、

そして、ピックアップ後の商品が入った保冷バッグが天井レールを伝わって配送エリアに吸い込まれて行く様も
あえて来店客に見せるための演出なのでしょう。

顧客の購買心理とライフスタイルのために考え抜かれた生鮮スーパー

その結果は・・・繁盛店の店舗売上にそれ以上のオンライン売上が加算されることにより、

実質、坪当たり売上高は業界水準の倍以上になり、現在、中国都心部で多店舗化を進めているとのことです。

顧客はオンラインで情報を取り、
オフラインの店舗で商品を確認し・・・

店舗で買うか、オンラインで買うかは顧客の都合で決めるのが常識となった時代。

そんな時代に、日本でも店舗単体の損益にかつてとは違った厳しい異変が起こっています。

だからといって不採算店舗を閉鎖すると、その店舗近隣客からのEC売上も減るというのは
先行するアメリカの話。

それだけ、店舗とオンライン売上は密接に関連しているのですよね。

 

企業は、顧客の購買行動にあった新しい買い方を提案するだけでなく・・・

それぞれの損益も関連付けて評価して行かなければ

店舗も店舗スタッフも正当な評価がされず報われないままに終わってしまいそうな時代。

 

例えば、店舗で見たあとにオンラインで売れたものは、
店舗の売上・粗利にオンラインの関連売上および粗利を加算した上で
「2階建て」損益を考える発想が必要になったのではないか?

これからそれらの売上を裏付ける、商業施設との家賃契約やカウントするための技術的な議論や投資を進める必要がありますが、

中国の生鮮スーパー、フーマー・フレッシュの成功事例は

新しい時代には、これまでとは全く常識の違う発想をする必要があることを
教えてくれているのではないか?

そして、デジタル化は遅かれ早かれ、それを可能にするはずと感じたものでした。

追記 これらの詳しい話はWWD2019年7月8日号 「ファッション業界のミカタ」でも触れています。

【オススメ本】 おかげさまで3刷!中国語繁体字への翻訳も進行中です。欧米の最新デジタルショッピング事情、日本の10年後を示唆する事例を取り上げました

 

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February 19, 2019

これから10年のファッション消費を考えるビジネス書「アパレル・サバイバル」発売

 筆者3冊目のビジネス書となる

 「アパレル・サバイバル」(日本経済新聞出版社)

 が今週2月21日(木)に発売、書店の店頭に並ぶことになりました。


 前著「ユニクロ対ZARA」(2014年初版;リンクは2018年更新文庫本)では

 21世紀の勝ち組モデルとして

 ユニクロのベーシック衣料型SPA(アパレル製造小売業)と
 ZARAのトレンドファッションを低価格で販売するファストファッション型SPAの

 それぞれのビジネスモデルを比較することによってアパレルビジネスの構造や急所を解説させて頂きました。

 同著の初版から4年、

 日本でファストファッションブームを巻き起こしたH&Mの上陸から10年が経過し

 あらたな流通革新が起こっているのはお気づきの通りです。

 今回の流通革新は

 オフラインからオンラインへ

 企業から消費者へ
 
 価格から時間へ

 と主戦場と担い手が変わり、テーマも変わって行く大きな転換期なので

 変化のスピードはこれまで以上に速くなることでしょう。

 筆者は日本において、新たな流通革新が欧米の後を追いながら10年周期で起こると見て・・・

 ファストファッションブーム後から海外の動向を観察して来ましたが

 欧米で起こり始めたその波がいよいよ日本にもやって来たように感じています。

 本書のメインテーマは

 「ショッピングのデジタルシフト」

 「溢れるクローゼットの持続可能な循環」

 です。

 英米の先進事例の店頭体験で感じたインスピレーションをもとに

 生活者のショッピングのお困りごと起点で整理して仮説を立て

 オンラインで芽生え始めたショッピング革新の事例を多数取材して

 書き上げました。

 未来を語るので賛否両論あろうかとは思いますが(笑)

 本書がきっかけとなり

 過去の延長線上ではなく、

 生活者のお困りごと起点で

 未来の理想の状態(ビジョン)を描きながら

 そこから逆算する形で

 新しい、斬新な革新の議論が始まることを期待して問題提起をしています。

 出版社さんのご意向もあり挑発的なタイトル・表紙になっていますが・・・(笑)

 未来を前向きに考えるための一冊に仕上げたつもりです。

 店頭でお見かけになりましたら是非お手に取っていただければ幸いです。

執筆: ディマンドワークス代表 齊藤孝浩

 ※業界の発展と流通イノベーションのために・・・ファッション流通企業の経営者の方や事業スタートアップ準備中の方の応援をしています。
 時代の節目にあたり、「経営お困りごとのヒアリングとビジョナリーコーチング」のキャンペーンを実施中です。 ブログ筆者の質問に答えて行くだけで・・・頭の中がスッキリ整理されるコーチング手法で事業のお困りごとを整理して今後の方向性を見出すためのお手伝いをさせていただきます。 詳しくは>>>こちらから


 

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