January 21, 2009

パタンナーのいないSPA(製造小売業)の課題

 1月19日の繊研新聞に、あるレディースパンツ専門店が、全国10-60代の女性を対象に行った、ネットでのパンツ購入体験に関する調査結果が掲載されていました。

 対象者のうちネットでパンツを購入したことのある52%の女性のうち、実に78%がサイズで失敗したという回答をしているとのこと。

 その理由としては、

・店ごとに表記が異なるから・・・70%

・自分のサイズがわからない
 自分にぴったりのサイズがわからない・・・45%
 自分にぴったりのサイズをみつけることができない・・・50%

 だったそうです。

 ブランドによってサイズが違う、同じブランドだって、商品、シーズンによってサイズ感が違うということもざらにあるのが業界の現実です。

 先日あるSPA(製造小売業)企業の方とお話をしていた時のこと。

 この企業は、これまで、複数の外注メーカーに製造委託をして、自社は情報分析と販売に特化することによって成功してきた企業です。

 最近、マーケット同質化対策として、社内にデザイナーとパタンナーを入れたところ、パタンナーから、この会社には「マスターがない」、と指摘されたとのこと。

 つまり、複数の仕入れ先に生産を委託するのは構わないのですが、デザインや仕様書は提出するにしても、パターン(型紙)は仕入れ先それぞれにおまかせで、統一感がなかったということに気付かされたという話です。結果、店頭に並ぶ商品のサイズ感が商品によって変わる可能性もあるだろうな、という話。

 この企業は、カジュアル系の会社なので、さほど、大きな問題にはなっていなかったようですが・・・これまで自社企画機能をそれほど重視してこなかった小売出身SPAにとっては、知らず知らずのうちに顧客がサイズに不満を抱えているというこの課題に将来的には、手をつけてゆく必要があるかもしれません。

 昔、商社や欧州ブランドのジャパン社でアパレル生産の担当をしていたころ、私がどんな方々に一番仕事を教えていただいたかな、と思い返すと、真っ先に思い浮かぶのがパタンナーの方々。デザイナーやMDから無理難題を言われ、悩んだ時は、必ず彼ら彼女らのアトリエに足を運んで相談に乗ってもらったもの。

 パタンナーは、アパレル生産の裏方で活躍されている、私がもっともリスペクトしている職種のひとつです。
 
 最近は、生産現場から久しく離れている私ですが、そうそう、彼ら彼女らは、ブランドを立ち上げる時、まずブランドの基本となるシルエット、サイズ感を決めるマスターパターンを引くことをもっとも大切にしていたなぁ、と懐かしく、そしてあらためてその必要性が思い出されます。
 
いつもお読み頂きありがとうございます。
毎日1回、クリックで応援お願いします。

↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓
blogrankings2 >>>人気blogランキング に参加しています。
【第10位】↓down (09.1.21現在)

関連エントリー-基準なくなる服のサイズ

| | Comments (0) | TrackBack (0)

October 15, 2008

選ばれるプライベートブランド(PB)の条件

 今週の週刊ダイヤモンド10/18特大号、「流通大激変『選ばれる店』の秘密」 は、とても読みでがあり流通業界の方は必読だと思います。

 普段、当ブログでも取り上げているニュースや共通する視点も多く、うなずきながら楽しく読ませていただいました。(実は、私も取材中インタビューされ、コメントの一部が取り上げられています)

 百貨店、GMSのマーケットが縮小し、カテゴリーキラーにシェアを奪われ、業界や企業の論理ではなく、ますます賢くなる生活者に対応して行かないと生き残れない時代であることが論旨として貫かれています。

 記事の中に、勝ち組と呼ばれる企業のトップのインタビューが多く掲載されていますが、彼らのプライベートブランド(PB)開発には共通点がありますので、まとめておきます。

○ユニクロ(柳井会長)・・・お客様に評価される商品を追求した結果、市場には店で売りたい理想の商品がなかった。だから自分たちで作ることになったわけで、SPA(製造小売り)化は方針に沿った結果にすぎない。

○無印良品(松井会長)・・・安くても、付加価値を乗せた「トレードオン商品」でなければ生活者から支持されない時代。メーカーや卸企業から仕入れて販売する小売り企業はそういった「トレードオン商品」を揃えることは難しい。だから自らの商品開発に磨きをかける。

○ニトリ(似鳥社長)・・・35年前、欧米の家具小売り店を視察したとき、日本の家具の価格は高すぎると思い、日本人の生活を豊かにするため、家具の値段を三分の一まで下げようと努力してきた。今、二分の一のところまで来た。業界の商品開発力は乏しいので、品質と値段が見合っているものを自らの手で作り、安く提供する。

 今回の記事にはありませんが、以前日経ビジネスで読んだベイシアのPBづくりの発想を付けくわえます。

○ベイシア・・・顧客のために、エブリデーロープライスを実現するには、メーカーからの仕入れに頼っていたら限界がある。粗利稼ぎではなく、自らの粗利を削ってでもつけたい値段をつけるために(価格決定権を持つために)行っているのがPB開発。結果、ベイシアのPBは薄利。

 もうおわかりだと思いますが、どこにでもある、安定的に売れる無難な定番商品で粗利をたくさん取ったり、メーカーの既存の製造ラインに相乗りして、ただパッケージを変え、大量発注して、販促費を削って低価格実現と粗利確保のために作られている世の中の多くの、こて先だけのプライベートブランド(PB)とは全く発想が違います。

 奇抜な新商品を作るだけが商品開発ではありません。

 既存の業界構造や力関係では実現できない、生活者の望む品質、価格、付加価値・・・それに信念を持って取組む企業こそが選ばれる企業なのだと思います。

いつもお読み頂きありがとうございます。
毎日1回、クリックで応援お願いします。

↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓
blogrankings2 >>>人気blogランキング に参加しています。
【第6位】→stay (08.10.15現在)

関連エントリー‐日経ビジネス記事「ベイシアの諦めない経営」を読んで

| | Comments (0) | TrackBack (0)

June 14, 2008

ZARA(ザラ)に学ぶ顧客満足の真実

 6月13日の日経MJに、世界第2位のアパレルSPAチェーン、ZARA(ザラ)を展開するインディテックスグループが、年内に韓国、ウクライナに続き、エジプト、モンテネグロに進出して、進出先が72カ国・地域になることに関する記事が掲載されています。

 インディテックス同様、毎年二桁の増収増益の成長を続けるグローバルSPA企業、H&Mでも29カ国ですから、その飛びぬけた進出国の多さ、グローバル性には驚かされます。(ちなみにインディテックス(スペイン)の国外売り上げ比率は62.5%、H&Mのそれは92%です。)

 同社がそれだけの出店ができる理由はいろいろあると思いますが、やはり本国からどんな遠い国でも、商品を週2回、倉庫を出てから、72時間以内に店舗に空輸(DHL)で届けることのできるインフラを持っていることの強みにあることは間違いないでしょう。それから、世界には、スペイン語が通じるラテン系の国が多いことも参入ハードルを下げていそうですね。

 ところで、最近研究している課題のひとつに、サイズ欠品と顧客不満足の関係があります。

 ファッション企業では、「顧客満足(CS)」という言葉をよく使いますが、主に、接客対応(理念教育とテクニック)を良くすることやVMD(ヴィジュアルマーチャンダイジング)で解決しようという考え方が圧倒的に多いような気がします。

 私は、それを否定しませんが、いくら対応が丁寧でも、見た目が綺麗でも、お客様が「欲しいと期待した商品」が結局は提供出来ない状況を起こさないこともそのひとつだと思っています。

 たとえば、サイズ欠品がそのひとつです。

 お客様がディスプレーされている商品を気に入り、手に取り、店頭に自分のサイズがなかった時、販売スタッフにこのOサイズありますか?と聞きます。

 スタッフが、バックストックを探してもなかった場合、また、倉庫や他店にないか調べてくれなかった場合、あるいはその対応が悪かった場合、かなりの顧客不満足につながると思います。まあ、一回くらいならしょうがないと思うかもしれませんが、度重なるとその店には買いに行かなくなるかもしれません・・・

 ある研究論文によると、ZARA(ザラ)では、たとえば、XS-S-M-L-XLなど5サイズを展開する商品の場合、中心サイズのS、M、Lサイズが、S-M-Lの3サイズ展開の場合は中心のMサイズが歯抜けになると、そのサイズが補充されるまで、店頭フェースから全サイズを下げてしまい、バックヤードに一時保管、その間、その商品自身が顧客の目につかない状態にしてしまうポリシーがあるそうです。

 これは、

○顧客に期待をさせて、その後、がっかりさせない
○それに関連して、在庫を探す対応をする販売スタッフの作業を軽減する

という信念に基づく習慣のようです。

 この論文を読んだ時、正直、目からウロコでした。ZARA(ザラ)は、セルフ販売中心と言えども、そこまで考えていること、それにくらべて、品番は豊富でも、VMDの見た目は立派でも、サイズ欠品を野放しにしている企業は少なくないのではないか、と考えさせられたものです。

 私も、かつて、サイズの多い、シューズのバイヤーやジーンズなどの在庫コントロール、それに伴って週末の店頭販売をしていた経験があるので、サイズがなくて、店頭のお客様がガッカリされた顔、売り逃しをしたスタッフの悔しさ、痛いほどわかります。

 そんな店頭での現場体験が、当時、先回りしてサイズ欠品を起こさないための補充体制や店間移動運用への情熱、研究、実践に私を駆り立てたのではないかと思っています。

 ZARA(ザラ)では、その商品を一旦バックヤードに下げたとしても、店頭には、他に売る商品が豊富にあること、そして、あまり日数を空けずに、週2回(月曜日と金曜日)きっちり補充するインフラがあることなどが背景にあるとは思いますが、彼らくらいサイズ欠品問題解消に向き合う「勇気」、日本のファッション企業も考える必要がありそうです。 

いつもお読み頂きありがとうございます。
毎日1回、クリックで応援お願いします。

↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓
blogrankings2 >>>人気blogランキング に参加しています。
【第12位】→stay (08.6.14現在)

| | Comments (4) | TrackBack (0)

June 12, 2008

リアル店舗とウェブストア(ECサイト)の使い分け

 6月11日の日本繊維新聞に首都圏の主要ファッションビルが運営するネット通販に関する記事が掲載されていました。

 主なデータを以下にまとめてみました。

ルミネ「アイルミネ」
 08年スタート、現在37店舗出店、3000アイテム展開(ルミネが買取)
 PC:ケイタイ利用比率=8.5:1.5
 1万5000PV/日
 ゴールデンタイム 21:00-24:00
 初年度売上目標10億円
 
パルコ「パルコシティ」
 07年スタート、現在61店舗出店
 PC:ケイタイ利用比率=8:2
 16-17万PV/日
 ゴールデンタイム 20:00-25:00
 初年度の3倍の売上を計画

109「SHIBUYA 109 NET SHOP」
 04年スタート、現在60店舗出店
 メンズ06年スタート20店舗
 PC:ケイタイ利用比率=6.5:3.5
 ゴールデンタイム 21:00-25:00
 売上に関するデータなし

 各社とも目先はリアル店舗と同じ品揃え、サービスを提供することを目指しており、将来的にはリアルにないものも取り扱いたい、としています。

 この記事の中で、注目する内容としては、顧客が「リアル店舗とECサイトを上手に使い分ける購買行動」をしているという事実です。(以前もECに詳しい方から同様のお話を聞いています)

 企業側からすれば、ECサイトを開設することは、
 
 ・ウェブストアという店舗(販売機会)が増え、売上が拡大する。
 ・リアル店舗未出店エリア以外の顧客からの売上が期待できる。
 
 というのが初期の目論みだと思いますが、

 ・店舗で見てECサイトで買う。
 ・ECサイトで商品を認知して、リアル店舗に出向き、現物を確認して買う。

 という顧客の購買行動こそ、顧客視点のECサイトの使い方なんでしょうね。

 つまり、

 ・店頭で迷ったけど、家に帰ったらやっぱり欲しくなった
 ・店頭で自分のサイズがなく、客注(取り寄せ)対応してもらわなかった、あるいはもらえなかった
 ・気に入ったけど、持って帰るのが面倒だった
 などなど
 
 そんな顧客の購買心理・行動を先読みしたら企業側にとってもECサイトの活用のしかたはいろいろあるんだろうな、と。

 たとえば、リアル店舗全店で一定の販売期間が過ぎて、各店でカラー・サイズ欠品を起こし始めたような商品を、ディストリビューション機能がしっかりしている会社であれば、集約店舗やアウトレットに集めるのもいいと思いますが、ウェブストアに集めるというのも手でしょうね。そうすれば、ウェブストアを客注対応の場としても活用できるわけです。

 ロングテールという言葉を使うまでもなく、顧客の期待に応えながら、消化も促進するのではないかな、と思います。

 顧客満足に応えるECサイトの活用法、いろいろ考えてみたいですね。  

いつもお読み頂きありがとうございます。
毎日1回、クリックで応援お願いします。

↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓
blogrankings2 >>>人気blogランキング に参加しています。
【第12位】↓down (08.6.12現在)

関連エントリー-ファッションリテイラーのネット通販比率

| | Comments (1) | TrackBack (0)

June 03, 2008

近畿・関東梅雨入り、雨具マーケットは晴れ模様?

 気象庁が、6月2日に近畿・東海・関東甲信が梅雨入りしたと見られると発表したようですが、3日の日経新聞に、百貨店で雨具や雨用衣料に需要が高まっているという記事が掲載されています。

 記事によると、

・京王百貨店・・・4月、5月は雨傘の売上が六割増

・松屋銀座店・・・傘が前年比二ケタ増、レインコート三割増、レインシューズの5月売上は80%増

・大丸梅田店・・・1万円前後のゴム製パンプスが5月中旬からの2週間で260足売れた。

 とのこと。

 松屋銀座店の傘のフェアーなどは百貨店の中でも、毎年風物詩のひとつとなっていて有名ですが、今年は、マーケットでは、レインコート、レインシューズ、ブーツが注目されていますね。

 今日も外は雨ですが、去年あたりから表参道界隈でも、カラフルでおしゃれなレインブーツ(長靴)を履き、軽やかなレインコートを纏った女性の姿が目に付きます。

 特に、レインブーツは、おしゃれさんの中では、晴雨問わず、ファッションアイテムとして定着してきたようです。

 今年は、そんなファッション・レイングッズが幅広く認知される年となるでしょうか。

 私もそうですが、雨の日に履く靴に迷われたり、後悔したりした経験をお持ちの方は少なくないと思います。お気に入りの靴を濡らしたくないし、とは言え、雨の日でも「決めたい」日はあるでしょう。

 雨の日対応の気の利いた靴って意外と需要がある割に、まだまだマーケットには希少な商品なのではないでしょうか。 

いつもお読み頂きありがとうございます。
毎日1回、クリックで応援お願いします。

↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓
blogrankings2 >>>人気blogランキング に参加しています。
【第9位】→stay (08.6.3現在)

| | Comments (0) | TrackBack (0)

March 14, 2008

モダナイズドとサイズ展開

 3月14日の日経MJに、「永遠の定番」とも呼ばれる著名海外ブランドの定番アイテムを、オリジナルの良さを受け継ぎながら、今風の細身・短い着丈シルエットで仕上げる「モダナイズド」版が人気であることに関する記事が掲載されています。

 記事の中では、ブルックスブラザースのブラックフリースライン(byトム・ブラウン)のボタンダウンシャツ、マッキントッシュのゴム引きコート、アルファーのM65、バラクータのG9などなど、私も昔一度は手にしたアイテムが紹介され、昔を懐かしく思いながら読んでいました。

 これらの商品は、アメカジ、アウトドアブーム再燃の折、昔懐かしむ人、一方、クラシックアイテムが新鮮に感じる若い世代、世代を飛び越えて、人気を呼んでいるようです。

 ところで、ここ数年は、メンズの服も全般的に細身シルエットが主流となり、着る服に困っている方も少なくないのではないでしょうか。

 流行ですから、やはり、私も含め、多少なりともファッションマインドを持った多くの方が、体系の変化にかかわらず(笑)、細身を着たいと思うのですが、従来どおりのたとえばM/L 2サイズ展開のままで単にシルエットを細身にされてしまいますと困りもので、シーズンごとに自分にあったブランドを見つけなおす、なんてのも大変なものです。

 先日、ある雑誌の企画で、この秋日本に進出をするH&Mの商品(上海で購入)と日本で販売されているSPA企業の商品をアパレルデザイン企画のプロたちが比較する品評会に立ち合わせていただく機会がありました。

 結論から言うと、たとえ同じ定番的なアイテムであっても、日本の大手SPA企業は、(万人受けする)昔ながらのアメカジに影響を受けたシルエットデザインが多く、H&Mの商品は「型紙」が決定的に違う、軒並み今風のいわば「モダナイズド」シルエットであったことです。

 そうすると、H&Mは着る客層を選ぶのか?・・・否。

 彼らは最大7サイズと展開サイズが多いことでも有名です。つまり細身でもサイズ展開が豊富なため、着たいと思う顧客は、自分が着ることのできるサイズを見つけやすいというわけです。

 こんな細身トレンドの時だからこそ、またサイズに対する企業の姿勢も問われるように思います。 

いつもお読み頂きありがとうございます。
毎日1回、クリックで応援お願いします。

↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓
blogrankings2 >>>人気blogランキング に参加しています。
【第10位】→stay (08.3.14現在)

| | Comments (0) | TrackBack (1)

February 07, 2008

H&Mはサイズ対応でも日本で革命を起こすだろうか?

 業界雑誌、「チェーンストア・エイジ」の2月1日号に以前もブログでご紹介した記事「H&M、モザイクマーチャンダイジングのベールを剥ぐ」の後編が掲載されていましたので拝読いたしました。

 今回の記事の中で、私の琴線に触れたのは、サイズ展開の話です。

 昨年は、業界で進むサイズ対応に関して、ブログでいくつかのエントリーを上げましたが、実際は、まだまだ不十分だと言わざるを得ません。

 H&Mは、婦人服について、同じデザインの商品で、ヨーロッパサイズ32号~46号(日本サイズ7号~21号に相当)の8サイズを展開していて、このうち中国では32号~44号を展開しています。

 記事の筆者の方が言われるように、「着る人を差別しない」ところも、私が常日頃からブログでH&Mが「ファッションの民主化」の旗手であることを申し上げている「ゆえん」のひとつであると思います。

 大きいサイズは、普通のサイズを基準にすると、確かに生産効率が悪かったり、売れ残りロスが目立ちがちですが、大きいサイズの顧客が、他ではなかなか商品が見つからないがゆえ、ストアロイヤリティが高いことも事実です。

 伊勢丹新宿店は東京でメンズのシェアの25%を持っていると言われていますが、その理由のひとつは、伊勢丹ほどサイズ対応を考えている百貨店が他にはないからだと思っています。

 さて、今秋日本進出を果たすH&Mは、日本でMAX何サイズ展開してくるでしょうかね。

 同社は、サイズ構成比はマーケットに応じて変えるが、日本向けの特別サイズは作らないとしています。確かに、袖丈が日本規格よりも長いところは日本人一般に合うかどうかという課題は残りますが、とても興味深いところです。

 そしてそれが日本の業界のいい刺激になれば、と思います。 

いつもお読み頂きありがとうございます。
毎日1回、クリックで応援お願いします。

↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓
blogrankings2 >>>人気blogランキング に参加しています。
【第8位】→stay (08.2.7現在)

関連エントリー-H&Mの強みはモザイクマーチャンダイジング

| | Comments (0) | TrackBack (0)

February 06, 2008

阪急メンズ館に関する記事いろいろ

 阪急百貨店が梅田店に隣接する「ヘップ・ナビオ」を改装し、関西圏の方々が待ちわびた「阪急メンズ館」がいよいよ2月1日にオープンし、関連記事が、2月6日の日経MJ、繊研新聞に掲載されていました。

 どんなフロア構成か、見どころは?などにご興味のあるファッション好きの方には、私も毎日チェックさせて頂いている、屈指のファッション系人気ブログElasticさんが初日のレポをブログにアップしているので、こちらをご覧いただくと、とてもわかりやすいですよ。

 Elastic:阪急百貨店メンズ館レポ

 繊研新聞によると、お兄系ショップ「バッファロー・ボブス」がオープン初日20坪で480万円を売上、全館でルイヴィトンに次ぎ2位になったとのこと、すごいですね。

 「バッファロー・ボブス」は、その原宿プロペラ通り店こそが、現在の「お兄系ファッション」ブームの源流と言っても過言ではないと思いますが、さすが本家の貫禄と言ったところでしょうか。

 もともと、この系統のファッションは、関西圏が強いというのも納得がいきます。というか、お兄系もお姉系も大阪や神戸に根強くあったファッションの系統が東京マーケットで爆発し、全国区になったような気がしていますので、ちょっと「逆輸入的」な印象を感じたりもしています。

 メンズ館というと、どうしても伊勢丹メンズ館と比較したくなりますね。先日、阪急は伊勢丹と提携関係を解消しましたが日経MJ記事によると、、

 ○今回のメンズ館構想は、伊勢丹とはもともと関係なかったこと
 ○阪急の方が規模は大きく(16,000㎡:伊勢丹9,900㎡)
 ○伊勢丹が完全にブランドの枠組みを取り去って「ブランドの個性をなくしすぎた」?のに対し、阪急は、ブランドの括りを多く温存している

 とのことです。
 
 さらに、いいことだな、と思ったのは、価格の話です。価格帯は伊勢丹の2-3割安程度とのことですが、

 ○高級品も導入したが、「最多価格帯」は従来の顧客を配慮して、そのままにした

 というところでしょうか。

 業界で、何か新しいことをしようとする時、「差別化」をしようとする時、どうしてもバイヤーさんたちは「いいもの」や「高いもの」を売ろうとして、そっちの方ばかりに力を入れ、結果、従来の顧客から見ると以前より「高いお店」を作ってしまいがちです。

 業界の方に釈迦に説法ではありますが、同一アイテムの一点単価と客数は反比例することは、小売ビジネス、購買心理上の常識で、初年度は、単価アップで客数減をカバーするかもしれませんが、2年目以降客数離れが進み、苦戦する事例を世の中でたくさん見てきました。

 てなわけで、プラスアルファーで「いいもの」を提案することはいいことだと思いますが、阪急メンズ館のように、最多価格帯(プライスポイント)は温存、で正解だと思います。

 近々大阪出張の時、覗きに行ってこようと思います。
 
いつもお読み頂きありがとうございます。
毎日1回、クリックで応援お願いします。

↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓
blogrankings2 >>>人気blogランキング に参加しています。
【第8位】↑up (08.2.6現在)

| | Comments (2) | TrackBack (1)

January 24, 2008

「ランウェイ・ビート」を読んで

 ファッションやモードデザインをテーマにして人気だったケイタイ小説が、最近、書籍化されたということで、知人に薦められて読んでみました。

 「ランウェイ☆ビート」(maha著;宝島社)
 

 内容は、ある都心の高校に転校して来たモードファッションデザインの才能溢れる小柄の男の子が、平凡な生活を送るクラスメイトたちを持ち前の明るさで、ファッションに目覚めさせ、勇気、元気を与えられたクラスの子ら周りの協力を得て、東京コレクションで鮮烈デビューを果たして世間をあっと言わせてしまうという、ちょっと漫画やドラマにありそうなサクセスストーリー。
 
 女子高校生が中心客層と思われる小説ですんで、お約束通り高校生同士の純愛なんかも、びしびし展開されるわけですが、読んでいて、とても感心、共感したのは、著者がこの小説を通じて、「ポテンシャル(=潜在能力)」というテーマで一本筋を通していたところです。

 この「ポテンシャル」というキーワード、ファッションビジネスでとても大切な言葉のひとつだと思っています。

 デザイナーやパターンナーなど製造サイドの人は、いかに素材の「ポテンシャル」を引き出して商品を作るかがテーマですし、販売に携わる人はいかに着る、身につけるお客様の「ポテンシャル」を信じ、それを引き出すことのできる一品を提案できるかが使命であると思うからです。

 そう、誰もが秘めている「ポテンシャル」を認め、引き出し、お客様に勇気、自信を与えることこそが、ファッションビジネスの本質、醍醐味であると言えましょう。

 この小説、「ランウェイビート」はそんなことを、登場する高校生たちの目線を通して、改めて実感させてくれます。
 
 ファッションビジネスに携わる方も、そうでない方も、純粋に勇気をもらえるかも。

 まるでコミックを読んでいるかのごとく、読みやすい文章、一つ一つのシーンがはっきり目に浮かぶ表現力。

 ←何か今回は書評っぽくなっちゃいましたね。

 さて、今朝も寝癖をつけたまま学校に行った中2の息子にも薦めてみようかな。


いつもお読み頂きありがとうございます。
毎日1回、クリックで応援お願いします。

↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓
blogrankings2 >>>人気blogランキング に参加しています。
【第8位】→stay (08.1.24現在)

関連エントリーランウェイの向こうにあるもの


| | Comments (2) | TrackBack (1)

August 03, 2007

アースミュージック&エコロジーで1年間無料修理・保証制度スタート

 7月31日の繊研新聞に、今、もっとも勢いのある会社のひとつであるクロスカンパニーが、8月1日より基幹業態の「アースミュージック&エコロジー」FCを含む54店舗全店で、全商品を対象に購入から1年間の無料修理をスタートするとの記事が掲載されていました。

 アースミュージック&エコロジーURLの関連ページ

 記事および関連ページによると、8月1日から全店で、商品購入者に対して、1年間無料修理保証する旨が記載された保証書またはレシートをお渡ししている模様です。

 この狙いを記事や行間から読み取ると、

○購入商品に欠陥があったとしても、店頭に苦情を言いに来る顧客は一部であり、ガッカリして、あきらめて、2度と来店されない顧客の方が多数と見て、少しでもこれらの顧客をつなぎとめようとする試み

○顧客からの品質クレームに対応する同社の接客技術のブラッシュアップ

○現在45社あると言われる仕入先との品質向上への共闘

 にあると思われます。

 記事によると、現在、1店舗あたり月2件程度の修理依頼が3倍に増える、売上高に対する0.1%が修理コストとみているとのこと。

 1年間品質保証が当たり前の家電製品のそれとはちょっと違って、アパレル製品の場合、メーカー側が中小企業が多いため、修理体制は十分ではありません。そして、むしろ、交換・返品が手っとりばやいとして対応し、そのまま仕入先に返品して終わってしまうケースが多いと思います。

 特に、近年多品種少量生産が主流となってきた業界の流れからすると、縫いなおしで対応できる修理ならともかく、家電メーカーのように修理パーツを含めて一定期間対応するということは、結構、ハードルは高いかもしれません。 

 単なる返品、交換ではなく、「修理」としたのは、品質問題を一過性のものとして処理するのではなく、逆に、面倒な方法を取ることによって、問題に根本的に向かい合おうという姿勢と解釈したいと思います。

 手工業製品であり、業界の品質基準のあいまいなアパレル商品の品質問題は「永遠の問題」ですが、CS(顧客満足)、ES(従業員満足)への取り組みの業界リーディングカンパニーである同社のチャレンジが、今後業界にどのような影響を及ぼすか楽しみにしたいと思います。

いつもお読み頂きありがとうございます。
毎日1回、クリックで応援よろしくお願いします。

blogrankings2 >>>人気blogランキング に参加しています。
【第10位】→stay (07.08.03現在)

| | Comments (0) | TrackBack (0)

July 21, 2007

基準なくなる服のサイズ

 7月21日の日経新聞、NIKKEI プラス1(折込土曜版)に「服のサイズって いい加減?」というコラム記事が掲載されていました。

 最近、パンツを買おうとして、ふくらはぎが入らないために、屈辱的なウエストサイズのパンツを、サイズ直しして買わざるを得ない経験をいくつかしています。
 いままで、このショップの、このブランドの、このサイズが自分にピッタリと気に入っていたから買いに来たのに、変化についてゆくのも疲れるな、なんて年頃になったようです。

 また、中学生の息子のためにこの夏ユニクロでポロシャツを数枚購入しましたが、比較的、規格を重んじると思われたユニクロですら、サーフテイストのものはMサイズ、ベーシックなものはSサイズがちょうどよかったという現実です。(しかし、サイズ問題がひと目でわかる表示が付いていたのは、さすが。)

 小さいサイズ、大きいサイズの服がない、といった業界の「サイズ展開」の問題だけでなく、MやL、7号や9号といった従来のアパレルサイズも、シーズンによって変化し、「サイズ表記」そのものが問われている今日この頃ではないかと思っており、記事を興味深く読ませていただきました。

 記事では、かつてはJIS工業規格など、一定の基準のあったアパレル業界のサイズ基準も、日本人の体系の変化、海外ブランドの進出、流行シルエットの移り変わりの速さ、ブランドデザイナーサイドのこういう人に着てもらいたいっていう思惑により、日本の規格は有名無実化し、アパレルメーカーあるいはブランドごとに独自基準を持っているのが一般的。さらにシーズンごとにルーズ~タイトなどトレンドにあわせてフィット感を変更しているのも現実です。

 JISが日本人の体形の変化に合わせて見直しされている一方で、業界では
○「種類やデザインを無視した統一の基準はもはや必要ないのでは」(日本アパレル工業技術研究会)
○「サイズ表示は大きさを示すよりも小売店での物流管理のため」(大手アパレル)

なんて割り切る声が大勢のようですが、このサイズ表示問題、上手にコミュニケーションをはからないと、生活者をがっかりさせる結果になりかねません。

 作り手は、トレンドによるフィットの変更は当然と考えますが、1デザイナーが、実際の購買客層を無視して行うと、その「振り幅」の大きさによっては、ブランドや業態の業績を左右することさえあるのではないかと思います。

 洋服のブランドって、調査してみるとわかりますが、結構、大多数であるはずの想定客層よりも、若干高めの年齢層の購買客層の方がブランドロイヤリテイ(忠誠心)が高かったりすることがあります。ブランディングと継続的なビジネスの成功の両立においては、その客層は無視できないほどいることも少なくありません。

 今後とも、トレンドに合わせたシーズンごとのフィット感の変更は行われることだと思います。

 生活者としては、自己防衛のための試着は欠かせませんし、売り手側も「これがトレンドだから当たり前」といった一方通行ではない、店頭を通じた優しい顧客コミュニケーション戦略がますます大切になることは間違いなさそうです。

いつもお読み頂きありがとうございます。
毎日1回、クリックで応援よろしくお願いします。

blogrankings2 >>>人気blogランキング に参加しています。
【第8位】↓down (07.07.21現在)

| | Comments (0) | TrackBack (0)

May 03, 2007

返品制度(リターンポリシー)どう考えますか?

 5月2日の日経MJの一面に、「返品サービス」に対する大手リテーラー各社の対応に関する特集記事があり、興味深く読ませていただきました。

 顧客からの「返品」をどこまで受けるかは、私がアパレルリテールチェーン勤務時代に社内マニュアルを議論する際にも、そうでしたし、その後、独立をして、クライアント先の新規事業立ち上げのお手伝いの中で、顧客対応マニュアル作りをサポートする際にも、結構、賛否両論で熱くなる議題であります。
 
 最近では、それを前面に打ち出すかどうか、は別にして、基本的に、「未使用でレシート持参」の場合は、ほぼ問題なくスムーズに。 レシートがない場合でも、その商品が自店でご購入になったものであることが確認できれば、交換や返品を受け入れることが、当たり前になっていると思います。 

 しかしながら、記事によると、無理なクレームを通したという「戦果」を誇る、いわゆるクレーマーのインターネットへの書き込みが横行したり、消極的になっている企業も出てきているとのこと。

 確かに、リテール現場を知る人であれば、セールで買ったものを意図的に正価で返品しようとしたり、着古した末に用済みになったとばかりの「悪意」の返品に対し、エネルギーと時間を費やし、販売機会を逃し、心をすり減らした経験のある方も少なくないとは思いますが、そういった事例によって、それよりも何倍もの「善意」の顧客をがっかりさせるのも考えものかと思います。

 このあたりは、企業(=経営者)の考え方によって、各社の対応はまちまちかと思いますが、記事の内容にもあるように、

 ○「返品を受ける」意図と、企業理念の明確化
 ○それに対する社内体制(法務的なものも含めて)とルールと現場教育

 の二つが大切だと思います。

 決して他社もやっているサービスの一環だから、とか、ルールも教育もなく無防備で行うのであれば、単なる売上のロス、時間の無駄に直結しますが、品質に「がっかりしても黙っている生活者」との対話の機会であり、商品・サービス改善の好機として捉えるといったメーカー(SPA=製造小売業)的なマーケティングの発想であれば考え方や見方も変わってきますね。

 記事を私なりに解釈すると、P/L(損益計算書)に落とし込むと、前者にとっての返品処理は、売上返品(売上減)および人件費増であり、後者は広告宣伝費、研究開発費になるといったところでしょうかね。

 また、記事の中には、返品を気軽にしやすくすることによって、「ついで買い」を誘発し、売上が向上したランズエンドの事例などもあります。

 リテール企業関係者の皆さんは、ご自身が担当かどうかにかかわらず、一度、自社や競合他社の返品制度を確認してみては、いかがでしょうか?一方、生活者の方は、よくご利用のお店の返品制度を通して企業姿勢の一面を知ってみるのもよいかもしれません。

いつもお読み頂きありがとうございます。
毎日1回、クリックで応援よろしくお願いします。

blogrankings2 >>>人気blogランキング に参加しています。
【第8位】→stay (07.05.03現在)

関連エントリー-リターンポリシー(返品自由制)とプライスアジャストメント(価格調整)

| | Comments (0) | TrackBack (0)

April 19, 2007

新宿高島屋改装の目玉のひとつは婦人・紳士同一フロア

 日経ネット他、各紙インターネットニュースに、130億円を投じて19日にようやく改装オープンした新宿高島屋に関する記事が掲載されています。

 改装工事中は、伊勢丹のように段階的にではなく、一気にやったため、ずいぶんと不便でしたが、記事によると新宿一番店である伊勢丹に対抗しての社運をかけての改装に相応しく、団塊世代および団塊ジュニア世代をターゲットに、いろいろなチャレンジがなされている模様です。

 NIKKEI NET

 中でも、横長の館の形状を活かしての、婦人・紳士が同一フロアーで買い物ができる工夫に注目です。

 昔から百貨店にしても、ファッションビルにしても、ファッション専門店にしても、婦人と紳士の売場は階層が違っているのが常識でした。

 まあ、9兆円のアパレル小売市場の中で婦人服は紳士服の倍のマーケット規模がありますから、まずは2階から婦人フロアを固めて後付的に上の方に紳士売場をつけ足すという男性にとっては屈辱的?な売場は世の中にたくさんあることをご不満に思っていらっしゃる男性もたくさんいらっしゃるのではないかと思います。

 今回の高島屋新宿店にしても、新宿マイシティ改めルミネエストにしても女性と男性が一緒に買い物ができる売場の提案(アルタやJRの車中から見えるエスとの館に大きく貼られた若い男女のカップルの天幕はそれを示唆していることは間違いありません)、はこれからようやく、増えてゆくと思われます。
 
 2000年過ぎくらいから、アメリカのマーケットリサーチに限界を感じた私は、ロンドンを集中的に回り始めましたが、ロンドン郊外で当時ヨーロッパ最大のSCであったBlueWaterSCに行った時にとても、新鮮だったのは、レディースラインとメンズラインが同一売場に左右対象に同等に展開されているショップが多かったことでした。

 当時、アメリカでもそんな売場はバナリパとアバクロくらいだったでしょうが、ロンドンでは、TOPSHOPとTOPMEN、DOROTHY PERKINSとBURTON(トップショップと同じアルカディアグループのお姉さん、お兄さん版です)をはじめ、多くのSPA系アパレルショップ、セレクトショップが、入り口は一緒で、左右にレディスコーナー・メンズコーナーが壁で仕切られて別れ、真ん中あたりで「再会」できるスペースが演出されていて、レジ横の試着室前には、相手が待っている間にゆったり座れるソファーがあったりなんかして、一番奥にあるレジは共通というような構造の売場を作っていました。
 
 男女が同じ売場でそれぞれのペースで商品を見て、時には、これどぉかしら、なんて意見を聞き合って、最後は一緒に精算するなって売場、素敵だな、なんて思ったものです。

 それに近い売場、日本だったら、UAのGLR(グリーンレーベル)くらいかな、最近は、コムサイズム(これはまだメンズが虐げられてますね)や郊外SCのポイントのグローバルワークのような、ファミリー業態には見受けられるようになりましたが、今後、都心部でも、男女が一緒に楽しめる次世代型のファッション売場の提案として、増えてきそうな気がしますね。

 そんな想像をしているだけで、売場から一緒に楽しく服を選びあうカップルの会話が聞こえて来ませんか?

いつもお読み頂きありがとうございます。
毎日1回、クリックで応援よろしくお願いします。

blogrankings2 >>>人気blogランキング に参加しています。
【第8位】→stay (07.04.19現在)

| | Comments (0) | TrackBack (1)

March 19, 2007

靴のサイズに0.25cm刻みは必要?

 3月19日の日経MJに東急ストアーが同社の衣料プライベートブランドの「BRIN(ブラン)」の婦人靴で0.25cm刻みのサイズ展開をするとの記事が掲載されています。

 通常展開サイズ21cm~25.5cmを0.25cm刻み19サイズで展開、5デザインあって、それぞれ11色展開しているそうで、左右違うサイズの購入も可能とのことです。価格は9800-10800円と通常より1-2割高いとのこと。

 残念ながらこのブランド、商品に関するサイトは只今準備中ですので詳細はわかりません。

 きめ細かく対応することはよいと思いますが、0.25cm刻みで揃えることよりも、0.5cm刻みでいいからサイズ欠品の無いように心がけて欲しいな、というのが記事を読んだ感想です。

 左右違うサイズが買えるのはよいかもしれません。やはり左右の足のサイズの違う私は、ファミリーセールなどで「左右組違い」の商品をたまに買ったりもしますので。でもちょっと商品管理が大変になりそうですね。いっそのことオーダーメードにした方がいいかも、とか思ったりしてしまいます。

 いずれにせよ、生活者のシューズサイズ問題に前向きに取り組む同社の姿勢は評価できる話だと思います。

いつもお読み頂きありがとうございます。
毎日1回、クリックで応援よろしくお願いします。

blogrankings2 >>>人気blogランキング に参加しています。
【第12位】→stay (07.03.19現在)

| | Comments (0) | TrackBack (0)

February 25, 2007

パターンオーダー(PO)スーツ販売で顧客ニーズを探る

 2月23日の繊研新聞に百貨店や専門店の紳士スーツ売場で需要が拡大するパターンオーダー(PO)スーツに関する記事が掲載されていました。

 百貨店の中では、紳士フロア全スーツ売上の4割を占める店があるほど定着してきた、とのこと。

 POは、手の届く価格で、気に入ったシルエットのスーツを試着し、生地、裏地、ボタンを選び、自分の体型に合わせてサイズ調整までしてもらえる、世界に1着しかない自分だけのスーツのお買物は、オーダーシャツとあわせて満足度の高い男の贅沢、至福の喜びの一つでありましょう。体に合う気に入った既成スーツが見つからない私も利用者の一人としてとても実感があります。

 売り手にしてみても、少子高齢化や人口減でモノが売れなくなる時代に、今さらながら、顧客の声を聞きながら顧客に合わせたカスタマイズができる接客、顧客満足度も高い、ある意味、理想的で、プロファッショナルならではのファッション販売の姿なのではないかと思ったりもします。

 POスーツのことを考えていたら、ふと、最近ご無沙汰している百貨店でメンズのバイヤーをしている友人から10年前に聞いた言葉を思い出しました。

 販売は各アパレルまかせでバイヤーですら誰にどんな商品が売れているかわからなかった百貨店のしくみの中で、仕事熱心で、理想の品揃えに貪欲だった彼の当時の唯一の情報源は、スーツの「お直し票」であった、という話。毎週手書きのお直し票の束を1枚1枚めくるのは大変だけれども、限られた情報ながら、顧客を想像し、いろいろなことがわかり、そこから品揃えの見直しを考えているのだ、という苦労話でした。当時は、POSじゃなくて、「お直し票」から何がわかるのかなぁ?と漠然と聞いていたものです。

 POスーツの接客時には、単純な「丈つめ」だけではなく、じっくり時間をかけて、対話とひとつひとつの確認プロセスの中から細部にわたる顧客のニーズがプロの販売スタッフによって引き出され、カルテのような注文票に書き込まれて行きます。

 なるほど、POSでは、売れたものはわかるけど、その商品にお客さんがどんな風なカスタマイズを加えたかは、その注文票なりお直し票を見ないとわからない、むしろ、こっちの方が将来の品揃えのヒントになるかもしれない、と思えてきます。

 POスーツの需要が拡大すれば、そんな情報をもっと集めることができるようになり、彼だったら目を輝かせながら、個々の「点」の情報を「線」や「面」にしようと、隅から隅まで読み取って行くのだろうな、と想像しました。
 
 百貨店、専門店各社さんも、POスーツが好調な今こそ、「売れるから」、ではなく、「明日の顧客ニーズを読み解くために」、この好機を活かしていって欲しいなぁと思ってやみません。 

いつもお読み頂きありがとうございます。
毎日1回、クリックで応援よろしくお願いします。

blogrankings2 >>>人気blogランキング に参加しています。
【第12位】↓down (07.02.25現在)

| | Comments (0) | TrackBack (0)

February 04, 2007

ユナイテッドアローズのサンキューノート

 先月末に出版された「ユナイテッドアローズ 心に響くサービス」(丸木伊参著 日経新聞出版社)という本を読みました。

 同社の接客がなぜ他社より優れているかの理由がわかりますので、ファッションビジネスに従事されている方にお勧めしたいと思います。

 特に、第一章に登場する「サンキューノート」はその象徴のひとつだと思います。

 これは、ユナイテッドアローズ(UA)のスタッフひとりひとりが店頭で行った接客サービスに対して、一般顧客やファッションビルのデベロッパーから感謝された時の手紙や逸話が伝説のように詰まっているもので、日々更新され、イントラネットで社内公開され、なぜそれがすばらしいことなのかが幹部からコメントされ、特にすばらしいスタッフは表彰されるというものです。

 ファッションリテーラーとして、お客様に「ありがとうございます」と言うのは当たり前ですが、
 お客様に「ありがとう」と言われたことが何回ありますか?
 その時、素直にうれしかったですか?それをやりがいと感じられますか?そして、またがんばろう、もっと喜んでもらおうと思えますか?

 これが店頭を持っている小売業の醍醐味であり、楽しさであり、それを多くのスタッフと分かち合うのが、ファッションビジネスのマネージメントクラスの使命ではないでしょうか?

 この「サンキューノート」のいくつかの事例を読むとわかるのですが、ファッション販売という行為や販売スタッフのイメージが、店頭でお客さんに商品を気に入っていただき、ご納得の上、実際に購入頂くところまでで完結していては、正直、そのようなサービスは実現できないであろう、とあらためて思いました。

 そうではなく、その時点はもちろんですが、その先、つまりご購入頂いた後のお客さんの状況や気持ちまでイメージして思いやることができるかどうかでその時々の対応が変わってくるわけで、その実行の差が顧客の感動を呼ぶというわけです。

 そして同社がすごいところは・・・

 「束矢(たばや)ルール」という社内ルールに以下のような文章があります。

 「お客様の要求を満たすことは、時には面倒くさく、能率が悪く、経費がかかることを肝に銘じ、ただひたすらお客様にサービスすることがユナイテッドアローズのつとめである。正しいサービスを行うことにより、正しい報酬をいただかねばならない。お客様あっての私たちである」

 一般的に顧客第一主義を掲げている企業でも、実際には、売上や効率や経費削減が優先される中で、同社は、会社をあげて「能率が悪くても、経費がかかってもお客様の要求を満たすこと」を奨励、バックアップしているという点ではないでしょうか。

 同社には、顧客からの感謝の「サンキューノート」と同様に、顧客からのクレームとその対処の事例が赤裸々に記されている「クレームノート」もあります。

 ところで、マニュアルにとらわれず、理念のもとに、考える商人育成を目指す同社の新入社員研修は、

○「あなたが、お客さんとして、店頭で受けた対応でうれしかったことは
 どんなことですか?」
○「あなたが、お客さんとして、店頭で受けた対応で嫌だったことは
 どんなことですか?」

 
 のグループディスカッションから始まるそうです。
 当然、前者を励行し、後者をやらないようにしようという話です。

 これらの話を読んでいて、私が、カジュアルチェーンで、カスタマーサポートの責任者を兼務していた時のことを思い出し、少々目頭が熱くなりました。

 どちらかというと、立場上、重いクレームの対処に当ったものでした。いつも「そりゃ誰でも怒るよなぁ」と共感、同情しながらスタートし、できる限りお客さんの気持ちになって、誠心誠意対処し、実際、自分が納得するところまで突き詰めるまで体も動かしました。正直、経費も時間もかかりましたし、それをスピーディーにこなさなければならないことは言うまでもありません。

 結果、「そこまでやってくれるとは思わなかった。最初はもう二度と利用しないと思ったけれど、あなたのような人が働いている会社はこれからも利用させていただきます。ありがとう」というメールを頂いたことは、今でも忘れはしません。それ以来、クレームが来ると、「よーし、この方をうちの会社のファンにするぞー」と思いながら対処を始めたものです。

 私も、そんなお客様からクレーム転じて感謝された事例、そうできなかった事例、もちろんスタッフが感謝された事例、含めて、社内のグループウエアの掲示板にそのプロセスを事細かに掲載して、お客さんが望んでいる「何か」をスタッフのみんなに伝えようとしたものでした。
 
 このUAの本には、他にも、明日から使える顧客満足向上のためのキーワードをいろいろ拾うことができます。是非一読ください。

 

 また、私の「顧客サービスのバイブル」、アメリカの百貨店、ノードストロームでパートから役員に上り詰めた女性が書いた同じく是非読んで頂きたい良書をお勧めしておきます。

 

いつもお読み頂きありがとうございます。
毎日1回、クリックで応援よろしくお願いします。

blogrankings2 >>>人気blogランキング に参加しています。
【第8位】↑up (07.02.04現在)

| | Comments (10) | TrackBack (3)

December 26, 2006

アメリカのクリスマスブレゼントに学ぶこと

 みなさんは、今年どんなクリスマスを過ごされたでしょうか?

 クリスマスが来るといつも思い出すのは、8年前に、私が1年だけアメリカ・カリフォルニア州サンディエゴのある企業で働いていたときに、当時のボス(ドイツ系アメリカ人)に招かれて初体験したアメリカ家庭での典型的なクリスマスパーティーです。

 ボスのご両親のご自宅に娘息子家族が全員集まって行われたクリスマスパーティ。食事と団欒の後のメインイベントは、言うまでもなく、大きなクリスマスツリーの下に用意されたプレゼントの開封です。

 事前に打ち合わせされていて、必ず全員にいくつかづつ行き渡るように誰かが誰かのためにプレゼントを用意しているのですが、受け取った人たちが次々にラッピングをビリビリに破いて開けてゆくのを全員が見守り、その都度、喜びの笑顔と大きな歓声が沸きあがります。

 正直ボスが言ったように、中身はcrap(クラップ;たわいも無いもの)かもしれませんが、彼らは、プレゼントそのものの高級感や良し悪しよりも、意外性やサプライズをみんなで共有することを楽しんでいるようでした。

 なるほどアメリカの人たちは、このクリスマスのサプライズ、相手の笑顔、その瞬間を楽しみに一年間一生懸命働いているのだなぁ、と実感すると同時に、アメリカのショップやレストランやホテルで受ける「おもてなし」、「エンターテイメント性」にはこのような文化背景があるからこそではないかとも思ったものです。

 1999年に日本に帰国してから感じるのは、確かに外食チェーンから始まって、コンビニ、スーパー、物販店と日本のリテールビジネスの接客サービスの質が向上したのは事実です。

 しかしながらマニュアルは整備されて型通りの接客はできても、まだまだ売り手の側に「買わせてやる」、「売りつける」というような気持ちが少なからず潜んでいるのではないかと思うことがあります。

 驚くくらい期待を上回りそれが伝説として口コミで語り継がれるくらいの接客サービス。

 言うのは簡単ですが、実現するのは並大抵のことではありません。

 しかしながら歴史は違えど、相手がびっくりするくらいの心遣いと笑顔を見るために尽す、というアメリカのクリスマスプレゼントの精神に学ぶことは大いにありそうです。

いつもお読み頂きありがとうございます。
毎日1回、クリックで応援よろしくお願いします。

blogrankings2 >>>人気blogランキング に参加しています。
【第8位】→stay (06.12.26現在)

| | Comments (0) | TrackBack (0)

December 03, 2006

衣料品改革が裏目に出た米ウォルマート10年ぶりの減収

 12月1日の日経MJに、今年の11月度、1996年4月以来10年ぶりに既存店月度売上高前年対比が0.1%マイナスの見込みとなったウォルマートの衣料品改革についての記事が掲載されています。

 同社は、同社自身のイメージ向上やライバルであるディスカウントストア全米2位のターゲットのファッション性のあるマーチャンダイジングへの対抗策として、ファッション性を高めた衣料品改革を行って来ましたが、これまでの結果は、新商品群がうまくいっていないばかりか、ベーシック商品を求める既存顧客の客離れを引き起こし、苦戦している模様です。
 リー・スコットCEOは、あまりに性急すぎたということで、今後、ベーシックを充実させる方向に戻すとのコメントをされているとのことです。

 世界最大手の小売業、常勝ウォルマートでもこのようなケアレスミスをするのだな、と記事を読んでおりました。

 これは、アパレル業界でもよくある話で、経営トップが「来シーズンはファッション性を強調する!」と掛け声をかけると、ベーシック商品が手薄になり、客数減による売り上げ減を引き起こすという現象で、私も昔痛い目にあったことがあります。

 一般的に、ファッションの企画、バイイングに携わる人間は、ベーシックよりも先端を行く新しいファッション性の高い商品を品揃えたいと思うものですが、固定客の多くは「その店(あるいはブランド)のベーシック」を求めていたりします。それをうまくバランスをとるのがファッションビジネスなのですが・・・。

 99年から2000年にかけて、ユニクロブームがあった時に、アパレルリテール企業各社が、価格競争だけでなく、「ユニクロとの差別化!」をぶち上げ、独自のファッション性を追求し、ベーシック商品の品揃えを怠った時期がありました。結果は、言わずもがな、多くの企業が売上前年割れを経験したと記憶しています。理由は各社ユニクロの方を見ていて、顧客を見ていなかったわけですから当然。
 翌年以降、それに気づいて品揃えを見直し、各社回復に向かったものです。

 保守的な品揃えであれ、とは言いませんが、新しいものも大事だけれど、まずは「お客さんがウチに求めている品揃えって何?」を履き違えないで考えるいい経験になったのではないか思います。

 今回のウォルマートの事例も、「生活者の方を向いて期待に応える仕事をしよう!」の教訓になりそうです。

いつもお読み頂きありがとうございます。
毎日1回、クリックで応援よろしくお願いします。

blogrankings2 >>>人気blogランキング に参加しています。
【第10位】→stay (06.12.3現在)

| | Comments (0) | TrackBack (0)

November 26, 2006

メンズアンダーウェアも充実してきた

 11月24日の繊研新聞やnikkeiBPnetなどに、ミズノとユナイテッドアローズがアンダーウェアブランドを共同開発をしたニュースが掲載されていますが、今年、メンズの「肌着」から一皮剥けて、ファッションにも耐えうる「アンダーウェア」が次々に発売され、マーケットに充実してきたような印象を受けます。

 ミズノとユナイッテッドアローズ、アンダーウェアブランドを設立

 新宿の伊勢丹メンズの地下1階は当然のこと、百貨店の売場では、美脚パンツに対応したトリンプなどのボクサーショーツが高回転をしていると聞きますし、また、イトーヨーカ堂などのGMSの肌着売場でも、ワコールやトリンプが開発したメンズアンダーウェア(インナーTとブリーフ、ボクサー、トランクスなど)コーナーがかなり打ち出されています。ユニクロや無印良品の品揃えの中にも、ニットボクサーなど商品的に悪くないものがかなり見受けられるようになりました。 
 
 この充実振りを見ていると、5年以上前になりますが、私がカジュアルチェーンの服飾雑貨のバイヤーをしていた時にメンズのアンダーウェアMDに取り組んだことを思い出します。

 当時、カジュアルでアンダーシャツといえばヘインズの3Pパック、ボトムスは、老舗肌着メーカーが作ったブリーフやトランクスくらいしかマーケットになく、こんな品揃えで生活者が満足するわけはない、ニッチマーケットと見て、調査と実験販売から始めることにしました。

 基幹店舗を説得して、売場を倍に拡大し、おなじみCKカルバンクラインやポロラルフローレンの箱入りアンダーウェアから日本の老舗F社、G社の商品、価格訴求のノンブランドまで松・竹・梅戦略で品質と価格帯を幅広く品揃えし、一部店舗で販売を行いました。

 老舗肌着メーカーの商品については、掛け率はさておき、商品の品質は悪くないのですが、形状、つまりパッケージとたたみ方が量販的で、オヤジくさかったので、何度も掛け合って、カジュアルショップでファッションに耐えうる形状に直してもらっての、実験販売。高いものから安いものまで、もともとあったものも、新しく入れたものも、全商品がよく売れ、同カテゴリーの前年対比3倍以上の売上を記録しました。

 その後、この実験販売の結果を踏まえて、潜在マーケットを確信し、インポートとNBの品揃えを絞り込み、低価格帯にオリジナル開発商品を投入するわけですが、以後、アンダーウェア部門で安定的な売上を確保するに至ったものです。

 そんな実体験もあって、メンズに限らず、女性のランジェリーマーケット含めてインナーあるいはアンダーウェアーマーケット全般を気にしてみていますが、今日に至るまで、着実にファッション化していると思います。

 メンズについては、CKアンダーウェアの揺るがない人気を追う形で、ブームの後押しもあってD&Gが、はたまた、新庄選手の「ちゃんとした下着をはこう」のBODY WILDのマーケティングも生活者の目をアンダーウェアのファッション化に向かせる役割を果たしているのではないかと思います。109メンズにも「クルーズ」というアンダーウェア専門店がありますね。

 女も男も毎日勝負パンツ!とまでは言いませんが、インナーにも気を遣い、身の引き締まる、自信の持てるものを身に付けたいですよね。

いつもお読み頂きありがとうございます。
毎日1回、クリックで応援よろしくお願いします。

blogrankings2 >>>人気blogランキング に参加しています。
【第8位】→stay (06.11.26現在)

| | Comments (0) | TrackBack (0)

October 30, 2006

ファッション2.0に乗り遅れるな

 日経新聞に同紙本社コラムニストによる「核心」というコラムがありますが、10月30日のテーマ(見出し)は「『2.0』に乗り遅れるな-革新的な進化問う時代」というものでした。

 最近、当ブログでも話題にする『2.0(ニーテンゼロ)』は、ご存知、Web2.0(ウェッブ2.0)の言い回しになぞらえて現代用語になりつつありますが、記事中でも、

 「2.0を1.0からの革新的な体質の進化の表現ととらえると2.0現象は随所に出てきている」

 と、デル、アップルコンピュータ、出光興産、ソニーから小泉内閣までを引き合いに出して、それぞれが従来のやり方=1.0に対して、ここ5年間で、「革新的な進化」=2.0に生まれ変われた事例、そうでない事例について論じています。
 そして「視力検査のように2.0を上限」とせず、「2.0時代に乗り遅れず」「しかも連続的なバージョンアップを忘れない」ことの必要性を説いてコラムの結びとしています。

 さて、本題の「ファッション2.0」ですが、私の先日のエントリー ”ファストファッション”から”ファッション2.0”が始まる に関して、ファッションブログ仲間の「新・両国さくらのファッション・イン・ファッション」のさくらさんがコメントをエントリーしてくださっています。 「ファッションの民主主義化」って何?

 日経のコラム同様に、ファッション2.0は、Webを活用しているかどうかにかかわらず、いろんな解釈があってもいいのではないかと思っていますが、ファッション業界の「革新的な体質の進化」をファッション流通ブログde業界関心事的にいうと、

 ファッション1.0・・・毎シーズン生産者側流通者側の論理、都合で
            プロダクトアウトされるファッション
 ファッション2.0・・・生活者のマインド(ディマンド)を起点に
            スピードをもって提案されるファッション

 この思いは、私自身の原体験に基づきます。

 私のこの業界でのキャリアは商社アパレル部門でアパレル企業やアパレル小売チェーンのための企画生産業務代行から始まり、その後、アパレル卸会社(欧州アパレルジャパン社)、カジュアル系小売チェーンでの業務を経験しましたが、その過程において、供給側の怠慢による多くのリスク、ロス、無駄、習慣・・・が、生活者への小売価格にヘッジされるのを見てきました。

 生活者は生産者・流通者側の都合で高く買わされているのではないか?

 なぜこんな風になっているかというと、たぶんその理由のひとつは、生活者から遠いところで仕事をしているゆえの各流通段階の「生活者に対する無知・無関心・情報不足」ではないかと思っています。

 ファッション流通を、「真実の瞬間」とは何か(ちょっと大げさですね)を問いながら、企画生産側から生活者に近づきながら業務経験を重ね、小売で働くようになって目から鱗が落ちたような気がしました。

 お客さんって、店頭で、こんな風に感じて、財布からお金を出して、実際着用して、友達にもほめてもらって、喜んでくれたらまた戻ってくるんだなと。なあんだ自分自身だってそうじゃないか。 

 そう思ってからは、あの喜んでくれたお客さんたちの顔が頭に浮かび、今度はこうやって喜んでもらいたい、なんて考えながら業務にあたったものでした。

 そうすると、とびっきり旬なものを、納得の行くクオリティで、そしてどこよりも安く、早くお届けしたい、って考えるようになるんですね。それをどうしたら実現できるか真剣に考えるわけです。

 話は変わりますが、ファッション業界では、これまでハイファッション→トレンド→ヴォリュームといったファッションビジネスのヒエラルキーが存在し、トレンドは高いところから時間(シーズン)をかけて低いところに流れる、といった特権的な?状況や、ヨーロッパ→アメリカ→日本といったファッション文化の成熟度の差による情報伝達の差がビジネスチャンスを生み出していたと思います。
 
 ところが、情報化社会、インターネット時代において、成熟した生活者の進化は止められず、ファッショントレンドの同期化、または逆転現象をも引き起こし、その象徴が、いまや、世界最速と言われるようになった東京のストリートファッションではないかと思います。

 そんな動きとも呼応するかたちで、生活者に近いところで生活者の立ち場に立ってファッションビジネスを考え、生活者にとっての適時、適材、適所、適価、適量を追求し、かつスピードを持って提供するビジネスモデルが次々に生まれ、マーチャンダイザーあるいはバイヤーと店頭との密なPDCAサイクルを高回転でまわすことによって成功を収める企業が続々と出現しています。

 キーワードは "from mind to market" そして "speed to market"でしょうか。
 (傾倒している消費者購買行動学の大家RogerBlackwell教授の
  リテールマーケティング書の言葉より) 

 当ブログでご紹介しているマルキュー系、ワールド、ポイントなどのSPA系ファッション企業やゼイヴェルのgirlswalker&TGCあたりが、今のところ日本の代表格にあたるのではないかと思いますし、海外を見渡せば、ZARA、H&M、TOPSHOPという欧米で”ファストファッション”あるいは”ハイストリートファッション”と呼ばれるSPA企業がその全世界的な動きをリードしていると思われます(ユニクロはこのあたりを強烈に意識して2.0に向けての改革を始めたばかりでしょうか)。

 そして、その動きがヒエラルキーの頂点にいるハイファッションのブランド群や旧来型の企業に突きつけている現実、業界に生活者最適への「革新的な体質の進化」を迫っている図式であると思えてならないのです。

 正直、ファストファッションを否定的にとらえる業界の方は少なくありません。しかし、私は、彼らの活躍が業界全体が一皮剥けるきっかけになれば・・・多くの生活者がそれに賛同し、その声、態度を業界が無視できない状態になりつつあることをむしろ歓迎しています。

 その先にあるものこそ、生活者のディマンドを起点とした「ファッションの生活者主権化」であり、旧来型ヒエラルキーをも変革する解放された生活者が主役の「ファッションの民主主義化」ではないかと思うのです。

 ファッションと一言で言っても、さまざまであり、わかる人にだけしかわからないものがあってもよいだろうし、もちろん、お金持ちしか手の出せないものがあってもよいと思います。

 しかし、マクロトレンドは価格帯にかかわらず生産者都合ではなく、生活者起点のファッション2.0だと思いますし、この波に乗るかどうかが、未来を決するのだと思います。

 いつもお読み頂きありがとうございます。
毎日1回、クリックで応援よろしくお願いします。

blogrankings2 >>>人気blogランキング に参加しています。
【第6位】→stay (06.10.30現在) ありがとうございます

| | Comments (0) | TrackBack (0)

October 06, 2006

クイーンズ卑弥呼にシンエイが商品供給

 10月5日の繊研新聞、6日の日経MJに、婦人靴SPAの卑弥呼が展開する大きいサイズの靴専門店「クイーンズ卑弥呼」に、百貨店のミセス靴売場に強い靴卸のシンエイ(スポーツ大手を除くと業界3位)が商品供給することに関する記事が掲載されています。

 記事によると、ヤング、キャリアに強い卑弥呼とミセスに強いシンエイ、両社の業務提携に向けての第一弾のようで、今後、流通再編、百貨店靴売場のリストラなどが進む靴業界で、売場から生産までその提携を模索するとのことです。

 以前ブログでもモデルサイズの靴(=24.5cm以上の婦人靴)はニッチマーケットであることを取り上げましたが、実際のところ生産・在庫リスクは否めないこのビジネスに、シンエイのハイセンスなミセスの商品が加わることによって、リスク分散と幅広い客層を取り込みながら、今後の展開に弾みをつけようという狙いのようです。

 話は変わりますが、先日、親しくさせて頂いている靴業界の社長さんとお話をしました。話はいつも「業界の課題」に行き着きます。

 ご存知のように、日本の靴ビジネスには産業保護のために輸入関税割当(TQ)という大きな輸入規制、参入障壁があります。ストレートに言うと、既得権益としてのTQを持っている会社以外には、革靴の関税率は法外に高いということです。紳士靴のように、スポーツシューズにかこつけた逃げ道のない婦人靴はこの影響を真っ向から受けます。この規制は時代に逆行してますます厳しくなっている模様です。

 産業保護はわからないでもないですが、それゆえに、靴メーカーが自由な流通ができずに弱体化し、再編が必要になり、また生活者が欲しい商品を納得のいく価格で買える機会が損なわれるというのは、いかがなものかな、と常々思っています。

 関連エントリー-大きいサイズの靴、クイーンズ卑弥呼
 関連エントリー-顧客は靴売り場に何を望むか?
 関連エントリー-片足陳列か、両足陳列か?
 
皆様の応援が毎日の活力になります。
今日もこちらをクリックしていただければ幸いです。

blogrankings2 >>>人気blogランキング に参加しています。

| | Comments (0) | TrackBack (0)

June 17, 2006

婦人スーツのパターンオーダーが人気

 本日の日経新聞に、大手紳士服チェーンによる婦人スーツのパターンオーダーサービスの需要が伸びていることに関する記事が掲載されています。

 パターンオーダーとは、業界(作り手)側から言うと、型紙(パターン)を修正せずに対応できるカスタムメイドオーダーのことです。生地が何種類かと型紙が何種類か用意されていれば、その数の掛け算分の需要に対応できるわけです。

 購入側から見ると、試着サンプルで着心地を確かめて、好きな生地を選んでオーダー。シルエットの変更はできませんが、
 ○生地が選べる。
 ○上下(ジャケットとパンツまたはスカート)で違うサイズをセットアップできる。
 ○袖丈、股下、ウエスト、ヒップなど、縫いしろ+アルファーくらいの範囲であれば
  補正可能。
 といったオーダーメイドまでは行かなくとも、手ごろな値段(記事によると、洋服の青山、アオキ、タカキューあたりで、3万円台から5万円台)で、「あなただけ」のオリジナル商品が短期間(1-2週間)で仕上がるものです。

 リクルート、新入社員、OL、キャリアなどに、需要が広がっており、先行したアオキでは、06年3-5月の販売が前年対比で2倍、遅ればせながら今年三月始めた青山商事では、1年間で6億-10億円の売上を見込んでいるとのことです。

 女性の社会進出、制服の廃止などの社会変化背景あっての話ではありますが、紳士服のノウハウが婦人服のサイズ需要に対応できる好例だと思います。まだパターン数と生地数はそれほど多くはないようですが、これから更なる需要の見込めるところではないでしょうか。

 もっとも、女性に限らず、私もスーツを購入する際は、企業側が用意する上下セットのサイズが合わない人のひとりです。最近は、すべてセットアップ販売(上下違うサイズが組み合わせて買える)の店が増えてきたので対応できてきましたが、こういったパターンオーダーの需要から業界が対応すべきサイズ問題など学ぶことはいろいろあるのではないか、と思います。

 関連エントリー-ファッション業界でサイズ対応が始まる

皆様の応援が毎日の活力になります。
今日もこちらをクリックしていただければ幸いです。

blogrankings2 >>>人気blogランキング に参加しています。

| | Comments (0) | TrackBack (0)

April 09, 2006

ライフ・バイ・アースミュージック&エコロジーの保証書

 4月7日の繊研新聞、アースミュージック&エコロジーを展開するクロスカンパニーのプレミアムジーンズを核にしたスタイリングを提案するセレクトショップ、ライフ・バイ・アースミュージック&エコロジー(以下LIFE)が発行する「保証書」についての記事が興味深かったのでご紹介します。

 クロスカンパニーについては、以前もブログでご紹介しましたが、同社は、カフェ以外のショップのスタッフはすべて社員とし、ブランドコンセプト伝道と顧客満足のために、人を大切にし、従業員教育、従業員満足に力を入れていることで有名な会社で、基幹業態のアースミュージック&エコロジーは絶好調、2-3年以内にIPO(株式公開)も視野に入れた優良ファッションSPA企業のひとつです。

 LIFEは、昨年25-35歳のキャリア層の大人の女性をターゲットにスタートしたセレクトショップ業態で、TRUE RELIGION、ANTIK DENIM、SEVEN FOR ALL MANKINDなど30ものプレミアムデニムブランドにオリジナルのトップス&ボトムス、欧州の服飾雑貨などをスパイスとして組み合わせて、アースミュージック&エコロジーの実績から、好立地に展開しているものです。

LIFE BY EARTH MUSIC&ECOLOGY ホームページ 

 同社が発行している「保証書」とは、同業態主力のインポートジーンズに3ヶ月間の無料修理、交換、返品などの保証をしているもの(丈つめを行った場合は修理のみの対応とのこと)。
 昔から高額インポートカジュアル品を扱っていると、つきまとう問題として、品質問題があります。感度は高くても、厳しい日本の生活者から見ると、色落ちがしたり、縫製がよくなかったり、附属の取り付けが悪かったりすることは少なからずあるものです。特に、最近の後加工の激しいプレミアムジーンズでは、ボタン、リベット、ファスナーがダメージを受けているものがあるのは想像に難くありません。

 いまどき、不良品には、お店が万全な対応をするのは常識ですが、お客さん側は、結構遠慮をしてしまい、泣き寝入りをすることが少なくないと思います。不良品を売ったのは、店側のはずなのに、けちをつけられたと、店員の嫌がる顔も見たくないし、トラぶったりするのも厄介だと思ったりして。
 どんな有名ブランドだって、欠陥箇所が見つかった時、着用時にはなお更、それを選らんだ人は恥ずかしめを受け、その時点でその人にとっては、そのブランドもショップも「ファッション」でなくなると思うんですね。
そして、知らず知らずのうちに、そのお店から足が遠のく、知人にいやな体験談を話してしまう・・・お店が大事な顧客を失う瞬間のひとつかもしれません。

 また、顧客からクレームがあった時に、小売としての販売責任を棚に上げて、不良品はメーカーのせいにして「たらいまわし」にするショップも少なくない中、ショップとしての同社が、「責任」として、「ファッションブランド」として、「お客様とのお約束」としてこういった保証書を発行するところにも共感を感じます。そう、ファッション商品であれば、3ヶ月も着用すれば、その間に、基本的な欠陥は顕在化しますので、3ヶ月保証は決して短くはないと思いますね。

 顧客の立場に立ったら思いつくことが、自然に実践できる会社が伸びてゆく時代であって欲しい・・・同社のチャレンジを見ているとそう感じます。
 
皆様の応援が毎日の活力になります。
今日もこちらをクリックしていただければ幸いです。

blogrankings2 >>>人気blogランキング に参加しています。

| | Comments (0) | TrackBack (0)

March 22, 2006

OLに小6サイズが人気

 20日の日経MJによると、百貨店の子供服売り場の150-160サイズが小柄な大人の女性客に人気で、平日の夕方にはキッズ売り場に自分用の服を購入する会社帰りのOLの姿が少なくないとのことです。

 最近は、自分の子供に昔ながらの可愛いらしい子供服ではなく、大人達が着ているテイストの服を着せたがる親が増え、大人向けブランドのメーカーが子供サイズの服を生産するケースが増えています。サイズさえ問題なければ、大人でも人前で十分着用に耐えられます。しかも大人用より安いときているから納得の話ですね(実は、原価の話をすると、生地代は確かに少なくてすみますが、その他のコストは同じなので、あまり割があわないんですけどね)。

 今回記事で紹介されていたのはGAPキッズ、セオリープチなど。セオリープチのスーツは価格もジャケット3万4650円パンツ2万1000円とそれなりなんですが、購入客の5割は大人の女性客だそうで、同ブランドは、試着用に大人のパンプスも用意しているとか。

 アメリカでは多くのブランドが大人の小さいサイズの服、petit(プチ)サイズのラインを展開しています。今後、ニコラとマルキューの狭間のポストニコラ世代マーケットもにらみながら「小さいサイズの服」マーケットも新しい展開を見せそうですね。

 関連エントリー-ファッション業界でサイズ対応が始まる

皆様の応援が毎日の活力になります。
今日もこちらをクリックしていただければ幸いです。

blogrankings2 >>>人気blogランキング に参加しています。

| | Comments (2) | TrackBack (1)

March 10, 2006

ファッション業界でサイズ対応が始まる

 8日の日経MJに丸井がサイズの大きい女性向けの自主編集売場 「マルイモデル」 を展開するとの記事がありました。一般アパレルで13号~23号、ジーンズは32インチ~40インチ、靴は24.5~26センチを品揃えし、店内はセレクトショップのように高級感があり、センスのよい内装、VMDを施すとのことです。

 よくアパレル業界や靴業界の方々と、日本人の体型の変化に対応して、いわゆる大きいサイズの展開をしないのですか?という話をするのですが、「あぁ、やってるよ」、「でもあんまり売れないんだよね」、という言葉が返ってくるものです。

 先日、長年大きいサイズに特化している、という服と靴のお店それぞれを見る機会がありました。大きいサイズの服屋では、ホンジャマカの石塚さんが着ていそうなメインVMDがヤケに印象的でした。

 大きいサイズの靴店については、確かにサイズバリエーションは見事なものでありましたが、たぶんこの店は10年前もこんな感じだったでしょうし、おそらく5年後に来ても同じ品揃えなんだろうな、と思いながら店を見ていたものです。

 卑弥呼がQUEENS卑弥呼という大きいサイズの婦人靴の業態をスタートしたことは、以前このブログでも取り上げましたが、先日読んだ、ユナイテッドアローズの中長期成長戦略の記事。主業態のUAから若い層をターゲットにした新業態「BYユナイテッドアローズ」を分離させることによって、もともとのUA業態は、その「らしさ」を追求する、そして、「大人」に幅広く対応するため、サイズにも対応をしたい、という一文がありました。

 ポイントが、ローリーズファームやグローバルワークの年代を卒業した生活者向けにそれぞれアパートバイローリーズ、アンダーカレントというブランドを立ち上げますが、これらの新業態についての記事の中にも、同社が得意とする高感度で、買いやすい中間価格帯を狙いますが、「年代に合わせたサイズ対応」のキーワードをしっかりを読み取ることが出来ます。

 業界は、正直、これまで、効率重視によって、モデルばりにスタイルがよくなってきている日本人女性やスポーツマン体型のナイスガイが増えているのに、また、歳をとって、少し体型が変わっても素敵でいたい人が多くなっているにもかかわらず、対応が遅れていたり、配慮が足りなかったと思います。

 今年は、ZARAなどの外資SPA企業の刺激も手伝って、ようやく業界が生活者のサイズ&感性のニーズ・ウォンツに目を向けて動き始めたな、という気がしています。

 そう、センスのいい「大きいサイズ」=「モデルサイズ」という表現が実に生活者の心をくすぐりますよね。

 関連エントリー-業界はサイズの需要に対応しているか?

皆様の応援が毎日の活力になります。
今日もこちらをクリックしていただければ幸いです。

blogrankings2 >>>人気blogランキング に参加しています。

| | Comments (5) | TrackBack (1)

January 23, 2006

片足陳列か、両足陳列か?

 以前にこのブログで婦人靴の卑弥呼がクイーンズ卑弥呼での両足陳列のチャレンジについてエントリーしたところ、多くの方からコメント、リンク、アクセスをいただきました。

 関連エントリー 顧客は靴売り場に何を望むか?

 本日の繊研新聞に、卑弥呼が百貨店の婦人靴売り場でも始めた両足陳列について、賛否両論があることが記事になっていました。特に百貨店のバイヤーのインタビューが中心のようですが、記事にあった「片足陳列にするメリット」、「両足陳列のデメリット」を整理すると次の通りとなります。

 「見た目が格段に美しい」
 「片足の方がきれいに並べられるので、見つけることと選ぶ楽しみを提供できる」
 「この靴のXXサイズが欲しいという注文から、婦人靴の接客は始まるもの」
 「片足の方が陳列できる型数が多くなる」
 「盗難防止(片足では万引きもしまい)」
 「両足出し=納品という取引慣習」・・・これは委託販売で返品を想定している模様。
 「(両足陳列で)他のお客が試し履きした靴は買わない」

 なんか、いずれも、売る側の先入観や都合が多いような気がします。

 一方、同記事内の両足陳列推奨者は、
 「接客を嫌がるお客さんも少なくない」
 「在庫の品だしで顧客をお待たせすることがなくなる」
 以上顧客のストレスフリー。
 「陳列できる型数は減るが、その分お客さんを惑わせない絞り込んだ提案ができる」
 「両足がある方が、コーディネート含めてお客さんに商品のイメージを掴んでもらいやすい」
 
 こちらの方が断然お客さんの視点に近い、と思うのは私だけではなく、リンクやコメントを頂いた、多くの業界外の方が同感されています。

 接客を前提にして、いきなり声をかけてしまうお店では、「お客さんは売り場がどんな状態であることが心地よいか」という、ある意味、購買の決定的な要因をもたらすことが一方通行で見えなくなってしまう危険性をはらんでいると思います。しばらく、そっとしておいてさりげなく見ているとお客さんがいろいろなヒントをくださるということは、プロなら経験済みのはずです。

 この片足陳列か両足陳列か、売り手が顧客の視点に立って、顧客の購買行動を考えるためのいい事例の一つだな、と思いました。

 それから、靴売り場への要望もう一つ。もっと全身が見える鏡をたくさん置いて欲しいですね。柱や壁は全部鏡でもいいくらいです。

皆様の応援が毎日の活力になります。
今日もこちらをクリックしていただければ幸いです。

blogrankings2 >>>人気blogランキング に参加しています。

| | Comments (0) | TrackBack (1)

November 24, 2005

顧客は靴売り場に何を望むか?

 先週から、経済産業省が進めるICタグを利用した「日本版フューチャーストアプロジェクト」の実験がスタートしたと聞いて、「ファッション」の実験が行われているという新宿丸井シティ(7階のビサルノと4階のルスークプリ)を覗くと同時に、ICタグを本格導入中という三越本店婦人靴売り場、新宿高島屋婦人靴売り場もそれぞれ覗いて来ました。

 まずは、それぞれの売り場スタッフの方には丁寧に操作説明をしていただいて、大変感謝いたします。

 感想としては・・・数年前から全商品にICタグを導入済みで、棚卸しなどもすでにICタグで行っているフランドル社のルスークプリは別にして、ビサルノや婦人靴売り場は、ICタグ取り付け商品は1/4以下であり、その結果、効果もまだ、まだ限定的であるといわざるを得ない状況のようです。

 丸井の方は、両売り場とも、店頭のモニター上でホームページのお奨め商品の紹介を見ている域を超えず、残念ながら、販売員の接客の方がお客さんには、よろしいのではないか、と感じてしまいました。
 また、百貨店靴売り場については、両社とも、サイズ在庫の有無の確認は「よし」としても、代替商品の提案については、業界の建値帳(展示会受注票)によく見られるイメージの掴みづらい「手書きの線画」をスキャンしたものが中心で、今後も商品画像登録にはご苦労されるであろう、と感じました。 

 今日も靴売り場を見ていて、先日、記事をエントリーして今でも反響のある卑弥呼の「Queens 卑弥呼」(関連記事は>>>こちら)をオープンした時の同業態のもうひとつの試みに関する卑弥呼柴田社長のコメントを思い出しました。
 
 (ご存知のように、靴売り場のほとんどは、1デザイン、1サイズ、片足陳列です。それは、出来るだけ多くの型を顧客に見せたいという意図から。これに対して、「Queens 卑弥呼」は、両足陳列、デザインによっては、一部4足出し(全サイズ、両足陳列)にチャレンジしています。)

 「(片足陳列により、売り場に陳列する)型数を増やしたいのは、商品のセレクトに主張や自信がないから。顧客の立場で考えれば両足陳列で、なおかつ自分のサイズが陳列されている方が便利なのは間違いない(繊研新聞11月10日付柴田社長インタビューより)」

 そう、サイズ別陳列、両足陳列であれば、お客さんはその場で自分で履いて試せるのに、一般の靴売り場は、「スタッフに声をかけて、しばらく待たないと試着もできない構造」になっているんですよね。それも結構ストレス。

 顧客の立場で考えた時、靴売り場の改善は、ICタグ導入の前にまだまだありそうです。

ご興味、共感いただきましたら、今日もクリックで応援よろしくお願いします。
blogrankings2 >>>人気blogランキング に参加しています。

| | Comments (0) | TrackBack (3)

November 09, 2005

業界はサイズの需要に対応しているか?

 先日の「大きいサイズの靴、クイーンズ卑弥呼」のエントリーにアクセスが絶えないところを見ると、いかに生活者の方々の関心が高く、探しているかがわかります。

 本日の繊研新聞にも「クイーンズ卑弥呼」に関する卑弥呼 柴田社長の取材記事がありましたので、興味深く読ませていただきました。

 かつて業界革命児、として頭角を現した同社も自身の反省も含めて「顧客の満足と靴業界の満足は相反している」と認めています。そう、靴、ジーンズ・パンツ、ドレスシャツ、子供服など、4サイズ以上ないと商売にならないアイテムの業界は、えてして「製造の理論」でビジネスが語られているものです。レディースシューズについても、25cmを越えると、靴底の型をサイズに合わせて大きくしていく規則性(グレーディングといいます)が崩れ、サイズごとにバランスのよい型を作らなければならないそうで、それ以下のサイズに比べ、効率が悪いそうです。

 同じような話を、先週ある老舗の靴製造メーカーの社長さんと世間話をしている中で聞きました。「だから大きいサイズの靴はかわいくないんだ」と。なるほどな、と思ったものです。

 そういえば、昔大きいサイズのメンズスラックスの生産を担当したことがありましたが、確かにウエスト100cmくらいになると、型紙を個別につくり、生地代もかかるので工場が嫌がり、単価もサイズごとに変えて製造していましたっけ。

 しかし、卑弥呼が立派なところは、店頭での24.5cm以上の売上比率が17%にもなっていること(これはPOSデータを見ればわかります)、とあわせて、同社に就職を希望する学生さんに必ずアンケートをとるらしく、それによると24.5cm以上の学生が25%もいたことをクイーンサイズに取り組んだきっかけのひとつにしています。

 これはいい教訓ですね。就職希望者や従業員は身近な大切なお客様、マーケティング対象であることを意外と忘れている企業が多いものです。(パート・アルバイトの面接でフリーターに失礼な態度の店長が多い、と悪名高い有名チェーン店があります。けしからん!)
 
 非効率なものを切り捨てている場合ではありません。確実にマーケットは変わっています。他社がそんなことを考えていたり、中途半端にやっている間に、むしろ特化した方が戦略的にいいかもしれません。サイズマーケティングは業界ではその最たるものだと思います。

ご興味、共感いただきましたら、今日もクリックで応援よろしくお願いします。
blogrankings2 >>>人気blogランキング に参加しています。

| | Comments (0) | TrackBack (0)

October 14, 2005

大きいサイズの靴、クイーンズ卑弥呼

 昨日の繊研新聞によると、婦人靴卸&SPAの卑弥呼が8月末からスタートした大きいサイズを集めた新業態、「クイーンズ卑弥呼」が順調な立ち上がりを見せているようです。新宿の京王モール、心斎橋店の2階と既存店を業態転換してスタートした模様ですが、前年の既存業態売上と比較して前者は60%アップ、後者は40%アップの売上とのことです。

 両店舗とも24.5cmから27cmのサイズ構成で、売上構成比は、25cmと25.5cmで50%、26cmが20%とのことですが、26.5cm以上は入荷すると即完売だそうですから、もっともっと需要はあるのでしょうね。

 Queens卑弥呼HP

 足のサイズの大きい女性が周りに多いので、大きくてもかわいい靴がない、とよく苦情を聞きますが、この大きいサイズの靴は本当にニッチマーケットで、ビジネスのチャンスは大きいと思っています。

 シューズのバイヤーをやっていたころ、おかしいな、と思っていたことに、このサイズ問題があります。メーカーさんは、生産効率が悪いと切捨て、バイヤーは在庫が残るという固定概念で仕入れない(実績と需要を見極めて適量仕入れれば、問題ないはず)結果的にマーケットには、小さいサイズと大きいサイズのいわゆる端サイズの商品がなくなります。
 一方、そういったものを求めているお客さんは、価格ではなく、あれば一度に2足も3足も購入してゆくと思いますので、客単価は高い、固定客になる可能性が極めて高いわけです。
 
 定番シューズやジーンズはこの点に目をつけ、切り捨てられているサイズを品揃えし、上手にアピールすれば、その部分の伸びで売上二桁増も不可能ではありません(実績あり!)。

 この大きいサイズに対応しているシューズショップで有名なものとして、

 深田恭子(フカキョン)御用達の店

 タルサタイム

  札幌の専門店
  セブン&ハーフ

 などがありますが、まだまだ供給が足りないのではないでしょうか。
 

ご興味、共感いただきましたら、今日も一票、クリックで応援よろしくお願いします。
blogrankings2 >>>人気blogランキング に参加しています。

お知らせ:このブログが学研ムック「最新人気ブログランキング200」(9月16日発売;830円)で紹介されました!
カテゴリ別ランキング第5位(69P掲載)。これも皆様のおかげです。

| | Comments (4) | TrackBack (1)

August 18, 2005

健康とファッションを両立~カムイ(卑弥呼)

 「卑弥呼」と言えば、10代~20代向けのファッションシューズSPA(製造小売業)と思っていましたが、その売上の24%にあたる58億円は健康靴専門店「カムイ」が上げている、とは17日の日経MJ記事から。

 ファッション業界でも、自然にやさしい(ECO)、とか健康にいい(ヘルシー)といった商品やブランドが幾度と登場し、消えていったことでしょうか。
 やはり、ファッション商品はそういったお題目があっても、ファッション性が二の次にされていたり、そういう理由で値段が少しでも高くなってしまうと、話題は呼んでも売れたためしがなかなかありません。

 ファッションシューズの卑弥呼が仕掛ける健康靴は、中敷の中の水溶液が歩行時の衝撃を分散させ、足の負担を軽くするという、キャリアウーマンにとってはうれしい機能。
 しかし、現在のリピーターによる売上アップを支えてきたのは、やはり、デザインを両立させるための「ミリの世界」の技術革新であったようです。
 1991年の発足当時、中敷は5-7ミリ、こうなるとファッション的につま先をとがらせようとしても、この厚みゆえに、つま先に丸みが帯びてしまって、健康によくても、見た目ダサいシューズになってしまい、なかなか支持者は少なかったようです。試行錯誤の上、96年、5ミリの中敷を3ミリに、2003年、ついに2ミリにすることに成功し、思い通りのデザインを表現できるようになり、売上は二桁増の傾向をたどっているとのこと。

 健康でおしゃれ、大きいサイズだけどファッショナブル・・・まだまだこんなニッチたくさんあると思いません?

このブログにご興味をもっていただけたら是非クリックを・・・
blogrankings2 人気blogランキング 応援よろしくお願いします。

※当ブログは、「ビジネスブログ」の事例として取り上げられています。
ビジネスブログとは?>>>こちら
イーナチュラル社主催サイト「ビジネスブログ」紹介記事は>>>こちら
excite ビジネスブログ(ファッションカテゴリ)紹介記事は>>>こちら

| | Comments (0) | TrackBack (0)

March 27, 2005

個人情報保護法施行、企業戦略と顧客満足のギャップ

 この一週間、個人情報保護法について考えてきました。
 
 企業が顧客情報を収集する第一の目的は、DM名簿やチラシ配布などの広告宣伝のようです。 セールや新商品の入荷を告知し、とにかく、お店に足を運んでもらうきっかけをつくるわけです。
 
 一方、顧客側は・・・自分が何かを買いたい時は、むしろ、自分から情報を探し選別する、というスタイルに変わりつつあります。イエローページやインターネットの普及によるところが大きいと思います。 
 例えば、インターネットの検索エンジンで探し、ホームページを見て比較してみる。それでもわからなくて、電話をかければオペレーターが的確に答えてくれる。そして、ネット上から注文したり、店に足を運んで商品を確かめて買う。 これで満足した買物ができたお店が、顧客の心に残り、また、次回買おうと思う。というわけです。
だから、何が重要かというと、
 1.欲しい情報が欲しい時に用意されていること、
 2.期待にそった「お約束」の品揃えがされていること、
 3.さらに、お客さんを一歩リードするトレンドにもとづく情報、品揃え、サービスがあること
だと思います。

 顧客情報の活用のしかたで、上記を実現に取り組むことは、可能ですし、事例も見られるようになりました。
マス広告宣伝発想から、少しきめ細かい顧客満足発想へ、個人情報保護法施行が時代の変化のいいきっかけになればいい、と思います。

| | Comments (0) | TrackBack (0)

March 25, 2005

顧客満足のために顧客情報をとる

 どんな業界でも、顧客情報を収集することよりも、情報が顧客満足に活かせるか、が大事なことだと思います。そういった意味では、個人情報保護法が施行される今年が、顧客満足のための顧客情報活用元年だと思っています。

 お客さんは期待してお店に行くわけで、せっかく行っても買う商品がなかったり、品切れ、サイズ切れであると、がっかりします。度重なると、そのお店には期待しなくなりますね。もう、行かない、ということです。

 以前、マニュアル本風ではありますが、なかなかいいこと書いてるな、と関心した、営業と接客のケーススタディ本。本の結論は、 「お客さんは、商品やサービスを消費しているときの姿を想像しながら買い物をしている、その気持ちが理解できれば、よい販売員になれる」 ということでした。
 ファッションにあてはめると、確かに、私たちも、それを着用した時の「自分の姿を想像して商品を選んでいます。 その姿を想像できない、実現できない、あるいは、反対に失望させるお店は、言うまでもなく、お客さんの心のリストから外されるわけです。

 名前や住所やEメールアドレスなどの名簿を作ってDMを送るためではなくて、お客さんが望んでいることがわかり、それが品揃え商品、サービスに活かせるような情報の取り方を考えたいです。そして、お客さんの姿を想像して、こうしたら、よろこんでもらえるかな、と大好きな人にどんなプレゼントをあげる時のように仮説を立ててみるのです。

| | Comments (0) | TrackBack (1)

March 23, 2005

ポイントカードを考える

日経MJの調査によると、よく利用するポイントカードの枚数が、5枚以上ある人が全体の40.1 %を占め、2-4種類でも38.7 % と、2種類以上をよく使っている人が全体の約80%を占めるとのことです。 
業種別に見ると、上位は、スーパー、家電量販店でそれぞれ1/3づつ、残りの1/3がその他、というところだそうです。

 自分の財布をよくよく見てみました。仕事柄、CRMも関係しているということもあるのですが、銀行キャッシュカード、クレジットカード以外に17種類も入っており、そのうち、よく使うのは、7種類あります(スーパー、家電、レコード、アパレル、飲食、床屋などなど)いつも小遣いがない割には、どおりで財布が厚かったわけですね。

 利用するメリット上位としては、換金性が高いこと57%、ポイントがたまりやすいこと56%、有効期限が長い30%、制度のわかりやすさ28%・・・ 圧倒的に「たまりやすくて、買い物に使える」、ということがメリットとして認知されているようです。これは納得。 

 いつもポイントカードで思うのは、共通カードがあれば、持ち歩く枚数が少なくなるとともに、ためたポイントが他の店でキャッシュのように使えたらいいな、と思います。
 アメリカでは、スーパー、ドラッグストア、銀行、クレジットカード、航空会社、専門店などのアライアンス共通カードがありました。 日本でも、マイレイジポイントがエディに交換できたり、ポイント相互交換のサービスが始まりましたが、なかなか企業の利害関係で、顧客の使い勝手とはならないのが現実です。

| | Comments (0) | TrackBack (0)

March 22, 2005

個人情報保護法とファッション流通顧客管理(CRM)

 いよいよ個人情報保護法施行まで10日を切りました。
新聞、インターネット、メディアでは、どうしたら、規則に沿うかの企業側の法律対策テクニック論が多く、本来の顧客対策の本質を論じている内容が少ないのが残念です。

 ファッション含め、多くの小売流通企業がポイントカードという形でCRMを行っていますから、もちろん、今回の法律施行は、業界企業にとって他人ごとではありません。

 ポイントカードについて、サービス内容は、企業によっていろいろですが、日本とポイントカードの先輩アメリカでは、その目的が違っています。
 アメリカでは、もともと、企業が顧客購買情報を分析するために、顧客が情報を提供するのと引き換えにポイント特典が提供される、というのが通例。そして、その情報を元に、企業側からお客さんの嗜好にあったサービスや情報が提供されるのです。法律に厳しいアメリカでは、目的、手段、対策が取られているのは、いうまでもありません。
 一方、日本では、もっぱら他社との割引合戦目的に使っています。ですから、分析や対策を行わないのに、不用意に顧客情報だけを入手したりしていることも多く見受けられます。
今回の法令はこのあたりに対する警鐘でもあるわけです。

 これをチャンスと見て、アメリカのように、積極的に取り組むか?危険とみなして逃げ出すか? どちらでもやりようはあります。小売業が年々ジリ貧となるなかで、小売業がよりお客さん寄りにかんがえるいい機会だと思います。 
今週は、元小売業のCRM責任者として、ポイントカードや顧客対策関係でブログを綴ってみたいと思います。

| | Comments (0) | TrackBack (0)

March 18, 2005

ファッション小売でも活かされるトヨタのカンバン方式

 競合店が既存店前年割れに苦しむチェーンストアの中で、あるジーンズ専門店は、ジーンズのカンバン方式で業績を伸ばしています。

 一般的にジーンズやシューズは、品番あたりのサイズが多く、単価の高い商品です。顧客の期待に応えるためには、必然的に在庫が膨れ上がってしまい、効率が低いため、企業の資金繰りを圧迫する頭の痛い商品群でした。
 それに対し、このチェーン店では、店別のジーンズの商品回転を分析して、最低限の店別在庫計画を作成、一方、サイズ切れによる顧客離れ、売り逃しを防ぐために、1本売れたら、翌日に1本補充するメーカーの協力と物流を整備しました。
 結果として、全体の在庫が大幅に削減されたにもかかわらず、機会損失を減らし、顧客満足を上げ、売上を上げました。まさしく、ジャストインタイム、トヨタのカンバン方式です。

 その昔、私がシューズバイヤーだったころも、同様の手法(仕入れとセンター物流の活用と店間移動の併用)で店舗ごとのサイズ切れを減らし、お客さんや店舗スタッフに喜ばれ、見事業績に貢献することができました。

 ファッション流通業界では、売り逃しを避けるために、店舗在庫が過多になったり、一方、売れ筋は逆に欠品してしまって、売り場の魅力がなくなり、その割には店員の商品管理作業が忙しくなり、笑顔も消え、顧客離れを起こすことが多いです。どんぶり勘定の「つけ」ですね。
 上記のチェーン店のように、システムを使って上手に商品管理をすれば、資金繰りだけでなく、品切れなし、という顧客満足を実現することによって、業績も向上するものです。ここにも、異業種の英知を活かした、企業戦略がありました。

| | Comments (0) | TrackBack (0)

March 16, 2005

最近、“プラス”業態増えてますが・・・ファッションの隙間

最近OOOO・プラスという名前の新業態開発が増えています。
ユニクロ、ワタミ、ダイソーなど、プラスの名の下に従来の低価格ではない商品を増やし、量販ではなく、質販にチャレンジをしていますね。

アメリカでは、プラスのつく業態、GAPグループのオールドネイビーがウーマンズ・プラスという、体格のよい(プラスサイズ)女性向けの品揃えが通販で評判がよく、大型店を中心に販売を拡大しているとのことです。もともと SPAの本家本元リミテッド社にも大きめサイズの業態はあるし、ヤングストリートカジュアルのホットトピックス社も同客層に特化した業態があり、拡大中です。

日本でも体格のいい人、小柄の人が自分たちのサイズを手に入れるのには、なかなか苦労をされているようです。M,L 2サイズがあたりまえ、ヤングレディースについては、Fサイズ 1サイズも少なくありません。

 以前、小売チェーンで、ネットサイトのカスタマーサービスの責任者を兼務していた時、お客様からの問い合わせでもっとも多かったのが、この大きいサイズと小さいサイズの品揃えについてでした。そういったお客様は自分の服を探すのに苦労して購入されているのです。一方、バイヤーに言わせると、期末に在庫が残って効率が悪い、というのです。
 そこで、商品を絞り込みはしましたが、小さいサイズと大きいサイズの品揃えを実験的に始めました。店頭ベースですが、POPなどで告知をしました。結果は良好でした。実際このサイズの売上構成は10-15%強にしかすぎませんでしたが、このご時勢に10%上がるとは、そして、より多くのお客様に喜んでいただけたのが、なによりでした。
要は、仮説検証して、適度にやればいい話なのですが、なかなか、一般的には効率が悪い、で済ましてしまうのが多いようです。
 ユニクロがXSサイズやXXLサイズの品揃えをアピールしているのは、非常に面白い販売促進だと思っています。
今、流行のジュニア服を買いまわっている女性も多いようです。日本でも、もちろんファッショナブルなのが前提ですが、特に、小さいサイズの女性向けブランドがもっとあってもいいのではないか、と思いますね。

| | Comments (0) | TrackBack (0)

March 15, 2005

POSの可能性が流通再生を救う

 今日の日経新聞にダイエー再生のキーを果たすといわれているスーパー、マルエツのPOSレジに関する記事が出ていましたので興味深く読みました。
コンビニではかなり前から行っていますが、精算時に顧客の性別・年齢(客層)を入力して行う客層ごとの商品分析を、実験段階から全店規模で実施に移すとのことです。これは、営業時間延長の中で時間帯別の購買客層が違うため、これに対応するための品揃えの見直しを行う、というものです。同社によると、スーパーの昼間の中心客層はいわずと知れた主婦、ところが、夕方から夜にかけては働く女性、夜に至っては6割が男性だということです。
この政策は顧客満足に応えるPOSの使い方のひとつで、実は、ファッションを扱ってる私が関与した企業でも実績があります。実績というか、非常に有効でした。
 実は、商品売上だけにフォーカスしたPOSデータの分析、単品管理には落とし穴があります。今、売れているものだけを肯定し、売れているものの品揃えを増やすとします。しばらく売上は上がります。しかし、それにかまけている間に本来、その店が好きで、そこそこ高くて、よいもの(これは実は企業にとって粗利率も高いのですが)を買っていた常連さん(上客さん、と呼びます)向けの品揃えが薄くなり、客離れを起こしてしまいます。そうすると、いわゆる売れ筋が切れたとたんに売上は落ち込みます。蓋を開けてみると、以前と客層が変わっていたりします。
ですから、バランスをもった品揃えを維持するのに、商品x客層分析は大切なのです。 同じような事例で客離れを起こした話をホームセンター関係の方からも聞きました。
 百貨店で実験中のICタグももちろん大事です。ですが、それ以前に、高い投資をするまえに、既存システムを活用した、顧客満足を追求したの使い方は、まだまだあるんじゃないでしょうか。

| | Comments (0) | TrackBack (1)

March 14, 2005

ICタグはファッション流通を変えられるか?

 先日、業界新聞でICタグの導入実験レポートの記事が出ていました(繊研新聞3月10日付)。
これは、経済産業省の依頼を受けて、上智大学の先生が委員長になっている委員会が百貨店でやっている実験です。
 結果、コスト削減効果はアパレルで売上高の0.32%分、靴で0.05%分。それぞれ金額に直すとアパレルで99億円、靴で9400万円だそうです。売上増効果は靴のみ11%増という結果が出たそうです(年間売り上げに直すと全百貨店ベースで203億円増)。これは金額だけみるとすごいですね。
 但し、業界事情からすると、ICタグを導入するか、どうか以前に、従来、百貨店は専門店、量販店に比べ、委託販売、派遣社員という取引形態をとっているため、情報システムの活用は非常に遅れています。
 百貨店という高級な雰囲気に期待膨らませ、買い物に行って、「これのこの色のこのサイズ」ありませんか?という質問を店員にして、どれだけ待たされ、終いには「申し訳ありません」と言われたことか。靴の専門店も同じような経験が多いですね。
 今回のICタグの実験では、お客さんが自分で在庫検索できる装置もあるということなので、聞くストレス、待つストレスもなくなるので、特に、サイズが多い靴で売上が上がるのは想像に難くないです。
 カラーサイズの多いファッション業界では、お客さんが欲しいカラーサイズがお店になくてがっかりすることが多いです。でも実は、在庫があるのに見つからなかったり、どこか他のお店にあったり、することが多いのです。売り手からすると「売り逃し」です。そんな、お客さんの期待(デマンド)と商品在庫(サプライ)を結びつけること。実は、これが「顧客満足」の第一歩だと思うんですよね。
 ICタグはあくまでも道具(ツール)だと思いますので、活用・運用の方がいかに大事か、を改めて感じます。

 

| | Comments (0) | TrackBack (0)

March 13, 2005

そもそも顧客満足とは

今週、学生時代のお友達で、現在、生活や消費関連の本なども出筆してる方と会って、ランチをしながら、そもそも顧客満足とは、なんていう話をしました。

アメリカ流の顧客満足(CS)を見習って、日本の小売業界でも、「お客様のためには」、「顧客第一主義」が口にされます。果たして、CSは現場ではどのように解釈され、実践されているのでしょうか。また、お客さんの声を聞いてそのとおりにすることが本当によいことなのか?と考えてみました。

「顧客のために」、とは言うな、「顧客の立場で考える」と言わせている。先日読んだ「本当のようなウソを見抜く」の中のセブンイレブンの鈴木敏文さんの言葉。なぜなら、「顧客のために」、というと、社員が、過去の経験から、顧客とはこういうもの、と売り手の都合で勝手に考えてしまうから、とのことでした。

また、本場アメリカにしても、たとえばリターンポリシー(どんな事情でも顧客からの返品を受け付ける)やクレーム対応にしても、顧客の声を聞くチャンスとして、小売企業ではあたりまえのように対応してくれますが、実際、スタッフの態度は事務処理的にしか感じられないケースが多いです。苦情を素直に受け入れ、お詫びの印にこれを、というちょっとびっくりするサービスが提供されたりしますが、そうすれば顧客は喜ぶであろう、マニュアルにあるからそうするわけで、心がこもっているとは思えないのです。「そうじゃなくって・・・」と思ってしまいます。お客さんが本当はどういう気持ちでいるのか、と考えられているのでしょうか?と疑問です。

「顧客満足」は企業論理の都合のよい言葉として、一人歩きしてしまっている ようです。

普段は自分が顧客として、何かを感じているのに、逆の立場になると、それを忘れてしまっている。最高のサービスを提供するためには、まず、自分が妥協を許さない顧客であること。とはCSで尊敬するべッツィーサンダースさんの言葉。

ってことで、私たちは、どんなことをお店に期待しているか考えてみました。

1.都合のよい場所で、時間にお店がやっていること
2.売りきれがないこと
3.期待どおり、またはそれより安い価格
4.探しているものがすぐに見つかる
5.買うものが漠然としていても、そこに行けば何かが見つかる
6.聞きたいときに手助けしてくれる、教えてくれる店員がいる
7.待たされない(手際よい対応)
8.そこに行けば情報が得られる
9.その店に行くと楽しい(鮮度、活気)
10.そこで買ったことが恥じにならない、よかったと人に話せる

基本的なことのようですが、どれかひとつでも、しくみや制度として徹底できているお店はけっして多くないようです。このいくつかを実現して、お客さんの心の中に刻み込まれたら、口で言わなくても顧客満足(CS)店のひとつになるのでは、と思います。

| | Comments (0) | TrackBack (1)