January 21, 2009

パタンナーのいないSPA(製造小売業)の課題

 1月19日の繊研新聞に、あるレディースパンツ専門店が、全国10-60代の女性を対象に行った、ネットでのパンツ購入体験に関する調査結果が掲載されていました。

 対象者のうちネットでパンツを購入したことのある52%の女性のうち、実に78%がサイズで失敗したという回答をしているとのこと。

 その理由としては、

・店ごとに表記が異なるから・・・70%

・自分のサイズがわからない
 自分にぴったりのサイズがわからない・・・45%
 自分にぴったりのサイズをみつけることができない・・・50%

 だったそうです。

 ブランドによってサイズが違う、同じブランドだって、商品、シーズンによってサイズ感が違うということもざらにあるのが業界の現実です。

 先日あるSPA(製造小売業)企業の方とお話をしていた時のこと。

 この企業は、これまで、複数の外注メーカーに製造委託をして、自社は情報分析と販売に特化することによって成功してきた企業です。

 最近、マーケット同質化対策として、社内にデザイナーとパタンナーを入れたところ、パタンナーから、この会社には「マスターがない」、と指摘されたとのこと。

 つまり、複数の仕入れ先に生産を委託するのは構わないのですが、デザインや仕様書は提出するにしても、パターン(型紙)は仕入れ先それぞれにおまかせで、統一感がなかったということに気付かされたという話です。結果、店頭に並ぶ商品のサイズ感が商品によって変わる可能性もあるだろうな、という話。

 この企業は、カジュアル系の会社なので、さほど、大きな問題にはなっていなかったようですが・・・これまで自社企画機能をそれほど重視してこなかった小売出身SPAにとっては、知らず知らずのうちに顧客がサイズに不満を抱えているというこの課題に将来的には、手をつけてゆく必要があるかもしれません。

 昔、商社や欧州ブランドのジャパン社でアパレル生産の担当をしていたころ、私がどんな方々に一番仕事を教えていただいたかな、と思い返すと、真っ先に思い浮かぶのがパタンナーの方々。デザイナーやMDから無理難題を言われ、悩んだ時は、必ず彼ら彼女らのアトリエに足を運んで相談に乗ってもらったもの。

 パタンナーは、アパレル生産の裏方で活躍されている、私がもっともリスペクトしている職種のひとつです。
 
 最近は、生産現場から久しく離れている私ですが、そうそう、彼ら彼女らは、ブランドを立ち上げる時、まずブランドの基本となるシルエット、サイズ感を決めるマスターパターンを引くことをもっとも大切にしていたなぁ、と懐かしく、そしてあらためてその必要性が思い出されます。
 
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関連エントリー-基準なくなる服のサイズ

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October 15, 2008

選ばれるプライベートブランド(PB)の条件

 今週の週刊ダイヤモンド10/18特大号、「流通大激変『選ばれる店』の秘密」 は、とても読みでがあり流通業界の方は必読だと思います。

 普段、当ブログでも取り上げているニュースや共通する視点も多く、うなずきながら楽しく読ませていただいました。(実は、私も取材中インタビューされ、コメントの一部が取り上げられています)

 百貨店、GMSのマーケットが縮小し、カテゴリーキラーにシェアを奪われ、業界や企業の論理ではなく、ますます賢くなる生活者に対応して行かないと生き残れない時代であることが論旨として貫かれています。

 記事の中に、勝ち組と呼ばれる企業のトップのインタビューが多く掲載されていますが、彼らのプライベートブランド(PB)開発には共通点がありますので、まとめておきます。

○ユニクロ(柳井会長)・・・お客様に評価される商品を追求した結果、市場には店で売りたい理想の商品がなかった。だから自分たちで作ることになったわけで、SPA(製造小売り)化は方針に沿った結果にすぎない。

○無印良品(松井会長)・・・安くても、付加価値を乗せた「トレードオン商品」でなければ生活者から支持されない時代。メーカーや卸企業から仕入れて販売する小売り企業はそういった「トレードオン商品」を揃えることは難しい。だから自らの商品開発に磨きをかける。

○ニトリ(似鳥社長)・・・35年前、欧米の家具小売り店を視察したとき、日本の家具の価格は高すぎると思い、日本人の生活を豊かにするため、家具の値段を三分の一まで下げようと努力してきた。今、二分の一のところまで来た。業界の商品開発力は乏しいので、品質と値段が見合っているものを自らの手で作り、安く提供する。

 今回の記事にはありませんが、以前日経ビジネスで読んだベイシアのPBづくりの発想を付けくわえます。

○ベイシア・・・顧客のために、エブリデーロープライスを実現するには、メーカーからの仕入れに頼っていたら限界がある。粗利稼ぎではなく、自らの粗利を削ってでもつけたい値段をつけるために(価格決定権を持つために)行っているのがPB開発。結果、ベイシアのPBは薄利。

 もうおわかりだと思いますが、どこにでもある、安定的に売れる無難な定番商品で粗利をたくさん取ったり、メーカーの既存の製造ラインに相乗りして、ただパッケージを変え、大量発注して、販促費を削って低価格実現と粗利確保のために作られている世の中の多くの、こて先だけのプライベートブランド(PB)とは全く発想が違います。

 奇抜な新商品を作るだけが商品開発ではありません。

 既存の業界構造や力関係では実現できない、生活者の望む品質、価格、付加価値・・・それに信念を持って取組む企業こそが選ばれる企業なのだと思います。

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関連エントリー‐日経ビジネス記事「ベイシアの諦めない経営」を読んで

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June 14, 2008

ZARA(ザラ)に学ぶ顧客満足の真実

 6月13日の日経MJに、世界第2位のアパレルSPAチェーン、ZARA(ザラ)を展開するインディテックスグループが、年内に韓国、ウクライナに続き、エジプト、モンテネグロに進出して、進出先が72カ国・地域になることに関する記事が掲載されています。

 インディテックス同様、毎年二桁の増収増益の成長を続けるグローバルSPA企業、H&Mでも29カ国ですから、その飛びぬけた進出国の多さ、グローバル性には驚かされます。(ちなみにインディテックス(スペイン)の国外売り上げ比率は62.5%、H&Mのそれは92%です。)

 同社がそれだけの出店ができる理由はいろいろあると思いますが、やはり本国からどんな遠い国でも、商品を週2回、倉庫を出てから、72時間以内に店舗に空輸(DHL)で届けることのできるインフラを持っていることの強みにあることは間違いないでしょう。それから、世界には、スペイン語が通じるラテン系の国が多いことも参入ハードルを下げていそうですね。

 ところで、最近研究している課題のひとつに、サイズ欠品と顧客不満足の関係があります。

 ファッション企業では、「顧客満足(CS)」という言葉をよく使いますが、主に、接客対応(理念教育とテクニック)を良くすることやVMD(ヴィジュアルマーチャンダイジング)で解決しようという考え方が圧倒的に多いような気がします。

 私は、それを否定しませんが、いくら対応が丁寧でも、見た目が綺麗でも、お客様が「欲しいと期待した商品」が結局は提供出来ない状況を起こさないこともそのひとつだと思っています。

 たとえば、サイズ欠品がそのひとつです。

 お客様がディスプレーされている商品を気に入り、手に取り、店頭に自分のサイズがなかった時、販売スタッフにこのOサイズありますか?と聞きます。

 スタッフが、バックストックを探してもなかった場合、また、倉庫や他店にないか調べてくれなかった場合、あるいはその対応が悪かった場合、かなりの顧客不満足につながると思います。まあ、一回くらいならしょうがないと思うかもしれませんが、度重なるとその店には買いに行かなくなるかもしれません・・・

 ある研究論文によると、ZARA(ザラ)では、たとえば、XS-S-M-L-XLなど5サイズを展開する商品の場合、中心サイズのS、M、Lサイズが、S-M-Lの3サイズ展開の場合は中心のMサイズが歯抜けになると、そのサイズが補充されるまで、店頭フェースから全サイズを下げてしまい、バックヤードに一時保管、その間、その商品自身が顧客の目につかない状態にしてしまうポリシーがあるそうです。

 これは、

○顧客に期待をさせて、その後、がっかりさせない
○それに関連して、在庫を探す対応をする販売スタッフの作業を軽減する

という信念に基づく習慣のようです。

 この論文を読んだ時、正直、目からウロコでした。ZARA(ザラ)は、セルフ販売中心と言えども、そこまで考えていること、それにくらべて、品番は豊富でも、VMDの見た目は立派でも、サイズ欠品を野放しにしている企業は少なくないのではないか、と考えさせられたものです。

 私も、かつて、サイズの多い、シューズのバイヤーやジーンズなどの在庫コントロール、それに伴って週末の店頭販売をしていた経験があるので、サイズがなくて、店頭のお客様がガッカリされた顔、売り逃しをしたスタッフの悔しさ、痛いほどわかります。

 そんな店頭での現場体験が、当時、先回りしてサイズ欠品を起こさないための補充体制や店間移動運用への情熱、研究、実践に私を駆り立てたのではないかと思っています。

 ZARA(ザラ)では、その商品を一旦バックヤードに下げたとしても、店頭には、他に売る商品が豊富にあること、そして、あまり日数を空けずに、週2回(月曜日と金曜日)きっちり補充するインフラがあることなどが背景にあるとは思いますが、彼らくらいサイズ欠品問題解消に向き合う「勇気」、日本のファッション企業も考える必要がありそうです。 

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June 12, 2008

リアル店舗とウェブストア(ECサイト)の使い分け

 6月11日の日本繊維新聞に首都圏の主要ファッションビルが運営するネット通販に関する記事が掲載されていました。

 主なデータを以下にまとめてみました。

ルミネ「アイルミネ」
 08年スタート、現在37店舗出店、3000アイテム展開(ルミネが買取)
 PC:ケイタイ利用比率=8.5:1.5
 1万5000PV/日
 ゴールデンタイム 21:00-24:00
 初年度売上目標10億円
 
パルコ「パルコシティ」
 07年スタート、現在61店舗出店
 PC:ケイタイ利用比率=8:2
 16-17万PV/日
 ゴールデンタイム 20:00-25:00
 初年度の3倍の売上を計画

109「SHIBUYA 109 NET SHOP」
 04年スタート、現在60店舗出店
 メンズ06年スタート20店舗
 PC:ケイタイ利用比率=6.5:3.5
 ゴールデンタイム 21:00-25:00
 売上に関するデータなし

 各社とも目先はリアル店舗と同じ品揃え、サービスを提供することを目指しており、将来的にはリアルにないものも取り扱いたい、としています。

 この記事の中で、注目する内容としては、顧客が「リアル店舗とECサイトを上手に使い分ける購買行動」をしているという事実です。(以前もECに詳しい方から同様のお話を聞いています)

 企業側からすれば、ECサイトを開設することは、
 
 ・ウェブストアという店舗(販売機会)が増え、売上が拡大する。
 ・リアル店舗未出店エリア以外の顧客からの売上が期待できる。
 
 というのが初期の目論みだと思いますが、

 ・店舗で見てECサイトで買う。
 ・ECサイトで商品を認知して、リアル店舗に出向き、現物を確認して買う。

 という顧客の購買行動こそ、顧客視点のECサイトの使い方なんでしょうね。

 つまり、

 ・店頭で迷ったけど、家に帰ったらやっぱり欲しくなった
 ・店頭で自分のサイズがなく、客注(取り寄せ)対応してもらわなかった、あるいはもらえなかった
 ・気に入ったけど、持って帰るのが面倒だった
 などなど
 
 そんな顧客の購買心理・行動を先読みしたら企業側にとってもECサイトの活用のしかたはいろいろあるんだろうな、と。

 たとえば、リアル店舗全店で一定の販売期間が過ぎて、各店でカラー・サイズ欠品を起こし始めたような商品を、ディストリビューション機能がしっかりしている会社であれば、集約店舗やアウトレットに集めるのもいいと思いますが、ウェブストアに集めるというのも手でしょうね。そうすれば、ウェブストアを客注対応の場としても活用できるわけです。

 ロングテールという言葉を使うまでもなく、顧客の期待に応えながら、消化も促進するのではないかな、と思います。

 顧客満足に応えるECサイトの活用法、いろいろ考えてみたいですね。  

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関連エントリー-ファッションリテイラーのネット通販比率

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June 03, 2008

近畿・関東梅雨入り、雨具マーケットは晴れ模様?

 気象庁が、6月2日に近畿・東海・関東甲信が梅雨入りしたと見られると発表したようですが、3日の日経新聞に、百貨店で雨具や雨用衣料に需要が高まっているという記事が掲載されています。

 記事によると、

・京王百貨店・・・4月、5月は雨傘の売上が六割増

・松屋銀座店・・・傘が前年比二ケタ増、レインコート三割増、レインシューズの5月売上は80%増

・大丸梅田店・・・1万円前後のゴム製パンプスが5月中旬からの2週間で260足売れた。

 とのこと。

 松屋銀座店の傘のフェアーなどは百貨店の中でも、毎年風物詩のひとつとなっていて有名ですが、今年は、マーケットでは、レインコート、レインシューズ、ブーツが注目されていますね。

 今日も外は雨ですが、去年あたりから表参道界隈でも、カラフルでおしゃれなレインブーツ(長靴)を履き、軽やかなレインコートを纏った女性の姿が目に付きます。

 特に、レインブーツは、おしゃれさんの中では、晴雨問わず、ファッションアイテムとして定着してきたようです。

 今年は、そんなファッション・レイングッズが幅広く認知される年となるでしょうか。

 私もそうですが、雨の日に履く靴に迷われたり、後悔したりした経験をお持ちの方は少なくないと思います。お気に入りの靴を濡らしたくないし、とは言え、雨の日でも「決めたい」日はあるでしょう。

 雨の日対応の気の利いた靴って意外と需要がある割に、まだまだマーケットには希少な商品なのではないでしょうか。 

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March 14, 2008

モダナイズドとサイズ展開

 3月14日の日経MJに、「永遠の定番」とも呼ばれる著名海外ブランドの定番アイテムを、オリジナルの良さを受け継ぎながら、今風の細身・短い着丈シルエットで仕上げる「モダナイズド」版が人気であることに関する記事が掲載されています。

 記事の中では、ブルックスブラザースのブラックフリースライン(byトム・ブラウン)のボタンダウンシャツ、マッキントッシュのゴム引きコート、アルファーのM65、バラクータのG9などなど、私も昔一度は手にしたアイテムが紹介され、昔を懐かしく思いながら読んでいました。

 これらの商品は、アメカジ、アウトドアブーム再燃の折、昔懐かしむ人、一方、クラシックアイテムが新鮮に感じる若い世代、世代を飛び越えて、人気を呼んでいるようです。

 ところで、ここ数年は、メンズの服も全般的に細身シルエットが主流となり、着る服に困っている方も少なくないのではないでしょうか。

 流行ですから、やはり、私も含め、多少なりともファッションマインドを持った多くの方が、体系の変化にかかわらず(笑)、細身を着たいと思うのですが、従来どおりのたとえばM/L 2サイズ展開のままで単にシルエットを細身にされてしまいますと困りもので、シーズンごとに自分にあったブランドを見つけなおす、なんてのも大変なものです。

 先日、ある雑誌の企画で、この秋日本に進出をするH&Mの商品(上海で購入)と日本で販売されているSPA企業の商品をアパレルデザイン企画のプロたちが比較する品評会に立ち合わせていただく機会がありました。

 結論から言うと、たとえ同じ定番的なアイテムであっても、日本の大手SPA企業は、(万人受けする)昔ながらのアメカジに影響を受けたシルエットデザインが多く、H&Mの商品は「型紙」が決定的に違う、軒並み今風のいわば「モダナイズド」シルエットであったことです。

 そうすると、H&Mは着る客層を選ぶのか?・・・否。

 彼らは最大7サイズと展開サイズが多いことでも有名です。つまり細身でもサイズ展開が豊富なため、着たいと思う顧客は、自分が着ることのできるサイズを見つけやすいというわけです。

 こんな細身トレンドの時だからこそ、またサイズに対する企業の姿勢も問われるように思います。 

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February 07, 2008

H&Mはサイズ対応でも日本で革命を起こすだろうか?

 業界雑誌、「チェーンストア・エイジ」の2月1日号に以前もブログでご紹介した記事「H&M、モザイクマーチャンダイジングのベールを剥ぐ」の後編が掲載されていましたので拝読いたしました。

 今回の記事の中で、私の琴線に触れたのは、サイズ展開の話です。

 昨年は、業界で進むサイズ対応に関して、ブログでいくつかのエントリーを上げましたが、実際は、まだまだ不十分だと言わざるを得ません。

 H&Mは、婦人服について、同じデザインの商品で、ヨーロッパサイズ32号~46号(日本サイズ7号~21号に相当)の8サイズを展開していて、このうち中国では32号~44号を展開しています。

 記事の筆者の方が言われるように、「着る人を差別しない」ところも、私が常日頃からブログでH&Mが「ファッションの民主化」の旗手であることを申し上げている「ゆえん」のひとつであると思います。

 大きいサイズは、普通のサイズを基準にすると、確かに生産効率が悪かったり、売れ残りロスが目立ちがちですが、大きいサイズの顧客が、他ではなかなか商品が見つからないがゆえ、ストアロイヤリティが高いことも事実です。

 伊勢丹新宿店は東京でメンズのシェアの25%を持っていると言われていますが、その理由のひとつは、伊勢丹ほどサイズ対応を考えている百貨店が他にはないからだと思っています。

 さて、今秋日本進出を果たすH&Mは、日本でMAX何サイズ展開してくるでしょうかね。

 同社は、サイズ構成比はマーケットに応じて変えるが、日本向けの特別サイズは作らないとしています。確かに、袖丈が日本規格よりも長いところは日本人一般に合うかどうかという課題は残りますが、とても興味深いところです。

 そしてそれが日本の業界のいい刺激になれば、と思います。 

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関連エントリー-H&Mの強みはモザイクマーチャンダイジング

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February 06, 2008

阪急メンズ館に関する記事いろいろ

 阪急百貨店が梅田店に隣接する「ヘップ・ナビオ」を改装し、関西圏の方々が待ちわびた「阪急メンズ館」がいよいよ2月1日にオープンし、関連記事が、2月6日の日経MJ、繊研新聞に掲載されていました。

 どんなフロア構成か、見どころは?などにご興味のあるファッション好きの方には、私も毎日チェックさせて頂いている、屈指のファッション系人気ブログElasticさんが初日のレポをブログにアップしているので、こちらをご覧いただくと、とてもわかりやすいですよ。

 Elastic:阪急百貨店メンズ館レポ

 繊研新聞によると、お兄系ショップ「バッファロー・ボブス」がオープン初日20坪で480万円を売上、全館でルイヴィトンに次ぎ2位になったとのこと、すごいですね。

 「バッファロー・ボブス」は、その原宿プロペラ通り店こそが、現在の「お兄系ファッション」ブームの源流と言っても過言ではないと思いますが、さすが本家の貫禄と言ったところでしょうか。

 もともと、この系統のファッションは、関西圏が強いというのも納得がいきます。というか、お兄系もお姉系も大阪や神戸に根強くあったファッションの系統が東京マーケットで爆発し、全国区になったような気がしていますので、ちょっと「逆輸入的」な印象を感じたりもしています。

 メンズ館というと、どうしても伊勢丹メンズ館と比較したくなりますね。先日、阪急は伊勢丹と提携関係を解消しましたが日経MJ記事によると、、

 ○今回のメンズ館構想は、伊勢丹とはもともと関係なかったこと
 ○阪急の方が規模は大きく(16,000㎡:伊勢丹9,900㎡)
 ○伊勢丹が完全にブランドの枠組みを取り去って「ブランドの個性をなくしすぎた」?のに対し、阪急は、ブランドの括りを多く温存している

 とのことです。
 
 さらに、いいことだな、と思ったのは、価格の話です。価格帯は伊勢丹の2-3割安程度とのことですが、

 ○高級品も導入したが、「最多価格帯」は従来の顧客を配慮して、そのままにした

 というところでしょうか。

 業界で、何か新しいことをしようとする時、「差別化」をしようとする時、どうしてもバイヤーさんたちは「いいもの」や「高いもの」を売ろうとして、そっちの方ばかりに力を入れ、結果、従来の顧客から見ると以前より「高いお店」を作ってしまいがちです。

 業界の方に釈迦に説法ではありますが、同一アイテムの一点単価と客数は反比例することは、小売ビジネス、購買心理上の常識で、初年度は、単価アップで客数減をカバーするかもしれませんが、2年目以降客数離れが進み、苦戦する事例を世の中でたくさん見てきました。

 てなわけで、プラスアルファーで「いいもの」を提案することはいいことだと思いますが、阪急メンズ館のように、最多価格帯(プライスポイント)は温存、で正解だと思います。

 近々大阪出張の時、覗きに行ってこようと思います。
 
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January 24, 2008

「ランウェイ・ビート」を読んで

 ファッションやモードデザインをテーマにして人気だったケイタイ小説が、最近、書籍化されたということで、知人に薦められて読んでみました。

 「ランウェイ☆ビート」(maha著;宝島社)
 

 内容は、ある都心の高校に転校して来たモードファッションデザインの才能溢れる小柄の男の子が、平凡な生活を送るクラスメイトたちを持ち前の明るさで、ファッションに目覚めさせ、勇気、元気を与えられたクラスの子ら周りの協力を得て、東京コレクションで鮮烈デビューを果たして世間をあっと言わせてしまうという、ちょっと漫画やドラマにありそうなサクセスストーリー。
 
 女子高校生が中心客層と思われる小説ですんで、お約束通り高校生同士の純愛なんかも、びしびし展開されるわけですが、読んでいて、とても感心、共感したのは、著者がこの小説を通じて、「ポテンシャル(=潜在能力)」というテーマで一本筋を通していたところです。

 この「ポテンシャル」というキーワード、ファッションビジネスでとても大切な言葉のひとつだと思っています。

 デザイナーやパターンナーなど製造サイドの人は、いかに素材の「ポテンシャル」を引き出して商品を作るかがテーマですし、販売に携わる人はいかに着る、身につけるお客様の「ポテンシャル」を信じ、それを引き出すことのできる一品を提案できるかが使命であると思うからです。

 そう、誰もが秘めている「ポテンシャル」を認め、引き出し、お客様に勇気、自信を与えることこそが、ファッションビジネスの本質、醍醐味であると言えましょう。

 この小説、「ランウェイビート」はそんなことを、登場する高校生たちの目線を通して、改めて実感させてくれます。
 
 ファッションビジネスに携わる方も、そうでない方も、純粋に勇気をもらえるかも。

 まるでコミックを読んでいるかのごとく、読みやすい文章、一つ一つのシーンがはっきり目に浮かぶ表現力。

 ←何か今回は書評っぽくなっちゃいましたね。

 さて、今朝も寝癖をつけたまま学校に行った中2の息子にも薦めてみようかな。


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関連エントリーランウェイの向こうにあるもの


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August 03, 2007

アースミュージック&エコロジーで1年間無料修理・保証制度スタート

 7月31日の繊研新聞に、今、もっとも勢いのある会社のひとつであるクロスカンパニーが、8月1日より基幹業態の「アースミュージック&エコロジー」FCを含む54店舗全店で、全商品を対象に購入から1年間の無料修理をスタートするとの記事が掲載されていました。

 アースミュージック&エコロジーURLの関連ページ

 記事および関連ページによると、8月1日から全店で、商品購入者に対して、1年間無料修理保証する旨が記載された保証書またはレシートをお渡ししている模様です。

 この狙いを記事や行間から読み取ると、

○購入商品に欠陥があったとしても、店頭に苦情を言いに来る顧客は一部であり、ガッカリして、あきらめて、2度と来店されない顧客の方が多数と見て、少しでもこれらの顧客をつなぎとめようとする試み

○顧客からの品質クレームに対応する同社の接客技術のブラッシュアップ

○現在45社あると言われる仕入先との品質向上への共闘

 にあると思われます。

 記事によると、現在、1店舗あたり月2件程度の修理依頼が3倍に増える、売上高に対する0.1%が修理コストとみているとのこと。

 1年間品質保証が当たり前の家電製品のそれとはちょっと違って、アパレル製品の場合、メーカー側が中小企業が多いため、修理体制は十分ではありません。そして、むしろ、交換・返品が手っとりばやいとして対応し、そのまま仕入先に返品して終わってしまうケースが多いと思います。

 特に、近年多品種少量生産が主流となってきた業界の流れからすると、縫いなおしで対応できる修理ならともかく、家電メーカーのように修理パーツを含めて一定期間対応するということは、結構、ハードルは高いかもしれません。 

 単なる返品、交換ではなく、「修理」としたのは、品質問題を一過性のものとして処理するのではなく、逆に、面倒な方法を取ることによって、問題に根本的に向かい合おうという姿勢と解釈したいと思います。

 手工業製品であり、業界の品質基準のあいまいなアパレル商品の品質問題は「永遠の問題」ですが、CS(顧客満足)、ES(従業員満足)への取り組みの業界リーディングカンパニーである同社のチャレンジが、今後業界にどのような影響を及ぼすか楽しみにしたいと思います。

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