February 19, 2019

これから10年のファッション消費を考えるビジネス書「アパレル・サバイバル」発売

 筆者3冊目のビジネス書となる

 「アパレル・サバイバル」(日本経済新聞出版社)

 が今週2月21日(木)に発売、書店の店頭に並ぶことになりました。


 前著「ユニクロ対ZARA」(2014年初版;リンクは2018年更新文庫本)では

 21世紀の勝ち組モデルとして

 ユニクロのベーシック衣料型SPA(アパレル製造小売業)と
 ZARAのトレンドファッションを低価格で販売するファストファッション型SPAの

 それぞれのビジネスモデルを比較することによってアパレルビジネスの構造や急所を解説させて頂きました。

 同著の初版から4年、

 日本でファストファッションブームを巻き起こしたH&Mの上陸から10年が経過し

 あらたな流通革新が起こっているのはお気づきの通りです。

 今回の流通革新は

 オフラインからオンラインへ

 企業から消費者へ
 
 価格から時間へ

 と主戦場と担い手が変わり、テーマも変わって行く大きな転換期なので

 変化のスピードはこれまで以上に速くなることでしょう。

 筆者は日本において、新たな流通革新が欧米の後を追いながら10年周期で起こると見て・・・

 ファストファッションブーム後から海外の動向を観察して来ましたが

 欧米で起こり始めたその波がいよいよ日本にもやって来たように感じています。

 本書のメインテーマは

 「ショッピングのデジタルシフト」

 「溢れるクローゼットの持続可能な循環」

 です。

 英米の先進事例の店頭体験で感じたインスピレーションをもとに

 生活者のショッピングのお困りごと起点で整理して仮説を立て

 オンラインで芽生え始めたショッピング革新の事例を多数取材して

 書き上げました。

 未来を語るので賛否両論あろうかとは思いますが(笑)

 本書がきっかけとなり

 過去の延長線上ではなく、

 生活者のお困りごと起点で

 未来の理想の状態(ビジョン)を描きながら

 そこから逆算する形で

 新しい、斬新な革新の議論が始まることを期待して問題提起をしています。

 出版社さんのご意向もあり挑発的なタイトル・表紙になっていますが・・・(笑)

 未来を前向きに考えるための一冊に仕上げたつもりです。

 店頭でお見かけになりましたら是非お手に取っていただければ幸いです。

執筆: ディマンドワークス代表 齊藤孝浩

 ※業界の発展と流通イノベーションのために・・・ファッション流通企業の経営者の方や事業スタートアップ準備中の方の応援をしています。
 時代の節目にあたり、「経営お困りごとのヒアリングとビジョナリーコーチング」のキャンペーンを実施中です。 ブログ筆者の質問に答えて行くだけで・・・頭の中がスッキリ整理されるコーチング手法で事業のお困りごとを整理して今後の方向性を見出すためのお手伝いをさせていただきます。 詳しくは>>>こちらから


 

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January 25, 2019

ZOZOARIGATOが問う、各社の販売価格設定とオムニチャネル時代の経営ポリシー

 ZOZOTOWNが12月25日に始めたZOZOARIGATOが業界で大きな話題になっています。

 月額500円または年間3000円の会費を払えば、常時サイト上の商品が全品10%OFFになるというもの
 
 新規登録者は初月の購入はすべて30%オフになるようです。

 このメンバーシッププログラムの建前は

 割引された金額は購入者が日本赤十字のような団体に寄付したり、

 購入ブランドを応援するために還元できるというチャリティー企画ですが、

 多くの購入者は割引分すべてをご褒美として自分で受けとるでしょうから

 実態は会員割引プログラムと見るべきでしょう。

 ZOZOの平均出荷単価から考えると 

 年4回おおよそ年間30,000円以上買う人はお得になるって感じでしょうか。

 割引原資はZOZOが全額負担というものの

 サイトでカテゴリーまたはブランド検索後のページを見た人には

 すべての商品にご丁寧に

 「ZOZOARIGATOメンバーなら今すぐ30%OFF」

 というバナーとともに割引後の価格のバナーがついていますので・・・結構なディスカウントサイトのような見えかたです。

 この施策に対して、

 昨年内にアウトレットモールへの出店も慎重なオンワード樫山が、

 続いて百貨店でもセール販売をしないミキハウスなどが

 ZOZOTOWNからの撤退を決め

 多くのブランドがセール品を残しながらも、春夏の新商品を非表示にしたり、出品を取り下げたとのことです。

 その後、出店ブランド多数からの苦情を受け

 ZOZOはブランド側が会員割引のバナーを表示するかしないかのオプションが選択できるようにシステム改修すると発表しています。 (1月23日付日経新聞)

 これは表示、非表示の話であって・・・

 全品割引することに変わりはありませんから、

 果たしてこれで済む話なんでしょうかね。

 そもそも

 在庫を買い取った小売業がいくらで売るかは自由でしょうが

 在庫所有権と価格決定権がブランド側にあるはずなのにZOZOが割引分は負担するとは言え

 ZOZO側がOFFタグをつけて割引後の新価格表示をして、常時一律割引をするような表現をしてもよいものかと違和感を覚えます。

 理屈としては

 大手百貨店だってカード会員には常時5%-10%のポイントを還元してますし、

 ルミネだって期間限定ルミネカード10%OFFキャンペーン以外の時にも同社のカードで決済すれば引き落とし時5%OFFになりますから

 何が違うんだ?ということでしょうが、

 派手な直引きにより、

 明らかに、同じ商品が、直営店よりも、自社サイトよりも、つまり、常時何処よりもZOZOTOWNが安くなることは出店ブランドにとって大問題でしょう。

 もっと多くの会社がオンワード樫山のような経営判断をしても良さそうなものの…

 表示を選択式に変えてくれればそれでよいと

 売れているから、まあ、それでいいかと

 多くのブランドがこのまま黙認してしまうような状態になることを懸念しています。

 そんなこと上記のようにどこでもやってるでしょう、

 どこだって売れなければすぐ値下げだってしているから同じじゃないか

 と感じるようであれば、すでに感覚が麻痺していると言わざるを得ないでしょう。

 常時全品同率割引と

 売れない商品の価格見直しや消化促進のための単品値下げ

 とは意味が違いますから…

 いいんでしょうか?

 ZOZOTOWNが常時一番安く買える場所になってしまって…

 今回の施策はクーポン乱発の効き目が一巡して、

 ゾゾスーツによって見込んでいたPBによる売上増が暗礁に乗り上げてでも

 計画通りの高成長を維持し続けようするZOZOTOWNの執念でもあり、焦りでもあるように思います。

 そして

 期間限定でもない

 常時会員割引という最終兵器級の荒業・・・

 それを出店ブランドに対する告知から2週間後に実施したという話を聞くと結構な強引さも否めません。

 セールでもないのに当初から値引きされたらブランド価値が云々

 という話もありますが、

 消費者からの価格の信頼性というか

 こういうことがきっかけでマーケットにこれまで以上に割引が蔓延して、常態化してしまうことが問題でしょう。

 いつも割引、そもそも、当初価格の設定の根拠って何なの?定価で買うなんて馬鹿らしい

 どうせ、割引前提の上乗せ価格なんでしょう?

 という、価格設定そのものの信ぴょう性が、

 これまで以上に問われることでしょう。

 バーゲンでの値下げを前提にした定価設定ではなく、

 お客様がバリュー、コスパを感じられる適価を最初からつけるという

 あるべき姿からますます遠のいて行くことが心配です。

 そして、設定価格に対して、ますます低い原価でものづくりが進み・・・

 商品の品質が劣化して行くことがもっと心配です。

 報道によれば今回のZOZOの施策に対して、

 各ブランドの担当者たちは「施策に乗るか、撤退か」しか選択はないと返答されたとのこと。

 ZOZOTOWN依存度の高いブランドは当然、会社の存続がありますから、

 直ぐに撤退などという話には出来ないと思いますが、

 経営者さんの経営判断として、中長期的に

 ・売上確保のためにこのまま黙認したまま同じようなスタンスで出品を続けるのか?

 ・期限を決めて将来的には自社運営サイトにシフトする準備を加速するのか?

 あるいは、この施策に乗るか、撤退するのかではなく、

 ・ZOZOTOWNは在庫処分やアウトレットのような専売品を売って儲ける販路と割り切って

 メインのビジネスはリアル店舗と自社ECを活用した本格的オムニチャネル体制に舵を切り

 各販路を上手く使い分けるのか?

 アメリカではすでにAmazonとそんな共存を図る大手ブランドがいくつも現れているようです。


 かつて百貨店とアパレルメーカーとの関係がアパレルをダメにしたと指摘されたように

 時代変わってZOZOTOWNで急成長しているブランドたちが将来そう言われないように

 今、EC担当者レベルではなく、経営者さんに今後のビジョンと経営判断が問われている時ではないでしょうか?

 確かに、ZOZOTOWNの強引なやりかたには疑問ですが・・・

 今回の同社の施策は、時代の大きな転換期に、各社へ

 ブランドがどっちの方向に行くのか、腹を決めることを迫っている 

 とも見ることができるのではないでしょうか? 

 ZOZOARIGATOは単にファッションECモール最大手の過激な施策という話ではなく

 将来、ファッション流通の歴史を振り返った時に

 あの時が時代の転換点だったねと

 語られるようになる大きな出来事に思えてなりません。

執筆: ディマンドワークス代表 齊藤孝浩

 ※業界の発展と流通イノベーションのために・・・ファッション流通企業の経営者の方や事業スタートアップ準備中の方の応援をしています。
 時代の節目にあたり、「経営お困りごとのヒアリングとビジョナリーコーチング」のキャンペーンを実施中です。 ブログ筆者の質問に答えて行くだけで・・・頭の中がスッキリ整理されるコーチング手法で事業のお困りごとを整理して今後の方向性を見出すためのお手伝いをさせていただきます。 詳しくは>>>こちらから
 

 【関連おススメ本】

 5年前の本ですが、バーゲンで売ることを前提とした価格をつけない、そのためにむやみにつくり過ぎない

 適品、適時、適価、適量を追求することが大切であることをお伝えしたくて著したビジネス読本です。

 『人気店はバーゲンセールに頼らない 勝ち組ファッション企業の新常識』

   



 

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September 17, 2018

【アメリカ西海岸リサーチその2】イギリスとアメリカを見て感じたデジタルコマース化、オムニチャネル化の違い

 今回のアメリカ西海岸視察は昨夏のロンドンに続いて、日本のデジタルコマース化やオムニチャネル化の近未来のヒントを得ることが主な目的だったわけですが、

 両国の物流や宅配事情によってチェーンストア各社が何に投資しているかが違うのだなと感じたものでした。

 これは、英米ともに、宅配業者がそのスピードや時間指定という点であてにならないのが共通点のようで

 オンラインで注文して、顧客に宅配するのに
 倉庫から顧客宅の距離にもよりますが、

 伝統的な宅配業者を使っていたら、

 英国で3-4日営業日くらい

 米国で5日営業日くらい

 が標準ではないかと思いました。

 いずれも、あくまでも今回の渡航中にオンラインで注文して

 ホテルへ宅配にしたらどれくらいかかるかを調べて感じた日数です。

 ちなみにアメリカが店舗に在庫を持たず、試着だけをさせてオンラインで注文をする

 ショールーム店舗として注目されている
 
 紳士服BONOBOSボノボス 

 の店舗で注文したシャツは

 同社倉庫からポートランドの同社店舗に送るだけでも、中5日と言いながら

 宅配業者であるUPSは中継地で2回遅延し、結局、土日含めて到着に2週間かかり

 渡航中に受け取れなかった筆者は国際便で送ってもらうことになり・・・

 結局、購入日から5週間後にようやく商品を手にしたという始末。

 米国事情に詳しい方にお話しを伺うとそれが米国の宅配の実態かもとのことでした(笑)

 BONOBOSのこの一件は、「たまたま」かも知れませんが・・・

 宅配業者がそんな状況なので、チェーンストア各社は

 アマゾンのプライムが自ら物流を構築することで塗り替えている

 宅配スピードの新常識 に対抗するため、

 国土の狭い英国では、店舗網を活用し、自社物流に乗せて、Clickcollect_selfridge

 店舗で受け取ってもらうために

 倉庫→店舗 の物流に投資をすることによって・・・

 夜の12時までの注文を翌日の午後以降であれば指定店舗で受け取ることができるという

 「クリック&コレクト」 を実現したようです。

 関連エントリー ロンドン視察から 日本でのクリック&コレクトの普及を考える


 一方、国土の広いアメリカでは  Nike_scan_to_try


 前回のエントリーの通り

 関連エントリーーストア側からのデジタル化が進むアメリカ amazon books、 amazon go 、そしてNikeが実現しようとしていること

 顧客の近くにある店舗毎の商品在庫を活かすことを考えたのでしょう。

 オンライン上で顧客に店舗在庫状況を可視化することによって

 近隣店舗の在庫を顧客自らが予約またはオンライン購入できるようにし、

 受け渡し準備が整った連絡を受けた顧客は

 店舗に取りに行くという形で注文商品を早く受け取れるように

 リアルタイム店舗在庫販売管理システムに投資をした

 と言えそうです。

 いずれも共通するのは、最新テクノロジーの採用や企業の経営効率化のための都合ではなく、

 顧客が欲しい商品在庫を見つけ、

 いち早く、そして、できるだけストレス少なく手に入れるための手助けへの投資

 と言えます。

 日本は英米とは物流事情は違いますが、

 お客様のために双方から「いいとこ取り」をすることができると思いました。

 むしろ、日本は英米よりは格段に宅配便事情がよいわけですからね。

 しかし、日本のファッションチェーンは

 店舗に売上が計上されないオンライン注文を良しとしないファッションビルの都合にあわせていたり

 安くはない販売手数料がかかるECモールに依存し切っている間は

 そういった投資の実現にはまだまだほど遠いと思わざるを得ません。

 そして、

 今後のEコマースの拡大を考えると

 アドバンテージのあったはずの、宅配便の取扱い量にも限界があることも昨今の報道で明らかになりました。

 どんなに「オムニチャネル」と叫んでも、

 英米に比べたら、日本はまだまだEC強化の「マルチチャネル化」の域を超えていません。

 しかし、

 顧客の買い方が刻々と変わる時代に

 日本のファッション流通企業が理想のデジタルコマース化を目指すには

 ・在庫が自由に動かせる自社EC化の推進、

 ・店舗在庫のリアルタイム可視化、

 ・取り寄せ、取り置きの柔軟性

 などなど

 求められていることはたくさんあるし、待ったなしでもあります。 

 かつて、それほど一般的ではなかった、店舗間の「お取り寄せ」がどこでも常識になったように

 いずれは上記の要望の全てが常識になることは間違いないでしょう。

 「顧客が欲しい商品にたどり着き、手に入れるための手助けをすることが小売業の使命」

 であることを肝に銘じて どうしたら実現できるか、何から始めるか?を考えて

 取り組みたいですね。

 きめ細かいクオリティサービスの得意な日本、

 しがらみさえ乗り越えれば・・・

 世界で一番精度の高いデジタルコマース化が実現できる可能性を秘めていると信じています。

 執筆: ディマンドワークス代表 齊藤孝浩

 ※業界の発展と流通イノベーションのために・・・ファッション流通企業の経営者の方や事業スタートアップ準備中の方の応援をしています。
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 【おススメ本】

 ユニクロとZARAはそれぞれの領域でのファッション専門店のベストプラクティス(お手本)
 2014年11月に発売になったベストセラーのデータアップデート文庫版です。

 「ユニクロ対ZARA」 文庫本


 

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September 03, 2018

【アメリカ西海岸リサーチその1】 ストア側からのデジタル化が進むアメリカ amazon books、 amazon go 、そしてNikeが実現しようとしていること

 8月末にアメリカ西海岸にリサーチに出掛けました。

 行き先はロサンゼルス、シアトル、ポートランド・・・

 目的はAmazonがオンラインから流通革新を進め、

 小売業界の中でシェアを拡大しているアメリカの店頭で何が起こっているのか、

 いずれは日本にやってくるであろう潮流を感じとるためでした。

 レポートの第1回目はオンラインの覇者Amazonが

 リアル店舗を持つことによってオンラインを活用したリアル店舗の改革を行った 

 amazon books と amazon go

 そしてスポーツシューズの

 Nike

 の店舗でのデジタル活用からお話をさせていただきますね。

 まずamazon booksから 
Amazon_books


 これは世界最大級のオンライン書店から世界最大級のオンラインショッピングモールになった
アマゾンドットコムが

 オンライン書店でお買い物をする消費者がリアル店舗でどんな購買行動をするかを

 Amazonのショッピングアプリを使って補完することを考えた店舗であると感じました。

 店内は普通の書店同様カテゴリー別にはなっていますが、

 Amazonのようにカテゴリー別のベストセラーがわかるのはもちろん、簡単なコメントPOPもついています。

 この本が好きならこれも好きかも?

 というAmazon得意の「レコメンド」コーナーもあります。

 Amazonショッピングアプリをスマホにダウンロードして

 店内Wifiにつなげば・・・
 
 来店客がその店にいることが認識され、店内在庫が検索できるようになります。

 もちろん店内に在庫が無いものもアマゾンドットコムから購入可能。


 店内にある本を

 1.バーコード、

 2.棚についているQRコード、
 
 3.商品そのもの、

 いずれかをアプリのスキャナーでスキャンすれば・・・

 アマゾンドットコムのサイトで商品情報、レビューが読めます。

 バーコードではなく商品そのものをスマホのカメラで撮っただけでも検索出来た時は興奮しましたね。

 これ実は、本だけでなく

 Amazonが買収したスーパーマーケット Whole Foods Marketに行った時

 店内のワインをこのスキャナーでスキャンしたのですが、

 そうすると、そのワインを販売しているAmazon.comのページに飛べたので・・・

 おぉ~おそらくアマゾンは地上で売られている商品を

 すべてアマゾンドットコムで購入できるようにする魂胆なんだろうな~と驚きました。

 購入はオンラインでもレジでも可能 

 但し レジで購入する場合もprime会員なら会員割引、

 決済もアプリ内にクレジットカードとヒモつけたQRコードが登録されていれば

 キャッシュレス クレジットカードレスでストレスフリー決済が完了します。

 リアル店舗でオンラインアプリを使うことで在庫検索や決済ができる、

 オンラインとリアル書店の「いいとこ取り」をすることによって本のお買いものを改善した事例と言えそうです。

 次にamazon goです。 Amazon_go

 こちらは コンビニのストレスである会計待ちと支払いをオンライン(アプリ)で行うことにより、

 店舗でのレジ待ち、お会計無しを実現したお店です。

 決して日本のメディアが報じているような「無人」ではなく、

 レジ(キャッシャー)がないのです。

 商品補充をする人はいますし、質問に答える人もいます。

 また、奥で惣菜を作っている調理師もいます。

 レジを無くすために、誰が入店したのか?その人が何を棚から取って持ち帰ったのかをウォッチするカメラとセンサーがあるわけです。

 お買い物に行ったら・・・

 レジに並んで、財布を出して、レシートを受け取って帰ることが当たり前だと思っている私たち。

 お買い物をしたのに・・・この工程無しで帰ることが、いかにストレスフリーなのか?

 実は、これは 6月にZARAのオンラインストアの六本木POPアップストアでも、お買い物の後に感じた快感と
全く同じ快感でした。

 さて、ここまで、本屋やコンビニは関係ない、と思って読んでいらっしゃったファッション流通業界の方々がいらっしゃったら、次のナイキの話はどう感じるでしょうか?

 3つめは スポーツシューズのナイキの店舗のデジタル化のお話です。 Nike_portland
 
 サンタモニカ、メルローズ、ポートランドでアプリを使って体験したお買い物は

 顧客のスマホアプリで

 私たちが靴を購入するプロセスで感じるストレスのいくつかを解決したデジタルストアでした。

 店内で気に入ったシューズを見つけた顧客は

 店舗スタッフに

 「このシューズの10.5 inchありますか」

 と聞くことはしなくても

 ダウンロードしたスマホアプリを店内Wifiに接続し

 アプリのスキャナーで商品のバーコードをスキャンすると、

 オンライン上の商品情報とともに、そのお店で在庫があるサイズが表示されます。

 サイズを指定してReserveボタンを押せば試し履き予約が完了。

 しばらくすると商品を持ったスタッフが現れます。

 ソファーで試着後 フロアにいるスタッフに購入意思表示をすれば 

 クレジットカード決済ならレジに並ばず その場でスタッフがモバイル端末で決済完了、

 近くの可動式カウンターからショップバッグを取り出して商品を袋に入れて手渡してくれます。
 
 レシートはいるか?と聞かれYesと答えると顧客のアプリのバーコードをスキャンされ

 「今メールで送ったらから」と言われてお買い物終了というわけです。

 もちろん レシート要らないという選択肢もあり、

 紙で欲しいという要望にもレジではなく先の可動式カウンターで対応してくれます。

 またこのReserve ボタンは店外からも使えます。 顧客がオンラインで見つけた興味のある商品を
 
 近隣店舗 の在庫状況確認の上、取り置きリクエストができるようになっています。

 つまり 

 欲しい商品の自分のサイズをスタッフに伝えて在庫を探してもらうというプロセスと

 お会計のためにレジに並ぶというプロセス

 このシューズ購入における大きな2つのストレスがアプリによって簡素化されているというわけです。

 この3つのストアを体験して、思ったことは・・・

 それぞれ違った業種ですが、共通しているのは

 それぞれの専門店およびそこでのショッピングに固有の顧客のストレスを特定し、

 顧客のスマホ内にあるアプリ経由のデジタルソリューションで
 
 解消していることです。

 これがアメリカのオムニチャネルリテイリングであり、
 デジタルコマースです。

 まだ完成形ではないと思いますが、今後、ますます進化して行くでしょう。

 日本の多くのファッションストアは「オムニチャネル」と叫んでも 

 まだまだ EC強化の「マルチチャネル化」の域を超えません。

 ファッションストアに携わる皆さんが

 もし彼らと同じ発想に立って考えるとしたら…

 自分のお店のお客様の

 どんなショッピングのストレスをまずは解消しようと考えるでしょうか?

 そんなブレストを始めることこそが

 顧客中心のオムニチャネル化 デジタルコマース化の第一歩ではないかと思い知らされたものでした。
 

 執筆: ディマンドワークス代表 齊藤孝浩

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July 20, 2018

しまむらが大きいサイズの衣料専門店の出店を検討

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 先月の日経新聞 日経MJになりますが、ファッションセンターしまむらが大きいサイズの衣料展開を増やし、2018年中に専門業態の開発を検討していることに関する記事が掲載されていました。

 同社の東大宮店で展開していた紳士3L~5L、婦人LL~5L の大きいサイズのコーナーが好調なことから、まずは既存店での展開を15店舗に広げ、その後、新業態としての出店を考えることを検討されるようです。

 この大きいサイズの需要は確実にあると思うので楽しみですね。

 紳士服系では古くから「サカゼン」がメンズ&レディスを首都圏中心に30店舗規模で取扱い、

 全国チェーンでは紳士服のはるやまグループが大きいサイズ専門の「フォーエル」を全国約100店舗を展開し、紳士服が中心のようですが、婦人服の取扱いも行っているようです。

 また、婦人カジュアルではネット通販のニッセンのスマイルランドが一時 大きいサイズの服で話題になりましたね。

 現実には、現在ネットで購入される方々が多いのかもしれません。

 アメリカでは、このマーケットは「プラスサイズマーケット」と呼ばれ、

 あるレポートによれば、

 この市場は アメリカのレディスマーケット全体の17.5%を占め(2016年)、

 マーケット全体が5年前対比8.6%成長のところ、このプラスサイズマーケットは23%成長した成長余地のあるマーケットと位置づけているようです。

 同レポートではネット検索調査から、このプラスサイズマーケットは潜在的にもっと大きなマーケットと考えられているようです。

 体格の違うアメリカと日本を比べるのはどうかと思いますが、

 日本でそれを求める消費者に十分な買い場があるかどうかと言えば、困っている人が多いことは間違いなさそうですから

 日本でしまむらなどの大手がリアル店舗のチェーン化でその需要を取り組むことは大変興味深いです。

 ただ、既存業態の中で展開するのは納得行きますが・・・

 単独業態がどこまで成り立つかどうかについては議論の余地がありそうです。

 ひとつはしまむらが得意とする、人口が限られた郊外小商圏で少数派を狙った単独店のチェーン化が成り立つかどうかということ (そこそこの人口=商圏規模が必要なのでは?)

 また、一般サイズの展開の延長線で大きいサイズや小さいサイズを扱うのであれば顧客も人目をはばかることはないと思いますが、

 単独専門店になると、その店に出入りすることにお客さんが抵抗があるのではないか?と心配します。

 かつて、別の経営問題もあったかも知れませんが、

 クイーンサイズの婦人靴専門業態が需要が十分にあって、注目されていたにも関わらず、うまく行かず

 
 一方、既存業態の中でサイズ展開の幅を広げ、大きいサイズの婦人靴の需要を取り込んだ

 オリエンタルトラフィックが拡大しているように

 ファッション消費には、市場性だけでなく、購入者への配慮も必要かも知れません。

 また、外資系チェーンのH&Mやアメリカンイーグルあたりはショッピングセンター立地で大きいサイズのカジュアルウエア需要を上手く捉えているので、

 そのあたりが競合になるかも知れませんね。

 店舗数が1400店舗を超え、オンラインにもライバルが増え、顧客の服の買い方も変わり・・・

 既存の品揃えだけでは飽和に近づいた感のあるしまむらですが、

 是非、小商圏での強みを生かしてあらたなカテゴリーで顧客の需要に応えることを期待しています。

 執筆: ディマンドワークス代表 齊藤孝浩

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July 05, 2018

しまむらがZOZOTOWNに出店。 両社のメリットとその先の狙いは?

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 6月27日の日経MJなどにファッションセンターしまむらを展開するしまむらが7月9日(月)にZOZOTOWNに出店することに関する記事が掲載されていました。

 しまむら@ZOZOTOWN新規 オープン告知サイト

 しまむらの粗利率(売上総利益率)は例年32~33%。

 これを持ち前のローコストオペレーションにより、

 23~24%の低い販売管理費率に押さえ

 9%前後の営業利益率を上げている企業です。

 一方、ZOZOの販売手数料は

 単価が高く、売上ランキング上位クラスの取引が太いブランドでも売上高の20%台前半、低単価のブランドでは35%以上のようですので・・・

 低粗利率とローコストオペレーションを武器にするしまむらのZOZO出店は難しいのではと見ていましたが・・・

 まあ、販売手数料が25%前後であれば・・・

 しまむら側もZOZO側もビジネスが成り立たないわけではないので、どこかで折り合いをつけた模様です。

 両社が組むメリットを少し考えてみました。

 まず、しまむらのメリットです。

 業界の多くのブランドのEC売上の6割~7割のシェアを占める、

 業界でもっとも売れるECモール=ZOZOTOWNに出店し、

 後発と言われるしまむらが、今オンラインで何が起こっているのかをスピード体験できる。

 地方、郊外に店舗が多いしまむらでお買い物をしたことがない、都心部の客層にしまむらの商品を手に取ってもらえる。

 しまむら未経験者からすれば安いけど、試してみれば品質がいいことに驚くでしょう。

 次にZOZOのメリットです。

 しまむらが得意とする地方、郊外立地の客層、特にティーンズとZOZO客層よりも年齢の高い主婦層にリーチ出来る。

 特に客数という意味では、日本のファッション専門店の中ではユニクロとしまむらはダントツに多いですからね。

 客単価は低いかも知れませんが、新規顧客大量獲得のメリットは大きいでしょう。

 最近ZOZOがとみに増やしている楽天などから流入した低価格帯の商品群を好む客層に新たな選択肢が生まれることになるでしょう。

 とは言え、おそらく両者の取り組みはお互い様子見というところでしょうか。

 しまむらも損益の関係から粗利率の高めのオリジナル商品から始めるので…

 当初は限定的な取り組みになりそうですね。

 しかし 日本のファッション流通業界の中で最多クラス、

 「ファッションセンターしまむら」だけで1,400

 グループ合計で2,000を越える国内店舗網と全国の店舗にほぼ毎日商品を届ける独自のトラック物流網は業界随一間違いないしまむらグループ。

 ZOZOで注文した商品がしまむらの物流網にのせて全国の店舗で受け取れるとか、返品受付できたら・・・

 東京や関西の都市部にはまだ、しまむらの店舗はあまりありませんが、

 地方や郊外立地の客層には何かしらのメリットを生み出せるのでないか?

 と思いますがいかがでしょうかね。

 「EC後発のしまむらがいよいよファッションモールに出店」というニュースよりも…

 ファッションEC国内最大のZOZOTOWNと

 ファッション流通国内最大級の店舗網と物流網を持ったしまむらが

 ECモール運営者と出店ブランドの関係だけでなく

 その先の取り組みを行う可能性については、とても興味があります。

 両社がそんな共通の利害を見出し・・・ そんな話も視野に入れて交渉を始めていたら、

 流通が変わる結構、面白いことになると思うんですがね・・・

 関連エントリー-しまむらが2018年からネット通販を開始 独自の物流網をどう活かせるか?
 

 執筆: ディマンドワークス代表 齊藤孝浩

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 【おススメ本】

 アパレル不況でも売れ続ける、真逆の手法を取る、
 グローバルSPAチェーンを対比することによって
 アパレル小売ビジネスの実態を明らかにしました。
 2014年11月に発売になったベストセラーのアップデート文庫版です。

 「ユニクロ対ZARA」 文庫本


 

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July 03, 2018

「ユニクロ対ZARA」の文庫本が日経ビジネス人文庫から発売

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 ブログ筆者である 齊藤孝浩(タカ サイトウ)が執筆し、2014年11月に発売された「ユニクロ対ZARA」がこの度 文庫本として発売されることになりました。

 「ユニクロ対ZARA」(日経ビジネス人文庫)
 
 本日Amazonで発売開始、明日には全国の書店の文庫本コーナーに並ぶと思います。

 おかげさまで旧版は2014年から2015年にかけてビジネス書のベストセラーとなり、

 訳本が台湾、香港、中国本土でも発売され、多くの出会いの機会を頂きました。


 文庫化にあたり、数値は両社の最新決算のものに置き換え
 
 4年間の動向を踏まえ、最終章の未来予測のところを書き換えました。

 書き換えを通じて、筆者も両社がこの4年間で着実にパワーアップしていることを思い知らされたものでした。

 ユニクロはベーシック商品の商品管理のベストプラクティス、

 ZARAはトレンドファッションの商品管理のベストプラクティス

 だと思っていますので、両社のオペレーションはシーズン性のあるアイテムを扱っていらっしゃる小売業の方々には業界問わず、参考になると思います。

 また、両社とも、明確な経営ビジョンを持ち、企業経営をする企業のグローバルレベルのお手本でもありますので、

 アマンシオ・オルテガさん、柳井正さんの経営信念からも刺激を受けて頂けると思います。

 文庫本になって、更に読みやすく、 携帯しやすくなっておりますので、

 書店で見かけたら是非お手に取って下されば幸いです。


 執筆: ディマンドワークス代表 齊藤孝浩

 ※業界の発展と流通イノベーションのために・・・ファッション流通企業の経営者の方や事業スタートアップ準備中の方の応援をしています。
 時代の節目にあたり、「経営お困りごとのヒアリングとビジョナリーコーチング」のキャンペーンを実施中です。 ブログ筆者の質問に答えて行くだけで・・・頭の中がスッキリ整理されるコーチング手法で事業のお困りごとを整理して今後の方向性を見出すためのお手伝いをさせていただきます。 詳しくは>>>こちらから
 
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June 07, 2018

チームの仕事のゴールをビジョン(ビジュアル)化する

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今回の話は「ビジョン」と言っても、社長室の壁に貼ってある抽象的な経営理念の話ではありません(笑)

 先月のWWDジャパン5月7日号、お仲間である松下久美記者が総力を上げて仕上げられた「ユニクロのDNA」特集。

 その中のファーストリテイリング執行役員で同社のR&D(Research & Development)部隊を統括する勝田幸宏氏がデザイナーやクリエーターのコラボから学んだことを語っていたインタビュー記事を読んでいて・・・

 日々の在庫最適化のコンサル&コーチング現場でも強く感じていて、とても共感する話が出ていたので少しご紹介させていただきます。

 それは同社がかつて「+J(プラスジェイ)」のプロジェクトでジルサンダー女史とコラボをした時に「仕事のしかた」を学んだことに関するくだりです。

 共感した部分を整理すると


 同社 柳井社長は「経営は結論が先にあり、何をするか決めてから実行することだ」と話されているのと同じように

 ジルサンダー女史の仕事のしかたも、(シーズンごとに)「最初から服、店頭、マーケティングまで、完成形の姿(ビジョン)」がチームで共有されている。

 「ゴールが見えるからこそ、そこにたどり着くために執念を持ち、今日の仕事や努力する。」

 「チームスタッフは怒られても同じゴールに向かっているからなぜ怒られているのか、失敗だったのかがすぐ理解が出来ると言っていた。」

 「仕事のゴールに向かっては妥協しない姿勢と実行力が『凄まじい』の一言だった」


とのこと。 以上「  」内は引用、(  )内は筆者補足。


 日頃のミーティングの現場では、各人がそれぞれの意見を述べ、話しが脱線したり堂々巡りが多く・・・
 
 気が付いたら時間だけが経過し、結局、結論が出ない、ということも少なくないことは読者のみなさんも少なからずご経験があると思います。

 しかし、

 ひとたび、誰かがホワイトボードに図を書きはじめたり

 売場のレイアウト図を広げたり
 
 帳票レイアウトを決めてそれを中心に話を始めると 

 メンバー全員が図や表やグラフ(ビジュアル)を指さし始めて・・・

 話がトントン拍子に進んで結論が早く出るものです。

 在庫最適化のコーチングの現場でも、課題の解決策をご指南するだけでなく、

 そんなきっかけをつくるのが筆者の役目だと思っています。

 -この商品は店頭で何とどう組み合わせて陳列するのでしょうか?

 -販売ピーク時に店頭の在庫状況はどうなっているべきか?

 -シーズン末の店頭はどうあるべきか?

 -その時、店頭でお客様はどんな様子で、店舗スタッフさんはどんなことをしていて、どんな顔をしている?

 理想の状態をイメージして、そのために何をすべきか、

 ゴールから逆算することを推奨する毎日です。

 ところで、先日 キャッシュフローコーチ仲間のチームビルディングのプロ

 ロボット人事研究所 瀧田勝彦さん 

 のチームビルディングに関する勉強会に参加していて

 「ビジョンとは 

 将来のあるべき姿を描いた経営理念のようなものを意味するだけでなく、

 普通に「目に見えるもの」という意味がありますよね~」

 という話を伺っていて、ハッと気づかされたことがありました。

 コトバンクの大辞林によれば、ビジョンとは

 確かに4番目に「目に見えるもの、光景、ありさま」とあります。


 ビジョン【vision】
 ① 将来のあるべき姿を描いたもの。将来の見通し。構想。未来図。未来像。 「福祉国家の-を示す」
 ② 幻想。幻影。まぼろし。
 ③ 視覚。視力。視野。
 ④ 見えるもの。光景。ありさま。

 (以上 引用 )

 日々の仕事に追われていると・・・

 どうしても、前年対比 過去対比に基づく予算に囚われがちです。

 その数字って、皆さん、本当に腹落ちしているでしょうか?

 それよりも、

 将来あるべき姿、未来や目標=ゴールを

 「目に見える光景」にビジョン化、ビジュアル化して

 チームで共有した方が、ワクワクしませんか?

 そしてそれは目で見えるもの(絵、図、表など)にして共有しておけば、

 迷った時にもその原点に立ち返って考え直すことができるのではないか?

 最近、業界の中でも、シーズン立ち上がり前に売場を起点にVMDを考えて

 そこから商品企画を始め、調和のとれたMDが実現し、成果を出し始めている事例が増えて来ました。

 この発想も仕事を目に見えるものにして共有する=ビジョンの考え方に基づく未来からの逆算発想です。

 大上段に構えた長期的な経営ビジョンだけでなく、

 シーズン中という短い期間の仕事の中にも可視化すべき小さなビジョンというものはたくさんあるものだな~
とつくづく感じる今日この頃です。


 関連エントリー店頭を起点に商品・営業チームが一丸となれる最も効果的な施策 
 
 【お知らせ】6月27日(水)ファッション専門店の在庫最適化の実践セミナー@東京青山 残席あとわずかです。

 執筆: ディマンドワークス代表 齊藤孝浩

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April 09, 2018

店頭を起点に商品・営業チームが一丸となれる最も効果的な施策

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 3月30日の繊研新聞に毎年同紙が主催する「デベロッパーが選んだテナント大賞」の各賞を受賞したブランド紹介記事が掲載されていました。
 
 毎回、受賞ブランドの好調要因やそれを支えた取り組みが紹介されており、

 また、毎年何らかの形で関与させていただいたブランドさんたちも受賞されるので

 お店の様子や活躍された方の顔を思い浮かべながら楽しく読ませていただいております。

 今回、そのトップ5であるベストセラー賞を受賞したのはビームス、ユニクロ、ユナイテッドアローズグリーンレーベルリラクシング(GLR)、サマンサモスモス(キャン)、ノースフェース(ゴールドウィン)の各ブランド

 やはり、自社の商品開発や販売力にこだわるだけでなく、店頭でのお客様最適に工夫を凝らした結果が好業績を生んでいるのだな、と納得しながら読んでおりました。

 その中からひとつ、グリーンレーベルリラクシングの事例をご紹介させていただきますね。

 同ブランドはユナイテッドアローズ社の中で最も成長を牽引するブランドの1つで・・・
 
 毎シーズン何らかの新しい施策を打ちながらECに頼らずとも既存店の増収を続けていますが、
 
 今回 紹介されていたのは、

 同ブランドが本部に店舗と同じ状態のパイロットショップをつくって行った施策についての話です。

、同ブランドでは、この施策により、

 商品企画から営業部門まで本部スタッフが実際の店頭を思い浮かべながら見え方がどうなるか、足りない商品はないかを検証しながら、シーズンMDを組み立てるようになり成果が出たとのことです。

 これと近い話は以前
 
 プロパー(正価)消化率を高める施策

 でアパレル大手のジュンさんの取り組みを紹介させていただきました。

 この際は

 店頭の型数やコーディネートの最適化が図られることによってプロパー消化率が高まるご利益があるという内容でご紹介しましたが、

 更にGLRの事例は

 シーズンMDが 店頭VMDという ビジュアルで あらかじめ可視化されることにより・・・

 本社 デザイナー、マーチャンダイザー、生産担当が よりリアルな売場を意識して仕事をするようになる ことに加え
 
 VMD担当が店頭と同じ什器をつかって表現したシーズンMDを 店舗にタイムリー、時系列で発信することによって

 店舗もシーズンMDの意図をより理解しやすくなり、あるべき店頭のイメージを掴みやすくなるというご利益を得ることができるという話です。

 具体的な店頭VMDの形で本部と店舗がシーズンMDを共有する

 この商品部 営業部が目に見えるもので商品計画を共有できる、しかも、

 それはまさしく店頭でお客様がご覧になって、入店するかどうか、購入するかどうかのきっかけになるものに他なりません。

 したがって、お客様の立場になってより具体的に議論がしやすいし、

 仮説検証、修正もかけやすいというわけです。

 筆者のクライント先でも同様の取り組みで 商品企画と販売部が共通のビジュアル(VMD)と販売計画に向かって、成果を挙げているところがいくつかあります。

 店舗まるごと1店舗分つくる必要はなく・・・

 最低限の必要な共通部分を定義して、切り出して再現するだけでも 成果は表れるものです。

 これ、簡単なようで、意外と出来ているブランドさん少ないですよね。

 日頃、店頭在庫最適化の業務改革プロジェクトの一環で店舗や本部のヒアリングを行っていると気づくのですが・・・

 本部のみなさんも、店舗のみなさんも、いい仕事をしているのにも関わらず・・・

 かみ合わないために結果が出ないというケースは少なくありません。

 そんなとき、

 誰もが反論の余地のない、

 店頭でお客様に見えるものを最適にする、

 という共通項を合意、共有できれば、

 皆が同じ目標に向かって仕事をし、掛け違ったボタンを元に戻せることもあるはず。

 そんな取り組みを応援すべく、日々仕事をさせていただいている今日この頃です。

 関連エントリー-ユナイテッドアローズ グリーンレーベルリラクシング(GLR)の働く女性のための新業態で考える ファッションストアの新部門開発のセオリー
 
 執筆: ディマンドワークス代表 齊藤孝浩
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March 05, 2018

テクノロジーの進化を企業よりも消費者が享受する時代のファッション販売

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 201842月末に発売になったファッション販売(商業界)4月号の恒例 業界フレッシャーズ向け特集「ファッションビジネス業界のすべて」の中の「業界のあらまし」 に 「市場の変化と世界専門店の推移」というタイトルで 2ページ分の寄稿させていただきました。

 ファッション販売 2018年4月号の詳細はこちら

 寄稿の要点は

・日本のファッション流通市場では バブル崩壊以後 マーケットリーダーとなる企業の努力(流通革新)によって10年周期でパラダイムシフト(時代のテーマの変化)が起こっていること

・世界のアパレル専門店トップ5(インディテックス、H&M、ファストリ、GAP、Lブランズ)の過去10年間の売上推移や成長率を見ると・・・

 それはローカルの話ではなく、グローバルマーケットにも共通して起こっている変化であること

そして

・今年が次のパラダイムシフトの始まりの年であること

 です。

 寄稿の中で一番言いたかったのは・・・

 2010年代の初頭までテクノロジーの進化のご利益や情報革命を受けて、売上や利益を伸ばしたのは

 SPA(製造小売業)やファストファッションなどの「企業」側でした。

 今、そしてこれからテクノロジーの進化による情報伝達のスピードや利便性を享受するのは

 企業というより、スマホを手にした「お客様(消費者)」側にであるというパラダイムシフト(時代の変化)です。

 長年、企業を中心にマーケットを語って来た業界論にとって極めて大きな変化だと思うんですよね。

 名実ともに企業が主役の時代からお客様(消費者)が主役の時代に変わる。

 お客様がもつ情報量が格段に違うわけで
 
 そうすると店頭の仕事のしかたも大幅に変わって来ていますよねって話です。

 これって店頭に立つスタッフさんだけの話ではなく本部側の仕事のしかた改革も必要って話です。

 みなさんの会社、あるいはお客さんとして、よく行くファッションストアはお客様の情報のスピードに追いついていますでしょうか?

 そんな話を 図表やグラフを使ってわかりやすく説明しています。

 他にもいろいろなライターの方が書かれたファッション業界入門編の業界の構造を理解できる記事が盛りだくさんなので業界で働き始めた方自身やそういった方に教える立場の指導員の方にお勧めの特集号です。よろしければご一読を。

 関連エントリー‐世界アパレル専門店売上ランキング2016 トップ10
 
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