May 14, 2018

世界アパレル専門店売上ランキング2017 トップ10

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 世界の大手アパレル専門店各社の2017年度の売上高や利益などをまとめる機会ができましたので、毎年恒例になりました売上高のランキングTOP10を共有させていただきます。

 円建て比較にあたり、為替レートは2018年1月末の €=135円、スウェーデンクローナ=13.8円、US$=108.8円、英国£=153.9円で換算しています。
 
 尚、7位のC&Aのみ2017年決算が入手できませんでしたので Deloitte Global Powers of Retailing2018と2017を参考にした2016年度の売上高を表示しています。

順位 社名 本社;決算期 売上高 前年増減 営業利益 営業利益率 期末店舗数 基幹業態
1位 インディテックス (西;2018.1期) 3兆4203億円 8.7% 5823億円 17.0% 7475 ZARA
2位 H&M (瑞;2017.11期) 2兆7600億円 4.0% 2838億円 10.3% 4739 H&M
3位 ファーストリテイリング (日;2017.8期) 1兆8619億円 4.2% 1764億円 9.5% 3294 UNIQLO
4位 GAP (米;2018.1期) 1兆7248億円 2.2% 1609億円 9.3% 3594 OLD NAVY
5位 Lブランズ (米;2018.1期) 1兆3742億円 0.5% 1879億円 13.7% 3075 Victoria's Secret
6位 プライマーク (愛;2017.9期) 1兆0854億円 18.6% 1131億円 10.4% 345 Primark
7位 C&A ヨーロッパ (独;2017.2期) 8390億円 -3.1% 非公開 非公開 1575 C&A
8位 アセナリテール (米;2017.7期) 7234億円 -4.9% -142億円 赤字 4807 Ann Taylor Justice
9位 ネクスト (英;2018.1期) 6241億円 -1.0% 1169億円 18.7% 528 NEXT
10位 しまむら (日;2018.2期) 5651億円 -0.1% 428億円 7.6% 2145 しまむら
                                        備考-米TJMaxx、Ross のオフプライスストア2社は、売上規模でトップ10に入る規模ですが、メーカーや専門店が放出した過剰在庫を販売する二次流通マーケットのため除外しました。また、中国で拡大を続け、売上規模では9位あたりに位置すると目されるE.LandWorld(韓国)は売上規模以外の実態が掴めないため除外しました。

以下 ランキングに対する解説です。

 1位のインディテックスグループは9%増収、7%営業増益、と着実な増収増益。ローカル通貨ベースでの伸び率は10%の増収12%の増益だったようです。(以下利益は営業利益を指します)。

 進出国を1か国増やし94か国とし、グローバル展開を続けながら、この1年は特に香港、トルコ、メキシコに数多く出店したようです。

 一方、スペイン、中国はスクラップ&ビルドを進めているようです。

 また、ここ数年、ZARAが過去において手薄だったアメリカへの出店を強めているのも気になります。(ここ4年で87店舗へ倍増しました)

 初めて明かしたオンライン売上構成比は10%(展開国では12%)、前年比は41%増、既存店売上高もトップ10企業の中でダントツの5%増でした。

 2位のH&Mは4%の増収、14%の減益に終わりました。

 H&Mの減益は2年連続、営業利益率も10%の水準にまで落ちています。

 同社は同期も中国、アメリカへ集中して388店舗も出店をしましたが、

 店舗数を増やしたほど売上は伸びず、

 トップ10企業の他社は既存店のスクラップ&ビルドを行って店舗の純増数は鈍化しているにも変わらず、積極出店が裏目に出たようです。

 後述するプライマークの躍進やイギリスのウルトラファストファッション系ECサイト達にシェアを奪われているようです。デジタル戦略への遅れが業績に表われていることはH&MのCEO自身も認めています。

 3位はファーストリテイリング。4%増収も38%増益、営業利益率9.5%と復調しました。

 国内ユニクロ事業の回復、海外ユニクロ事業の好調が要因で、営業利益率も国内11.8%に対して海外10.3%と海外も相当稼ぐ力がついて来ましたね。

 その後の2018年上半期では、ユニクロの海外の売上は国内を上回り・・・

 営業利益の構成比が逆転するのも時間の問題。

 いよいよユニクロは国内事業一本打法から、海外で稼ぐブランドへの脱皮を果たしたと言えるのではないでしょうか?

 4位のGAPは米国内のGAPおよびバナリパの不採算店舗の大量整理にメドがついたようで、2%の増収、24%の増益とこちらも復調。 

 ただ、日本から撤退したOLD NAVYが北米において1ブランドで気を吐いている感が否めません。

 また、久々に同社の米国内売上比率を見ましたが・・・

 80%と年々ドメスティック比率が高まっています。かつて世界一だったGAPとて、アメリカのチェーン店は海外で通用しづらい?というジンクスを覆すことはできなかったのでしょうか。
 
 5位のLブランズは0.5%の微増収も13%の大幅減益。

 ビューティ部門=バス&ボディワークスは引き続き好調だったようですが、

 基幹ブランド ヴィクトリアシークレットが政策的に水着とアパレルの販売を中止したのが減益要因で、

 同社はランジェリーのMD改革も含めてこの結果は織り込み済みとしています。

 6位以下に関しては・・・

 6位に浮上したプライマークはいよいよ年商1兆超え。

 19%の増収、7%の増益、10%の営業利益率と、インディテックスに次ぐ好業績企業と言えそうです。世界ランクトップ5入りも時間の問題でしょう。

 昨年夏にロンドンでプライマークの新しい旗艦店(オックスフォードストリートの東側の店)を視察しましたが・・・

 同ストリート 西側の旧旗艦店と比べるとわかりますが、一皮むけておしゃれで、選びやすい店舗が印象的で、進化のほどを感じました。 特に、ロンドンハイストリートでH&Mを苦しめている様子が感じられます。

 同社は2015年にアメリカ進出を果たしていますが、こちらの方はまだ試行錯誤状態のようです。

 9位のネクストは既存店のスクラップ&ビルトと高いEC売上比率(40%超)で、これまで堅調な売上高と高い営業利益率を保って来ましたが・・・

 いよいよ踊り場を迎えているようです。

 同社の戦略は欧米日など成熟マーケットにおけるチェーン店の生き残り策のお手本になるかと期待をしていたのですが・・・ 10%近い既存店の減収は痛いです。

 世界のファッション流通の最激戦地、イギリス、ロンドンでは日本以上の熾烈な勝ち残り競争が繰り広げられているようです。

 さて、

 今回のTOP10を見渡すと大きな増収、増益を達成したのはインディテックス、プライマークの2社です。

 また、ファーストリテイリングとGAPの利益の復調も見て取れます。

 一方、これまで 高い利益率を上げながらポストファストファッション時代に勝ち残る施策のいくつかの選択肢として注目して来た、

 ビューティ部門を強化する米Lブランズ、

 クリック&コレクトを中心にオムニチャネルとそのプラットホームづくりに力を入れて来た英NEXT

の2社が今踊り場を迎えています。


 ここ数年着実に伸ばしているZARAとプライマークから見習うべきことは2点あると思います。

 まずひとつは、

 目の届く近隣国と人件費の安価な国をバランスよく使い分けるハイブリッド型生産 です。

 3年連続で申し上げる話になりますが・・・

 長いリードタイムをかけて低賃金の国においてローコストで商品をつくり、

 つくったものを売り切るビジネスモデルはリスクが大きく(売上は上がるが利益をコントロールしづらい)、

 そういったグローバル資本主義的なビジネスモデルが「限界」に近づきつつあります。

 ここ数年のH&Mの様子は、まさにその反面教師的な姿かも知れません。

 一方、見習うべきはZARAのインディテックス社の近隣国とアジア生産を組み合わせるハイブリッド生産です。

 超低価格のプライマークも、かつての反省を活かし、トルコや東欧などの近隣国 短サイクル生産とベトナム中国バングラデシュの中長期生産を併用して成果を上げているようです。


 そして、そんなサプライチェーン改革と同時に進めなければならないもうひとつのチャレンジは

 ストアとオンラインの完全統合への道 です。


○ アプリによる来店前の顧客とのコミュニケーション

○ クリック&コレクト(オンライン注文の店舗受け取り)、

○ スキャン&バイ(店舗からのオンライン注文)

など、

 いわゆるオムニチャネル戦略に関してもZARAのインディテックスが半歩先を行っています。

 2018年はファストファッションからスマートショッピングの時代への大転換点。
 
 急成長しているからと言っても、プライマークのような更なる低価格路線を追及しても大資本には到底敵いませんので・・・

 ZARAの一連の取り組みを見習い、顧客の購買行動の変化に柔軟に対応できるサプライチェーンとオンラインの体制を早期に整えたいところです。

 執筆: ディマンドワークス代表 齊藤孝浩

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March 23, 2018

ZARA(ザラ)のインディテックスグループの2017年決算は増収増益~実店舗とオンラインの完全統合モデルを着実に進め安定的な成長が続く

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 3月14日に発表されたZARAのインディテックスグループの2018年1月期決算レポートに目を通しました。

 売上高は 3兆4203億円 前年比9%増 
 営業利益は 5824億円 同  7%増
 営業利益率 17%    同0.2%減
 期末店舗数 7475店    同 +183店
 為替レートは1月31日の€=135円で換算

 でした。

 一方、2017年11月に締めたH&Mの決算は

 売上高 2兆7600億円 前年比4%増 
 営業利益は 2838億円 同 14%減
 営業利益率 10.3% 同 2.1%減
 店舗数 4739店   同 +388
 為替レートは1月31日のSEK=13.8円で換算

でした。

 安定的な増収増益を続けるファッション専門店世界売上ランク1位のインディテックスは、
 一方で売上が伸び悩み、連続減益となり、CEOがデジタル戦略に乗り遅れたと猛省する2位のH&Mを大きく引き離しましたね。

 両社の営業利益額が2倍も差がついたのが印象的です。

 株式時価総額に関しては10.5兆 vs 2.9兆と3倍以上もの差です。 

 今回の決算数値、インディテックス自身も若干伸びが鈍化したように見えますが・・・

 同社はこの説明として、ここ半年間の急激なユーロ高の影響を挙げており、(ユーロの商品原価に対して、売上高の回収が為替で目減りしたことによる利益率の低下)

 各国の現地通貨ベースでは10%の増収、12%の増益だと説明しています。

 既存店売上も世界のすべての地域で伸びており、グローバル平均で5%の増収(オンライン含む)とのことで、万事健全であるとのことです。

 今回の決算のトピックを3つ挙げると、

 まず、初めてオンラインの売上比率を開示しましたね。

 オンライン売上比率は 全体の売上に対して 10%
 オンライン販売を実施している地域の売上に対しては  12%
 前年比41%の増収とのことです。

 ざっと計算すると、実店舗だけでは約7%の増収 

 期末店舗数の伸びは2.4%増ですが、売場面積を7%増やしています。
 
 そうすると、既存店リアル店舗単体レベルでも微増収は続けている模様です。

 ふたつめは 積極的な店舗のスクラップアンドビルドと好立地への大型化しての移転の加速です。

 H&Mの引き続き旺盛な出店と比べると、店舗数の純増数(新店-閉店)は鈍化(2.4%増)したかに見えますが・・・

 これは成長を緩めているのではなく、むやみに店舗を増やすよりも、スクラップ&ビルドで店舗の量よりも質への転換に力を入れています。

 今年度524店出店していますが、341もの店舗を閉め、一方で、144店を改装し、122店を大型化しています。その結果、既述のように売場面積は7%増。

 これはすべてのファッションチェーンに言えることですが、

 世界中でオンライン経由の売上が増える中、既存店の質の見直しは同時に行わなければならない経営戦略のひとつであることは言うまでもありません。

 オンライン売上のアップだけに力を入れて、うつつを抜かしていると、不採算店舗や低利益率の店舗がいずれは遅かれ早かれお荷物になり、経営を深刻に圧迫することは間違いありません。

 同社は過去6年間の間に全体の80%の売場スペースがリニューアル済みとのことで、

 このあたりの対応もこれから本格化するオムニチャネル時代に臨戦体制の準備に怠りありませんね。

 3つめは 同社が「ビジョン」に掲げる 「実店舗とオンラインの完全統合モデル」へのアクセルです。

 この度 チェアマンであり、CEOであるパブロ・イスラ氏の下にCOO(最高執行責任者)としてに選任されたカルロス・クレスポ氏は

 IT、ロジスティック、運送、労務、商品調達およびサステイナビリティの各部署をコーディネートする役割の担当役員です。

 これからの同社の明確なビジョン実現にあたって最高執行責任者にこのポストを担わせるということは、
同社のビジョン実現へのスピードアップの覚悟を感じます。

 また、オンラインの新サービスとしては、マドリッド、ロンドン、パリ、上海など世界の一部の都市でオンライン注文の同日受け取りサービスを始め、

 スペイン、イギリス、フランス、中国など複数の国で翌日配送が始まっています。 

 それから、スペインやイギリスの一部の大型店で、オンライン注文の店舗での自動ピックアップ装置を導入・稼働させ始めるとのことです。

 筆者が最近講師を務めたある講演で、

 「ZARAにとって、Amazonは脅威か?」という質問がありましたが・・・

 今回の決算を見ても、施策を聴いても、AmazonPrimeに負けないくらいの配送の利便性を自前主義でしっかり準備されているようですね。

 インディテックス社はしばらく死角なし、

 そして、世界のすべてのファッションリテイラーが進むべき道の半歩先を行くお手本のひとつ

 と言っても言い過ぎではなさそうです。

 関連エントリー‐世界アパレル専門店売上ランキング2016 トップ10

 関連エントリー‐ZARAのインディテックスグループ、サステイナブル経営からインフラ投資への好循環

 執筆: ディマンドワークス代表 齊藤孝浩
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March 05, 2018

テクノロジーの進化を企業よりも消費者が享受する時代のファッション販売

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 201842月末に発売になったファッション販売(商業界)4月号の恒例 業界フレッシャーズ向け特集「ファッションビジネス業界のすべて」の中の「業界のあらまし」 に 「市場の変化と世界専門店の推移」というタイトルで 2ページ分の寄稿させていただきました。

 ファッション販売 2018年4月号の詳細はこちら

 寄稿の要点は

・日本のファッション流通市場では バブル崩壊以後 マーケットリーダーとなる企業の努力(流通革新)によって10年周期でパラダイムシフト(時代のテーマの変化)が起こっていること

・世界のアパレル専門店トップ5(インディテックス、H&M、ファストリ、GAP、Lブランズ)の過去10年間の売上推移や成長率を見ると・・・

 それはローカルの話ではなく、グローバルマーケットにも共通して起こっている変化であること

そして

・今年が次のパラダイムシフトの始まりの年であること

 です。

 寄稿の中で一番言いたかったのは・・・

 2010年代の初頭までテクノロジーの進化のご利益や情報革命を受けて、売上や利益を伸ばしたのは

 SPA(製造小売業)やファストファッションなどの「企業」側でした。

 今、そしてこれからテクノロジーの進化による情報伝達のスピードや利便性を享受するのは

 企業というより、スマホを手にした「お客様(消費者)」側にであるというパラダイムシフト(時代の変化)です。

 長年、企業を中心にマーケットを語って来た業界論にとって極めて大きな変化だと思うんですよね。

 名実ともに企業が主役の時代からお客様(消費者)が主役の時代に変わる。

 お客様がもつ情報量が格段に違うわけで
 
 そうすると店頭の仕事のしかたも大幅に変わって来ていますよねって話です。

 これって店頭に立つスタッフさんだけの話ではなく本部側の仕事のしかた改革も必要って話です。

 みなさんの会社、あるいはお客さんとして、よく行くファッションストアはお客様の情報のスピードに追いついていますでしょうか?

 そんな話を 図表やグラフを使ってわかりやすく説明しています。

 他にもいろいろなライターの方が書かれたファッション業界入門編の業界の構造を理解できる記事が盛りだくさんなので業界で働き始めた方自身やそういった方に教える立場の指導員の方にお勧めの特集号です。よろしければご一読を。

 関連エントリー‐世界アパレル専門店売上ランキング2016 トップ10
 
 執筆: ディマンドワークス代表 齊藤孝浩
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February 26, 2018

店頭起点からオンライン起点へ~ビジネスのカギはお客様と店頭の間、入店前のオンラインにあり

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 2月23日の日経新聞一面に外食チェーン大手の日本マクドナルドが顧客がスマホで事前注文、決済もでき、入店と同時に注文内容がキッチンに伝わり、顧客の待ち時間を短縮するしくみの導入に関する記事が掲載されていました。

 記事によれば、2018年に一部店舗で実験を始め、2019年以降、日本で展開する2900店舗全店へ拡大するとのこと。

 人手不足、店舗の生産性向上、混雑緩和、顧客も待ち時間が短縮される、時短・利便性向上のスマートショッピングの取り組みです。

 昨年の夏に英ロンドンにマーケット視察に行った時の話ですが、宿泊ホテルの近くのマクドナルドでは

 入口とカウンターの間にあるタッチパネルで注文する仕組み(クレジットカードで決済可)と同時に

 スマホアプリで事前注文して店舗で受け取るクリック&コレクトのしくみが併用され、すでに導入済みでした。

 ネットを検索したところ、アメリカでも昨年、同様のしくみの導入が進んだようですね。

 米コーヒーチェーンのスターバックスコーヒーでも、アメリカで2015年から始まった「モバイルオーダー&ペイ」というアプリを使った事前注文&店頭ピックアップが買上全体の10%を超えたというニュースを読みました。日本でも導入が待たれますね。

 ファッション流通に目を移しても、日本の都心部のショッピングの近未来とも言えるロンドンでは・・・

 外食チェーンだけではなく百貨店や専門店でもクリック&コレクト(オンライン注文の店舗受け取り)は標準装備

関連エントリーロンドン視察から 日本でのクリック&コレクトの普及を考える

 「クリック&コレクト」(オンライン注文の店舗受け取り)と合わせて

 「スキャン&バイ」(店舗で気になった商品をスマホアプリでバーコードをスキャンして商品詳細情報を得たり、そのままオンラインで注文したり、在庫のある近隣店舗を表示する)

 に取り組むチェーンも増えているようです。

 日本では売上歩合家賃で儲けている商業施設とテナント(ブランドやストア)の利害が障害になって顧客の利便性、スマートショッピングは遅れがちです。

 力のあるユニクロ、ZARA、H&Mなどの大型チェーンではアプリを介してクリック&コレクトもスキャン&バイ(日本のH&Mではスキャン&ゲットと呼んでいます)とも導入済みのところも増えて来ましたがね。

 これまで小売業は「店頭起点」という言葉で業務改革を行って来ましたが、

 いまや、スマホでの情報収集から始まるお買いものは・・・お客様と店頭の間のオンラインで始まる時代です。

 ビジネスのカギは・・・店頭を越えてお客様と店頭の間、入店前の「オンライン起点」にどう業務の焦点と軸足を移せるか?がポイントになりそうですね。

 執筆: ディマンドワークス代表 齊藤孝浩
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February 19, 2018

ZOZOTOWN(ゾゾ)が米STITCH FIX の日本版「おまかせ定期便」のサービスをスタート ~パーソナルスタイルサブスクリプションサービスの課題と未来

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 ZOZOTOWNが2月15日から 米STITCH FIX(スティッチフィックス)の日本版と言える サブスクリプション型のオンラインパーソナルスタイリングサービスである「おまかせ定期便」のサービスをスタートしましたね。

これは顧客の性別、年齢、身長、体重、テイスト、好みに関するアンケート、良く買うブランド、主要サイズ(肩幅、バスト、ウエスト上下、ヒップ、股下)などを入力することで、スタイリストが選んだ5-10点の商品が1ヵ月、2ヵ月、3か月の頻度で送られてくるもので、気に入らない商品は無料で返品できるというオンラインパーソナルスタイリングサービスです。

スタートゥデイ社のプレスリリースでは

 服を選ぶのが面倒 ゆっくり服を選ぶ時間がない、似合う服がわからない などのお悩みが解消され、
 多くの方々にファッションをお楽しみいただける
 自分専属のスタイリストを持つような新しい体験

というようなフレーズで告知しています。

 ZOZOに関連する過去のブログエントリー 
 いよいよ年内発売開始、ZOZOTOWNのプライベートブランド(PB)の概要が徐々に明らかに

 でも触れましたが、ZOZOが、コーディネートが得意な販売員を大量募集していたので・・・米STITCH FIXの日本版を始めるのではないかと思っていましたが、早々に始めて来ましたね

 これは顧客の身体ヌードサイズを正確に計測するZOZOSUITを既存ビジネスに活かす手段のひとつだと思いますので、とても興味深いです。

 ご存じのない方に、米STITCH FIX(SF社)を簡単にご紹介すると 

 2011年に日系アメリカ人であるカトリーナ・レイク氏によって立ち上げられたサブスクリプション(定期購入)型のパーソナルスタイリストサービスで、

 多くのアンケート項目に基づき、コーディネートされたアウター、トップス、ボトムス、雑貨 計5点が定期的に送られてくるもので、気に入ったモノだけを購入し、要らないものは返品できるというサービスです。全部返品すると$20のスタイリング料がチャージされる、すべて購入すると25%OFFになります。

 AIがアンケートや購入後のコメントに基づき同社の在庫から5点以上のトータルコーディネートできるアイテムを選定し、人間のスタイリストがそれに補正を加えるという、「AIと人間のコラボ」というところに未来を感じ、非常に興味を持っていたビジネスモデルでした。

 当初はアナログに近いオペレーションでスタートした同社も、AIに明るい共同経営者や投資家が加わり、急成長、現在 全国220万人の顧客、75人のデータサイエンティスト、3400人のスタイリストを抱え、年商1100億円を上げ、2017年11月にナスダクに上場した世界のファッションテック業界の注目株です。

 Stitch Fix

 アメリカではたくさんの奇抜なアイデアを持ったベンチャー企業が生まれ、メディアが過剰に騒ぎすぎるきらいがありますが・・・

 正直、まだ規模が大きくないものをどう評価するべきかわからないものも、たくさんあります。

 その中で、1000億円規模になった同社は立派なビジネスとして評価するに値します。

 SF社のサービスを知っていただければわかるように、ZOZOのおまかせ定期便サービスは その日本版と言ってもよいでしょう。

 AmazonFashionより先に始めたのは流石、前澤さんのフットワークです。 

 そして、ZOZOSUITが実際に配られれば更にその精度が高まりますね。

 ただ、このサービスの課題として想定しなければならないのは、ネットを検索していると、この素敵に見えるSF社のサービスの課題を指摘する顧客購買行動に関するデータがあることです。 

 それによると、定期購入者の客単価(一回あたりの購買額)が、回数が進むにつれて下がるという傾向が指摘されていることです。ですから、いかに新規顧客をたくさん獲得するかが成長のカギだと。

 これは筆者の推測ですが、当初、思いがけない商品パッケージが来てワクワクするのに対し、

 その後、顧客の好みを聴けば聞くほど(AI、アルゴリズムの精度が高ければ高いほど)・・・

 新鮮味がなくなり、飽きてくるという心理が働くからかも知れません。

 このあたり、過去データをベースにするAIの限界かも知れませんので、ここにちょっとしたサプライズを演出できるかどうかが今後の成功のカギなんでしょうね。

 筆者もリアル店舗で接客を受ける時、せっかく店舗スタッフさんが自分に似合いそうな色や柄を提案してもらっても、結局は100枚持ってそうなアイテムの色、柄を選んでしまいがちな自分がいます。

 でも、自分じゃ選ばないなというアイテムや柄や色を紹介してくれるからこそ、ちょっとワクワクするのかも知れませんよね。

 もし、自分の好みだけで選んでいたら、コンサバから抜け出せないし・・・

 今は筆者のトレードマークのひとつになっているポケットチーフを入れ始めることもしなかっただろうし、黒を着ることもなかったかも知れないし・・・そこそこの金額を購入しているスキンケア系だってあるコスメ店の店頭でのインプットが無ければしなかったかも知れません。

 そのような新しい提案はリアルの人間にしかできないことではないでしょう。

 顧客の好みに合わせ続けるだけではなく、ダメだしされようが、半歩先あるいはちょっとしたチャレンジにつながる サプライズを提案してくれたら 飽きることなく、もっとファッションを楽しめるのかも知れませんね。 

 AIがそこまで進化してくれたら大したものです。どんな未来情報を加味するかだと思いますが、そんな未来に期待しましょう♪

 執筆: ディマンドワークス代表 齊藤孝浩
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February 05, 2018

プラットフォーマーをめざす専門店のEC戦略

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 1月31日の日経新聞にアースミュージック&エコロジーなどを展開するストライプインターナショナルがソフトバンクと共同出資で他社ブランドも販売するECモール「ストライプデパートメント」を立ち上げる記事が掲載されていました。

 記事によれば同ECモールには、百貨店を主力に展開する大手アパレル 三陽商会 レナウンなどを含む企業からの出品が決まっているようで、参加ブランドは数百ブランドにのぼる見込みとのこと。 

 ストライプ社にはZOZOTOWNのライバルになるというよりは・・・より大人(30代後半以上)のマーケットを狙って棲み分けを図る意図があるようです。

 一方 ヨーロッパに目を向けると・・・

 デジタル戦略に遅れをとり 2017年11月期 近年にない微増収減益の決算に終わったH&Mが 

 H&Mグループのブランドとスウェーデンのローカルブランドやインターナショナルブランドの商品をディスカウントプライスで実店舗とオンラインの両方で販売するオフプライスストア型のマーケットプレイス業態 AFOUND(アファウンド)を立ち上げるようです。 

 AFOUND – AN INNOVATIVE OFF-PRICE MARKETPLACE – LAUNCHES IN 2018

 こちらは、定価販売のECモールではなく、在庫消化目的のアウトレットであり、ブランドのディスカウントを切り口に別のマーケットの需要を取り込もうというものです。

 もしかしたら、イギリスで拡大中のアメリカのオフプライスストアの巨人、T.J.maxxグループのT.K Maxxへの対抗措置でしょうか。

 T.K Maxx


 これまで、EC戦略、オムニチャネル戦略と言えば、ECモールへの出店から始まり、自社ECを強化して実店舗との相乗効果を図る流れが主流でしたが・・・

 いよいよ中長期戦略を採る大手ファッション専門店の中から、

 独自で構築した店舗、物流、ITのインフラを活かして、自らが自社ブランドだけではなく他社ブランドも販売する AmazonやZOZOのようなECモールやマーケットプレイスづくりを目論む、いわゆる「プラットフォーマー」志向の企業が現れ始めましたね。

 今後このような動きはAmazonやローカルの競合ECモールに対抗して、世界各国で大手企業を中心に活発になってくるように思います。

 海外の先行事例としては、イギリスのNEXT(ネクスト)が挙げられます。

 同社は世界アパレル専門店ランキング第9位(イギリスでは2位) 日本円で5800億円規模(2017年1月期)の年商の、柳井さんがユニクロを立ち上げる時のモデルのひとつでもあったイギリスの老舗SPAですが・・・

 世界アパレル専門店売上ランキング2016 トップ10

 早く(1999年)からECに取り組み、現在ではEC売上高比率42%を誇り、EC売上のうち12%は同社と競合しない著名インターナショナルブランド含む約100ブランドを販売しています。

 NEXTと一緒に注文して、宅配はもちろん、店舗で受け取る(=クリック&コレクト)ことも可能なインフラを整えています。

 NEXT社は英国内500店舗超の店舗網、独自の物流網を活かして、

 深夜12時までに注文した商品を翌日の昼の12時以降に顧客が指定する店舗で受け取る

 「クリック&コレクト」網を敷いているオムニチャネル戦略の先進企業で、

 筆者はイギリス同様、成熟マーケットとなった日本のチェーン店がベンチマークすべき事例のひとつだと思っています。

 日本の最大手である ユニクロはEC売上を行く末は売上比率30%まで高めるため、アクセルを踏み、

 国内2位のしまむらはこれからのようですが、

 目先の自社ECの強化やECモールへの出店の取り組みもよいですが・・・

 いっそのこと、NEXTのように、その先を見越して、プラットフォーム事業者を兼ねることを視野に入れて、未来からの逆算方式で中長期戦略を組まれるべきなんでしょうね。 

 ユニクロやしまむらのような店舗網 物流網を持った企業は日本国内でもそうないと思いますので、

 そのアドバンテージは活かすべきでしょう。 

 先日、楽天がウォルマート(西友)と組みましたが、

 しまむらともクリック&コレクトで組んだら楽天ポイント大好きな主婦層との相乗効果抜群で、とても相性がよいと思うのですが、いかがでしょうかね?

 執筆: ディマンドワークス代表 齊藤孝浩
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January 09, 2018

その付加価値を顧客にしっかり伝えていますか?

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  昨年、半年間 塾生として参加した和仁達也先生のキャッシュフローコーチ養成塾

 粗利率は別名 「付加価値率」と呼びますね、という話を聴いてハッと気づかされたことがありました。

 企業経営は「ビジョン」と「キャッシュフロー」の両輪が健全に回ってこそ繁栄するコンセプトを軸にする和仁先生のその日の講義は

 業界によって粗利率は違う、その違いはどれだけ付加価値をもたらしているかの違いだ、として、

 一般的に生産者がつくった完成品を流通させる問屋さんやスーパーのような小売業は粗利率が低く・・・

 顧客が注文してから材料から手間暇かける飲食店は粗利率が高いという話から始まりました。

 私たちのファッション専門店の業界の粗利率は45%~60%の間が多いでしょうかね。

 先生の話では、企業の利益の源泉である、粗利(高あるいは率)を高めるには2つの手段があり・・・

 ひとつは 「価値を高めること」 

 もうひとつは 「価値を伝えること」 

であると。

 「商品力の強化」の号令のもと、多くの企業のバイヤーさんやマーチャンダイザー(MD)さんが日々、価値を高める努力はしていると思いますが・・・

 後者の「価値を伝えること」に関しては業界を見渡しても、意外と徹底できている企業は少ないかも知れないと思ったものでした。

 顧客(エンドユーザー)に仕入れた商品や開発した商品の付加価値を伝えるには

 リアル店舗にしても、オンラインにしても

○ 各種広告宣伝

○ 店頭VMDやPOP 

○ 接客トーク 

 (オンラインでは「ささげ」がこれらにあたりますでしょうか)

などが考えられますが、

 仕入担当のバイヤーやMDが忙しさにかまけて? 

 顧客に価値を伝えるための十分な商品知識や商品の付加価値情報をお客様最前線にいる店頭やEC担当者や販促担当者に事前に、十分に伝え切れていない現実ではないでしょうか?

 筆者の何社かのクライアント先でも それが組織的にルーティンとして出来ている会社と出来ていない会社で成果の表れ方が明らかに違うなぁ、と痛感したものです。

 商品の付加価値を顧客にどう伝えるか?

 そもそも、そういう意識をもって商品仕入や商品開発をしているかということが前提ですが・・・

 筆者も原稿を寄稿させて頂いた、ファッション販売2月号(年末から発売中)に 具体的かつ、シンプルにまとまっていて参考になる記事がありました。 

 筆者が寄稿したのは「ファッション業界2018年大予測」の方ですが、

 もうひとつの特集に「ショップスタッフの未来」という企画があり、その中の「他業種から学ぼう」というコーナーにあった化粧品業界の接客事例の話です。

 (化粧品以外にもホテル業界の事例も接客の未来を考える上で必読です)

 ちなみに化粧品業界、ファッション業界よりも粗利率高いですよね。 

 実際、現場の方が価値を伝えることに努めていらっしゃるからだとうなづけます。

 詳しくは本誌をお読みいただければと思いますが、簡単にまとめると

 ①勉強して商品知識を高める
  (商品そのものだけでなく、お客様のソリューションにつながる基礎知識全般)
 
 ②シーズンの売り込み商品を明確に決める
 
 ③その商品と一緒に使うと顧客メリットのある商品をあらかじめ決めておき、お勧めする

 ④チームで販売方法の共有をする(成功事例の横展開)

 これ、基本、王道、あたりまえのことに聞こえるかも知れませんが、ファッション専門店では徹底出来てないところが多いかも知れませんね。

 その現実に対して、勉強不足だと現場である店舗スタッフを責めるのではなく、

 そもそも、バイヤーやMDが体系づけて、あるいはルーティンとして、わかるように「伝えていない」ことが圧倒的に多いのが現実でしょう。

 オムニチャネル時代はウエブで調べてある程度の知識を持った顧客が来店する時代。

 それを前提にして仕事をしたいですよね。

 情報をもって来店されたお客様に

 「そんなことも知らないのか?」

 「そんなことわかってるよ!」

 「だったら自分で検索して自分で買うから接客はいらない!!」

 と思われて店舗スタッフさんが愛想を尽かされないように・・・

 仕入担当者は商品を仕入れて在庫を送り込むだけでなく、販売スタッフが商品知識をつけたり、付加価値をつけた情報をお客様に的確に伝えるために

 ・商品の付加価値をわかりやすく言語化する

 ・ブランドがオンラインで発信している情報をシンプルに的確にタイムリーに現場に共有する

 ・会議体やルーティン業務に落とす

 ・デイリー対応にはツール・デバイスも必要

 そんなコミュニケーション力や継続的な努力やデジタルツールが必須な時代だなと思います。

 日頃、クライアント企業さんの店頭の在庫最適化や生産性の向上に関与している傍ら・・・

 今年は、かかわったクライアント先ではそれらが着実に実現できるように尽力したい

 と年頭に心に誓ったものでした。

 今年もブログでオムニチャネル時代の業界マクロトレンドおよび現場寄りのミクロトレンドを綴って参ります。

 どうぞよろしくお願いいたします。

 執筆: ディマンドワークス代表 齊藤孝浩
 ※業界の発展と流通イノベーションのために・・・ファッション流通企業の経営者の方や事業スタートアップ準備中の方の応援をしています。
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December 31, 2017

あなたが考える理想のファッション専門店の姿は何ですか?

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12月25日の日経新聞 未来面に掲載されていた

 「あなたが考える理想の小売業の姿は何ですか?」の企画記事はとても興味深く読ませていただきました。

 これは日経新聞が読者や企業と日本の課題について議論する「未来面」をスタートするにあって、

 さまざまな業界の経営トップが問いかけた質問に対して読者から投稿されたアイデアの中から優れたものを選びコメントを加えるというもので、

 その7回目にあたる今回はセブン&アイ・ホールディングス 井阪隆一社長が問いかけた

 「あなたが考える理想の小売業の姿は何ですか?」という質問への回答の紹介でした。

 詳しくは

 日経新聞 世界を変えよう あなたが考える理想の小売業の姿は何ですか
 
 をお読みいただければと思いますが、

 この中の 2番目 「隙間時間にアプリで買い物」 の

 空き時間にアプリを使ってオンラインで買い物を済ませ、仕事帰りに商品をピックアップして決済するアイデア は 

 まさに、世界のファッション流通業界でも進みつつあるオムニチャネルリテイリングの具体的な施策であるクリック&コレクトの進化版に他なりません。

 欧米では、

 顧客がオンラインで選び、決済も済ませた商品を会社帰りに店舗でピックアップしたり、

 マイページのウィッシュリストに載せた商品を販売スタッフと共有して店頭接客が始まるような

 事例が現れています。

 これらは2018年以降、間違いなく日本のファッション専門店の店頭にも浸透して行くことでしょう。

 それにしても、この「あなたが考える理想の小売業の姿は何ですか?」という質問はとてもいい質問ですね。

 迷走している流通業が、過去の延長線上で考える目先の業績に追われるだけでなく、

 今後どうあるべきかを考える上で、最も自問自答すべきことのひとつかも知れません。

 同企画のように、顧客(消費者)に問うのも悪くないですが・・・

 まずは、一度、自社にとっての「理想の状態」「最良の顧客体験シーン」を社員全員で顧客の立場に立って、自問自答のフリーディスカッションをしてみたらどうでしょうか?

 その際、前例から「できる、できない」、「誰の仕事が増える」、「誰の責任」など、「出来ない理由」を探して 貴重な芽を摘むのではなく・・・

 現在の課題とその理想のギャップを埋めるために まずは必要なことを具体的に挙げてみて、できることから取り組んでみたいですね

 今までのように、前年比ばかりに取らわれていたら、ジリ貧になるばかり・・・

 多少、大風呂敷になろうとも・・・

 理想の顧客体験シーンを描いて、そこから逆算するくらいの発想を持っていないと・・・目の前の壁は打開できない、未来も開けない時代ですよね。

 「あなたが考える理想のファッション専門店の姿は何ですか?」

 2018年 本格的なオムニチャネル時代の幕開けの年にあたり、

 リアル店舗とオンライン(EC)をどのように有機的に結び付け、相乗効果を図るのか?

 まずは「理想の状態=ビジョン」 を考えて共有してみたいものですね。


 今年もブログをお読み頂きありがとうございました。

 2018年も オムニチャネル時代そしてその先にあることにフォーカスをしてファッション流通の未来について綴って行きたいと思います。 よろしくお願いいたします。

 執筆: ディマンドワークス代表 齊藤孝浩
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November 15, 2017

ECとリアル店舗、ファッション消費の未来とパーソナライゼイション

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 11月6日発売のWWD ジャパン 創刊2000号記念号 は1979年の創刊時からこれまでのファッション流通の出来事が年代別にレビューされていて大変読み応えがありました。

 もちろん、歴史を振り返るだけでなく、キーパーソンたちが未来を語るコメントも多数あり、

 特に後半162-163ページにある 

 米パーソナルスタイルパッケージ提案ECサイト 「Stitch Fix(ステッチフィックス)」 の創業者でありCEOのカトリーナ・レイク氏と 

 ECの世界から英老舗セレクトショップ 「BROWNS(ブラウンズ)」のCEOに就いたホリー・ロジャース氏のインタビュー記事

 「独自のパーソナライゼイションを追求 2人のCEOが語る小売りの未来とは?」

 は正しく ファッション消費の未来、これからの10年 ファッション流通業界が取り組まなければならないことを示唆する内容で大変興味深く読ませていただきました。

 特に共感した部分を引用、紹介させていただきますね。

 まず、Stitch Fixはご存じでしょうか?

 STITCH FIX

 2011年アメリカで創業されたパーソナルスタイル提案ECサイト。

 登録時、85の質問に答えた顧客の好みから、AIが700ブランドの中から商品を選定、その後、スタイリスト(人間)が補正したコーディネートアイテム5点(アウター、トップス、ボトムス、服飾雑貨)がパッケージで顧客の自宅に届くECファッションサービス。

 顧客は気に入ったものだけを購入し、そうでないものはコメントをつけて返品するというものです。これを定期的に繰り返す中で顧客の選別行動に基づき、AIがその後の商品選定の精度を高めて行きます。

 アメリカで 現在220万人の会員がおり、75人のデータサイエンティストがAIをメンテし、3400人のスタイリストが対応しており、年商1100億円 (粗利率44%)にまで成長し、この度、上場申請をしたそうです。

 同社のCEO が語る ミッションは (以下 「  」内 引用)

 「消費者から求められているのは自分にぴったりのジーンズがみつかること。 モールを一日中探し回りたいわけではなくて、快適かつきれいに見えるジーンズを見つけたいだけ」

 「モールのいろんな店をさまよって、店員に買い物を助けてもらう今の形が将来まで続くわけがないし、30個ものブラウザを開いて何を買えばいいのか悩む行為もあり得ない。私には、どちらの行動も将来まで存続しているとはどうしても思えない。」

 「(ファッション購買の未来は) 商品の大半はオススメ機能に基づいて購入されると思います。

 (我々は)その人に完全にフィットするものは提供できないけど、その人に最適な1着を提供します。
将来的にはカスタムフィットを行うこともあり得ますが、すでに大量の服が流通していますからね。」

 「データを理解し、顧客のニーズと在庫をうまくマッチさせることで在庫を効率的に回し、リスクを最小限に抑えている」

 そして

 「パーソナライゼイションという切り口から集めた情報を新たな顧客に当てはめることで成長を続けている。」

 以上 「  」内 引用

 「パーソナライゼイション」というと カスタムメイドに取り組む(作りたがる)会社が多いですが、その労力は結構大変なものですし、限界を感じてしまいます。 

 それよりは、すでに流通している商品の中から顧客の需要と在庫をマッチングする、大量の情報から、絞り込んで差し上げることによってショッピングのストレスを解消したり、時短によりライフタイムを有効に使っていただくことがソリューションにつながる

 という点は筆者の専門分野である、在庫最適化や在庫コントロールのコンセプトに通じるものがあり、とても共感したものでした。 

 かつてはアナログでやっていたパーソナルスタイリストを AI(ロボット)とスタイリスト(人間)が協働で行うところにも未来を感じますね。

 続いて オムニチャネルリテイリングを推進する英老舗セレクトショップ「BROWNS」。

 BROWNS

 「BROWNS」はイギリスをマーケットリサーチされる方にとっては定番の定点観測場所、

 そこへ 百貨店、ラグジュアリーブランドを経て、ラグジュアリーブランドのECサイト「ネッタポルテ」の創業メンバーだった女性がCEOに着任して目下オムニチャネル対応で改革中。 そんな彼女のコメントです。

 「(我々のゴールは)リアル店舗とオンラインストアの機能を統合して良い循環をつくること

 例えば、顧客が自宅で欲しいものをウィッシュリストへ追加していく。

 そのアイテムを店で試着するときに、顧客の専任スタッフはウィッシュリストを見てアイテムを事前に準備しておく。

 さらには、顧客が選んだアイテムの他に、オススメのものも一緒に準備しておける。

 そうやって、全部のテクノロジーやサービスを顧客満足度のために結集し、循環させることがゴールです。」

 以上 「 」内 引用

 これはまさしくリアル店舗をもつ企業がこれから5-10年内に実現しなければいけない最も重要なショッピングのシーンのひとつでしょうね。

 生活者はファッションを買わなくなったのではない、お金がないわけでもない。

 また、これまでさまざまなショッピングのストレスがたくさんのファッション消費を楽しめない方々を生んでしまったかも知れません。

 ストレスなく、気の利いたファッションが的確に、時短とともに手に入るようになれば

 まだまだファッション消費は活性化し、より多くの人に楽しんでもらえるものになるのではないか?

 お2人のインタビュー記事を読んでいて、これからますます変わるショッピング環境にあわせて

 まだまだビジネスチャンスはたくさんありそうだと感じたものでした。 

 執筆: ディマンドワークス代表 齊藤孝浩

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November 06, 2017

いよいよ年内発売開始、ZOZOTOWNのプライベートブランド(PB)の概要が徐々に明らかに

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 11月1日の繊研新聞や11月3日の日経MJに先ごろ発表されたスタートトゥデイ第2四半期決算を受けてZOZOTOWNの今後の施策に関する記事が掲載されていました。

 引き続き増収増益の絶好調が続く中で、各紙の記事は前澤社長が自ら説明した今後の

 「送料」と「プライベートブランド(PB)」に関する内容が中心でした。

 送料に関しては、「送料自由化」のテストを経て11月1日から一律200円に決定しましたね。

 この新送料決定までのプロセスが非常に見事だったので、ちょっと整理してみましょう。

 まず、購入者が任意に選べる「送料自由化」(=購入代金に関わらず顧客が希望する送料で発送する;0円=無料も含む)の中間報告では平均が96円、無料を選んだ顧客が43%あったとのことでしたので、
 
 有料を選んだ残り57%の顧客が選んだ送料の平均はおそらく170円弱だったと推計されます。

 そして、これまで5000円以上の購入者が送料無料、それ未満は有料で一律399円だったので、

 前者と後者の構成が半々だったら今回の新送料設定での両者のプラスマイナスはほぼトントン

 5000円以上     0円+200円=200円
 5000円未満   399円-200円=199円

 おそらく、平均出荷単価が8186円ということなので、5000円以上の方が多数と推測できます。これにより、ZOZOはこれまで送料を頂けなかった顧客からも送料を頂く「有料化」=「送料無料撤廃」を果し、

 運送会社の運賃立て替え収入総額が増えることによって・・・運賃値上げによる経費増にある程度充当することが出来るようになりますね。

 一方、運送会社の値上げを

 単純に顧客に転嫁したモールや
 
 頑張って値上げしませんと宣言して経費増になっているモール・・・

 いろいろあると思いますが・・・

 同社は 顧客、ZOZO自身(そして株主対策)、運送会社 すべてに納得感のある、

 「送料値下に見える実質値上げ」は見事だったと言わざるを得ません。 

 さすが商売人です。

 次に業界が注目する、今後のZOZOの更なる成長を左右すると言っても過言ではない、プライベートブランド(PB)について。

 今回、「全貌の半分~2/3を語る」と前置きして始まった前澤社長自らのプレゼンテーションで出たキーワードを列挙すると 以下の通りです。

・年内ZOZOTOWNで販売スタート (海外でもアメリカ・ドイツで来春から販売スタート)

・誰もが1枚や2枚、1本や2本持っている超ベーシックアイテムを、最高品質、バリュープライスで提供する 

・成功すれば世界中のアパレル企業を超える規模感のブランドになりうる

・ファッションに関心のない層への洋服で根源的な課題を解決するもの

・これまでファッションブランドが使ったことのない設備を使って製造

・科学やテクノロジーの力でサイズ・シルエットなど究極のフィット感を実現 

・究極のフィット感を実現するために設備投資 9億円 研究開発 5億円を 使った

また、

・デザインや価格面で既存出店ブランドと競合しない

・コーディネートが得意な販売員を100人募集する。着こなしの分析や解析もしてゆく

・あまり在庫リスクを抱える商売にはならない

とも発言されています。

以前のエントリー
 ZOZOのスタートトゥデイが大幅増収増益で株式時価総額1兆円を突破 現状の課題と次の手は?

 の後半部分で 筆者は ユニクロと競合するベーシックを最有力に挙げましたが、

 この方向はどうやら正しいようで・・・ 

 ただ、これまでファッションブランドが使ったことがない、特殊な設備を利用するとしているところが意味深で楽しみです。

もうひとつ、

・ファッションに関心のない層への洋服で根源的な課題を解決するもの

・コーディネートが得意な販売員を募集とのこと

というところがとても気になりました。

 もしかしたら、PB商品の単品開発&販売にとどまらず、ZOZOTOWN既存出店ブランドの在庫も活用して

 アメリカで急成長中の定期購入型のオンラインパーソナルスタイリングサービスのファッションECサイトである

 Stitch Fix(スティッチフィックス) 

 の日本版もスタートするのではないか?

 とも思えてきました。

 年内発売とのこと、リリース間もなくですね。 

 どんな商品、アイデアが飛び出すのか、楽しみにしていましょう。

 執筆: ディマンドワークス代表 齊藤孝浩

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