July 05, 2018

しまむらがZOZOTOWNに出店。 両社のメリットとその先の狙いは?

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 6月27日の日経MJなどにファッションセンターしまむらを展開するしまむらが7月9日(月)にZOZOTOWNに出店することに関する記事が掲載されていました。

 しまむら@ZOZOTOWN新規 オープン告知サイト

 しまむらの粗利率(売上総利益率)は例年32~33%。

 これを持ち前のローコストオペレーションにより、

 23~24%の低い販売管理費率に押さえ

 9%前後の営業利益率を上げている企業です。

 一方、ZOZOの販売手数料は

 単価が高く、売上ランキング上位クラスの取引が太いブランドでも売上高の20%台前半、低単価のブランドでは35%以上のようですので・・・

 低粗利率とローコストオペレーションを武器にするしまむらのZOZO出店は難しいのではと見ていましたが・・・

 まあ、販売手数料が25%前後であれば・・・

 しまむら側もZOZO側もビジネスが成り立たないわけではないので、どこかで折り合いをつけた模様です。

 両社が組むメリットを少し考えてみました。

 まず、しまむらのメリットです。

 業界の多くのブランドのEC売上の6割~7割のシェアを占める、

 業界でもっとも売れるECモール=ZOZOTOWNに出店し、

 後発と言われるしまむらが、今オンラインで何が起こっているのかをスピード体験できる。

 地方、郊外に店舗が多いしまむらでお買い物をしたことがない、都心部の客層にしまむらの商品を手に取ってもらえる。

 しまむら未経験者からすれば安いけど、試してみれば品質がいいことに驚くでしょう。

 次にZOZOのメリットです。

 しまむらが得意とする地方、郊外立地の客層、特にティーンズとZOZO客層よりも年齢の高い主婦層にリーチ出来る。

 特に客数という意味では、日本のファッション専門店の中ではユニクロとしまむらはダントツに多いですからね。

 客単価は低いかも知れませんが、新規顧客大量獲得のメリットは大きいでしょう。

 最近ZOZOがとみに増やしている楽天などから流入した低価格帯の商品群を好む客層に新たな選択肢が生まれることになるでしょう。

 とは言え、おそらく両者の取り組みはお互い様子見というところでしょうか。

 しまむらも損益の関係から粗利率の高めのオリジナル商品から始めるので…

 当初は限定的な取り組みになりそうですね。

 しかし 日本のファッション流通業界の中で最多クラス、

 「ファッションセンターしまむら」だけで1,400

 グループ合計で2,000を越える国内店舗網と全国の店舗にほぼ毎日商品を届ける独自のトラック物流網は業界随一間違いないしまむらグループ。

 ZOZOで注文した商品がしまむらの物流網にのせて全国の店舗で受け取れるとか、返品受付できたら・・・

 東京や関西の都市部にはまだ、しまむらの店舗はあまりありませんが、

 地方や郊外立地の客層には何かしらのメリットを生み出せるのでないか?

 と思いますがいかがでしょうかね。

 「EC後発のしまむらがいよいよファッションモールに出店」というニュースよりも…

 ファッションEC国内最大のZOZOTOWNと

 ファッション流通国内最大級の店舗網と物流網を持ったしまむらが

 ECモール運営者と出店ブランドの関係だけでなく

 その先の取り組みを行う可能性については、とても興味があります。

 両社がそんな共通の利害を見出し・・・ そんな話も視野に入れて交渉を始めていたら、

 流通が変わる結構、面白いことになると思うんですがね・・・

 関連エントリー-しまむらが2018年からネット通販を開始 独自の物流網をどう活かせるか?
 

 執筆: ディマンドワークス代表 齊藤孝浩

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July 03, 2018

「ユニクロ対ZARA」の文庫本が日経ビジネス人文庫から発売

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 ブログ筆者である 齊藤孝浩(タカ サイトウ)が執筆し、2014年11月に発売された「ユニクロ対ZARA」がこの度 文庫本として発売されることになりました。

 「ユニクロ対ZARA」(日経ビジネス人文庫)
 
 本日Amazonで発売開始、明日には全国の書店の文庫本コーナーに並ぶと思います。

 おかげさまで旧版は2014年から2015年にかけてビジネス書のベストセラーとなり、

 訳本が台湾、香港、中国本土でも発売され、多くの出会いの機会を頂きました。


 文庫化にあたり、数値は両社の最新決算のものに置き換え
 
 4年間の動向を踏まえ、最終章の未来予測のところを書き換えました。

 書き換えを通じて、筆者も両社がこの4年間で着実にパワーアップしていることを思い知らされたものでした。

 ユニクロはベーシック商品の商品管理のベストプラクティス、

 ZARAはトレンドファッションの商品管理のベストプラクティス

 だと思っていますので、両社のオペレーションはシーズン性のあるアイテムを扱っていらっしゃる小売業の方々には業界問わず、参考になると思います。

 また、両社とも、明確な経営ビジョンを持ち、企業経営をする企業のグローバルレベルのお手本でもありますので、

 アマンシオ・オルテガさん、柳井正さんの経営信念からも刺激を受けて頂けると思います。

 文庫本になって、更に読みやすく、 携帯しやすくなっておりますので、

 書店で見かけたら是非お手に取って下されば幸いです。


 執筆: ディマンドワークス代表 齊藤孝浩

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June 18, 2018

ユニクロのAI(人工知能)を活用した需要予測の取り組み

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6月18日の日経新聞にユニクロがAI(人工知能)を活用した生産改革に乗り出すことに関する記事が掲載されていました。

 記事によれば、AIによって天候やトレンドなど大量のデータを解析して必要な商品枚数を予測する、

 いわゆる需要予測を行うようで、

 同社は、この度、今後の海外展開(出店)および、これらのデジタル投資のために社債を発行して2500億円を調達したとのことです。

 AIが、勘に頼ることが多いと言われるファッションビジネスを

 属人的な業務からある程度標準化した業務に転換し

 ベストプラスティス(上手くやっている人のオペレーション)を短時間で実行することによって

 これまで無駄だった人災的な?ロスが大幅に減ることは期待しておりますが・・・

 こと需要予測となるとどうなのかなぁ?とても関心を持っております。

 つまり、過去のビッグデータを集積して改善できることと

 一方、過去のデータは参考しながらも、変化する環境と購買心理を予測しなければならない需要予測は
また別物だとも思えますが・・・

 過去および現在にどれだけ未来に使える「生きた情報」があるのかに、

 業界最大手が取り組むことにとても興味があります。


 記事にあるように、天候や気温が予測できたらいいですよね。

 気温によって購買行動が変わることはわかっていますから。

 また、ある時期に、価格をどれだけ下げたら、どれだけ売上数量が伸びるのか?のデータも、

 ユニクロさんあたりであればすでに熟練MD(マーチャンダイザー)の経験値を元にしてその係数をお持ちでしょう。
 
 それが効率的にできればいいですね。

 毎年販売されている・・・その時期が来たら・・・ある程度条件が整ったら売れるベーシックなら

 それらの過去データから高い精度で予測可能な部分も多いのかも知れません。


 一方、ユニクロがその背中を追いかけているZARAを展開するインディテックスグループは、

 もちろんユニクロのようにベーシックの単品商品も扱いますが、

 トレンド商品のコーディネート提案に力を入れているため、

 過去に売れた商品のPOSデータよりも、

 むしろ顧客が試着をしたにも関わらず購買に至らなかった商品を分析することで

 これからシーズン中にどんな商品をつくり足すべきかを予測することで知られています。 

 そこには、興味を持ったのに、購入しなかったという・・・

 また違う角度の顧客の潜在需要の情報が含まれていますからね。

 おそらく、過去の販売実績データだけでなく、身近にあるけど体系化されていない・・・
 
 そんな未来予測のヒントも取捨選択して入れてあげないとAIはビジネスに有益な未来予測はしてくれないことでしょう。

 それから、

 商業施設の期間限定10%OFFだけでなく、クーポンを乱発するECモールが多数出現し、

 セール期に限らず、それ以外の時期にも商品を安く買う手だてを知っている、賢い消費者が増えている昨今、
値下げによる売上数増加予測もいままでとはちょいと勝手が違うのではないかとも思えます。

 もっとも、昔から、

 出来ないと決めつけず、どうすれば出来るか?にしっかり取り組んで成長してきたユニクロさんですから・・・

 何らかの解を見つけ出すことに期待しています。

 世界トップクラスのアパレルチェーンとトップクラスのITコンサル会社が組んだ

 業界の先端のAI活用の取り組みを興味をもって見守りたいと思います。


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June 07, 2018

チームの仕事のゴールをビジョン(ビジュアル)化する

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今回の話は「ビジョン」と言っても、社長室の壁に貼ってある抽象的な経営理念の話ではありません(笑)

 先月のWWDジャパン5月7日号、お仲間である松下久美記者が総力を上げて仕上げられた「ユニクロのDNA」特集。

 その中のファーストリテイリング執行役員で同社のR&D(Research & Development)部隊を統括する勝田幸宏氏がデザイナーやクリエーターのコラボから学んだことを語っていたインタビュー記事を読んでいて・・・

 日々の在庫最適化のコンサル&コーチング現場でも強く感じていて、とても共感する話が出ていたので少しご紹介させていただきます。

 それは同社がかつて「+J(プラスジェイ)」のプロジェクトでジルサンダー女史とコラボをした時に「仕事のしかた」を学んだことに関するくだりです。

 共感した部分を整理すると


 同社 柳井社長は「経営は結論が先にあり、何をするか決めてから実行することだ」と話されているのと同じように

 ジルサンダー女史の仕事のしかたも、(シーズンごとに)「最初から服、店頭、マーケティングまで、完成形の姿(ビジョン)」がチームで共有されている。

 「ゴールが見えるからこそ、そこにたどり着くために執念を持ち、今日の仕事や努力する。」

 「チームスタッフは怒られても同じゴールに向かっているからなぜ怒られているのか、失敗だったのかがすぐ理解が出来ると言っていた。」

 「仕事のゴールに向かっては妥協しない姿勢と実行力が『凄まじい』の一言だった」


とのこと。 以上「  」内は引用、(  )内は筆者補足。


 日頃のミーティングの現場では、各人がそれぞれの意見を述べ、話しが脱線したり堂々巡りが多く・・・
 
 気が付いたら時間だけが経過し、結局、結論が出ない、ということも少なくないことは読者のみなさんも少なからずご経験があると思います。

 しかし、

 ひとたび、誰かがホワイトボードに図を書きはじめたり

 売場のレイアウト図を広げたり
 
 帳票レイアウトを決めてそれを中心に話を始めると 

 メンバー全員が図や表やグラフ(ビジュアル)を指さし始めて・・・

 話がトントン拍子に進んで結論が早く出るものです。

 在庫最適化のコーチングの現場でも、課題の解決策をご指南するだけでなく、

 そんなきっかけをつくるのが筆者の役目だと思っています。

 -この商品は店頭で何とどう組み合わせて陳列するのでしょうか?

 -販売ピーク時に店頭の在庫状況はどうなっているべきか?

 -シーズン末の店頭はどうあるべきか?

 -その時、店頭でお客様はどんな様子で、店舗スタッフさんはどんなことをしていて、どんな顔をしている?

 理想の状態をイメージして、そのために何をすべきか、

 ゴールから逆算することを推奨する毎日です。

 ところで、先日 キャッシュフローコーチ仲間のチームビルディングのプロ

 ロボット人事研究所 瀧田勝彦さん 

 のチームビルディングに関する勉強会に参加していて

 「ビジョンとは 

 将来のあるべき姿を描いた経営理念のようなものを意味するだけでなく、

 普通に「目に見えるもの」という意味がありますよね~」

 という話を伺っていて、ハッと気づかされたことがありました。

 コトバンクの大辞林によれば、ビジョンとは

 確かに4番目に「目に見えるもの、光景、ありさま」とあります。


 ビジョン【vision】
 ① 将来のあるべき姿を描いたもの。将来の見通し。構想。未来図。未来像。 「福祉国家の-を示す」
 ② 幻想。幻影。まぼろし。
 ③ 視覚。視力。視野。
 ④ 見えるもの。光景。ありさま。

 (以上 引用 )

 日々の仕事に追われていると・・・

 どうしても、前年対比 過去対比に基づく予算に囚われがちです。

 その数字って、皆さん、本当に腹落ちしているでしょうか?

 それよりも、

 将来あるべき姿、未来や目標=ゴールを

 「目に見える光景」にビジョン化、ビジュアル化して

 チームで共有した方が、ワクワクしませんか?

 そしてそれは目で見えるもの(絵、図、表など)にして共有しておけば、

 迷った時にもその原点に立ち返って考え直すことができるのではないか?

 最近、業界の中でも、シーズン立ち上がり前に売場を起点にVMDを考えて

 そこから商品企画を始め、調和のとれたMDが実現し、成果を出し始めている事例が増えて来ました。

 この発想も仕事を目に見えるものにして共有する=ビジョンの考え方に基づく未来からの逆算発想です。

 大上段に構えた長期的な経営ビジョンだけでなく、

 シーズン中という短い期間の仕事の中にも可視化すべき小さなビジョンというものはたくさんあるものだな~
とつくづく感じる今日この頃です。


 関連エントリー店頭を起点に商品・営業チームが一丸となれる最も効果的な施策 
 
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 執筆: ディマンドワークス代表 齊藤孝浩

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May 14, 2018

世界アパレル専門店売上ランキング2017 トップ10

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 世界の大手アパレル専門店各社の2017年度の売上高や利益などをまとめる機会ができましたので、毎年恒例になりました売上高のランキングTOP10を共有させていただきます。

 円建て比較にあたり、為替レートは2018年1月末の €=135円、スウェーデンクローナ=13.8円、US$=108.8円、英国£=153.9円で換算しています。
 
 尚、7位のC&Aのみ2017年決算が入手できませんでしたので Deloitte Global Powers of Retailing2018と2017を参考にした2016年度の売上高を表示しています。

順位 社名 本社;決算期 売上高 前年増減 営業利益 営業利益率 期末店舗数 基幹業態
1位 インディテックス (西;2018.1期) 3兆4203億円 8.7% 5823億円 17.0% 7475 ZARA
2位 H&M (瑞;2017.11期) 2兆7600億円 4.0% 2838億円 10.3% 4739 H&M
3位 ファーストリテイリング (日;2017.8期) 1兆8619億円 4.2% 1764億円 9.5% 3294 UNIQLO
4位 GAP (米;2018.1期) 1兆7248億円 2.2% 1609億円 9.3% 3594 OLD NAVY
5位 Lブランズ (米;2018.1期) 1兆3742億円 0.5% 1879億円 13.7% 3075 Victoria's Secret
6位 プライマーク (愛;2017.9期) 1兆0854億円 18.6% 1131億円 10.4% 345 Primark
7位 C&A ヨーロッパ (独;2017.2期) 8390億円 -3.1% 非公開 非公開 1575 C&A
8位 アセナリテール (米;2017.7期) 7234億円 -4.9% -142億円 赤字 4807 Ann Taylor Justice
9位 ネクスト (英;2018.1期) 6241億円 -1.0% 1169億円 18.7% 528 NEXT
10位 しまむら (日;2018.2期) 5651億円 -0.1% 428億円 7.6% 2145 しまむら
                                        備考-米TJMaxx、Ross のオフプライスストア2社は、売上規模でトップ10に入る規模ですが、メーカーや専門店が放出した過剰在庫を販売する二次流通マーケットのため除外しました。また、中国で拡大を続け、売上規模では9位あたりに位置すると目されるE.LandWorld(韓国)は売上規模以外の実態が掴めないため除外しました。

以下 ランキングに対する解説です。

 1位のインディテックスグループは9%増収、7%営業増益、と着実な増収増益。ローカル通貨ベースでの伸び率は10%の増収12%の増益だったようです。(以下利益は営業利益を指します)。

 進出国を1か国増やし94か国とし、グローバル展開を続けながら、この1年は特に香港、トルコ、メキシコに数多く出店したようです。

 一方、スペイン、中国はスクラップ&ビルドを進めているようです。

 また、ここ数年、ZARAが過去において手薄だったアメリカへの出店を強めているのも気になります。(ここ4年で87店舗へ倍増しました)

 初めて明かしたオンライン売上構成比は10%(展開国では12%)、前年比は41%増、既存店売上高もトップ10企業の中でダントツの5%増でした。

 2位のH&Mは4%の増収、14%の減益に終わりました。

 H&Mの減益は2年連続、営業利益率も10%の水準にまで落ちています。

 同社は同期も中国、アメリカへ集中して388店舗も出店をしましたが、

 店舗数を増やしたほど売上は伸びず、

 トップ10企業の他社は既存店のスクラップ&ビルドを行って店舗の純増数は鈍化しているにも変わらず、積極出店が裏目に出たようです。

 後述するプライマークの躍進やイギリスのウルトラファストファッション系ECサイト達にシェアを奪われているようです。デジタル戦略への遅れが業績に表われていることはH&MのCEO自身も認めています。

 3位はファーストリテイリング。4%増収も38%増益、営業利益率9.5%と復調しました。

 国内ユニクロ事業の回復、海外ユニクロ事業の好調が要因で、営業利益率も国内11.8%に対して海外10.3%と海外も相当稼ぐ力がついて来ましたね。

 その後の2018年上半期では、ユニクロの海外の売上は国内を上回り・・・

 営業利益の構成比が逆転するのも時間の問題。

 いよいよユニクロは国内事業一本打法から、海外で稼ぐブランドへの脱皮を果たしたと言えるのではないでしょうか?

 4位のGAPは米国内のGAPおよびバナリパの不採算店舗の大量整理にメドがついたようで、2%の増収、24%の増益とこちらも復調。 

 ただ、日本から撤退したOLD NAVYが北米において1ブランドで気を吐いている感が否めません。

 また、久々に同社の米国内売上比率を見ましたが・・・

 80%と年々ドメスティック比率が高まっています。かつて世界一だったGAPとて、アメリカのチェーン店は海外で通用しづらい?というジンクスを覆すことはできなかったのでしょうか。
 
 5位のLブランズは0.5%の微増収も13%の大幅減益。

 ビューティ部門=バス&ボディワークスは引き続き好調だったようですが、

 基幹ブランド ヴィクトリアシークレットが政策的に水着とアパレルの販売を中止したのが減益要因で、

 同社はランジェリーのMD改革も含めてこの結果は織り込み済みとしています。

 6位以下に関しては・・・

 6位に浮上したプライマークはいよいよ年商1兆超え。

 19%の増収、7%の増益、10%の営業利益率と、インディテックスに次ぐ好業績企業と言えそうです。世界ランクトップ5入りも時間の問題でしょう。

 昨年夏にロンドンでプライマークの新しい旗艦店(オックスフォードストリートの東側の店)を視察しましたが・・・

 同ストリート 西側の旧旗艦店と比べるとわかりますが、一皮むけておしゃれで、選びやすい店舗が印象的で、進化のほどを感じました。 特に、ロンドンハイストリートでH&Mを苦しめている様子が感じられます。

 同社は2015年にアメリカ進出を果たしていますが、こちらの方はまだ試行錯誤状態のようです。

 9位のネクストは既存店のスクラップ&ビルトと高いEC売上比率(40%超)で、これまで堅調な売上高と高い営業利益率を保って来ましたが・・・

 いよいよ踊り場を迎えているようです。

 同社の戦略は欧米日など成熟マーケットにおけるチェーン店の生き残り策のお手本になるかと期待をしていたのですが・・・ 10%近い既存店の減収は痛いです。

 世界のファッション流通の最激戦地、イギリス、ロンドンでは日本以上の熾烈な勝ち残り競争が繰り広げられているようです。

 さて、

 今回のTOP10を見渡すと大きな増収、増益を達成したのはインディテックス、プライマークの2社です。

 また、ファーストリテイリングとGAPの利益の復調も見て取れます。

 一方、これまで 高い利益率を上げながらポストファストファッション時代に勝ち残る施策のいくつかの選択肢として注目して来た、

 ビューティ部門を強化する米Lブランズ、

 クリック&コレクトを中心にオムニチャネルとそのプラットホームづくりに力を入れて来た英NEXT

の2社が今踊り場を迎えています。


 ここ数年着実に伸ばしているZARAとプライマークから見習うべきことは2点あると思います。

 まずひとつは、

 目の届く近隣国と人件費の安価な国をバランスよく使い分けるハイブリッド型生産 です。

 3年連続で申し上げる話になりますが・・・

 長いリードタイムをかけて低賃金の国においてローコストで商品をつくり、

 つくったものを売り切るビジネスモデルはリスクが大きく(売上は上がるが利益をコントロールしづらい)、

 そういったグローバル資本主義的なビジネスモデルが「限界」に近づきつつあります。

 ここ数年のH&Mの様子は、まさにその反面教師的な姿かも知れません。

 一方、見習うべきはZARAのインディテックス社の近隣国とアジア生産を組み合わせるハイブリッド生産です。

 超低価格のプライマークも、かつての反省を活かし、トルコや東欧などの近隣国 短サイクル生産とベトナム中国バングラデシュの中長期生産を併用して成果を上げているようです。


 そして、そんなサプライチェーン改革と同時に進めなければならないもうひとつのチャレンジは

 ストアとオンラインの完全統合への道 です。


○ アプリによる来店前の顧客とのコミュニケーション

○ クリック&コレクト(オンライン注文の店舗受け取り)、

○ スキャン&バイ(店舗からのオンライン注文)

など、

 いわゆるオムニチャネル戦略に関してもZARAのインディテックスが半歩先を行っています。

 2018年はファストファッションからスマートショッピングの時代への大転換点。
 
 急成長しているからと言っても、プライマークのような更なる低価格路線を追及しても大資本には到底敵いませんので・・・

 ZARAの一連の取り組みを見習い、顧客の購買行動の変化に柔軟に対応できるサプライチェーンとオンラインの体制を早期に整えたいところです。

 執筆: ディマンドワークス代表 齊藤孝浩

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 「ユニクロ対ZARA(ザラ)」単行本 ソフトカバー(日本経済新聞出版社)
  

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March 23, 2018

ZARA(ザラ)のインディテックスグループの2017年決算は増収増益~実店舗とオンラインの完全統合モデルを着実に進め安定的な成長が続く

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 3月14日に発表されたZARAのインディテックスグループの2018年1月期決算レポートに目を通しました。

 売上高は 3兆4203億円 前年比9%増 
 営業利益は 5824億円 同  7%増
 営業利益率 17%    同0.2%減
 期末店舗数 7475店    同 +183店
 為替レートは1月31日の€=135円で換算

 でした。

 一方、2017年11月に締めたH&Mの決算は

 売上高 2兆7600億円 前年比4%増 
 営業利益は 2838億円 同 14%減
 営業利益率 10.3% 同 2.1%減
 店舗数 4739店   同 +388
 為替レートは1月31日のSEK=13.8円で換算

でした。

 安定的な増収増益を続けるファッション専門店世界売上ランク1位のインディテックスは、
 一方で売上が伸び悩み、連続減益となり、CEOがデジタル戦略に乗り遅れたと猛省する2位のH&Mを大きく引き離しましたね。

 両社の営業利益額が2倍も差がついたのが印象的です。

 株式時価総額に関しては10.5兆 vs 2.9兆と3倍以上もの差です。 

 今回の決算数値、インディテックス自身も若干伸びが鈍化したように見えますが・・・

 同社はこの説明として、ここ半年間の急激なユーロ高の影響を挙げており、(ユーロの商品原価に対して、売上高の回収が為替で目減りしたことによる利益率の低下)

 各国の現地通貨ベースでは10%の増収、12%の増益だと説明しています。

 既存店売上も世界のすべての地域で伸びており、グローバル平均で5%の増収(オンライン含む)とのことで、万事健全であるとのことです。

 今回の決算のトピックを3つ挙げると、

 まず、初めてオンラインの売上比率を開示しましたね。

 オンライン売上比率は 全体の売上に対して 10%
 オンライン販売を実施している地域の売上に対しては  12%
 前年比41%の増収とのことです。

 ざっと計算すると、実店舗だけでは約7%の増収 

 期末店舗数の伸びは2.4%増ですが、売場面積を7%増やしています。
 
 そうすると、既存店リアル店舗単体レベルでも微増収は続けている模様です。

 ふたつめは 積極的な店舗のスクラップアンドビルドと好立地への大型化しての移転の加速です。

 H&Mの引き続き旺盛な出店と比べると、店舗数の純増数(新店-閉店)は鈍化(2.4%増)したかに見えますが・・・

 これは成長を緩めているのではなく、むやみに店舗を増やすよりも、スクラップ&ビルドで店舗の量よりも質への転換に力を入れています。

 今年度524店出店していますが、341もの店舗を閉め、一方で、144店を改装し、122店を大型化しています。その結果、既述のように売場面積は7%増。

 これはすべてのファッションチェーンに言えることですが、

 世界中でオンライン経由の売上が増える中、既存店の質の見直しは同時に行わなければならない経営戦略のひとつであることは言うまでもありません。

 オンライン売上のアップだけに力を入れて、うつつを抜かしていると、不採算店舗や低利益率の店舗がいずれは遅かれ早かれお荷物になり、経営を深刻に圧迫することは間違いありません。

 同社は過去6年間の間に全体の80%の売場スペースがリニューアル済みとのことで、

 このあたりの対応もこれから本格化するオムニチャネル時代に臨戦体制の準備に怠りありませんね。

 3つめは 同社が「ビジョン」に掲げる 「実店舗とオンラインの完全統合モデル」へのアクセルです。

 この度 チェアマンであり、CEOであるパブロ・イスラ氏の下にCOO(最高執行責任者)としてに選任されたカルロス・クレスポ氏は

 IT、ロジスティック、運送、労務、商品調達およびサステイナビリティの各部署をコーディネートする役割の担当役員です。

 これからの同社の明確なビジョン実現にあたって最高執行責任者にこのポストを担わせるということは、
同社のビジョン実現へのスピードアップの覚悟を感じます。

 また、オンラインの新サービスとしては、マドリッド、ロンドン、パリ、上海など世界の一部の都市でオンライン注文の同日受け取りサービスを始め、

 スペイン、イギリス、フランス、中国など複数の国で翌日配送が始まっています。 

 それから、スペインやイギリスの一部の大型店で、オンライン注文の店舗での自動ピックアップ装置を導入・稼働させ始めるとのことです。

 筆者が最近講師を務めたある講演で、

 「ZARAにとって、Amazonは脅威か?」という質問がありましたが・・・

 今回の決算を見ても、施策を聴いても、AmazonPrimeに負けないくらいの配送の利便性を自前主義でしっかり準備されているようですね。

 インディテックス社はしばらく死角なし、

 そして、世界のすべてのファッションリテイラーが進むべき道の半歩先を行くお手本のひとつ

 と言っても言い過ぎではなさそうです。

 関連エントリー‐世界アパレル専門店売上ランキング2016 トップ10

 関連エントリー‐ZARAのインディテックスグループ、サステイナブル経営からインフラ投資への好循環

 執筆: ディマンドワークス代表 齊藤孝浩
 ※業界の発展と流通イノベーションのために・・・ファッション流通企業の経営者の方や事業スタートアップ準備中の方の応援をしています。
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 【関連書籍】
 「ユニクロ対ZARA(ザラ)」単行本 ソフトカバー(日本経済新聞出版社)

  
 
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March 05, 2018

テクノロジーの進化を企業よりも消費者が享受する時代のファッション販売

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 201842月末に発売になったファッション販売(商業界)4月号の恒例 業界フレッシャーズ向け特集「ファッションビジネス業界のすべて」の中の「業界のあらまし」 に 「市場の変化と世界専門店の推移」というタイトルで 2ページ分の寄稿させていただきました。

 ファッション販売 2018年4月号の詳細はこちら

 寄稿の要点は

・日本のファッション流通市場では バブル崩壊以後 マーケットリーダーとなる企業の努力(流通革新)によって10年周期でパラダイムシフト(時代のテーマの変化)が起こっていること

・世界のアパレル専門店トップ5(インディテックス、H&M、ファストリ、GAP、Lブランズ)の過去10年間の売上推移や成長率を見ると・・・

 それはローカルの話ではなく、グローバルマーケットにも共通して起こっている変化であること

そして

・今年が次のパラダイムシフトの始まりの年であること

 です。

 寄稿の中で一番言いたかったのは・・・

 2010年代の初頭までテクノロジーの進化のご利益や情報革命を受けて、売上や利益を伸ばしたのは

 SPA(製造小売業)やファストファッションなどの「企業」側でした。

 今、そしてこれからテクノロジーの進化による情報伝達のスピードや利便性を享受するのは

 企業というより、スマホを手にした「お客様(消費者)」側にであるというパラダイムシフト(時代の変化)です。

 長年、企業を中心にマーケットを語って来た業界論にとって極めて大きな変化だと思うんですよね。

 名実ともに企業が主役の時代からお客様(消費者)が主役の時代に変わる。

 お客様がもつ情報量が格段に違うわけで
 
 そうすると店頭の仕事のしかたも大幅に変わって来ていますよねって話です。

 これって店頭に立つスタッフさんだけの話ではなく本部側の仕事のしかた改革も必要って話です。

 みなさんの会社、あるいはお客さんとして、よく行くファッションストアはお客様の情報のスピードに追いついていますでしょうか?

 そんな話を 図表やグラフを使ってわかりやすく説明しています。

 他にもいろいろなライターの方が書かれたファッション業界入門編の業界の構造を理解できる記事が盛りだくさんなので業界で働き始めた方自身やそういった方に教える立場の指導員の方にお勧めの特集号です。よろしければご一読を。

 関連エントリー‐世界アパレル専門店売上ランキング2016 トップ10
 
 執筆: ディマンドワークス代表 齊藤孝浩
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February 26, 2018

店頭起点からオンライン起点へ~ビジネスのカギはお客様と店頭の間、入店前のオンラインにあり

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 2月23日の日経新聞一面に外食チェーン大手の日本マクドナルドが顧客がスマホで事前注文、決済もでき、入店と同時に注文内容がキッチンに伝わり、顧客の待ち時間を短縮するしくみの導入に関する記事が掲載されていました。

 記事によれば、2018年に一部店舗で実験を始め、2019年以降、日本で展開する2900店舗全店へ拡大するとのこと。

 人手不足、店舗の生産性向上、混雑緩和、顧客も待ち時間が短縮される、時短・利便性向上のスマートショッピングの取り組みです。

 昨年の夏に英ロンドンにマーケット視察に行った時の話ですが、宿泊ホテルの近くのマクドナルドでは

 入口とカウンターの間にあるタッチパネルで注文する仕組み(クレジットカードで決済可)と同時に

 スマホアプリで事前注文して店舗で受け取るクリック&コレクトのしくみが併用され、すでに導入済みでした。

 ネットを検索したところ、アメリカでも昨年、同様のしくみの導入が進んだようですね。

 米コーヒーチェーンのスターバックスコーヒーでも、アメリカで2015年から始まった「モバイルオーダー&ペイ」というアプリを使った事前注文&店頭ピックアップが買上全体の10%を超えたというニュースを読みました。日本でも導入が待たれますね。

 ファッション流通に目を移しても、日本の都心部のショッピングの近未来とも言えるロンドンでは・・・

 外食チェーンだけではなく百貨店や専門店でもクリック&コレクト(オンライン注文の店舗受け取り)は標準装備

関連エントリーロンドン視察から 日本でのクリック&コレクトの普及を考える

 「クリック&コレクト」(オンライン注文の店舗受け取り)と合わせて

 「スキャン&バイ」(店舗で気になった商品をスマホアプリでバーコードをスキャンして商品詳細情報を得たり、そのままオンラインで注文したり、在庫のある近隣店舗を表示する)

 に取り組むチェーンも増えているようです。

 日本では売上歩合家賃で儲けている商業施設とテナント(ブランドやストア)の利害が障害になって顧客の利便性、スマートショッピングは遅れがちです。

 力のあるユニクロ、ZARA、H&Mなどの大型チェーンではアプリを介してクリック&コレクトもスキャン&バイ(日本のH&Mではスキャン&ゲットと呼んでいます)とも導入済みのところも増えて来ましたがね。

 これまで小売業は「店頭起点」という言葉で業務改革を行って来ましたが、

 いまや、スマホでの情報収集から始まるお買いものは・・・お客様と店頭の間のオンラインで始まる時代です。

 ビジネスのカギは・・・店頭を越えてお客様と店頭の間、入店前の「オンライン起点」にどう業務の焦点と軸足を移せるか?がポイントになりそうですね。

 執筆: ディマンドワークス代表 齊藤孝浩
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February 19, 2018

ZOZOTOWN(ゾゾ)が米STITCH FIX の日本版「おまかせ定期便」のサービスをスタート ~パーソナルスタイルサブスクリプションサービスの課題と未来

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 ZOZOTOWNが2月15日から 米STITCH FIX(スティッチフィックス)の日本版と言える サブスクリプション型のオンラインパーソナルスタイリングサービスである「おまかせ定期便」のサービスをスタートしましたね。

これは顧客の性別、年齢、身長、体重、テイスト、好みに関するアンケート、良く買うブランド、主要サイズ(肩幅、バスト、ウエスト上下、ヒップ、股下)などを入力することで、スタイリストが選んだ5-10点の商品が1ヵ月、2ヵ月、3か月の頻度で送られてくるもので、気に入らない商品は無料で返品できるというオンラインパーソナルスタイリングサービスです。

スタートゥデイ社のプレスリリースでは

 服を選ぶのが面倒 ゆっくり服を選ぶ時間がない、似合う服がわからない などのお悩みが解消され、
 多くの方々にファッションをお楽しみいただける
 自分専属のスタイリストを持つような新しい体験

というようなフレーズで告知しています。

 ZOZOに関連する過去のブログエントリー 
 いよいよ年内発売開始、ZOZOTOWNのプライベートブランド(PB)の概要が徐々に明らかに

 でも触れましたが、ZOZOが、コーディネートが得意な販売員を大量募集していたので・・・米STITCH FIXの日本版を始めるのではないかと思っていましたが、早々に始めて来ましたね

 これは顧客の身体ヌードサイズを正確に計測するZOZOSUITを既存ビジネスに活かす手段のひとつだと思いますので、とても興味深いです。

 ご存じのない方に、米STITCH FIX(SF社)を簡単にご紹介すると 

 2011年に日系アメリカ人であるカトリーナ・レイク氏によって立ち上げられたサブスクリプション(定期購入)型のパーソナルスタイリストサービスで、

 多くのアンケート項目に基づき、コーディネートされたアウター、トップス、ボトムス、雑貨 計5点が定期的に送られてくるもので、気に入ったモノだけを購入し、要らないものは返品できるというサービスです。全部返品すると$20のスタイリング料がチャージされる、すべて購入すると25%OFFになります。

 AIがアンケートや購入後のコメントに基づき同社の在庫から5点以上のトータルコーディネートできるアイテムを選定し、人間のスタイリストがそれに補正を加えるという、「AIと人間のコラボ」というところに未来を感じ、非常に興味を持っていたビジネスモデルでした。

 当初はアナログに近いオペレーションでスタートした同社も、AIに明るい共同経営者や投資家が加わり、急成長、現在 全国220万人の顧客、75人のデータサイエンティスト、3400人のスタイリストを抱え、年商1100億円を上げ、2017年11月にナスダクに上場した世界のファッションテック業界の注目株です。

 Stitch Fix

 アメリカではたくさんの奇抜なアイデアを持ったベンチャー企業が生まれ、メディアが過剰に騒ぎすぎるきらいがありますが・・・

 正直、まだ規模が大きくないものをどう評価するべきかわからないものも、たくさんあります。

 その中で、1000億円規模になった同社は立派なビジネスとして評価するに値します。

 SF社のサービスを知っていただければわかるように、ZOZOのおまかせ定期便サービスは その日本版と言ってもよいでしょう。

 AmazonFashionより先に始めたのは流石、前澤さんのフットワークです。 

 そして、ZOZOSUITが実際に配られれば更にその精度が高まりますね。

 ただ、このサービスの課題として想定しなければならないのは、ネットを検索していると、この素敵に見えるSF社のサービスの課題を指摘する顧客購買行動に関するデータがあることです。 

 それによると、定期購入者の客単価(一回あたりの購買額)が、回数が進むにつれて下がるという傾向が指摘されていることです。ですから、いかに新規顧客をたくさん獲得するかが成長のカギだと。

 これは筆者の推測ですが、当初、思いがけない商品パッケージが来てワクワクするのに対し、

 その後、顧客の好みを聴けば聞くほど(AI、アルゴリズムの精度が高ければ高いほど)・・・

 新鮮味がなくなり、飽きてくるという心理が働くからかも知れません。

 このあたり、過去データをベースにするAIの限界かも知れませんので、ここにちょっとしたサプライズを演出できるかどうかが今後の成功のカギなんでしょうね。

 筆者もリアル店舗で接客を受ける時、せっかく店舗スタッフさんが自分に似合いそうな色や柄を提案してもらっても、結局は100枚持ってそうなアイテムの色、柄を選んでしまいがちな自分がいます。

 でも、自分じゃ選ばないなというアイテムや柄や色を紹介してくれるからこそ、ちょっとワクワクするのかも知れませんよね。

 もし、自分の好みだけで選んでいたら、コンサバから抜け出せないし・・・

 今は筆者のトレードマークのひとつになっているポケットチーフを入れ始めることもしなかっただろうし、黒を着ることもなかったかも知れないし・・・そこそこの金額を購入しているスキンケア系だってあるコスメ店の店頭でのインプットが無ければしなかったかも知れません。

 そのような新しい提案はリアルの人間にしかできないことではないでしょう。

 顧客の好みに合わせ続けるだけではなく、ダメだしされようが、半歩先あるいはちょっとしたチャレンジにつながる サプライズを提案してくれたら 飽きることなく、もっとファッションを楽しめるのかも知れませんね。 

 AIがそこまで進化してくれたら大したものです。どんな未来情報を加味するかだと思いますが、そんな未来に期待しましょう♪

 執筆: ディマンドワークス代表 齊藤孝浩
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February 05, 2018

プラットフォーマーをめざす専門店のEC戦略

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 1月31日の日経新聞にアースミュージック&エコロジーなどを展開するストライプインターナショナルがソフトバンクと共同出資で他社ブランドも販売するECモール「ストライプデパートメント」を立ち上げる記事が掲載されていました。

 記事によれば同ECモールには、百貨店を主力に展開する大手アパレル 三陽商会 レナウンなどを含む企業からの出品が決まっているようで、参加ブランドは数百ブランドにのぼる見込みとのこと。 

 ストライプ社にはZOZOTOWNのライバルになるというよりは・・・より大人(30代後半以上)のマーケットを狙って棲み分けを図る意図があるようです。

 一方 ヨーロッパに目を向けると・・・

 デジタル戦略に遅れをとり 2017年11月期 近年にない微増収減益の決算に終わったH&Mが 

 H&Mグループのブランドとスウェーデンのローカルブランドやインターナショナルブランドの商品をディスカウントプライスで実店舗とオンラインの両方で販売するオフプライスストア型のマーケットプレイス業態 AFOUND(アファウンド)を立ち上げるようです。 

 AFOUND – AN INNOVATIVE OFF-PRICE MARKETPLACE – LAUNCHES IN 2018

 こちらは、定価販売のECモールではなく、在庫消化目的のアウトレットであり、ブランドのディスカウントを切り口に別のマーケットの需要を取り込もうというものです。

 もしかしたら、イギリスで拡大中のアメリカのオフプライスストアの巨人、T.J.maxxグループのT.K Maxxへの対抗措置でしょうか。

 T.K Maxx


 これまで、EC戦略、オムニチャネル戦略と言えば、ECモールへの出店から始まり、自社ECを強化して実店舗との相乗効果を図る流れが主流でしたが・・・

 いよいよ中長期戦略を採る大手ファッション専門店の中から、

 独自で構築した店舗、物流、ITのインフラを活かして、自らが自社ブランドだけではなく他社ブランドも販売する AmazonやZOZOのようなECモールやマーケットプレイスづくりを目論む、いわゆる「プラットフォーマー」志向の企業が現れ始めましたね。

 今後このような動きはAmazonやローカルの競合ECモールに対抗して、世界各国で大手企業を中心に活発になってくるように思います。

 海外の先行事例としては、イギリスのNEXT(ネクスト)が挙げられます。

 同社は世界アパレル専門店ランキング第9位(イギリスでは2位) 日本円で5800億円規模(2017年1月期)の年商の、柳井さんがユニクロを立ち上げる時のモデルのひとつでもあったイギリスの老舗SPAですが・・・

 世界アパレル専門店売上ランキング2016 トップ10

 早く(1999年)からECに取り組み、現在ではEC売上高比率42%を誇り、EC売上のうち12%は同社と競合しない著名インターナショナルブランド含む約100ブランドを販売しています。

 NEXTと一緒に注文して、宅配はもちろん、店舗で受け取る(=クリック&コレクト)ことも可能なインフラを整えています。

 NEXT社は英国内500店舗超の店舗網、独自の物流網を活かして、

 深夜12時までに注文した商品を翌日の昼の12時以降に顧客が指定する店舗で受け取る

 「クリック&コレクト」網を敷いているオムニチャネル戦略の先進企業で、

 筆者はイギリス同様、成熟マーケットとなった日本のチェーン店がベンチマークすべき事例のひとつだと思っています。

 日本の最大手である ユニクロはEC売上を行く末は売上比率30%まで高めるため、アクセルを踏み、

 国内2位のしまむらはこれからのようですが、

 目先の自社ECの強化やECモールへの出店の取り組みもよいですが・・・

 いっそのこと、NEXTのように、その先を見越して、プラットフォーム事業者を兼ねることを視野に入れて、未来からの逆算方式で中長期戦略を組まれるべきなんでしょうね。 

 ユニクロやしまむらのような店舗網 物流網を持った企業は日本国内でもそうないと思いますので、

 そのアドバンテージは活かすべきでしょう。 

 先日、楽天がウォルマート(西友)と組みましたが、

 しまむらともクリック&コレクトで組んだら楽天ポイント大好きな主婦層との相乗効果抜群で、とても相性がよいと思うのですが、いかがでしょうかね?

 執筆: ディマンドワークス代表 齊藤孝浩
 ※ただ今、ファッション流通企業の経営者の方、事業スタートアップ準備中の方のための「ビジョナリーコーチング」キャンペーン実施中。 質問に答えて行くだけで頭の中がスッキリ整理されるコーチング手法で事業の経営課題や方向性の整理のお手伝いをさせていただきます。 詳しくは>>>こちらから
 
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