June 07, 2009

U29(アンダー29)のファッション消費購買行動

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 6月6日の日経新聞に、愛着をもって着古した服を捨てずに、フリーマーケットやヤフオクなどで交換するU29(アンダー29;29歳以下)世代の消費購買行動に関する記事が掲載されていました。

 そんな同世代の古着を交換して楽しむ特徴を、リアルのイベント化したのが、記事でも紹介されている

 xChange

 で、私も最近気になるファッションイベントのひとつとして注目しています。

 ブログで話題にするストリートスナップに登場する子たちも、このU29世代にあたり、彼女ら、彼らは、1点くらいは話題のブランド、アイテムを取り入れながらも、ユニクロ、アメリカンアパレルのようなベーシックから、国内外のファストファッション、欧米古着、もらいものまでをパーツとして上手に組み合わせ、できるだけ安く、しかしながら、おしゃれで素敵なファッションを楽しむ「チープシックな」購買行動をする典型的な世代と言えます。

 H&Mやフォーエバー21の店頭をご覧になった業界のベテランの方々が、こんなビジネス(特に品質)いつまで通用するかな?なんてことをよく言われますが、その際、今、ユニクロやファストファッションや古着を積極的に取り入れる世代が30、40歳になった時、また、ファッションマーケットをリードしているその世代の消費購買行動が年齢の上と下の他の世代にどんな影響を与えるかを話題にすることがよくあります。

 U29世代は、年をとっても、今35歳以上の世代と同じ行動をするとは思えない。やはり自分たちの価値観で安くていいものは積極的に取り入れるだろうし、むしろ、今35歳以上の世代が、U29世代の賢い行動に影響を受け、古着はわかりませんが、徐々にファストファッションに理解を示し、うまく取り入れ、自身のファッションに工夫をするようになる方が現実的な気がしてなりません。

 ファストファッションの浸透、欧米マーケットの古着の取り入れ方、国内の古着リサイクル流通の進化・・・マーケットのパラダイムが大きく動いている今、価格、品質ももちろん大切ですが、より生活者の行動パターンを理解しながらビジネスを組み立て直す必要性を感じます。
  
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January 04, 2009

2009年ファッションビジネスの視点

 1月3日の日経新聞によると、今年の初売りは、百貨店が来店客数増も売上前年割れ、GMSが前年並、イトーヨーカ堂グループが業態転換したザ・プライスのようなネオ・ディスカウント業態は転換前と比べると大幅増(倍とか)という結果だったようですが・・・昨年のブログエントリーの中から、今年のビジネスキーワードになりそうな記事を用いながら、今年のファッションビジネス、マーケットについての視点をいくつか考えてみたいと思います。

1.良品廉価?

 1月1日の日本繊維新聞には、業界主要各社へのアンケート結果をまとめて、「良品廉価」というキーワードを出されていました。生活者が良品廉価を、よりあたりまえに享受できるマーケットになることはとてもよいことですが、業界各社が横並びで、それだけを目指して仕事をしていたらユニクロの後追いに過ぎず、いつになっても追いつけないのではないかなぁ、と思わざるを得ません。

 なんか、バイヤーが商談の席で、メーカーの営業マンに「いいか、品質落とさず、安いの持ってこいよ!」なんて言ってる姿だけが目に浮かんでしまいますね(笑)。

 安易な低価格戦略はユニクロの思う壺(つぼ)?

 ある急成長中勝ち組企業では、商品企画をするあたって、必ず、商品ひとつひとつについて、お客さんにとってのメリットが「3つ以上」あるかどうかを社内で議論し、それをクリアしたものだけを商品化しているそうです。

 こちらはとても共感できる話ですね。

 いまや、生活者にとっては、①低価格で②品質がよい、のは当たり前の時代で、3つめの何かがないと厳しいと思います。ユニクロもH&Mもその他の常勝ファッション企業もすでに顧客の視点で見た3つ以上のメリットを持っていると思いませんか? 
 
2.ファストファッションマーケットの拡大

 あらてめて、ファストファッションとは・・・低価格ながら、価格以上の価値をデザイン性とスピードで提供する企業

 そんな生活者の新しいファッションポートフォリオ(使い分け)にハマる企業のシェアはH&MやZARAのような外資系や、ポイントのローリーズファーム、ジーナシスなどの国内ファッションSPAの拡大、浸透で一般的に定着しそうです。この場合は、デザインとスピードを優先させたので、品質はBESTではなくとも、1シーズン着れれば十分のENOUGHでしょう。是非是非、「価格をデザインする」企業の努力にご注目ください。

 次に来る流通革命
 価格をデザインせよ

3.店舗演出、エンターテインメント性への投資が進むか?

 09年秋に銀座にアバクロが1号店をオープンしますが、アバクロ日本上陸の本質は、単なるアメリカ人気ブランドの上陸ではなく、同ブランドが、日本のファッションストアに対して、もっと感動や共感を呼ぶ店舗演出やエンターテイメント性向上に革新的な刺激を与えてくれることと期待しています。

 すでにそんなチャレンジを始めている企業もありますね。

 絶好調、アズール・バイ・マウジーのチャレンジ

4.どこまで等身大MDに迫れるか?
 
 顧客の支持を得るためには、まず、ターゲット顧客と同じ目線、生活観、共感から始まり、半歩先回りした提案が必須なのは誰もがわかっているはずですが、今後も、その実践、徹底、スピードが優勝劣敗を決めることは間違いなさそうです。

 自己実現の欲求時代のファッションビジネス 
 サプライチェーンからディマンドチェーンへ

5.もっとストリートファッション

 東京ストリートは365日繰り広げられているリアルなランウェイ、世界のファッションビジネスに携わるクリエーター、バイヤーも注目しています。そんな情報源の身近にいるのですから、もっともっと肌で感じて、インスピレーションを得ない手はありませんよね。
 自らも定点観測をしながら、広がりつつあるストリートスナップ(ストスナ)からも目が離せませんね。

 東京のストリートファッションを世界へ

6.リアルとネットの使い分け

 賢い生活者の購買行動を手助けした企業がネットの覇者になると確信しています。

 リアル店舗とウェブストア(ECサイト)の使い分け
 住友商事ネットスーパー事業参入の先見性

7.鮮度高まるアウトレットモール

 昨年で出店は一段落ついた感はありますが、今年は近郊型アウトレットモールやさらに広がるインターネット上のアウトレットがより生活者のお買いものの選択肢として定着しそうです。

 三井アウトレットパーク入間開業、変わるアウトレットモールの位置づけ
 インターネット上のアウトレット販売が拡大中

8.ファッション商品のリサイクル

 ファッション消費の出口、そして、新しい買い回りの選択肢として、ファッションリサイクルマーケットがどこまで拡大するか、とても興味深いところです。

中古ファッションマーケットの潜在性
来年はファッションのリサイクルビジネスがどこまで広がるだろうか?


 ざっとそんな感じで、ほかにもいろいろあるかと思いますが、今年も大きくパラダイムが転換する日本のファッションマーケット、生活者を取り巻く環境、事例をウォッチして行きたいと思いますので、よろしくお願いいたします!

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December 30, 2008

来年はファッションのリサイクルビジネスがどこまで広がるだろうか?

 先週の12月26日の日経新聞、「消費の現場」というコーナーの、「H&M、古着店に早くも登場」という見出しに目が止まり、興味をもって記事を読み始めました。

 記事によると、トレジャーファクトリースタイルというリサイクルショップチェーン(マザーズ上場)の高円寺店では、9月に銀座、11月に原宿にオープンしたばかりのH&Mの商品が、新品同様の状態で、すでに月に4-5件持ち込まれており、同チェーンの他店でも同じように持ち込みが増えている模様。各店で買取の後、すぐさまプロパー価格の半値程度で販売される商品の店頭での動きはよい、とのことです。

 今年、H&Mの上陸が引き金となって始まったファストファッションブームは、今後、アパレルマーケットの金額ベースの市場規模の縮小にますます拍車をかけることになると思いますが、単価は下がるその一方で、点数ベースでは減るとは思えません。むしろ購買頻度や枚数は増えるのではないかと・・・。

 そうすると、生活者のタンス、クローゼットの中は必然的に回転率を上げざるを得ないわけで、押し出されるべき旧商品の行き場が悩みの種になるのは、時間の問題でしょう。(すでに困っている方も多いと思いますが・・・)

 不用になった服は、売る、あげる、捨てる・・・まだまだ、その処理方法は一般的に定まっていないと思いますが、これから我々はどんな選択、行動をとって行けばよいのでしょうかね。

 最近では、ユニクロ、紳士服チェーン各社、イトーヨーカ堂などが、企業の社会的責任のエコ対策も相まって、不要古着の店頭回収や下取りセールなど、ファッション商品の「出口対策」を考える企業も現れ始めたようです。

 とは言え、常時やっているわけではないので、私たちの必要に応じた、オンデマンド的な「インフラ」としてはあまり当てにできそうにありません。
 
 そんなことを考えていた時、ちょうど同日(26日)の繊研新聞に、アパレルリサイクルショップの全国チェーン、キングファミリーの記事が掲載されていました。

 同社の黒川社長のインタビュー記事によると、

 ○日本の古着リサイクル率9%はアメリカの33%に比べ、まだまだ低い。
 ○同社は、基本持ち込まれた商品は、全品買い取り、買い取った商品の3割は店頭販売、1割は古繊維(ウエス)として加工販売、残り6割は東南アジアなど海外に輸出している
 ○日本の古着は質がよく、海外でも評判がよい。原産国が古着として日本から逆輸入?するケースも
 ○同社の事業の目標は「古着市場を新品と同等のファッションの選択肢にすること」

 とのことです。

 以前、ファッションのリサイクルショップでチェーン展開している業態を簡単にリサーチしたことがありますが、やはり、彼らも新品マーケットの階層に順じて存在しているようで、現段階では、だいたい次のような感じにセグメント(分類)されるのではないかと思います。中には、欧米古着やメーカーのクローズアウト商品もミックスして販売しているお店もあるようです。

取扱マーケット代表的なリサイクル業態備考
①ラグジュアリーブランドコメ兵、ブランドオフなど目利きの世界?
②ハイエンド・デザイナーブランドラグタグなどブランド指定あり
③トレンドカジュアルブランド中心セカンドストリート(*1)、トレジャーファクトリースタイルなど買取に制約あり
④ヴォリューム対応キングファミリー、ビースタイル(*2)、ビースポーツ(*3)など基本的に全品買い取りまたは引き取り

(*1)はゲオ傘下のフォーユーが運営
(*2、3)は、ともにブックオフグループ

 今後、日本のファッションのリサイクル率を高めて行くためには、将来的な3番目と4番目の業態の拡大と地域インフラ化に期待したいところですね。

 3番目の業態でのキーポイントとしては、

・買取の際の「ブランド」の線引き、買取基準をいかにわかりやすくできるかということと、
・ここでだったら古着だったとしても買ってもいいかな、と買い手のファッション感性を多少くすぐる内装とスタッフの対応

 ではないでしょうか。そのあたりが整備されれば、賢いファッション購買の選択肢のひとつに入って来る可能性も大。

 一方、4番目の業態は、

 (キングファミリーの査定基準のように)
・とにかく来るもの拒まず、制約がなく、持ち込んだ商品は、必ず何らかの値段が付き、手ぶらで帰れる安心感
・ローコストオペレーションの徹底
・繊維再生、海外輸出手段も持っていること

がキーではないかと思います。

 ご興味あれば、お近くにいずれかの店舗がないか探してみてください。↓↓↓

 セカンドストリート
 トレジャーファクトリースタイル
 キングファミリー
 ビースタイル
 ビースポーツ

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関連エントリー‐中古ファッションマーケットの潜在性

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October 17, 2008

次に来る流通革命

 前回も取り上げた今週の週刊ダイヤモンドの特集記事の最後の部分にある「小売り業界50年史」年表を眺めていて思ったこと。

 業界は、戦後のチェーンストア理論に始まり、さまざまな流通革命をもって、段階的に日本の生活者を豊かにして来たと思います。

 「品揃え革命」を起こした百貨店

 「価格革命」を起こしたダイエーほかGMS
 
 「品質革命」を起こしたユニクロに、「機能革命」を起こした無印良品

 革命後の勝ち組企業は、当然、それらを備えていることがスタンダード(あたりまえ)になります。

 さて、次に来る流通革命は?

 ずばり「デザイン革命」なんでしょうね。

 安くてもデザインがいい、安くてもファッション性が高い。

 それは、2つのスウェーデン企業、2006年のIKEA、2008年のH&Mの日本進出で口火が切られ、すでに始まっていると思います。

 日本で、これら外資を越える「デザイン革命」の担い手は、現れるのでしょうか。

 これが業界最大関心事のひとつであると言っても過言ではありません。

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関連エントリー-スウェーデン企業の国際性

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September 14, 2008

エバンジェリストの役割

 9月12日の記事になりますが、日経新聞の1面下のコラム、「春秋」に、ここのところIT企業や製造業の社内で広がりつつある、「エバンジェリスト」という肩書についてのお話が掲載されていました。

 「エバンジェリスト」とは、もともと、キリスト教の「伝道師」を意味しますが、最近では、特に技術を売り物にする企業において、新技術や設計手法といった今後の企業の成長のキーとなりうる社内のナレッジを、社外や社内に広める役目の人にこの肩書が使われているそうです。

 単に技術のことが「わかっている」だけではなく、「わかりやすく伝える」力がなくては務まらない役目であり、日本IBMでは、コミュニケーション能力の高い、最上級の技術者のみが名乗れる名誉な肩書きだそうです。

 このエバンジェリスト(伝道師)のようなお仕事、技術系の企業に限らず、ファッション企業しかり、企業が未来に向けて「継続的」な成長をしてゆく上で、とても大切で素敵な役割だと思いました。

 企業は、これまで、従業員に会社の評価制度の中で成果を上げることを第一に求めて来ました。右肩上がりに時代はそれだけでもよかったかもしれません。

 しかし、縮小均衡に入った今、これからは、成果そのものも大事ですが、成果を上げた個人や一部の人たちに帰属するナレッジ(知識・経験)をいかに「わかりやすく」社内に知らしめ、共有することによって、人を育て、相乗効果を上げるかを促進すべきで、成長過程でいかにそれを担える人財を増やせるかが企業成長のキーになると思っています。

 その過程においては、今回ご紹介したエバンジェリストのような役割、制度が社内で活躍することになるのではと期待しています。

 そして、それは、教育研修担当者とかの仕事ではなく、一線で活躍する実務経験者のもうひとつの昇進の姿であったりしたら、日本の未来も明るいのではないかと思ったものです。

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関連エントリー-CLO(チーフラーニングオフィサー)というお仕事

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June 12, 2008

リアル店舗とウェブストア(ECサイト)の使い分け

 6月11日の日本繊維新聞に首都圏の主要ファッションビルが運営するネット通販に関する記事が掲載されていました。

 主なデータを以下にまとめてみました。

ルミネ「アイルミネ」
 08年スタート、現在37店舗出店、3000アイテム展開(ルミネが買取)
 PC:ケイタイ利用比率=8.5:1.5
 1万5000PV/日
 ゴールデンタイム 21:00-24:00
 初年度売上目標10億円
 
パルコ「パルコシティ」
 07年スタート、現在61店舗出店
 PC:ケイタイ利用比率=8:2
 16-17万PV/日
 ゴールデンタイム 20:00-25:00
 初年度の3倍の売上を計画

109「SHIBUYA 109 NET SHOP」
 04年スタート、現在60店舗出店
 メンズ06年スタート20店舗
 PC:ケイタイ利用比率=6.5:3.5
 ゴールデンタイム 21:00-25:00
 売上に関するデータなし

 各社とも目先はリアル店舗と同じ品揃え、サービスを提供することを目指しており、将来的にはリアルにないものも取り扱いたい、としています。

 この記事の中で、注目する内容としては、顧客が「リアル店舗とECサイトを上手に使い分ける購買行動」をしているという事実です。(以前もECに詳しい方から同様のお話を聞いています)

 企業側からすれば、ECサイトを開設することは、
 
 ・ウェブストアという店舗(販売機会)が増え、売上が拡大する。
 ・リアル店舗未出店エリア以外の顧客からの売上が期待できる。
 
 というのが初期の目論みだと思いますが、

 ・店舗で見てECサイトで買う。
 ・ECサイトで商品を認知して、リアル店舗に出向き、現物を確認して買う。

 という顧客の購買行動こそ、顧客視点のECサイトの使い方なんでしょうね。

 つまり、

 ・店頭で迷ったけど、家に帰ったらやっぱり欲しくなった
 ・店頭で自分のサイズがなく、客注(取り寄せ)対応してもらわなかった、あるいはもらえなかった
 ・気に入ったけど、持って帰るのが面倒だった
 などなど
 
 そんな顧客の購買心理・行動を先読みしたら企業側にとってもECサイトの活用のしかたはいろいろあるんだろうな、と。

 たとえば、リアル店舗全店で一定の販売期間が過ぎて、各店でカラー・サイズ欠品を起こし始めたような商品を、ディストリビューション機能がしっかりしている会社であれば、集約店舗やアウトレットに集めるのもいいと思いますが、ウェブストアに集めるというのも手でしょうね。そうすれば、ウェブストアを客注対応の場としても活用できるわけです。

 ロングテールという言葉を使うまでもなく、顧客の期待に応えながら、消化も促進するのではないかな、と思います。

 顧客満足に応えるECサイトの活用法、いろいろ考えてみたいですね。  

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関連エントリー-ファッションリテイラーのネット通販比率

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March 02, 2008

ファッションストアの標準化と差別化に関する一考察

 先日、アメリカから来日中の業界の同世代の起業家である知人と話をしていて、日本のファッションチェーンストアは日本全国どこの店にいっても同じ顔をしていてつまらない、とこぼされ、多店舗化するにしても、もう少し、店舗によって、違った顔、生活者にとって新鮮な出会いを演出できないものだろうか、との議論になりました。

 アメリカのチェーンストア理論をベースとした日本のチェーンストアは、多店化するにあたり、どこにいっても同じ店構え、商品、サービスを提供するいわゆる「標準化」による効率経営をモットーとします。

 上記の議論は、チェーンストア経営からすると、一店舗一店舗違う店づくりという、非効率経営?セオリーから相反する話になりますが、オーバーストア時代に、生活者の目線で見れば、どうしたらそれがそれに近いことが実現できるのかを考える必要のある時期なのかもしれないと思うことがあります。

 ところで、アメリカは、現在エコ、ナチュラルブーム真っただ中、直近の米最大級のファッション展示会、MAGIC、プールショー、プロジェクトなどもそれらのテーマでもちきりだったそうです。

 そんなグリーン、エコ、ナチュラルライフスタイルテイストの個性の強い絶好調店舗の一つにアーバンアウトフィッターズグループのアンソロポロジーがあります。

 私も、マーケットリサーチにアメリカに通い詰めていたころは、アンソロポロジーは、定点観測場所のひとつだったもので、大好きな業態のひとつであります。

 Anthropologieホームページ

 既出の彼は、要は、アンソロポロジーや同社の基幹業態のアーバンアウトフィッターズしかり、アメリカの成長中の株式公開企業であっても、店舗によって見た目の違う世界観を楽しめるチェーンオペレーションを行っているわけで、今後は、日本のファッションリテイラーもその手法をベンチマークすべきではないかということを言わんとしていたわけです。

 話の中で、アンソロポロジーが、独特の店舗の世界観を表現するために陳列しているキーアイテムであるアンティーク家具や観葉植物にプライスタグを付け、実際に販売もしているという話におよびました。

 なるほど、話していて思いついたのは、

 店舗内装の一部であるアンティーク家具を販売するということは

 ○初期投資としての内装費を商品在庫として考えられる・・・

 ○売れて新しいものと入れ替える頻度が高まれば自然と内装の鮮度も保つことができる・・・

 ○同様に店舗世界観の一部である家具を店間移動するだけでも頻繁に改装をするのと同じ効果があるのだろうか・・・

 販売する服の商品回転を高め、店頭の鮮度で勝負を競うアパレルファッション業界ですが、もし、固定設備、償却対象とされてきた内装である家具、什器も回転していったらどんなことが起こるのだろうか・・・

 洋服屋さんと家具屋さんの二つの発想が合体した時、業界にまた新しい発想が生まれるのではないか、と思いを巡らせたものです。

 そういえば、最近、家具会社を傘下に収めたセレクトショップがありましたっけ。

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関連エントリー‐明日の業態開発と店舗内装

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February 03, 2008

ファッション企業がロシアに注目

 2月2日の繊研新聞に、アメリカの手の届くラグジュアリーバッグブランド「コーチ」が、今年ロシアに進出し、5年間でモスクワとサンクトベテルブルクを中心に15店舗を出店することに関する記事が掲載されていました。

 また、ちょうど先ごろ発表されたH&Mの07年11月期決算発表の中にも同社が2009年にロシア、モスクワに1号店を出店し、その後、その周辺で店舗を拡大することを発表しています。

 以前ブログに取り上げたユニクロのモスクワ進出は、柳井会長の「早めに出たい」、という発言を日経記者が早合点して具体的な計画のように報道してしまったことがその後明らかになりましたが、いずれにしても、世界のファッション企業は、BRIC’Sの一角であるロシア市場に熱い視線を向けているようです。

 ロシアには、天然ガスを中心とする豊富な資源で潤った富裕層が着実に台頭してきているようで(この点は、中東と同じで、経済バブルとは違い、底堅いのではと思われます)、国内供給が追い付いていない、わざわざ海外のラグジュアリーマーケットで買いまわっている層が目立ってきていることを各社が察知しての動きのようです。

 今、海外観光旅行者需要が高まる日本のファッションマーケットですが、世界のビジネス拡大、同期化のスピードが年々高まっている昨今、企業は潜在マーケットを察知すれば、旅行者の現地への出店も加速させることでしょう。そうすると、日本も今の海外観光客景気に、ずっと浮ついているわけにもいきませんね。

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関連エントリー-ブランドビジネスの常識を覆す、コーチ
関連エントリー-ユニクロがモスクワ進出!?

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January 30, 2008

インターネット上のアウトレット販売が拡大中

 1月30日の日経新聞に、人気衣料品ブランドの在庫処分品を扱うインターネット通販の利用者が増えていることに関する記事が掲載されていました。

 紹介されていたのは、

 マガシークのアウトレットピーク 
 ゼイヴェルのアウトレットウォーカー(ケイタイサイトのみ)
 ニッセンのブランデリ
 など

 具体的な金額は掲載されていませんが、それぞれ前年比6-7割増くらいのペースで推移しているとのことです。

 ブランド衣料のアウトレットと言えば今のところ郊外立地がほとんどで、生活者にとっては、出かけていっても必ずしも欲しいものがあるとは限らず、ネットであれば手軽(商品を触れないリスクはありますが)に購入ができる。百貨店、専門店などの店頭販売が低迷している昨今、アパレル、ブランドの利害とも一致して、在庫処分を上記のようなサイトに依頼するケースが増えているとのことです。

 ブランドが自社サイトでアウトレット販売するケースもありますが、当事者ではない企業や異業種によるポータルサイトなどの立ち上げも目立っているようです。 実際は、その方が、割り切って処分できていいかもしれませんね。

 ファッション性が高い気に入った服が値下で安く買えるのは、1月と7月のセール時のみという常識は着実に崩れつつありますが、こんな流れも、賢く買いまわる生活者をますます育んでいくひとつの販路になりそうです。

 アメリカでは、百貨店で販売されている著名ブランド品(新品・新古品)を常時OFFセールしている「オフプライスストア」が、リアル店舗として、アウトレットモールとは別にファッション流通の1業態として確立していますが(2兆円規模のマーケット)、日本においても業界に対する百貨店の影響力が小さくなると、そんな業態が出現する日もそう遠くはないのかもしれませんね。

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関連エントリー-日本にはないクローズアウトマーケットとは

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January 21, 2008

外国人客取り込みが成長持続のカギ?

 先週は全国百貨店の年間売り上げが11年連続減少(7兆7052億円;前年比▲0.5%)という統計が発表されました。

 ファッション関連商品別には、

商品別          前年比   売上構成比
衣料品          ▲2.1%    37.6%
身の回り品        +0.5%    13.0%
(靴・服飾雑貨など) 
化粧品          +4.1%     4.6%

といった数字になります。 日経プレスリリース 関連資料 より

 ところで、百貨店売上全体が縮小する中、好調百貨店のひとつ、5年連続で初売りが前年を上回って記録を更新したという伊勢丹新宿本店に当日列を作ったという友人と話をしました。

 「いやぁ、あんなにアジアの人が多いと思わなかったよ・・・」

 1月21日の日経MJに、外国人集客を競う百貨店の記事が掲載されていました。

 記事によると、増える観光客に対応した免税コーナーサービスの向上はもちろん(三越銀座の昨年一年の免税カウンター利用者は前年比5割り増しとのこと)、中国版デビットカード、「銀聯(ぎんれん)」の導入、観光客向け割引サービスを行う百貨店もあるそうで、都心部では、いかにアジア観光客を取り込むかが今後の成長持続の大きなポイントになっているようです。

 そう、銀座や表参道に旗艦店出店ラッシュをするラグジュアリーブランドしかり、いまや日本人顧客の購買増を当てにして、というより、新興国観光客取り込みを目的とした投資が一般的のようです。

 そんなニュースを読んで、日本マーケットを憂うべきでしょうか?

 いやいや、日本も欧米主要都市並みに、国際的になったなあ、と喜び、これからも進むそんな傾向への対応を考えるべきなのでしょうね。

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関連エントリー-「ニッポン買イマス」 主役は新興国(BRICs)?

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