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September 30, 2005

アメリカンアパレルが投じる一石

 先週、アメリカの新興ベーシックカットソー(Tシャツなどジャージーアイテム)メーカー、アメリカンアパレルの1号店が代官山と渋谷の間にオープンしたので、仕事の合間に覗いて来ました。ベーシック素材・アイテムながら、レディース中心(70%)、メンズ、キッズ、ドッグを入れて60種類程度のアイテムと30色のカラーは華やかでした。

 同社は90年代の後半にロサンゼルスを本拠として設立された会社で、ヘインズ、アンビル、フルーツ・オブ・ザ・ルームなど大手の多い無地のプリントボディー用カットソーメーカーとしては、後発ではありますが、明確なポリシーをもって、世界最大のファッショントレードショーMAGICで鮮烈にデビューをしたのを覚えています。

 まず、多くのアメリカのアパレルメーカーが、海外の人件費の安い縫製工場で、彼らいわく「搾取構造」の中で作られているのに対し、アメリカ国内の自社工場100%=MADE IN USAにこだわっていること。当時、アジアのスウェットショップ(=強制労働工場)で生産をしていたということが発覚して不買運動を起こされた有名メーカーがいくつかありましたね。
 また、LAダウンタウンの縫製工場というと、アジア系、ヒスパニック系の不法入国者を低賃金で使っていて、安いが品質がいまひとつという印象、実態が多い中、全社員に対して、法定最低賃金の2倍の給料(時給12ドル以上)と福利厚生を施していることをアピールしていること。
 年間ベーシックアイテムではあるけれども、大手Tシャツメーカーよりレディースアイテムが充実しており、そのデザイン(カット)やフィットが斬新であること。
 そして、ちょっとエロチックだけどスタイリッシュなビジュアルカタログ。

 日本でも、MADE IN USAで、シルエットがいい、安い、ということで、数年前から定番商品の品揃えとして専門店筋に人気があり、今年、満を持しての日本進出というわけですね。

 無地でベーシックアイテムなので、ぱっと見、あまりインパクトはありませんが、業界的には、先にワールドがはじめたベーシックインナーアイテムのSHOP「ベース・ステーション」とあわせて、興味深い出店のタイミングだと思っています。

 なぜならば、日本でベーシックアイテムといえば、「ユニクロ」ですが、新聞紙上をにぎわしているユニクロのこれからの成長戦略はファッション性の追求。築き上げた「ベーシックアパレル」のポジショニングをリスクをかけて自ら崩してゆくのか?というのがもっぱらの業界のささやき。
 それに対して、ワールドやアメリカンアパレルがベーシックアイテムのコアのコアである、無地のインナー的アイテムで多店舗化を狙っている。そして、ピーチジョンやトリンプなどの活躍で、「魅せるインナー」の市民権も拡大が拡大し、インナーとアパレルの垣根も崩れ始めている昨今。この女性にとっても、男性にとっても、インナーアイテムの革新、再編、確立はマーケットの大きな流れを作ってゆくような気がしてなりません。
 
 アメリカンアパレルHP(日本語版)

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September 29, 2005

高島屋もICタグ導入

 本日の繊研新聞によると、三越本店、阪急梅田店に続いて、28日、百貨店の高島屋東京店、横浜店、新宿店の婦人靴売り場でもICタグを活用した在庫管理システムを稼動させたとのことです。同社は、来春には大阪、京都にも導入するようです。

 百貨店の靴売り場は、一般的に、靴問屋さんの縄張りになっていることは、以前もご説明しました。今回は、三越、阪急に関わったシンエイ以外に、オギツ、トークツ、モーダクレア、ハーモニープロダクツといった靴卸業界のトップ企業が軒並み参加しているので、百貨店の婦人靴売り場には、思ったより早くICタグが広まる可能性が伺えます。

 高島屋が導入した端末は、探している商品の在庫照会のほかに、類似商品の紹介があり、お客さん、スタッフのサイズ在庫確認のストレスの解消に加え、コミュニケーションツールとしての役割を果たしている模様です。

 昔、小売チェーン店のシューズバイヤーをしている時、私も、よく店頭に立って店舗スタッフと接客をした経験があります。
 私は、一般の靴小売店の販売員が、お客さんから、「この靴のこのサイズありますか?」と質問されると、倉庫に現物在庫を確認しにいって、「あります」とお持ちするか、「ありません」とお断りするといった紋切り型の対応に不満を持っていました。子供の遣いじゃないんだから・・・。
 
 そこで、当時、私たちは、面倒でも周辺サイズや似寄りデザインの在庫を数点お持ちして、ご紹介することを奨励しました。もちろん、商品を知らないとできません。そのための接客便利チャートも作りました。そうすると、お客さんとの話が弾み、結局、お客さんが当初お探しのモノがなかったにも関わらず、喜んで代替品をご購入頂いたケースが少なくなく、売上が二桁増になったのを覚えています。

 そんなこんなで、シューズやジーンズなどサイズの多い商品は放置しておくと、お客さんががっかりして、お帰りになるケース、企業側から見れば、多くの取りこぼしがあるものです。

 本来なら、こういった接客サービスは、ICタグがなくてもやるべき話ですが、もちろん、販売員にお声がけしづらいお客様、状況もあるかと思いますので、ICタグがそんな顧客ソリューションになれば、と期待します。

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September 27, 2005

セオリーの業態開発と出店政策

 昨日の日経MJ、ファーストリテイリングが資本参加しているリンク・セオリーHDが展開する「セオリー」に関する記事から。

 「セオリー」は、キャリア女性向けの百貨店ブランドですが、同社は、中高年向けに「セオリー・リュクス」という業態を開発しています。
 通常、アパレルは、顧客ターゲットが変わると、ショップ名、デザイン、価格帯が違うサブブランドを出店するものですが、同社の場合は、「セオリー」と全く同じ感覚、デザインの商品を中高年の体系にあわせて腰周りや二の腕にゆとりを持たせた商品を提供するという異色な業態展開をしています。

 中高年とは言え、若い感覚のファッションをお召しになりたい方も少なくありません。ところが、ヤングやキャリアブランドの若い顧客は、体にフィットするスタイルを好むめ、サイズが合わないブランドがほとんど、というお客さんのソリューションに応えるいい発想だと思います。
 また、サイズ表記も、キャリア向けの「セオリー」が0号~4号というアメリカサイズ表記に対して、「リュクス」は38号~42号という欧州表記にし、「セオリー」のいわゆる「大きいサイズ」でありながら、お客さんには、そういったコンプレックスを感じさせない配慮をしているところも憎いですね。

 さて、主業態である「セオリー」はこの秋に48店舗に達するようですが、ブランド価値を保つため、これ以上の出店はストップすると表明しています。今後の売上拡大は店舗数を増やさずに、増床や好立地への移転で成し遂げるとのこと。

 ところで、最近、業態の出店をある一定のところで止めるという話がよく業界で話題になります。どうしても、ビジネス拡大というと多店舗化に向かってしまいがちですが、それは陳腐化との闘いでもあります。どこで止めるか、という限界説は、ブランド、業態によって考え方が違いますが、セオリーは48店舗といいました。

 以前ブログでも紹介しましたが、セレクトショップ大手のユナイテッドアローズの主業態は24店舗といいます(現在すでに23店舗)。同社は、それがブランドの希少性を保ち、なおかつ顧客サービスが低下しないように、目が行き届く範囲がそこまでだと公言しています。
>>>ユナイテッドアローズ関連記事
 
 また、109でおなじみのセシルマクビーは既存店の伸びはいまだものすごいものがありますが、36店舗で出店に慎重でいます。
>>>セシルマクビー関連記事 

この12の倍数とブランド価値、何か相関関係がありそうな気がして・・・ただいま研究中デス。

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September 26, 2005

アバクロ日本出店を考える

 アバクロに関するトラックバックや検索リンクがとても多いので、今日は、ちょっと気になる関連の話題をひとつ。

 アバクロンビー&フィッチ社で、海外進出を推進したロバート・シンガー氏(当時COO)が8月末に退社してから、06年アバクロ日本進出に暗雲が立ち込めましたが、海外出店についての進め方、考え方についてCEOやその他の幹部との間に意見の違いがあったのでは、という報道があります。

 アバクロはもともとアメリカで、GAPと並ぶSPA(製造小売業)大手のリミテッド・ブランズ社の1事業でしたが、何年も前に、リミテッド社の出店戦略の考え方を記事で読んだことがあります。

 特にライバルのGAPと比較するとわかりやすいのですが、ひとつは、GAPが広告宣伝費に経費をかけるのに対し、リミテッド社は広告宣伝費に経費をかけるくらいなら、SCなどで、家賃が高くても好立地を選択する、ということ。不特定多数に対するマスメディアよりは、目だった場所に店舗を構えることこそが、最高の宣伝、という考え方です。実際、アメリカのSCに行くとSC内でも非常にいい場所に店舗を構えています。

 ふたつ目は、海外出店に対する考え方。GAPは、市場のあるところへは積極的に進出する、という拡大戦略。一方、リミテッド社は、アメリカで市場拡大が見込める以上は、伸ばせるところまでアメリカで伸ばし、国外には出店しない、という市場フォーカス戦略。

 アバクロは、もともとアバクロンビーさんとフィッチさんが19世紀に創業したアウトドアーショップを1980年代にリミテッド社が買収し、世界のSPAがお手本にした、といわれるリミテッド社の企画生産、販売検証、VMD・・・のチェーンストアオペレーションノウハウを得て標準化、多店舗出店を果たした企業です。リミテッドグループからスピンアウトした今でも、リミテッド社のDNAは多分に持っているはず。

 ご存知のように、プレミアムジーンズ&ビンテージブームも手伝って、アバクロの既存店売上高は、数ヶ月連続二桁増の快進撃。まだまだ、アメリカ国内で行ける、と踏んだら・・・海外出店のやり方で衝突があったことも考えられないでもないですね。

 いちファンとしては、日本進出を期待しますが・・・
 
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September 23, 2005

イトーヨーカ堂ファッション改革に中国アパレル起用

本日の日経MJ記事によると、イトーヨーカ堂(IY)葛西店では、同社(IY)が中国で展開している店舗にテナントとして入居している中国のアパレル「chaber」(レディース)「Tonywear」(メンズ)を今月14日から導入し、宣伝していないにもかかわらず、出足が好調とのことです。

イトーヨーカ堂は、中国で7店舗を展開し、その中に約400社の現地アパレルがインショップとして入居しており、この2つは、その中でも、売上で上位5位に入る実績のあるブランドとのこと。
店頭で告知しているわけではないので、お客さんは、中国アパレルの商品とは意識しておらず、接客中に知らされたとしても、抵抗はない、品質・センスとも申し分ない、との評判だそうです。

ファッションの改革というと、欧米のブランドを導入したり、日本の有名なデザイナー、クリエイターに任せるといったことに目が行きがちですが、これはうまい手を使ってきたな、と思いました。

香港や中国は、世界のファッション産地であり、欧米からブランド、デザイナーが生産依頼に来るわけで、それを受託する縫製工場にノウハウやセンスが蓄積されるケースも少なくありません。
歴史的には、1980年代、早くから香港でSPA(製造小売業)を立ち上げ、今もアジアを中心に業績を上げている、GIORDANO(ジョルダーノ) BOSSINI(ボッシーニ) といった企業も、元はと言えば、アメリカの大手小売店や有名ブランドのアパレル生産工場として、品質、センス、ノウハウを蓄積しながら、アジアマーケットにフィットしたブランドとして成長したといいます。

イトーヨーカ堂社には、中国アパレル大手の出店希望が殺到しているといいます。底力のある中国の、キラリと光る原石を日本の生活者に提案することも、話題性、商品ともに、お客さんを呼び、楽しませるいい改革になるのではないか、と思いました。


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September 22, 2005

どこまで許せる?ICタグの顧客サービス利用

 昨日の日経MJには、ICチップの利用例の特集が組まれておりました。最近の流通業界の実験&実践の代表例が網羅されており、ハイライトとしては、よい特集だったのではないか、と思います。

 ファッション業界の利用例としては、このブログでも何回か取り上げた、三越日本橋本店、阪急梅田店の婦人靴売り場の在庫照会のほかに、青山商事が展開する「ザ・スーツ・カンパニー(TSC)」の事例が取り上げられていました。
 同業態の上野店では、百種類の靴を端末にかざすと、その靴がどんなスーツスタイルに似合うか、画面で表示され、お客さんがスタイリングイメージを掴んだり、あわせてどんなスーツを買ったらいいかの提案が行われるというサービスで、10月にスタートするそうです。

 その他、ちょっと引っかかった事例として、プライバシーに関わるものがいくつかありました。
 一つ目は、日本橋の食品店で行われている事例で、あらかじめ自分の嗜好の情報が入ったICカードを持って入店すると、対話をせずとも、販売員がそのお客さんの好みに合わせて商品提案をするというもの。
 二つ目は、愛地球博の入場券にICチップが組み込まれていて、入場者の動向(もちろん個人は特定できませんが)がリアルタイムにつかめているという事例。

 利用意図はわかりますが、ちょっと間違えるとプライバシーに影響しますね。それを知って、そのサービスを利用する人がどれだけいるか、とか。ちょっと疑問になりました。

 ICチップの可能性は無限大に近いものがありますが、くれぐれも、顧客本位のサービスに徹していただきたいところです。

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September 21, 2005

ユニクロ、法人ユニフォームビジネスに本格参入

本日の日経新聞、繊研新聞などによると、ユニクロを展開するファーストリテイリング(FR)社は、セコムの警備員用のユニフォームを受注し、そのデザインを山本寛斎氏が手がけることになったとのことです。

FR社は既存のユニクロ商品、Tシャツ・ポロシャツ・トレーナーに刺繍やワッペンなどをつけた、いわゆるチームユニフォーム的なものを手がけていましたが、今回のようなデザインから手がけるものは初めてとのこと。山本寛斎氏にとっても、警備員のユニフォームのデザインは始めてとのことです。初回
7万着の納品を予定しているとのことです。

実は、このユニフォームビジネス、地味ではありますが、商社でも専門にやっている部署、担当者がいるくらい、計画生産が可能、一度決まると継続的なリピートが期待できる、など年々目が離せなくなり、リスクの高まるファッションのスピードとは、対照的に、安定商権が確保できるビジネスでもあります。

ワールドがこの秋、はじめたベーシックアイテムのSPA(製造小売業)、「ベースステーション」のプレスリリースでも、法人向けプリント用ボディを販売することを視野に入れていましたね。ユニクロ、ワールドのような企業もこのビジネスに目をつけていることもうなずけます。

昔、小売チェーンで働いていたころ、毎年、5月と10月、11月の運動会、文化祭シーズンになると、ベーシックアイテムの1色大量客注が入ったのを思い出します。


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September 20, 2005

「流通革命は永遠に続く」ダイエー創業者中内功氏死去

 日本流通業の父(渥美俊一先生は母と言っていましたが)といっても過言ではない、ダイエー創業者の中内功氏が19日脳梗塞で亡くなり(享年83才)、今日の日経新聞の関連記事を日本の流通業界の歴史をたどるような気持ちで隅々まで読んでいました。

 戦後、イオンの岡田会長、イトーヨーカ堂の伊藤名誉会長らとともに、渥美先生主催の勉強会でアメリカのチェーンストアを研究し、日本の高度経済成長期に、メーカーと闘いながら、大衆に「安売り」を提供して生活を豊かにした。日本の小売業発展における彼らの功績は計り知れないな、とあらためて思いました。中内氏は、その後の拡大路線、不動産投資の失敗の中でいろいろな独裁批判的なことはあるかとは思いますが、ひとつの時代を築き、後世に影響を与えた点は間違いないと思い、敬意を表します。

11面に「中内語録でたどるダイエーの歩み」というコーナーがあり、印象に残った言葉をいくつか。
◆「生産者による一方的な流通支配をはね返し、消費者に価格主導権を確立する」(1967年日本チェーンストア協会設立時)
◆「これが終点ではない、単なる一里塚」(1980年、小売業初の売上1兆円を突破して)
◆「作り手側の論理でモノを作っても売れなくなっている。メーカーの時代は終わった」(1992年、同氏が設立した流通科学大学の講義で)
◆「量より質の時代というが、資本主義経済でやはり量が決定権を持つ」(1994年、忠実屋買収時)
◆「~流通革命は永遠に続く」(2001年、責任をとった退任会見にて)

 メディアは、ダイエー(=同氏)が、その後のバブル崩壊、成熟社会に変化対応ができなかったことを指摘します。確かに、その後の発言の中にも成功体験的に量や安さや売上だけを追い続ける発言や逸話がいくつもあります。また、流通の主役もすでに、第三世代くらいに交代していると思います。
 しかし、同氏は、志半ばでダイエーを退任した後も、自身が設立した流通科学大学で生徒たちに「流通革命」を唱え続けていたとのことです。

 時代が変わって、ステージが変わって、また、新しい「流通革命」の担い手たちが登場する。その革命、チャレンジには終わりがない。これは、小売業の宿命であるとともに面白いところですね。諸先輩方の遺志を継いだ多くのチャレンジャーたちがこれからも、時代に合わせて、小売流通を顧客最適に、そしてエキサイティングにしてゆくでしょう。

 末筆ながら中内功氏のご冥福をお祈りいたします。

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September 18, 2005

「NANA」から始まるマルチカルチャーブームの予感

 9月初旬から中島美嘉主演で映画化、封切となったロックバンドのラブストーリーを描いたコミック「NANA(ナナ)」が各業界で大きな話題をよんでいます。NANA公式HP

 最近、音楽とファッションのコラボプロジェクトに関わっている関係で、音楽業界や楽器業界の方とお話することが多いのですが、映画「スウィングガールズ」、「リンダ・リンダ・リンダ」、そしてトドメに「NANA」の影響で、女の子のバンドへの興味、参加の勢いがものすごいといいます。女性ボーカルバンド、女の子のみのバンドの増加は、必然的に女の子の楽器購入比率の高まり、また、特に「NANA」は、ストーリーだけではなく、登場人物がスタイリッシュであることから、バンドファッション・グッズへの興味と影響を及ぼすのは間違いありません。ちょっと業界よりのファッション誌ではありますが、「装苑」の10月号でもNANAファッションが特集されています。
 
 余談ですが、実は、あまりコミックは読まないのですが、ロック好きの私は、以前から「NANA」と 「BECK」については、隠れファンで、ちょこちょこ読んでは楽しんでおりましたので、すごく身近な話として今回の現象を見ています。

 「NANA」の作者の矢沢あいさんは、漫画家にならなければスタイリストになりたかったらしく、大のファッション通で、「NANA」に登場するファッションブランドは、ヴィヴィアン・ウエストウッドであったり、矢沢さんご自身がデザインした服も少なくないとか。「NANA」=矢沢さんがコミックから発信する「音楽xファッション」のクロスカルチャーは、映画とメディアを巻き込んで大きな社会現象へと発展してゆくクロスカルチャー、いやマルチカルチャーブームの先鞭になりそうな気がしてなりません。

 ちょっと、飛躍した話になりますが、2000年くらいから数年間、毎年2回 東京、NY-ソーホー、LA-メルローズ、ロンドン-コベントガーデン&カーナビーStのストリートファッション定点観測を繰り返しておりましたが、2002年、初めて感じた世界同時発信のキーワードはロック・ファッション。その流れは、その後、セレブファッションやプレミアムジーンズの流れにもあります。
 ファッション業界の下地は十分、「NANA」はそのトリガーを引いた気がします。

 ※今日も、J-WAVEで中島美嘉の「グラマラス・スカイ」がヘビーローテーション。そういえば、数年前に、関わったあるプライベートブランドのモデルを彼女がやってくれましたっけ。 

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September 16, 2005

お知らせ 学研「最新人気ブログランキング200」掲載

 おかげさまで本日発売の学研ムック 「最新人気ブログランキング200」(830円)に掲載されました。69ページに当ブログの紹介が載っています。ジャンルわけがされており、「アフィリエイト・本業HP連動型」というところで5位にランクインされています(モニター審査員による採点で、500ポイント満点で347ポイントは総合でも数えたら26位!)。
この本の内容を詳しく的確に解説されているブログがTBくださっているので、ご興味ある方はご覧ください。>>>こちら

 これもひとえに皆さんのご支援により書き続けることができたおかげだと思い、感謝いたします。ありがとうございます。

 また、これを機会に左側のカテゴリーを整理いたしました。

 バナリパ、アバクロ、AE、IKEAなど外資ファッションチェーンが来襲する中、ダイエー再生問題、ウォールマートによる西友再建、ユニクロのM&A、ワールドの株式非公開化など国内の流通再編が行なわれ、郊外型SCに主戦場を移し、アパレル卸企業も小売業もSPA(製造小売業)というナカヌキの形で仁義なき戦いを繰り広げるファッションマーケット。競争に勝ち残るために、業務改革やIT改革に取り組み、スピード経営と顧客満足に応える明日の優良企業のあり方。まだまだ日本のファッション企業も捨てたもんじゃない。

 そんな激動のファッション流通ニュースの読み方を専門家と顧客満足の視点でこれからもわかりやすく書き続けます。どうぞよろしくお願いいたします。

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September 15, 2005

IT活用で売り場との対話を維持

 昨日の日経MJには、ITを活用して、売場とリアルタイムなコミュニケーションを図るチェーンストアの事例が紹介されていました。

 ファッション流通でも、ローリーズファームやグローバルワークで急進中の「ポイント」が上手にITを活用しています。現在271店舗ある同社は、年間出店50店のペース。

 以前当ブログでご紹介したように、同社は、「等身大MD(=ターゲット客層と同じライフスタイルを送るスタッフが実感として組み立てるマーチャンダイジング)」を身上に着実に業績を伸ばしています。

 一般的に、出店すればするほど本部と店舗の距離は開き、コントロールできなくなった暁にチェーンストアは衰退を迎えるもの。試行錯誤の上、身につけた等身大MDをフルに生かすべく、同社はITを活用します。

 今週の打ち出し商品やその着こなしをデザイナーやバイヤー自身がビデオカメラで収録し、その熱い思いを日本全国の各店でインターネットで閲覧できるしくみや、最大百人が参加できるテレビ会議システムを導入、陳列や売り方について、身振り手振りで細かく指示を出し、しっかり活用している模様です。豊富な知識を見て聞いて得た全国のスタッフは、商品を効率よく接客販売、こんなところにも同社の業績のよさの秘密があるわけです。

 「(多店舗展開しても)販売員やエリアマネージャー(地域ごとに店舗と本部をつなぐ営業本部社員)との対話を薄めたくない」という創業会長、現社長の危機感から、なおかつ、とっても儲かっている会社なのですが、既存のASPサービスを独自に改良して、1000万円以内で仕上げているからさすがです。

 こういったツールは、お金をかければよい、というものではなく、安く上げたいという理由ではなく、こうしたい、だから自分たちでやる、という思いを込めてやる方が、思いに近いものもできるし、実際運用・活用できるし、逆に安く上がるものなのかもしれません。日ごろIT導入のお手伝い現場にいて、うなづける話です。

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September 14, 2005

日常化するアウトレットモール

 9月13日繊研新聞の記事を読んで。
 
 93年に埼玉のリズム、そして大阪鶴見のブロッサムが出来てから、12年、現在国内には24ヶ所のアウトレットモールがあるそうです。
 当初はブランドものが安く買えると、観光バスも乗りつけ、地元以外に観光客による売上がかなりあったようですが、今は成熟期に入り、アウトレットなら確実に集客できるという時代は終わったそうです。三井不動産、チェルシーのように広告、イベント、入替、増床を積極的に行って常に活性化をしているデベロッパー、通常の商業施設同様の努力が必要とのこと。売り手も、生活者も「特別」な売り場ではなく、通常のショッピングの一選択肢として、限りなく日常生活に組み込まれつつあるような気がします。
 
 ファッション企業でも当初は、百貨店や既存の売り場に遠慮をして控えている企業も見受けられましたが、今は、既存売り場の活性化と在庫消化のために上手にアウトレット活用している例も多く、また、百貨店、専門店、直営店とならんで、一販路としてみなしている企業もあります。処分品と混ぜて販売するためのアウトレット用プロパー商品(値下げではなく通常商品)も上手にまぜて、会社全体の業績にも貢献しているケースも少なくありません。アメリカではVAN HUSEN(メンズ)やBASS(シューズ)などアウトレットでしか見かけないブランドもあるくらいですから。れっきとした一販路です。
 
 ところで、ファッション商品はアウトレットといっても、処分したい商品だけを並べてもなかなか売れないものです。変な話かもしれませんが、閉店在庫処分セールもそうですが、セールの集客効果にあわせて、どこに持っていっても売れる鮮度のあるプロパー商品を並べてあげるのが業界の常識となっています。そうすると、新品も処分したい商品も両方よく売れるものです。一般的に、7割の処分品に3割の新品を置くと・・・もちろん新品は安く売る必要はないのですが・・・売上の構成比は、新品が6割、処分品が4割か半々くらいになるものです。処分品だけだと4割分の半分も消化できないあるいは二束三文なのが現実です。それだけ現代の生活者は目が肥えているのですね。

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September 13, 2005

流通段階と仕事の発想、サイクルの違い

 今日は、日ごろ仕事をしていて感じることをひとつ・・・

 昨夜は商社勤務時代の先輩、同期、後輩と食事をしました。先輩と後輩は今も同じ会社に勤めています。昔話に花が咲き、今のそれぞれの仕事の話にもおよびました。
 そうすると、以前は席を並べて、同じことを考え仕事をしていた仲間とも、かたや原料供給(川上)よりの部署に移られた先輩、かたや製品小売(川下)の世界に飛び込んだ自分では、同じ業界でも仕事のやり方や思考回路がはっきり違っていることに気づかされました。

 私の経歴の話になりますが、商社時代、海外生産とブランドアパレル会社の立ち上げなどを経験させていただき、その後、思うところあって退職、アメリカのファッション輸出企業(小売チェーン向け)、帰国後、ファッション小売チェーンと転職をし、昨年、独立をいたしました。バブル崩壊後、川上で在庫とクレームに苦しみ、何とか、もっと最終消費者(生活者)により近いところで、お客さんが、どんな瞬間に本当にお財布のひもを緩めるのかを肌で感じながら仕事をしようと考えていた数年間、仕事のやり方にどんな変化があったかなあ。 昔の同僚たちとの宴は、ふとそんなことを考えるきっかけになりました。

 思えば、商社時代は年間あるいは半期予算達成のため、卸をしている時はシーズンおよび月予算達成のため、小売の時は週予算達成のために仕事をしていました。予算達成のための仕込み期間はそれぞれ1年前、半年前、1-2ヶ月前です。さらに、小売の店頭となると、一週間を平日、土日に分けて、毎日の予算達成のためにどうやってスタッフモチベーションアップをサポートできるか、が小売業の本部員仕事のひとつでした。そして、店舗のスタッフたちは日々時間帯別に工夫をこらす。
 生活者に近づくにつれて、仕事のサイクルが短くなり、変化に対してスピードが要求されるようになって行く、というわけです。

 ファッション流通もアパレルが小売を始め、小売が独自に、あるいは商社と組んでいわゆるSPA(製造小売業)を行うことが、仁義なき戦い、生き残りのための条件の一つになりつつあります。
 しかし、形だけSPA=小売業であっても、仕事のやり方が従来の「シーズン」であるアパレルSPA企業もまだまだ少なくないようです。もし、そんな企業が今でも売れているなら、発想と業務を「週」単位に変えたらもっとお客さんに近づけて、支持されて、儲かるだろうに、と思うことがあります。なぜならそれが作り手側の発想から、顧客の立場に近づく第一歩に他ならないと思うからです。

 先日、株式非公開化を決めたワールドは、92年に小売に参入し、早くから「週」単位の業務を身につけて成功したアパレルSPAの好例です。ユニクロの柳井さんも、サプライサイドの発想、「シーズン」から、ディマンドサイドの発想=「週」への発想転換にすべく危機感をあらわにしています。
 
 そんなスピード時代に、流通段階各ある中で、小売業の役割ってなんだろう、と考えます。より生活者に近いところにいる小売業がリーダーシップをもってマーケットの変化の情報をよりスピーディに、的確にサプライチェーンに流すこと・・・それが時代を生き抜く企業、チームのあり方なんだろうな、とあらためて考えさせられました。

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September 11, 2005

百貨店でも売場を越えたクロスセル販促を

 ファッション専門店で、ある服を買って下さるお客様にコーディネートする服や、バッグ、帽子、靴などの服飾雑貨やアクセサリーをご提案し、お客様ひとりあたり買い上げ点数(業界ではセット率、パック率、関連販売率などといいます)を上げる努力をすることは常識です。

 一方、アパレルブランドへの箱貸し(インショップ)が増え、平場(百貨店自己編集による単品集積売り場)が減った百貨店では、各インショップ間、各売り場の情報交換や連動した取組みがほとんどないのが現状のようです。
ブランド指名買いのお客さんはいいかもしれませんが、お悩みを抱えて解決しきれないお客さんも少なくないのでは・・・ 時代はマスマーケティングからよりパーソナル対応へ、いつまでも百貨店の看板にだけ頼っていても売上はおちるばかり。
 
 そんな中、9月10日の繊研新聞で百貨店の売り場の垣根を越えて、お客様に対応する、そごう徳島店の「クロスセル販促」や東急百貨店本店の「コンシェルジュ」の取組みが取り上げられていましたので興味深く読んでおりました。
 
 後者の「コンシェルジュ」は従来上顧客に行なっていた、お買い物に付いて回ってアドバイスやお手伝いを行うサービスを増員して一般のお客様にも広げたもので、潜在的な上顧客の開拓目的もあるようです。
 
 一方、「クロスセル販促」とは、主にアパレルからの派遣販売員の有志(通称:クロスメイト)が中心に、開店前に集まり、各々の限られた品揃えでは解決し切れない接客中に知ったお客さんの要望、課題の情報を交換しあい、売場を越えて対応を考え、顧客満足、売上アップにつなげようという試みです。
 情報をもった販売員たちは、接客中に他の売場で対応できるお客さんの要望に気づくと、的確な売場へお客さんをご案内します。場合によっては、試着のまま、靴売場、バッグ売場とご誘導することもあるそうです。服にピッタリのものを見つけることができたお客さんは喜んで次々とご購入というわけです。
 
 01年に始まった、この試みも、試行錯誤をしながら、アパレルの販売員が、アクセサリー、下着、化粧品など、ひとりひとりのお客様の問題解決をしながら、年々関連販売につなげているケースが増えている模様です。

 「百貨店」といえば、もともと何でも揃うお店であったはず。いろいろな企業に「場所貸し」をしてしまうと、それぞれが自分たちの利益だけで動くもの。そしてそれだけお客さんからどんどん離れていってしまう・・・
 本来の百貨店の役割を果たすべく、このような試みはどんどん広げるべきですね。
 
 伊勢丹新館(メンズ館)が成功しているのも、あえて箱(アパレルの縄張り)を減らして、百貨店が主導権を取れる平場を拡充したからに他ならないと思いますし。まだまだお客さんは百貨店に期待してますよ。

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September 09, 2005

電子マネーはファッション消費にどう影響するか?

 今日の日経MJの一面は大きく電子マネーの勢力図が取り上げられておりました。
 コンビニ、キオスク、自動販売機などの小額決済には細かい小銭やおつりのやり取りが簡素化されてその利用は拡大していますが、ファッション消費にはどのように影響があるだろうか、と常々考えることがあります。

 先日、JRのファッション系の駅ビル「アトレ」がスイカの導入を決めたので、注目はしておりますが、彼らのコメントには、ファッションビルとは言え、「テナントに飲食や雑貨店が多いため」とのことでした。

 ファッション小売チェーンのクレジットカードの利用率も知る限りMAX10%程度ではないかと思われるので、電子マネーが全国共通ポイントカードに取って代わるくらいまで進化しなければ、ファッション消費にプリペイド式電子マネーを使う可能性はまだまだ未知数ではないかと思います。

 先日、アメリカマーケットリサーチから帰られたある会社の幹部の方が、これなーに?とアバクログループのホリスターCo.のGiftCardを差し出されました。ご本人は内容を知らずに、かっこいいプラスチックのメンバーカードかな、ということでご購入されたようですが、「それはギフトカード」ですよ、と内容をご説明申し上げました。

 アメリカやイギリスのヤングを対象にしたカジュアルチェーン、GAP、アバクロ、AE、パシフィックサンウェア、アーバンアウトフィッターズ、TOPSHOPなどは、みな店頭やネットでデザインのかっこいい磁気ギフトカードを販売しています。特に、学生対象のお店が多いようで、親や親戚が、これでCoolな服でも買いなさい、と任意一定額プリペイドしたカードをプレゼントするわけです。プリペイドは店によって違いますが、25㌦~50㌦くらいの単位で200㌦くらいまでできるところが多いようです。
 8月末は、Back To School(新学期準備)セール真っ只中だったので、店頭でもそういったギフトカードが目立ったのでしょう。
 
 日本でも、エディがスイカが普及して、親が学生の子供に、今月決まったお金をプリペイドしておき、これで洋服を買いなさい、というお小遣い口座代わりに使うのことを提案するのも電子マネー使用促進法として、ありかもしれませんね。

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September 08, 2005

「売り切りごめん型」マーチャンダイジングへ

 ここのところ業界の繊研新聞の紙上では、ヤングレディース向けの専門チェーン店の掲題のような商品政策変更の記事が目立っています。

 従来専門店チェーンは、「今年の夏は、この商品を売るぞ」、と単品で10%以上の売上が見込めるヒットの芽のある商品<プロモーション商品>(わかりやすい例でいうとユニクロのフリーのようなもの)を設け、シーズン中、追加生産で対応したり、あらかじめ多品種少量生産をしておいて、シーズン中に見つけた「売れ筋商品」をQR(クイックレスポンス)で何度も追加生産をするというスタイルをとっていました。

 ところが、ここのところ、このようなやり方をすると、初回生産分は売り切れても、追加分を残してしまったり、お客さんに飽きられるといった現象が起こり、顧客離れ、業績低迷の恐れが懸念されています。
 
 この背景には、一般的に言われる「顧客の嗜好の多様化」以外に
1. どこの会社も売れ筋のQRは標準装備になって、シーズン後半には
  店舗が同質化してしまう。
2. 百貨店アパレルや新興SPAショップをそろえたSCが郊外に乱立していて、
  駅前でなくても感度の高いファッションが買える。 
3. 低価格でもファッション性の高い商品が購入できるし、マーケットのスピードが
  速くなっているので、お客さんの買い替え頻度も高まっている。そのため、
  頻繁な新商品投入、売場変更が求められている。
などの要因が挙げられます。

 キャビン(店名は e.a.p イー・エー・ピーなど)、パレモ(店名はGalFitギャルフィットなど)、ブルーグラス(店名はvanceヴァンスなど)あたりのカジュアルチェーンでは、売れ筋単品追加生産型から、スタイリング(クロスマーチャンダイジング)対応の組織に変えた模様です。 各社は計画的に2週間で変わるMDストーリーを組み、以前販売した商品の追加はせず、逆にそれらとコーディネート可能な新しい商品の投入を積極的に行いました。

 また、このような単品訴求ではなく、スタイリング・コーディネート中心の商品政策変更に連動して顧客への提案のためのPOPやポスターなど広告宣伝費を1.5倍から2倍に増やして、お客さんを飽きさせない手法をとり、レディース業界全体が低迷したこの春商戦を既存店売上アップで乗り切ったとのことです。
 
 アパレルだけではなく、トリンプインターナショナルのようなランジェリーSPAも通常6ヶ月の販売期間設定の定番商品を3ヶ月に、3ヶ月で売り切る予定のスポット商品を1ヶ月に短縮することによって、新しい商品を次々に入れるようです。もっとも、先日紹介したピーチジョンのようなランジェリーとファッションアパレルの際を無くすような勢力も活躍しているので、もっともな話かもしれません。 

 以前にもブログで紹介しましたが、今日のような手法は、スペインのZARA(ザラ)の十八番です。これから外資まみえてめまぐるしいスピード、変化に臨機応変、緻密に対応できる企業が生き残る厳しい情勢です。生活者にとっては、選択肢が増え豊かになるのでいいことだと思いますが・・・

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September 07, 2005

速報-どうなる?アバクロ日本進出

 アメリカの人気カジュアルチェーン、アバクロンビー&フィッチ(アバクロ)が来年の末には日本進出するとし、今年、日本法人ANFを立ち上げましたが、ちょっと雲いきの怪しいニュースが入ってきましたので速報ベースでコメントします。

 本日の繊研新聞によると、アバクロ社のCOOで、ANFの社長も兼ねていたロバート・シンガー氏が8月31日付けで退社されたそうです。同氏はグッチ出身、その関係で日本法人のもう一人の社長、伊勢丹、バーニーズ、グッチジャパン出身の田代氏に白羽の矢がたったはず。

 この退社に対し、アバクロの会長兼CEOのマイク・ジェフリー氏は、「カナダと欧州は予定通り進めるが、他の市場については、慎重なペースですすめていく」とコメントされているようです。

 さて、日本進出はどうなるのでしょうか?またシンガー氏の行き先は・・・・

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September 06, 2005

ピーチ・ジョン(PJ)が贈る最強の谷間

 日曜日のテレビ東京、「ソロモンの王宮」という番組で、今もっとも勢いのある新興ランジェリーブランド、Peach John(ピーチ・ジョン;愛称PJ=ピージェイ)社長、野口美佳さんの仕事ぶりが紹介されていました。

 以前、ヤング向けのランジェリーマーケットの調査に関わったときにこのブランドのことを知り、とてもおもしろいと期待していたので、興味深く観ていました。

 ピーチ・ジョンは、1988年発足のヤング向けランジェリー通販&ショップSPAブランドです。当初は、欧米からの輸入ランジェリーの通販から始め、その後、あわせて低価格のオリジナル商品を主軸に切り替え、魅力的な通販冊子、宣伝広告、直営店運営で、いまや年商160億円、店舗も15店舗を展開しています。

 ランジェリーといえば、かつてはワコールやトリンプ、あるいは大手通販会社の寡占マーケットだったと思います。両巨頭は、品質、安心、長持ちといった女性の体を「守る」ことを主眼に置き、どちらかというとコンサバティブな商品が多かった業界。それに対して、ピーチ・ジョンは、そんな「殻(から)」を破るべく、より10代、20代前半女の子の立場に立った、ファッション性を追求して、セクシーに魅せるといった「攻める」商品構成を行い、梅宮アンナ、吉川ひなの、岩堀せりといった日本のトップモデルを次々に起用し、上手なマーケティングを行ってきたことが人気を集めた理由だと思います。渋谷109の売り場はいつもいっぱいですね。

 ピーチ・ジョンのビジネスモデルは、欧米ランジェリーの買い付けから始まり、トップモデル(プレイメイト)の起用、オリジナル商品化、ランジェリー以外のグッズやアパレルへの展開、ショップ多店舗化と、アメリカのリミテッドグループのヴィクトリアズ・シークレットのそれをベンチマークしたものであるのは明らかです。ロゴも店舗内装も似てますしね。
 しかし、野口社長は、日本のマーケットを熟知し、女の子の気持ちになり、うまく咀嚼して、アメリカの本家本元よりも上手にピーチ・ジョンをマーケティングしていることは間違いありません。

 なかなか男性がじろじろカタログを見るのはなんですが、いかに魅力的に、かっこよく表紙を、ページを作るかに気合を感じます。そして、いかにバストを魅力的に、上手に「最強の谷間」を演出するか、をいろいろな言い回しを使って作っているキャッチコピーにもとても関心します。

 番組の中で仙台出身の野口さんは、言っていました。「歴史的に仙台商人は宣伝がうまいんですよ」。今年から、さらなる攻めに出て、駅中広告、山手線の外装広告、電車の中吊り広告なども目立つようになりました。

 ランジェリーのような、カラーサイズSKUの多いビジネスは、需要予測、在庫リスクも大変だと思います。でも、それもものともせず、「しかけて売り切る」勢いを感じますね。
 
 業界の殻を破って走り続ける、同い年のチャレンジャーをこれからも応援したいと思います。

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September 05, 2005

バナリパ 日本攻略へ3つのしかけ

 9月1日、プランタン銀座にOPENしたGAPグループのバナナリパブリック1号店のオープンは、各紙の紙面で話題を呼びました。
 今秋から始まる欧米ファッションリテーラーたちの黒船来襲の先陣として、「バナリパ」の紹介は、日本のファッションの変化を説明するにもうってつけであったのでしょう。

 GAP国際部門の社長アンドリュー・ロルフ氏が言うように、日本のマーケットは、「アフォーダブル・ラグジュアリー(手が届く高級品)」を望む地盤が整い、同ブランドの進出はグッドタイミングといえるでしょう。しかもビジネスにも着れるカジュアルスタイルは、特にメンズカジュアルマーケットを中心にスポンジのように浸透していくのではないか、と見ています。

 数年前にバナリパがGAP社のプレステージラインのポジショニングを図るころ、サンタモニカ、プロムナードの旗艦店を訪問した時の話。その店構え、内装はGUCCIかと見まがうほど。しかし、価格は十分手の届く価格だったので、思わず買い込んでしまったのを覚えています。こんな演出を仕掛けてくるのでしょうね。 

 日経MJによると、バナリパの日本戦略は3つ
1. イタリア製の上質素材(ロロピアーナ、ゼニア、アルビニなど)をアジアで縫製しこなれた価格で提供。
2. GAPでの経験を生かして、日本人男女数百人の体型を調査し、日本人仕様のサイズを展開。
3. 全体の3割を日本限定デザインで構成する。

 10年前のGAPオープンの際の失敗体験から学び、10年のマーケット経験を活かしての満を持しての1号店OPENとのこと。 しかし、価格はセレクトショップのPB並みのようですが、もう少しがんばって欲しかったところです。OEPN当初はいろいろ試行錯誤があるでしょうが、日本の既存セレクトショップ、百貨店ブランドにとっては、黒船の中のもっとも手ごわいブランドの動向でマーケットが生活者のために豊かに変わってゆくのが楽しみです。

 バナナリパブリック日本公式HP 

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September 04, 2005

ウォームビズまでのつなぎにスマートビズ

 9月3日日経新聞によると、西友は好調だったクールビズ、先ごろ環境庁が発表したウォームビズに対して、ウォームビズが本格化するであろう10月以降までの「つなぎ」のしかけとして、秋の「スマートビズ」キャンペーンを行う、と発表しました。主力販売商品は、9900円の紺のブレザー(20サイズ)、2990円のボタンダウンシャツ(6色、12サイズ)に同チノパン(3色、6サイズ)で、一式15,800円でそろうというのが売りだそうです。

 政府のクールビズ、ウォームビズキャンペーンに他力本願的に後追い的に乗るだけの企業が多い中で、そういった流れを上手に利用した、とてもよい「攻めの仕掛け」だと、ウォールマートてこ入れ中ながらまだ成果が出ていない西友にとっては、明るい話題だと思います。
 スマートというと、細身やスリムをイメージしがちですが、英語の本来の意味には、「賢い」という意味がありますので、賢そうな「できる」ビジネスマンのスタイリングを提案できたら◎だと思います。

 さて、西友が揃えたこれらのアイテムは典型的なIVYルック。今年はIVYファッションを日本に紹介した石津謙介さんが亡くなられた年でもあります。西友の客層はやはり団塊の世代が多いのでしょうね。業界では、40代、50代の人が安心して買えるカジュアル売り場がないね、という話をよく聞きます。彼らがイメージしているのは、昔の三峰、タカキュー、テイジンメンズショップのようなお店のことです。ファッションというとどうしてもヤングの方に目が向きますが、こういった売り場は、GMSファッションの活性化には、うってつけでは、と思います。

こういった「攻め」の仕掛けをきっかけに、西友が、どんどん攻めて、攻めて改革のモチベーションアップになれば、と応援します。

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September 02, 2005

SC(ショッピングセンター)同質化は誰のせい?

 今週の「東洋経済」にも「SCほど儲かるビジネスはない」という特集記事がありました。 2004年、SCの売上シェアは20%を超え、本格的SC時代に入ったと言います。

 大型SC開発では、イオンモール、ダイヤモンドシティ、ロック開発などイオングループが有名ですが、今年開業SCのうち、GMSイオン本体も含めて、お互い切磋琢磨しながら、実に1/4以上の物件にイオングループが絡むそうです。今まで本業第一を語っていたイトーヨーカ堂もSC開発に乗り出しました。
 特にびっくりするのが、彼らの利益率、テナント家賃から開発コストを引いた彼らの収支(粗利)は5割から7割あるとのこと。集客はあるとは言え、テナント企業はそれだけ家賃負担をしているわけですね。 今後の出店余地として、まわりにもこういったSCに出店を希望するファッション企業は多々ありますが、家賃の高さに二の足を踏んでいます。

 多少採算が合わない場所でもえり好みをせず出店することを条件に、よい物件や低めの家賃設定を約束している密約企業(どこのSCに行っても大きな売り場を持っているあれらの企業です)でない限り、出店企業の売上高家賃比率は15%を超えるのが一般的です。これは、ファッションビジネス的に言うと、50%以上の粗利を要することになります。
 そうすると、メーカー商品セレクト型のバラエティ豊かな個性的な専門店(一般的に40%程度の粗利率)の出店は難しく、粗利をしっかり取るアパレル直売や専門店でも自分たちでものづくりのリスクを張るSPA(製造小売業)でなければならなくなります。
 そう、ユニクロ・ライトオン・コムサなどの大型お決まり専門店、ワールド・オンワード・イトキン・サンエー系などのアパレルSPA、ローリーズファーム・グローバルワーク・ハニーズなどの新興SPAにテナントが集中、同質化してしまう背景にはそういった問題があるのですね。

 同質化を避けるために、お決まりのテナントは1/3に抑えて、1/3は新規、1/3は地元の個性企業を入れることを目標にしているデベロッパーも出てきたようです。
 儲けもほどほどに、個性的なテナントの出店にチャレンジしていただきたいところです。
 
 ところでSC先進国、アメリカでは、同質化による生活者のSC離れが始まり、フリースタンディング出店への回帰が進んでいる模様です。

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