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August 30, 2007

ユナイテッドアローズが活用する商社機能

 8月28日の日経新聞、繊研新聞に総合商社の三菱商事が、セレクトショップ大手ユナイテッドアローズの発行済み株式の約3.41%を約30億円で取得し、資本・業務提携をすると発表したことに関連する記事が掲載されていました。

 同日のUA社の株価は+73円とマーケットから好感された模様です。ファッション流通各社の株価が低迷する中で同社の株価は、既存店の堅調な業績によって安定していますね。

 UA社は、自社株売却収入の30億円は運転資金に利用するとし、既存取引もある三菱商事との更なる業務提携については、

・物流ソリューションの活用によるコスト低減
・OEM生産機能を活かした新規事業創出の検討
・QR生産体制の構築
・ITインフラの整備
・商社金融機能の活用によるフリーキャッシュフローの拡大
・優良M&A案件の情報提供およびアドバイザー機能の活用

等について期待する模様です。

 2011年連結売上高1200億円を目指す(07年03月期は609億円)UA社。1業態24店舗限界説を掲げる同社にとって、4年後に倍の売上計画はかなり高いハードルだと思っていました。

 その実現のためには、出店スピードの加速とM&Aが必須ですが、その資金のリソースに「商社金融機能の活用によるフリーキャッシュフロー」を選択したわけですね。

 ユニクロやポイントなどの日本の大手SPA企業の高い経常利益率、キャッシュフローの源泉には商社金融機能があることは間違いありません。

 ひらたく言うと、商品仕入を商社経由にすることで多少商品原価が高くなっても、物流・経理管理の効率化とともに、店頭販売に合わせた在庫調整ができることと、商品代金の延べ払いによって、特に小売業においては店頭で毎日現金回収ができ、恒常的に生まれる「回転差資金」が出店など前向きな投資に利用できるという話です。

 「回転差資金」は、銀行借り入れ、株式市場での調達とならぶ、特に日々生活者から現金回収ができるリテール企業に与えられた資金調達のアドバンテージとも言えます。もっとも、店頭での高い商品回転と企業の信用がそろってできる話ですが。

 セレクトショップという「感性」と「希少性」を売り物にする企業でありながら、一方で、「規模の拡大」にチャレンジする、世界的にも稀有な例として、今後ともUA社の企業戦略に注目すべきところは大きいと思います。

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関連エントリー-ユナイテッドアローズの強さ

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August 29, 2007

商品ロスと万引き

 今回は業界関心事の中でも、ちょっと泥臭い話をひとつ。

 8月29日の日経MJ一面に異業種の話ではありますが、カー用品やDVD業界で、万引き対策に、メーカーが製造段階から防犯タグ(レジを通さず商品を持ってゲートを通るとアラームがなるヤツです)をつけて出荷する「ソースタギング」に注目が集まっているという記事が掲載されています。

 記事によると、従来、店頭商品ロスという小売サイドの問題ではありながら、今後、装置の標準化や、メーカーサイドでの取り付けのコストが飛躍的に下がっているため、製販一体になって深刻な万引き問題に対応しようという機運になっているとのことです。

 帳簿やデータ上の在庫数と実際の店頭の商品実数が合わない、いわゆる棚卸し商品ロスは、小売業のみならず流通企業が永遠に逃れられない問題なのは言うまでもありません。

 ご興味あると思いますので、ご参考までに、記事に載っている全国万引犯罪防止機構調べの直近年度、業態別ロス率(売上対比)からファッション関連の業態の数字を引用してみます。

 服飾雑貨    1.54%
 靴         1.39%
 婦人・子供服  0.48%
 スポーツ用品  0.31%
 百貨店      0.2%
 紳士服      0.05%
 宝飾品      0.04%

 適正ロス率?なんてものは当然ゼロに決まっていますが、以前、計数管理の先生から、「目安として、粗利率の5%は『深刻』、3%が『許容』、1%以下は『優秀』と考えるとよい」なんて話を聞いたことがあります。当時、商品管理責任者だった私は、会社のロス率がその基準で言うと「優秀」の部類に入っていたので、ちょっと、ほっとした記憶があります。

 また、棚卸しロスの原因は、この記事で問題にしているように、確かに「万引き」もその一因だと思いますが(万引きは確かに一番目立ちますし、現場の子達もよく話題にします)、経験的に言うと、それよりも、

・店舗スタッフによる売上、仕入、返品、移動時の計上ケアレスミス、
・棚卸し作業時のカウントミス

が多く、そこをマニュアル化したり、指導するだけでも数字はかなり改善することもわかりました。

 以前聞いたある報告によると、「社内不正」も万引きを上回るものとのことでした。

 防犯という外的な対策だけでなく、ミスが起こりづらい、不正が起こりづらい、社内の商品管理制度の整備も忘れてはなりませんね。

 こんな話をしていたら、昔、勤務していた会社のオーナーがバイヤーたちによくおっしゃっていた言葉を思い出しました。

 「万引きされないのは君たちの仕入れた商品に魅力がないからだ。万引きが多くなるくらいみんなが欲しがるものを品揃えしろ」

 乱暴な話ですが、今でも耳に残っています。

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August 27, 2007

先週の記事別アクセスランキング

先週1週間にこのブログ内でアクセスの多かった記事をランキング形式でご紹介します。業界でもっともホットな話題がわかるかも?

1位-ファッションビジネスの常識を逆回転させる?ストリートスナップの魅力(07.08.15)

 コメント:今日も原宿・表参道はヤングパワーでいっぱい

2位-ユニクロがリーバイスを抜く日(07.08.17)

 コメント:ユニクロ原宿店=UT覗いたら、ユニクロジーンズが
お目見え。秋はTシャツ&ジーンズで仕掛けてくるのかな?
原宿明治通りは向かいの2大NBブランドのオンリーショップ
とGAPとともにジーンズ激戦区と化すか?      

3位-アパレル企業の服飾雑貨売上が伸び盛り(07.08.19)

 コメント:楽しいファッションストア作りに服飾雑貨の充実を

4位-アバクロ日本進出は2009年後半(07.08.10)

 コメント:P社出身の店舗開発コンサルに日本出店を委ねた
      アバクロ。銀座、表参道のメガストア構想はどうなる
      でしょうか。

5位‐「カリスマバイヤー」退任(07.08.25)

 コメント:今後のご活躍に期待です。

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August 26, 2007

ゴールドマンサックスがティファニー銀座本店ビルを取得

 8月26日の日経新聞に、米投資銀行ゴールドマンサックスがティファニーから銀座本店ビルを370億円で取得するとの記事が掲載されています。

 敷地面積坪当たりの購入額は1億8000万円となり、公示地価で全国首位の山野楽器銀座本店の1億98万円を約8割上回る水準とのこと。
 
 ティファニーは、2003年に現在の土地・建物を約165億円で購入しており、今回、入札で買い手を募り、最高額のゴールドマンサックスに売却を決めたとのことで、今後も両社は長期賃借契約を結び、営業を継続するとのことです。

 海外の投資会社、ファンドが優良都心物件に目をつけ、買いあさっている話はよく聞きます。

 今回の話で、ちょっとケースは違いますが、面白いな、と引っかかっているのは、今後、日本に進出する海外ファッション企業が、都心に店舗を構えるにあたって、これら海外の投資会社が一役買うのではないか、ということです。

 日本では、ご存知のように、特に路面店に出店する際に、特有の「保証金」という制度があります。つまり、家賃の5-10か月相当を担保として大家に差し入れ、一部償却するというビジネス慣行です。

 海外にはこういった慣行はなく、高額の資金が一定期間寝かしてしまうわけで、キャッシュフロー重視のご時世、外資系、特に上場リテール企業が日本で独自に多店舗化を図る際に、株主に説明しづらく、ネックになっているという話も耳にします。

 このような場合、たとえば、海外投資会社が物件を取得し、治外法権的な条件(保証金なし;賃料のみ)で契約したり、あるいは保証金を流動化させる(これは日本でも事例がみられますね)といったスキームを組むことによって、海外のファッション企業は、今よりスムーズに優良物件にスピード出店することが可能になる、と思われます。

 外資同士が組む、または従来の商慣行にとらわれない新興企業が参入して、グローバルな共通言語で日本の不思議なビジネス慣行を壊して自由競争の基盤を作る。単なる不動産ころがしに終わらない、そんなことも今後、海外投資会社には期待できるのではないか、と少々拡大解釈させてもらったニュースでありました。

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August 25, 2007

「カリスマバイヤー」退任

 8月25日の日経新聞、三越・伊勢丹統合のニュースの裏で、イトーヨーカ堂の衣料部門再建に白羽の矢が立った、元伊勢丹のカリスマバイヤー、藤巻幸夫さんが、8月27日付けで取締役衣料事業部長を退任されるとの記事が掲載されていました。 

 同氏は取締役として留任され、セブン&アイ生活デザイン研究所社長のタイトルでお仕事を続けられる模様です。

 昨年秋冬からにわかに業界で噂が立ち始め、年明けからp.b.i.の売り場が徐々にナショナルブランドに奪われ、露出も控え目になっていましたね。

 残念ながら、またもや「改革途上での退任」になってしまったようです。

 今回の案件は今までの中でもっとも難問だったと思います。

 今後のご活躍に期待しております。

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三越・伊勢丹の経営統合、伊勢丹の主導ぶりに脱帽

 8月24日の日経、日経MJ、繊研新聞各紙、三越と伊勢丹が来年4月1日に持ち株会社を設立して経営統合することに関する記事で持ちきりでした。

 特に、さすが日経の記事は3面に渡っての力作でありました。統合舞台裏を綴る連載記事もスタート。

 それにしても、伊勢丹さん主導の経営統合案はあっぱれですね。

 上手に老舗三越のプライドを立てながら、オセロにたとえると、要所(角)はすべて伊勢丹が抑えていて、いずれは伊勢丹一色になるような印象を受けました。

 ポイントを挙げると

○ホールディングカンパニーになれば、管理部門から統合されて行き
○売上上位の三越分のバイイングパワーを手中に収めながら 
○日本一の売上を誇る三越日本橋本店、2010年増床予定の三越銀座店、2011年出店予定の三越大阪店といったおいしいところを共同開発
○情報システム、仕入部門は2011年末までに伊勢丹主導で統合
○顧客管理、カード事業も2013年末までにアイカードに統合

 詰将棋で言えば5手詰みくらいですかねぇ。

 百貨店大型再編もこれで一段落とか書かれている記事もありましたが、これから、地方百貨店が生き残りをかけて、どのグループにつくか、仕入先(ファッションメーカー)の取組のスタンスなど、業界内ではいろいろありそうです。
 
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関連エントリー-三越、伊勢丹資本提携は誰のため?

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August 24, 2007

ジーンズメーカーの高価格帯品揃え強化について

 8月23日の日経新聞に、ナショナルブランドジーンズ大手が高額品を強化することに関する記事が掲載されています。

 ひとつは、リーバイス・ストラウス・ジャパンが9月から1万円以上の男性向け商品124品目(男性向け品目の半数にあたるとのこと)について、従来価格から500-1000円の値上げをすることに関して、もうひとつは、ビッグジョンが今秋から米高級ジーンズ三ブランドの独占販売を始めることに関しての記事です。

 ブランド品の輸入代理店を始めるビッグジョンのニュースはさておき、リーバイスの高額ジーンズの値上げは業界でも議論を呼ぶところだと思います。

 このニュースに関しては、すでにファッション系屈指の人気ブログ ”Elastic”さんが取り上げてらっしゃいますので、そちらの方も是非お読みください。

 Elastic 「リーバイスが値上げ」

 日経の記事によると、リーバイス社は、「ジーンズ市場は価格の二極化が進んでおり『高価格帯では価格の高さがブランド価値を高める傾向がある』(同社)と判断した。同社は2001年9月にも定番商品を値上げし、売り上げ増につなげた経験がある」とのことです。

 確かに2001年当時、同社がプレミアムジーンズブームを予見した値上げで成功を収めたのは事実だと思います。(それによりリーバイスジャパンを建て直したマリアさんは、ああ、いまやスターバックスジャパンの社長でご活躍中)

 しかしながら今、プレミアムジーンズはダウントレンドですね。

 今年は、ジーンズチェーン店、専門店とも、高額ジーンズが前年ほど売れずに苦戦している最中、点数が売れなければ単価を上げて売上額で取るというのは少々企業側の論理、と言われても致し方ないかもしれません。

 ここ最近、当ブログでは、盛んにユニクロのジーンズを評価しています。同社の3990円、4990円のジーンズは、ナショナルブランドの8000円前後のジーンズに劣らないクオリティに達しつつあると。

 この追い上げは結構、深刻だと思いますよ。

 であれば、ナショナルブランド各社には、高価格帯を値上げするより、むしろ顧客に支持され、点数を売っていて得意なはずの8000円―10000円の商品のクオリティアップをアピールして頂きたいところですね。

 そして、生活者に「さすが、やっぱりユニクロとは違うよな」、と唸らせるモノを・・・期待したいと思います。

 by 502モデルのヘビーユーザー

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関連エントリー-ユニクロが2990円のジーンズ販売を中止して、3990円・4990円に絞り込む

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August 20, 2007

先週の記事別アクセスランキング

 先週1週間にこのブログ内でアクセスの多かった記事をランキング形式でご紹介します。業界でもっともホットな話題がわかるかも?

1位-ファッションビジネスの常識を逆回転させる?ストリートスナップの魅力(07.08.15)

 コメント:今日もストリートの身近なモデルさんたちを見に行こう。

2位-アバクロ日本進出は2009年後半(07.08.10)

 コメント:ちょっとアバクロの話題は、トーンダウンしているかなと思いきや、
     ブログやSNSからリンクを頂き、ランクイン。

3位-ユニクロが2990円のジーンズ販売を中止して、3990円・4990円に絞り込む(07.08.04)

 コメント:ジーンズ2大ブランド神話崩壊の予兆。5位にランクインした
     エントリーにも見られます。

4位-しまむら高田馬場店 開店1か月が経って(07.08.05)

 コメント:H&Mにしても、しまむらにしても、フルラインを持っている強みは
      立地ごとの客層に合わせてマーチャンダイジングに変化を
      つけられることでしょうか?

5位‐ユニクロがリーバイスを抜く日(07.08.17)

 コメント:キャッチーなタイトルに週末エントリーながらアクセスが集中。

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August 19, 2007

アパレル企業の服飾雑貨売上が伸び盛り

 アパレルリテーラーに始まり、今、アパレルメーカーにおいても服飾雑貨部門の売上が伸びているようです。

 今回のエントリーを書くきっかけになったのは、8月14日の繊研新聞の「流通レーダー」で、三陽商会が服飾雑貨の専門部隊を強化して、全社売上中の服飾雑貨比率が9.3%、年商126億円(06年12月期)になった舞台裏を中心に記事が構成され、大手アパレル各社の服飾雑貨の伸び、構成比の高まりを取り上げています。ワールドの構成比の高さは、専門業態もあるくらいで、もともと有名ですし(売上構成比22.2%)、オンワード樫山も確か、15%くらいを目指して強化中と聞いた記憶があります。

 服飾雑貨とは、帽子、バッグ、ベルト、アクセサリー、靴などアパレル(服)以外のファッション身の回り品全般を指し、実用品から脱皮して、今や、アパレル専門店の店頭において個性とコーディネートを演出する上で無くてはならないアイテムであることは言うまでもありません。

 実は、私のファッションリテーラーでのキャリアのスタートは、8年前、アパレル専門店の服飾雑貨と靴のバイヤーでして、当時、服飾雑貨は、「小物」と呼ばれ、まだレジ周りの脇役に過ぎませんでした。各社のバイヤーを見渡してもバイヤー見習いのような人がやっていたと思います。

 しかしながら、メインのアパレルにヒット商品がないと、何かと店頭の鮮度や集客に期待される部門になり、一方、アパレル部門ほど社内の制約がうるさくなかったもので、自由に変化対応ができ、全売上の構成比も10%から始まって15%くらいまで伸ばせたものでした。

 昔話はさておき、今、アパレル専門店において非アパレルアイテム、服飾雑貨の売上構成比は、15%~20%くらいにはなっているのではないでしょうか?そうすると、店頭で顧客の目先を変えることのできるくらいの影響力は十分あり、役目も重要ということになるでしょう。

 ここに来てアパレルメーカーにおいても服飾雑貨部門の強化がされている背景を考えてみると、従来は・・・

・アパレル(服)が十分売れていたため、単価も低く、細かい服飾雑貨は二の次であった
・生産工場が違う、素材・附属手配が面倒、生産リードタイムが違うなど、生産背景の違いや参入障壁(関税割り当て=TQなど)の存在から、中小の専業メーカーまたは問屋任せにしていた
・そういった専業メーカーにブランドのライセンスを与え、自らは企画生産をせず、在庫リスクを張らず、ライセンス収入だけ得られればよい、と考えていた。

 のではないかと思います。

 それに対して、最近では・・・

○生活者がアパレルだけでなく、服飾雑貨も含めてコーディネート、アクセントをつけるのがあたりまえになってきた。
○アパレルメーカーが、SPA化を目指し、店頭(直営店)を持ち、そんな生活者、マーケットの変化に敏感になってきた。
○服飾雑貨の店頭での重要性、まだアパレルほど成熟しておらず、過当競争になっていないビジネスのうまみに気がつき始めた。
○専業メーカー、問屋にライセンスの名の下に、名前だけ使われて、イメージが少し違う商品を違う売場で別々に売られるよりも、直営店を持つことで、統一イメージ、コーディネートで販売すべきと考えるようになった。

 といった環境の変化があるのではないでしょうか?

 このような業界の流れの中で、特に単価の高い、バッグと靴あたりから従来の専業メーカーとアパレルメーカーの競争が始まっているようです。どちらに軍配が上がっても、切磋琢磨の中で、目の肥えた生活者のメガネにかなう感覚の服飾雑貨商品がマーケットに増えることを楽しみにしたいと思います。 

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August 18, 2007

ユナイテッドアローズが業態別ハウスカードを統一し、本格的CRMにチャレンジ

 今週の日経新聞、繊研新聞、日経MJ各紙に、セレクトショップ最大手ユナイテッドアローズ(UA)社が、これまで業態別に発行していたハウスカードを統一し、ポイント還元も含めたカスタマーリレーションシップマネージメント(CRM)、フリークエントショッパーズプログラム(FSP)に力を入れることに関する記事が掲載されていました。

 詳細は UAニュースリリース にあります。

 ニュースリリースを読む限り、独自システム開発投資を行って(日経MJ記事には1億数千万円の投資とありました)、少なくとも百貨店ハウスカード並みの米国式?の教科書どおりの本格的なFSPにチャレンジする旨が書かれています。

 日本の流通業におけるハウスカードの取り組みは、ご存知のように、どちらかというと、ポイント還元という割引合戦の要素が強いですね。

 百貨店のハウスカードにしても、よっぽどの上顧客でない限り、顧客情報のワントゥーワン運用には程遠く、購買の中身というより、購買金額や購買頻度でグルーピングして、セールやイベントDM発送対象を選別することくらいしか成果を出せてこれなかったのではないかと思われます。

 また、上場企業では、割引が発生する前の未実現割引の全付与ポイントについても、経費、負債としての「ポイント引当金」の計上義務付けが企業収益を圧迫するため、一時のポイントカードブーム以降、ここのところ、経費だけが嵩むだけで明確な成果の出せないポイント還元カードを廃止する企業が少なくないのも実態です。(業界によってメーカーリベートや協賛金などがポイント還元の原資のあてにできる場合は、取り組みに積極的のようですが、ファッション専門店では、無論、それらを取引先から期待することはできません)

 ポイント還元型ハウスカードで先行する同業のビームスやトゥモローランドに対して、UAも顧客メリットを考えての初めて2%相当のポイント還元となるわけですが、流通業界がハウスカード、ポイントカードに弱腰になるタイミングでのUAの本格的?と思われるハウスカードの導入は、同社のことですから、それなりの覚悟、勝算あっての決断だと思います。 

 ファッション業界では、割引というより、ステータスであったり、商品、サービスそのものが大事だとされ、まだ、まだハウスカードの成功事例が少ないといわれていますが、CS(顧客満足)の取り組みに積極的な同社だからこその、何らかの成果を上げられることを期待しております。

 さて、同社既存のハウスカードを持つ私も、近いうちに統一カードに切り替えておきましょうか。

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関連エントリー-ファッション流通におけるポイントカードって
関連エントリー-上場企業のポイント還元引当金1000億円

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August 17, 2007

ユニクロがリーバイスを抜く日

 8月16日、17日の繊研新聞に、今年11回目(11年目)となる、毎年同紙がファッション系専門学校生と大学生を対象に実施している「ジーンズに関する消費調査」の結果が掲載されています。

 同紙がファッション系学生を対象に定期的に行っている、ジーンズに限らずファッションアイテム、ブランドに関する一連の調査は、「半歩進んだヤング客層の動向」を映す鏡として、業界の中でも気にされている方も少なくないのではないかと思います。

 今年は、50校、女性488人、男性200人の回答を分析されていますが、「過去1年に購入したジーンズブランド」の女性部門の1位にユニクロが入り、96年調査開始以来、男女不動の1位を守っていたリーバイスを上回ったとのことです。ちなみに男性部門は引き続き圧倒的にリーバイスが1位。

 参考までに男女ベスト5の数字を引用させていただきます。

     男性            女性
1位 リーバイス 179点   ユニクロ     260点
2位 ユニクロ   69点   リーバイス   106点
3位 リー      60点   エドウィン     54点
4位 エドウィン  41点   リー        32点
5位 ラングラー  26点   ギャップ      20点
 同              古着リーバイス  20点

 女性部門はユニクロが2位リーバイスの倍以上ですか・・・。

 最近、業界の中でも評価の高いユニクロのジーンズ。かつてアメリカでギャップがリーバイスを凌ぎ、ジーンズナンバー1ブランドに君臨したように、日本でもユニクロジーンズがリーバイスを超える日が近づいているのでしょうか?      

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関連エントリー-ユニクロが2990円のジーンズ販売を中止して、3990円・4990円に絞り込む

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August 15, 2007

ファッションビジネスの常識を逆回転させる?ストリートスナップの魅力

 仕事の合間、大汗をかきながら事務所近く、原宿のファッションストアを覗いて来ました。

 私の定点観測店舗である古着と新品を上手にミックスした人気の「ユーズドミックス業態」御三家、WE GO(ウィゴー)、古着屋本舗(スピンズ)、ハンジローでは、今日も、ものすごいボリュームの商品から自分にあった一品との出会いを楽しむヤング客層のパワーにいつものように元気をいただき、しばし暑さも吹き飛びました。

 このうちWE GOの店頭で琴線に触れる雑誌を発見しましたのでちょっとご紹介したいと思います。 
 Wego_magazine
 WE GO発行の月刊誌としての創刊号で、中身は同社の基幹店のある原宿と心斎橋を歩いていた一般ターゲット客層の着こなしを撮影しまくった、いわゆる「ストリートスナップ」で満載の冊子です。

 この東西2つのファッションストリートでのスナップは、てっきりこの号のみの特集かと思いきや、店舗スタッフさんに聞くと、どうやら、この月刊誌は、毎月、原宿と心斎橋のストリートスナップというコンテンツに徹底特化した月刊誌とのことでした。

 同社のウェッブストアでも販売されているようです。

 WEGO WEB STORE

 街ゆくおしゃれさんのスタイリングを撮影する「ストリートスナップ」は、今に始まったことではなく、もちろん、日本が発祥でもないと思います。しかしながら、いつのまにかストリートスナップは、日本のファッション雑誌各誌の定番人気コンテンツと化しました。プロの編集員が書いたり、ファッション企業が流行を作り出そうと仕掛けてくる本編記事よりも、ストリートスナップコーナーを眺めている方がリアルで楽しいと思うのは、私だけでしょうか?

 このWEGO MAGAZINEのストリートスナップを眺めていて、思ったこと。

 ファッションビジネスの常識のひとつに、トレンドは、毎シーズン欧州コレクションをランウエイの最前列で、もてなされながら見た有力ファッション誌の記者が作り出すもの、ってのがあったと思います。

 一方、今や、世界最速で、かつ世界でもっともリアルで面白いトレンドのひとつと言われ、海外のファッションバイヤーからもマジなビジネスモードで注目される東京ストリートファッション。生活者の自由気ままなミクスチャーファッションが逆に業界を振り回しているって構図もあるのではないかと思ったりします。

 前者は業界発信、後者は生活者発信、トレンドの芽、パーツは実際同じところにあるのかもしれませんが、全く対極的な表現方法がなされている両者ってところでしょうか?

 なるほど、日本人のストリートスナップ好きなところ・・・それこそが、業界仕掛け人の意図とは裏腹に、東京あるいは大阪のストリートから生活者起点のファッショントレンドを生み出し、増幅し、更に世界に向けて最速のトレンドとして発信し続けている象徴的なアウトプットかもしれない。

 そんなことを思い浮かべていると、暑くても、またストリート定点観測に出かけるモチベーションが高まったような気がしました。

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関連エントリー-原宿人気古着ショップの魅力比較
関連エントリー-ファッションはストリートから生まれる

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August 13, 2007

先週の記事別アクセスランキング

 先週1週間にこのブログ内でアクセスの多かった記事をランキング形式でご紹介します。業界でもっともホットな話題がわかるかも?

1位-ユニクロが2990円のジーンズ販売を中止して、3990円・4990円に絞り込む(07.08.04)

 コメント:二大ナショナルブランドの危機?ユニクロが起こす?
      ジーンズの価格革命

2位-しまむら高田馬場店 開店1か月が経って(07.08.05)

 コメント:ユニクロと並んでファッション流通の革命児の一社、
      しまむらの都心店が業界にどんな影響をもたらすか?

3位-ヴィレッジヴァンガードの店長候補育成法(07.08.01)

 コメント:76か月連続既存店売上高前年対比クリアの秘訣とは?

4位-ファストリのバーニーズ買収は社運を賭けた大博打?(07.08.07)

 コメント:結果はあっけなかったですが、これからのチャレンジを楽しみに

5位-アバクロ日本進出は2009年後半(07.08.10)

 コメント:久々のアバクロのニュースに、検索エンジン、SNSが沸いたようです。

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August 11, 2007

2010年、ホームファッション業界激戦に向けて

 今週の月曜日の記事になりますが、8月6日付日経MJに日本チェーンストア協会40周年シンポジウムでのホームファッション ニトリ、似鳥社長のコメントから。

 「家具業界は比較的店舗過剰ではないものの、イケアの店舗の拡大など2010年代は本当の競争になる」
 「家具だけでなく、家の中の装飾すべてとコーディネートする『ホームファッション』を強化したい。人口5万-10万人くらいでも成り立つような小型店舗も将来開発したい」

 このコメントと関連して、流通専門誌「激流」9月号に、ニトリの小型新業態構想に関する記事が掲載されていました。

 どんなタイプの小型店舗か興味深く読ませていただいたところ・・・

 1500-2500坪級のこれまでのニトリの既存店に対し、300坪と小さく、家具を品揃えせず、比較的商品回転の速い「気軽に着替える」ホームファッションに特化した1店舗 年商3億円のフォーマット。立地は、今後、出店加速が予想される超大型店舗(船橋と港北はそれぞれ1万2000坪)のイケア、既存のフルラインのニトリ、のスキマを埋める、ファッションセンターしまむら、西松屋、家電量販店がありそうな立地やNSC(近隣型SC)のテナントとして出店することも想定しているようです。現在150店舗程度の同社は2022年、国内1000店舗構想をもっていますが、その暁には、7割をその小型フォーマットで実現することを想定しているようです。

 「気軽に着替える」ホームファッションに特化した提案って、地方の小商圏への出店もよいですが、むしろ、ニトリのおかげでホームファッションの文化が定着しつつある地方よりも、大手がそれほど手をつけていない都心の方こそが、真空マーケットなのではないか、と思えてなりません。だって、日本の人口の半分くらいが東京首都圏、関西圏、名古屋圏に集中しているんですからね。

 私は、家具、インテリア業界のファストファッションの代表格としてのイケアにも注目していますが、イケアのデータを見ているとちょっと恐ろしいことに気がつきます。

 世界35カ国、257店舗のイケアの一店舗あたりの年商は、世界全店の平均で100億円です。そのスケールの大きさ。彼らは、きっと出店するからには、それくらい売らなければ意味がないと考えているのではないでしょうか?

 業界大手のニトリの年商は1891億円(07年2月決算)ですが、業界の中堅以上の規模であるアクタスの年商が150億円ですので、売上は非公開ではありますが、イケアが船橋と港北、たった2店舗出しただけでも、すでにアクタス1社を上回るビジネスユニットが業界に出現した計算になります。

 生活者に対して、家具、ホームファッションの新しい概念を創造するイケア。そして出店による業界へのインパクトの大きさ・・・

 2010年、業界地図はどのように変わっているのでしょうか?

 イケア、ホームファッション業界にご興味のある方、イケア創業者のイングヴァル・カンプラード氏の起業家精神がよくわかる書籍をご紹介しておきます。よろしかったらお読みください。

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関連エントリー-IKEA(イケア)が日本のホームファッション業界を変える?
関連エントリー-IKEA(イケア)を迎え撃つニトリの品質管理改革

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大阪セミナーへのご来場ありがとうございました。

 昨日、8月10日大阪で開催された富士通ビジネスシステムさん主催のファッションビジネスセミナー「SPA時代のファッションリテーラーの在庫コントロール」、おかげさまで盛況でございました。大きな会場を取っていただいた富士通ビジネスシステムさん、ほぼ満席埋めていただきましたご来場の皆様には、感謝を申し上げます。ありがとうございました。

 ブログをご覧になってご来場頂き、名刺交換させていただいた方々、アンケートにコメントいただいた方々、今後の励みになり、とてもうれしかったです。

 今回は、講演本題資料の他に、H&Mに関する研究論文も配布させていただきました。今後、国内外の勝ち組SPA企業との競合にあたり、「店頭在庫コントロール」は必須技術の一つだと思っています。講演内容が少しでもそんな気づきにつながり、今後の業務のお役に立てればという思いでいっぱいです。

 今後ともどうぞよろしくお願いいたします。

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August 10, 2007

アバクロ日本進出は2009年後半

 8月9日の繊研新聞にアバクロこと米アバクロンビー&フィッチの日本1号店は2009年後半、銀座に決定(賃貸契約)したとの記事が掲載されていました。

 これは8月7日付けアバクロプレスリリース記事を受けて書かれた記事のようです。

 以前のニュースでは、07年が延期になり、その後2008年後半をメドに日本進出という話だったと思っていましたが、イギリス、ロンドンでの出店後、これからイタリア、フランス、ドイツ、スペイン、デンマーク、スウェーデンなど欧州出店に力を入れることを7月に発表していましたので、日本はそれが一段落した後、翌年の09年後半進出ということのようです。

 ちょっと日本ではアバクロ熱も以前ほどではないので、2年後の09年後半ということで、どうなるでしょうか。

 09年後半と言えば、ちょうど、H&M、ZARAが08秋~09春夏にかけてファストファッションブームを巻き起こして、ファッション価格革命の最中だと思います。そんな洗礼を受けた日本の生活者に対して、どんなプライシング(価格設定)で来るかが見ものです。

 しかしながら、アバクロの売場演出はものすごく魅力的でアメリカでも超一級だと思いますので、日本進出によって日本の生活者の目を肥やし、国内の日本ファッション企業のレベルアップへの良い刺激にもなりますから、楽しみにしたいと思います。

関連エントリー-アバクロ日本進出延期
関連エントリー-アバクロ日本進出へ再始動

【追記】
検索エンジン経由でいらっしゃる多くの方に、このエントリー後に書いた米アバクロを取り巻く環境に関する記事をご紹介します。

関連エントリー-米アバクロ社が海外出店を加速
関連エントリー-アバクロンビー&フィッチが、RUEHL(ルール)業態を閉鎖
関連エントリー-アバクロが銀座にオープンするアジア1号旗艦店の開業日は12月15日

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August 09, 2007

ユニクロのファストリ、米バーニーズ買収を断念

 ユニクロを展開するファーストリテイリングは、8月9日、米バーニーズの買収を辞退すると発表しました。

 たまたま出先で観たテレビ東京の株式ニュースで知り、ホッとした気持ちと口惜しい気持ちが入り混じった思いがしました。

 ファストリIRニュース

 ファストリが3日に提示した9億5000万ドルに対し、ドバイの投資会社イスティスマール社が8日、買収提示額を9億ドルから9億4230万ドルに引き上げ、バーニーズニューヨークのオーナー、ジョーンズアパレル社の違約金支払を加味してもイスティスマール社が優位に立った後、ファストリも買収価格引き上げの打診を受けていたようですが、辞退したものです。同社はメディアに、更なる引き上げ(違約金を加味しても優位に立てる9億7000万ドル)は、同社の考えるバーニーズの価値を超えるもの、とコメントしている模様です。

 2日前、ちょっと冷やかしながら、徹底抗戦を期待したエントリーをしました。辞退は冷静な判断と評価(発表前から断念すると見越した株価も終値前日比約10%アップ)されると思いますが、「やっぱりそうか」と残念な気持ちがしたものです。

 今の日本のファッション流通において、ユニクロ(ファストリ)ほどアカデミックで優秀な人材が集まっている企業はそうないと思っています。

 ファストリのバーニーズ買収提案のニュースを聞いた時、正直、心がワクワクして来ました。

 米バーニーズの日本での知名度、ポジショニング、規模からすると、「日本企業」が手におえない大きさや難しさではないと思いました。相手が日本のアパレル企業が実績の極めて少ない「海外」(先進国)という点を除いては。
 
 今回、ユニクロほどのエクセレントカンパニーが、これほど日本でもわかりやすい海外ファッション企業を買収して、コントロールする「ご縁」が無かったとすると、(国際的な投資という意味ではイスティスマール社の方が何枚も上手なんでしょうが・・・) ひょっとして、今後の日本のファッション企業が、M&Aも絡めたグローバルなオペレーションで国際的に活躍するチャンスは「夢」のまた「夢」なのではないか?少し無理してもチャレンジして欲しかったなと、大きな「夢」が遠のいたような思いがしたのが本音です。

 残念ではありますが、同社の経営判断ですから、同社の次なるチャンス、更なる飛躍に期待したいと思います。

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August 07, 2007

ファストリのバーニーズ買収は社運を賭けた大博打?

 8月3日にバーニーズ・ニューヨークの買収提案価格をドバイの投資会社イスティマル社に同額の9億ドルに引き上げられたファーストリテイリングが、同日中に再提案額を9億5千万ドルに積み増した、と各紙が報道しています。

 8月7日の日経新聞では、今後考えらるシナリオを図表で解説し、バーニーズニューヨークのオーナー、米ジョーンズアパレル社が設定した交渉期限である8月11日までに、両社が譲らなかったらファストリが価格を引き上げる機会が最大あと2回あることを示しています。

 記事中では、ファストリの株価が買収提案前に比べて7掛けになっているのを受けて、著名証券アナリストの方が「(ファストリは)国内のユニクロ事業に専念すべき」と指摘しています。株主は買収を歓迎していないとの見方です。

 ファストリの株価の下落については、確かにその要因も多少あるかもしれませんが、このところ、ブログでもよく取り上げている東証一部上場の勝ち組ファッション企業はユナイテッドアローズを除き、軒並み株価は今年の最安値を更新し続けています。

 これは、米国の株安に影響されての全面株安に加え、小売りチェーンの基礎体力を表す既存店売上前年対比が7月に軒並み9掛け(90%)またはそれ以上であったのを受けての話で、ファストリのユニクロも含め、3か月連続で前年を落としている企業が少なくないことが最大の要因ではないかと思っています。

 アナリストの方の意見は正論だと思います。私も、今のファストリの現状から、株主最適を考えたとき、国内で徹底的にユニクロのビジネスモデルとポジショニングを磨き上げることにフォーカスすることが優先すべき政策だと思います。また、ユニクロを去った優秀なテクノクラートたちも、もし、今同社で働いていたらそう考えるでしょう。

 2010年グループ年商1兆円の計画がなければ・・・

 今、世界のファッション流通を見渡した時、その期限までに、バーニーズニューヨーク買収ほど同社にとって、魅力的で、計画達成の大きな起爆剤になる案件は現れるでしょうか?否。

 ファストリ柳井会長は、逃した魚は大きかったなんて言い訳をしたくない人だと思います。何がなんでも取ると腹に決めているのではないでしょうか?
 
 まずは現地時間8月7日までに提出されるであろうイスティマルの提案に注目ですが、ジョーンズ社が業績不振を受けて、バーニーズニューヨークに限らずジョーン社そのものの買収も期待しているコメントをしていることもちょっと引っ掛かりますが・・・

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関連エントリー-ユニクロのファーストリテイリング、バーニーズ買収提案で逆転なるか

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August 06, 2007

先週の記事別アクセスランキング

先週1週間にこのブログ内でアクセスの多かった記事をランキング形式でご紹介します。業界でもっともホットな話題がわかるかも?

1位-ヴィレッジヴァンガードの店長候補育成法(07.08.01)

 コメント:ユニークな異業種の事例からも取り込めることが
      あるのではないでしょうか。

2位-三越、伊勢丹資本提携は誰のため?(07.07.26)

 コメント:業界の新旧勢力の交代を象徴する話でもありました。
      果たして結末は?

3位-H&Mの銀座旗艦店出店情報(07.07.13)

 コメント:三井不動産さんはこれを縁にH&M東京攻略の強い
      パートナーとなるのでしょうか?

4位-特許庁舎内で偽ブランド販売(07.07.28)

 コメント:ちょっとあきれたニュースでした。

5位-セール期と実需最盛期(07.07.25)

 コメント:昨今のファッションセール事情。

番外編-8月10日(金)、大阪にてファッションビジネスセミナーの講師務めます

 大きな会場を取っていただきましたので、まだ、多少空き席あるようです。大阪界隈の方、よろしかったらご参加ください。

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August 05, 2007

しまむら高田馬場店 開店1か月が経って

 8月4日の繊研新聞にファッションセンターしまむらが初めて山手線の内側に出店した高田馬場店開店から1か月を振りかえっての野中社長インタビューが掲載されていましたので興味深く読ませていただきました。

 記事によると、売場坪数は半分ながら、月坪売上は2倍強の20万円台と、都心の2階でこの坪数であればまずまずの出だしではないかと思いましたが、野中社長は、社内ではBランクの評価、3倍売らなければ面白くないと手厳しく、高い目標を語っていらっしゃいました。

 現状、同店では、夕方以降ピークにかけて強いヤング客層向けに、商品構成を柔軟に変化させたり、これからも伸ばせる余地はまだまだあるようで、今後が、楽しみな店舗ですし、他にも、さまざまな場所で客層に対応した都心店出店を展開されるされることを興味深く見守りたいと思います。

 気になる都心店の家賃については、「相場より少し安く、感謝している」とのコメントのみですが、一般的に月坪家賃の相場が3万円を超える同店のような立地は、それ以下に比べて格段に客数が跳ね上がります。

 郊外を主戦場とされている同社のようなフォーマットでは、さほど売れなくても儲かる仕組み、経費「率」のコントロールが身上だと思いますが、月坪効率が20万円を超える都心店では家賃比率がそこそこ高くても利益「額」で稼げてしまい、結果、十分な経常利益額および率をたたき出すことは多々あります。そんなうま味を実感されれば、同社の都心出店も加速することになりましょう。

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【第10位】↑up (07.08.05現在)

関連エントリー-ババに?しまむら?
関連エントリー-しまむら都心型店舗が月商1億円を売り上げた

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August 04, 2007

ユニクロが2990円のジーンズ販売を中止して、3990円・4990円に絞り込む

 8月4日の日経新聞に、ユニクロが今後、2990円の価格帯のジーンズの販売を止め、3990、4990円に集中するとの記事が掲載されていました。

 以前にブログでもコメントしましたが、ここのところユニクロのジーンズのクオリティの進化は目覚ましく、最近の3990、4990円の商品は正直、二大ナショナルブランドの8000円前後の商品に匹敵すると言っても過言ではないところまで来たと思います。

 ヴォリュームジーンズマーケットにおいて、ビジネスベースで、販売点数と金額ベースのバランス、あるいは商品回転と粗利益率のバランスである「交差比率」を考えた場合、この3990円や4990円の価格帯がもっとも「おいしい」価格帯の一つであり、その価格帯での最高品質を極めるに至ったユニクロの宣言をジーンズカジュアルマーケットのプレーヤー(企業)は相当の脅威と考えなければなりません。

 このニュースを聞いて、かつて、各社がユニクロにカジュアルウエアのマーケットでもっともおいしい価格帯である「1900円」を「かっ攫われた」悪夢を思い出す方もいらっしゃるでしょう。かつては、まだ、ユニクロのジーンズがナショナルブランドのジーンズに太刀打ちできなかったから、まだよかったものの、とうとうユニクロは、そこにまで切り込んできたわけです。

 自社の立ち位置を考え直すくらいくらいの危機感を抱かないと、ちょっと厳しいことになるんじゃないかと感じました。

 尚、ファストリ社は、今後、1890、1990、2990円の価格帯のジーンズについては、g.u.(ジーユー)での展開とするとのこと。

 ユニクロにはますますの単品品質の進化を期待したいと思います。

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 関連エントリー-ユニクロのジーンズの進化に感心

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August 03, 2007

アースミュージック&エコロジーで1年間無料修理・保証制度スタート

 7月31日の繊研新聞に、今、もっとも勢いのある会社のひとつであるクロスカンパニーが、8月1日より基幹業態の「アースミュージック&エコロジー」FCを含む54店舗全店で、全商品を対象に購入から1年間の無料修理をスタートするとの記事が掲載されていました。

 アースミュージック&エコロジーURLの関連ページ

 記事および関連ページによると、8月1日から全店で、商品購入者に対して、1年間無料修理保証する旨が記載された保証書またはレシートをお渡ししている模様です。

 この狙いを記事や行間から読み取ると、

○購入商品に欠陥があったとしても、店頭に苦情を言いに来る顧客は一部であり、ガッカリして、あきらめて、2度と来店されない顧客の方が多数と見て、少しでもこれらの顧客をつなぎとめようとする試み

○顧客からの品質クレームに対応する同社の接客技術のブラッシュアップ

○現在45社あると言われる仕入先との品質向上への共闘

 にあると思われます。

 記事によると、現在、1店舗あたり月2件程度の修理依頼が3倍に増える、売上高に対する0.1%が修理コストとみているとのこと。

 1年間品質保証が当たり前の家電製品のそれとはちょっと違って、アパレル製品の場合、メーカー側が中小企業が多いため、修理体制は十分ではありません。そして、むしろ、交換・返品が手っとりばやいとして対応し、そのまま仕入先に返品して終わってしまうケースが多いと思います。

 特に、近年多品種少量生産が主流となってきた業界の流れからすると、縫いなおしで対応できる修理ならともかく、家電メーカーのように修理パーツを含めて一定期間対応するということは、結構、ハードルは高いかもしれません。 

 単なる返品、交換ではなく、「修理」としたのは、品質問題を一過性のものとして処理するのではなく、逆に、面倒な方法を取ることによって、問題に根本的に向かい合おうという姿勢と解釈したいと思います。

 手工業製品であり、業界の品質基準のあいまいなアパレル商品の品質問題は「永遠の問題」ですが、CS(顧客満足)、ES(従業員満足)への取り組みの業界リーディングカンパニーである同社のチャレンジが、今後業界にどのような影響を及ぼすか楽しみにしたいと思います。

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August 01, 2007

ヴィレッジヴァンガードの店長候補育成法

 7月30日の日経MJに、驚異の76ヶ月連続既存店売上高前年クリアを続ける「遊べる本屋」ことヴィレッジヴァンガードの今後の多店舗出店に向けた店長候補育成についての記事が掲載されています。

 同社は、地域最低時給でも働く、サブカルチャー好きのパートアルバイトを3年半かけてようやく社員に登用するユニークな人事・採用政策で有名ですが、200店舗を越え、年間30-40店超の出店にあたり、さすがに、ここにきて店長の勤まる要員が不足気味になり、今期は、出店にブレーキをかけながら店長候補を育成するとに集中する模様です。

 もともと各店の担当売場ごとにアルバイトに発注(同社はいまだに各店が仕入先に直接発注するしくみです)から陳列販売までの権限を与え、商売人としての仮説検証と売場の工夫を実践させることによって人財育成をしてきた同社ですが、今後は

○担当売場ごとの売上高前年対比ランキング(全国および近隣)を開示することによって競争心を煽ること
○売上に悩みのあるスタッフの好調店舗への実地研修の実施

を強化し、店長候補スタッフを育成し、出店に備えるとのことです。

 前者はチェーン展開している企業であればよくある話ですが、後者が「ミソ」だと感じました。

 研修というと、新人のOJT研修やマネージメントクラスでも座学の研修は多くの企業で実施されていると思いますが、A店のスタッフがB店の店舗に一定期間「研修」に入るという制度を持っているところはそれほど多くはないのではないでしょうか?A店の店長は、自店のことでいっぱい、いっぱい、A店を空けてB店で研修を受けるなどの余裕はない、というのが現状だと思います。

 実は、私のクライアント先でも、この店長や店長候補スタッフの他店への「研修」を奨励、実施しているところがあり、一定の成果を上げていると思います。

○社内で実際に行われている成功事例を体感できる
○一緒に働くことによって、その後もお互い相談しやすくなる
○顔の見える目標、ライバルができる

がよいところではないでしょうか。

 ノルマを持たせて競わせる企業はいくらでもありますが、ノルマを達成する方法をきちっと授けている企業はどれくらいあるでしょうか?

 成功事例は社内にある

 それをベンチマークできる「学び上手」を育成すること、それこそが本部の本当の仕事ではないでしょうか?

 (余談ですが、チチカカは、今年5月にヴィレヴァンの子会社になっていたのですね。)

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関連エントリー-絶好調 ヴィレッジ・ヴァンガードに見る「商売の原点」
関連エントリー-ヴィレッジヴァンガードのアンチチェーンオペレーション

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