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June 14, 2008

ZARA(ザラ)に学ぶ顧客満足の真実

 6月13日の日経MJに、世界第2位のアパレルSPAチェーン、ZARA(ザラ)を展開するインディテックスグループが、年内に韓国、ウクライナに続き、エジプト、モンテネグロに進出して、進出先が72カ国・地域になることに関する記事が掲載されています。

 インディテックス同様、毎年二桁の増収増益の成長を続けるグローバルSPA企業、H&Mでも29カ国ですから、その飛びぬけた進出国の多さ、グローバル性には驚かされます。(ちなみにインディテックス(スペイン)の国外売り上げ比率は62.5%、H&Mのそれは92%です。)

 同社がそれだけの出店ができる理由はいろいろあると思いますが、やはり本国からどんな遠い国でも、商品を週2回、倉庫を出てから、72時間以内に店舗に空輸(DHL)で届けることのできるインフラを持っていることの強みにあることは間違いないでしょう。それから、世界には、スペイン語が通じるラテン系の国が多いことも参入ハードルを下げていそうですね。

 ところで、最近研究している課題のひとつに、サイズ欠品と顧客不満足の関係があります。

 ファッション企業では、「顧客満足(CS)」という言葉をよく使いますが、主に、接客対応(理念教育とテクニック)を良くすることやVMD(ヴィジュアルマーチャンダイジング)で解決しようという考え方が圧倒的に多いような気がします。

 私は、それを否定しませんが、いくら対応が丁寧でも、見た目が綺麗でも、お客様が「欲しいと期待した商品」が結局は提供出来ない状況を起こさないこともそのひとつだと思っています。

 たとえば、サイズ欠品がそのひとつです。

 お客様がディスプレーされている商品を気に入り、手に取り、店頭に自分のサイズがなかった時、販売スタッフにこのOサイズありますか?と聞きます。

 スタッフが、バックストックを探してもなかった場合、また、倉庫や他店にないか調べてくれなかった場合、あるいはその対応が悪かった場合、かなりの顧客不満足につながると思います。まあ、一回くらいならしょうがないと思うかもしれませんが、度重なるとその店には買いに行かなくなるかもしれません・・・

 ある研究論文によると、ZARA(ザラ)では、たとえば、XS-S-M-L-XLなど5サイズを展開する商品の場合、中心サイズのS、M、Lサイズが、S-M-Lの3サイズ展開の場合は中心のMサイズが歯抜けになると、そのサイズが補充されるまで、店頭フェースから全サイズを下げてしまい、バックヤードに一時保管、その間、その商品自身が顧客の目につかない状態にしてしまうポリシーがあるそうです。

 これは、

○顧客に期待をさせて、その後、がっかりさせない
○それに関連して、在庫を探す対応をする販売スタッフの作業を軽減する

という信念に基づく習慣のようです。

 この論文を読んだ時、正直、目からウロコでした。ZARA(ザラ)は、セルフ販売中心と言えども、そこまで考えていること、それにくらべて、品番は豊富でも、VMDの見た目は立派でも、サイズ欠品を野放しにしている企業は少なくないのではないか、と考えさせられたものです。

 私も、かつて、サイズの多い、シューズのバイヤーやジーンズなどの在庫コントロール、それに伴って週末の店頭販売をしていた経験があるので、サイズがなくて、店頭のお客様がガッカリされた顔、売り逃しをしたスタッフの悔しさ、痛いほどわかります。

 そんな店頭での現場体験が、当時、先回りしてサイズ欠品を起こさないための補充体制や店間移動運用への情熱、研究、実践に私を駆り立てたのではないかと思っています。

 ZARA(ザラ)では、その商品を一旦バックヤードに下げたとしても、店頭には、他に売る商品が豊富にあること、そして、あまり日数を空けずに、週2回(月曜日と金曜日)きっちり補充するインフラがあることなどが背景にあるとは思いますが、彼らくらいサイズ欠品問題解消に向き合う「勇気」、日本のファッション企業も考える必要がありそうです。 

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Comments

いつも拝見させていただいております。(前にもコメントさせていただきました)

>>セルフ販売中心と言えども、そこまで考えていること、

セルフだからこそ、本当はここまでして当たり前なんですよね。おっしゃるように在庫の確認や、取り寄せ等は、実はセルフではなく、お客様によっては、「サイズがない→じゃあいらない」で終わってしまっていることが多くあるんですよね。もちろんここで、接客をし販売につなげることがすばらしいのですが、最近のお客様は聞いたりすること自体をためらっているように感じます。(さみしいですが)
私は、セルフ販売、接客販売をどちらも経験してきましたが、もしかすると、セルフ販売においてお客様からしたら一番の顧客満足CSは、ほしいと思った商品のサイズを欠かさないことなのかもしれません。
逆に、接客販売では、サイズがない、色がない・・・ってところから販売員の腕の見せ所で、それでお客様に満足の提案が出来たときの達成感は販売に対するやりがいを感じたりもします。
セルフ、接客販売・・・お客様からしたら、実はどちらでもいいんですよね。また来たいなと思わせることが販売員にできるかってことだと思います。販売員(私はよく商売人と表現しておりますが。そのニュアンスが好きで)は、コミュニケーションのプロでないといけないですね。

日本上陸が迫ったH&Mは、お客様との距離感をどのようにするか楽しみなところですね。

Posted by: 親父 | June 15, 2008 at 04:30 AM

親父さん

このたびも実に本質にせまるコメント感謝いたします!

>接客販売では、サイズがない、色がない・・・ってところから販売
>員の腕の見せ所で、それでお客様に満足の提案が出来たとき
>の達成感は販売に対するやりがいを感じたりもします。

私も同じ経験をしてるのでとてもよくわかります。色、サイズがなかった時、「すみませんありません」で終わらずに、別のスタッフに他店在庫を調べてもらっている間、似寄の商品を数点持ってバックヤードから戻り、こんな商品もありますがいかがですか?とご提案することを信条にしていましたし、スタッフにもそう教えて来たものです。もちろん買っていただけないこともありますが、買っていただけた時の喜びは言葉では表せませんね。

>セルフ、接客販売・・・お客様からしたら、実はどちらでもいいんで
>すよね。また来たいなと思わせることが販売員にできるかってこ
>とだと思います。販売員(私はよく商売人と表現しておりますが。
>そのニュアンスが好きで)は、コミュニケーションのプロでないと
>いけないですね。

こちらもまったく同感です。マーケットの風を読む、店頭での空気を読む「商売人」でありたいものです。

これからもよろしくお願いいたします。

Posted by: taka | June 15, 2008 at 12:21 PM

ZARAは京都にもありますので、家内のお伴でたまに行きます。
こんなことをしているとは気が付きませんでした。
納得です。

Posted by: ほそD | June 16, 2008 at 09:23 PM

ほそDさん

いつもコメントありがとうございます。

この話は「企業の都合」ではなく、生活者がどう思うかを素直に受けとめ、「どうしたら」それを実践できるかに真摯に取り組んでいる同社の好例のひとつだと思います。

これからもよろしくお願いします。

Posted by: taka | June 17, 2008 at 07:04 PM

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