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March 22, 2009

ファストファッションとコリアンパワー

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 3月19日の繊研新聞に、アメリカカジュアル業界で活躍する韓国人や韓国系アメリカ人の「コリアンパワー」についての記者の方のコラムが掲載されていました。

 私も、アメリカでの1年余りの在住経験と数えきれないくらいの出張から、ユダヤ系、華僑、ラテンアメリカ人と並んで、アメリカのファッション、繊維業界の「現場」における韓国系のネットワーク、バイタリティにはいつも感心させられていたので、とても共感しながら、コラムを読ませていただきました。

 ブラック系ヒップホップブランド、プレミアムデニムブーム、アメリカ古着だって、彼らなくしては語れない、華やかな表舞台というより、裏方としてものすごく活躍しているのも特徴ではないかと思います。

 コラムにもあるように、ロスアンゼルスのダウンタウンは、韓国系アメリカ人が根を張る、世界の中でも指折りのファッションの一大生産拠点。綿素材、デニム、後加工技術、小ロット、クイックレスポンス・・・ファッション業界のアメリカンドリームを実現できるインフラがそれなりに整っているのも彼らのおかげ、といっても過言ではないでしょう。

 思えば、渋谷109(マルキュー)がブームになった時も、人海戦術で小ロット、短サイクル、ハンドキャリーデリバリーを行っていたコリアンパワーあっての話です。その後、韓国はコスト競争力がなくなったと言っても、「韓中(カンチュウ=韓国経由中国の略)」などの言葉にもあるように、韓国人の開拓者精神、バイタリティにあやかって韓国企業がコーディネートした素材を用いて、中国、そしてベトナムなどで生産を行っている現実もあります。

 東京が世界で最速のファッション発信地と言われるゆえんも日本という世界で2番目に大きなマーケットの舞台裏に、コリアンパワーの生産背景を抜きにしては語れません。

 韓国系アメリカ人夫婦が創業者のロスアンゼルスに本拠地を置くフォーエバー21の日本本格進出が目前となって、話題を呼んでいます。

 アメリカではまだ1000億円台の規模の非公開企業であるにもかかわらず、日本の業界で話題を呼び、マスメディアがこれだけ取り上げているのは、H&M日本進出から始まるファストファッションブーム第2幕というタイミングもあるのでしょうが、西海岸でフォーエバー21を見た業界の方々が、その向こうに、コリアンパワーへの親しみもあり、末恐ろしさも感じているのかもしれません。

 そんなことを考えていて、ふと、面白いなと思ったのは、グローバルSPAの生い立ちと明らかな生産背景の違いです。

○GAPは、世界最大マーケットであるアメリカのバイイングパワーを背景に、世界中から安価で良質なコットン素材製品を集め、アメリカ国内で大量販売した。

○ZARAは欧州ファッション業界の下請けだった自国スペイン、地中海沿岸近隣地域の生産背景を強みに、自国を中心とした完全無欠の素材、製品、店頭までの一気通貫モデルを構築し、世界中に張り巡らされた空輸インフラによって、彼らの商品は世界中のどこにでも72時間以内に届けることができる。

○H&Mは自国が小さかったからこそ、世界中の適地で作り、世界中の有望マーケットに売ることを考え、ある意味、背負うものはないグローバル企業の典型。

○ユニクロは日本という大きなマーケットと世界の工場、中国に近いという地の利を活かして、じっくりと日本企業の十八番、品質向上に取り組み、世界に売って出ようとしている。

そして、

○フォーエバー21は、韓国系の人々が歴史的にアメリカという大きなマーケットで築き上げたファストファッションの生産インフラを背景にアメリカで急成長、世界に向けて勝負をしかけ始めた。

 そんなグローバルSPAたちと日本のファッション企業はどんな形で競うのか・・・海外企業にはローカルトレンドはわからないから大丈夫、で済まされる問題ではなさそうです。 

 この春、原宿を舞台に繰り広げられる東京ファストファッション戦争第2幕、そんな風に見ても面白いのではないでしょうか?

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Comments

Forever21はコリアン人脈を生かして米国でBOAとタイアップしていますね。彼女の米国デビュー、日本進出の両方を兼ねた戦略?それぞれのグローバル企業のマーケティング線戦略も多彩で興味があります。

Posted by: R | March 23, 2009 10:14 AM

Rさん

コリアンの止まることないバイタリティ、国際性、それらを高度経済成長後、忘れてしまったのかと思われる日本人に、欧米勢の本土上陸はどんな刺激になるでしょうかね~。

Posted by: taka | March 24, 2009 12:29 AM

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