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March 04, 2010

「ポイントモデル」とグローバルSPAとの競合

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 一昨日からのポイントの石井社長の突然の退任のニュース、報道は複雑な気持ちで受け止めておりました。

 3月4日の繊研新聞、同社を長年取材されている担当記者の方の見方が最も詳しく、的を得ているのではないかと思いますが、成功ビジネスモデルに磨きをかけようという非同族社長と世界も視野に入れたあくなき変革、成長を求める創業家との進め方の思惑の相違、というファッションに限らず、ビジネス界の「永遠のテーマ」を痛感します。

 2000年以降、これまでのポイント社の成功があるのは、石井社長がリードした「ローリーズファーム」ブランドと、同じく、等身大MD、店頭起点で、商社ODMをフル活用するファストSPAモデルの確立によるところは誰もが認めるところではないでしょうか。=11期連続増収増益

 これまで、ひとつのブランドや業態が、カリスマデザイナー、MD、あるいはバイヤーによる、属人的な人海戦術オペレーションで、30店舗くらいが健全な出店の限界だった、それがあたかも常識だった?ファッション業界において、

 ○服好きによる程よいファッション感性
 ○愚直な商売人のDNA
 ○チームワークによる科学的アプローチ

 の3拍子で1業態で100店舗や年商200億円を超える出店にも耐えうるしくみ、ひとつの「ビジネスモデル」を確立したと言えます。これはローリーズファームだけでなく、グローバルワーク、ジーナシス、レプシィムなどにも応用できているので、ある意味、普遍的なモデルと言って間違いないでしょう。

 そんなファッションビジネス史に残る、そして、後世にも伝承してゆくべきビジネスモデル=「ポイントモデル」(あえてそう呼ばせていただきます)は、石井社長が率いた「チーム」の功績と言っても過言ではなく、業界は大いに敬意を表すべきだと思います。

 そして、これからファッションビジネスで「上」を目指そうという企業の方は、この「ポイントモデル」をしっかりベンチマークするべきでしょう。

 一方、中期計画、12年2月期で年商1150億円が射程に入ったというポイント社自身の今後の課題はグローバルプレーヤーとしての生き方です。

 よく業界で、プロダクトアウトかマーケットインか?先行企画型か売れ筋追求型か?とか、"All or Nothing" 的に語られるのを違和感を持って聞いていますが、そんな発想でいたら、いつになっても「竹槍」の域を超えられず、H&MやZARAなどのグローバルSPAに敵うわけがありません。

 彼らの強さは常に因数分解して考えるべきです。

 A 1年がかりのトレンドマーケット並みのクリエイション
 B 半年がかりの品質を重視したベーシック商品の生産
 C マーケットの変化に機敏に対応する射程30-40日以内のファストオペレーション

 彼らは、大きくわけてこの3つのオペレーションのすべてを持っており、それらと複数のテイストとの掛け算で、数十にもなるMDが「大型店」で共存し、粗利ミックス、回転率ミックスしているところに彼らの本当の強みがあると思っています。

 「ポイントモデル」も、そして、マルキューモデルも、このCに対しては、少なくとも日本ローカルであれば断然優位性があると思いますが・・・

 今後、日本のファッション企業は、従来の20坪ー40坪という売場面積内で、そのCに磨きをかけて行くか?あるいは、大型店で、いかに複数のCに磨きをかけながら、別オペレーションチームでAとBを並行して走らせ、トータルのMDミックスで顧客を魅了するか?

 ひとりの人、ひとつのチームに、「リズムの違う」すべてを求めるところにいつも過ちが起こります。

 今後、日本のファッション企業が強豪グローバルプレーヤーと相対してゆく上で、是非とも考えていただきたいところです。

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Comments

だいぶ過去の記事で恐縮です。
教えていただきたいのですが、
「グローバルSPAは、粗利ミックス、回転率ミックスしているところに本当の強み」とのことなのですが、
ここでおっしゃる「ABC」では、どの商品群が高粗利となるのですか。

おっしゃるとおり、グローバルSPAの店舗では、トレンドとの距離感や販売スパンの違う(であろう)商品がMIXされていますが、
どの部分が大きく利益を稼ぎ出す商品群なのでしょうか。

Posted by: aya | September 22, 2010 at 03:06 PM

ayaさん

一般的には、A、B、Cの順でしょう。

よく陥る話としては、Bは「定番」なので儲けたいところですが、競合店にも近い商品があるので、原価率高くなっても「値ごろ感と品質で勝負」が基本です。

Cは当たりはずれがあるので、不安定ですが、射程短く、売り切れ御免で、きめ細かくマネジすれば、値下げ率低く、実現粗利率(歩留)は高くなる可能性はあります。

Posted by: taka | September 22, 2010 at 06:57 PM

takaさん

有難うございます。

日本のマスコミからファストファッションと取り上げられながら、実はベーシックな定番商品が売れるところが、
外資系SPAの妙ではないかと思っていたのですが、
価格がかなり押さえられているものもあり、うまみがあるのか、単に客寄せなのか、と考えておりました。

勉強になります。

Posted by: aya | September 24, 2010 at 09:18 AM

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