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April 03, 2010

ソウル東大門(トンデムン)から学ぶマーケット変化対応力と業界の未来

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 ソウル2日目から3日目にかけての深夜(23時から翌朝6時くらいまで)、「眠らないファッションマーケット」と言われるファッション卸市場、東大門(トンデムン)南側の市場や専門店ビルを歩いて回りました。

 これらの市場、卸専門店は、もともと韓国国内の小売業向けの製品卸から始まったため、顧客である専門店のオーナーが営業を終了した後に仕入れに来ることができるように、夜8時くらいから本格的な営業が始まり朝の5-6時くらいまで営業していたもの。その後、卸がメインではありますが、時代の変化、生き残り策として、観光スポットとして観光客も受け入れ、1枚、1点からの一般小売をするところがほとんどになっています。

 卸に比べ、当然1枚買いは高くなりますが、プロから見ても、少なくともカジュアルファッションであれば、申し分ないトレンドのキーワードを踏まえた商品、附属、アクセサリーが揃っているので、観光客でなくても、ファッション好きな韓国の消費者も友達と連れ添ってやって来ては、安いものでは、日本円にして、1000円や1900円といったポピュラープライスで買うことができるものもかなりあるため、深夜営業でも人気のスポットになっているわけです。

 日本のファッション専門店のバイヤーも、リードタイムの長い中国生産と併用する形で、この界隈で「現物」を買い付けたり、いわゆる別注(量産注文)をして、数週間といったQR(クイックレスポンス)で納品してもらって、めまぐるしいマーケットトレンドの変化に対応している方も少なくありません。

 かつて、渋谷109ブームの第1世代(90年代)の方々が、このフットワークを利用して一世を風靡したことはあまりにも有名です。その後、同じ機能を求めて、さらに安い中国広州の市場に移って行ったバイヤーも多いですが、機能を切り分けて考えれば、今でも日本のバイヤーの強い味方になっていると思います。

 日本にも大阪の船場や日本橋の馬喰町のような、いわゆる問屋街は昔から存在しますが、今でも東大門系の連中がしっかり生き残っている要因の違いを簡単に言うと、

・厳しくなる専門店卸だけに固執せず、一般消費者も取り込む工夫と情報収集に励んだ

・韓国製の値段が合わなくなって来るや、中国や東南アジアなど、値段の合う生産地(奥地)に入り込んだ

・同じビジネスモデルをアメリカ西海岸ロサンゼルスに持ち込んで展開する起業家も少なくない

 既存の流通慣習の中で、昔ながらのバイヤーとともに没落してゆくのではなく、

 持ち前の商魂とネットワークとフットワークを活かして、情報武装をしながら、「前へ前へ」と「奥へ奥へ」を実践したからに他ならないでしょう。

 その動きが、結果、ソウル東大門というローカルに居ながらにして、日本他海外のバイヤーが重宝して集まってくるほどのものになっているのが実情と言えます。

 そんな形でグローバルに考えれば一攫千金もありうるわけで、日本に比べて若い世代がこのビジネスから離れていっていないように感じます。

 もうひとつ、今回感じたのは、この従来の生産卸機能だけではなく、韓国国内のデザイナーや起業家たちがこのインフラを使って、小売および卸ビジネスを比較的容易に始められる環境が整っているということです。

 彼らの中から、将来、コレクションデザイナーが生まれるかどうかはわかりませんが、この流れが世界のファッション専門店向けのODM(メーカー側が企画提案をして生産し、専門店側のブランドラベルをつけて商品を納品する)ビジネスを支え始めていることは間違いありません。

 フォーエバー21の成長の中にその潮流を感じます。

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