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January 07, 2012

アパレル型SPA(製造小売業)と小売り型SPA

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 繊研新聞が新年から連載しているインタビュー記事 「12年こう攻める 大手アパレルトップに聞く」。各企業トップのコメントを興味深く読ませていただいております。

 1月5日付けは、ワールドの寺井社長のインタビュー記事、そのコメントの中で、特に気にとまったのは、同社が、今後、本格的にアパレル型SPAから小売り型SPAに舵を切るというところでした。

 もともと専門店向け卸事業で創業、成長した同社は、1990年代以降、それまで培って来たノウハウ、すなわち売りっぱなしではない、専門店に対する販売コンサルティングをベースに、百貨店向けアパレル型SPAとして、百貨店内でも直営店の運営に乗り出し、成功を収めます。

 同社が、アパレルメーカーが直営店を持ち、店頭から企画生産までをコントロールする、いわゆるアパレル型SPAモデルの「さきがけ」であったことは多くの方が認めるところではないでしょうか?

 そもそもSPA(製造小売業)化は大きく分けて3タイプ、

 1.小売(専門店)型SPA・・・専門店が自ら商品開発を始め、SPA化したケース
 2.アパレル型SPA・・・アパレルメーカーが直営店を運営し、SPA化したケース
 3.工場出身SPA・・・製造メーカーが直営店を展開し、SPA化したケース

 のいずれかにあたると思われます。

 例を挙げると1はユニクロ、ポイント、GAP、H&Mなど、2はワールド、サンエーインターなど、3は稀ですが、ZARAのインディテックスグループあたりになります。

 寺井社長のコメントは、そんなアパレル出身SPAであるワールド社が現在、ブランドを中心に本部が意思決定をしていた体制を、店頭が事業計画を立て、意思決定をする組織・運営に切り替え、小売型SPAに転換する準備が整ったという趣旨のものでした。

 卸からアパレル型SPAへの変身を果たしたワールド社が考える「小売り型SPA」への転換、第三の創業期と位置付ける今後に、どんな成果が出るのか?とても楽しみに思います。

 いい機会ですので、実際、実務体験として、商社から始まりアパレル卸(約3年)と小売(約5年)を経験し、クライアント企業にアパレル型SPA(以下前者)と小売型SPA(以下後者)の両方をそれぞれ複数社持つ立場からそれぞれの文化、運営方法の違いを思いつくままに、挙げてみたいと思います。

1.組織・キーパーソン
              
 前者は「ブランド」を管理する本部のマーチャンダイザー(MD)やディレクターを頂点とした組織に対し、小売り型SPAは「各店舗」の店長がキーパーソンであり、店頭での売上最大化を本部がどうサポートするかを考える。

2.発想のサイクル

 前者が、シーズン(半期)計画ありきで、月次予算達成を見ているのに対し、後者は日割り予算を積み上げた毎週の週予算達成に神経を尖らす。

3.商品開発

 前者は、どんなプロセスを踏まなければいい商品ができないのかを知っているのに対し、後者は、頼めばベンダー(仕入先)が何とかしてくれる、という思いがある。

4.商品管理

 前者が、追加生産はあるものの、原則シーズン単位の計画生産に基づき、売り減らし、「消化率管理」をするのに対し、後者は、種蒔き、買い増し、買い足し、早期見切り、「在庫日数(あるいは週数)管理」を行う。

 ⇒週の気づきは・・・前者は、「来期からやってみようか?」、後者は「すぐやってみよう」

5.値下げに対する考え方

 前者は、正価で売るプロパーとセールに分けて管理するゆえに、死に筋の対処が遅れがちなのに対し、後者は、その境目はさほど気にせず、売上を上げる、顧客が支持する価格はいくらか?期限内に売り切る、売れないものは早期に見切って「立て直しを図る」ことに貪欲である。

6.店頭と本部の温度差

 後者は、本部に店舗出身の方が多いので、前者に比べると店頭と本部に温度差が少なかったり、それゆえにフットワークが良かったり、店舗の人材を育てるというマインドが高いところが多い。

 少し小売り型SPA寄りのコメントになりましたが(ごめんなさい)、それぞれに強みがあり、いいところ、お互い学ぶべきところがあると思います。

 現状、業界を見渡すと、確かに、小売り型SPAの方に勝ち組企業が多いようですが、これからどんな企業が顧客に支持をされて勝ち残るのか?楽しみに見守って行きたいと思います。

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 執筆: ディマンドワークス代表 齊藤孝浩
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