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July 31, 2012

当日配達・送料無料

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 7月31日から日経新聞で始まった、「競うネット通販」という連載記事を興味深く読ませていただいております。

 1回目のテーマは、配送。 

 小見出しには 「当日・無料・・・配送の常識変わる」 のフレーズ。

 ご存じのようにアマゾンがリードして次々に変える通販ビジネスの常識の数々。

 配送サービスに関するゴールは、ブログタイトルにあるように 「当日配達・送料無料」

 業界はこのキーワードに向けて全てが動いていると言っても過言ではありません。

 最近、このテーマに関する新聞や雑誌の記事は必ず目を通し、消費者としては、便利になることを歓迎しながら、いやはや、すごいことになっているな~とも思います。

 いつも思うのは、この件に限らず、競合他社の後追いや、かかるコストのことばかり気にして、顧客の消費行動、購買心理の視点から先を見通せない会社は、今後も常に後手に回り続けるか、ただの経費倒れに終わるだろうなということ。

 そして、EC、通販業界の進化、競争の話ではなく、この話は、リアル店舗を含めたお買いものや消費の近未来を考えさせられる問題だとも感じます。

 顧客は欲しい!と思ったものは、待てない、すぐに手に入れたい。

 より快適に、よりスマートに、スピーディーに、提供できた企業が支持をされる、ヘビーユーザーになって行く・・・

 これから、ECがどんどん便利、快適になって行き、リアル店舗でできないことも次々と実現して行くことでしょう。

 そして、顧客にとってみれば、同じお買いものことですから、ECもリアル店舗も境目はなくなり・・・

 リアル店舗でいままでやっていなかった、サボっていたサービス、制度、習慣に関しても、当たり前のように求めて来て、対応が迫られるようになるのではないかと見ています。

 VMDよろしく、店頭でいくらきれいに、魅力的に商品を陳列しても・・・欲しい色、サイズが欠品していたらNG

 お取り寄せに数日かかるなんてNG

 その気にさせるんだったら、最初から、ちゃんと店頭に揃えておいてよ、ネットならいつもあるのに・・・

 商品がいくら素敵でも、どんな素晴らしい接客でも、その場に在庫がなければすべては水のあわです。

 リアル店舗には、リアルならではの接客、体験がある、なんて、もう精神論だけじゃいけないと思います。

 ECが進化しているのに、リアル店舗もロジカルに進化しなければ・・・

 ちゃんと在庫を把握する、もう店頭の在庫欠品状態を放置しない、補充できないならタイムリーに在庫集約する、できないものは、店頭で、iPadのような携帯端末で画像と在庫状況を見せながらご案内し、その場で決済し、ご自宅に直接お届けするなど、ECとの連携も必要かもしれません。

 そんな具合に、リアル店舗も進化をして行かねば・・・
 
 ECの進化を見るたびに、リアル店舗には関係ない、とは思えない、その先に顧客が求めてくるであろう、カイゼンを思いめぐらす今日この頃です。

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July 24, 2012

客数減と客単価増

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 7月21日の日経新聞に、大手百貨店が都心分の主力店舗に行う大型改装投資に関する記事が掲載されていました。

 記事にあった主な例を引用すると

 ・東武百貨店池袋本店 91億円
 ・伊勢丹新宿本店 100億円
 ・高島屋横浜店 140億円
 ・そごう横浜店 40億円
 ・阪急うめだ本店 10億円
 ・松坂屋名古屋店 46億円

 などなど、

 百貨店売上高上位5社の2012年度の設備投資は合計1249億円と前年度比5割増。

 改装のねらいとして、

 ・ 高額消費好調を受けた高級ブランド売場の更なる導入
 ・ コト消費に関する新しい需要の創出

 一方で、目先の投資回収のために詰め込み型の売場にするというよりは、むしろ

 ・ 売場面積を減らし、ゆったりとしたスペースを設け、年々減少一方の客数に時間消費をしてもらいながら、ゆっくりお買いものをしてもらい、しっかり単価を落としてもらおう

 などの各社のコンセプトが紹介されていました。

 記事にもあるように、

 都心部の百貨店は、海外からの観光客の需要をしっかり取り込むとともに、バーゲンハンター、チェリーピッカーよりも顧客さんとの関係をいかに深めるか?

 一方で、

 都心近郊、地方の百貨店では集客力のある専門店を館に取り込んでワンストップ型のSC化

 が百貨店生き残りの大きな流れのようですね。

 また、7月23日の繊研新聞の1面にも百貨店の最近の客数減、客単価増傾向に関するアンケート記事が掲載されていました。

 これは百貨店に限らない話で、直面している問題は勝ち組と呼ばれる専門店の既存店にも言えることですが・・・

 国土が狭い日本のマーケットにおいて、成長中の勝ち組専門店とて店舗を増やせば増やすほど、既存店一店舗あたりの商圏が小さくなるのは必然です(競合激化、自社内カニバリズム)。

 そんな一店舗あたりの商圏が小さくなる中、小売業がしなければならないことは、

 ひとりのお客さんにより多く「数量」を買ってもらうこと、すなわち

 ひとりあたり年間購買数量、金額を高めること

 に他なりません。

 具体的に言うと、

 1)来店頻度と買上頻度を高めること

 2)一回あたりの買い上げ点数(セット率)を増やすこと

 に尽きます。

 この2つが成長期から成熟期に入る局面の専門店の最重要経営課題と言っても過言ではありません。

 ここのところ、新聞紙上で、特に百貨店関係の話に多いのですが、

 客数は減ったが、客単価が上がってきた

 というコメントや記事をよく見かけます。

 この議論をする時に注意しなければいけないことは・・・

 ・客単価がどのように上がったのか?

 客数減というマクロトレンドの中で、

 ・客単価をどう上げて勝ち残るのか?

 という客単価の中身の議論です。

 売上高= 買上客数 x 客単価(一品単価xセット率)

 この客単価の中身が語られることがほとんどない(汗)データが取れないのなら、しかたありませんが・・・取っていないなら、これからは取った方がいいです。

 なぜなら、それがお客さんの購買行動そのものですから。

 百貨店に限らず、ファッション業界は、客単価の話をすると、「高いもの」、「いいもの」を売ろうとする傾向があります。つまり一品単価を無理に上げようとすることが多いです。

 理由は、客数が減っているから単価を上げなければ売上が取れないというものと、バイヤーが「いいもの」を扱いたいからです。

 しかし、一品単価の上昇はセット率と買上客数と反比例しますから・・・一品単価を上げると、ますます、客数は減り、一回あたりにお客さんが買うことのできる数量は減るということになります。

 決して安いものをたくさん売りなさい、と言っているのではありません。

 自社の収益を支えている顧客が商品分類ごとに期待している価格(プライスポイント)を明確にして、その価格は上げずに、その商品の価値を高めることを推奨しているだけです。

 そして、来店頻度を上げ、一回あたりの買い上げ点数を増やすために取り組むべき課題は、「高くていいもの」にフォーカスするのではなく、

 ○ いままでよりも高頻度でタイムリーに新しい商品を提供すること、

 そして、

 〇顧客のライフスタイルにより深く入り込み、生活を豊かにするための品ぞろえの拡充すること

 ではないでしょうか?

 そう考えると・・・

 ヒントは、同業他社ではなく、顧客のライフスタイルの変化と異業種成長企業の中にあるはず。

 視野を広げれば、まだまだいろいろアイデアは出てきそうです。

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July 20, 2012

100円ショップ、ダイソーが欠品防止のために300億円の物流投資

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 7月19日の日経新聞に100円ショップ最大手の「ダイソー」を運営する大創産業が、今後3年間に総額300億円をかけて物流拠点の整備に着手することに関する記事が掲載されていました。

 記事によれば・・・

 現在、国内に約2600店舗、海外28カ国・地域に600店舗を展開し、年商3415億円(2012年3月期)のダイソーは・・・

 これまで、日本国内に関しては、全国の店舗への配送を本社のある広島県内の物流倉庫に集中させており、店舗からの発注後、各店への商品補充のリードタイムは、最短2日から最長で1週間かかっていた模様。

 百均の同業のみならず、コンビニ、GMS、ホームセンターとの競合が激化し、「100円均一」の価格の優位性が薄れる中、

 頭打ちとなった既存店の売上アップのテコ入れ策として、全国どこでも2日以内に商品補充ができる体制を整え、品切れ状態を極力回避することによって、売り逃しを減らし、売上を安定、向上させようというのが今回の投資の目的です。

 具体的には、

○国内9か所のエリアに店舗からの出荷指示に対応した自動倉庫を配置し(2012年毎年3拠点づつ)、

○中国上海の世界向け物流を再整備した上で(2013年)

○上海から国内9か所のエリア物流に向けて直接商品を送り込むことにより

○エリア物流から各店への商品補充を品切れの無いようにタイムリーに行いながら、国内運賃などの物流経費を削減する

 というものです。

 またその後、東南アジア向けにはマレーシアに、北米向けにはロスアンゼルスにローカルDC(倉庫)を建設することも検討しているようですね。

 このスケールになると、本格的なグローバル企業の物流戦略、ちょっとワクワクして来ますね。

 物流投資に3年間で300億円!さすが、日本を代表するグローバル展開企業、物流投資額もハンパなく大きいなと思いながら、

 いままで、同社がこの規模になるまで、大手流通企業の割に、基本的な物流対策が整備されていなかったことも意外な感じもしました。

 (そう言えば、クリアファイル欠品している時が多かったな~)

 異業種ではありますが、「ダイソー」という身近で親近感のある流通企業の記事を読みながら・・・

 あらためて、売上確保のみならず、来店されたお客さんをがっかりさせないように・・・店頭で売り逃しをしないための在庫コントロールや物流対策は大切だと思いました。

 これは規模の問題でもありませんし、物流やシステムに多額のお金をかければよい、という話でもありません。

 要は、店頭での販売機会損失とともにお客さんががっかりする姿を見ることを放置せず、そうならないために、どんな対策を打つか?という企業の姿勢の問題だと思います。
 
 既存店の売上の安定、増収には奇策はなく、1にも、2にも安定的な商品供給(在庫)、欠品をさせないための体制を整えることに優ることはない、ということは小売業関係者なら誰もが納得ゆくことではないでしょうか?

 いくら素敵な売れ筋商品を開発しても・・・心に残る接客をしても・・・

 商品が欠品だらけでは、販売員さんの努力も浮かばれませんし、もちろんお客さんはご満足はいただけませんからね。(当然、お客さんは商品がある競合店で買います)

 売上の伸び悩み、あるいは売上減の要因を、「最近、デフレでお客さんは買わなくなったから」、とお客さんのせいにする前に、まず自店の品ぞろえ、欠品を疑うべきでしょうね。

 ファッション、アパレルSPAの世界では、ここのところ、多くの企業が、そこそこ自動補充体制が整い、デイリーデリバリー(毎日補充)が常識になりつつあり・・・

 あたりまえになってしまったために、逆にありがたみすら感じられなくなってしまっているような気もします。

 誰でもできることはむしろ機械に任せた方が速い、一方で、しくみにまかせて安心してしまい、考えなくなることも怖い・・・

 いざ、ふたを開けてみると、思い通りに機能しておらず、意外と各所で欠品が発生して、売り逃しをしていることも少なくないことにも気づきます。

 それは、もともとの設定が見込み違いだったり、環境が変わっているのに、過去の習慣で数値を決めていたり、また、店舗は生き物ですから・・・当シーズンに入って、複数の店舗が想定外の売上を見せることも少なくありません。

 状況に応じて、舵を切ることは機械にはできません。機械(システム)にやらせるにしても、設定を変更できるのは、商売人センスを持った皆さんだけです。

 販売機会損失対策は永遠であり、終わりはありません。

 自社でカイゼンできる欠品対策は無いか?常に見直すことで、既存店売上の打開策は見つけられると思います。

 そしてそれは、業界問わず、小売業にとって、毎年見直すためのスペシャリストが社内にいてもおかしくないくらいの重要な経営問題のひとつだと思います。

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July 16, 2012

米オールドネイビー(OLD NAVY)のリーズナブル価格に好感、ただし多店舗出店に課題も

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 7月12日に、米GAP社の低価格業態、OLD NAVY(オールドネイビー)がお台場ダイバーシティに日本1号店を開業しました。

 とても楽しみにしていましたので、先週末にさっそくお店を覗いてきました(感想は後半部分で)。

 オールドネイビーは、各メディアが報道されているように、GAP社の中では、GAP業態を売り上げで上回り、米国最大のカジュアル衣料専門チェーンということになりますが・・・

 ランジェリー、ホームファッションを含めたファッション専門店の売上ランキングでは、LIMITED BRANDS社のVictoria's Secretが米国最大、OLD NAVYは2位となります。

   業態名        店舗数 米国内年商(2012.1期末$=¥76.7換算)
 Victoria's Secret   1,017 約4,600億円(※)
 OLD NAVY        1,016   3,564億円 
 GAP            1,043  2,478億円  

 ※ VSは、カナダ込みの公表売上高からカナダの推定売上高を差し引いたもの

 最近、複数のTV局の方からオールドネイビー日本上陸に関してお問い合わせを頂きました。

 その際、お話ししたことを含めて、今回のオールドネイビー上陸の背景をみなさんと少し整理、共有しておきたいと思います。

 業界には今更という方もいらっしゃいますが・・・私は今回の上陸、それなりに意味があると思っています。

 まず、オールドネイビーがこのタイミングで日本に上陸したのにはいくつかのGAP社自身の事情があります。

 ひとつはアメリカのGAP社が米国内で成熟期からリストラ局面に入っており(只今進行中)、数年間連続で店舗数減、売上高前年割れの状態。ついては同社最大業態であるオールドネイビーの国際展開が必要とされていたこと。

 もうひとつは、GAP社が国際事業で最もうまくいっていると言ってもよい、日本市場において、GAP業態の出店が頭打ちになったことによって、日本市場深耕にあたり、バナナリパブリックに続いて、オールドネイビーの投入が必要であったこと。

 あたりが挙げられます。

 GAPの出店が日本で約130店舗あたりで頭打ちになった理由は、みなさんもお感じかと思いますが、同業態の日本でのポジショニング戦略にあります。

 GAPは日本上陸時、百貨店出身の方々が水先案内人であったり、

 当時の舶来ブランドの常套手段である、希少性を出しながら(上から)よいイメージのブランディングを行う目的があったり、

 はたまた、実際に事業が持続できる損益モデル作りをしなければならない観点から

 アメリカよりも値段の高めの少し高級感のあるブランドとしてポジショニングをした、あるいはせざるをえなかったいきさつがあります。

 ちなみに

 GAPのアメリカでのプライスポイント(最多価格帯)は$39.95 日本では6990円あたりでしょうか

 そうすると、内外価格差は、$=¥100で簡易計算して、1.75倍ということになります。

 全品20%OFFセール時に内外価格差は1.4倍内に収まり、半額セールになってようやく内外価格差がなくなります。

 アメリカのGAPでお買いものされていた経験のある方の多くは、贈答用はともかく、ご自宅用には、私も含めて値下げを待ってお買いものをするのが常になっているのではないでしょうか?
 
 もっとも、3割くらいは日本オリジナルといいますから、すべてにおいて内外価格差があるというわけではありません。ある意味日本にあわせたライセンスブランドと考えたら、そう目くじらたてることもないのかもしれません。

 GAPが日本での価格を高めに設定せざるを得なかった理由のひとつに、アメリカの家賃の相場と日本の家賃の相場の大きな差があると思います。

 GAPの財務諸表(FORM10K)に目を通すと、同社の粗利率は40%またはそれ以下、販売管理費率は26%-28%になり、そのうち、家賃比率は8%になります。

 GAP業態の米国での一店舗あたりの平均売場面積約289坪に対して、平均月坪売上高は76千円(一店舗あたり平均年商263百万円)、家賃比率8%とすると、月坪あたり、6千円程度しか家賃負担がないことになります。

 売上家賃歩合8%、月坪家賃6千円の物件・・・なかなか日本の好立地にはありませんね。

 GAPが日本の価格を高めに設定せざるを得ない理由は日本の家賃の高さにあるわけです。

 これは、アバクロのように粗利率を60%以上もとっているファッションチェーンは例外として、

 粗利率の相場は、40%前後またはそれ以下で、アメリカ国民に「バリュー」を提供するアメリカのチェーンストアの使命、常識からすれば、この日本の家賃問題はアメリカからの日本上陸組、F21、アメリカンイーグル含めて多くの企業にあてはまる話です。

 今回上陸したオールドネイビーの内外価格差を試算してみたところ

 アメリカのプライスポイントは$19.95に対し、日本のプライスポイントは1990円あたりにありそうです。

 $=¥100で簡易計算すると、内外価格差はほぼゼロ、

 インターネットのおかげで、世界がフラット化する今、H&MやF21などグローバルファッションチェーンが世界共通価格で日本に上陸するご時勢柄、当然かもしれませんし、一方で、よくがんばっていただいたと評価したいと思います。

 しかしながら、GAP同様に、損益モデルの中の家賃の問題はつきまといますので、価格がリーズナブルな半面、出店機会は限られてしまうかもしれないという懸念があります。

 要は、館(ショッピングセンター)が、集客装置のアンカー(核テナント)店舗として認め、売上歩合ひと桁台、あるいは、日本では坪効率が高まることを考えて、高くてもせめて10%までで握手してくれるところ、ということになるでしょうか。

 さて、本題のダイバーシティの店を見ての感想ですが・・・

 オールドネイビーのアメリカでの標準フォーマットは500坪(月坪効率75千円;一店舗あたり平均年商450百万円)、日本1号店は280坪と小ぶりです(標準の半分くらい)。

 標準より小さめの店舗ということで、メンズの売場が少々犠牲になり?通路幅が狭いようで、本来の空間を利用したオールドネイビーの実力が発揮されているとは思えませんが・・・

 GAP社が、上陸前に念入りに事前リサーチをされたというだけあって、しっかり小さい子供のいるママ、ファミリーにフォーカスされた売り場になっていると思います。

 私は新店を見るとき、入店のための行列がどれだけ並んでいるかということより、
 
 実際レジが回っているか?

 スイッチが入ってお買いものオーラを出しまくっている人がどれだけいるか?

 を人気のバロメーターとして見ていますが・・・

 私が店舗にいた限られた時間内の話ですが、

 12台のレジがしっかり稼働していたり、キッズコーナー中心に、オーラーを出しながら、楽しそうに買い物バッグに商品を次々に入れているママ、パパの姿を目の当たりにして、オールドネイビーの日本での拡大のポテンシャルを感じました。

 あとは、ファストファッション時代に、GAPやユニクロと同じ、第一世代のSPAであるオールドネイビーがどのくらいの頻度で新しい商品を売場に投入してくるか?(ウィークリーとは言いませんがマンスリーには売場を変えたいところ)

 そして、単価がリーズナブルな分、どれだけ顧客の来店頻度を高められるか?ですね。

 (あるいは逆に不特定多数が来店する観光立地狙いという手もあるでしょうか)

 プライスポイント1990円と言えば、ユニクロとほぼ同じ。そしてファミリーでお買いものをしていたら、目的買い、妥協系のユニクロよりも断然楽しいでしょう。

 メディアが盛んに言うように、GAPの低価格業態だからと言って、g.u(ジーユー)と比べるのはちょっと的外れだと思います。(g.u.が受けているメイン客層は第1にティーンズ、第2にそれに共感する郊外ヤンママ層ではないでしょうか?)

 GAP業態が日本でできなかった・・・

 ファミリーがユニクロと比較購買しながら買いまわれる対抗馬として、

 また日本のファミリー向けエンターテイメント型ファッションストア時代の起爆剤として、

 私は、オールドネイビーの日本での多店舗化に期待を寄せています。

 ZARA、H&M、ユニクロ、しまむら、ポイント、ユナイテッドアローズなど国内外の『勝ち組』企業の成功の秘訣、新常識をわかりやすく解説しました⇒

 拙著 『人気店はバーゲンセールに頼らない 勝ち組ファッション企業の新常識』

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July 14, 2012

IFIビジネススクール大学講座@青山学院大学、学生さんたちのレポートを読ませていただいて・・・

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 今年5月に青山学院大学(相模原キャンパス)の「感性ビジネス」(IFIビジネススクールとのタイアップ)の授業の1コマを担当させていただき、「グローバルファッションビジネスのマクロトレンド」というタイトルで講義をさせていただきましたが、このほど、聴いて下さった生徒さんたちが書かれた講義レポートが手元に届きました。

 青学での講義は、今年で3年目になりますが、担当教授の先生が毎年300人近い聴講生の方々のレポートをフィードバックの目的で送って下さることにとても感謝しております。H先生ありがとうございます。

 私の講義を理解いただけたのか?どんなところに関心を持たれたのか?いち消費者として業界の舞台裏を聞いて、どんな風に感じたのか?など、今後の私の講義を見直す意味で、楽しく読ませていただいております。

 私の大学講座での講義「グローバルファッションビジネスのマクロトレンド」の概要を簡単に申し上げますと、

 ・(1960年以降)世界のファッションチェーンが起こして来た流通革新の歴史

 から始まり

 ・SPA(アパレル製造小売業)、ファストファションが登場、拡大している背景

 ・ファストファッションがアパレル流通の中で起こしたイノベーション

 ・ファストファッション時代の課題
 
 ・ポストファストファッション時代への提言 ・・・

 表題だけ読むとちょっと堅苦しく感じられるかもしれませんが(笑)・・・

 まずは、新聞を読めば出てくる身近な数字から、グローバルに視野を広げ、その傾向(ビジネストレンド)が日本の市場とリンクしていることを理解していただき・・・

 そして、皆さんが日ごろショッピングをしながら体験しているだろうことに関連づけて、ファッション消費の今と未来を想像してもらえるようなマーケティング的アプローチの内容にすることに心がけております。

 2年生が中心で3、4年生も青山キャンパスからテレビ会議システムを通して聴講していただきましたが、彼女彼らはまさしくファストファッション消費のド真ん中にいらっしゃる方々。

 レポートは講義そのものに対してだけでなく、今の同世代のファッション消費が読みとれて面白かったです。

 さてさて、前説が長くなりましたが、そろそろ感想を・・・

○レポートの内容から、いままで漠然とされていたSPAやファストファッションの意味・意義はおおむね理解いただけた模様。

○ファストファッションユーザーが圧倒的に多い中、いいものを長く大切に着用したい、とコメントされた方が1割強いらっしゃった。以前よりも多くなったような気がします。そして、この世代にしてはそこそこいらっしゃるなと感心しました。

○今回、特に強調したわけではありませんが、ファストファッションの課題の方に注目された方々が今までの講義の中で最も多かったように感じます。

 課題とは、品質問題(1~2シーズン程度に耐えうるクオリティ)、環境問題(使い捨てられるファッション)、不法労働問題、デザイン模倣問題などです。

 ご参考までにその一部に触れた過去のブログエントリーをご紹介しておきます。

 過去の関連エントリー-ファストファッションの光と影
 過去の関連エントリー-ファストファッション時代の出口論議

 これはファストファッションがブームから定着期に入ったことにより、使い勝手も判り、皆さんがメリットだけでなく、課題も含めて冷静に見ることができるようになったことによる現象かもしれません。


 多くの感想の中で、実は私が一番感激したのは、私のポストファッション時代への提言に対する反論をされた男子生徒さんのものでした。

 私がファストファッションの登場によって、商品に対する流通革新はこれで終わってしまったのではないか?これからは提供のしかた、すなわち、エンターテイメント型ショップでの買い物体験やECによる利便性の勝負になるのでは?と話したのに対し、

○商品購入の決め手はやはり商品そのものだ。ファストファッションのマイナス面を解決することが先決では?

 と頼もしいご意見。

 そうですよね。

 価格(バリュー)⇒品質(クオリティ)⇒デザインxスピードと来た流通革新

 これまでは、ある意味 アメリカの時代⇒日本の時代⇒ヨーロッパのデザインを踏まえた新興国の時代

 なのかも知れません。

 リーズナブル価格の中で、品質を向上するか?デザインを重視するか?の選択ではなく・・・両方実現することが、不可能だとまだ決まった訳ではありません。

 ファストファッションのウィークポイント克服できるのは、まさしく日本企業の仕事なのかも知れない、と期待したいです。

 その他に、

○講義の内容そのものだけでなく、関心を持ったことをネットで更に調べて持論を展開していた方

○講義を通じて感じたことをこれから始まる就職活動、仕事を選ぶ上での職業感に結び付けて考えていた方

 いいですね~。お仕事についたら、きっと素敵な社会人になれると思いますよ。応援しています!

 それから、毎回数名いらっしゃる講義の中で触れたファッションチェーンで実際、アルバイトをしていらっしゃる学生さんが、講義の内容と職場での体験を結びつけて書かれている感想、とてもリアルで楽しく読ませていただいています。

 こちらの皆さんも益々バイトが楽しくなりますように!

 年に一度、学生さんのレポートを読ませていただく時、自分の気持ちもまた新鮮になります。

 講義の内容が、皆さんのファッション業界への理解、未来のファッション消費、はたまた就職されて、お仕事をされる上で、少しでも何かプラスになることがあれば幸いです。

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July 10, 2012

オールドネイビー日本1号店が間もなくオープン

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 今週の木曜日、7月12日にいよいよ米GAPグループのファミリー向け低価格業態、オールドネイビーがお台場ダイバーシティ内にオープンします。

 Fashionsnap.comさんが内見会を取材した際の画像が同サイトに掲載されており、とてもきれいに撮れているのでご紹介させていただきたいと思います。

 Fashionsnap.com:Gap低価格ブランド「オールドネイビー」日本1号店公開

 いつもファッションストアの画像、臨場感があって上手いな~と感心します。

 特にキッズがかわいいですね~
  
 以前ブログでも申し上げた通り、オールドネイビーの上陸が、日本のファッションストアの大型化、エンターテイメント化の刺激になれば面白いな、と見ています。

 OLD NAVY(オールドネイビー)の日本上陸はファッションストアのエンターテイメント化時代の幕開けとなるか?

 それからもうひとつ、ファッション好きな大人にも耐えうる、そこそこ気の利いたカジュアル服が雑貨感覚で楽しく、安く買える。

 オールドネイビーの価格帯が、また業界のカジュアルウエアの価格の常識にも影響を与えそうな気がして・・・

 そのあたりも注目ですね。

 オープンしたらできるだけ早く「体験」しに行ってみたいと思います。

 【追伸】オールドネイビーの日本のプライスライン、目玉価格に目をとらわれがちですが・・・
     ウェブサイトからプライスポイントを察するに、為替レート$=100円とすると、
     内外価格差はほぼありません。(GAPが1.7倍なのに対し)
     オールドネイビーは、g.u.よりむしろ、ユニクロを意識しているようですね。
     これまたユニクロに競合が現れました。

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July 09, 2012

ユニクロは日本の消費者を置き去りにしてアジアに行ってしまうのか?

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 7月7日の日経新聞、7月8日の日経MJにも掲載されていますが・・・ユニクロを展開するファーストリテイリングが2012年8月期の連結通期業績予測を下方修正したことが業界で話題になっています。

 前年比でみれば、売上、営業利益ともに13%増と二桁の増収増益になりますが・・・

 直近の第3Q(3-5月)では、

 ・海外ユニクロ事業の売上高が前年同期比61%増、

 ・ジーユー、セオリーなどのグローバルブランド事業が同34%増

 と健闘したものの、既存店の3ヵ月連続減収を受けて

 ・国内ユニクロ事業が同1%減。

 これにより、営業利益が従来予測を65億円下回ることから、業績の下方修正の発表に至ったようです。

 FR IRニュース 2012年8月期 第3四半期決算サマリー

 によれば、2012年8月期通期予測は

 ファストリ連結売上高 9,295億円 (+13.3%)
                            売上高    前年比  構成比     
   内訳  ユニクロ国内事業売上高     6,215億円 (+3.6%)  66.9%
        ユニクロ海外事業売上高     1,570億円 (+67.5%) 16.9%
        グローバル事業売上高      1,480億円 (+19.3%) 15.9%

 とグループトータルでは、いよいよ来期には1兆円を超えそうな勢いですね。

 しかし、内訳を見る限り、確かにユニクロ国内事業の減速感は否めません。

 2015年8月まで(あと3年)に、国内事業売上と海外事業売上を逆転させると宣言し、社内に号令をかける柳井会長。

 確かに、毎年今期のように海外事業の売上を前年比60-70%増のペースで伸ばして行けば、3年後には今の国内事業よりも大きくなる計算ですが・・・そこまでの性急な成長、果たして維持できるのでしょうか?

 最近の同社関連のニュース、記事を見ていると、伸び盛りの海外事業やジーユー事業ばかりに目を向けるようにしていて・・・屋台骨であるユニクロ国内事業に今、本当に力が入っているの?と感じてしまうのは、決して私だけではないでしょう。

 業界のトップコンサルである小島健輔先生もちょうど今日のブログでコメントされていましたね。

 ユニクロはチャイナSPAか?
 
 今、ユニクロ国内事業をどうとらえ、評価すべきか?

 それを考える上で、著名経営コンサルタントの神田昌典さんがよく使われる「ライフサイクル曲線」の理論を私なりに解釈して、事業の寿命に当てはめ、ユニクロ国内事業のライフサイクルについて勝手に考察してみました。

 同理論によれば、ライフサイクルの導入期、成長期、成熟期、衰退期の各フェーズの期間はほぼ均等。従って、導入期から成長期に入った時点がわかれば、その4倍がライフサイクル=寿命という仮説が立つというもの。

 ユニクロは、1984年1号店オープン、1999年フリース&原宿店で大ブレイク・・・

 この時点で事業が「成長期」に入ったとみなすと、ユニクロ国内事業は、フェーズあたりおおよそ15年周期で、事業の寿命はその4倍で約60年ということになります(意外と長い?ですね)。

 参考:ファーストリテイリングの売上高と店舗数の推移(同社HP)

 この資料2002年から連結売上なので、同社の過去のリリース情報を参考に、ユニクロ国内事業単体の売上、店舗数の推移を抽出してみましたが・・・やはり、成長期に入ったのは1999年とみなしてよさそうです。

 そうすると、ユニクロ国内事業は現在、1999年~2013年までの成長期の晩期。

 そして、再来年の2014年から成熟期(安定成長期)に突入することになります。
 
 導入期 1984年~1998年
 成長期 1999年~2013年
 成熟期 2014年~2028年
 衰退期 2029年~2043年

 衰退期にはリストラが待っていますが、成熟期には、すぐに売上が下降に向かうわけではありません。成長率は1ケタ台の前半に鈍化するものの、まだ売上利益はあてにできますし、やり方を変えることによって新たな成長軌道を描ける可能性もあります。

 アパレル事業を売却して、ランジェリーやヘルス&ボディーケアにビジネスの軸足を移したアメリカのLIMITED BRANDSがその一例ではないでしょうか?

 そんな成長期から成熟期に移行する今、国内事業にしがみつかないのが柳井会長。

 国内事業が成長期の間に、ファストリグループがグローバル連結で二桁増の成長率をキープするために矢継ぎ早に手を打ち、海外出店、特に成長マーケットである中国、アジアにアクセルを踏みだしたのは流石です。

 本来、アメリカのGAPやアバクロもリストラを始める安定成長期間中に、早めに海外展開を加速させるべきだったのでしょうね。

 そんな轍を踏まないのは、さすが日本が世界に誇る経営者のおひとりである柳井会長です。

 しかし、一方で、まだまだ国内事業で手を抜いてもらっては困ります。

 一番気になるのは、本社は東京のままですが、R&Dというクリエイティブ部門の人材がほとんど上海に異動になったことによって、今、同社は日本に背を向けて中国市場を見て仕事をしているのではないかと感じられることです。

 その現象は、

 フリースブームの直後に戻ってしまったような商品感度、コンサバカラ―ばかりへの絞り込み、ルーズシルエット、匠(たくみ)がほんとうに機能しているの?と思ってしまうような綿素材の質感の進化のなさ・・・(最後の話は、昨年までの原綿価格の高騰も背景にあるのでしょう)

 あたりに表れているように感じます。

 私は小島先生がブログでおっしゃるような、日本とアジア別々のオペレーションを並行して走らせるのは、経営効率が悪く、グローバルSPAとして得策ではないと思います。

 製造部門は確かに工場現場に近い方がよいのはわかりますが、

 海外で日本から来たことをアピールしているユニクロのクリエイティブな仕事は、やはり、東京発信であるべきではないでしょうか?

 それは日本の生活者だけでなく、アジアの方々も望んでいらっしゃると思いますよ。

 ZARA(スペイン)だって、H&M(スウェーデン)だって、本社からキモとなるクリエイティブな部分を別の場所に移すようなことはしていませんからね。

 それとあわせて、国内でまだまだ攻め続けなければならない事情もいくつかあると思います。

 今、日本国内では、H&M、ZARAが勢力を広げ、しまむらがヤング化、ファッション化を切り口に都心に攻め込み、東レの機能素材インナーはユニクロだけの専売特許ではなくなっています。

 日本の競合環境は急速に変化しています。

 余計なお世話かもしれませんが、そんな時、国内事業も再強化しなくて、どうするんだ?という焦りを感じます。

 下手すると、海外展開の利益を支える国内事業が足をすくわれ安定成長できるものもできなくなってしまうかもしれませんからね。

 以上、長くなりましたが、ユニクロの国内事業、グローバル展開に関する私からの問題提起です。

 日本を代表するブランドであるユニクロの今後の成長について皆さんと考える機会になればという気持ちで述べさせていただきました。

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July 05, 2012

ZARA(ザラ)はなぜアメリカで店舗拡大できないのか?

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 弊社のアメリカニュージャージーの提携先であるMaxre(マックスリー)さんのブログでも話題になっていましたが・・・

 アパレルチェーン4社比較

 アメリカにZARA(ザラ)の店舗が少ない話、とても興味深いものがあります。

 以下はZARAとH&Mのアメリカ、日本、中国での店舗数です。

                 USA   JAPAN  CHINA
 ZARA       進出年  1989    1999   2004
 (2012.1月時点) 店舗数   46     74     101

 H&M        進出年  2000    2008   2007
 (2012.2月時点) 店舗数   234    15      89

 ZARAは1989年にアメリカに進出し、20年以上が経過しているにもかかわらず、まだ46店舗。

 一方、H&Mは2000年進出以来、着実に店舗数を増やし、234店を構えます。

 ちなみにZARAの日本での店舗数は74店舗(1999年進出)、中国では、すでに100店舗を超えています(2004年進出)。

 マーケット規模だけを考えれば、世界最大のマーケットであるアメリカでの出店余地はもっともっとありそうなもの。

 Maxreさんのブログでも、

 「店舗数が少ない分、ザラはブランドの希少価値があるように思えます。米国は広いので、余計に思います。」

 とコメントされています。

 私が海外業務対応のために、英語のブラッシュアップ目的で毎週通わせていただいているBerliz(ベルリッツ)のビジネス英会話個人レッスン・・・

 毎回、私の専門分野をテーマに進めていますが、最近数回はアメリカ出身講師の方々数名ともこの件に関してディスカッションをしてみました。

 上記の店舗数の違いを提示した上で、私が振ったのは、サイズ問題と価格問題。

 サイズに関して、ZARAは丈はあるものの、多くのアメリカ人を取り込むほど横幅はないのでは?

 また、価格はユーロ圏の1.5倍ですので、プライスコンシャスなアメリカの中では決して安くはありません。

 ハイクラスな百貨店は別ですが、多くの大衆百貨店はディスカウンターに煽られて洋服にも高い価格はつけていませんから・・・日本ほどの使い勝手はないかもしれません。

 これに対して、講師の方々からいくつかの興味深い話をいただきました。

 ひとつは、アメリカでは30歳を超えるとファッションにお金をかける人が極端に減ること。ZARAは、アメリカマーケットの中では、とてもヨーロピアンでトレンディだ。

 もうひとつは、アメリカの都市部(都心、都会)の人口集中率が低いことです(ある講師によれば、日本が36%に対して、アメリカは8%しかない、とのこと)。

 ご存じかと思いますが、ZARAは、コレクショントレンドをベースに、30代を中心客層に「働く女性」のための服をメインに提案しているお店です。(ちなみにZARAの中のTRFはその娘のためのカジュアル服。もちろんメンズ、キッズもありますが)

 ZARAが言う働く女性とは・・・オフィスで働く女性。常に職場の上司、部下、同僚の目に晒され、スタイルを気にする女性ということになります。

 一方、H&Mのターゲットは、トレンドファッションに興味のあるすべての女性、男性ですから・・・ZARAほど客層を限定していませんし、コンサバカジュアルも充実していて、なおかつ価格が安いので必然的にZARAより間口は広くなります。

 講師の方々(女性含む)が口を揃えておっしゃったのは、

 アメリカでは、職場でファッションにお金をかける女性がいる都会は限られている、従って、ファッションコンシャスなZARAの拡大余地が小さいのではないか?とのことでした。

 他にも要因はあると思いますが、今後グローバルSPAの特徴やアメリカのマーケットを理解する上でいくつかの新しい気づき、視点を頂いたと思います。興味をもって、更に深堀して行きたいと思います。

 海の向こうのことは日本には関係ない?と思いきや、日本国内やアジアでのグローバルSPAとの棲み分けを考える時、彼らの特徴を多角的に理解しておくことは大切なことだと思います。

関連エントリー-世界ファッションストア業態別売上ランキング、注目はZARAとユニクロの2位争い

関連エントリー-日本のファッション企業の国内価格と海外進出時の内外価格差は?

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