« ヨーロッパファッションストア見聞録~その9 ロンドン②オックスフォードストリートは世界のファッションチェーンの大激戦地 | Main | ヨーロッパファッションストア見聞録 11 ロンドン④TOPSHOPロンドン旗艦店は世界最大のトレンドファッション発信基地 »

September 29, 2012

ヨーロッパファッションストア見聞録 10 ロンドン③PRIMARK(プライマーク)はポストファストファッション時代の都市型ファッションディスカウンター?

 クリックして人気blogランキングへ

 ロンドンに来た最大の目的のひとつがPRIMARK(プライマーク)を観ることでした。

 私が以前調べた世界アパレル専門店の売上ランキングでは9位、伸び率はTOP10の中で最高でした。

 関連エントリー:世界アパレル専門店売上TOP10ランキング2011

  アイルランドのコングロマリット、Associated British Foods傘下の衣料チェーン事業で、単体での決算は出ていませんが、ABF社のアニュアルレポートによると

  2011年9月期 売上および店舗数
  年商       3,669億円 (£=120.6円換算) 前年比13.5%増
  期末店舗数  223店舗

 イギリスとアイルランドを中心に出店し、現在、ZARAのお膝元のスペイン、H&Mの主要マーケットのひとつドイツで店舗数を伸ばそうとしています。

 PRIMARKウェブサイト

 実は、今回の視察旅行でバルセロナのDIAGONAL MARというショッピングセンターでプライマークに初遭遇したのですが・・・同店に入店するやいなや、むせてしまい、咳がしばらく止まりませんでした。

 大混雑と大量に山積みされた服から巻き起こる埃(ほこり)のせいでしょう。

 €2、€3、€5の目玉品Tシャツに群がるイレギュラーサイズの男女、BGMは一切なく、女性の話し声と赤ん坊の泣き声が響き渡る・・・20台のレジに長蛇の列をつくったレジ待ち客は、ロボットアナウンスによって空きレジに呼び出される機械的な処理・・・

 異次元に叩き込まれ、不快感にさいなまれた私が冷静さを取り戻すのには しばらく時間がかかりました。

 落ち着いてみれば、性別服種別売場、単品大量陳列、特価品があるとは言え、€13がプライスポイントのディスカウンタータイプの低価格衣料ストアですが、トレンドの色やアイテムはしっかり押さえていたように見受けられました。

 そんな免疫?予習?が出来ていたせいか、ロンドンのPRIMARK(プライマーク)では、大混雑でしたが・・・すんなり溶け込めました(笑)

Imag0514 地上2層、合計2000坪超はあると思われる巨大店舗にレジ台数は90台。 

 営業時間は平日8:00~22:00とファッションストアというよりスーツケースを持って買い出しに来ている中東人やアジア、アフリカ系の人が多く、衣料市場(いちば)という感覚を受けます。

 この店舗の推定年商は、営業時間と客単価とレジ台数から計算して、ざっと125億円(£=125換算)くらいでしょうか?

 価格は £2.5、£3 の平台山盛りの特価商品が目立ちますが、全体の在庫量を見る限り £10(約1250円; VAT20%込み)がプライスポイントです。

 単品訴求型の服種別売場ですが、近隣のファッションストアで見られるマストレンド、ストリートトレンドをそこそこおさえており、バルセロナで見た時よりも、鮮度を感じたのは・・・おそらくこちらの方が商品回転が速いからなんでしょうね。

 価格の割には、クオリティは劣悪ではなく、H&Mのトルコ製を除くその他の原産国の商品並みのクオリティはキープしているように思います。

 ところで服に原産国表示が一切ついていないんですよね。

ヨーロッパ圏はそのあたり表示しなくてもいいルールがありますが、こんな安い商品、いったいどこで作っているのだろう?という謎も感じます。
 
 このプライマークの「価格とクオリティのバランス」についてですが、私は無理な値段だと思っていません。

 たとえば、粗利率が60%のビジネスモデルのH&Mの取引先工場でモノづくりをして、粗利率30%台で運営できるディスカウンターのビジネスモデルで価格設定すれば十分可能です。

 そして、粗利率度外視の目玉品はディスカウンターの専売特許です。

 小売流通のマーケティング理論に「小売の輪の理論」というものがあります。

 要は、小売ビジネスの歴史は「革新」と「ディスカウント」の繰り返しだという理論です。

 すなわち、H&MやZARAは、リーズナブルプライスでトレンドファッションを販売する「革新」を起こしましたが(=ファストファッション)、都心好立地に出店し、粗利率を60%くらい稼いで成り立つビジネスモデルになります。

 これに対し、ファストファッションを低粗利率で回すファッションチェーンが登場するのは、1950年代に提唱されたこの理論に従えば、必然だったのかも知れません。

 アメリカのフォーエバー21、イギリスのプライマーク、そして日本のしまむらがその好例です。

 価格が安い割に原価が高いので消費者はよりバリューを感じるというわけです。
 
 彼らのネックは家賃比率ですが、フォーエバー21およびプライマークの出店拡大の歴史をひもとくと、都心に出店していたチェーン店の失策があります。要は、破綻あるいは撤退するチェーンから好条件でごっそりと店舗を譲りうけているのです。

 日本でのこのポジションはしまむらが独走するのか?それとも新しい勢力が彗星のごとく現れるのか?

 ちなみにジーユーは低粗利率、ローコストオペレーションではなく、低価格を素材のクオリティに転嫁しているので、この対象ではありません。

Imag0609 一日のリサーチを終え、もう一度、夜のプライマークの様子を見ようと戻って来ました。

 昼間はウィンドーの前に人が座り込んでいたので、夜ならウィンドーの写真が撮れるかなとも思って。

 この画像を撮影したのは、閉店時間の22時ですが・・・

 まだまだお買いもをしている人、まだまだ外で待っている人でいっぱいでした。

 世界どこに行っても家計を切り盛りする奥様はご家族のために、節約・倹約にたくましいようです。
Imag0617


いつもお読み頂きありがとうございます。
こちらのアイコンをクリックして応援よろしくお願いします!

↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓
blogrankings2  ビジネス・業界ブログランキング 【第1位】stay→(12.9.29現在)


 

|

« ヨーロッパファッションストア見聞録~その9 ロンドン②オックスフォードストリートは世界のファッションチェーンの大激戦地 | Main | ヨーロッパファッションストア見聞録 11 ロンドン④TOPSHOPロンドン旗艦店は世界最大のトレンドファッション発信基地 »