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August 31, 2013

アメリカマーケットリサーチ報告(その1)~J.Crewに学ぶ これからのリ・ブランディングの成功法則

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 今回のアメリカ視察の目的のひとつが新生J.Crewの確認でした。

 GAPを世界一に導いたミラード・ドレクスラー氏がここ10年で変えたJ.Crewとは?
  
 ここのところアメリカに視察に行かれる業界の方々が口を揃えて 「J.Crewがいい」 と、アメリカで刺激を受けたブランドの筆頭に挙げる、その理由が知りたかったのです。

 古い話ですが・・・ 何せ10年ぶりなもんで(笑)

 かつてJ.Crewと言えば、カタログ通販の郊外ファミリー向けベーシックカジュアルブランド。 言ってみればLANDS ENDやGAPに近かったかなと。
 
 ただ、そのカタログの商品撮影の洗練された美しさから ニューヨークへ行けば、サウスストリートシーポートのお店にカタログをもらいに行くのが楽しみだったのは1990年代の話。

 2000年代の初めになると全米各所のショッピングセンターにも出店していてGAPやBANANA REPUBLICとともに定点観測店のひとつでした。

 しかし、本音を言うとそのカタログの魅力とは裏腹に、商品を手に取った時にちょっと期待外れだったのも覚えています。

Jcrew_catalog

 10年ぶりにLAのショッピングセンターで再開したJ.Crewは・・・かつての郊外ファミリー向けカジュアルから 都会で働くスタイリッシュな大人の仕事着&ウィークエンド服にイメージチェンジしたという印象でした。 

 洗いざらしの同系色のチェックシャツや多色のニットやパンツを積み重ねるVMDのテクニックは見事で、あの頃のままでしたが

 明らかに違っていたのは商品を手に取って判る、素材の質感の良さと細かいディテールへの配慮でした。

 ファッションチェーンで素材の風合いの良さで感激するのは久々かも。

 J.Crewの進化、生まれ変わりを見て感じたこと。

 それは、よくありがちな既存ブランドのアップグレードが、なぜうまく行かないのかのジレンマです。

 既存のブランドの延長線上でいくら素材を良くて、値段を高くしたところで思い通りに売れっこない。

 作り手はどんなに頑張って違いを訴えても、そんなことはお客さんには通じないでしょう。

 だって、それは「高くなった既存ブランド」に他なりませんから。

 逆にJ.Crewのリ・ブランディングの成功要因は、そんな小手先の話ではなく、顧客が既存のブランドのイメージを完全に捨て去ってしまうほど、

 百貨店で販売されているナショナルブランドのクオリティを比較的こなれた価格で実現したブランドにリ・ポジショニングしたところにあるのではないかということです。

 要はこれまで3900円で販売していたブランドをちょっといい素材を使ったり、デコラティブにしたから4900円です、5900円です、というのと

 百貨店で12000円くらいで売られているブランド並みのクオリティを6900円や7900円で実現しました、というのと

 お客さんはどっちを支持するでしょうか?という話です。

 前者は明らかに「値上げ」、後者は以前と比べると値段は上がっていますが、マーケットの中では「実質値下げ」というわけです。

 今回のアメリカ視察でGAPは前者のジレンマに陥り、J.Crewは後者の手法で成功しているように思いました。

 今、世界的に製造原価が上がって値上げを検討している企業さんがたくさんあると思いますが・・・

 このくらいの発想の転換をしなければ、顧客の支持は得られない。

 ドレクスラー氏の改革はそのくらいの大手術だったのだなと 考えさせられたものでした。

 ちなみにドレクスラー氏、GAPの前は百貨店ブルーミングデールズや百貨店ブランド アンテーラーのご出身。 デザイン、質感、ディテール、サプライズを大事にするApple(アップル)の役員さんでもあります。

 ご参考までに以下、現在、ファンド傘下のJ.CREWの決算概要です。見事な業績ですね。

 2013年1月期決算($=97円)

 売上高 2160億円 前年比120%

 粗利率  44.3% 前年比+2.6%

 営業利益 246億円 前年比 136%

 営業利益率 11.4% 前年比 +1.4%

 在庫回転率 4.9回転(原価ベース)

 期末店舗数 401店舗(39店舗増) 

 (Madewell48店 キッズCrewcut店 8店 Outlet106店含む)

 直営店売上高 1500億円 (前年比120%)

 既存店増収率 13%

 平均売場面積 159坪

 直営店1店舗あたりの売上高 3.9億円

 月坪効率 204千円

 カタログ通販およびEC売上比率 29.2%
 
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