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October 28, 2013

ストアブランドのEC(eコマース)が果たす役割

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 繊研新聞に10月17日から25日まで7回シリーズで連載された「ECの果たす役割 単体の成長からインフラへ」はとても面白かったです。

 ポイント、ユナイテッドアローズ(UA)ら上場企業からアパレルメーカーSPAのジュン、セレクトショップのベイクルーズ、ビームス、アーバンリサーチ、ナノユニバースら7社の

 以前 繊研新聞が推計した業界のEC化比率(全売上に対するEC売上の割合)=約6%を超える、

 8%以上のEC化比率を誇る企業のEC責任者さんたちが語る各社の直近の取り組みには説得力がありました。

 記事に掲載されていたEC化比率を高い順に並べると以下の通りでしょうか。

 ナノユニバース    30%
 アーバンリサーチ   20%
 UA            12.7%
 ジュン          12%
 ベイクルーズ     12%?(直近の年商が不明のため推定)
 ポイント         8%
 ビームス        不明

 今回の連載記事の中から 今のファッションストアのECを取り巻く環境を的確に表している、また、日ごろECに取り組んでいるクライアント先との会話からも共感、実感できる部分を引用、ご紹介させていただきます。

 まずは 「ストアブランド」たる心構えから
 
 「スマートフォンを手にした消費者は店とECをうまく使い分け、想像以上に双方を行き来している。我々としては、消費者が店とネットどちらで購入してもいい。自社のブランドを購入してもらうため、リアル店とECでストレスフリーの環境を作ることが最重要となった。」

 「顧客がネットにアクセスするのは『買い物での悩み解決』のため。(中略)店同様の品揃えとブランドイメージを表現し、在庫がどこにあるのかを見せるなど、買い物でのストレスフリーを重要視する。(中略)ともかく顧客の不便をなくすこと。」


 「(他社)ECモールでもリアル店舗、直営サイト同様に店、顧客を失望させない。これはブランディングだ。」

 ( 以上 ベイクルーズEC責任者さんのコメントから引用)

 ただ右にならえ、でとりあえずECサイトを立ち上げ、広げ、商品を並べればいいという話ではないことは言うまでもありません。

 顧客がブランドECサイト、ウェブサイトに求めていることを起点に考えることはストアブランドECの基本中の基本ですね。

 次に 店舗にとってのECの役割について
 
 「店舗の売上拡大に貢献すること。店舗と連動すればECにも返ってくる。」

 「オフラインからオンラインこそ本当のO2O(オンライントゥオフライン)。 店でブランドを知り、検索してECにたどり着く数の方が多い。店頭のEC案内徹底などオフからオンをしっかりやり、もう一度店へ送り返し、ぐるぐる回すことが本来の目的。」

 「両方使ってもらうことこそ、客との距離が縮まる。いかに両方使う顧客を増やすか?」

 ( 以上 ポイントEC責任者さんのコメントから引用)

 サービスを提供するIT企業に語らせるとクーポン配信やらポイント付与やら販促系のサービスや投資先行でシステム導入の話として語られることが多いO2O(オンライントゥオフライン)。

 飲食店じゃあるまいし、ファッション販売は商品との出会いありき、といつも違和感を覚えておりましたのでとても共感しました。

 ファッション商品の商売人として、この店頭起点の行き来がイメージできているかどうかでECの取り組みも行動も変わるのではないでしょうか?

 また、会社全体のECに対する取り組みについて

 「社長の号令のもと強化策を進めているため、マーチャンダイザーも協力的で進めやすい。昨年まではできるだけ多くの在庫をECに回してもらっていたが、今年は売れるアイテムに絞ったことで消化率も高まった。」
 
 「まずは在庫の一元化で販売機会ロスをなくす、次に顧客管理の一元化」

 ( 以上 ナノユニバースEC責任者さんのコメントから引用)

 ナノユニバースのEC化比率の高さの一番の理由がここにあります。

 社長が陣頭指揮をとって全社の最重要課題になっているかどうかで数字は変わるはず。担当者の孤軍奮闘では限界があるのは言うまでもありません。

 これは私が専門とする在庫コントロールの取り組みでも同じで、会社ぐるみで目標値を設定して取り組むことで数字は変化させることができるものです。

 ECに関しても、まずは在庫を積み込んでみて、売上の天井を探ってから、その後、効率、採算を取るというのも商売の判った方の必勝法ではないでしょうか?

 最後にリアル店舗と同じく、売れる商品をどれだけタイムリーに積み込むかが大事という話

 「売れ筋を素早く見極め、追加数量を見いだして確保する精度の向上が増収を後押しした。」

 「いろんなデータをもとに、なるべく早く売れ筋を見つけ出し、追加発注で数量をしっかり確保できたことが結果につながった」

 「売れ筋は売れ行きを知らせるよりも、露出が多い方がたくさん売れる。」

 「客層別に何種類ものメールマガジンを配付出来るようにした。ネットの商品ページで実店舗の在庫も見られるように改良した。」

 ( 以上 アーバンリサーチEC責任者さんのコメントから引用)

 ECは特別なものではなく、リアル店舗と同じ情報、タイミング、在庫を求めているのが真の顧客の姿でしょう。

 ポイント共通化やクーポン云々もいいですが、その前提として、まずは売り逃しをしない、顧客が欲しい、購入できる商品がそこにあるのかないかがすべてだと思います。

 以上、あたりまえのことが書かれていると思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、

 ECもリアル店舗も全く同じ「商売」であること。

 それがわかっていて、愚直に取り組む姿勢が分かれ目であることをあらためて感じた特集でした。

 EC時代に本当に強いのは・・・IT企業やITや最新技術に長けた企業や人ではなく、顧客の望む商品を届けようとする商売人の情熱なのですよね。
 
 関連エントリー-「オムニチャネルリテイリング」は今年の流通業界注目の重要キーワード

 繊研新聞の一部がネットで紹介されています。
 上記記事の一部も閲覧することができます。

 繊研新聞ウェブ版 繊研plus

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