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October 28, 2013

ストアブランドのEC(eコマース)が果たす役割

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 繊研新聞に10月17日から25日まで7回シリーズで連載された「ECの果たす役割 単体の成長からインフラへ」はとても面白かったです。

 ポイント、ユナイテッドアローズ(UA)ら上場企業からアパレルメーカーSPAのジュン、セレクトショップのベイクルーズ、ビームス、アーバンリサーチ、ナノユニバースら7社の

 以前 繊研新聞が推計した業界のEC化比率(全売上に対するEC売上の割合)=約6%を超える、

 8%以上のEC化比率を誇る企業のEC責任者さんたちが語る各社の直近の取り組みには説得力がありました。

 記事に掲載されていたEC化比率を高い順に並べると以下の通りでしょうか。

 ナノユニバース    30%
 アーバンリサーチ   20%
 UA            12.7%
 ジュン          12%
 ベイクルーズ     12%?(直近の年商が不明のため推定)
 ポイント         8%
 ビームス        不明

 今回の連載記事の中から 今のファッションストアのECを取り巻く環境を的確に表している、また、日ごろECに取り組んでいるクライアント先との会話からも共感、実感できる部分を引用、ご紹介させていただきます。

 まずは 「ストアブランド」たる心構えから
 
 「スマートフォンを手にした消費者は店とECをうまく使い分け、想像以上に双方を行き来している。我々としては、消費者が店とネットどちらで購入してもいい。自社のブランドを購入してもらうため、リアル店とECでストレスフリーの環境を作ることが最重要となった。」

 「顧客がネットにアクセスするのは『買い物での悩み解決』のため。(中略)店同様の品揃えとブランドイメージを表現し、在庫がどこにあるのかを見せるなど、買い物でのストレスフリーを重要視する。(中略)ともかく顧客の不便をなくすこと。」


 「(他社)ECモールでもリアル店舗、直営サイト同様に店、顧客を失望させない。これはブランディングだ。」

 ( 以上 ベイクルーズEC責任者さんのコメントから引用)

 ただ右にならえ、でとりあえずECサイトを立ち上げ、広げ、商品を並べればいいという話ではないことは言うまでもありません。

 顧客がブランドECサイト、ウェブサイトに求めていることを起点に考えることはストアブランドECの基本中の基本ですね。

 次に 店舗にとってのECの役割について
 
 「店舗の売上拡大に貢献すること。店舗と連動すればECにも返ってくる。」

 「オフラインからオンラインこそ本当のO2O(オンライントゥオフライン)。 店でブランドを知り、検索してECにたどり着く数の方が多い。店頭のEC案内徹底などオフからオンをしっかりやり、もう一度店へ送り返し、ぐるぐる回すことが本来の目的。」

 「両方使ってもらうことこそ、客との距離が縮まる。いかに両方使う顧客を増やすか?」

 ( 以上 ポイントEC責任者さんのコメントから引用)

 サービスを提供するIT企業に語らせるとクーポン配信やらポイント付与やら販促系のサービスや投資先行でシステム導入の話として語られることが多いO2O(オンライントゥオフライン)。

 飲食店じゃあるまいし、ファッション販売は商品との出会いありき、といつも違和感を覚えておりましたのでとても共感しました。

 ファッション商品の商売人として、この店頭起点の行き来がイメージできているかどうかでECの取り組みも行動も変わるのではないでしょうか?

 また、会社全体のECに対する取り組みについて

 「社長の号令のもと強化策を進めているため、マーチャンダイザーも協力的で進めやすい。昨年まではできるだけ多くの在庫をECに回してもらっていたが、今年は売れるアイテムに絞ったことで消化率も高まった。」
 
 「まずは在庫の一元化で販売機会ロスをなくす、次に顧客管理の一元化」

 ( 以上 ナノユニバースEC責任者さんのコメントから引用)

 ナノユニバースのEC化比率の高さの一番の理由がここにあります。

 社長が陣頭指揮をとって全社の最重要課題になっているかどうかで数字は変わるはず。担当者の孤軍奮闘では限界があるのは言うまでもありません。

 これは私が専門とする在庫コントロールの取り組みでも同じで、会社ぐるみで目標値を設定して取り組むことで数字は変化させることができるものです。

 ECに関しても、まずは在庫を積み込んでみて、売上の天井を探ってから、その後、効率、採算を取るというのも商売の判った方の必勝法ではないでしょうか?

 最後にリアル店舗と同じく、売れる商品をどれだけタイムリーに積み込むかが大事という話

 「売れ筋を素早く見極め、追加数量を見いだして確保する精度の向上が増収を後押しした。」

 「いろんなデータをもとに、なるべく早く売れ筋を見つけ出し、追加発注で数量をしっかり確保できたことが結果につながった」

 「売れ筋は売れ行きを知らせるよりも、露出が多い方がたくさん売れる。」

 「客層別に何種類ものメールマガジンを配付出来るようにした。ネットの商品ページで実店舗の在庫も見られるように改良した。」

 ( 以上 アーバンリサーチEC責任者さんのコメントから引用)

 ECは特別なものではなく、リアル店舗と同じ情報、タイミング、在庫を求めているのが真の顧客の姿でしょう。

 ポイント共通化やクーポン云々もいいですが、その前提として、まずは売り逃しをしない、顧客が欲しい、購入できる商品がそこにあるのかないかがすべてだと思います。

 以上、あたりまえのことが書かれていると思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、

 ECもリアル店舗も全く同じ「商売」であること。

 それがわかっていて、愚直に取り組む姿勢が分かれ目であることをあらためて感じた特集でした。

 EC時代に本当に強いのは・・・IT企業やITや最新技術に長けた企業や人ではなく、顧客の望む商品を届けようとする商売人の情熱なのですよね。
 
 関連エントリー-「オムニチャネルリテイリング」は今年の流通業界注目の重要キーワード

 繊研新聞の一部がネットで紹介されています。
 上記記事の一部も閲覧することができます。

 繊研新聞ウェブ版 繊研plus

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 店頭起点、顧客視点、消費者心理、購買行動を考える上でも参考にしていただけると思います。
 
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October 25, 2013

サマンサタバサがバッグと靴のファストファッションブランド「サマンサ&シュエット」を立ち上げ

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 10月24日の繊研新聞、25日の日経MJによれば、バッグブランド大手のサマンサタバサが1万円未満のバッグブランド「サマンサ&シュエット」を立ち上げ、同社初のファストファッション業態に取り組むとのこと。

 同業態は世界戦略を視野に入れ1号店は11月に香港で開業、日本の1号店は12月のイオン幕張新都心(両店ともサマンサタバサなどとの複合業態店の模様)、来秋までに10店舗、3年で年商30億円を目指すとのことです。

 上記2店舗は複合店舗のようですが、新ブランドはサマンサタバサの4万円前後のバッグに対して、ラグジュアリーブランドの雰囲気を取り入れながら 1/4の価格となる8800円から9800円のバッグを中心に、婦人靴も取り扱う模様。

 ということは、今後、この春日本に上陸した靴とバッグのファストファッションストアとして先行するチャールズ&キース(本社シンガポール、世界に300数十店舗を展開)と競演しながら同じマーケットを開拓することになりそうですね。

 ちなみにイオンの幕張新都心には共にフロア違いで出店を予定しているようです。

 チャールズ&キースは靴屋さん出身の靴とバッグのファストファッションチェーン。

 一方、バッグ出身のサマンサは、サマンサ&シュエットでバッグを中心に靴も展開することになりますから、両社の靴とバッグの構成比はきっと逆となる競合になるのではないかと見ています。

 チャールズ&キースには靴やバッグにもファストファッションが浸透するかと注目していますが、

 CHARLES & KEITH(チャールズ&キース)はバッグ、靴のファストファッション化が進むきっかけとなるだろうか?

 やはり「おともだち(競合)ブランド」がいるほうがマーケットが盛り上がることは間違いありません。 

 エンターテイメント雑貨のタイガーコペンハーゲンとASOKOもそうですし、古くは GAPとユニクロもそうでしょう。

 話題の外資の上陸に国内企業も参戦して、ともに新しいマーケットを築く例になったら面白くなるな、と見ています。

 サマンサタバサは、以前 手の届くラグジュアリーといいながら、デザインはかわいいものの、価格の割には合皮バッグが多いブランドという印象でしたが、ここのところ、本革仕様を増やし、価格を上げながら幅広く大人客層を取り込み、うまくいっていると聞きます。

 メインブランド=サマンサタバサの品質向上とリブランディングの取り組みにメドがつき、一方では、ファストファッション世代を取り込むいいタイミングなのではないかと興味深く見ています。

 香港が1号店というのがこれからのブランドにふさわしいですね。

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October 16, 2013

アメリカマーケットリサーチ報告(おわりに) グローバルファッションチェーン(SPA)が旅行者(トラベラー)にも重宝されるワケ

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 8月末にアメリカから戻ってブログにレポートを一通りアップするのに一か月半もかかってしまいました(汗)

 最後に、リサーチ中に気になっていたことを述べて結びにさせて頂きたいと思います。

 昨年夏のヨーロッパでも感じ、今年のアメリカでのマーケットリサーチでも実感したのは

 H&MやZARAのようなグローバルSPAは、ローカル(現地)の需要だけでなく、ワールドトラベラー(旅行者)の需要にもしっかり応えているのではないかということです。

 特にビジネスでの出張者や観光客の多い立地で旅行者のような来店客も少なくない両ブランド。

 ホームタウンにもH&MやZARAはあるはずなのに、彼女、彼らはなぜ旅行先でもお買いものをするのか?

 それはH&MやZARAの商品はどこにいても同じデザイン、(良いか悪いかではなくて)同じクオリティ、同じサイズの安心グローバルスタンダードであり、

 なおかつ女性にとっては、旅行中とて目を離せない、トレンドファッションの切れ目のない情報発信をしているわけで、気に入った商品を見つけたら、母国に帰るころには売り切れて店頭にないかも知れないという心理すら起こさせているのでしょう。

 長期旅行に出れば、服を買い足したりする必要もあります。

 そんな時、母国で買う商品と全く同じ感覚でお買い物ができれば、安心というわけです。

 彼らは、そんな旅行者の需要にもしっかり応えている、そんなところも人気や売上を支えている要因、強みのひとつなのではないでしょうか?

 一方、アメリカのGAPにしても日本のユニクロにしても、母国のマーケットが大きいビッグチェーンは、海外に出店する際に、逆の問題点を抱えているように思います。

 つまり、アメリカのマーケットに最適な商品展開をしていたGAPは日本市場開拓にあたって良かれと日本のマーケットに合わせようとして日本スペックの商品を作ってしまう。GAPを知るアメリカ人は日本ではアメリカ国内と同じ感覚でお買いものができないでしょう。

 同様にユニクロも、ヨーロッパでも、アメリカでも現地に合わせるために、同じMでも日本よりサイズを大きくしているわけで、我々日本人がヨーロッパやアメリカに出かけた時、たとえユニクロを見つけても、日本と同じ感覚でインナーを買う訳に行きません。

 現地スタッフに日本よりサイズが大きいことを知らされれば、ワンサイズ下を買うべきか、果たしてそれでよいのか?悩んでしまうわけです。

 そういう意味で、H&MやZARAは私たちが日本で認識している両社のサイズと同じサイズを世界のどの都市でも買えばよいのであって、ある意味 日本ブランドであるユニクロよりも安心してお買いものができるというわけです。

 この問題、日本の多くの有力アパレルブランドが海外に出て行く時のネックのひとつになるのではないかと見ています。

 日本のブランドは現地に良かれと現地に合わせることによって、日本とは別にダブルスタンダードを作ることを常識と考える。世界にひとつのヘッドクオーター(本部)でオペレーションされている企業に比べて、これ当然、人件費、管理コストが嵩みます。 

 一方、グローバルスタンダードを常識とする、ZARAやH&Mは、それぞれスペイン本社、スウェーデン本社一か所で世界のことを考え、国別にサイズを増やすことはあっても、全展開サイズの中からどこからどこまでのサイズを切り出し、どんな構成比で持って行けばいいかを考えればよいわけで、出店国を増やしても、エクストラコストはかからないオペレーションをしているわけです。

 自国マーケットが大きかったことがグローバル時代に「あだ」になる?

 そんなことが日本のアパレルブランドのグローバル展開の足かせになっているのではないでしょうか?

 もちろん、グローバルブランドを開発する上で、核となるホームマーケットは絶対必要です。

 ZARAのインディテックスグループの本国スペインの売上比率は全体の20-25%で世界最多ですし、スウェーデンのH&MやIKEAだって、両社の最大マーケットであるドイツの売上構成比はかつては30%、今でも20%はあります。

 今からアジアを股にかけたグローバルファッションチェーンを開発しようとする企業の方々に申し上げたいのは・・・

 日本または中国をホームマーケットにしながらも、ホームマーケットにだけ合わせるのではなく、ホームマーケットでも、海外でもどちらでも通用するスタンダードに磨きをかけ、出店するたびに、出店国に合わせることを考えずに済むようにブランドを開発すること。

 H&MやZARAを長年見ていて・・・

 パリやロンドンやアメリカでユニクロを日本と同じ感覚で買うことができなくて・・・

 あらためて感じたものでした。

Hm_label ユニクロもZARAやH&M並みに、本格的にグローバルへの道を踏み出すためには、将来的にはH&Mのようなサイズラベルをつけ、サイズを見直す必要があるのでしょうね?

 その時、多少は日本の消費者のネガティブな反応も覚悟しなければならないのかもしれません。

 それが収益性の高いグローバルアパレルブランドとして避けては通れない関所のひとつではないでしょうか?

 蛇足になりますが・・・食品など現地の文化や法令に従うべき産業はローカライズが必要だと思います。一方、ファッションはローカルトレンドはありますが、ヨーロッパコレクションで発信されたファッショントレンドが世界市場に影響を及ぼす産業なので、「世界統一MD」が有効な分野のひとつであると思っています。

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 ヨーロッパのファッションチェーンが日本のファッション流通の常識を変える?
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October 12, 2013

アメリカマーケットリサーチ報告(その7) マンハッタン5番街を埋め尽くすH&M、いずれは東京でも・・・

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 今回 10年ぶりのマンハッタンで確認したかったことのひとつが・・・

 H&Mが当地でどれだけ店舗を拡大し、ローカルチェーンに影響を与え、顧客に支持されているかを見ることでした。

 Imag2605今でも忘れはしないのは、2000年、当時、アパレル小売りチェーンに勤務していた私が、H&Mがアメリカ、ニューヨーク州マンハッタンのそれもラグジュアリーブランド、百貨店が立ち並ぶ5番街の要所に1号店となる大型旗艦店を開店したのを視察に行った時のことです。

 多くの女性客で賑わい、フィッティングルームもレジも長蛇の列。地上3階、吹き抜けで店内の多くの場所から店全体が見渡せる構造は、買い物オーラを発しまくるマンハッタンのオフィスお勤めの女性客方がお互いにオーラを受け留め合い、相乗効果で買い上げ率を高めるような魔法にかけられたような空間だったのを覚えています。

 今回も若干の改装はしていたものの、その来店客のオーラを上手に利用するコンセプトは変わっていない、5番街に旗艦店を持つグローバルチェーンの中で最も集客をしていた店舗のひとつでした。

 この店づくりの発想、H&Mは日本も含め、多くの他の店舗でもあたりまえのように行っていることなのですが、

 日本のファッションストアも海外のファッションストア、特にメガストアから見習わなければならない点のひとつだと思っています。

 大型店の構造や内装を考えるものは、店の美しさ、自己満足だけに浸っていないで、来店客が持つ無限大のパワーを引き出し、利用することを考えるべきだと。(店舗は小さいですが、スタバだってそこのところわかっていて実践していると思いますが・・・)
 
 13年前初めてH&Mの店舗を見た時の予感通り、単体で世界一を果たしたH&M。現在は全米で278店舗を展開(13年8月末現在)。

 同社の出店国の中では、国別売上シェア、ドイツの20%に続き、アメリカが2番目に高い9%のシェアがあり、同国が世界の出店強化国の筆頭に挙げられています。

 前回のエントリーにもありますように、アメリカのマスファッションマーケットのプライスリーダー、オールドネイビーと同じプライスポイントで、世界のトレンドファッションが提供されるポジショニングを確立しつつあります。

Imag2604
 5番街をセントラルパークの南、ファッションリーダーストアであるバーグドルフ・グッドマンあたりから、アバクロ、GAP、ユニクロ、ホリスター、ZARA、H&Mとグローバルチェーンを覗きながら南下していたところ、通りの反対側にH&Mのこんな大きなビルボード広告を発見しました。

 WE HAVE FIFTH AVENUE COVERED. 

 私たちは5番街に集中出店をして埋め尽くしつています。まもなくタイムズスクエアに6フロアーの11店舗目が開業します。

 とでも訳したらよろしいでしょうか?

 世界で家賃が最も高い立地のひとつであるNYマンハッタンの5番街で、同社のこの勝ち誇ったような看板広告の意味がお判りでしょうか?

 そして、これを見て何も感じないファッションチェーンの経営者さんがいらっしゃいますでしょうか?

 ニューヨークマンハッタンは、アメリカの中でも最も熾烈なグローバルファッションチェーンのパワーゲームの戦場です。

 いずれは、銀座、表参道、新宿、渋谷、池袋、心斎橋、梅田、栄、天神・・・多くの日本の商業の中心地がH&Mに埋め尽くされる危機感を覚えながら・・・

 同社と日本のファッション専門店の上手な棲み分け、立ち位置について考える毎日です。

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October 11, 2013

アメリカマーケットリサーチ報告(その6) アメリカのファッションチェーンの価格対比で感じたGAPの立ち位置の変化

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 マーケットリサーチに行くと必ず確認するのがローカルチェーンとグローバルチェーンの価格政策です。

 プライスポイント=最多価格がわかると平均単価の予測も付くのでいつもプライスポイントがどこにあるのかをチェックするようにしています。

 経験的に布はくトップス、シャツブラウスあたりにそのストアブランドのプライスポイントが来ることが多いので、短期間に沢山のお店を見る時は、婦人シャツブラウスのプライスポイントを集中的に見ることにしています。

 以下、アメリカで複数店舗を視察したファッションチェーンの婦人シャツブラウスのプライスポイントです。
※ 調査したのは、8月19日の週、すべて秋物になります。(アメリカは州によって消費税が違うのですべて税抜き)

$88 J.Crew, Anthropologie, Massimo Dutti
$69.50 madewell
$68   Abercrombie & Fitch
$64.50 Banana Republic
$59.90 Express, ZARA
$49.95 GAP        (当時全品30%OFF中)
$44.95 American Eagle (当時全品40%OFF中)
$39.95 Aeropostale   (当時全品50%OFF中)
     Hollister, UrbanOutfitters, Mango
$29.90 Uniqlo, joeFresh
$24.95 OLD NAVY, H&M
$19.80 Forever21

Gap_ny 店舗に入って商品を手に取った時にも、あれ?と目を疑い、こうして並べて一番気になったのが、アメリカのファッションチェーンの横綱であるGAPの価格です。

 渡米は久しぶりですが、定期的にウェブサイトで価格調査をしておりました。記録によればGAPのプライスポイントは久しく$39.95だったようです。

 この39.95ドルこそアメリカのファッションチェーンの価格のスタンダード、ヴォリュームプライスだったと言ってもよいでしょう。
 
 しかし、現在、GAPは自ら作った価格スタンダードとも言える39.95ドルよりも10ドル高い49.95ドルを付けているようです。

 ちょうど現地でも、帰国してからも何人かのアメリカ人と会話しましたが、最近GAPの価格が少し高くなったことが話題になりました。

 これはあくまでも私個人が店頭で感じた印象と感想ですが・・・

 綿原料や生産国の工賃の値上がりで商品原価上昇を余儀なくされ、綿(コットン)にこだわって価格を上げるか、合繊を混ぜるかの選択肢に迫られた。

 GAPは綿(コットン)にこだわり、ワンランク価格を上げ、素材の品質にこだわったリブランディングに取り組み始めた。

 アメリカ国内の成長はOLD NAVYに任せ、GAPは価格なりの適正規模にダウンサイジングをして利益を確保、GAPブランドの将来の活路は海外に求める。

 といったところでしょうか?

 苦しい選択だったと思いますが、店頭で感じる限り、現時点ではまだ、この政策が顧客の支持を得ているようには思えませんでした。

 ちょうど新学期が始まる前のBACK TO SCHOOLセールで全品30%OFFセール実施中だったので値上げも帳消し、本当の反応はこれからでしょう。

 ちなみに9月の同社の月次速報によれば同社の既存店売上高は前年比3%減と苦戦だったようですが、今後の業績や利益も見ないとわかりませんね。

 アメリカファッションチェーンの横綱であるGAPが従来よりも10ドル高めになったのに対し、

 現在、$39.95 をプライスポイントとしているのが、Aeropostale、Hollister, UrbanOutfittersなどの学生向けカジュアルブランド、

 一方、視察の間、どこに行っても最も来店客でにぎわっていたのが、$24.95をプライスポイントとするOLD NAVY(オールドネイビー)とH&M、そしてそれよりも安いフォーエバー21でした。

 米GAPが直面したアジア(中国)生産のコスト増は、同様のコスト高や円安の為替の状況から値上げを余儀なくされる日本のアパレル業界にとっても他人ごとではありません。

 現実に、25%並みの仕入原価増を受けて、春から値上げに踏み切ったファッションチェーンが結構苦戦、価格を維持したチェーンが善戦しているように思えてなりません。

 そういった意味で、米GAPのチャレンジ、カイゼン、アメリカの顧客の反応が、今後、我々にとっても何らか教訓になることになことでしょう。 今後の状況に注目しておきましょう。

 うまくリ・ブランディングした事例はこちら

関連エントリー‐J.Crewに学ぶ これからのリ・ブランディングの成功法則

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October 03, 2013

アメリカマーケットリサーチ報告(その5) アメリカのコモディティ衣料需要を支えるオフプライスストア

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 今回のアメリカ視察の目的ではありませんでしたが、日本には存在しないファッション小売業態である「オフプラスストア」にも立ち寄ったのでご紹介しておきましょう。

 オフプライスストアとは、著名なナショナルブランドやデザイナーズブランドのアパレル、服飾雑貨、アクセサリー、コスメ、ホームファッションなどの商品が、常時、百貨店や専門店で販売されている価格(定価)の20%~60%以上のディスカウント価格で購入できるチェーンストアです。

 ディスカウントストアと区別される理由は、

 アパレルメーカーや正規小売チェーン(百貨店、専門店)がシーズン中に在庫処分&換金目的でブランドアパレル&グッズなどを放出するものを業者が買い付けるクローズアウトマーケットというのがあって、

 それらの在庫をオフプラスストアのバイヤーが現金で買い上げ、ただちに店頭に並べるという ビジネスのからくりの違い にあります。

 アメリカのファッションビジネスでは、完全買い取りが常識ですから、百貨店、専門店とて、買い取って売リきれないと判断するや、シーズン中でもブランド品をクローズアウトマーケットに放出するもの。

 中には、利益とキャッシュフロー目的で放出することを前提に多めにブランド品を買い付ける専門店もあるとか。

 ブランド側もそれを見込んで多めに生産しているってのもあるのでしょうね。

 オフプライスストアの店頭には、上澄を取られた滞留在庫もありますが、バイヤーがシーズン中商品を常時買い付けているので、ディスカウンターやブランドアウトレットモールよりも新商品が入荷する頻度も高くなるわけです。

 アメリカ最大手のTJX社の年商はなんと2兆5360億円($=98円換算)!このうち75%はアメリカ国内、残りはカナダとヨーロッパでの売上です。 第2位のROSS社も年商9526億円(同)。こちらは100%アメリカ国内の売上のようです。

 実に大手2社だけでアメリカ国内で2兆5000億円を超えるビジネス規模なのです。

 上場企業である両社のIR情報によれば、2013年1月期決算は それぞれ前年比12%増、 既存店増収率も 6-7% TJX社に関しては 過去17年間既存店増収を続けているようです。

 TJX社ウェブサイト 

 ROSS社ウェブサイト

Imag2365アメリカで店舗をよく見かけるオフプラスストアは 
 TJX社の T.J. Maxx と Marshalls、ROSS社のROSS 

 アメリカ国内の店舗数は

 ROSS (ロス)            1112店
 T.J. Maxx (ティージェーマックス) 1036店
 Marshalls (マーシャルズ)      904店

 もあります。(2013年1月現在)

 店頭にあるブランドや価格、来店客層からグレード順に言うと

 店舗数とは逆に  Marshalls  T.J. Maxx  ROSS の順でしょうね。

Imag2367
 Marshalls は店も比較的きれいで、ホームファッションも充実、逆にROSSは$10未満の商品が多いので、そういった商品を求めに来る客層でいつも混雑しています。T.J. Maxxはその2つの中間よりは Marshalls 寄りってところでしょうか?
 
 私も90年代の後半にカリフォルニア州に住んでいたころ、Marshalls にはずいぶんお世話になりました。

 POLOラルフローレン、カルバンクライン、トミーヒルフィガー、クイックシルバーなど、SPAではなくて、百貨店や専門店に卸されているブランド物を目当てに スーパーマーケットに買い物に行くたびに、時間があれば隣にあったMarshallsを覗いたものでした。

Imag2362_2 その後、アメリカ出張の際には よく滞在中のアンダーウエアの買い足しを目的にオフプラスストア寄ったものでした。 今回も立ち寄ったT.J. Maxxで CKのVネックT 3Pパックを17.99ドル、HAPPY SOCKSを 4.5ドルx3足 で購入したものでした。

 そんな行動をしていてふと思ったのですが・・・

 アメリカで思うように出店ができていないユニクロ

 同社のアメリカでの参入障壁、店舗拡大のネックになるライバルはGAPなどのアパレル専門店やウォルマートやターゲットのようなディスカウンターではなく、これらのオフプラスストアではないか?と。

 だってオフプラスストアには常時 ポロやCKやナイキやアディダスなどのブランドのコモディティ衣料がかなりディスカウントされて売られていますから。

 オフプライスストアで販売されているアンダーウエアやホームウエアは ナショナルブランドクオリティですから安心ですし、ユニクロくらいの価格で十分購入できます。

 間に合わせなら全然申し分ありません。たまにポロラルフローレンやカルバンクラインの掘り出し物が見つかる楽しみもあるとなれば、訪問頻度も高まりますしね(笑)。

 アメリカにはオフプライスストアをそんな選択肢のひとつとして使い分けている人たちが多いのではないでしょうか?

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