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June 23, 2014

世界アパレル専門店 業態別売上ランキング2013~これからの世界での成長要因は?

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 先のエントリー=企業別ランキングに続き 業態(屋号)別 売上TOP10をまとめてみました。企業単位ではなく、同じ看板のファッションチェーン単位でのランキングです。

 円建て比較にあたり、為替レートは、すべて2014年1月31日時点のレート、ユーロ=¥139.4、スウェーデンSEK=¥15.8、US$=¥102.8、英ポンド¥169.7にて換算しています。

 C&Aのみ2013年決算が入手できませんでしたので2012年度の売上高を表示しています。

順位(前年) 業態          売上高   前年対比 期末店舗数 
1位(1)-    H&M         1兆9,700億円  +6%  2,936   
  (瑞エッチアンドエム;13.11期)

2位(2)-    ZARA         1兆3,057億円  +2%  1,827   
  (西インディテックス;14.01期)  
  
3位(3)-  C&A Europe         9,479億円  +3%  1,537
  (蘭シーアンドエー;12.2期)

4位(4)-   UNIQLO           9,344億円  +21%  1,299
  (日ファーストリテイリング;13.08期)

5位(8)-   PRIMARK          7,251億円  +22%  257
 (英プライマーク;13.09期) 

6位(5)-VICTORIA'S SECRET      6,868億円  +2%  1,060
  (米Lブランズ;14.01期)  

7位(7)-   GAP             6,528億円  +6%  1,389
  (米ギャップ;14.01期) 

8位(6)-  OLD NAVY          6,432億円  +2%  1,022
  (米ギャップ;14.01期)   

9位(9)-NEXT               6,054億円  +5%   541
  (英ネクスト;14.01期)

10位(10)-ファッションセンターしまむら    4,070億円  +2%   1,299
  (日しまむら;14.2期)

 前年と比べての気づき:

○ 企業ランキング同様 H&MとZARAが前年の2桁成長(10%以上)から一桁台成長に鈍化。
 特に、ZARAの伸びが鈍いです。

〇 一方、前年に10%台だったユニクロ、プライマークがそれぞれ20%台の成長に。

 特にプライマークは前年の8位から5位に大きく躍進。

○ ギャップグループ内の話ですが、GAPが米国外での出店に力を入れ、OLD NAVYの売上を上回る。

 その他は先の企業別ランキングと傾向の違いはありません。 


 興味深いのは中華圏で大きく伸ばしたユニクロと中国含む新興国で伸び悩んだZARAの違いです。

 ユニクロは今年度C&A(おそらく毎年一桁前半の成長)は確実に抜くとして、ZARAに何時 追いつくか?です。

 単純計算で年率20%成長を続ければ 2年後にZARAに追いつきます。

 また、ユニクロの後ろには1.5年遅れでプライマークが20%超の成長で追いかけてきます。

 ZARAは都心部で働く女性に強いブランドであり、一国あたりの売上は限定的。アメリカ合衆国のような巨大マーケットでたった50店舗に満たない店舗数がその証拠です。

 一方、ユニクロはユニセックス、ノンエイジのインナーウエアアンダーウエアに強い、人口の80%を狙う国民服的なコンセプトですから一国あたりでのポテンシャルはZARAよりも大きいのは間違いありません。

 そういう意味ではユニクロはH&Mよりも客層が広く世界的にポテンシャルが高いと言えます。 

 ただ、欧米先進国にはC&A(欧州大陸)やGAP(北米)やNEXT(英国)のような各地で同様のポジショニングの指定席に座っている強豪がいるので成長は限定的でしょう。

 そんなところに時間をかけているよりも、中国や東南アジアやインドやアフリカなどまだ決着のついていない巨大マーケットで速やかに一番になって勝負をつけることが世界一への早道ではないでしょうか?

 また、先進国でも新興国でも貧富の差は確実に開くはずですから・・・プライマークのような超激安大型店チェーンへの需要も後を絶たないのでしょうね。 

 私たちが好むと好まざるとにかかわらず・・・

ZARA、H&M、ユニクロ、しまむら・・・世界のアパレル専門店トップブランドの顧客の視点に立ったきめ細かい戦略をわかりやすく解説しました⇒

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June 22, 2014

99(キュッキュー)価格にこだわるユニクロらしさ

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 今日の日経新聞 「日曜日に考える」 編集委員の方による 

 「 『99価格』 求めたユニクロ、値上げで狙う「らしさ」復活」

 のコラムには共感しながら楽しく読ませていただきました。

 ユニクロが秋から値上げするニュースは同紙含めてデフレ脱却を歓迎する誇大な情報操作か?ユニクロ自身のメディア戦略か?と思ってしまうほど過剰にメディアで取り上げられましたが(笑)・・・

 ファストリのユニクロやそれに連動したジーユーの製造原価高騰による値上げの裏には2つの大きな理由があると思います。

 ひとつは国内ユニクロ事業が成長の踊り場を迎え、収益面ではまだ過渡期にある海外ユニクロ事業やジーユーの売上構成比が高まるにつれて低下するファストリの営業利益率。

 2010年度には16.2%もあった同社の営業利益率は国内ユニクロ事業以外の構成比が増え、その結果2013年8月期には11.6%にまで低下しています。

 営業利益率11.6%と言えば国内流通業では優秀かも知れませんが・・・

 グローバルファッションリテーラーの強豪の中では見劣りしますし、数年前のユニクロの利益率を謳歌した株主が満足できるレベルではありません。

 この営業利益率を上げるためには頼みの国内事業できめ細かく利益率を確保することが求められているはずです。

 もうひとつは今回のコラムでも述べられているユニクロの「99(キュッキュー)価格」へのこだわりです。

 現在のユニクロの店頭の通常価格は・・・

 消費税5%時 総額表示が990円だった商品は 

 本体価格 943円 税込で1018円

 同1990円は

 本体価格 1896円 税込で2047円 

 同2990円は

 本体価格 2848円 税込3075円

 と 4月以降 店頭POPに表示されている本体価格にも 税込価格にも 

 ユニクロが得意としたわかりやすいプライスライン=99(キュッキュー)価格が見当たらないという状況。

 これは お客さんが違和感を覚えていることはもちろん・・・

 世界のファッション小売業の価格設定をよくご存じで、これまで日本でも99(キュッキュー)価格にこだわって来られた 柳井会長ご自身も 現在の通常価格には耐えがたい違和感を持たれていることでしょう。

 そのため、まずは本体価格だけでも今までのユニクロらしく99(キュッキュー)のスッキリ価格を復活させようという狙いと見て間違いなさそうです。

 記事でも触れられていますが、

 ヨーロッパの消費税にあたるVATは17%~25%と日本よりはるかに高いですが、

 ヨーロッパ各国の大手ファッションチェーンの価格表示は

 税込総額表示で19.95ユーロや19ポンドなど、末尾に必ず9がつく値付けをして わかりやすく安さと安心感を演出するチェーンが圧倒的に多いです。

 また、記事には記載されていませんが、州によってアパレル商品に消費税がかかるところとそうでないところがある アメリカでは 一般的に税抜価格が表示されていますが、
 
 表示価格はやはりヨーロッパと同じ理由で19.95ドルなど末尾に9がつく値付けをするのが大手ファッションチェーンの常識のようなものです。

 言ってみれば ユニクロは 「らしさ」の99(キュッキュー)価格をアメリカ方式?で復活させようとしているわけですね。

 しかしながら、現在は8%、来年の10月には10%に上がり、最終的にはヨーロッパ方式の総額表示が義務付けられる予定の消費税。

 ユニクロのアメリカ式の 本体価格99価格も過渡期的な措置になります。

 さて、消費税が10%になった時のユニクロは総額表示をどうするか?世界的な大手チェーンのスタンダードである99価格をどう維持するのか? ・・・ 時間は限られています。

 この価格設定、値付けの問題は企業にとっての大事なポリシーであり、ブランディングであり、お客さんとの約束であることは言うまでもありません。

 原価積み上げて、増税分そのままのせてチャンチャン!で済ます話ではないでしょう。ラグジュアリーブランドならまだしも・・・ですから今回のユニクロの話は他人事ではないことはおわかりでしょう。

 みなさんのブランドにとって、お客さんとお約束をしている、お客さんから期待されている「らしい」「わかりやすい」価格設定とはどんな価格ですか?

 増税の影響は想定内だった、あまり影響はなかったと言っているうちに・・・

 またすぐに考えなければならない時がやって来ます。

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 「ユニクロは1900円に絞り込むことで成功した(第4章 第2話)」 をはじめ 第4章ではファッションチェーンがこだわる価格政策のわかりやすさについて解説しています。

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June 20, 2014

変わる商社OEMの役割と店頭起点のパートナーシップ

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 6月20日の繊研新聞に掲載されていた 「記者の目~商社の製品OEMに求められるもの
目先のコストより売れる商品供給を」 という見出しのコラムを興味深く読ませていただきました。

 ずいぶん昔になりますが、15年ほど前までは、商社のアパレル生産(OEM)部門におりましたので、当然のことながら、環境の変化とともに商社の役割も大きく変わって来たのだな、といろいろ考えながら読んでいました。

 かつてはアパレルメーカーさん、小売りさんに素材を中心に提案をしながら、要請された商品をいつ、どこで、いくらで作り、いつ納められるかを担うコーディネート機能が求められていたと思いますが、

 小売出身バイイングSPAの時代になり、取引先の仕入担当者が「企画」と呼ばれていても、具体的な商品企画のイメージが明確でない中で、バイイング(商品選定)中心に行うようになれば、出入り商社の提案することもアパレルメーカー機能に変わって来ます。

 記事にもあるように、

 商社の出番と思われた

 「チャイナプラスワン(中国以外のアジア地域での生産)のコストメリットは関税免除分くらいしか中国との差はなく」

 「コストダウン策は標準装備であって決定打とはならない」

 「コストダウン策を講じたとしても結果的に売れない商品ばかりを作り続けていては共倒れ」 

 「消化率を上げるのがアパレル、小売業にとって何よりのコスト抑制策」

 ということで、

 小売りの先にいる消費者を見据えた消化率の高い商品の提案をするアパレルメーカー機能が求められているわけです。

 記者の方は

 「小売りのプロとはいえない商社にとって高いハードルかもしれないが、もう後戻りはできない。」

 とコラムを結んでいます。

 記事を読み終えて、SPA時代こそ、むしろ小売り側がしっかりして、もっとリーダーシップをもってお取引先を引っ張っていって欲しいと 思うと同時に、

 パートナーとしての商社に求められていることも、より店頭起点でなければならない時代であるとあらためて認識しました。

 「店頭起点で考えること」とは言葉で言うのは簡単かも知れませんが・・・

 商社マンからキャリアをスタートし、小売ビジネスに身を転じた私の体感としては大きな意識のギャップがあると思っています。

 年に2回、半期単位でビジネスを考える商社と 年に8回またはそれ以上のビジネスチャンス(シーズン)に対して、週単位で店頭を考える小売りのサイクルの違いを認識した上で理解を深めること 

 これは体感しないと、なかなかわからないかも知れません。

 小売り側も商社はなぜわかってくれないのか?と思いながら付き合っているかも知れません。

 お互いわからないと言い合っていても始まらないので・・・であれば、両者 消費者の方を向いて消費者の利益のために仕事をすればいいと考えるのが得策かと思います。

 そして、そんなスピード感でビジネスをしている小売りに対して、消費者(顧客)の需要サイクルにあわせて売れる時を逃さないように商品を店頭に積み込むタイミングに、よりシビアになることが大切かなと思います。

 関連エントリー- 流通段階と仕事の発想、サイクルの違い

 ファッションビジネスは5適が大事と言われますね。

 顧客に対して 適品 適価 適所 適時 適量を実現しようという話です。

 商品だけを考えると、どうしても最初の2つ、特に最初の「適品」にフォーカスし、「適価」よりも原価を中心に考えられがちです。

 しかし、現実には後の2つ 「適時」 「適量」で消化率や利益が決まるものです。

 それを理解した上で「適品」 「適価」を提案することが 大事なのではないでしょうか?

 あと 「適価」(仕入担当者の望む原価)を実現するために、無理な量をバイヤーに押し付けないこともおすすめします(笑)

 そんなことをすると、むしろ消化率が下がるだけでなく、全体の商品回転が鈍ったり、高回転商品を仕入れる仕入枠がなくなったりしてしまいますからね。それこそ「共倒れ」です。

 最後に、

 「消化率」を上げるためには小売り側が行わなければならない「死に筋」削減努力もあります。

 ・要らない色は仕入れない、作り過ぎない

 ・今、売れているからといって深追い(過剰追加)をしない

 ・消化率が高かった売れ筋商品の残品を放置しない(タイムリーに売り切る)

 以上 経験則に基づく 売れ筋商品が死に筋に変わる時の3要素で、私もクライアント企業さんの現場とともにいつも肝に銘じております。

 商社OEMに携わる方々には、是非、そんな情報や思いを納品先と共有できる店頭起点のパートナーになって頂き、今後のファッション産業の発展に貢献していただければと思っています。

 元商社マンである筆者がファッションSPAの成功法則を判りやすく解説した拙著 「人気店はバーゲンセールに頼らない 勝ち組ファッション企業の新常識」 是非 商社OEMに携わる方々にお読み頂きたいです。

 関連エントリー-OEM生産とODM生産
 関連エントリー-見直し迫られる商社のOEM生産ビジネス

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June 17, 2014

世界アパレル専門店売上ランキング2013 トップ10

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 Inditexグループの2013年アニュアルレポートはまだリリースされておりませんが・・・

 世界の大手アパレル専門店各社の数字が出そろい、2013年度決算をレビューする機会がありましたので、

 毎年恒例になりました売上高のTOP10を共有させていただきます。

 円建て比較にあたり、為替レートは、すべて2014年1月31日時点のレート、ユーロ=¥139.4、スウェーデンSEK=¥15.8、US$=¥102.8、英ポンド¥169.7にて換算しています。

 C&Aのみ2013年決算が入手できませんでしたので2012年度の売上を表示しています。

               売上高     前年比  期末  基幹業態
                               店舗数  とシェア
1位- Inditex       2兆3,313億円  +5%   6,340  ZARA
  (西インディテックス;14.01期)                    64.6%

2位-H&M         2兆0,312億円  +6%  3,132   H&M
  (瑞エッチアンドエム;13.11期)                   95 %超
  
3位-Gap         1兆6,600億円  +3%  3,539   Gap
  (米ギャップ;14.01期)                      39.3 %      
                                    Old Navy
                                     38.7 %

4位-Fast Retailing    1兆1,430億円 +23%  2,449  Uniqlo  
  (日ファーストリテイリング;13.08期)                  81.7 %   

5位- L Brands      1兆1,074億円  +3%   2,923 Victoria's Secret
  (米エルブランズ=リミテッド;13.01期)                62.0% 

6位-C&A Europe      9,479億円   +3%   1,575   C&A
  (蘭シーアンドエー;12.2年度)                     100%
         
7位-Primark         7,251億円  +22%   257  Primark
  (英プライマーク;13.09期)                      100%

8位-Next           6,346億円   -2%    541  NEXT 
  (英ネクスト;14.01期)                         95%

9位-しまむら        5,018億円    +2%  1,860  しまむら
  (日しまむら;14.2期)                        81% 
              
10位-Arcadia group    4,641億円   +2%   2,500超 TOPSHOP
(英アルカディアグループ13.8期)                  /TOPMAN 
                                       25%                                                                                     
 備考: アメリカのオフプライスストアー(アパレルや小売チェーンが換金目的で放出したブランドを扱う)のTJX、Rossは、2次流通とみなし、除外しました。

 傾向:

○毎年2桁成長(10%以上)を続けていた世界のツートップ、ZARAのInditex とH&Mが1ケタ増に成長鈍化。厳しい1年だったようです。これは集中出店している新興国の成長伸び悩みが原因のようです。

 特にInditexは営業減益となりました。これは中国、ブラジル、日本、ロシアを筆頭に前年よりも7%も売場面積を増やしたにもかかわらず2%しか売上を伸ばせなかったZARAの伸び悩みに要因があるようです。

〇いよいよユニクロのファストリが年商1兆円を超えLブランズを抜き世界4位に浮上。23%の増収はトップ10内最高です。

 しかしながら、国内ユニクロ事業の収益の低下、海外ユニクロ事業とグローバル事業の収益力はまだ道半ばで海外事業やGUの売上構成比の高まりとともに、全体の営業利益率は低下を続ける過渡期にあります。 

○ アメリカの景気回復を受けて米国勢GAP、Lブランズの収益性は回復しています。

○ Primark(プライマーク)が大幅増収増益でイギリスでネクストを抜いて 7位に浮上。勢いが止まりません。

 フランスへ進出、近々アメリカへも進出する計画があります。

 みなさんはこれらのランキングを見て何をお感じになりましたでしょうか?

 さて、2014年以降の見どころは・・・

1.ZARAのインディテックスとH&M が再び2ケタ成長を回復できるか?

  直近3-6か月の業績はそれぞれ回復基調にあるようです。
  日本でも ここのところ価格を下げてシェアを取りに来ているように感じられます。

2.国内ユニクロ事業頼みのファーストリテイリングが海外事業の収益力をどこまで上げることができるか?

  国内ユニクロ事業も既存店増収優先から利益確保に舵を切り替えてますね。

3.ファッションハードディスカウンター プライマークの勢いがどこまで続くのか?

  個人的には日本に来るのは勘弁して欲しいと思いますが・・・
  今後、日本が成長のための外国人労働者受け入れなどを進めると、
  日本にもプライマークのようなお店も必要になるかも知れません。 

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June 02, 2014

バーバリーショックを越えて

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 5月に業界で最も話題になったニュースは 三陽商会が2015年6月をもって英バーバリーとのライセンス契約を終了することを正式に発表したことに関する報道だったでしょう。

 同社としての正式発表は今年の5月19日になりましが、アパレル業界では「2015年問題」として5年くらい前から話題になっていた話で、そのころ(2010年8月)当ブログでもこのようなエントリーをアップしていました。

 バーバリー、ポロ・ラルフローレンのアジア店舗の直営化が進む

 計画的な人員削減を中心としたコストカットや代替えブランド探しを進めてきたため、業界の中では判っていたこととの認識が強かったとは思いますが、同社の正式発表がこのタイミングになったのにはいろいろな事情があったのでしょうね。

 翌日(5月20日)報道した日経新聞などによれば

 三陽商会は1965年からバーバリーコートのインポートを始め、1970年から三井物産と組んでライセンス生産をスタート。

 今回ライセンス契約を終了する「バーバリー・ロンドン」ブランドの同社売上(2013年12月期1063億円)に占める割合は2割強、
 
 現在、「バーバリー・ロンドン」の百貨店には300の売場があり、

 もう3年間ライセンス生産を継続するというブルーレーベルとブラックレーベルを含めると「バーバリー」ブランドへの依存度は同社の売上の約5割になるとのことですから

 同社にとってバーバリーを失うことの痛手が大きいことは、いまさら言うまでもありません。

 これまでの同社に関する報道を見ていると ポールスチュアート(米)、マッキントッシュ(英)、プリングル(英)など、やはりライセンスブランドによる置き換えを模索されているようですね。(ポールスチュアートは現在、三井物産の子会社になっているようですが)

 当面の間は 百貨店300拠点の穴埋めが緊急課題だと思うので、名の知られたトラディショナル系のライセンスブランドによる置き換えが正攻法な進め方だと思いますが・・・

 同社には次世代に向けて是非、ブランドライセンスだけに頼らないビジネスモデルを再構築していただきたいと思います。

 5月26日の繊研新聞に関連記事として、これまでの海外メジャーブランドとのライセンス契約打ち切りの事例記事が掲載されていました。紹介されていた3社の数字を引用させていただきます。 

 社名         ブランド名        契約解消年 当時の売上規模
 鐘紡      クリスチャンディオール  1997年    380億円
 デサント      アディダス        1997年    390億円
インパクト21  ポロ・ラルフローレン    2007年    307億円
(オンワード樫山)

 また、翌日の同紙には、立ち直りがうまく行っているデサント社の事例が紹介されていました。

 この記事は、さすが繊研さん!と思いましたね。

 アディダスとのライセンス契約解消によって、当時(1998年)年商1000億円弱の売上の4割、利益の5割がなくなったデサント社はその後、

〇 アジアで売上を伸ばして海外売上比率を高め (2013年 海外売上比率48%)

〇 売上の80%がアジアで商標権を取得しているブランドまたは自社ブランドによる売上

とライセンスブランド依存から脱却して 14年3月期には年商1099億円と1000億円台を回復されたようです。 これはお見事!です。

 デサントの「脱ライセンスブランド依存経営」、「海外売上拡大」も大変参考になる事例だとは思いますが、

 もうひとつ、三陽商会さんならではの強みを発揮していただきたいことがあります。

 それは もちろん・・・時代に合わせた 持ち前の技術力の発揮です。

 結論を先に言えば、

 H&Mの「COS(コス)」のような「手の届くラグジュアリーSPA」を三陽商会さんの技術を結集して実現できないでしょうか?という話です。

 以前、こんなエントリーの中でも話題にしましたが・・・

 世界市場を勝ち抜くには布帛(ふはく)が重要

 私が商社で国内生産、海外生産の営業をしていたころ、勤務先が大手アパレルさんと一通りお取引があったため、すべてのアイテムを取り扱う「総合アパレル」と呼ばれていても、それぞれのご出身によって会社の体質に大きな差があって、

 その中でも、カットソー(メリヤス)出身のところはこんな「どんぶり勘定」でいいのかな?と思っていましたし、

 一方、布帛(ふはく;コート、ジャケット、シャツ、パンツなど織物素材で作るアイテム)に強く、技術を大事にして、積み上げ式のコスト管理をしていた会社は厳しい時代にも確実に生き残ると予感していたものでした。

 振り返れば、歴史がそれを証明してくれたような気がしています。

 今、三陽商会さんは大変な状況にあるとは思いますが、私が当時(1990年代)、将来、確実に生き残ると思ったs何社さんかの筆頭でしたから・・・そんな立派な会社さんが今回のショックくらいで、ダメになってしまってはいけません。

 それは、日本の次世代のアパレル業界の未来のためにもです。

 積み上げ方式を熟知しているということは、裏を返せば、上手な引き算も出来るはずです。

 その技術と研究手法を是非、SPA(アパレル製造小売業)のバリュー顧客還元型ビジネスモデルでフル活用していただきたいと思います。

 ベンチマークすべき事例は・・・やはり、今、日本でも注目されはじめた、H&Mの「COS(コス)」ではないでしょうか?

 規模と価格で追随を許さない、世界のファストファッションの雄、H&Mが次世代に向けて開発し、世界で店舗拡大中の業態。

 ファストファッションの改良版であり、ファストファッションと共存する「手の届くラグジュアリー業態」です。
 
 COS HP

 以前、ブログやフェイスブックのヨーロッパリサーチや香港リサーチの中でも ご紹介しましたが、

 ヨーロッパファッションストア見聞録 パリ~バルセロナ~ロンドンのまとめ

 

 まだCOSを見ていない方に私の個人的な印象をお伝えすると

 「ジルサンダーにZARAを任せたら?」

 みたいな 素材感を大切にした、ミニマルシルエットの大人のコンテンポラリーベーシックSPA。

 ファストファッションが着用できるのは1シーズン?に対して、Timelessをテーマにした数シーズンの着用に耐えうる定番アイテムの多い業態です。

 日本のセレクトショップ好きの方々には受けること間違いなさそう、と思っています。

 単価も シャツブラウスあたりで、
 H&Mが ヨーロッパ大陸で€19.95のところ €49~59と 倍以上にはなりますが、そもそもH&Mが激安なので、品質と価格のバランス、バリューは個人的にはH&Mよりも断然納得が行きます。
 
 2007年 ロンドンからスタートし、今、香港まで来ており、今年は韓国に進出するようですので、日本上陸も間近でしょう。

 COSの末恐ろしいところは 中国にアトリエと専用サンプルラインを持っていて、試作によって、品質とコストのバランスを研究し、実現したい価格で、実現したいクオリティを実現すべくサンプリングやコストを試算した上で量産工場に発注をするというプロセスをとっているところです。

 そんな 技術研究や上手な引き算がわかっていないとできない芸当は・・・日本のアパレル業界、特に大手の中ではそう何社もないでしょう。三陽商会さんはそのポテンシャルを持った最右翼だと思っていますから。

 海外から話題の有力チェーンが上陸する時

 GAP上陸時のユニクロにしても、H&M上陸時のユニクロにしても、タイガー上陸時のASOKOにしても 

 その相乗効果の果実を享受する日本企業が登場するもので、COSが上陸するころに業態開発が間に合えば言うことはありません。

 旧世代型のライセンスビジネスと新世代向けの手の届くラグジュアリーSPA

 急場を乗り切ること と 未来への投資と ちょうどその分岐点にいらっしゃる同社が 

 これからどうバランスをとって行くのか? 

 社内事情を存じ上げない、勝手な話しで、大変恐縮ですが・・・

 いずれにしても、バーバリーショックを越えて・・・ 経営資源を次世代に向けた方向で活用して乗り切っていただきたいという気持ちでいっぱいです。

 【おススメ本】
 
 ファッションストアの顧客購買心理と在庫コントロールの近未来を考えるビジネス読本です。

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