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June 22, 2014

99(キュッキュー)価格にこだわるユニクロらしさ

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 今日の日経新聞 「日曜日に考える」 編集委員の方による 

 「 『99価格』 求めたユニクロ、値上げで狙う「らしさ」復活」

 のコラムには共感しながら楽しく読ませていただきました。

 ユニクロが秋から値上げするニュースは同紙含めてデフレ脱却を歓迎する誇大な情報操作か?ユニクロ自身のメディア戦略か?と思ってしまうほど過剰にメディアで取り上げられましたが(笑)・・・

 ファストリのユニクロやそれに連動したジーユーの製造原価高騰による値上げの裏には2つの大きな理由があると思います。

 ひとつは国内ユニクロ事業が成長の踊り場を迎え、収益面ではまだ過渡期にある海外ユニクロ事業やジーユーの売上構成比が高まるにつれて低下するファストリの営業利益率。

 2010年度には16.2%もあった同社の営業利益率は国内ユニクロ事業以外の構成比が増え、その結果2013年8月期には11.6%にまで低下しています。

 営業利益率11.6%と言えば国内流通業では優秀かも知れませんが・・・

 グローバルファッションリテーラーの強豪の中では見劣りしますし、数年前のユニクロの利益率を謳歌した株主が満足できるレベルではありません。

 この営業利益率を上げるためには頼みの国内事業できめ細かく利益率を確保することが求められているはずです。

 もうひとつは今回のコラムでも述べられているユニクロの「99(キュッキュー)価格」へのこだわりです。

 現在のユニクロの店頭の通常価格は・・・

 消費税5%時 総額表示が990円だった商品は 

 本体価格 943円 税込で1018円

 同1990円は

 本体価格 1896円 税込で2047円 

 同2990円は

 本体価格 2848円 税込3075円

 と 4月以降 店頭POPに表示されている本体価格にも 税込価格にも 

 ユニクロが得意としたわかりやすいプライスライン=99(キュッキュー)価格が見当たらないという状況。

 これは お客さんが違和感を覚えていることはもちろん・・・

 世界のファッション小売業の価格設定をよくご存じで、これまで日本でも99(キュッキュー)価格にこだわって来られた 柳井会長ご自身も 現在の通常価格には耐えがたい違和感を持たれていることでしょう。

 そのため、まずは本体価格だけでも今までのユニクロらしく99(キュッキュー)のスッキリ価格を復活させようという狙いと見て間違いなさそうです。

 記事でも触れられていますが、

 ヨーロッパの消費税にあたるVATは17%~25%と日本よりはるかに高いですが、

 ヨーロッパ各国の大手ファッションチェーンの価格表示は

 税込総額表示で19.95ユーロや19ポンドなど、末尾に必ず9がつく値付けをして わかりやすく安さと安心感を演出するチェーンが圧倒的に多いです。

 また、記事には記載されていませんが、州によってアパレル商品に消費税がかかるところとそうでないところがある アメリカでは 一般的に税抜価格が表示されていますが、
 
 表示価格はやはりヨーロッパと同じ理由で19.95ドルなど末尾に9がつく値付けをするのが大手ファッションチェーンの常識のようなものです。

 言ってみれば ユニクロは 「らしさ」の99(キュッキュー)価格をアメリカ方式?で復活させようとしているわけですね。

 しかしながら、現在は8%、来年の10月には10%に上がり、最終的にはヨーロッパ方式の総額表示が義務付けられる予定の消費税。

 ユニクロのアメリカ式の 本体価格99価格も過渡期的な措置になります。

 さて、消費税が10%になった時のユニクロは総額表示をどうするか?世界的な大手チェーンのスタンダードである99価格をどう維持するのか? ・・・ 時間は限られています。

 この価格設定、値付けの問題は企業にとっての大事なポリシーであり、ブランディングであり、お客さんとの約束であることは言うまでもありません。

 原価積み上げて、増税分そのままのせてチャンチャン!で済ます話ではないでしょう。ラグジュアリーブランドならまだしも・・・ですから今回のユニクロの話は他人事ではないことはおわかりでしょう。

 みなさんのブランドにとって、お客さんとお約束をしている、お客さんから期待されている「らしい」「わかりやすい」価格設定とはどんな価格ですか?

 増税の影響は想定内だった、あまり影響はなかったと言っているうちに・・・

 またすぐに考えなければならない時がやって来ます。

 【おススメ本】

 「ユニクロは1900円に絞り込むことで成功した(第4章 第2話)」 をはじめ 第4章ではファッションチェーンがこだわる価格政策のわかりやすさについて解説しています。

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