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February 13, 2015

日本に学び、その良さを生かして世界に羽ばたいた国際企業

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 2月12日の日経新聞一面コラム春秋に、おそらく先ごろ深川で日本一号店をオープンしたブルーボトルコーヒーとおぼしき外資コーヒー店に関するコメントが掲載されていました。

 コラムによれば、コーヒー豆を厳選して、一杯ずつ時間をかけて丁寧に入れる同店の発想について

 「創業した米国人は店づくりのヒントを日本の喫茶店から学んだ」

 とのことです。

 日本から消えつつある喫茶店文化が海の向こうで、しかも時間が貴重品であるはずのITベンチャー企業を育てて来たシリコンバレーの投資家たちに支援され人気を博し、更に海外進出(文化の逆輸入?)も果たしたことに触れ、

「日本の喫茶店にも、自分たちが培ったコーヒー文化を押し立て、世界に羽ばたく道があったのかもしれない。」

 という一文に、先日ブログで書いた

 日本からもZARA(ザラ)のように母国と近隣国でつくり世界に売るグローバルSPAが生まれないだろうか?

という記事で書いたことにも通じる何かを感じました。

 ご存じのように、ナイキもオニツカタイガーを、アップルだってソニーをリスペクトして世界に羽ばたいたブランドなのは有名な話です。

 実は、既出のブログでご紹介したZARAの創業者オルテガさんだって、日本に学び、その良さに磨きをかけて世界一になった企業のひとつなのです。

 お金がない創業時、生地屋さんに掛けで売ってもらった原反(生地)を自らが運転するトラックで縫製工場に運び、完成品を店舗に届け、店頭で商品が売れて回収したキャッシュを持って生地屋に支払いに行って、また新しい生地を仕入れるという人海戦術、一人SPA時代がありました。

 自分がつくるファッションを世界中の女性に届け、おしゃれになってもらいたい、という思いから・・・

 この人海戦術スピードオペレーションをもっとシステマチックに世界に届けるにはどうしたらよいのか?と考え、

 IBMのコンピューターに精通した当時地元の大学教授だった方をブレーンとしてNO.2に据え(のちのZARAのインフラの基礎を築き、オルテガ氏と二人三脚で世界一に登り詰めたホセ・マリア・カステリャーノ氏)、

 また、ZARAがまだスペイン、ポルトガルで百店舗になるかならないかという80年ごろに日本のトヨタのジャストインタイム(JIT)システムを高く評価し、JITのコンサルを入れて工場の製造効率に取り組んだという話があります。

 つまり日本のトヨタ自動車の製造ノウハウを世界のファッション流通業界の中で最も評価、理解し、それを活かして世界一になったのがZARAであって、日本のファッション好きな女性たちの多くも回りまわって、その恩恵を受けているという話です。

 日本の技術や文化をリスペクトし、海外で自己流に取り入れて成功して、その恩恵をまた新鮮な形で日本人が享受しているという話は他にもあるのではないか?と思います。

 クールジャパンの世界への売り込みにはいろいろなアプローチがあるかと思いますが・・・

 そんな海外の賢者が脱帽した日本のいいところという視点で日本の技術や文化を再評価して再生したり、むしろ次世代が継承したくなるような新しい切り口にして生まれ変わることを支援したりするものも面白いかも知れないと思った次第です。

 【業界を学ぶ書籍のご紹介】

 「ユニクロ対ZARA(ザラ)」単行本 ソフトカバー(日本経済新聞出版社)

 おかげさまで5刷、今年は中国、台湾、韓国で訳本が出版されます。

 ベーシックカジュアルの価格と品質の常識を変え日本一のアパレルチェーンとなり、世界一を目指して突き進むユニクロとトレンドファッションの価格の常識を変え、世界一となったスペイン インディテックスグループの基幹ブランドZARA (ザラ)。

 既存のファッション流通の常識に挑んだ2つのブランドの真逆のアプローチ、ビジネスモデル、2人の起業家が考える顧客満足、経営信念、人材育成、今後の成長の可能性まで・・・

 10数年両ブランドをウォッチし続けた専門家の立場から両者の成長の舞台裏をわかりやすく解説しました。

 

 「人気店はバーゲンセールに頼らない」 中央公論新社

  

 電子書籍 Kindle版もあります。

 いつもお読み頂きありがとうございます。
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February 11, 2015

ユナイテッドアローズ(UA)のセールに頼らない仕入れと販売の仕組み

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 2月10日の繊研新聞にセレクトショップ最大手のユナイテッドアローズ(UA)がシーズンMDの細分化と価格戦略の見直しに取り組み、プロパー消化率と収益性の向上に取り組むことに関する記事が掲載されていました。

 記事によれば 

 同社はこれまで梅春、春、夏、初秋、秋、冬の6区分だったMDを

 今後は梅春、春、初夏、盛夏、晩夏、初秋、秋、冬の8区分に細分化し、

 顧客の体感気温に応じたきめ細かい商品供給を行うことによって実需対応しながら、

 今期 第3四半期 増収ながらも減益となり、通期予測も下方修正を強いられた要因となったセールに頼った体質?を改善し、プロパー消化率を高め、期末在庫を圧縮して収益を高めようという試みです。

 記事を読む限り、同社の新MD期は、春の前倒しと長期化する夏に対応した夏シーズンの細分化、そして秋冬は完全に実需に合わせようというかなり思い切った施策のようです。

 流行の先端を行くセレクトショップ大手各社もシーズン初めはインポートやセレクト商品が並ぶものの、実需期を中心に全体的にはビジネスモデル、収益構造とも限りなくSPAに近づいているのが実態です。

 その最大手のUAがいよいよ更なるSPA化に向けて舵を切るのか・・・そうすると、業界のビジネストレンド全体にも影響を及ぼしそうだ、とある意味、時代の変化の予兆を感じた記事でした。

 記事の見出しに目がとまり、記事の内容を読んでいて、

 私が 2013年4月に発売した

 書籍 「人気店はバーゲンセールに頼らない」(中央公論新社)

 の中で訴えたかったことが、いよいよ業界大手さんたちにも受け入れられ始めてゆくのかな?とも感じ、少しうれしく感じました。

 拙著で紹介させていただいた たくさんの事例は、鎌倉シャツを除いて、実際には何らかの値下げをする会社ではありますが、

○ 常に顧客目線に立ってタイムリーに商品を店頭に並べる、

○ 原則的には最初からプロパーで売り抜くつもりで設定した正直価格で販売をスタートする、

○ 大幅な値下げをしなくていいように必要な分だけ作る あるいは 

○ 計画的につくるものの、売り切れないとわかったら、お客さんがまだまだ着ることができるうちに価格調整をして売り切り早期リセットし、値下げ幅は最小限にコントロールしながら、

○ むしろ顧客のために新鮮な商品をタイムリーに適価で提案し続けることを第一優先に考えている

 ブランドたちでした。

 本書の中で UAさんに関しても Eコマースやオムニチャネルリテイリングの事例に関しては紹介させていただいております。

 今回、UAが挑むシーズン細分化の仮説が正解となるか?

 答えを出すのはもちろん消費者ですが・・・

 同社を始め業界全体が、より顧客に近づき、商売人として検証をしながら修正を加え、

 更に顧客とともにハッピーになる方向に向かって行けば・・・

 私が思いを込めて著した書籍の目的も果たせたことになるかもしれない、と期待をしながら応援しています。

 このあたりの動向にご興味を持ち、ご一緒に考えていただけるのならば・・・ 

 是非 ファッション商品の顧客満足と在庫コントロールを考えるビジネス読本

 拙著 「人気店はバーゲンセールに頼らない 勝ち組ファッション企業の新常識」(中央公論新社)

 をお読みになってみて下さい。

 新書版のためバッグに入れて持ち運びやすいサイズ、実務に直結した4ページ1話 読み切りストーリー集 

 多くのファッション専門店さんで社内勉強会や研修の副読本としていただいたり、推薦図書としていただき、前例にとらわれない柔軟な企業さんでは、各社の実態にあわせて応用して活用していただいています。

 人気店はバーゲンセールに頼らない 勝ち組ファッション企業の新常識 (中公新書ラクレ)

【目次と内容】

第1章 勝ち組企業の年間計画 顧客の需要にあわせた計画の立て方

第2章 勝ち組企業の行動サイクル 顧客の生活リズムにあわせた週次業務の運用のしかた

第3章 勝ち組企業の販売戦略 どう来店頻度を高めてファンづくりをするか

第4章 勝ち組企業の価格戦略 わかりやすい価格設定と販売管理のしかた

第5章 勝ち組企業の在庫コントロール ファッション小売業は店頭鮮度管理業

第6章 勝ち組企業が気遣う購買心理 真の顧客満足とは何か?

第7章 ファッションビジネスはどこに向かっているのか? ポストファストファッション時代を考える

付録  ファッション業界で学んだ仕事術 筆者のコンサルタントとしてのフィールドワークのノウハウを公開しています。

  

 電子書籍 Kindle版はこちらです。

 

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February 09, 2015

ユニクロの客単価アップに見る値下げコントロールの緻密さ

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 アベノミクスの円安誘導による輸入原価の高騰はファッション流通のもっとも大きな経営問題のひとつ。

 振り返ってみると、対ドル円為替は2013年の1年間で16%、2014年には更に15% 2年間で実に約33%も円安に振れたわけですから・・・

 流通の90%を輸入に頼るアパレル経営に影響がないわけがありません。

 ただ、価格設定に対する企業の迷走も消費マインド減退に拍車をかけていることは間違いなさそうです。

 原価上昇分をそのまま販売価格に転嫁したり、販売価格を維持するために素材の品質を落としたりしたところの業績は低迷。 一方、企業努力をして、品質や価値を落とさず緻密な価格コントロールに取り組んだところはしっかり顧客の支持を得ているようです。

 その後者の最たる例がユニクロではないでしょうか。

 2015年8月期 14年9月から15年1月までの既存店売上高前年比は108.4%、客数98.5%、客単価110%。 

 客数をさほど落とさず客単価アップを実現したのですから、さすがユニクロ、見事なものです。

 この傾向は 昨年の8月くらいからずっと続いているものです。

 ユニクロの円安、輸入原価アップを受けての単価アップの要素はいくつかありますが、

 おおよそ次の3つではないかと思います。

 1つめは、ユニクロは2014年秋から消費税8%を外税にしています。

 消費税増税前の前年と比べると、1990円(税込み)が1990円(税抜き)ですので、8%の値上げとなります。

 2つめは、一部商品のプライスポイントの変更。

 主に ニット、スウェットあたりを、これまで1990円中心だったのに対し、2290円(税抜き)の新価格を導入 15%相当の値上げ。

 3つめは、値下げ価格の変更です。 これは毎週新聞に折り込まれるチラシを見ていたら気づくことですが・・・

 2013年までは 期間限定値下げと言えば、1990円が1290円というのが非常に多かったです。これに対して、2014年は圧倒的に1490円中心です。

 1290円→1490円 これだけで、15%の値下げ抑制=値上げにつながります。

 関係者によれば、ユニクロの場合、ざくっと約半分が定価、約半分が値下げ価格で販売されているようですが、

 普段、ユニクロでは定価で買うことに抵抗がない客層にとっては 1990円が8%値上げになったところで、あるいは2290円になったところで、ユニクロの品質であれば、割高感は感じられない、むしろまだまだ安い?という印象でしょうか。

 一方、チラシの期間限定値下げを狙って買うプライスコンシャスな客層にとっては、1990円が1290円から1490円プラス税になっても、まだ1990円よりお買い得というわけで・・・

 細かい値上げや微妙な値下げコントロール(おおよそ10%の単価アップ)も客数減にはほとんどつながらなかったという話でしょう。

 もっとも、日頃から価格に対して「品質がよい」という定評のユニクロだから通用した価格コントロールとも言えますが、

 円安になったからこれまで2900円だったプライスを一律3900円にという風に、作り手、売り手の都合で一律積み上げ方式で値上げを断行し苦戦しているブランドとは、客層別購買心理に対する配慮、その緻密さという点で一線を画していることは間違いありません。

 メディアや株式市場はデフレ脱却、値上げを歓迎しますが・・・

 顧客があからさまな値上げや価格の迷走を快く受け入れるとは思えません。

 とは言え、いかに売上利益を捻出するかを考えた時、知恵をひねって、より緻密な戦略の使い分け、価格に対する明確な方針が必要というわけで、そのあたりは商売人企業ユニクロなどを見習うべきでしょうね。

 余談になりますが、値上げをしても売上が前年並みに取れ、利益が上がったりする時ってあります。

 一品単価が上がって客単価が上がっているわけですが、そんな時、是非、気を付けていただきたいのは、同時にどれだけ客数が減ったか見ていただきたいということです。

 経験的に前年比90%を切り、85%を下回っている客数を単価のアップでカバーしている時は要注意ですね。

 バイヤーって、基本的には「いいもの」買いたいんで・・・単価が高いものも十分売れるじゃないか?と図に乗って翌年も同じことを繰り返す、あるいは更に拍車がかかると、翌年は客数が更に減り、単価アップでは客数減がカバーできなくなります。

 なぜなら、初年度、高くて買わずに帰った人が15%、高くなったなと感じても、せっかく来たのだから買って帰ろうとしぶしぶ買った人も10%以上は含まれるからです。前者はもちろんですが、後者も翌年来店して高いなと思ったら買わない可能性が高いからです。

 業界に長年いますが、多くの企業がそんなことを繰り返して、ほとぼりが冷めるとまた繰り返す実例をたくさん見て来ました。

 自らの失敗体験も含めて(笑)

 【お知らせ】

 「ユニクロ対ZARA(ザラ)」単行本 ソフトカバー(日本経済新聞出版社)

 おかげさまで5刷、今年は中国、台湾、韓国で訳本が出版されます。

 ベーシックカジュアルの価格と品質の常識を変え日本一のアパレルチェーンとなり、世界一を目指して突き進むユニクロとトレンドファッションの価格の常識を変え、世界一となったスペイン インディテックスグループの基幹ブランドZARA (ザラ)。

 既存のファッション流通の常識に挑んだ2つのブランドの真逆のアプローチ、ビジネスモデル、2人の起業家が考える顧客満足、経営信念、人材育成、今後の成長の可能性まで・・・

 10数年両ブランドをウォッチし続けた専門家の立場から両者の成長の舞台裏をわかりやすく解説しました。

 

 前著 「人気店はバーゲンセールに頼らない」はKindle版が発売されました。

 


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February 04, 2015

トップショップ(TOPSHOP)国内5店舗が1月末で全店閉鎖

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 早くは2月1日付のファッションスナップドットコムが、

 トップショップが1月末で全店閉店、日本撤退か

 その後、2月2日の日経新聞、2月3日の繊研新聞、4日の日経MJでイギリスのファストファッションチェーンの雄、TOPSHOP(トップショップ)の日本の独占代理店であるティーズが1月末をもって日本で展開する直営店5店舗すべてを閉鎖したことを報じていました。

 尚、ECであるZOZOTOWN店は営業を継続しています。

 各メディアによれば、

 トップショップは2006年にラフォーレ原宿が小規模直営店でテストスタート。

 手ごたえを得た森ビルグループはH&M日本上陸との相乗効果を図るべく2008年に運営母体となる日本の独占代理店 T’S(ティーズ)を森ビル系企業および投資ファンドが出資して設立。H&Mの上陸に先駆けてラフォーレ原宿の店舗を増床しました。

 その後、ファストファッションブームもあって駅ビル、SC、路面店に4店舗を出店し(計5店舗)、ZOZOTOWNにも出店していました(現在ZOZOTOWNは営業継続中)。

 日経MJによれば、売上規模は年商35億円(2014年2月期;民間調査会社調べ)。昨年、森ビル系企業と投資ファンドは資本を抜いてT’S単独の運営になっていたようです。

 ラフォーレ原宿がトップショップのパイロットショップを出店してから新宿路面店を出店するまでの経緯は当ブログで毎年エントリーを上げていましたのでよろしければ以下をご覧ください(文末にまとめてあります)。

 トップショップはイギリスでは売上規模でプライマーク、ネクストに次ぐ第3位の規模であるファッションチェーングループ アルカディアグループ(筆者まとめ;世界アパレル専門店ランキング2013年10位)の基幹業態。

 イギリスではヤングストリートトレンドファッションの殿堂的ファッションチェーン。欧州ではH&M、ZARAと並んでファストファッション御三家と言っても過言ではありません。

 私もロンドン視察時は必ずチェックするのがTOPSHOPオックスフォードサーカス旗艦店。

 売場面積も売上高もワクワク感も世界一のファッションメガストアの筆頭と言えるでしょう。

 そんなトップショップも日本進出にあたってはZARAやH&Mが直営であるのに対し、(ZARAは当初は合弁その後独資化) 本国が全く資本を入れないフランチャイズ(FC)形式での展開でした。

 現在、日本で次のパートナー探しをしているとは言え(日経MJ)、日本からの一時撤退?の噂は払しょくできず、グローバルファッションチェーンウォッチャーとしては少々残念ですが、過去ブログの私の視点を読んでいただければ・・・現況ではそれも致し方ないかなと。

 そもそも商品回転、鮮度命のファストファッションチェーンでのFC展開。

 本国の魂がどれだけ籠っていたのか?というところはあります。

 イギリスナンバー1ストリートファッションチェーンに恥じないだけのオリジナルブランドプラス 旬なNBブランドセレクト、古着、ホットなファッション雑貨、コスメ、ヘアケア、インディーズブランドインキュベーションまで、そのミックス感、ストリートトレンド発信がトップショップの本来の強みです。

 それに対して、極東日本ではトップショップの知名度が一部のファッション好きに限定されていた上に・・・

 売場面積の制約からオリジナルブランドに絞った品ぞろえ、内外価格差(そもそもイギリスでもH&MやZARAよりもちょい高めです)などの足かせ・・・

 そこに今回の円安傾向も原価アップに追い打ちをかけたことでしょう。

 ZARAやH&Mのような直営であれば、為替が変わったところで、最終的にグローバルで採算を取ればよく、国内企業が円安で値上げをするような気運にあれば、むしろ値下げをしてマーケットシェアを奪取しに来るなんて芸当だってやってのけます。実際、H&MもZARAも値段下げていますからね。

 ところが今回の円安は日本単独で運営している独占代理店のコスト直撃でしょう。(これはトップショップに限らず多くの日本の輸入代理店ビジネスに言えること)

 思い切りトップショップらしさを出せなかったところに・・・ラフォーレ原宿の売上家賃比率の高さ、新宿の坪家賃の高さでFCビジネスの採算では利益が取りづらく、円高がトドメを刺した、というところではないでしょうか?

 今後 日本で展開する時は、是非、アルカディアが直営で腰を据えて・・・

 グローバル戦略の中で運営、店舗展開して、本来の強みを発揮していただければ 日本市場でもまだまだ受け入れられる可能性があるのではないかと思っていますがいかがでしょうか?

 【関連エントリー】

 英トップショップがラフォーレ原宿に出店(2006年7月)

 トップショップからも目が離せない(2007年5月)

 森ビルが投資ファンドと英トップショップの独占販売会社を設立(2008年10月)

 トップショップが今秋TOCみなとみらいに核テナントで出店(2009年6月)

 トップショップ/トップマン新宿店に行ってきました(2010年9月)

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 「ユニクロ対ZARA(ザラ)」単行本 ソフトカバー(日本経済新聞出版社)

 おかげさまで5刷、今年は中国、台湾、韓国で訳本が出版されます。

 ベーシックカジュアルの価格と品質の常識を変え日本一のアパレルチェーンとなり、世界一を目指して突き進むユニクロとトレンドファッションの価格の常識を変え、世界一となったスペイン インディテックスグループの基幹ブランドZARA (ザラ)。

 既存のファッション流通の常識に挑んだ2つのブランドの真逆のアプローチ、ビジネスモデル、2人の起業家が考える顧客満足、経営信念、人材育成、今後の成長の可能性まで・・・

 10数年両ブランドをウォッチし続けた専門家の立場から両者の成長の舞台裏をわかりやすく解説しました。

 

 前著 「人気店はバーゲンセールに頼らない」はKindle版が発売されました。

 


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February 02, 2015

日本からもZARA(ザラ)のように母国と近隣国でつくり世界に売るグローバルSPAが生まれないだろうか?

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 1月30日(金)の繊研新聞に先日東京ビッグサイトで開催された2015年1月展JFW-IFFセミナーで 私が講師を務めさせていただいた

「書籍『ユニクロ対ZARA』より 今こそODMはSPA化を目指せ ZARA創業者オルテガ氏に学ぶ起業家精神」

の講演内容をまとめていただいた記事が掲載されました。

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 拙著 「ユニクロ対ZARA」(日本経済新聞出版社)は 手前味噌になりますが、いろいろな読み方ができる書籍と思っていますが・・・
 
 講演ではIFF内にOEM企業やODM企業のSPAビジネスマッチングエリアがあったので、これまで専門店に販売してきた企画力のある企業さんの刺激になればと思い、

 特に製造業からSPA(アパレル製造小売業)化を果たしたZARA(ザラ)の創業者アマンシオ・オルテガ氏がどのようにSPA化を果たし、何を大切にしてグローバル展開をしてきたかを中心にお話しました。

 SPAと言えば世界を見渡してもH&M、ユニクロ、GAP、国内でもポイント、パル、クロスカンパニーなど小売出身SPAに圧倒的に勝ち組が多いもので、製造業(デザインチームと製造機能を傘下に持ったアパレルメーカー)出身のZARA(ザラ)はとても稀な存在です。

 ただし、製造業出身だからこそZARA(ザラ)のインディテックスグル―プは売上世界一になっただけでなく、利益率および利益の安定性でも突出している理由もあります。(その理由は是非拙著をお読み下さい)

 また、日本の多くの企業もそうなのですが、世界には中国など人件費の安い国で作って、経済大国(アメリカ、日本、ドイツ、イギリスなど)に売り込んで拡大した企業が多い中

 ZARA(ザラ)は母国スペインおよび近隣国(ポルトガル、モロッコ)を中心につくり世界に売り込んで成長したところもユニークな生き方と言えます。

 もっとも国際展開に関しては、

 人口約1億3千万人、GDP世界トップクラスの経済大国日本では企業は、まずは日本でどれだけビジネスを拡大できるかに集中しようと考えるのが普通でしょうし、

 (アメリカの流通業も同様です)

 一方、スペインは人口約4600万人、GDPに関してはヨーロッパで5番目の中規模国ですから、早くから国内ビジネスに限界を感じてグローバルに売り込もうと考える違いもあるかも知れません。

 (これはスウェーデンのH&MやIKEAも同じ)

 また、コストの観点から見ても、スペインの製造業の工員工賃は日本よりは安いですが(おおよそ7掛け)、中国より高いです(約3.5倍)。 (JETROホームページより)

 それなのに、どうしてZARAは決してコストが安いとは言えない母国および近隣諸国での生産にこだわったのか?

 それは、

 シーズン性のあるファッション商品の販売期間が短く、トレンドはいつ変化するかわからないから、顧客の需要をすぐに具現化するために、店頭と商品企画と製造現場を最短距離で結んで、目の行き届くところで、コストは高くても、無駄な在庫を抱え込まないように必要な分だけつくる、コストはかかっても、空輸などできるだけ速く届ける、それにより、できるだけ値下げをしないで売り切ることによって、

 店頭での顧客満足と企業利益の折り合いをつけて来たからと言えます。

 多くの企業の現実  コスト<値下げ   
 ZARAの考え方   コスト↑<値下げ↓ ⇒ 利益↑

 また、執筆後、スペイン大使館商務部に御礼をしに伺った時に、

 スペイン人は母国に愛着がある、とおっしゃっていた話も とても印象的でした。

 執筆中に思い続けていたことのひとつに

 ZARAのような企業がなぜスペインで生まれ、どうして日本で生まれなかったのか?

 という疑問があります。

 果たしてこれは 国内のコストだけの問題だったのでしょうか?

 オルテガ氏が創業したころ、お金がなくて、生地屋さんから掛けで買った生地を自らトラックで工場に運び、裁断し、縫い場に届け、自ら店頭に届けて、店頭で回収したキャッシュを持って支払ってまた生地を買うことを繰り返し、お兄さんと二人でスペイン中をトラックで走り回る毎日だったという話を知りました。

 まさに、自己完結型の一人SPA、今や世界一の企業のオーナーもそんなところから始まったんですね。

 余談ですが・・・そんなオルテガさんの創業秘話を知った時、昔、私が国内アパレル生産に携わっていたころにお付き合いをさせてもらった縫製工場のオヤジさん、自ら裁断した生地を内職に持って行き、縫いあがった商品を回収してプレス工場に届けて、そこから客先に出荷していたオヤジさんの姿を思い出しました。

 あのオヤジさんは果たしてご健在なのか、今どうしているかわかりませんが、もし、あのころ起業家精神が強かったらひょっとして・・・なんて夢みたいなことを想像してしまいました(笑)

 日本の製造業、流通業の分業は確かに日本経済を支えて来ましたが・・・

 これからも いままで通りの分業のままでいいのでしょうか?

 小売業の下請けのため、安く出さなければ成り立たない売値?

 商品の良さを消費者に直接伝えられない歯がゆさ?

 聞こえて来ない、実感できない消費者の本当の需要?

 円安、原価が上がる昨今、流通においてもイノベーションが求められています。

 流通にとってのイノベーションとは技術や発明ではなく、

 それまでの流通の常識を変えて 良いものをたくさんの人たちに届け、消費を豊かにすること。

 今でも小売出身SPA企業は安くつくって値下げをすればいいと思ってはしないか?

 デフレ時代の勝ち方はそれでよかったかも知れませんが・・・

 原価が上昇する局面では

 原価が高くても適正価格をつけて 値下げを抑える、

 あるいは

 今まで 手が届きづらかった良いものを流通イノベーションによってこなれた価格を実現して提供する

 ことを目指す時です。

 特に後者を目指す場合は ZARAのように 製造現場のことをよくわかっている企業さんが店頭の需要とスピードを理解した上で行う方が うまく行くかも知れません。 

 もし、売り先のバイヤーがそんな時代を理解できずに、安いモノづくりを要求し続け、悶々としながら経営を続けるのなら・・・

 ZARAの創業者オルテガさんが 簡単にキャンセルをしたり、マーケットを理解していないバイヤーに失望して自らSPA化を果たしたように・・・

 日本のOEM、ODM企業さん、アパレルメーカーさんでも自ら 日本発 次世代型製造業出身SPAを立ち上げる時かも知れません。

 そんな志のある経営者さんいらっしゃれば是非応援したいと思っています。

 【お知らせ】

 「ユニクロ対ZARA(ザラ)」単行本 ソフトカバー(日本経済新聞出版社)

 おかげさまで5刷、今年は中国、台湾、韓国で訳本が出版されます。

 ベーシックカジュアルの価格と品質の常識を変え日本一のアパレルチェーンとなり、世界一を目指して突き進むユニクロとトレンドファッションの価格の常識を変え、世界一となったスペイン インディテックスグループの基幹ブランドZARA (ザラ)。

 既存のファッション流通の常識に挑んだ2つのブランドの真逆のアプローチ、ビジネスモデル、2人の起業家が考える顧客満足、経営信念、人材育成、今後の成長の可能性まで・・・

 10数年両ブランドをウォッチし続けた専門家の立場から両者の成長の舞台裏をわかりやすく解説しました。

 

 前著 「人気店はバーゲンセールに頼らない」はKindle版が発売されました。

 


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