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March 31, 2015

アーバンリサーチのファストファッションチェーン「センスオブプレイス」が原宿に旗艦店をオープン

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 3月27日の繊研新聞にセレクトショップのアーバンリサーチが手掛けるSPA型ファストファッションチェーン「SENSE OF PLACE by URBAN RESEARCH(センスオブプレイス)」の原宿旗艦店がこの度開業した新商業施設キュープラザ原宿の入り口路面部分(1階2階)にオープンしたことに関する記事が掲載されていました。

 最近 気になるストアブランドのひとつですので私もちょっと覗いて来ました。記事の内容とともに少し感想交えてご紹介をさせていただきたいと思います。

 ここ数年 複数のセレクトショップ業態での積極的な出店とEC戦略などによって前年比二桁増を続けファッション流通で最も勢いのある企業のひとつとして注目される アーバンリサーチ(UR)社。

 ちょっと前の記事ですが、1月9日の繊研新聞の記事によれば、同社は 2015年1月期で年商460億円規模となり(前年比26%増)、今期も二桁増の530-540億円を目指しているようです。

 そんな同社が今後の更なる成長エンジンとして、前期単一ブランドで年商100億円の大台に乗ったと思われるニューファミリー向けライフスタイル提案ストアの「アーバンリサーチドアーズ」とともに、第2の年商100億円超規模の柱となるブランドにすべく出店を急いでいるのが「センスオブプレイス」です。

 対象顧客は都会近郊で生活する20-30代のウィメンズ&メンズでしょうか。

 ブランドセレクトやメーカー別注など商品の選定と店頭接客力で成長したアーバンリサーチ社の各ブランドに対し、「センスオブプレイス」は同社にとって初の自社企画のSPA(アパレル製造小売業)業態。
更にマスマーケットでファストファッションチェーンとの競合共存に挑むセルフ販売型チェーンストアです。

 これまで大阪グランフロント、京都ポルタ、武蔵小杉グランツリーなどのお店も拝見しましたが、シンプルでモダンなブランドロゴと白を基調にスッキリまとめた内装や什器には北欧的なセンスと清潔感があり好感が持てます。

 そんな世界観の中で、プライスポイントは明確で、トップスで3900円、(フルレングス)パンツで5900円(ともに税別)に絞り込まれています。

 この価格帯はイオンモールなどで最もスタンダードな価格帯、駅ビルや近郊ファッションモールではこなれた値段のブランドに感じられることでしょう。

 個々の商品を見ると・・・ベーシックがお得意な同社らしく、比較的ウィメンズ、メンズともベーシック、ミニマルデザインながら素材の凹凸感や肉厚感などを意識した商品に仕上げているように感じられます。

 そんなシンプルデザインと価格訴求だけでは 一般的に淡泊・大味に陥ってしまいがちなところ、自社で手掛ける生活雑貨ブランド、花、音楽&アートネタのコラボをミックスさせ、カフェ業態も併設して、ライフスタイル提案の工夫をしているところも同社らしいところです。

 記事によれば、立ち上げ2年、店舗数はこの原宿旗艦店含めすでに26店舗もあるのですね。この春あと3店舗、秋にも6店舗の出店予定があるようで・・・気が付いたら、間もなく30店舗を超えるようです。
(参考:先の繊研の記事によれば前期はブランド単体で23店舗、年商30億円規模だった模様)

 チェーンストアで30店舗となれば、人海戦術からしくみへの次の成長ステージに入る分岐点、店舗の販売格差のばらつきと各店の在庫最適化にどう取り組むかの課題が顕在化してくる時期です。

 また、「ファストファッション」と名乗るブランドである以上、新しい店頭鮮度維持のための演出と実際の商品回転がキモとなりますので、ベーシックだけではなく、いつも新しい商品が入荷していたり、違った着かたができるという新しい発見の提案をマンパワーではない、しくみで考えたいところです。

 ライフスタイル提案はあくまでも援護射撃であって、アパレルとシーズン雑貨を店頭でどう新鮮に見せて、どう売り切って行くかのしくみが大切だと思います。

 勢いのある同社には、是非、顧客の動向をしっかり見極めながら、そんな課題を乗り越えて外資と競演する和製ファストファッションチェーンのひとつとして頑張っていただきたいなと思っています。

 それから今回出店したキュープラザ原宿の立地、これまで原宿の明治通り神宮前交差点より渋谷寄り、特に西側は久しく人の流れが乏しかったものですが、並びにある同じ大阪出身で集客力のあるASOKO などと共に新しい人の流れを作っていただきたいなと期待している次第です。

 関連エントリー-アーバンリサーチが来春立ち上げるファストファッション業態「センス・オブ・プレイス」
 
 関連エントリー今春相次いで立ち上がる日本流ファストファッション?業態

 【おススメ本】
 
 「ユニクロ対ZARA(ザラ)」単行本 ソフトカバー(日本経済新聞出版社)

 ユニクロはベーシックの商品管理のお手本 ZARAはトレンドファッションの商品管理のお手本
 両社の経営思想に裏付けられたオペレーションを顧客視点でわかりやすく解説しました。
 
 

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March 23, 2015

リージョナルチェーンからナショナルチェーンへ、ヤングメンズカジュアル専門店 「コンファーム・イルズ(Confirm&ILL’S)」の躍進

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 3月20日の繊研新聞 「リージョナルチェーン店の模索」にイオンモールなどでヤングメンズカジュアル専門店(SPA) 「コンファーム・イルズ(Confirm&ILL’S)」を展開する株式会社ロボット(栃木県足利市)に関する記事が掲載されていました。

 私自身も独立前、アパレルチェーン勤務時代にティーンズ・ヤングカジュアルウエアや雑貨の仕入や店舗運営に携わっていたこともあり・・・

 各地のショッピングセンター視察の際にはもともとの目的とは別にいつもこの客層を対象にしている個性的なお店を見つけると、どんな品揃えをしているのか?どんなお客さんが集まっているのか?が気になってつい覗いてしまうのですが・・・北関東のイオンモールで時折見かけるコンファーム・イルズ(Confirm& ILL’S)もそのひとつでした。 

 どんな会社だろう?と検索エンジンでホームページを探しても見つからず、実態がよくわかっておりませんでしたが・・・さすが繊研新聞さん、今回の記事、大変興味深く読ませていただきました。

 ご参考までに
 イオンレイクタウン(埼玉県越谷)の Confirm& ILL’S のページ


 記事によれば同社は14年8月期ですでに年商42億円(前年比11%増)、今期は50億円を目指しているようで、メンズカジュアルが厳しかった昨年に既存店も6-9%伸ばしているとは・・・なかなか立派なものですね。

 この「コンファーム・イルズ(Confirm& ILL’S)」を繊研の記事の内容とは別に、これまでの私なりの印象でご紹介しましょう。

 20歳前後の男子を中心に郊外のやんちゃなヤングマインドをもったアダルトも含む幅広い客層をとらえる2つのブランドの複合アパレル専門店

 モードテイストの入ったストリートカジュアルの「コンファーム(Confirm)」と

 裏原テイストのきれい目ヒップホップカジュアルの「イルズ( ILL’S)」

 価格はトップスのプライスポイントで2900円あたりでしょうか。

 店内のすべてのマネキンが・・・パンツを腰履きし、ポケットに手を突っ込んで「がに股」で立ち、ベースボールキャップのツバを後ろにしてかぶっているのが特徴的で・・・

 どんな客層がお買いものをしているのかが目に浮かび、思わずニヤッとしてしまいます。

 そんなユニークでやんちゃなディスプレーとは裏腹に

 店内のクレンリネスは徹底し、

 スタッフは礼儀正しく

 商品を見ても、ものづくりがわかっている人が携わっていると思われる小綺麗なクオリティー(名古屋・岐阜・両国・錦糸町系のメーカーの別注も多いのかも知れません)

 要はちょっと不良っぽいのですが、汚くなく、きれい目でキチッとしてる感があって・・・結構女性や親から見ても好感が持てるところがミソなのでしょう。

 記事の最後に同社の磯野社長のコメントが掲載されており、「うちはまだまだ草野球レベル。厳しく仕事をするより、楽しく、「楽」をして仕事をする方が伸びる」としながらも、

 いずれは「世界第6位の小売業」の実現を社員さん(現在 約150人 この春54人の新入社員)に宣言されている大きな野心の持ち主でもあるようです。

 ちなみに「世界第6位」ってこんな感じですよ。ご参考までに。

 世界アパレル専門店売上ランキング2013 トップ10

 自社ブランド専門店=SPAのようですが、メーカー別注が多いのか?あえて原価率を高めに設定しているのか?

 粗利率は50%を切っているようですが、販売管理費を30%台後半に抑え、ローコストオペレーションで利益を出せる体質を目指しているようです。

 このローコストオペレーション体質は規模が大きくなり地方から都心部に攻め込む時にものを言いますので従業員満足を継続しつつ、維持をしてもらいたいと思いますね。

 また新しい視点でお店を見させていただけそうです。 今後の展開楽しみにしています。

 【おススメ本】

 ファッション専門店の顧客心理と在庫コントロールを考えるビジネス読本

 人気店はバーゲンセールに頼らない 勝ち組ファッション企業の新常識 (中公新書ラクレ)

  

 電子書籍 Kindle版も発売されました。

 「ユニクロ対ZARA(ザラ)」単行本 ソフトカバー(日本経済新聞出版社)

 おかげさまで5刷、今年は中国、台湾、韓国で訳本が出版されます。

 ベーシックカジュアルの価格と品質の常識を変え日本一のアパレルチェーンとなり、世界一を目指して突き進むユニクロとトレンドファッションの価格の常識を変え、世界一となったスペイン インディテックスグループの基幹ブランドZARA (ザラ)。

 既存のファッション流通の常識に挑んだ2つのブランドの真逆のアプローチ、ビジネスモデル、2人の起業家が考える顧客満足、経営信念、人材育成、今後の成長の可能性まで・・・

 10数年両ブランドをウォッチし続けた専門家の立場から両者の成長の舞台裏をわかりやすく解説しました。

 

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March 10, 2015

日清紡が東京シャツを買収 シャツ流通の新たな展開に期待

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 2月27日の日経新聞、2月27日のFashionsnap.com、3月2日の繊研新聞、3月9日のWWDジャパンなどに 繊維素材メーカー大手の日清紡テキスタイルが 「ブリックハウス」「シャツ工房」などの店名でシャツ専門SPAを全国展開する東京シャツグループを買収することに関するニュースが掲載されていました。

 それぞれの記事はスクラップして関心を寄せてはおりましたが、WWDジャパンのシャツアパレル大手再編の相関図を見ていて・・・昔、商社時代に生産のお手伝いでおつきあいさせていただいた複数のアパレル企業さんの社名を目にして、こちらの業界には大変お世話になったなぁと感慨深く感じた次第です(笑)

 東京シャツはもともとシャツ製造卸からスタートした企業でしたが、時代の流れを読み、2004年には卸から完全撤退して完全SPA化。

 2014年2月期の年商は約125億円、「ブリックハウス」「シャツ工房」を日本全国 約200店舗展開しています(一部FCもあるようですが、ほとんど直営の模様)。

 郊外SC(ショッピングセンター)出店ブームをフル活用し、比較的シーズンやトレンドに左右されづらいドレスシャツを中心としたシャツというアイテムに特化した強みを発揮してナショナルチェーンとして成功した業態のひとつと言えるでしょう。

 1店舗あたりの年商は単純計算、平均6200万円強ですが・・・

 HPの店舗情報を見ると郊外SCからサラリーマンが多数行き来する地下街から都心路面まで、私が目にしたことがある店舗でもSCの40坪クラスの店舗から都心の10坪程度のギュッと圧縮された店舗まで売場面積、販売効率もいろいろあるようです。 

 シャツというコモディティパーツに特化しているため、比較的立地や売り場面積を選ばず出店できるのも強みのようです。

 ざっと見渡しても、だいぶ国内出店が進んだようにも思えますが、都心部の高効率の立地への出店にはまだまだ出店余地あると見ました。

 これまでローコストオペレーションで成り立ってきた企業体質でしょうから・・・都心の家賃は確かに高いものの、その分 高販売効率の中で利益をたたき出すことも 逆パターン(都心から地方に行って販売効率を下げる)企業よりはアドバンテージがあると思います。

 また、都心には鎌倉シャツ(年商38億円)のような知名度の高い強豪もいますが、

 鎌倉シャツは比較的年配の方にファンが多いようなので、新業態なども視野に入れて都心で若い世代を狙うのも面白いかも知れませんね。その場合、青山商事のスーツカンパニーのような業態あたりとぶつかるのでしょうか。

 ずいぶん前ですが、シャツの生産に携わっていた記憶を呼び起こし、また、シャツに限らずアパレル全般に関して生産、卸、小売りの順に一通り経験した立場から今回のM&Aの感想を申し上げると・・・

 シャツの製造小売販売のキモは、デザインそのものは大きく変わらず、ある程度計画性を持てることから、

 素材開発&供給と

 店頭でのたくさんのサイズ(首回りx袖丈)の在庫をどう管理するか

 でしょう。

 ですからアパレルビジネスと言っても比較的複雑ではなく、店頭でお客さんに判りやすくすれば、かなり「小売科学」をしやすい業態のひとつであると思います。

 そこに日本の素材メーカーの中では品質で定評のある日清紡がバックについたというのは、資金力という点でも非常に心強いでしょう。

 現状のブリックハウスやシャツ工房のプライスポイントを考えると、すぐに日清紡の高品質の素材がバンバン使えるかどうか?という問題はありますが、東京シャツの次の展開にはプラスになるはずです。

 今回のM&Aが次のステップ、成功につながるかどうかのカギは・・・

 流通の川上にいる素材メーカーさんが親会社になることで、素材メーカーの論理を 顧客最適で動いている(週次PDCAの)小売ビジネスに押し付けないことでしょうね。 

 東京シャツの創業家が卸ビジネスから、SPA化を果した覚悟は・・・全国店舗から 毎日得られる売上情報や顧客動向を把握できるかけがえのない宝(情報)に変わりました。

 それを退化させずに、むしろ、いかに次の素材開発やサプライチェーン改善の参考にできるか? その一点にあると言っても過言ではないでしょう。


 ところで、ZARAも製造業からSPA化を果し、世界一になったアパレル企業。ZARA創業者のオルテガさんがキャリアをスタートしたのはシャツ専門店の販売員だったってご存知でしたか?

 「ユニクロ対ZARA(ザラ)」単行本 ソフトカバー(日本経済新聞出版社)

 おかげさまで5刷、今年は中国、台湾、韓国で訳本が出版されます。

 ベーシックカジュアルの価格と品質の常識を変え日本一のアパレルチェーンとなり、世界一を目指して突き進むユニクロとトレンドファッションの価格の常識を変え、世界一となったスペイン インディテックスグループの基幹ブランドZARA (ザラ)。

 既存のファッション流通の常識に挑んだ2つのブランドの真逆のアプローチ、ビジネスモデル、2人の起業家が考える顧客満足、経営信念、人材育成、今後の成長の可能性まで・・・

 10数年両ブランドをウォッチし続けた専門家の立場から両者の成長の舞台裏をわかりやすく解説しました。

 

 「人気店はバーゲンセールに頼らない」 中央公論新社

  

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