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April 27, 2015

H&Mが上陸7年で国内50店舗体制に 

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 4月25日の日経新聞にさいたま新都心のコクーンシティ出店で日本国内50店舗目となったH&Mジャパンのクリス・エドマン社長のインタビュー記事が掲載されていました。

 記事によれば国内の主要な大都市圏にひととおり大型店(日本の一店舗あたりの平均売場面積は約575坪)の出店を済ませた同社は今後

〇 郊外ショッピングセンターへの大型店出店をする一方で

〇 大都市圏へは小型店出店を進め、

 年平均十数店舗の出店を進めるとのことです。

 2008年の上陸から7年、50店舗の大型店出店体制は計画通り?なかなかいいところではないでしょうか? 

 売上規模は推定になりますが、すべての店舗が年周り(12か月稼働)して年商500億円くらいでしょかね。

 H&MのIR情報によれば目下のグローバル出店戦略の中でのプライオリティはアメリカと中国です。

 両マーケットは世界的に見ても最も成長が見込め、出店余地があるマーケットであり、なおかつ仕入にドル決済が多いと目される同社はドル高基調も手伝い、両国に徹底集中出店するのが理にかなっており、得策と思われます。

 そんな環境下で同社の現在の出店戦略の中では、日本のプライオリティは左程高くはありませんが・・・

 まだ同社の中では16番目の売上の日本市場をそのマーケットポテンシャルの高さから見て、アメリカ、中国出店が落ち着き、チャンスと見るや徹底的に攻め込んでくることは違いないでしょう。

 以下は同社が母国スウェーデンよりも店舗を持っている国ですが(2015年2月末時点)

 ドイツ 439店舗
 USA  364店舗
 中国  299店舗(香港含む)
 UK   253店舗
フランス 205店舗

 このあたりの出店数を見ていると

 今後、日本では 郊外の大型店と都心部の小型店の「面」と「効率」のバランスを取りながら店舗数ベースで年20%増を維持し 

 2020年 東京オリンピックの年には120店舗、その3年後には200店舗くらいになっているのではないでしょうか?

 H&Mの小型店と言えば、ヨーロッパの都市、特にロンドンなどに行くと・・・

 ハイストリートのフルラインを揃える大型旗艦店から地下鉄駅の改札口付近に1カテゴリーに特化した小型店まで 

 H&Mの出店立地と売場面積の自由自在さを思い知らされます。

 これは店舗の中に多数の客層別シーン別サブブランドがあり、それらが更に細分化され、ユニット化されていて、店頭最小単位を起点にチームが組まれ、縦割りで商品企画、生産、デリバリー、売場管理が行われている同社の成せる業に他なりません(2008年上陸時に40数チームがあると聞きました)。

 つまり出店立地、売場面積に合わせて40以上あるフルラインの中から都度ベストな組み合わせを考えて売場を構成すればよいというわけです。=これぞグローバル統一MD

 そんな業をこれから日本でも見せてくれるわけですね。

 今後、大型店で多店舗出店をめざすファッション企業さん、ブランドさんにとって、同社のさまざまな出店形態はオペレーションの整理の意味でベンチマークすべきもののひとつとなるでしょう。

 【おススメ本】
 
 「ユニクロ対ZARA(ザラ)」単行本 ソフトカバー(日本経済新聞出版社)

 21世紀、世界のファッション都市はヨーロッパのファッションチェーンと日本のユニクロによるグローバルウォーズ(世界大戦)が進む。これからのグローバルマーケットを読む上での背景をわかりやすくまとめました。
 
 

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April 13, 2015

ZARAが日本でもRFID(ICタグ)を導入へ

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 4月10日の繊研新聞によればZARAを展開するインディテックスグループがこれまでいくつかの国で導入済みだったRFID(ICタグ)を今秋から日本のZARAにも導入するとのこと。

 昨年秋に「ユニクロ対ZARA」の取材のためにスペイン・インディテックス本社を訪問した際に同社物流倉庫でRFID導入の説明は受けましたが、日本でもいよいよ始まるようですね。

 いつも新聞やネットメディアやITコンベンションでRFID(ICタグ)関連のニュースや説明を見聞きする度に感じることですが・・・

 ITベンダーやメディアは導入によって薔薇色の未来が待っているように期待を煽るように伝えることが多いようですが・・・

 RFIDの本当のご利益は、日頃から信念をもって、きちっと在庫管理をしている会社がその精度とスピードを上げることによって得られるものであって・・・

 これまで物流管理や在庫管理をおろそかにしていたところが投資によって作業が楽になるというところだけにフォーカスされていて、デメリットに関してはコスト高くらいしか論じられないところに違和感を覚えてしまいます。

 これ、RFIDでもオムニチャネルリテイリングでも同じだと思うのですが、

 在庫データの精度が上がり、タイムリーな把握が可能になって・・・

 売り逃しが減るとか、逆に過剰在庫が解消されるとか・・・

 「顧客と商品の接点」のところに活かされるのが本筋であって、

 その議論を抜きにして棚卸作業が楽になるとかポイントの一元化をどうするかとか、どちらかと言うと、副次的というか、枝葉のところが議論の中心になってしまうのはいかがなものかなと。

 棚卸に関して言えば、ちょっと専門的な話になりますが・・・

 複数の専門家の方からICタグの特性上、1/60程度の読みもれは回避できないという話を聞きます。

 これはICタグの脆さから来ているようで、

 アパレル販売となれば、タグが取りつけられてから販売に至るまでの間に何かにぶつかったり、圧迫されたり、織り曲がったり、破損したり、取れてしまうこと(タグ落ち)だってありますからね。

 1/60と言えば1.67%。

 これまでの業界知見から申し上げると、棚卸ロスの対策を講じている会社では、ロス率は0.5%~0.7%あたりが平均的で、それ以下を目指している企業が多いと思います。 (事業会社時代はいかに0.4%を切るかにチャレンジしていました)

 そんな会社からすると、読みもれが棚卸作業段階で1%を超える読みもれが発生する精度の低さとなればナンセンスと言わざるを得ません。

 もちろん、単位ごとの点数棚卸を併用して、どこで読みもれが起こったかを把握し、再確認をすることによって防ぐことができればスピードのご利益を得ることはできます。 

 しかし、そのひとつひとつの工程、作業をも面倒に思う企業さんだと導入によって思うような成果を出すのは難しいと言わざるを得ません。

 アパレル流通でRFIDの活用が期待されるところをざっと思いつくままに挙げてみると

・物流段階 商品やカートンが今どこにあるか?
・入荷検品 商品が入荷伝票通りか?
・在庫ロケーション 商品が店内のどこにあるか?
・販売 売れたのか 在庫にあるか?
・顧客購買行動(手に取った、試着室に持ち込んだなど)
・出荷検品 商品と出荷伝票の一致
・防犯対策
・棚卸作業

 あたりでしょうか。

 いずれにしても、これまでのバーコードでできることの範囲を広げ、読み取りのスピードを高めることはできそうですが、

 数量を数え、読み取り、漏れがないかをダブルチェックする

 という地道な基本動作は避けて通ることはできないようです。

 しかしながら、きっかけはたとえ目新しさ(先進技術)であっても、それを機に業界の中で、もっともっと顧客のための在庫管理の大切さが理解され、取り組みが進むことを期待してやみません。

 さて、冒頭のインディテックス社の話に戻りますが、スペインの自社物流倉庫を出てから、店舗に商品が着くまで、そのドア・トゥー・ドア物流を自社管理している同社にとってはRFIDの導入の成果は大きいでしょうね。

 更に、私が既出の現地インタビューの中で驚かされたのは・・・

 世界中の店舗で販売している全商品にスペインの物流倉庫でセキュリティータグをつけた状態で各店に出荷しているのですが、

 ICチップの脆さを知っている同社は・・・商品タグではなく、そのセキュリティータグの中にICチップを組み込んでいることでした。 これならICチップも破損しにくく、リサイクルも可能というわけですね。あっぱれ。

 【おススメ本】
 
 「ユニクロ対ZARA(ザラ)」単行本 ソフトカバー(日本経済新聞出版社)

 「片手は工場に、もう一方の手は顧客に触れていなければならない」

 (=自ら作った商品は顧客の手に渡るまで目を離してはいけない)

 本書の中でもご紹介しているZARAのオーナー オルテガさんの名言です。
 
 

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April 03, 2015

「ネットと店舗を完全に統合した小売業者」とは

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 4月2日の日経新聞にZARA(インディテックス)とH&Mの今期の出店拡大戦略(EXPANSION)についての記事が掲載されていました。

 前期も増収増益だった両社とも今年もグローバルで400店舗超の積極出店を計画している模様です。

 参考
 インディテックス(2015年1月期)  売上高前年比  8%増  営業利益 4%増
 H&M       (2014年11月期) 売上高前年比 18%増  営業利益16%増

 記事の後半部分ではEコマースの拡大についても触れられており、

 インディテックス社の取り組みの話に目が留まったのでご紹介させていただきます。

 同社では27の国と地域でネット通販を展開していますが、

 ネットで受けた注文のうち1/3は店舗で顧客に手渡しており、
 一方、返品の2/3は店舗で引き取っている

 ことから、CEOのパブロ・イスラ氏は

 「ネットと店舗を『完全に統合した小売業者』」

 と語り、Eコマースと店舗の融合について更なる拡大の自信を深めているようです。

 実際ZARAのオフィシャルサイトを閲覧すると配送料・返品配送無料としながらも、

 注文した商品を店舗で受け取ることを推奨し
 
 返品交換を希望する場合も来店して店舗で行ってもらうことを推奨する

 文章が全面に押し出されています。

 以前私も試しにネットで商品を注文して自宅で受け取った時に、届いた商品がなかなか素敵なパッキング(包装)だったのでこれもこれでまた良しとも思いましたが、

 なるほど、多くのZARAファンはアクセスのよい店舗立地に通いながら、店舗とEコマースを分け隔てなく上手に活用している方が多いということですね。

 オムニチャネルが久しく叫ばれ、IT屋のサービスの売り込みトークが氾濫する中、その言葉だけが独り歩きしている昨今

 小売業にとってのオムニチャネルって顧客視点に立ったそんなシンプルな話の実現なんだと思います。

 毎週月曜日と金曜日に新しいトレンドファッションの提案がされるZARAの店舗に、今日もまた足が向いてしまう、テーマとカラーが明快な店頭のスタイル提案を楽しむ女性客の姿が目に浮かびます。

 【おススメ本】
 
 「ユニクロ対ZARA(ザラ)」単行本 ソフトカバー(日本経済新聞出版社)

 顧客心理に基づいたZARAの店頭起点のサプライチェーンを詳しく解説しています。
 
 

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