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March 31, 2016

上海にファッションチェーン幹部研修に行って来ました。

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 先週末に拙著「ユニクロ対ZARA」の中国語翻訳版をお読みになった中国研修会社の若手社長さんからのご依頼で上海にグローバルアパレルチェーンのビジネスモデル研究のための幹部研修講師に行って参りました。

 2日間におよぶ研修の内容は、チェーンストア運営における経営理念、マーケティングおよびサプライチェーン、出店戦略と人材育成まで。 

 講義とワークショップを繰り返すセッションに、北はハルピン、南は広州まで中国全土3,000店舗から10,000店舗(桁が違いますね)を展開する複数のファッションチェーンの若手幹部の方々が集まり、

 会社の壁を越えて積極的にディスカッションと遠慮のない積極的な挙手による質疑応答であっという間に時間が経過しました。 

 この積極性は日本のビジネスマンも見習いたいところです(笑)

 中国の大手SPA(ストアブランド)は元々製造業出身の企業が多く・・・

 ブランドを立ち上げて、店舗デザイン、広告宣伝、商品供給はするものの・・・

 大多数の店舗は直営ではなく、中国各地の「代理商」と呼ばれる地元に利権を持ったフランチャイズオーナーに販売を任せるといういわゆるFC(フランチャイズ)ビジネスのスタイルを取っています。

 また、店舗数が3,000や10,000と聞くとびっくりしますが、売場面積30坪クラスの小型店がほとんどなのが実態です。

 右肩上がりの市況の時は商品を供給すればするほど売れて儲かったものの・・・成長が鈍化した中国市場では、FC先での売り上げ減と売れ残り在庫が深刻化。

 フランチャイジーから降りる先が増える中で、直営化に活路を見出す前向きなストアブランドも増えているようです。

 中国地場のナショナルチェーンがそうこうしているうちに、

 大型直営店による本格SPA方式であっと言う間に中国最大のアパレルチェーンとなったユニクロ。 (2016年2月 436店舗 推定年商 約2000億円)

 グループ複数ブランドを動員して都心部を中心に店舗網を拡大しているZARAのインディテックスグループ。 (2016年1月末段階で 7ブランド 566店舗 推定年商 約1200億円)

 中国を世界の集中出店国と位置付け大型店を展開するH&M (2016年2月末段階で365店舗 推定年商約1600億円)

 これまでは商品を供給しっぱなし、一方で店頭ではインセンティブに基づく個人販売とディスカウントで売上を立てていた中国ストアブランドが直営化を進める過程で・・・

 チェーンストアマネジメントの壁にぶつかり、反省をし、ようやく ユニクロやZARAなど外資企業からチェーンストアオペレーションを学ぶ必要性に駆られ始めた、というのが今回の研修に至った背景にあるようです。

 最初から直営で脇固めをしながら拡大をして来たグローバルチェーンに追いつくのはそう簡単には行かないでしょう。

 ただ、多くの若手幹部の方々が、目先のもうけや単なるオペレーションのものまねだけでなく・・・

 グローバルSPAの徹底的な店頭起点、顧客目線の優位性に気がついてくれたこと、そして

 店頭の人材育成や評価基準の見直しが急務であることを強く感じたという感想が多かったことは救いでした。

 これから何回か現地に伺うことになりそうですが・・・

 新しい考え方を持った新世代の経営者や起業家の方々が東アジアで既存勢力と良きライバルとなる新しいグローバルチェーンを育ててくれることを楽しみにしていたいと思います。

 【おススメ本】

 トレンドファッションの商品管理の基本はZARAから、ベーシック衣料はユニクロから

 両極に位置づく2つのブランドの顧客心理と在庫コントロールの本質を知れば、多くのファッションチェーンのオペレーションに活かせるはずです。

 今年は中国に続き、韓国でも翻訳版が出版されます。
  
 「ユニクロ対ZARA(ザラ)」単行本 ソフトカバー(日本経済新聞出版社)

 


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March 05, 2016

ファッション消費市場に新しい巨大販路の台頭―フリマアプリ「メルカリ」に三井物産などが84億円を出資

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 繊研新聞の一面、2月22日~3月2日の間に連載されていた「私が服を買う理由」(全6話連載)は2児のママから男子大学生まで、身の丈に合った現代の消費者のリアルなファッション消費の実態と本音がつづられており、とても楽しく読ませていただきました。

 全6話の中でこれからのファッション消費、ファッションマーケットに最も影響を及ぼすのは第1話の「また売ればいい」の見出しで紹介されていた2児のママの話=フリマアプリ「メルカリ」を活用して服の売買を楽しむ新しいファッション消費のカタチでしょう。

 記事では子育ての片手間、着なくなった服を次々にメルカリにアップし、月に8万円売り上げる月もあるという主婦を紹介。 

 メルカリでは売るだけではなく、懐かしいブランドやアイテムを見つけては、購入もし、届いた商品が例え失敗だったとしても、

 「また売ればいい」

 という感覚で楽しむ彼女の行為はサイドビジネスというより、目に見えぬ相手とのコミュニケーション、ゲームを楽しんでいるという感覚と感じ取れました。

 私がフリマアプリに関心を持ち、注目し始めたのは2年前。 

 年に1回、明治大学や青山学院大学などの大学で「ファッションビジネス論」(IFI大学講座)に登壇し、SPA(アパレル製販垂直統合小売業)のビジネスモデルやファストファッションの革新性や功罪について講義をさせて頂いていますが・・・

 聴講した学生さんたちからの講義レポートに「フリマアプリ」に関する記述が多数現れ始めたころです。

 講義ではファストファッションの弊害のひとつとしてファッショントレンドの陳腐化を加速する点を挙げ、使い捨てられるファッション商品の行き場を考える社会問題の解決も必要という問題提起に対して、

 複数の学生さんがフリマアプリの活用を当たり前のように書かれていたのがきっかけでした。

 早速、私もメルカリをダウンロードして・・・実際に出品まではしていませんが、そのインスタグラムを上げるのとさほど変わらないくらいの手軽さと・・・画像の精度は正直素人っぽいものばかりではありますが、未来の消費の可能性を想像しながら、関心をもって動向を見守っていると・・・

 まもなく、日本最大のファッションECサイト、「ZOZOTOWN」のスタートトゥデイも「ZOZOフリマ」でフリマアプリ市場に参入を表明した時に・・・

 新しい巨大な潜在マーケットの出現を感じたものでした。

 そして、先日3月3日付けの日経新聞によれば 三井物産はじめ複数の投資ファンドなど計6社がその「メルカリ」の合計84億円規模の第三者割当増資の引き受けに応じたとのことです。

 同紙記事などによれば、フリマアプリ「メルカリ」は13年2月創業以来、日米合計で3200万件(国内2500万、米国700万ダウンロードされ、月間の流通額はすでに国内だけでも100億円超に上るとのこと。

 これにはびっくり、ダウンロード件数が国内だけで2000万件になったことにも驚いていましたが・・・

 メルカリが3年間で同社だけですでに年間1200億円規模の市場統計には表れない巨大CtoCビジネスの担い手になっていたとは・・・

 またメルカリの販売手数料は10%ですから・・・手数料収益は年間120億円規模ということになりますね(その他に少額換金手数料なども収益対象でしょう)。

 1社で年商1200億円規模となると・・・日本のアパレル専門店の年商トップ10に入る規模ですからね。 

 昨年、ファーストリテイリングの低価格業態、GU(ジーユー)が気が付いたら年商1400億円規模になっていたことにも驚きましたが・・・ 

 また一方で、リアル店舗を持たない、しかも通販市場などとも違って、市場統計にも表れない新たな巨大販路が登場したことに・・・

 ファッション消費のこれまでの常識、見かたを現実にあわせて変えなければならない時が来た、とちょっと衝撃を受けながら考えているところです。

 すでに日本のアパレル小売市場規模(約9兆円)の1%を突破し、これからもますます流通量が増え続けるであろう「メルカリ」とあわせて、

 フリマアプリ後発参入ではありますが、スタートトゥデイの先を見据えた布石にも注目すべきでしょう。

 同社は 

 スタイル投稿アプリ「WEAR」でコーディネートに合う欲しい商品を見つけ→
 
 ネット通販「ZOZOTOWN」で買い→ 

 着なくなったら・・・ いいブランドは「ZOZOUSED(クラウンジュエル)」に買ってもらい、

 あるいはSNS感覚で気軽に「ZOZOフリマ」で個人に売る

 という スマホを使いこなす現代人の新しいファッション消費ライフスタイルの

 「入口から出口まで」のインフラをいよいよ自己完結させたわけですからね。

 これからさまざまな相乗効果が見込めることは間違いなさそうです。

 「メルカリ」と「ZOZOフリマ」 同じフリマアプリでも そのアプローチは違っており、

 それぞれが ファッションEC拡大の次のファッション流通革新の芽になることは間違いと見ています。

 スマホというモバイルデバイスを手にした生活者を取り巻くファッション消費マーケットは・・・

 業界関係者の想像以上に急速に移り変わっています。

 【おススメ本】

 これまでのファッション流通革新の担い手のビジネスモデルを知り、次に来る流通革新を考えるヒントになれば幸いです。

 「ユニクロ対ZARA(ザラ)」単行本 ソフトカバー(日本経済新聞出版社)

 


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