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August 02, 2016

顧客の視点に立った使い勝手のよい新しいコスパ服の時代

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 8月1日の繊研新聞の一面、「ヒットの裏側」で厳しいこのご時世に駅ビル立地を中心に前年比二桁増を続け、業界関係者も注目するベイクルーズグループ「ドゥーズィエムクラス」の取り組み事例が紹介されており、楽しく読ませていただきました。

 最近、繊研新聞さんがよく取り上げてくれて私も注目しているのは、同紙が名づけた「超コスパ服」

 いわゆる1万円で上下そろえることができる絶対価格が安いファストファッション価格ではなく・・・

 百貨店ブランドのエントリープライスの7-8掛けから同等くらいの駅ビル価格(1万円台中心)のブランドで 

 共通項としては

 ・価格より高く見える

 ・クリーニングに出さなくても家庭洗濯ができるなどイージーケア要素も兼ね備え

 ・オン(仕事服)とオフ(休日服)で着回しが利く

 ・ベーシックなのにフェミニンで、おしゃれに見える

 といった、顧客にとって使い勝手がよく、比較的長く愛用できるコストパフォーマンス服になります。

 マッシュスタイルラボの「ミラオーウエン」、トウキョウベースの「ユナイテッドトウキョウ」、そして、今回の「ドゥーズィエムクラス」が代表格。

 今回の記事でとても感心&共感したのは、ドゥーズィエムクラスの「スタイリングありき」の社内商品検討会の取り組みの中身です。

 同社の過去の検討会においては 多くの企業でそうしているように来シーズン向けに企画や仕入担当者が用意した商品サンプル(単品)のよしあしを1点ずつ検討していたのに対し、今では

 単品の完成度というよりむしろ「スタイリングありき」=それぞれの商品がどのようにコーディネートが組めるかの検討に変更。

・新作どうしで何通りにもコーディネートできるか、

・過去に買ってもらった商品や店頭から売れ筋が品切れして、残った商品どおしでも相性がよいか?コーディネートできるか?

などを徹底的に検討して、丈やシルエットを微妙に修正して商品化するというもの。

 そして、着回しが利く商品ほど生産量も増してしっかり在庫を積み込むという「裏付けのある発注」もされているようです。

 その努力が結実して、現在の好業績に至っているという話です。

 この検討会を主宰する同ブランドのコンセプターの方のコメントの中から印象的なものを少しご紹介させていただきます。

以下引用

「うちのデザイナーは皆技術があって、センスもいい。彼女たちが作るものを信頼している。私がやったのは、そこに最後のつめとして、(客が求める)コーディネート力やバランス感といった考え方を注入しただけ」 

「とても時間がかかるがこれをちゃんとやれば絶対に外さない」(1週間がかりだとか)

以上引用終わり

 企画の方をリスペクトしながら、お客様の立場で語っているところに好感が持てました。


 企画職や仕入担当者が「よい商品(単品)」を企画して仕入れ、販売職は接客力で売り切る

 それが過去のモノが売れていた時代の業界各社の姿だったと思います。

 しかしながら、成熟市場になった今、

 顧客が着用するシーンはもちろん、購入後の使い勝手(既存ワードローブとの相性含む)を売場でどう魅せて買っていただくか? すなわち顧客、売場の使用什器にどう並べるかを想定しながら商品企画をする必要があります。

 デザイナーや企画担当者自身にそれができれば言うことはありませんが、売場との通訳としてのコーディネーターやスタイリストやVMD担当者が入り込んでのリテールマーチャンダイジング全体の組みたてが求められています。

 それが結果的にコーディネートする相手がいなくて死に筋になる商品や色や・・・はたまた、
 
 売場に入り切らず全体の消化率を下げるほど、溢れるほどたくさんの品番数

 を生み出さずに済むのではないでしょうか?

 ZARAが世界の店舗と同じ状態を本社デザインルームの横に作って、デザイナーは常に今と数週間後の売場を想像しながらスタイリストと呼ばれる本部VMD担当者と一緒にデザインしている話は拙著「ユニクロ対ZARA」でも取り上げました。 これはZARAが極めて正価販売率(プロパー消化率)が高い理由のひとつです。

 私の関与先の中のある元気な成長企業でも・・・

 仕入れ担当者が本社内の実店舗と同じ状態にしたショールームの中で、何と何を組み合わせてどう魅せるかを考え、次に投入する商品企画と発注をしているところもあります。

 店頭を持っている同じ会社でありながら、「私つくる人、あなた売る人」という関係からそろそろ脱却し・・・

 ブランドにかかわるメンバー全員の目線を 顧客のスタイリングとそれをわかりやすく魅力的に表現できる店頭に集中させ・・・

 どう魅せ、どう買って頂くか?を考えながら商品企画を行う時代に合わせて行きたいものです。

 【おススメ本】

 世界中の女性におしゃれになってもらいたい・・・顧客心理を起点とした信念を貫き続け世界一のファッション企業をつくったアマンシオ・オルテガ氏(ZARAのインディテックスグループオーナー)の経営理念に触れて下さい。

 台湾・香港での中国語(繁体字)版も好評発売中。
 
 「ユニクロ対ZARA(ザラ)」単行本 ソフトカバー(日本経済新聞出版社)

  

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