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May 23, 2017

H&MグループのCOS(コス)3号店が銀座にオープン~H&Mとは真逆の出店戦略

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 5月19日の繊研新聞に銀座のマロニエ通りに日本3号店目をオープンしたH&Mグループの高価格帯ブランドCOS(コス)に関する記事が掲載されていました。

 ネットニュースも意外と少なく、オープンを報じたのはファッションプレスさんくらいしか見当たりませんでしたね。

 COS(コス)銀座店がマロニエ通りにオープン - 日本最大規模の国内3号店

 昨日ちょうど銀座に行く機会があったので ちょっとお店に立ち寄ってみました。

 店舗は、近隣に名だたるラグジュアリーブランド、グローバルブランドの旗艦店が立ち並ぶマロニエ通りにあるシルバーグレーの外壁の路面店。総売場面積は2層で170坪とのこと。

 あえてプレスリリースはしていないのでしょうか?

 オープンの報道も少ないですし、月曜日の夕方でOLさんの仕事帰りの時間帯に決して敷居の高い印象ではない、入りやすいエントランスにも関わらず、

 COSを知っているらしき人くらいしか入って来ない・・・オープン告知もせずに静かに開業したような印象を受けます。(週末はもっと混んでいたのかも知れませんが)

 COS(コス)をあまりご存じない方のために少しブランド解説をさせていただくと・・・

 ブランド名のCOSはCollection of styleの略。

 2007年にH&Mが既存業態では取り込めない上質を好む都心生活者のために、

 手の届くラグジュアリーあるいはファストファッションの改良版として、

 ロンドンを拠点にして立ち上げた業態です。(H&Mはストックホルムにデザインオフィスがありますが、COSはロンドンにあります)

 商品コンセプトは、繊研新聞の記事には

 「素材の質感にこだわったミニマル、クリーン、モードデザイン」

 と紹介されていますが、

 HPには

 「シーズンを越えてコーディネートできる、タイムレスでシンプル、クラシックで新しいワードローブの必需品」

 とも表現されています。

 COS URL  

 日本での価格帯は・・・プライスポイント(最多価格帯)は8900円あたり、

 日本の有名ブランドと比較すると、セレクトショップのビームスあたりの価格帯でしょうか。

 ネットで各国の価格帯を調べたところ・・・内外価格差はほとんどなく、むしろアメリカより日本が安いようです

  国   当地価格 円換算
 
 イギリス £ 59    8496円
 フランス € 69    8625円
 日本   \ 8900   8900円
 アメリカ  $ 89   9879円

 しかし、欧米アジアに海外出張に行った時には各地で必要になったアイテムを買い足すのにCOSを利用する私ですが・・・

 これまで、なぜか、日本であまり買う気が起こらなかったのは・・・

 まあ、単品のスタイリッシュなデザインからするとモードの世界では決して高くはないのでしょうが
 (モード好きの方やファッション専門学校生のような「(ある程度)わかっている人たち」には「このデザイン・カットでこの値段!」は納得感があるのかも知れません)・・・

 どうしても、現状の「店舗のイメージ」と「個々の商品のクオリティ」と「店頭の商品ボリューム感(陳列量)」の中で・・・

 財布のひもを緩めるほどの価格の納得感というか、「価格のサプライズ」があまり感じられないからなのかも知れません。  

 このあたりは同ブランドの今後の改善課題でしょう。

 グローバルな出店戦略としては、創業10年目で世界35か国に210店舗と、H&Mとは真逆に多国分散型で慎重(むしろZARAに近いかも)

 出店国の上位は

 中国(23香港除く)、イギリス(20)、フランス(20)、ドイツ(18)、アメリカ(13)

 都市で言えば

 ロンドン(11)、パリ(9)、香港(5)、ソウル(5)、北京(4)、上海(4)、ドバイ(4)、

 の順に多いようです。

 日本は今回の銀座が3店舗目、東京では南青山(表参道)に続く2店舗目ですが(もう1店舗はマリン&ウォーク横浜にあります)

 東京よりもソウルに店舗が多いってのは、やはりヨーロピアンモード色が強いせいなのでしょうかね。

 今後、日本ではどのように認知度を上げ、拡大するのでしょうか?

 3年前、2014年の日本上陸時にブログで取り上げた時のエントリーをご紹介しましょう。

 COS(コス)は「手の届くラグジュアリー」需要を喚起する引き金となるか?

 海外では比較的同じ立地に出店しているブランドにインディテックスグループのマッシモデュッティがありますが、

 Massimo Dutti(マッシモ デュッティ) HP

 こちらの方がトラディショナルテイストなので、日本では受けるかも知れませんね。 

 あるいは、COSとマッシモデュッティの両者が日本市場に揃って・・・

 「手の届くラグジュアリー」に対する認知度が高まれば、

 そこからがCOSのブレイクスルーが始まるのかも知れません。

 マーケットが広がるためには、何事も比較される「お友達」が必要ですからね。

 その時は、いずれも、ZARAはトレンディ過ぎる、H&Mはチープ過ぎると思っている大人に支持されるとともに・・・

 百貨店ブランドの存在価値やコスパがあらためて問われることになると思います。
 

 【おススメ本】

 ベーシックとトレンドファッションの顧客心理、サプライチェーンマネージメントをそれぞれ極めたユニクロとZARAは今後の商品管理のお手本です。
 
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May 15, 2017

ZARAのインディテックスグループのサステイナビリティ経営

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 前回のブログ記事 

  世界アパレル専門店売上ランキング2016

 のデータ整理にあたり、各社の年次報告やファイナンシャルレポートに目を通していて、

 最も感心したことのひとつが

 世界ランク1位のインディテックスグループの現会長兼CEOパブロ・イスラ氏が決算発表時にまとめられた同社の2016年度のトピックのハイライトのところでした。

 企業の社会的責任(CSR)が問われる昨今、世界のいろいろな企業がその社会貢献度合いをアピールしているわけですが、

 インディテックスグループも弁護士出身のパブロ・イスラ氏が2005年に創業者であるアマンシオ・オルテガ氏や彼を長年支えたホセ・マリア・カスティリャ―ノ(当時副社長)氏にかわって経営トップになって以来掲げているのが

 サステイナブルな(持続可能な成長のための)経営です。

 「ユニクロ対ZARA」の執筆にあたり、1990年代後半からの直近までの同社の年次報告書に目を通しましたが・・・

 2005年に同氏が就任して以来、それまで業績や財務状況中心だった約200ページ程度の年次報告書(アニュアルレポート)が

 400ページを超えるサステイナビリティレポートに変わり、(半分の200ページがCSR=企業の社会的責任に関するページ)

 グローバルな年率20%の急成長から10%程度の持続可能な成長に舵を切り始めたことに気づいたものでした。

 2005年と早くからサステイナビリティに取り組み始めたのは、グローバルに展開するファッション流通企業の中では、かなりの先駆けであり、

 そんなところにも同社の時代の先を行く経営ポリシーが感じられたものでした。

 今回の決算ハイライトの中では、特にアピールされたのが、母国であるスペイン国内経済に対する貢献です。

 気になったトピックをいくつかご紹介すると・・・

-1年間にスペイン国内で2480人の新たな雇用を創出したこと(これは毎年発表していること)

-この1年に7500社に上るスペイン国内企業がインディテックス社に請求書を発行したこと。 

 その総額は人件費フルタイムベースで50,000人の雇用に相当する
 (つまり、同社の社員以外にスペイン国内だけで50,000人の雇用を支えている。)

-スペイン政府が年間に徴収する法人税の2%をインディテックスグループが支払ったこと

 全体の約6割の商品をスペインおよび近隣国で生産して、世界93カ国に販売する
 
 地元から世界へ展開するグローバル企業の同社が、

 自社の繁栄、売上利益だけでなく、

 国内産業も潤し、雇用面でも、税収面でも母国にも貢献しているというアピールです。

 また、環境に配慮したグローバルなサステイナビリティへの取り組みに関しては

-電子レシートによるペーパレス化への取り組み

 顧客が自社開発したスマホアプリinWalletをインストールして、クレジットカードを登録しておくと、

 レジでの決済が短時間で済み、更にアプリ内に電子レシートの記録が残るので、
 紙のレシートを発行する必要がない=ペーパレスの促進です。

- ダンボールの再利用と再生 
 
 倉庫から店舗へ商品を送る際に使う段ボール箱を5回リユースする。
 その後は通販用のパッキンに再生加工して利用する。

- 不要な服の回収、リサイクル 

 着なくなった服の店頭回収はもちろん家庭回収にも取り組む (団体と組んでスペインからスタート)

 などなど

 同社の取り組みを聞いていると・・・多くの専門店やチェーン店がいかに周回遅れなのかを感じざるを得ません。

 ビジネスモデルや収益性だけでなく、地元に貢献しながらグローバルな環境にも配慮する同社の姿勢や取り組みからもいろいろ学ぶところはありそうです。

 【おススメ本】

 ZARAとユニクロのこれまでの歩みを整理しながら・・・未来も考えてみました。
 
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May 08, 2017

世界アパレル専門店売上ランキング2016 トップ10

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 世界の大手アパレル専門店各社の2016年の売上高や利益などをまとめる機会ができましたので、毎年恒例になりました売上高のランキングTOP10を共有させていただきます。

 円建て比較にあたり、為替レートは2017年1月末の €=121.7円、スウェーデンクローナ=12.9円、US$=113.8円、英国£=142.4円で換算しています。
 
 尚、6位のC&Aのみ2016年決算が入手できませんでしたので Deloitte Global Powers of Retailing2017と2016を参考にした2015年度の売上高を表示しています。


ランキング          売上高   前年比  営業  期末  基幹業態
                              利益率 店舗数  
1位-Inditex        2兆8,368億円 +12%  17.2% 7,292  ZARA
 (西インディテックス;17.01期)                          

2位-H&M         2兆4,802億円 + 6%  12.4% 4,351  H&M
 (瑞エッチアンドエム;16.11期)                         
  
3位-Fast Retailing    1兆7,864億円 + 6%  7.1%  3,160  Uniqlo  
 (日ファーストリテイリング;16.08期)                            

4位-Gap          1兆7,657億円  -2%  7.7%  3,659  Old Navy 
 (米ギャップ;17.01期)                              
                                           Gap 
                                              
5位- L Brands      1兆4,309億円  +3%  15.9%   3,074  Victoria's 
 (米エルブランズ=リミテッド;17.01期)                      Secret
                                             
6位-C&A Europe     1兆0,446億円  -0.2%   n/a   1,577  C&A
 (独シーアンドエー;15年度)                            
         
7位-Primark         8,471億円   +11% 11.6%   315  Primark
 (愛プライマーク;16.09期)                            

8位-Ascena retail      7,960億円   +46%  1.3%  4,906  Ann taylor
 (米アセナ;16.7期)                                Justice
                                           LaneBryant   
                                                   

9位-Next           5,834億円   -2%  20.2%   538  NEXT 
 (英ネクスト;17.01期)                               


10位-Shimamura       5,654億円   +4%   8.6%  2,066  しまむら
 (日しまむら;17.2期)                               
                                                                     

備考-米TJMaxx、Ross のオフプライスストア2社は売上規模はトップ10に入る規模ですが、メーカーや専門店が放出した過剰在庫を販売する二次流通マーケットのため除外しました。また、中国で拡大を続け、売上規模では9位あたりに位置すると目されるE.LandWorld(韓国)は売上規模以外の実態が掴めないため除外しました。

以下 解説です。

 1位のインディテックスグループは12%増収、9%営業増益と着実な増収増益(以下利益は営業利益を指します)。

 進出国を5か国増やし93か国とし、グローバル展開を続けながら、この1年は特にロシア、中国、メキシコ、イタリアに数多く出店したようです。

 ブランド別ではZARAが絶好調、ZARA HOMEが好調。

 一方で、主要各国でオンラインビジネス(EC)を強化し実店舗とECを合わせた既存店売上の伸びは・・・なんと10%増でした。 

 2位のH&Mは6%の増収も12%の減益に終わりました。

 同期も中国、アメリカへの集中出店をしましたが、店舗数を増やしたほど売上は伸びず、またドル建てで行っている商品調達コストの増加、世界的な温暖な気温にともなう値下げ増による粗利率の低下が痛手でした。

 同社は今後、ただ店舗数を増やすことによる売上拡大を見直し、既存店とEC強化による売上拡大に成長目標を切り替えるとしています。

 3位はファーストリテイリング。いよいよGAPを抜いて世界3位に浮上しましたが・・・6%増収も23%減益、そして営業利益率(7.1%)の落ち込みが気になります。

 国内ユニクロ事業、海外ユニクロ事業の中の中国事業、グローバルブランド事業の中のジーユーが同社の売上と利益の3本柱。

 グローバルブランドとしては欧米への展開も必要かも知れませんが・・・

 主力事業3本柱が稼ぐ利益を喰わないように、ほどほどにすることが利益率回復のカギになるでしょうね。

 また、国内ユニクロ事業が価格政策を見直したことによって、ユニクロとジーユーのカニバリが始まっている気がします。

 今後はファストリさんも、投資家さんも日本国内事業に関してはユニクロ単体ではなく、ユニクロ+ジーユーで評価する必要があるのではないでしょうか。

 4位のGAPは米国内の不採算店舗の大量整理が続き2%減収22%減益と減収大幅減益。

 比較的堅調なのは米国OLD NAVYのみ。当期のGAPの米国内リストラやOLD NAVY日本撤退で止血は完了したのでしょうか?
 
 5位のLブランズは3%増収も9%減益と久々の減益となりました。

 ビューティ部門=バス&ボディワークスは引き続き好調だったようですが、基幹ブランド ヴィクトリアシークレットの既存店売上が前年割れして不振に終わったのが要因です。

 アメリカで常勝を続けて来たLブランズの陰りは一時的なものなのか?今期の動向に注目です。
 
 6位以下に関しては・・・

 8位に浮上した米アセナリテールはアンテイラーの買収によって売上規模を拡大し、黒字化を果したもの。

 9位のネクストは既存店のスクラップ&ビルトと高いEC売上比率(42%)で20%の高営業利益率を保っていますが・・・

 イギリスのEU離脱宣言など社会情勢不安による既存店の減収およびECの減速が減収減益(2%減収3%減益)の要因のようです。

 同社は情勢を厳しく受け止めているようで、今期の予測も楽観できないものとしています。

 同社の店舗のスクラップ&ビルトとEC強化による収益性の維持は成熟市場における勝ち残りモデルのひとつ。日本企業も注目に値します。

 さて、

 今回のTOP10を見渡すと増収増益は インディテックス、プライマーク、しまむらの3社のみ

 営業利益率が15%を超える高収益企業は ネクスト、インディテックス、Lブランズの3社 

 明らかにインディテックスグループのひとり勝ちの様相です。 

 1年前のランキングでも指摘しましたが、

 ファッションビジネスにおいては・・・

 長いリードタイムをかけて低賃金の国においてローコストでつくり、

 つくったものを売り切るビジネスモデルはリスクが大きく(売上は上がるが利益をコントロールしづらい)、

 そういったグローバル資本主義的なビジネスモデルに陰りというか「限界」が見え始めたように思います。

 マーケットの変化にあわせて顧客が欲しいものを、コストは多少高くても目が行き届く近隣国において小ロット短サイクルでつくり足し、

 値下げと期末在庫を抑えることでしっかり利益を残すインディテックスグループのビジネスモデルにあらためて軍配が上がったと言えます。

 インディテックスグループはその一方で、ECビジネスを売上を補完する新たな販路としてではなく・・・

 お客様に店舗に足を運んでいただくためのマーケティングツールとしてフル活用して成果をあげています。

 今回のTOP10企業を始め(H&M、ファストリ、Lブランズ、プライマーク、ネクスト・・・)多くのグローバル企業が、これまでの手法を反省し、インディテックスグループのオペレーションを見習い

 短納期生産と中長期生産の折衷=ハイブリッド生産に取り組み

 ECを強化しながら既存店への来店頻度を高めるオムニチャネル・リテイリングに力を入れている

 のが昨今のグローバルトレンドです。

 これらを規模の違いと考えるのか?日本は海外と違うと切り捨てるのか?

 私はこれらの課題はどんな企業にも突きつけられている・・・将来 勝ち残るための問題提起だと思っています。
 
 【おススメ本】

 アパレルビジネスの特性も、世界のファッション流通マーケットも・・・ベーシックのユニクロとトレンドファッションのZARAを比較すれば よりわかりやすくなる!
 
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May 01, 2017

レナウンが取り組むファストファッション志向の新業態~アパレル出身企業がSPAに取り組む時のハードル

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 4月21日の日経新聞、24日の繊研新聞、日経MJなどに大手老舗アパレル レナウンが2018年春から立ち上げるショッピングセンター(SC)向け低価格新業態に関する記事が掲載されていました。

 レナウンの2017年2月期連結決算は年商676億円(前年比5%減)、営業利益6億円の赤字。

 百貨店販路が63%を占める同社が一通りのブランドの統廃合を終え、今後の伸び代として、

 売上シェアがまだ10.3%のSC販路と同2.1%のEC販路向けに、

 20、30代の若い世代を対象とするユニクロやZARA並みの低価格業態を開発し、

 早期に50億円規模の売上を目指すとのことです。

 記事を読んだ感想としては・・・

 同社がこれまで手掛けていなかった新しいことにチャレンジしようとする意図はよくわかりますが(親会社の中国山東如意の意向もあるのでしょう)・・・

 今回の新業態は なかなかハードルが高いことは業界の多くの方々も感じるところではないでしょうか。


 私的には

 三陽商会のバーバーリーが抜けた穴を アクアスキュータム=卸ベース66億円(前年比101%)およびそのディフュージョンブランドを開発して狙いに行くとか・・・

 約70店舗まで拡大した SC立地のファミリー向け直営業態、アーノルドパーマタイムレス 直営店53億円(前年比99.3%)に磨きをかけて販売効率を高める方が

 経営資源の活用につながる気がしますが・・・

 でも、せっかくリテイルビジネスに本腰を入れて取り組もうというのであれば

 過去に近い試みをして上手くいかなかった企業さんたちの失敗の轍を踏まないように頑張って頂きたいと願うばかりです。

 今回のニュースを読んで・・・

 これまで業務上いろいろなタイプのアパレルや靴の専門店チェーンさんやSPA企業さんのご支援をして来て、

 特にメーカー出身企業の直営店やSPAが陥りがちな小売ビジネスに対する認識違いに関して

 思うところがあるので、以下にまとめてみたいと思います。


 まず、

 いいものを作れば(高くても)売れる!と思わないことでしょうか  

 お客様が求める 「価格の制約」の中で価値ある(コスパの高い)ものづくりをしなければ売れないこと、

 また、逆に価格が安いんだからこんなもんと投げやりに安っぽいものを作らないこと。

 こだわり過ぎず、手を抜かず・・・ 

 顧客にとって必要な部分を残してその他はそぎ落とす「トレードオフ」の発想が必要なのが小売ビジネスです。

 次に

 シーズン(半期)計画に基づく売り減らし販売では店頭の鮮度を保てないこと。
 
 シーズン立ち上がりまでに計画通りつくったら終わりではなく、小売業はシーズンインしてからが勝負。

 商品企画も店頭と一丸となって週次仮説検証サイクルを回すべし(安易なQRではありません)

 商品企画している方々がなかなかその頭(サイクル)にならないんですよね。

 小売をやるなら昔ながらの「展示会」を中心とした発想を追い出した方がいいかも。

 また

 出店への投資を甘く見ないことです。

 アパレル卸は在庫過多で潰れますが、小売業は出店ミスで潰れるものです。 

 単店赤字かどうかだけでなく家賃は安くでも低効率店舗の量産も本部オペレーション、店頭在庫コントロールの足を引っ張るものです。

 そして最後に・・・ここがキモかも知れません

 MD(マーチャンダイザー)を頂点とした組織ではなく、お客様最前線にいる店長および店舗スタッフが活躍できる組織づくりを。

  店舗はつくったもの(与えられたもの)を売るだけが仕事ではなく、

 店頭は情報の宝の山と考え、リスペクトしつつ、いかに店頭の声を次の商品企画に活かそうと聴き上手になれるかどうか?

 事業部全体が本部の方を見て仕事をするのではなく、お客様の方を見て仕事をすることができて初めて小売ビジネスのスタートラインに立てると思っています。

 少々辛口なコメントばかりしましたが・・・

 百貨店出身アパレルメーカーさんのいいところもあります。

 それは、いいものを触って来た経験もあり、質感、特に素材感に対する感覚はチェーンストアマーケットしか知らない方々よりも優れたものを持っていると思っています。

 ですので、低価格チェーンストアマーケット出身の方々とは妥協線の異なったトレードオフが実践できれば・・・

 同じ低価格でも面(ツラ)のよいコスパの高い商品やブランドづくりが出来る可能性があると思います。

 その昔、商社時代にお世話になったこともあり、ご健闘をお祈りしております。

 関連エントリー-アパレル型SPA(製造小売業)と小売り型SPA

 【グローバルSPAを理解するおススメ本】

 世界一のインディテックス(ZARA)の背中を追う、ユニクロのファーストリテイリング。

 それぞれトレンドファッションとベーシックカジュアルのチェーンストアモデルの最高のお手本です。それぞれの信念、強み、将来性を多角的に解説しました。
 
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