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August 14, 2017

ユニクロ中国大量出店の課題

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 8月13日の日経新聞の一面によれば、ユニクロが好調な中国市場で出店を加速し、

 現在 約540店舗、年100店舗のペースで出店しているところを、今後、1.5倍の年150店舗ペースとし、2020年には日本の約840店舗を上回る1000店舗体制にするとのことです。

 ユニクロ、中国店舗数が日本超す 20年にも1000店に 店長候補を短期育成

 2020年グループ年商3兆円達成に向けて(2017年8月期は1.85兆円の見通し)、

 国内ユニクロ事業が伸び悩む中、FR社の中で最も期待できる成長エンジンは海外ユニクロ事業、特に営業利益率を国内ユニクロ並みの二桁をたたき出せるようになった中国事業です。

 記事によれば、中国において

 1. 地方都市への出店加速と 
 2. 店長の高速育成 

 後者は具体的には 大卒採用者の条件を学生時代のユニクロでのアルバイト経験による入社前からの業務習得を必須にすることによって入社間もない社員をこれまでよりも速いペースで店長に抜擢することで、年100人以上の店長づくりができる制度をとし、今後の大量出店に臨むようです。

 拙著、「ユニクロ対ZARA」の後半部分でも指摘しましたが・・・

 ユニクロの海外、特に中国市場の深耕にあたっては2つの課題があると思っています。

 1つめは店舗網を都心部から地方へ広げるにあたっての課題です。

 日本国内では地方展開から都心部に攻め込む形で拡大・成功したユニクロは・・・

 地方出店時のローコストオペレーションが徹底する中で、都心に攻め込む過程で販売効率を高め、利益(額)を増やす形でご利益を得たと言ってもよいと思います。

 「しまむら」しかり、「ニトリ」しかり、地方出身のナショナルチェーンが地方でさほど売れなくてもしっかり利益を残せる体質をもってして、都心部で売れる立地に出店して成功する事例はいくつもありますね。

 ところが、ユニクロの海外の場合、中国もそうですが、都心部から地方に拡大するという、逆に販売効率が下がる方向での拡大を模索するという、日本国内での成功とは逆のパターンを行わなければならないという課題があります。 

 ローコストで始まり、その後、高い販売効率や利益額を得るときには「都心はこんなに売れるのか、儲かるのか」とうまみを享受できると思いますが・・・

 ハイコストで始まった企業体質を、拡大とともに、全体的に下がって行く販売効率にどうコストコントロールを行って対応するのか、損益構造見直し、ある意味、体質改善は結構チャレンジングなことだと思います。

 2つめは出店に店長の育成が追いつくかの課題です。

 出店ペースに店長育成が追い付かず、前者の要因と相まって崩壊したチェーンは数知れず・・・

 これに対して、これまでの国内ユニクロ事業が見事だったのは、

 店舗数を劇的に増やさず、1店舗あたりスクラップ&ビルドで大型化させ・・・売場面積は広げながらも、店長数を激増させずに・・・出店と店長育成のペースを合わせて成長の壁を上手に乗り越えて来た歴史があります。 

 中国では逆に相当のスピードで大量出店をしようとしているわけですよね。

 正直、過去のチェーンストアの失敗の法則から考えると危うさも感じますが・・・

 これまでも多くの常識を覆して成長を続けて来た同社が・・・

 これからの海外での成長局面をどう乗り越えて行くのか?引き続き注目をしていたいと思います。

 執筆: ディマンドワークス代表 齊藤孝浩

 【おススメ本】

 ユニクロは大国深掘り出店、ZARAはグローバル分散出店。同じSPAでも出店に限らず、真逆の戦略がいろいろあって面白い。両社を比べれば世界のファッション市場が見えてくる。
 
 「ユニクロ対ZARA(ザラ)」単行本 ソフトカバー(日本経済新聞出版社)

  

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