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July 20, 2018

しまむらが大きいサイズの衣料専門店の出店を検討

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 先月の日経新聞 日経MJになりますが、ファッションセンターしまむらが大きいサイズの衣料展開を増やし、2018年中に専門業態の開発を検討していることに関する記事が掲載されていました。

 同社の東大宮店で展開していた紳士3L~5L、婦人LL~5L の大きいサイズのコーナーが好調なことから、まずは既存店での展開を15店舗に広げ、その後、新業態としての出店を考えることを検討されるようです。

 この大きいサイズの需要は確実にあると思うので楽しみですね。

 紳士服系では古くから「サカゼン」がメンズ&レディスを首都圏中心に30店舗規模で取扱い、

 全国チェーンでは紳士服のはるやまグループが大きいサイズ専門の「フォーエル」を全国約100店舗を展開し、紳士服が中心のようですが、婦人服の取扱いも行っているようです。

 また、婦人カジュアルではネット通販のニッセンのスマイルランドが一時 大きいサイズの服で話題になりましたね。

 現実には、現在ネットで購入される方々が多いのかもしれません。

 アメリカでは、このマーケットは「プラスサイズマーケット」と呼ばれ、

 あるレポートによれば、

 この市場は アメリカのレディスマーケット全体の17.5%を占め(2016年)、

 マーケット全体が5年前対比8.6%成長のところ、このプラスサイズマーケットは23%成長した成長余地のあるマーケットと位置づけているようです。

 同レポートではネット検索調査から、このプラスサイズマーケットは潜在的にもっと大きなマーケットと考えられているようです。

 体格の違うアメリカと日本を比べるのはどうかと思いますが、

 日本でそれを求める消費者に十分な買い場があるかどうかと言えば、困っている人が多いことは間違いなさそうですから

 日本でしまむらなどの大手がリアル店舗のチェーン化でその需要を取り組むことは大変興味深いです。

 ただ、既存業態の中で展開するのは納得行きますが・・・

 単独業態がどこまで成り立つかどうかについては議論の余地がありそうです。

 ひとつはしまむらが得意とする、人口が限られた郊外小商圏で少数派を狙った単独店のチェーン化が成り立つかどうかということ (そこそこの人口=商圏規模が必要なのでは?)

 また、一般サイズの展開の延長線で大きいサイズや小さいサイズを扱うのであれば顧客も人目をはばかることはないと思いますが、

 単独専門店になると、その店に出入りすることにお客さんが抵抗があるのではないか?と心配します。

 かつて、別の経営問題もあったかも知れませんが、

 クイーンサイズの婦人靴専門業態が需要が十分にあって、注目されていたにも関わらず、うまく行かず

 
 一方、既存業態の中でサイズ展開の幅を広げ、大きいサイズの婦人靴の需要を取り込んだ

 オリエンタルトラフィックが拡大しているように

 ファッション消費には、市場性だけでなく、購入者への配慮も必要かも知れません。

 また、外資系チェーンのH&Mやアメリカンイーグルあたりはショッピングセンター立地で大きいサイズのカジュアルウエア需要を上手く捉えているので、

 そのあたりが競合になるかも知れませんね。

 店舗数が1400店舗を超え、オンラインにもライバルが増え、顧客の服の買い方も変わり・・・

 既存の品揃えだけでは飽和に近づいた感のあるしまむらですが、

 是非、小商圏での強みを生かしてあらたなカテゴリーで顧客の需要に応えることを期待しています。

 執筆: ディマンドワークス代表 齊藤孝浩

 ※業界の発展と流通イノベーションのために・・・ファッション流通企業の経営者の方や事業スタートアップ準備中の方の応援をしています。
 時代の節目にあたり、「経営お困りごとのヒアリングとビジョナリーコーチング」のキャンペーンを実施中です。 ブログ筆者の質問に答えて行くだけで・・・頭の中がスッキリ整理されるコーチング手法で事業のお困りごとを整理して今後の方向性を見出すためのお手伝いをさせていただきます。 詳しくは>>>こちらから
 
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July 13, 2018

H&Mの日本1号店=銀座店が閉店

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 日経新聞やWWDジャパンによれば H&M(へネスアンドマウリッツ)は2008年に開業した日本1号店である銀座店を契約満了に伴い、来週7月16日(祝)をもって閉店するとのこと。

 WWDジャパン 「H&M」が銀座店を閉店 5000人が行列した日本1号店、ファストファッション・ブームの震源地

 同店は10年前に日本のファストファッションブームが始まった場所。

 オープン当日は5000人が入店待ちの行列をし、9月の残暑の中、

 H&Mからの配慮で黒い折り畳み傘が配られ

 銀座中央通りから晴海通りにかけて長蛇の黒薔薇の花壇のような列が出来たのを覚えています。

 関連エントリー-H&M銀座店オープン、その時ZARA、ユニクロは・・・

 関連エントリー-H&M銀座店オープンの最も素敵な広告宣伝

 
 今日は銀座に行く機会があったので久しぶりにH&M銀座店を覗いて来ましたが・・・

 近隣のZARAが混雑だったのに対し、

 H&Mは閉店をする告知もなく、商品ヴォリュームも少なく、客数もまばらだったのが対象的でした。

 同社は、間口が狭く、手狭、家賃負担も大きかった銀座1号店は役割を終え、

 今後も良い大型物件があれば銀座に再出店する可能性を残しながら、

 むしろ日本100店舗体制に向けて未出店エリアに力を入れるとのことです。

 報道が指摘しているように同社の銀座店閉店はひとつの通過点に過ぎず、

 筆者はまだ同社の日本でのポジションと役割は十分残されていると思っています。

 しかし 最近の業績は・・・

 快進撃が続く世界一のZARAを擁すインディテックスや

 中国で絶好調の3位のユニクロファーストリテイリングに比べ、

 かつてインディテックスとツートップだったH&Mの近年の収益力低下は顕著です。

 筆者はここ数年ZARAが世界的に低価格戦略を採り、H&Mの価格に近づき

 欧州ではプライマークやローカルのウルトラファストファッション系のオンラインサイトに押され、

 アメリカや中国では過剰出店感が否めず・・・

 日本でもZARAとユニクロ、ジーユーに挟まれ、オンライン戦略が後手に回り、優位性が薄れていたところに

 ファストファッションながら、得意なはずだったアジアでの低価格、中長期的生産が結果的に在庫過多を生んでしまったと見ています。

 ZARAとH&Mの明暗には多くの低価格系のファッションチェーンが学ぶべき教訓がたくさんあると思います。

 世界アパレル専門店売上ランキング2017 トップ10

 そのあたりもお話する筆者も講師を務める来週のセミナーがありますので、もしお時間あれば まだ若干席はあるようなので聴きに来て頂ければ幸いです。

 シンクエージェント主催 経営革新セミナー デジタル化する小売業~ファッション企業はどう生き残るべきか?

 また2018年バージョンになった 拙著「ユニクロ対ZARA」文庫版をお読みいただければ、

 昨今のグローバルファッションチェーンの動向をご理解いただけるのではないかと思っております。

 執筆: ディマンドワークス代表 齊藤孝浩

 ※業界の発展と流通イノベーションのために・・・ファッション流通企業の経営者の方や事業スタートアップ準備中の方の応援をしています。
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July 05, 2018

しまむらがZOZOTOWNに出店。 両社のメリットとその先の狙いは?

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 6月27日の日経MJなどにファッションセンターしまむらを展開するしまむらが7月9日(月)にZOZOTOWNに出店することに関する記事が掲載されていました。

 しまむら@ZOZOTOWN新規 オープン告知サイト

 しまむらの粗利率(売上総利益率)は例年32~33%。

 これを持ち前のローコストオペレーションにより、

 23~24%の低い販売管理費率に押さえ

 9%前後の営業利益率を上げている企業です。

 一方、ZOZOの販売手数料は

 単価が高く、売上ランキング上位クラスの取引が太いブランドでも売上高の20%台前半、低単価のブランドでは35%以上のようですので・・・

 低粗利率とローコストオペレーションを武器にするしまむらのZOZO出店は難しいのではと見ていましたが・・・

 まあ、販売手数料が25%前後であれば・・・

 しまむら側もZOZO側もビジネスが成り立たないわけではないので、どこかで折り合いをつけた模様です。

 両社が組むメリットを少し考えてみました。

 まず、しまむらのメリットです。

 業界の多くのブランドのEC売上の6割~7割のシェアを占める、

 業界でもっとも売れるECモール=ZOZOTOWNに出店し、

 後発と言われるしまむらが、今オンラインで何が起こっているのかをスピード体験できる。

 地方、郊外に店舗が多いしまむらでお買い物をしたことがない、都心部の客層にしまむらの商品を手に取ってもらえる。

 しまむら未経験者からすれば安いけど、試してみれば品質がいいことに驚くでしょう。

 次にZOZOのメリットです。

 しまむらが得意とする地方、郊外立地の客層、特にティーンズとZOZO客層よりも年齢の高い主婦層にリーチ出来る。

 特に客数という意味では、日本のファッション専門店の中ではユニクロとしまむらはダントツに多いですからね。

 客単価は低いかも知れませんが、新規顧客大量獲得のメリットは大きいでしょう。

 最近ZOZOがとみに増やしている楽天などから流入した低価格帯の商品群を好む客層に新たな選択肢が生まれることになるでしょう。

 とは言え、おそらく両者の取り組みはお互い様子見というところでしょうか。

 しまむらも損益の関係から粗利率の高めのオリジナル商品から始めるので…

 当初は限定的な取り組みになりそうですね。

 しかし 日本のファッション流通業界の中で最多クラス、

 「ファッションセンターしまむら」だけで1,400

 グループ合計で2,000を越える国内店舗網と全国の店舗にほぼ毎日商品を届ける独自のトラック物流網は業界随一間違いないしまむらグループ。

 ZOZOで注文した商品がしまむらの物流網にのせて全国の店舗で受け取れるとか、返品受付できたら・・・

 東京や関西の都市部にはまだ、しまむらの店舗はあまりありませんが、

 地方や郊外立地の客層には何かしらのメリットを生み出せるのでないか?

 と思いますがいかがでしょうかね。

 「EC後発のしまむらがいよいよファッションモールに出店」というニュースよりも…

 ファッションEC国内最大のZOZOTOWNと

 ファッション流通国内最大級の店舗網と物流網を持ったしまむらが

 ECモール運営者と出店ブランドの関係だけでなく

 その先の取り組みを行う可能性については、とても興味があります。

 両社がそんな共通の利害を見出し・・・ そんな話も視野に入れて交渉を始めていたら、

 流通が変わる結構、面白いことになると思うんですがね・・・

 関連エントリー-しまむらが2018年からネット通販を開始 独自の物流網をどう活かせるか?
 

 執筆: ディマンドワークス代表 齊藤孝浩

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July 03, 2018

「ユニクロ対ZARA」の文庫本が日経ビジネス人文庫から発売

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 ブログ筆者である 齊藤孝浩(タカ サイトウ)が執筆し、2014年11月に発売された「ユニクロ対ZARA」がこの度 文庫本として発売されることになりました。

 「ユニクロ対ZARA」(日経ビジネス人文庫)
 
 本日Amazonで発売開始、明日には全国の書店の文庫本コーナーに並ぶと思います。

 おかげさまで旧版は2014年から2015年にかけてビジネス書のベストセラーとなり、

 訳本が台湾、香港、中国本土でも発売され、多くの出会いの機会を頂きました。


 文庫化にあたり、数値は両社の最新決算のものに置き換え
 
 4年間の動向を踏まえ、最終章の未来予測のところを書き換えました。

 書き換えを通じて、筆者も両社がこの4年間で着実にパワーアップしていることを思い知らされたものでした。

 ユニクロはベーシック商品の商品管理のベストプラクティス、

 ZARAはトレンドファッションの商品管理のベストプラクティス

 だと思っていますので、両社のオペレーションはシーズン性のあるアイテムを扱っていらっしゃる小売業の方々には業界問わず、参考になると思います。

 また、両社とも、明確な経営ビジョンを持ち、企業経営をする企業のグローバルレベルのお手本でもありますので、

 アマンシオ・オルテガさん、柳井正さんの経営信念からも刺激を受けて頂けると思います。

 文庫本になって、更に読みやすく、 携帯しやすくなっておりますので、

 書店で見かけたら是非お手に取って下されば幸いです。


 執筆: ディマンドワークス代表 齊藤孝浩

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