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January 31, 2019

最近、変化のスピードが速く感じる訳

 昨年2018年はビジネスシーンにおいて、変化のスピードがいつになく加速したと感じました。

 理由を考えると・・・

 ひとつは

 パラダイムシフト(時代の大転換期)の年だったことでしょう。

 ファッション流通においては

 2008年のH&Mの日本上陸から始まったファストファッションブームから10年目の節目

 新しい芽に対して早くから気づいた企業、外資企業などが一気に動いたせいでしょうか。

 キャッシュレスへの動きなど金融界の動きも速かったですね。

 ここは日銭を稼ぐ流通業とも関係は深いです。

 何より

 流通の主役の入れ替わりが大きな要因でしょう。

 ファッション流通も過去を振り返ればわかるように

 マーケットリーダーの業務サイクルは業界のスピードに大きく影響を及ぼすものです。

 20世紀はメーカーとの交渉の時代

 メーカーはシーズンサイクル 月単位で仕事をしていました。

 メーカーの営業現場は月末までにどう小売業に商品を押し込んで売上を立てるかが肝でした。

 21世紀に入り、小売業、特にSPAの時代になると、

 店頭が重視されます。

 小売業は月予算に基づき、週単位の計画を日割で実行しますから、

 メーカーよりもサイクルは短く、スピードは速くなります。

 どう週末に売り上げるか?どう月末までに在庫の中身を入れ替えて店頭鮮度を保つか?に手を尽くします。

 このメーカーと小売業の業務サイクルの違いから来る発想や行動の違いは、

 10年以上前にブログでも触れて共感を頂いたのを思いだしましたのでご紹介しておきますね。

 流通段階と仕事の発想、サイクルの違い

 そして、近年、リーダーシップを取り始めたのはオンラインを主戦場とする企業です。

 企業の出自にもよりますが、言わずもがな

 オンラインは日次単位どころかリアルタイムで生活者と相対しています。

 営業時間の制約も少ないですし、

 さらに接点がSNSやチャットであれば

 通常のオンラインビジネスよりも即時性を求められます。

 業務サイクルが

 週・日 から 時間帯・限りなくリアルタイムへと短くなって、

 その分、スピードが増しているという訳です。

 そうすると、人がやり切れないスピードをテクノロジーによる機械化に任せる必要がありますね。

 主体がオンライン企業になったというのは実は誤解で・・・

 実際には、スマホと高速通信インフラを手にした生活者自身になったと見るべきでしょうね。

 そして、

 その期待のスピードに合わせることができるオンライン活用企業の時代になった

 が正解だと思います。

 今のところ、その先端を行くのがAmazonらプラットフォーマーなのでしょう。

 昔は良かったね・・・と言ったところで、

 一度高速化したスピードは後戻りしないでしょう。

 だから、変化に対応しなければ・・・変わり続けなければ・・・生き残れない

 どんな仕事もテクノロジーの進化のご利益を活かして

 スピードに乗り遅れないように努めるという理解が必要でしょう。

 ただ、誤解してはいけないのは

 変わるのは利用するプラットフォームだけ

 時代に合ったプラットフォームに乗り換えながらも、

 最後にそれを活かすも殺すも、ヒト次第です。


 常に学び成長する謙虚さ

 信念をもってやり遂げる力

 それを突き動かす原体験

 伝える情熱、続ける執念

 2月下旬に発売することになった3冊目の新刊の取材にあたり

 国内外の多くの起業家=Entrepreneurの方々から刺激を受け

 あらためて気づかされたことです。

 今年もあっという間に1ヵ月が経過しましたね。

 さあ、みなさんは今年をどんな年にして行くと決めましたでしょうか?

執筆: ディマンドワークス代表 齊藤孝浩

 ※業界の発展と流通イノベーションのために・・・ファッション流通企業の経営者の方や事業スタートアップ準備中の方の応援をしています。
 時代の節目にあたり、「経営お困りごとのヒアリングとビジョナリーコーチング」のキャンペーンを実施中です。 ブログ筆者の質問に答えて行くだけで・・・頭の中がスッキリ整理されるコーチング手法で事業のお困りごとを整理して今後の方向性を見出すためのお手伝いをさせていただきます。 詳しくは>>>こちらから
 
 【おススメ本】

 これまでの勝ち組も時代に合わせて変化に取り組んでいる様がわかります。
 やはり世界一のZARAは新しい波にもいち早く取り組んでいることもご紹介しています。

 「ユニクロ対ZARA」 2018年アップデート文庫本

 【お知らせ】

 筆者3冊目の新刊が2月21日に発売予定です。
 テーマはこれから10年先を視野に入れたショッピング革新です。
 海外の先行事例をまとめ、日本の未来を予測しながら書き上げました。
 詳細が決まりましたらあらためてご案内させていただきます。


 

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January 25, 2019

ZOZOARIGATOが問う、各社の販売価格設定とオムニチャネル時代の経営ポリシー

 ZOZOTOWNが12月25日に始めたZOZOARIGATOが業界で大きな話題になっています。

 月額500円または年間3000円の会費を払えば、常時サイト上の商品が全品10%OFFになるというもの
 
 新規登録者は初月の購入はすべて30%オフになるようです。

 このメンバーシッププログラムの建前は

 割引された金額は購入者が日本赤十字のような団体に寄付したり、

 購入ブランドを応援するために還元できるというチャリティー企画ですが、

 多くの購入者は割引分すべてをご褒美として自分で受けとるでしょうから

 実態は会員割引プログラムと見るべきでしょう。

 ZOZOの平均出荷単価から考えると 

 年4回おおよそ年間30,000円以上買う人はお得になるって感じでしょうか。

 割引原資はZOZOが全額負担というものの

 サイトでカテゴリーまたはブランド検索後のページを見た人には

 すべての商品にご丁寧に

 「ZOZOARIGATOメンバーなら今すぐ30%OFF」

 というバナーとともに割引後の価格のバナーがついていますので・・・結構なディスカウントサイトのような見えかたです。

 この施策に対して、

 昨年内にアウトレットモールへの出店も慎重なオンワード樫山が、

 続いて百貨店でもセール販売をしないミキハウスなどが

 ZOZOTOWNからの撤退を決め

 多くのブランドがセール品を残しながらも、春夏の新商品を非表示にしたり、出品を取り下げたとのことです。

 その後、出店ブランド多数からの苦情を受け

 ZOZOはブランド側が会員割引のバナーを表示するかしないかのオプションが選択できるようにシステム改修すると発表しています。 (1月23日付日経新聞)

 これは表示、非表示の話であって・・・

 全品割引することに変わりはありませんから、

 果たしてこれで済む話なんでしょうかね。

 そもそも

 在庫を買い取った小売業がいくらで売るかは自由でしょうが

 在庫所有権と価格決定権がブランド側にあるはずなのにZOZOが割引分は負担するとは言え

 ZOZO側がOFFタグをつけて割引後の新価格表示をして、常時一律割引をするような表現をしてもよいものかと違和感を覚えます。

 理屈としては

 大手百貨店だってカード会員には常時5%-10%のポイントを還元してますし、

 ルミネだって期間限定ルミネカード10%OFFキャンペーン以外の時にも同社のカードで決済すれば引き落とし時5%OFFになりますから

 何が違うんだ?ということでしょうが、

 派手な直引きにより、

 明らかに、同じ商品が、直営店よりも、自社サイトよりも、つまり、常時何処よりもZOZOTOWNが安くなることは出店ブランドにとって大問題でしょう。

 もっと多くの会社がオンワード樫山のような経営判断をしても良さそうなものの…

 表示を選択式に変えてくれればそれでよいと

 売れているから、まあ、それでいいかと

 多くのブランドがこのまま黙認してしまうような状態になることを懸念しています。

 そんなこと上記のようにどこでもやってるでしょう、

 どこだって売れなければすぐ値下げだってしているから同じじゃないか

 と感じるようであれば、すでに感覚が麻痺していると言わざるを得ないでしょう。

 常時全品同率割引と

 売れない商品の価格見直しや消化促進のための単品値下げ

 とは意味が違いますから…

 いいんでしょうか?

 ZOZOTOWNが常時一番安く買える場所になってしまって…

 今回の施策はクーポン乱発の効き目が一巡して、

 ゾゾスーツによって見込んでいたPBによる売上増が暗礁に乗り上げてでも

 計画通りの高成長を維持し続けようするZOZOTOWNの執念でもあり、焦りでもあるように思います。

 そして

 期間限定でもない

 常時会員割引という最終兵器級の荒業・・・

 それを出店ブランドに対する告知から2週間後に実施したという話を聞くと結構な強引さも否めません。

 セールでもないのに当初から値引きされたらブランド価値が云々

 という話もありますが、

 消費者からの価格の信頼性というか

 こういうことがきっかけでマーケットにこれまで以上に割引が蔓延して、常態化してしまうことが問題でしょう。

 いつも割引、そもそも、当初価格の設定の根拠って何なの?定価で買うなんて馬鹿らしい

 どうせ、割引前提の上乗せ価格なんでしょう?

 という、価格設定そのものの信ぴょう性が、

 これまで以上に問われることでしょう。

 バーゲンでの値下げを前提にした定価設定ではなく、

 お客様がバリュー、コスパを感じられる適価を最初からつけるという

 あるべき姿からますます遠のいて行くことが心配です。

 そして、設定価格に対して、ますます低い原価でものづくりが進み・・・

 商品の品質が劣化して行くことがもっと心配です。

 報道によれば今回のZOZOの施策に対して、

 各ブランドの担当者たちは「施策に乗るか、撤退か」しか選択はないと返答されたとのこと。

 ZOZOTOWN依存度の高いブランドは当然、会社の存続がありますから、

 直ぐに撤退などという話には出来ないと思いますが、

 経営者さんの経営判断として、中長期的に

 ・売上確保のためにこのまま黙認したまま同じようなスタンスで出品を続けるのか?

 ・期限を決めて将来的には自社運営サイトにシフトする準備を加速するのか?

 あるいは、この施策に乗るか、撤退するのかではなく、

 ・ZOZOTOWNは在庫処分やアウトレットのような専売品を売って儲ける販路と割り切って

 メインのビジネスはリアル店舗と自社ECを活用した本格的オムニチャネル体制に舵を切り

 各販路を上手く使い分けるのか?

 アメリカではすでにAmazonとそんな共存を図る大手ブランドがいくつも現れているようです。


 かつて百貨店とアパレルメーカーとの関係がアパレルをダメにしたと指摘されたように

 時代変わってZOZOTOWNで急成長しているブランドたちが将来そう言われないように

 今、EC担当者レベルではなく、経営者さんに今後のビジョンと経営判断が問われている時ではないでしょうか?

 確かに、ZOZOTOWNの強引なやりかたには疑問ですが・・・

 今回の同社の施策は、時代の大きな転換期に、各社へ

 ブランドがどっちの方向に行くのか、腹を決めることを迫っている 

 とも見ることができるのではないでしょうか? 

 ZOZOARIGATOは単にファッションECモール最大手の過激な施策という話ではなく

 将来、ファッション流通の歴史を振り返った時に

 あの時が時代の転換点だったねと

 語られるようになる大きな出来事に思えてなりません。

執筆: ディマンドワークス代表 齊藤孝浩

 ※業界の発展と流通イノベーションのために・・・ファッション流通企業の経営者の方や事業スタートアップ準備中の方の応援をしています。
 時代の節目にあたり、「経営お困りごとのヒアリングとビジョナリーコーチング」のキャンペーンを実施中です。 ブログ筆者の質問に答えて行くだけで・・・頭の中がスッキリ整理されるコーチング手法で事業のお困りごとを整理して今後の方向性を見出すためのお手伝いをさせていただきます。 詳しくは>>>こちらから
 

 【関連おススメ本】

 5年前の本ですが、バーゲンで売ることを前提とした価格をつけない、そのためにむやみにつくり過ぎない

 適品、適時、適価、適量を追求することが大切であることをお伝えしたくて著したビジネス読本です。

 『人気店はバーゲンセールに頼らない 勝ち組ファッション企業の新常識』

   



 

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January 14, 2019

ファーストリテイリングの第1四半期決算は増収減益 問われる秋冬依存体質脱皮と夏に儲ける力

 2019年 本年もよろしくお願いいたします。

 今年1本目のブログはファストリテイリングの2019年8月期第1四半期決算のお話からです。

 1月10日に発表された同社の第1四半期決算は4.4%の増収、8.1%(-100億円)の営業減益でした。

 海外ユニクロ事業は12%の増収、12%の営業増益(+61億円)をキープしましたが、

 国内ユニクロ事業が暖冬による4%の減収、30%の大幅減益(-162億円)

 で足を引っ張ったものです。

 今回の決算発表は単に国内苦戦、海外好調という話だけではなく

 同社にとっては今後解決すべき課題が浮き彫りになった結果だったとも思います。


 以前も当ブログで

 2018年8月期の同社ユニクロの復調を取り上げた時にも指摘しましたが、

 ファストリ2018年8月期決算は年商2兆円突破で増収大幅増益。事業別に四半期業績を考察してみると

 ユニクロは秋冬でガッツリ儲けて・・・春夏、特に夏で利益を吐き出す体質があります。

 同社の秋冬物、特に1Qは年間の利益の4割くらいを稼ぐ重要な四半期なので、

 そこを落としたということは結構、痛いと見るべきかな、と

 これは、ファストリに限らず、冬のアウターで売上、利益の多くを稼ぐ、

 日本の多くのアパレル企業には言えることなのですが・・・

 地球温暖化が進み、春と秋が短くなり、

 夏が長くなり、冬は寒波がくればアウターは売れる、暖冬なら売れない

 という傾向は今後も続きそうで、

 各社、秋冬商戦に依存し過ぎる体質からの脱皮と

 春夏、特に夏にいかに利益を残せるかが問われているように思います。

 参考までに、過去のブログで

 ユニクロとZARA(インディテックス)とH&Mのシーズンごとの売上構成比、利益の残し方の違いも比較していますので、マニアックな話しですが、よろしければご覧ください。

 ファーストリテイリングの2018年8月期中間決算は増収増益。 世界一への課題は秋冬依存体質と春夏シーズンの収益性?

 グローバルSPAの中でもユニクロの業績が国内に限らず、グローバルでも秋冬の利益に大きくかかっているのに対し、

 ZARAやH&Mも秋冬の売上シェアはそれなりに大きいものの、夏に利益率を落とさないという体質の違いがあります。

 それは、彼らが同じ北半球の中でもロシアとシンガポールほどの気温差があっても、

 1つの本部で世界統一企画を提供するにはどうしたらよいかを考えた末つかんだ知恵、工夫なのでしょう。

 ※注 北半球と南半球はMDは違います。また、世界統一企画でも各国がその中から何を選ぶかは国別担当に任されています。

 夏が長くなっているのは日本に限らず、グローバルトレンドのようですから、

 夏を1発勝負ではなく、細分化して考え、2回戦以上がある前提に臨み、いかに後半戦の的中率を高めて利益を残す企業が今後勝ち残る時代になることでしょう。

 ユニクロのように日本よりも気温が高いアジアで事業を拡大しようと思えば尚更でしょうね。

 シーズンごとのMDは日頃の在庫最適化のコーチング現場でもよく話題になりますが、

 春は深追いしてはいけないシーズン(得てして力が入りがちですが・・・)

 むしろ夏を早めに立ち上げ当たりを見て、6月に売場をどれだけ人気商品で埋めつくし、
ベストな品揃えで6月のプロパー販売からその後のバーゲン期まで店頭鮮度高く駆け抜けることができるか?

 暖冬で厳しかった冬商戦に落胆している場合ではなく、夏でどうリカバリーするかを考えたいところです。

 さて、ファストリの話に戻りますが、

 同社の2018年度決算には寒波によって例年よりも利益率が高かった1Qと2Qの利益以外にも

 もうひとつラッキーがありました。

 それは2018年3月~4月の気温の上昇により

 夏物が早めに定価でよく売れたことです。

 春を積み込むブランドさんたちは在庫を残したものの

 各シーズンを早めに立ち上げるユニクロにはラッキーな初夏だったはずです。

 ファストリは今回、2019年8月期の通期予測を計画通りの増収増益ので据え置きましたが、

 それは残された3つの四半期で30%以上の増益を果さなければならないことを意味します。

 2つのラッキーに支えられた2018年8月期を越えて

 前年以上によいパフォーマンスを出すには特に春夏(3Qと4Q)に一工夫がいることでしょう。

 過去にもさまざまなハードルを乗り越えて来た同社がどのように対処するのか・・・

 しっかり見守って行きたいと思います。

執筆: ディマンドワークス代表 齊藤孝浩

 ※業界の発展と流通イノベーションのために・・・ファッション流通企業の経営者の方や事業スタートアップ準備中の方の応援をしています。
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 筆者3冊目の新刊が2月21日に発売予定です。
 テーマはこれから10年先を視野に入れたショッピング革新です。
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