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February 19, 2019

これから10年のファッション消費を考えるビジネス書「アパレル・サバイバル」発売

 筆者3冊目のビジネス書となる

 「アパレル・サバイバル」(日本経済新聞出版社)

 が今週2月21日(木)に発売、書店の店頭に並ぶことになりました。


 前著「ユニクロ対ZARA」(2014年初版;リンクは2018年更新文庫本)では

 21世紀の勝ち組モデルとして

 ユニクロのベーシック衣料型SPA(アパレル製造小売業)と
 ZARAのトレンドファッションを低価格で販売するファストファッション型SPAの

 それぞれのビジネスモデルを比較することによってアパレルビジネスの構造や急所を解説させて頂きました。

 同著の初版から4年、

 日本でファストファッションブームを巻き起こしたH&Mの上陸から10年が経過し

 あらたな流通革新が起こっているのはお気づきの通りです。

 今回の流通革新は

 オフラインからオンラインへ

 企業から消費者へ
 
 価格から時間へ

 と主戦場と担い手が変わり、テーマも変わって行く大きな転換期なので

 変化のスピードはこれまで以上に速くなることでしょう。

 筆者は日本において、新たな流通革新が欧米の後を追いながら10年周期で起こると見て・・・

 ファストファッションブーム後から海外の動向を観察して来ましたが

 欧米で起こり始めたその波がいよいよ日本にもやって来たように感じています。

 本書のメインテーマは

 「ショッピングのデジタルシフト」

 「溢れるクローゼットの持続可能な循環」

 です。

 英米の先進事例の店頭体験で感じたインスピレーションをもとに

 生活者のショッピングのお困りごと起点で整理して仮説を立て

 オンラインで芽生え始めたショッピング革新の事例を多数取材して

 書き上げました。

 未来を語るので賛否両論あろうかとは思いますが(笑)

 本書がきっかけとなり

 過去の延長線上ではなく、

 生活者のお困りごと起点で

 未来の理想の状態(ビジョン)を描きながら

 そこから逆算する形で

 新しい、斬新な革新の議論が始まることを期待して問題提起をしています。

 出版社さんのご意向もあり挑発的なタイトル・表紙になっていますが・・・(笑)

 未来を前向きに考えるための一冊に仕上げたつもりです。

 店頭でお見かけになりましたら是非お手に取っていただければ幸いです。

執筆: ディマンドワークス代表 齊藤孝浩

 ※業界の発展と流通イノベーションのために・・・ファッション流通企業の経営者の方や事業スタートアップ準備中の方の応援をしています。
 時代の節目にあたり、「経営お困りごとのヒアリングとビジョナリーコーチング」のキャンペーンを実施中です。 ブログ筆者の質問に答えて行くだけで・・・頭の中がスッキリ整理されるコーチング手法で事業のお困りごとを整理して今後の方向性を見出すためのお手伝いをさせていただきます。 詳しくは>>>こちらから


 

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February 12, 2019

H&Mの2018年11月決算は3年連続の増収大幅減益 縮まるユニクロ(FR)との差

 1月31日に発表されたH&Mの2018年11月期決算は

 売上高 2兆5,311億円(5%増)
 営業利益 1,863億円(25%減)

 の増収大幅減益でした。SEK=12.03円で換算

 これは3年連続の増収大幅減益で

 営業利益率は3年前の14.9%と比べ
 7.4%と大幅に収益率が下がっています。

 四半期ごとに振り返ると・・・

 2017年の第4四半期の失策により過剰在庫を抱えた
 2018年の第1四半期=冬シーズンに大幅値下げを強いられ、

 第2四半期=春は長引いた寒波のあおりを受け苦戦、

 第3四半期=夏と秋 以降は粗利回復も 
 出店と物流および出遅れたデジタルシフトへの投資が先行し、営業利益率は下がります。

 同社はこの1年も引き続き出店を続けて

 アメリカ、中国、イギリス、ドイツの大国に集中出店して

 229店舗を増やし4,968店舗としましたが、

 42店を純増させて578店舗としたアメリカで

 店舗が増えたにもかかわらず、まさかの6%の減収と苦杯を喫しました。

 一方、ロシアや東欧は大きく伸ばしているようです。

 日本は6店舗を増やし91店舗となり1%増の550億円 

 1店舗あたりの販売効率はまだ世界平均の1.2倍ありますが・・・

 一時期よりもだいぶ落ち着きましたね。

 これにより

 先に決算発表をした

 世界第3位のユニクロのファーストリテイリング(FR)の2018年8月期

 売上高   2兆1,300億円(14.4%増)
 営業利益額 2,362億円 (33.9%減)

 と比べると

 H&MとFRの売上高の差は18%程度に縮まり・・・

 営業利益は・・・

 なんとFRがH&Mを上回った、

 いやH&MがFRを下回る結果になったことがわかります。


 今の勢いですと、

 2-3年もすればFRはH&Mの売上を抜き、
 
 世界第2位の売上高のアパレルチェーンに浮上する可能性も出てきましたね。

 気になる世界一のZARAのインディテックスは

 第3四半期までで

 売上高    7.4%増収、
 営業利益額 3%増 (各国の現地通貨ベースでは14%増)

 粗利率は58.0%と0.6%増、
 営業利益率16.7%は変わらず。(いずれも前年同時期比)

 という、伸び率は少し下がっていますが、収益率をキープした中間実績。

 ちなみに同社の店舗数は
 7,442店舗と前年比62店舗を減らし

 スクラップ&ビルド中で売場面積を拡大しながらデジタルシフト投資の真っ最中。

 利益率を下げ、苦戦するライバルたちを尻目に

 出店を抑え、中期的な成長調整期間に入った感があります。

 ここ最近のH&Mの苦戦は

 1.リアルでは価格で下をくぐるプライマーク
  オンラインではASOS、Boohooなどの
  ウルトラファストファッション勢の台頭

 2.H&MのCEOが自ら指摘するように
  デジタルシフト対応の遅れ
  EC売上は22%のびてEC売上比率は14.5%も
  ZARAらに比べ、オンラインと店舗を融合する
  オムニチャネル対応が遅れていること

 3.低賃金を追った生産地のシフトとリードタイムの長期化と
  自らが扱うファストファッションのあるべき店頭商品回転とのギャップの拡大

 の3つにあると見ています。

 この

 ・価格で下をくぐってくる企業の台頭と競合

 ・ショッピングのデジタルシフトの出遅れ

 ・安い人件費、低い原価を追うがための生産リードタイムの長期化

 の問題は決してH&Mら大手グローバルSPAだけでなく・・・

 日本のファッションチェーンにとっても
 他人事では済まされない教訓ではないでしょうか?

 H&Mは今後、

 Find in store 近隣店舗在庫照会
Click&Collect オンライン注文の店舗受け取り
Scan&Buy  店舗からのオンライン注文
In-store mode スマホを店内モードにしての店舗体験の充実
Online return in store オンライン注文商品の店舗返品

 など、デジタルシフト先行企業が顧客のスマホとオンライン情報をつなげて
 店舗を中心に行う各種オムニチャネル施策に力を入れると宣言しています。

 世界のファッションマーケットを変えた
 ファストファッションチェーンの雄、
 グローバル企業H&Mが
 今後、どのようにリカバリー、キャッチアップするか?

 その動向には世界のファッションチェーンが注目しています。

執筆: ディマンドワークス代表 齊藤孝浩

 ※業界の発展と流通イノベーションのために・・・ファッション流通企業の経営者の方や事業スタートアップ準備中の方の応援をしています。
 時代の節目にあたり、「経営お困りごとのヒアリングとビジョナリーコーチング」のキャンペーンを実施中です。 ブログ筆者の質問に答えて行くだけで・・・頭の中がスッキリ整理されるコーチング手法で事業のお困りごとを整理して今後の方向性を見出すためのお手伝いをさせていただきます。 詳しくは>>>こちらから
 
 【おススメ本】

 ユニクロが世界2位、そして1位になる可能性は?時期は?

 「ユニクロ対ZARA」 2018年アップデート文庫本

 【お知らせ】

 筆者3冊目の新刊が2月21日に発売予定です。
 テーマはこれから10年先を視野に入れたショッピング革新です。
 海外の先行事例をまとめ、日本の未来を予測しながら書き上げました。
 詳細が決まりましたらあらためてご案内させていただきます。


 

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