はじめに

 このブログは、2008年11月から2009年1月にかけてディマンドワークス社が共同通信文化部の依頼により執筆した連載コラム「ファッション消費革命」(全12話)を一部修正、加筆し、公開するものです。

 オリジナルのコラムは、共同通信から全国の新聞社、報道機関に毎週1話づつ発信され、山梨日日新聞、秋田さきがけ新聞、福井新聞、日本海新聞、山陰中央新報、中国新聞、山陽新聞、下野新聞他、計20紙近くの地方紙の日曜版に連載コラムとして取り上げていただきました。

 ラグジュアリーブランドを頂点として階級構造(ヒエラルキー)を形成するファッションマーケットにおいて、品質のよい、おしゃれなファッション商品は、高いお金を出さなければ購入できない、一般の生活者にはなかなか手の出せない、一部のファッション愛好家だけのものでした。

 そんなファッションマーケットにおいて、ここ10年間に、流通革新が起こり、「安かろう悪かろう」は過去のものとなり、品質のよいものも、おしゃれなものも手ごろな値段で買うことができるようになり、多くの生活者がファッションを手軽に楽しむことができるようになりました。

 この進み行くマーケットの変化、成熟の様子を、

 「ファッションの民主化」

 と呼びます。

 このコラムは、「ファッションの民主化」に取り組む企業の努力をわかりやすく紹介し、一般生活者の方が変わりゆくファッションビジネス、マーケットの動向を理解しながら、もっと賢くファッションやショッピングを楽しんでいただくための気づきにつながれば、という思いで執筆したものです。 

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第1話 ファストファッションを楽しもう

安いのにトレンド最先端の服、新作も店頭に並ぶアウトレット...今ファッション界では高級ブランドを頂点とした従来の階級が流動化、「革命」的な現象が相次ぐ。

ビジネスコンサルタントの斉藤孝浩さんに舞台裏を解説してもらい、おしゃれを賢く楽しもう。

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 2008年の秋、銀座一号店開店一カ月半で一日平均八千人がの来店、話題になったのが、スウェーデンを拠点にした世界最大級のファッションチェーンH&M(ヘネス・アンド・マウリッツ)。相次いで原宿店もオープンし、連日大混雑しています。

その注目ぶりを理解するキーワードが、「ファストファッション」という言葉です。

語源は、ファストフード。そう、H&Mは、世界のトレンドをいち早く取り入れ、おしゃれで、価格も安い、という三拍子そろった商品を提供することで、世界的に成長した企業の代表格なのです。

 これまで、デザイン性が高く、トレンドに富んだファッション商品は値段も高く、なかなか手の届かないもの、という常識がありました。そうした最先端のファッションを気軽に買えるのは、後追いで大量生産され、価格が下がるワンシーズン(一年)後だったものです。

一方、H&Mやすでに日本に進出している、スペインが拠点のZARAといったファストファッション企業は、百人超の自前のデザイナーがトレンドマーケットのファッション企業と同じ情報収集、商品開発を行っています。ワンシーズン着れば十分な、豊富な種類の商品を次々と生産、常に最新の商品を各国の直営店に並べています。

従来、百貨店やセレクトショップなどでしか買えなかった、トレンド感あふれた洋服。ファストファッションの出現で、「この秋冬だけ着られればよいから、安く買いたい!」「高額を出してまでは着ようと思わなかった!」という人たちが、コーディネートに取り入れる機会が増えるのは間違いありません。

(ファッションビジネスコンサルタント)

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第2話 流通革命の主役交代

 百貨店やスーパーの衣料売上が低迷を続けています。

 高度経済成長期から一九八〇年代にかけて、仕入れ先のアパレルメーカーの協力を得て、百貨店は「ブランドの豊富な品ぞろえ」を、その後、スーパーは大量仕入れによる「価格の引下げ」を実現し、私たちの生活を豊かにしました。

 しかし、今、彼らに変わって売上を伸ばしているのは、ユニクロや無印良品に代表される、自社企画品を直営店で販売する「アパレル製造小売業(SPA)」と呼ばれる企業です。

 百貨店やスーパーが、アパレルメーカーと協同で商品の責任を負ってきたのに対し、アパレル製造小売業は、中間業者を減らし、中国など海外の生産工場に直接発注をします。 流通を簡素化することによって浮いたコストを、価格を下げて生活者に還元するだけでなく、素材の品質向上に当てたことも大きな特徴といえます。

 その結果、従来と同じ品質の商品を、四割安から半額以下の値段で買うことができるようになったのです。

 こうしたアパレル製造小売業は、数シーズン着られれば十分な無地のベーシックウエア、インナーウエア、カジュアルウエアの領域で拡大・成長し、ファッション業界に「安くても品質が良いのはあたりまえ」、という革命を起こしました。

 長く大切に着たい服やよそ行き着は百貨店やセレクトショップで、ベーシックウエアーや普段着はアパレル製造小売業で、というように、私たちが着る目的に応じて上手に使い分ける。選択の幅が、広がっているのです。

(ファッションビジネスコンサルタント)

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第3話 品質革命からデザイン革命へ

 ユニクロに代表される、自社企画商品を直営店で販売するアパレル製造小売業(SPA)のおかげで、今や日本では、値段は安くても素材の品質が良い、無地のベーシックウエアや普段着は常識となりました。もはや「安かろう、悪かろう」は通用しません。

 そして今、次の革命が始まっています。それは、値段が安くても、流行の先端のデザインが取り入れられ、おしゃれであることが当たり前の「デザイン革命」の動きです。

 この動きを推し進めているのが、アパレル業界では、2008年日本上陸で話題を呼んでいるスウェーデンのH&M(ヘネス・アンド・マウリッツ)、日本全国に拡大中のスペインのZARAなのです。(インテリア業界では、日本にも上陸したスウェーデンの大手家具店チェーン、IKEAがけん引役です)

 これらの企業の共通点は、まず、ユニクロと同じSPAであること。そして、ユニクロが、カットした中間コストを素材の品質向上に充てたのに対し、彼らは、品質を必要最低限に維持しながら、社内デザイナーを多数かかえ、流行最先端の企業と同様にデザインを研究。優れたデザインの商品を、もっとも適した生産地で安く製造していることです。

 こうした外資系企業は、日本では、まだ都心周辺の限られた地域にしか出店していませんが、刺激を受けた日本企業も負けじと、「安くてデザインが良いもの作り」に励み始めています。そんな商品が皆さんの手元に届くのも、もうすぐです。

(ファッションビジネスコンサルタント)

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第4話 ファッション商品が店頭に並ぶまで

 ファッション商品の開発は、インターカラーという国際団体が、二年後の社会情勢と消費者の心理を予測して、流行色を発表するところから始まります。

 その後、素材メーカーが生地を開発し、新たな素材を提案するのがシーズンの約一年前。一般のファッション企業はこの段階で素材選び、商品デザインを始め、試作を繰り返し、シーズン半年前に欧米などで行われるコレクションや各国の展示会などで、商品として発表します。

 この時、多くのデザイナー、ブランドに共通するファッション要素を「トレンド」と呼びます。

 こうした商品を、百貨店、セレクトショップ、量販チェーン、製造小売業らは、各社のお客さんに合った感度、品質、価格の商品を選定、発注を行い、世界の生産地で作られた商品がシーズン到来とともに、店頭に並ぶわけです。

 従来、このような業界がつくり出したトレンドを消費者が受け入れるという流れが主流でしたが、最近では、インターネットの普及で情報伝達のスピードが加速、異変が起こっているのです。

 ファッションに敏感な若い人たちが、すでに店頭に並んでいる商品を上手に組み合わせて流行の先取りを行ったり、デザイナーも想定外のコーディネートを編み出したり。その姿が世界の街角やネット上で多くの人々の共感を得、流行となる現象が見られるようになったのです。

 流行の発信源が逆転し、消費者の着こなしが、業界に影響を与えることも少なくなく、企業、デザイナー側も注目することが増えてきたようです。

 (ファッションビジネスコンサルタント)

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第5話 ファッションの買い時、プロパー期とセール期

 ファッション商品は、シーズンごとに企画・生産・販売されています。

 シーズンは三つに分けられ、春夏ものであれば、

 新商品が店頭に並び始める二月の「立ち上がり期」

 一番売れる三・四・五月で店頭に商品が充実する「実売期」

 七月に入って値下げ販売が行われる「セール期」

 があります。

 「セール期」に対して、立ち上がり期からセール前まで、値下げがない時期を「プロパー期」ともいいます。

 一般的に、立ち上がり期にはお客さんの反応を知るための提案商品が並びます。ちょっと高めですが、目新しい商品を探している方にはいいでしょう。

 実売期には、立ち上がり期にお客さんの反応がよかった商品と前シーズンによく売れたものを今シーズン向けに素材やデザインを少し変えた商品が中心となります。

 どの商品が、どの時期に入った物なのか、販売員に確認して買うといいでしょう。

 セール期は①値下げ品処分品のほか、②セール期用に販売するための低価格の新着商品③次シーズンに向けた提案商品が並びます。(③はいわゆる「セール除外品」)

 一方、自社企画品を直営店で販売するSPAなどでは、こうした従来の概念をはずし、お客さんが着たい時期にあわせて店頭に商品を並べ、最初から買いやすい価格で販売したり、賞味期限の近づいた商品は時期を問わず値下げもします。

 最近ファッションビルのなかには、「常時五%オフ」「期間限定十%オフ」など、セール期以外でも売れ筋を割引価格で買える会員カードを発行するところあります。お店の特徴やタイミングを理解すると、お得なお買い物ができそうですね。

 (ファッションビジネスコンサルタント)

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第6話 今買わないと売り切れる?

 すてきな商品を見つけた時、今すぐ買うべきかどうかを悩んだ経験は誰にでもあるでしょう。

 以前なら、多くの企業が、「売れ筋商品の品切れは悪」だとして、商品在庫を多めにしたり、売れ行きに応じて追加生産をして品切れ前に商品を補充していました。

 今も無地でベーシックな定番商品については、同様の対応がされているようですが、流行を取り入れた商品については、追加入荷がない「売り切れ御免方式」がますます多くなっています。

 その理由は、あるお店の売れ筋商品の情報は、あっという間に競合店に流れ、すぐさまどこのお店にも同じような商品が並ぶからです。その結果、お客さんはその商品に飽き、いつの間にか「昨日の売れ筋も明日の死に筋(過剰在庫品)」となることが多くなってしまったのです。

 そのため、気になった商品が次回行ったら売り切れていたり、自分のサイズがなかったりという状況が、今まで以上に起こっているのではないでしょうか。

 今ファッション企業は、同じ商品を並べ続けて飽きられるより、むしろ、流行に合った新しい商品を次々に店頭に並べ、いつ行っても新鮮な売り場を作ろうと競い合っています。ある商品が売り切れていたとしても、別の新商品で、お客さんの期待に応えようとしているわけです。また、サイズ切れでも、快く迅速に、他店から商品を取り寄せるサービスも常識となりました。

 皆さんがよく行くお店は、どのような品切れ対応をしていますか?

 それがお客さんにとってよい店かどうかの一つの目安になったと言えるでしょう。

 (ファッションビジネスコンサルタント)

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第7話 お買い物のストレス、返品・交換と値下がり対応

気に入って買った服なのに、帰って着てみたら、サイズが合わない、冷静になったら似合わない…。そんな経験は誰でもあるでしょう。

 返品・交換したいけれど、「店員にイヤな顔をされたり、断られたらどうしよう」と思いとどまり、結局たんすの肥やしになってしまう・・・

 昔は、店頭で「返品お断り」、「セール品につき返品交換はご遠慮ください」などという表示をよく見かけました。返品されると、売り上げや、ノルマを持った店員の成績が下がること、忙しい中での手続きを嫌がる企業側の都合などで、お客さんが我慢していたのが実情でした。

 最近では、「ストレスを少なくして気持ち良く何度も買い物をしてもらおう」とか、「お客さんが満足しなかった商品やサービスから改善のヒントを得よう」と、ルールを公表の上、快く返品・交換を受け付けるお店が増えました。

 H&Mは、店頭で配るカードなどで「今、買って、後で決めよう! H&Mでは、ご購入から三十日以内でしたら返金致します」とアピール。ユニクロは、三カ月以内であれば返品・交換可とし、その理由を商品改善に生かしています。

 一般的に、欠陥品は使用後でも無条件で、また未使用なものは期限内、レシート提示で商品在庫がある限り交換、あるいは返金してもらえます。レシートがなくても、記名で受け付けてくれる企業も多くあります。

 またギャップでは、返品交換に加え、購入後二週間以内に値下がりしたら、差額分を返金する価格調整制度まであります。こんなところからも、お店のポリシーが垣間見られますね。

 (ファッションビジネスコンサルタント)

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第8話 お買い物のストレス、大きいサイズ、小さいサイズが見つからない

 7号―11号、M、Lのような普通サイズが合わない方は、いつも自分にぴったり合う服や靴を見つけるのにひと苦労!欲しい物がなかなか買えず、我慢をしている方も多いことでしょう。実は私もそのひとりです。

 日本のファッション業界ではこれまで、「コストが割高になる」「作っても売れ残る」と、生産効率や在庫管理の手間を理由に、大きいサイズ、小さいサイズのニーズを切り捨ててきました。

 たとえサイズがあったとしても、売れ残っても次のシーズンでも売れるような、流行とはかけ離れたデザインの商品ばかり…。普通サイズが合わない人だって、人並み以上におしゃれしたいですよね。

 最近、若者の体形の変化に伴い、大きいサイズが一定の売り上げを占めるようになり、ようやく流行を取り入れた商品を扱う店が増えてきました。

 例えば、人気アパレルブランドの商品から大きいサイズの靴やウエアを集めた女性向けの丸井のショップ「マルイモデル」、おしゃれな靴の「クイーンズ卑弥呼」などがその例です。ユニクロもウェブストアで特別サイズ(XSとXXL)を販売しています。

 また、世界中のさまざまな体形のお客さんに販売する外資系のGAP、ZARA、H&Mなどでは、店頭で4サイズ、最大で七サイズも展開し、値ごろの流行ファッションを提供。また、そうした外資系のキッズラインは、大人顔負けのおしゃれなデザインも豊富なため、小さなサイズを探すお客さんにも重宝されているようです。

 これからは、どんなサイズの人でも、思いっきりファッションを楽しめるようになりそうですね。

 (ファッションビジネスコンサルタント)

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第9話 鮮度が高まるアウトレットモール

 百貨店や駅ビルなどで販売されているファッションブランドが、常時割引価格で購入できるアウトレットモール。

 シーズン遅れ、売れ残り品ゆえの“ワケあり”の安さと割り切って、掘り出し物を探すのが楽しみです。買い物好きにはたまらない場所ですが、今回はそのアウトレットモールに起きているうれしい変化をご紹介しましょう。

 これまでアウトレットモールは、百貨店や駅ビルにあるブランドの通常店に影響しないように、中心地から離れたところにあるものでした。ところが、最近出店したアウトレットの中には、半日あれば、車が無くても電車で一時間以内で着く駅から歩いて行ける立地も増えました。週末のお出かけ先から、日常の買い回り先のひとつになりうる、生活圏の中に入り始めたのです。

 また、ブランドメーカーは、これまで売れ残った商品の処分場所としか考えていなかったアウトレットを新しい販路と認めて意識を変え、鮮度のある、正規のお店と遜色ない商品をそろえるようになったのも大きな変化です。アウトレット専用お買い得商品を作るブランドもあるようですが、むしろ、通常店で一定期間販売し、鮮度が落ちかけた商品を、賞味期限が切れる前に、セールを待たずに、早めにアウトレットに回してしまうブランドが増えているのです。

 その結果、通常店とアウトレット双方のお店に並ぶ品ぞろえの鮮度が高まり、ともに売り上げが上がる。ブランドにとってもお客さんにとってもハッピーな効果をもたらしているようです。

 より身近で魅力的になったアウトレットは、日常のお買い物の選択肢のひとつとして“使える”存在になりつつあるのです。

 (ファッションビジネスコンサルタント)

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第10話 東京のファッションが世界最速な訳

 今、世界で真っ先に最先端のファッションを見ることが出来るのは、欧米の都市ではなく、東京だということをご存じでしたか?

 従来、ファッションは、シーズン半年前にパリ・コレクションなどで発表される世界の著名デザイナーたちの作品から生まれ、それが商品化される次のシーズンから徐々に世界に広がりました。

 それは主流には変わりありませんが、今はインターネットの普及で、世界のファッション情報は瞬時に全世界に伝わる時代です。店頭に新商品を並べるスピードを競うファッション企業は、最新情報をキャッチするや、次のシーズンを待たずに、素材、デザイン、ディテールなどの要素を今シーズンの商品に取り込み、数週間で商品化してしまいます。それを可能にしたのは、韓国や中国など、アジアの生産工場のフットワークのおかげと言ってもよいでしょう。

 その結果、来シーズン流行しそうな商品が、欧米のブランドよりも一足早く日本の店頭に並んでしまう、なんてことも起こっているのです。

 国内外のブランドの商品だけでなく、低価格ベーシック商品から古着まで、世界一豊富で最速のファッションがそろう日本。日本の都市で、若い人たちが思い思いに楽しむコーディネートは、「ストリートスナップ」という企画で、ファッション誌やサイトの人気コンテンツとなり、流行に影響を与えています。

 世界最速の情報に興味を持った世界中のデザイナーやバイヤーたちが、東京のファッションシーンを見るために、わざわざ来日するというから、面白いものです。

(ファッションビジネスコンサルタント)

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第11話 ネットが変えるファッション消費の未来図

 インターネットが、ショッピングのあり方を変えています。

 ファッション雑誌やテレビ番組で目にして「欲しい」と思った商品や芸能人着用商品を、お店に行かずにその場で、パソコンや携帯電話から購入できる―。

 マガシークなどのネット通販サイトは、そうしたサービスを提供し、売上を拡大しています。

 需要はあるのに、限られたお店のスペースでは応えきれないという問題に対処しようと、ネット上で品ぞろえを補完する試みも増えています。XS、XXLといった小さいサイズ、大きいサイズをネット限定で販売するユニクロ、お客さんがネットで商品を選ぶと指定日時に店頭にそろえておいてもらえ、試着した上で購入できる洋服の青山などがその例です。

 また、ルミネやパルコなどのファッションビルでは、独自の通販サイトに、出店ブランドの商品を掲載して、新しい買い方を提案しています。ネットであらかじめ商品を見て、店頭で確認して買ってもらうのはもちろんのことですが、たとえば、

○店頭で気に入った商品があったけれど踏ん切りがつかなかったとき
○欲しいカラーやサイズが品切れでお取り寄せできなかったとき
○買いたいけど、持って帰るのが面倒だと思うとき…。
○「それでもやっぱり欲しい」と思ったとき、

あらためてネットで購入できる機会をつくっているわけです。

 店頭ですてきな商品と出会い、購入していい気分で帰宅する、というショッピングの楽しみは永遠になくなることはありません。でも、インターネットならではのサービスも合わせて上手に使いこなせば、もっと便利で楽しくなるのではないでしょうか。

(ファッションビジネスコンサルタント)

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第12話 あなたにとってファッションって何ですか?

 より良い商品やサービスを提供しようと革新を続けるファッション企業の事例を紹介してきましたが、最後にひとつ、皆さんに質問です。

 あなたにとってファッションとは何ですか?

 流行のブランドや商品を身につけること、ひときわ目立つために着飾ること、こだわり、見え、個性…。いろいろな答えがあるでしょう。

 私は、ファッションとは、自分の魅力を最大限に引き出してくれるよきパートナーだと思っています。職場や学校で、外出先で、いつも堂々と胸を張って、笑顔でいられることを約束してくれる強い味方―。

 高級ブランドのものでも、流行の最先端だという商品でも、似合わなかったり、がっかりするような品質だったりしたら―。身に付けていて人前で萎縮(いしゅく)してしまうようなら、それはあなたにとってファッションとはいえないのではないでしょうか?

 今は、高いお金を出さなくても品質やデザインがよく、気軽におしゃれが楽しめる商品が買える時代です。あなたの秘めた魅力を輝かせる、新しいファッションとの出会いをもっと楽しんでみませんか?

 それには、「いつもこの店で買うから」とか「いつもこのタイプの服にしているから」といったこれまでの習慣にとらわれないことです。

 増えた選択肢の中から、納得のいく商品、信頼できるお店を、妥協せず探して選ぶ。そんな消費者の姿勢が企業に努力を促し、巡りめぐって、いっそうすてきな商品を手に入れることにつながるのです。

 そう、「ファッション消費革命」の主役は、私たちひとりひとりなのですから。

(ファッションビジネスコンサルタント)

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