【いよいよ来週開催】5月26日(木)オンライン経営セミナー 「3つの視点を共有するだけで、過剰在庫が粗利とキャッシュに換わる!ファッションストアの在庫コントロールの組織づくりの秘訣」

2022次回は5月26日(木)15:00~18:00に開催します。

シーズン商品の販売期間という「制約」の中で、いかに粗利高を最大化しながら在庫を売り切るか?
事業年商10億円の「過剰在庫の壁」、年商30億円の「組織連携の壁」を乗り越え、在庫を売り切る利益体質のチームをつくって次のステージを目指す。

在庫コントロール実践指導の業界第一人者である講師が、多くのクライアント企業さんと共に実践して成果を上げた、その中でも、特に再現性の高いメソッドにフォーカスしてハイライトでお伝えします。

たった3時間のセミナーに参加するだけで、自社の現状の在庫運用の問題点が明らかになり、これから進めるべきことの優先順位がわかるお得なセミナーです。
【日時】2022年5月26日(木)15:00~18:00 @オンライン 日本全国から参加頂けます。
【タイトル】3つの視点を共有するだけで過剰在庫が粗利とキャッシュに換わる!利益倍増!!「ファッションストアの在庫コントロールの組織づくりの秘訣」
【講師】 齊藤孝浩(ファッション小売業の在庫最適化指導の第一人者、「ユニクロ対ZARA」、「アパレル・サバイバル」著者)
【参加費】 お一人様 25,000円(税込)
  ※業界初!自社の在庫コントロール環境の進捗度がわかるセルフチェックシートなど参加2大特典あり
【定員】 8名様の少人数制(定員になり次第締め切りとなります。5/18時点で 残席あり)

 詳しくはこちら→ https://dwks.jp/seminar2022/

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May 16, 2022

世界アパレル専門店売上高ランキング2021トップ10 

Zara-london_20220516125801世界がパンデミックからの回復が進む2021年度。世界の大手アパレル専門店各社の決算が出揃いましたので、毎年恒例になりました売上高ランキングTOP10を共有させていただきますね。

今回、売上高の増減はコロナ前からの回復度合いを見るために、19年度比とさせていただいております。

 円建て比較にあたり、為替レートは2022年1月末の €=128.66円、スウェーデンクローナ=12.24円、US$=115.14円、英国£=154.72円で換算しています。 

順位 社名 本社;決算期 売上高 19年比増減 営業利益 営業利益率 期末店舗数 基幹業態
1位 インディテックス (西;2022.1期) 2兆5,659億円 -2.0% 5,509億円 15.4% 6,477 ZARA
2位 H&M (瑞;2021.11期) 2兆4,341億円 -14.6% 1,867億円 7.7% 4,801 H&M
3位 ファーストリテイリング (日;2021.8期) 2兆1,329億円 -6.9% 2,490億円 11.7% 3,527 UNIQLO
4位 GAP (米;2022.1期) 1兆9,278億円 +1.9% 935億円 4.9% 3,399 OLD NAVY
5位 プライマーク (愛;2021.9期) 8,653億円 -28.2% 642億円 7.4% 398 Primark
6位 ビクトリアズシークレット (米;2022.1期) 7,831億円 -9.7% 1,003億円 12.8% 899 Victoria’s Secret
7位 NEXT (英;2022.1期) 7,522億円 11.5% 1,393億円 18.5% 477 NEXT
8位 ルルレモン (加;2022.1期) 7,221億円 57.2% 1,538億円 21.3% 574 Lulu Lemon
9位 しまむら (日;2022.2期) 5,836億円 11.8% 494億円 8.5% 2,204 しまむら
10位 アメリカンイーグル (米;2022.1期) 5,783億円 16.3% 682億円 11.8% 1,133 AEO

※お断りですが、大手企業の中で、アメリカのTJXやROSSのようなオフプライス・ストアはブランド企業の余剰在庫の買取販売が中心ということで、除外させて頂きました。
また、非公開企業で欧州大手アパレルチェーンのC&Aおよび、中国産地からの越境ECのみでアメリカ、中東など世界中に売り込み、急速に拡大を続けるファストファッション企業、SHEIN(シーイン)あたりもTOP10の5位前後にランクインする規模と思われますが、それぞれ、正確な売上高がつかめなかったため、除外しております。 

【解説】

まず、回復が最も著しいのはアメリカ勢ですね。政府から消費者に手厚い給付金が何回も支給されたアメリカの小売業は総じて活況とのこと。

ギャップ、バナリパはリストラ中もオールドネイビーが絶好調のGAP、
前年にLブランズ社から分社化されたヴィクトリアズ・シークレットのカムバック、
エアリの評価が高いアメリカンイーグルの業績回復、黒字化が顕著です。

欧州市場がメインマーケットのため、まだ回復途上ではありますが、ZARAを展開するインディテックスも、中国で不買運動が起きて大きく売上を落としたH&Mも、アメリカ市場の業績がそれ以上に好調で、その好景気の波に乗ったと言っても過言ではありません。

関連エントリーー分社化が完了し、ヘルス&ビューティー企業となったLブランズ(エル・ブランズ)

次に、外出自粛、営業制限で加速したEコマース対応について。
店舗の売上回復と共に、EC売上比率が下がった企業が多いですが、引き続き各社のEC売上そのものは伸び続けています。

特に各国のEC倉庫在庫と店舗のバックヤード在庫の一元化が完了したインディテックス(EC化率は前期32.4%→当期25.5%)、

EC注文の翌日店舗無料受取りを可能にしているネクスト(EC化率は65.3%→63.8%)の伸びは大きいです。

コロナ禍が加速させた、オンラインとオフラインを行き来してお買い物をする消費者購買行動へのシフトに対応することは小売業にとって待ったなしであることは間違いありません。

関連エントリーーZARA(ザラ)のインディテックスの2022年1月期(FY2021)決算。最高益間近の回復力の源泉はオムニチャネル施策と・・・

関連エントリーーロンドンで進化するクリック&コレクトと通販受け取り拠点の多様化

その一方で、トップ10企業の中でも最低価格帯のプライマーク(第5位)は、引き続き、一切、Eコマースを行っていません。

但し、オンラインサイトの掲載商品比率を全体の70%まで上げ、サイトで見た商品の近隣店舗の在庫を表示することで、店舗でのお買い物前にオンラインでスタイリングや商品の下調べを楽しめる環境は整えています。

しまむらも引き続き売上は全社売上比1%にも満たない状況です。しかも、EC売上の9割は店舗で、送料無料で受け取られているという現実。

2社の動向から読み取れるのは、低価格品を扱う企業にとっては、送料のかかる宅配ECは適しづらいということでしょう。

このように、EC購買が進む時代においては、在庫と物流がカギを握ることになりますね。

この点に早くから投資をし続けているのは、ネクスト。

同社は自社商品以外のブランドも自社ECで販売したり、自社物流網に乗せて配送したりしています。更に、自社が構築したインフラを活用し、顧客向け宅配物流(フルフィルメント)や他社のECサイト運営代行まで手掛け、いわゆるプラットフォーマーとしての収入も高まって来ています。

また、物流の重要性に目をつけた、アメリカンイーグルは3PL(サードパーティロジスティックス)の物流企業を買収し、他社のEC販売商品も運び始めました。

各社の取り組みから、これからの流通はいかに物流に投資するかの時代であることも読み取れます。

最後になりましたが、

今回、ヨガやランニング用のアスレチックアパレルを販売する、いわゆるライフスタイル提案型のルルレモン社(カナダ)が世界トップ10規模になり、営業利益率21.3%!という10社中、最も高い営業利益率で成長を続けていることを指摘しておきたいです。(EC化率は前期52.0%→当期44.0%)

これまでバリューやコスパの競争であった世界の大手アパレルチェーンの一角に・・・

いよいよライフスタイル、高付加価値商品、コミュニティストアをテーマとしたチェーンが食い込んで来たのは

新しい時代の幕開けではないでしょうか?

ルルレモンのランクインを歓迎し、今後もそんな付加価値提供型の企業が成長企業として台頭してくることを期待したいと思います。
                               
最後までお読み頂き、ありがとうございます。

執筆: ディマンドワークス代表 齊藤孝浩

筆者から直接学べる次回のセミナーはこちら>>> 在庫最適化セミナー

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【おススメ本】 ベーシックのユニクロとトレンドファッションのZARAの共通点とアプローチの違いを体系的にまとめ、多くのファッション専門店のブランディング、マーケティング、商品開発、販売戦略、在庫管理、拡大戦略の参考にしていただける内容に仕上げました。SHEINやルルレモンなど新しい勢力を理解するにも、常勝企業の原理原則を知ることで見方が変わってくるはずです。

 「ユニクロ対ZARA」(2014年発売) を2018年のデータでアップデートした文庫本です。

 

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May 02, 2022

モンベルに学ぶ、ライフタイムバリュー創造マーケティング

20220509_083147ゴールデンウィークの休暇中に島根県出雲から鳥取県の大山(だいせん)あたりを巡った際に、アウトドアウェアと用品を全国展開するSPA企業、モンベルの大山店を訪問しました。

このモンベル大山店は以前、日経MJに掲載されていた、創業者で代表の辰野勇氏のインタビュー記事を読んで、一度行ってみたい、と思っていたお店でした。

コロナ禍で野外活動ブームが起こり、アウトドア関連は好調という見方もあるかも知れませんが、好調と思われるモンベルも都心店は大きく影響を受け、一部店舗の閉鎖に踏み切らざるを得なかったそうです。

その一方で、これからの出店に力を入れる立地はここだ、と確信したのが、ユーザーが実際にモンベルの商品をアクティビティに使うロケーションへの出店だったそうです。

モンベル大山店は大山の麓、登山口の近く大山寺エリアにありますが、その象徴となる店舗立地なのです。

店舗を訪れると、

品ぞろえ的には全国とさほど変わらず、そこにプラス、当地のお土産ものがあるくらいの違いですが・・・

顧客が天候や気温の読み違いから、登山前に買い足したくなるアイテムの数々がレジ前に並び、

また、登山後に今回、身に付けて来たウエアやグッズを実際に使ってみて、顧客が感じたお困りごとや改善点をスタッフが解決するような接客をしているシーンを訪問時に何組も見かけたものでした。

これらは明らかに都心店での顧客の使用前の購買行動とは違った、使用直前、直後のリアルな顧客の購買行動に他なりません。

小売業の出店の定石は・・・

流動人口の多い都心に出店するか、

家賃が安く、ローコストオペレーションで成り立つ立地、

というのがこれまでの小売業の常識でした。

しかし、モンベルは逆に、ユーザーがアクティビティのために実際に自社商品を使うロケーション(消費地)に出店するという、

逆張りながら、マーケティング的にも正しいアプローチも行っていることを現地で感じて感心したものでした。

更に、参考になるなと思ったのは・・・

モンベルクラブというメンバーシップ制度

これはライフタイムバリューを目指すブランドにとっての会員制としてお手本のひとつだと思います。

年会費は1,500円、最低5%還元のポイントが貯まる権利を付与するメンバーシップに加入頂くことで、

入会顧客さんには年複数回の購入をお約束頂くことになります。

その際、500円分のお買いもの券を発行しますから
顧客にとっては実質1,000円の負担になります。

メンバーシップ特典で通常550円かかるECの送料は無料、
店舗からの宅配送料も無料、(カヤックなどの大物は別)などなど。

年2回以上購入&宅配すれば、十分、元は取れそうです。

特典は他にもありますが、

ここまでのところで是非、考えて頂きたいのですが、

各種割引で買上客を増やし、無料でポイントカードを持たせ、ポイントを付与し、

会員顧客あるいはアクティブユーザーがたくさんいる!という企業と

有料で年会費を払ってでも会員になりたい顧客に支えられている企業と

これから、どちらに未来があるでしょうか?

年会費を払ってでも、繋がっていたいと思える顧客をどれだけ増やすことができるか?

顧客のライフタイムバリュー(企業側から見れば1年あたりの購入金額の積み上げ)が経営指標になり、

それらが企業の持続的な成長を支える源泉になる時代に何をすべきかを考える時、

モンベルの「コト」を起点とした出店やマーケティング、メンバーシップの考え方は大いに参考になるのではないでしょうか?

最後までお読み頂きありがとうございます。

 執筆: ディマンドワークス代表 齊藤孝浩

 

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April 25, 2022

ファッション商品の中古品販売代行、リセール・アズ・ア・サービス Resale as a Service (RaaS) の可能性

Circular-economy-aいつも楽しく読ませて頂いている日経MJ連載の鈴木敏仁さんの「米国流通現場を追う」
先週はアメリカで存在感が高まる中古ファッション商品のオンラインリセール販売企業についてのコラムでした。

アメリカの中古ファッション品のオンライン販売の大手は

一般ユーザーが手放そうとする所有アイテムの販売代行をメインとする

レディース、キッズの低価格帯から高価格帯まで有名ブランドを扱う 
thredUP スレッドアップ

ラグジュアリーに特化した
The real real ザ・リアルリアル

日本のメルカリのように一般ユーザーにファッション商品に特化してCtoC売買のプラットフォームを提供する
ポッシュマーク

などがあり、これら3社はいずれも上場企業です。

このうち、スレッドアップのビジネスモデルを紹介すると、

着なくなったファッションアイテムを手放したいユーザーから送ってもらい、

スレッドアップの倉庫で販売可能かどうか、商品を検品した上、

一定期間 預かってオンライン販売開始、

その間に売れたら販売手数料をとって代金を出品者に支払う

販売できないと判断されたもの、あるいは一定期間売れなかったものは、
ユーザーに返却するか、寄付するか、リサイクルに回すという選択肢があるようです。

この間の買い手とのやりとりはスレッドアップが代行する、というものです。 

同社の決算書のPLやBSを見ると

売上の内訳は販売代行分が75%、自社在庫販売分が25%の割合のようです。

BSを見ると、在庫日数105日分の自社在庫が計上されていますね。

上場企業ですが、規模の拡大と共に、まだまだ赤字も膨らんでいる状況です。(これは同業のザ・リアルリアルも同様)

将来性を期待して投資された、投資家からの調達資金は、
ユーザーから送られた商品の検品、在庫管理、オンライン販売の自動化のシステムなど、
主に事業拡大のための自動化に投資されているようです。

やはり、面白いなと思ったのは、鈴木さんがコラムで取り上げていらっしゃる、
自らが構築した中古販売のプラットフォームをブランド企業に提供する動き
=RaaS(リセール・アズ・ア・サービス)という取り組みです。

 ※ Resale as a Service (RaaS) はスレッドアップ社の登録商標のようです。

ブランド側はサイトにスレッドアップの中から自社ブランドに特化したサイトを埋め込み、
中古品も取り扱っているように見せることができます。

ユーザーが着なくなった同ブランドの服を回収し、
将来、ブランドでの購入に使えるクレジット(クーポン)を付与

ユーザーから送料スレッドアップ持ちで送られて来た商品は、
査定から販売およびその後の処理までスレッドアップがすべて請負うようです。

サイトを見ると、アディダス、バナナリパブリック、アバクロ、メイドウェル、アンソロポロジーなど著名ブランドが参加、

また、鈴木さんが驚かれていたように、

なんと、ウォルマートのECサイト内にも、
ブランドに関係なく、ラグジュアリーブランドから低価格ブランドまで、たくさんのブランドの中古品が販売されている格好になっています(実際には裏でスレッドアップが販売代行)。

スレッドアップのサイトにも、ラグジュアリーブランドに特化するザ・リアルリアルのサイトにも
共通して掲載されているアメリカでの服の廃棄問題についての情報をご紹介しておきましょう。

アメリカ人の2人に1人は着なくなった服をゴミとして捨てる。

そのうち73%は焼却されるか、埋められることになる。

実は、その93%はリサイクル可能なのにも関わらず。

捨てるのではなく、(私たちリセール企業に)再販のために手放してくれれば、
あなたが使わなくなったファッションアイテムは第2のユーザーに引き継がれ、

商品としての寿命を2年以上伸ばすことができる。

としています。

このサービスを利用するスレッドアップと提携するブランド企業側のメリットとしては、

これまで通り、新品だけを販売し続けるだけではなく、

大量消費、大量廃棄時代に、ユーザーが着なくなったものに対しても
配慮をしているという姿勢を示すことができること。

ユーザー側も、新品だけでなく、
状態がよい古着も、ブランドを購入する際の選択肢に加えることができること。

更に、ブランド企業側にとって、
中古品がブランドに相応しくない、手放され方、売られ方をするよりは、
どんな商品がどのような状態でユーザーから手放されるのか、販売されるのか、
目が届く範囲で購買行動と共にモニターができる、

というメリットもあるでしょう。

このような、「つくる責任、つかう責任」に関与しようとする企業活動に対して

自社で取り組むブランドもあるようですが、

自社で取り組むにはコストがかかるため、スレッドアップのような企業と組むという選択肢もありなのでしょう。

かつては中古品は新品販売と競合するため、関知しない、ことがファッション企業の常識でした。

これに対して、筆者は、拙著「アパレル・サバイバル」(2019年2月出版)で

ユーザーが使った中古品と言えども、外車流通がそうであるように、
ブランド企業自身が流通に関与する時代がやって来てもおかしくない、

中古品は状態をメンテして、ブランドのエントリー商品に位置付けることができるかも知れない、

むしろ、ブランド側は今後、積極的に関与することを考える時代が来る

そんな主旨を問題提起させて頂いたものでした。

現在、日本では、

ZOZOTOWNが新品と同じサイト内で、
ZOZO社が下取りして買い取ったブランドのUSED商品を、
同じブランドの新品販売のすぐ隣にあるタブ違い(新品/中古)で販売しているのはご存じの方も多いと思います。

中古品(USED)が購入の選択肢に入り、服の寿命が長くなることは・・・

マクロ的に見ると確かに新品マーケットの規模縮小に繋がることは否めませんが、

それは過去の企業視点の発想であって、

捨てることを前提とした消費から脱却したい、という若い世代が増えて来るにつれて、

その循環を企業がみずから管理するのか、パートナー組んで行うのか、引き続き関与しない、と決め込むのか・・・

この選択は今後、避けては通れない論点であることは間違いないと思います。

最後までお読み頂き、ありがとうございます。

 執筆: ディマンドワークス代表 齊藤孝浩

【オススメ本】 企業はつくって売るだけではなく、これからは企業も顧客のクローゼットのワードローブの循環を手伝う時代。著書の後半部分ではそんな循環型社会の幕開けについても述べています。

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April 18, 2022

製品原価高騰時の価格戦略再考~今こそ体質改善、新しい体質づくりの時

Photo_20220426193401ここのところメディア取材や投資家勉強会でこのテーマでの依頼が増えています。

今年の秋冬ものの仕入れ以降

アパレルの製品原価がFOBベースで前年比1.2倍以上
円安で為替インパクトが同1.2倍超の水準となり

単純に掛け合わせると、仕入原価が1.5倍になりそうな勢いですから・・・

足元の売上が19年並みに戻って来た!と浮かれることなく

新しい価格政策にしっかり向き合いたいところです。

これまでの仕入原価率をそのままにしてその分価格を上げてしまうと・・・

3~4割の値上げ、いわゆるワンランク上の次のプライスラインになってしまう状況。

同じ商品の価格を上げれば、明らかに買上客数は減り、売上数量は減ることは・・・

小売業に携わるものは、誰でも痛いほど経験しているはずです。

安易に値上げしても売れず、その後、売れないからと安易に値下げをするようでは・・・

お客様を迷わせ、価格の信頼性が損なわれることは言うまでもありません。併せて店の売変作業も大変です。

では、どんな心構えで価格政策に臨むべきかを、

考えられることを少し、まとめてみたいと思います。

結論を先に言えば・・・

プライスポイント(最多価格帯)を上げずに

商品のクオリティも明らかに落ちたと感じられないように維持することを前提にしながら

つまり、「明らかに高くなった」と感じられないように、

いかに合わせ技で、結果的に、平均売価が上がる努力をするか?の耐え時と言えましょうか。

いくつか要素がありますが、メジャーな対応策をいくつか上げてみましょう。

1)プライスポイントより高価格帯の構成比を増やす

ただ高い商品の品ぞろえを増やすわけではありません。

上層マーケットで販売されている商品を対象に、クオリティを落とさず、自社らしくトレードオフ(マストでない要素をそぎ落として)でつくることを心がけることです。

キープした先のプライスポイントと価値の差が明確なほど、それら、高い商品の価格が高い理由は伝えやすいはずです。

そして、買い上げ単価の高い顧客の新規獲得を目指しましょう。

ニトリは過去にこの策で客数を減らさずに客単価を20%上げました。

2)中間プライスラインをつくる

プライスラインは1,000円刻みがお好きなところが多いですが・・・
無理せず500円刻み、200円刻みの中間プライス設定も検討する時でしょう。

今までやったことがなかったり、あるいは過去に中途半端にやって失敗したり、

違和感のある方は、ZARAやしまむらのお店を見てみてください。

3)できる限りプロパーで売り切る

在庫コントロールを緻密に行い、

値下対象になってしまうような、売上のバラツキに起因する機会損失、滞留在庫を最大限に減らす努力を。

確実に余剰在庫になりそうなものを我慢して値下げ販売しない、という意味ではありません。

早期判断、早期対処は必須です。

これは、時期にかかわらず、長年、筆者がお伝えして来た粗利捻出術のひとつです。

4)値下げする際の価格帯(プライスライン)も刻んで、粗利高の確保に執着する

安易にこれまでと同じ値下のしかたをしない。
つまり、値下げする時はすぐに1,000円オフ?なんでもかんでも30%?などのクセを止め

期限までに売り切れるものはあえて値下をせず、あるいは、大ざっぱな値下で利益を摩らないよう工夫をしてみたいところです。

ユニクロは値下価格を1,290円から1,490円にするだけで販売単価を15%上げました。

上記の他、

販管費の中にも、高く払っている家賃や生産性など、モチベーション下げずにメスを入れることができるところがないか知恵の絞りどころです。

コロナ禍で経費総額は十分絞ったとおっしゃる企業も多いと思いますが、今度は、コストカットではなく、新しい体質づくりを考える時です。

過去にもブログに書いた

値上げの前にやるべきこと

昨年、フルカイテンさんのセミナーでもお伝えした

客単価を上げる方法とは? ユニクロ・ニトリの決算書から読み解く

在庫管理を起点に考える 値引きと粗利益をコントロールする方法

などの内容も参考にしていただければと思います。

最後までお読み頂きありがとうございます。

 執筆: ディマンドワークス代表 齊藤孝浩

筆者から直接学べるオンラインセミナー 次回は5月26日(木)です。

https://dwks.jp/seminar2022/

【おススメ本】第4章(P91~)勝ち組企業の価格戦略でアパレルチェーンの基本的価格戦略を解説しています。

人気店はバーゲンセールに頼らない 勝ち組ファッション企業の新常識 (中公新書ラクレ)

電子書籍 Kindle版 です。

 

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