November 15, 2021

人口減少、オーバーストア下の客単価向上戦略とは

Photo_20211123221301年に数回、セミナーに登壇させていただいたり
システム開発のアドバイザーをさせて頂いている

クラウドで在庫問題を解決するソリューションを提供するフルカイテンさんのブログに

10月に登壇させて頂いた
同社オンラインセミナーの内容

ユニクロとニトリの客単価アップ戦略についてまとめて頂きました。

同じ商品の販売価格を上げれば、客離れ。

そんな購買行動の常識の中、過去10年間で、

ユニクロは20%
ニトリは10%

実際に客単価を上げました。
両社はどのように客単価を上げたのか?
先日のオンラインセミナー&対談の内容をまとめて頂きました。

https://full-kaiten.com/news/blog/4171

少子高齢化、オーバーストアの市場環境の中で
両社がどんな客単価アップ戦略をとっているのか

是非、お読みいただければと思います。

最後までお読み頂きありがとうございます。

 執筆: ディマンドワークス代表 齊藤孝浩

【おススメ本】先行するZARAを追いかけるユニクロ。ZARAの背中を見ていれば、まだまだやることはたくさんあります。

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November 08, 2021

ユニクロに見るファッションチェーンの未来図

Vol31WWDジャパンの月イチ連載中「ファッション業界のミカタ」(ファッション流通企業の決算書の見方)。
今週発売のvol.31(11月8日号)のメインテーマは、「春に9%値下げしたユニクロは利益を確保できたのか」

ファーストリテイリングの21年8月期決算発表から、特に国内ユニクロ事業について分析して気づいたことをまとめてみました。

今回の決算で一番気になっていたのは、国内ユニクロ事業が3月からの消費税分約9%相当の値下げに耐えられたのか、というところでした。

直営店&ダイレクト販売含む既存店売上を見る限り、
約9%下がった客単価を客数9%増でカバーし、売上高については前年キープ。

一方、生産原価改善と値下げコントロールで粗利率は過去最高水準。

広告宣伝費、物流費など販管費も抑えて、

第4四半期は緊急事態宣言や秋気温になるのが早かったので夏の消化に苦戦しましたが、
まずまずの利益を確保した、と評価してもよいのではないでしょうか?

また、こういった短期のテクニカルな対応だけでなく、

店舗を大型化して、店舗とECを買いまわる顧客にあわせて、
店舗の役割を見直しているところに注目です。

これは

顧客購買行動の変化にあわせて店舗の役割と品揃えを変えるユニクロ

でもお伝えした通りですが、

これから来年にむけて、

ファッション流通のオムニチャネル化の新しいステージが始まります。

そこでは、

◆顧客が店舗からオンラインに接続して得る情報を促進するアプリの進化

◆店舗がEC販売の受取拠点、出荷拠点となるマイクロフルフィルメントセンター(MFC)化=近隣倉庫化

の2つがキーワードです。

グローバルではZARAが、国内ではユニクロが最も進んでいる企業の代表格と言えるので、
是非、注目しておいてください。

最後までお読み頂きありがとうございます。

 執筆: ディマンドワークス代表 齊藤孝浩

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November 01, 2021

属人的になると、過剰在庫を抱える原因になりがちな、業務フローの3つのボトルネック

組織の規模が大きくなって・・・
2743649_m関与する人が増えたり、

オムニチャネル時代のように事業が店舗販売だけでなく、EC販売強化など
時代にあわせて新しいステージに入ると

今まで上手く行っていた業務も
そのどこかに「ボトルネック」が発生するものです。

「ボトルネック」とは在庫が滞留したり、情報が相手に上手く伝わらず、
業務が滞って先に進みづらい箇所のこと

事業の業務フローの中には多かれ、少なかれブラックボックス的なものが存在するものですが・・・

だからと言って、その箇所を放置していたら深刻な経営危機に陥ることも・・・

先日のクライアントとのミーティングも、正にボトルネックがテーマでした。

それらを解消せずに、部分最適な改善の話に取り組んでも、
木を見て森を見ず的な議論、そもそも論になって徒労に終わるよね、

ということを理解して下さり、

視野を広げて、どこにボトルネックがあるのか、
そこに対して何ができるか、に取り組むことになりました。

ファッション小売業の事業の商品計画から販売管理をご支援していて、
いつも業務が属人的(ブラックボックス)になり、
「ボトルネック」になりがちと感じるのは
だいたい、以下の3つのポイントに集約されると感じます。

1.商品計画とその情報共有 (プレシーズン)    

仕入予算をMD やバイヤーがどんな商品計画に基づいて、
何をどれだけ発注したのか、が担当者任せで他の人に伝わっていない

→伝わらないことで、販促(マーケ)担当の力の入れどころが的外れになり
 販促費の無駄づかい、せっかく作った販促物が、本来売らなければならない
 商品の販売促進に活かせていない

2.発注後の約残管理と入荷管理およびその社内連絡 (販売開始直前時期)

仕入担当者が手一杯で、発注済み商品の整理が出来ておらず
近々の入荷予定商品の詳細も、実際に倉庫に入荷するまでわからない

→倉庫に在庫が一時滞留し、店舗で販売態勢を取るのが遅れる、
 更にEC販売開始にもタイムラグが・・・
 
3.販売期限が明らかでない (期末に向けての売り切り段階)

いま販売している商品はいつまで販売・補充が続くのか、
一体、いつまでに売り切ればよいのか、
仕入担当者はどんな着地を望んでいるのか?

を販売担当者である店舗やEC担当者がわかっていない

→今売れている商品を、これからもどんどん売ることに精いっぱいになって
そうでない商品に手が回らない。在庫の店舗ごと、店舗/EC間の偏在解消が
後手にまわる。

あたりでしょうか。

ファッション商品、特にシーズン商品は販売期間の短い商品であり、
特に最初の数週間の機会ロスが致命的であることは言うまでもありません。

その結果が、バーゲン時期の大幅値下げ、想定以上の期末売れ残り在庫の発生へとつながりがちです。

これだけ、書き連ねると、まるで、仕入担当者の責任と思われがちですが・・・

仕入担当者は会社の中で最も忙しい職務のひとつ、

それらの業務を効率化したり、可視化するツールがない、共有する業務フローや機会(ルーティン)がない
結果、属人的(担当者のPCの中でそれぞれ違ったフォームで管理)になってしまっているものを
わかっていながら、放置している事業にも問題があると言わざるを得ません。

いろいろなことがデジタル化され、可視化される時代に・・・

これら利益に直結するボトルネックの部分だけが置き去りにされているのが
むしろ問題と感じます。

DXって、軽作業の軽減や効率化でなくて、
本来、利益の元になる、そんなボトルネックの可視化と解消に
焦点を当てるべきではないでしょうか?

それができれば、実際、粗利やキャッシュとして返って来ますから、
実はIT投資への回収は早いものです。

まずは業務フローの整理とかけている時間を明らかにすることから・・・
投資回収を早めるためにも、ですね。

【参考書籍】

「ボトルネック」と言えば、「ザ・ゴール」
業界改革において志を同じくするパートナーである
ゴールドラット・ジャパンさんが
名著「ザ・ゴール」のコミック版、アニメ版の普及に力を入れています。
以前、原著を読んだこともある方も是非、読み直して、
ボトルネック解消の大切さを噛みしめてみてください。
   

最後までお読み頂きありがとうございます。

 執筆: ディマンドワークス代表 齊藤孝浩

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October 25, 2021

アイリスオオヤマの「なるほど家電」に学ぶ商品開発の着眼点

Photo_2021110417110110月25日の日経新聞「経営の視点」にコロナ禍の逆風下でも売上を伸ばすアイリスオオヤマの急拡大に関する解説コラムが掲載されていました。

2011年に2400億円だった売上高は、世間の要望に応えたLED電球などを中心に急拡大を遂げ、19年には倍増の5000億円、コロナ禍には20年、1年で6900億円(前年比38%増)となり、22年には1兆円に達する勢いとのことです。

記事が指摘しているように、

2010年以降の長年のデフレ下で同社がホームセンター中心に納めた値ごろ感のある家電製品が受けたこともありますが、

「なるほど家電」シリーズに代表される、独創性の高い、というか、
消費者の使い勝手のかゆいところに手が届く、その部分に機能を絞り込んだスピーディな商品開発能力に強みがあることは、筆者もつくづく感じておりました。

・便利なはずのリモコンが見当たらず、TVが操作しづらくなったストレスや

・外出先から帰宅前にエアコンのスイッチを入れることが出来たら、どんなに快適か

なんて、誰もが一度は考えたことではなかったでしょうか?

それらを商品化したのが、まさしく「なるほど家電」です。

大事なのは、思いつきだけでなく、それをあったらいいねと、語るだけでなく、諦めず、商品化する情熱でしょう。

記事の解説の言葉を借りれば、同社の強みは

「消費者行動の変容に応じたモノの定義変更」

同社は、すでに世の中に多数存在する既存の商品の価値を、消費者のお困りごとにクローズアップしながら再定義するように引き出している、というわけです。

みなさんも、ここ数年で、LED電球やマスクのような消耗品から、使い勝手のよいアイリス製の小型家電が身の回りに増え、身近に感じるようになったのではないでしょうか?

在宅が増えて電気代が上がった我が家では、室内乾燥でも洗濯ものが速く乾く
アイリスのサーキュレターを重宝しています。

最後に記事の中にあった、アイリスオオヤマの大山会長の言葉を引用させて頂きます。

モノの品質はデジタル化で年々アップし、不満はなくなる。
しかし、コトへの不満はある。そこが(開発の)キーワードだ

「なるほど家電」のほとんどは社内の消費者目線を持つ社員さんからの提案から生まれたもの。
最初は「原石」だった提案を「なぜ、どうして、どうすれば」=NDDと呼ばれる秘密コード?で磨きをかけて行くそうです。

世の中にない、新しい商品開発をするのも大事ですが・・・
すでにある商品を消費者のお困りごと視点に立って、定義を変えて、提案する。

ヒット商品というものは、そんな中から生まれてくるのではないか、とあらためて気づかされたものでした。

 

関連エントリーナラティブ(顧客を主人公にした物語)から考える

 

最後までお読み頂きありがとうございます。

 執筆: ディマンドワークス代表 齊藤孝浩

 

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October 11, 2021

ユニクロがEC注文後、2時間で店舗受取りできるサービスを開始

Uq-tokyo-2_2021101111470110月9日の日経新聞や10月10日の日経MJによれば、ユニクロはEC注文に店舗在庫を引きあてることができれば、顧客の注文後、最速2時間で注文商品を店舗で受け取れることができるサービスを始めたことに関する記事が掲載されていました。


以前はEC注文はEC向け倉庫からの宅配または、店舗受取りだったため、注文後、受け取りまで数日かかっていたものを受取りスピードを大幅に短縮するサービスになります。


同時に、ユニクロ側にとってはECビジネス拡大時代の最大のコスト増となる、「倉庫での個品配送作業費」および「個別配送運賃負担」の軽減になります。


同社では、すでに中国で同様のサービスを提供しており、日本では中国での検証を踏まえた上での実装となるようです。


2019年2月に出版した「アパレル・サバイバル」でも述べましたが、


EC倉庫から宅配または翌日店舗受取りを提供する英国、


国土が広大なため、店舗在庫をオンライン注文してもらい、顧客に引き渡すアメリカ、


諸国の物流事情によって、EC物流は発達して来ました。


そして、近年、欧米さらに中国で主流になりつつあるのは・・・


店舗のMFC(マイクロフルフィルメントセンター)化です。


EC注文を店舗在庫を引き当て、店舗から発送あるいは、顧客に取りに来てもらう、というサービスで、


顧客がオンラインとオフラインを行き来するオムニチャネル(OMO)時代において、


ローカル店舗をローカル需要の身近な物流拠点にしようという発想です。


そして、顧客は、宅配が前提だったEC から、より持続可能な、


顧客が自身の都合で、店舗に商品を取りに来る、というオプションが広がります。


但し、これらは、店舗が大型なのが前提になるでしょうから、


それをそもそも想定していない、商業施設内の小型店舗にそれを強いるのは大きな負担となるかも知れません。


ZARAやユニクロや無印良品の店舗の大型化も、そんな流れを視野に入れた動きですので、是非、注目しておいて、下さい。


先週登壇させて頂いた、


オムニチャネル時代の販売管理&EC向けクラウドシステムを提供するアイルさんのセミナーでは、


ECのボトルネックとして、店舗販売との①商品登録、②販売管理費負担、③集客の違いについて、


ここ数年、関与先とご一緒に考えて来たECとの向き合い方をベースにお話しをさせていただきました。


EC販路の売上を、ただただ、増やせばいい、では儲からない、


やはり、顧客購買行動と在庫と損益のバランスこそが、小売ビジネスにおいて大事であることは言うまでもありません。


最後までお読み頂きありがとうございます。


 執筆: ディマンドワークス代表 齊藤孝浩


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October 05, 2021

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October 04, 2021

分社化が完了し、ヘルス&ビューティー企業となったLブランズ(エル・ブランズ)

Bbw_20211010220801おくればせながら、8月2日づけで、年商1兆円を超えるファッションチェーンであり、世界アパレル企業売上高ランキング5位をキープしていた米Lブランズ(エル・ブランズ)社が、ここ15年ほどメイン事業だったランジェリー&インティメイトウエアのヴィクトリアズシークレット事業(PINK含む)を分社化し、
社名をバス&ボディーワークスに変更し、ヘルス&ビューティー企業になっていた件について。

業界に長年いらっしゃる方はご存知かと思いますが・・・

同社は1963年、婦人服を販売する専門店として創業、THE LIMITED STOREという屋号で、アパレル専門店を拡大し、GAPよりも先にSPAのビジネスモデルを実践していた、「SPA(アパレル製造小売業)の元祖」と言ってもよいアメリカ代表するファッション小売業の一社です。

GAP社が90年代に年商世界一のアパレル専門チェーンになるまでは、同社が世界一だったんですよね。

一部の店舗で試験販売を行った商品をアジアでQR生産し、的中率を高める芸当も同社の十八番だったもので・・・

事業会社時代は、同社のオペレーションを大いに参考にさせて頂いたものでした。

EXPRESS(エクスプレス)も同社が開発したSPAチェーン、

アバクロンビー&フィッチを買収し、磨きをかけて分社化したのも同社、

ヴィクトリアズシークレットも買収し、ピーク時はアメリカ最大の売上を誇るアパレルチェーンブランドに育てました。

残念ながら、廃業しましたが、百貨店のヘンリ・ベンデルも買収後、長年、同社の傘下だったものです。

同社の転機は2000年代のアメリカでのファストファッションブームです。

H&Mとフォーエバー21のレッドオーシャンなトレンドファッションの低価格化戦争に嫌気がさし、2007年に祖業であった「リミテッド」と「エクスプレス」のアパレル事業の2本柱をファンドに売却し、「ヴィクトリアズ・シークレット」事業に軸足を移します。

売上規模を維持しながら、利益V字回復を果たし、世界の中でも英NEXTやZARAのインディテックスに次ぐ、最も高い収益率を誇るアパレルチェーンストア企業のひとつになります。

2010年代後半になると、ヴィクトリアズ・シークレットの派手さが時代に合わなくなると見るや・・・

自ら開発して、磨き上げてきた、スキンケアアイテムをメインとするバス&ボディーワークス事業に軸足を移し、

そこに独自のアパレルサプライチェーンマネジメントのノウハウを注入し、高収益な事業として拡大を加速します。

一旦は、ヴィクトリアズ・シークレット事業の売却に動きますが・・・

2020年、コロナ禍で交渉破綻、しかし、自ら、果敢にヴィクトリアズ・シークレットのリストラをして、バス&ボディーワークスの収益性に支えられ、Lブランズ社としてV字回復。

そして、この度、ヴィクトリアズシークレットを上場企業として分社化しながら、自らは高収益なヘルス&ビューティー事業企業になったわけです。

長年、同社をウォッチしてきた筆者からはブラボーの一言に尽きます。

なぜ、祖業のアパレルに固執しなかったのか?

その後、なぜ、ランジェリー、インナーウエアに固執せず、ヘルス&ビューティー事業に転換できたのか?

それは、過去にこだわらずに、顧客の未来とマーケットの変化を見ていたから、の一言尽きるのではないでしょうか?

アパレル市場は縮小し、ヘルス&ビューティー分野が伸びているのは、日本でも同じこと。

日本ではなぜアパレル業界から、そんな英断ができる経営者が生まれないのでしょうか?

ファッションマーケットの変化とLブランズのビジネス転換はファッションビジネス史に残る、未来を考える上でのケーススタディになるはずです。

最後までお読み頂きありがとうございます。

 執筆: ディマンドワークス代表 齊藤孝浩

【おススメ本】アパレルビジネスのポイントをトレンドファッションのZARAとベーシックのユニクロを比較することで浮き彫りビジネス読本。

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September 27, 2021

インディテックス(ZARA)の2021年度上半期決算 第2四半期は過去最高益更新で回復中

Zara-londonインディテックス2021年度上半期決算(2021年2月~7月)が発表されていたので
資料に目を通しました。

あえて、前年2020年度対比ではなく、好調だったパンデミック前の2019年度対比でまとめてみます。

第1四半期(2月~4月)こそ、

売上高 パンデミック前の2019年度比 83%、
営業利益   同         58%でしたが、
営業利益率 11.5% (-5%)

99%のお店が営業状態に戻った 

第2四半期(5月~7月)は
売上高が 2019年比で 101.5%、
営業利益  同    105.3% 
営業利益率 16.0%(+0.6%)

と2Qとしては過去最高益となりました。

上半期を通じては

売上高が 2019年比で 93.1%、
営業利益  同    82.6% 
営業利益率 14.1%(-1.8%)

としてはまだまだですが、2Qの過去最高益の回復ぶりは特筆すべきことでしょう。

在庫状況についても

2Q末の在庫高は2019年とほぼ同じ水準で
在庫回転率 年換算ベース 4.5回転、
在庫日数80日前後 
と、優秀だった2019年の2Qの効率と同等に戻っています。

在庫の中味も健全である、つまり3Qの販売に必要な在庫のみ

であることをアピールしています。

コロナ禍、ニューノーマル化によって、グローバルトレンドを強味とするZARAは厳しくなるのでは?
という意見もありましたが、

当初計画通り店舗を大幅にスクラップ&ビルドしながら、
パンデミックの最中に店舗とECの統合プラットフォームを前倒しで完成させ、

EC在庫と店舗ストックルーム在庫の一元化(SINT)により
EC売上を2019年対比 137%増 (2020年対比 36%増)
と顧客の購買行動の変化に対応しています。

今年は店舗の回復を見込み、
EC売上比率は通年で25%相当になる見込みとのこと
(昨年は店舗売上が大きく減ったので32.4%)

こちらも、数年前からの計画通りの数値です。

ということで、業界の見方を覆し、
四半期ベースではありますが、コロナ前の好調な水準以上に戻したことになります。

あらためて、需要にあわせて、市場が求めるものをつくり続ける
という同社の柔軟性に驚かされます。

ここのところ、店頭やサイトを見ても、
モードというよりも、カジュアルトレンドを追求した
商品訴求が目立ちますね。

以前から、ZARAは、各サブセクションに
モードトレンドのオン・オフ 
カジュアルトレンドなオン・オフの
4軸のコレクションフレームを持ち

毎シーズンの需要に応じてその4つの構成比を変化させならが
売場を構成して来ました。

今回もパンデミック下における顧客の購買志向あわせたまでで、
結果、ニューノーマルの需要に対応できた、というわけです。

ここまで来たら、何でも来いですね(笑)

更に、これまで掲げて来た


店舗やショッピングのDX化の指標や
サステナブル系の指標においても

計画目標を何年か前倒しで達成中というから驚きです。

厳しかった8番目のブランド、服飾雑貨中心のUTERQUEをMassimo Duttiに統合したり、
ZARAの店舗の大型化にあたり、ZARA HOMEを展開する店も増やして行くというように
ブランドごとの対応も推進中。

パンデミックが落ち着けば、あらためて世界最強の強みを見せつけてくれそうです。

今後も、同社からは目が離せません。

最後までお読み頂きありがとうございます。

 執筆: ディマンドワークス代表 齊藤孝浩

【おススメ本】ZARAの強みをおなじみのユニクロと比較することであぶり出したビジネス読本。両者から学べることはまだまだたくさんあります。

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September 20, 2021

過剰在庫を抱えてしまう3つの理由

Wwdjapan-vol29WWD JAPANの本紙に月イチ連載させていただいている
「ファッション業界のミカタ」(ファッション流通企業の決算書の見方)

9月13日号(vol.29)のタイトルは、「事業への投資資金をどう捻出するか」として、
システム投資をするにも、投資する原資がない、と嘆く企業さんが多い中、

投資のための現預金を増やすために「過剰在庫」にメスを入れる、
をテーマに、ファッション企業、特にアパレル企業が抱える「在庫の中味」を可視化するための視点を述べてみました。

仕事柄、多くの企業さんと在庫の中味をご一緒に検証する機会がありますが、
当シーズンの売れ筋在庫、同スロームーブ在庫、キャリー在庫(シーズン持ち越し在庫)にわけてみると・・・

事業拡大と共に、当シーズン売れない、あるいは定価販売しづらいキャリー在庫のウエイト(全在庫に対する構成比)が年々どんどん高くなって行くことがわかります。

気が付いたら、在庫高はこんなに沢山あるのに・・・

毎シーズン、限られた一部の売れ筋商品の「上澄み」だけで
店頭販売やECサイトを回している、

一方、キャリー在庫予備軍であるスロームーブ在庫の対応は後回し、

なんていう実態になっていることも少なくありません。

そんな過剰在庫を少なくするためには・・・

理想を言えば、ZARAのように、必要な分だけつくり、店頭に並べ、用意しておいた素材を活用して、シーズン中に売れるものをつくり足す・・・

そんなオペレーションに取り組むことが、効果的なのですが、
今すぐ取り組むには、実にハードルが高いので・・・

まずは、足元からどう取り組むか、について連載記事にまとめてみたものです。

そもそも、過剰在庫を抱えてしまう理由は大きくわけると
3つあると思っています。

ひとつは

販売力を上回る過剰生産。

過剰生産をしないと原価率が合わないため、何とかなる?と作り過ぎたり、
品番をヒットさせたいために、むやみに増やした不人気色の売れ残りだとか、
売れ筋商品の過剰追加発注がこれにあたります。

次に

販売拠点への過剰配分の放置。

売上予測に基づく初回配分が是正されないと、
売れ点自動補充も過剰在庫を生むという盲点です。

そして
それらがあることを薄々わかっていながら・・・

売れ筋だけを追いかけて、在庫を積み増すものの、

その他の在庫への対処が後手に回り、販売機会を逸し

シーズンが進むほど積み上がるスロームーブ在庫。

その結果、シーズン末に倉庫にキャリー(繰り越し)在庫となる
商品在庫が戻って来るわけです。

そして、また、翌シーズン、

キャリー在庫という足かせ(過剰在庫)を負いながら

新しいシーズンが始まるという訳です。

ひとことで過剰在庫と言っても、要因はいろいろなところにあり、
気づき方や対処方法も違います。

商品そのものの良し悪しやコスパ(適品、適価)が第一であることは間違いありませんが、

仕入れた在庫に対して、シーズン中に適時、適所、適量のアクション取れたかどうかで
シーズン粗利額と最終消化率は大きく変わることを多くの現場で体験して来ました。

B/S(貸借対照表)の左側(資産)を見て頂ければわかりますが、

現預金のすぐ下にある在庫はキャッシュ(埋蔵金)。

商売人にとって、その中味に向かい合い、

タイムリーに粗利を生みだしながらキャッシュに換え、残在庫を残さないように売り切ることで

現預金を保つことの大切さは今も昔も変わりません。

そして、これからは、生み出した利益、キャッシュを

会社の未来へ、同時に、

従業員の成長のための投資に

有効活用して行きたいものですね。

WWDJAPANの記事は、定期購読者の方は無料、そうでない方でも、記事単位でも有料コンテンツとして、お読みになることができます。

https://www.wwdjapan.com/articles/1259258


関連エントリー過剰在庫を持ち越さないために

関連エントリー売上は仕入(MD)、粗利は在庫運用(DB)で決まる

執筆: ディマンドワークス代表 齊藤孝浩

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