November 01, 2021

属人的になると、過剰在庫を抱える原因になりがちな、業務フローの3つのボトルネック

組織の規模が大きくなって・・・
2743649_m関与する人が増えたり、

オムニチャネル時代のように事業が店舗販売だけでなく、EC販売強化など
時代にあわせて新しいステージに入ると

今まで上手く行っていた業務も
そのどこかに「ボトルネック」が発生するものです。

「ボトルネック」とは在庫が滞留したり、情報が相手に上手く伝わらず、
業務が滞って先に進みづらい箇所のこと

事業の業務フローの中には多かれ、少なかれブラックボックス的なものが存在するものですが・・・

だからと言って、その箇所を放置していたら深刻な経営危機に陥ることも・・・

先日のクライアントとのミーティングも、正にボトルネックがテーマでした。

それらを解消せずに、部分最適な改善の話に取り組んでも、
木を見て森を見ず的な議論、そもそも論になって徒労に終わるよね、

ということを理解して下さり、

視野を広げて、どこにボトルネックがあるのか、
そこに対して何ができるか、に取り組むことになりました。

ファッション小売業の事業の商品計画から販売管理をご支援していて、
いつも業務が属人的(ブラックボックス)になり、
「ボトルネック」になりがちと感じるのは
だいたい、以下の3つのポイントに集約されると感じます。

1.商品計画とその情報共有 (プレシーズン)    

仕入予算をMD やバイヤーがどんな商品計画に基づいて、
何をどれだけ発注したのか、が担当者任せで他の人に伝わっていない

→伝わらないことで、販促(マーケ)担当の力の入れどころが的外れになり
 販促費の無駄づかい、せっかく作った販促物が、本来売らなければならない
 商品の販売促進に活かせていない

2.発注後の約残管理と入荷管理およびその社内連絡 (販売開始直前時期)

仕入担当者が手一杯で、発注済み商品の整理が出来ておらず
近々の入荷予定商品の詳細も、実際に倉庫に入荷するまでわからない

→倉庫に在庫が一時滞留し、店舗で販売態勢を取るのが遅れる、
 更にEC販売開始にもタイムラグが・・・
 
3.販売期限が明らかでない (期末に向けての売り切り段階)

いま販売している商品はいつまで販売・補充が続くのか、
一体、いつまでに売り切ればよいのか、
仕入担当者はどんな着地を望んでいるのか?

を販売担当者である店舗やEC担当者がわかっていない

→今売れている商品を、これからもどんどん売ることに精いっぱいになって
そうでない商品に手が回らない。在庫の店舗ごと、店舗/EC間の偏在解消が
後手にまわる。

あたりでしょうか。

ファッション商品、特にシーズン商品は販売期間の短い商品であり、
特に最初の数週間の機会ロスが致命的であることは言うまでもありません。

その結果が、バーゲン時期の大幅値下げ、想定以上の期末売れ残り在庫の発生へとつながりがちです。

これだけ、書き連ねると、まるで、仕入担当者の責任と思われがちですが・・・

仕入担当者は会社の中で最も忙しい職務のひとつ、

それらの業務を効率化したり、可視化するツールがない、共有する業務フローや機会(ルーティン)がない
結果、属人的(担当者のPCの中でそれぞれ違ったフォームで管理)になってしまっているものを
わかっていながら、放置している事業にも問題があると言わざるを得ません。

いろいろなことがデジタル化され、可視化される時代に・・・

これら利益に直結するボトルネックの部分だけが置き去りにされているのが
むしろ問題と感じます。

DXって、軽作業の軽減や効率化でなくて、
本来、利益の元になる、そんなボトルネックの可視化と解消に
焦点を当てるべきではないでしょうか?

それができれば、実際、粗利やキャッシュとして返って来ますから、
実はIT投資への回収は早いものです。

まずは業務フローの整理とかけている時間を明らかにすることから・・・
投資回収を早めるためにも、ですね。

【参考書籍】

「ボトルネック」と言えば、「ザ・ゴール」
業界改革において志を同じくするパートナーである
ゴールドラット・ジャパンさんが
名著「ザ・ゴール」のコミック版、アニメ版の普及に力を入れています。
以前、原著を読んだこともある方も是非、読み直して、
ボトルネック解消の大切さを噛みしめてみてください。
   

最後までお読み頂きありがとうございます。

 執筆: ディマンドワークス代表 齊藤孝浩

筆者が講師を務める、今年最後の経営者様、事業責任者様向けビジネスセミナー開催中

たった3つの視点を共有すれば、過剰在庫が粗利とキャッシュに換わる!
利益は倍増!!
「ファッションストアの在庫コントロールの組織づくりの秘訣」

これから事業で本格的に店舗およびECの在庫コントロールに取り組みたい、
再構築をしたい、組織と役割を見直したいという企業経営者様、事業責任者様向けの内容です。

毎回 人数限定の少人数セミナー
各回少人数制のため、ご都合が合えば、お早めにお申し込みください。

次回の開催のご案内はこちら
https://dwks.jp/seminar2022/

 

 

| |

【このセミナーの受付は終了しました】11月18日(木)開催 「3つの視点を共有するだけで、過剰在庫が粗利とキャッシュに換わる!ファッションストアの在庫コントロールの組織づくりの秘訣」

32

11月18日(木)15:00~18:00 オンライン開催、アパレル・靴・服飾雑貨などシーズン商品を販売するファッションストアやEC事業を運営されている経営者様・幹部様向けのオンライン経営セミナー。
年商30億円で迎える「過剰在庫の壁」。30億円の壁を乗り越え次のステージに備えるためには?
事業全体のチームワークで、仕入れた商品を最大限の粗利とキャッシュに換え、営業利益を倍増させる。シーズン商品の在庫コントロールを実践する組織づくりと社内業務連携の秘訣を、業界の中でチェーンストア型専門店の在庫運用と年商30億円から100億円規模の専門店の課題解決に最も詳しい講師(ブログ筆者)が、実際に取り組んだ企業の成果事例も踏まえて、再現性と効果の高い3つのポイントに絞ってお伝えします。少人数制の有料セミナー詳細とお申込みはこちらから

| |

October 25, 2021

アイリスオオヤマの「なるほど家電」に学ぶ商品開発の着眼点

Photo_2021110417110110月25日の日経新聞「経営の視点」にコロナ禍の逆風下でも売上を伸ばすアイリスオオヤマの急拡大に関する解説コラムが掲載されていました。

2011年に2400億円だった売上高は、世間の要望に応えたLED電球などを中心に急拡大を遂げ、19年には倍増の5000億円、コロナ禍には20年、1年で6900億円(前年比38%増)となり、22年には1兆円に達する勢いとのことです。

記事が指摘しているように、

2010年以降の長年のデフレ下で同社がホームセンター中心に納めた値ごろ感のある家電製品が受けたこともありますが、

「なるほど家電」シリーズに代表される、独創性の高い、というか、
消費者の使い勝手のかゆいところに手が届く、その部分に機能を絞り込んだスピーディな商品開発能力に強みがあることは、筆者もつくづく感じておりました。

・便利なはずのリモコンが見当たらず、TVが操作しづらくなったストレスや

・外出先から帰宅前にエアコンのスイッチを入れることが出来たら、どんなに快適か

なんて、誰もが一度は考えたことではなかったでしょうか?

それらを商品化したのが、まさしく「なるほど家電」です。

大事なのは、思いつきだけでなく、それをあったらいいねと、語るだけでなく、諦めず、商品化する情熱でしょう。

記事の解説の言葉を借りれば、同社の強みは

「消費者行動の変容に応じたモノの定義変更」

同社は、すでに世の中に多数存在する既存の商品の価値を、消費者のお困りごとにクローズアップしながら再定義するように引き出している、というわけです。

みなさんも、ここ数年で、LED電球やマスクのような消耗品から、使い勝手のよいアイリス製の小型家電が身の回りに増え、身近に感じるようになったのではないでしょうか?

在宅が増えて電気代が上がった我が家では、室内乾燥でも洗濯ものが速く乾く
アイリスのサーキュレターを重宝しています。

最後に記事の中にあった、アイリスオオヤマの大山会長の言葉を引用させて頂きます。

モノの品質はデジタル化で年々アップし、不満はなくなる。
しかし、コトへの不満はある。そこが(開発の)キーワードだ

「なるほど家電」のほとんどは社内の消費者目線を持つ社員さんからの提案から生まれたもの。
最初は「原石」だった提案を「なぜ、どうして、どうすれば」=NDDと呼ばれる秘密コード?で磨きをかけて行くそうです。

世の中にない、新しい商品開発をするのも大事ですが・・・
すでにある商品を消費者のお困りごと視点に立って、定義を変えて、提案する。

ヒット商品というものは、そんな中から生まれてくるのではないか、とあらためて気づかされたものでした。

 

関連エントリーナラティブ(顧客を主人公にした物語)から考える

 

最後までお読み頂きありがとうございます。

 執筆: ディマンドワークス代表 齊藤孝浩

 

| |

October 05, 2021

【このセミナーは終了しました】10月21日(木)開催 オンライン経営セミナー~3つの視点を共有するだけで、過剰在庫が粗利とキャッシュに換わる!ファッションストアの在庫コントロールの組織づくりの秘訣

32

10月21日(木)15:00~18:00 オンライン開催、アパレル・靴・服飾雑貨などシーズン商品を販売するファッションストアやEC事業を運営されている経営者様・幹部様向けのオンライン経営セミナー。
年商30億円で迎える「過剰在庫の壁」。30億円の壁を乗り越え次のステージに備えるためには?
事業全体のチームワークで、仕入れた商品を最大限の粗利とキャッシュに換え、営業利益を倍増させる。シーズン商品の在庫コントロールを実践する組織づくりと社内業務連携の秘訣を、業界の中でチェーンストア型専門店の在庫運用と年商30億円から100億円規模の専門店の課題解決に最も詳しい講師(ブログ筆者)が、実際に取り組んだ企業の成果事例も踏まえて、再現性と効果の高い3つのポイントに絞ってお伝えします。少人数の有料セミナー、次回セミナーのお知らせは こちらから

| |

September 20, 2021

過剰在庫を抱えてしまう3つの理由

Wwdjapan-vol29WWD JAPANの本紙に月イチ連載させていただいている
「ファッション業界のミカタ」(ファッション流通企業の決算書の見方)

9月13日号(vol.29)のタイトルは、「事業への投資資金をどう捻出するか」として、
システム投資をするにも、投資する原資がない、と嘆く企業さんが多い中、

投資のための現預金を増やすために「過剰在庫」にメスを入れる、
をテーマに、ファッション企業、特にアパレル企業が抱える「在庫の中味」を可視化するための視点を述べてみました。

仕事柄、多くの企業さんと在庫の中味をご一緒に検証する機会がありますが、
当シーズンの売れ筋在庫、同スロームーブ在庫、キャリー在庫(シーズン持ち越し在庫)にわけてみると・・・

事業拡大と共に、当シーズン売れない、あるいは定価販売しづらいキャリー在庫のウエイト(全在庫に対する構成比)が年々どんどん高くなって行くことがわかります。

気が付いたら、在庫高はこんなに沢山あるのに・・・

毎シーズン、限られた一部の売れ筋商品の「上澄み」だけで
店頭販売やECサイトを回している、

一方、キャリー在庫予備軍であるスロームーブ在庫の対応は後回し、

なんていう実態になっていることも少なくありません。

そんな過剰在庫を少なくするためには・・・

理想を言えば、ZARAのように、必要な分だけつくり、店頭に並べ、用意しておいた素材を活用して、シーズン中に売れるものをつくり足す・・・

そんなオペレーションに取り組むことが、効果的なのですが、
今すぐ取り組むには、実にハードルが高いので・・・

まずは、足元からどう取り組むか、について連載記事にまとめてみたものです。

そもそも、過剰在庫を抱えてしまう理由は大きくわけると
3つあると思っています。

ひとつは

販売力を上回る過剰生産。

過剰生産をしないと原価率が合わないため、何とかなる?と作り過ぎたり、
品番をヒットさせたいために、むやみに増やした不人気色の売れ残りだとか、
売れ筋商品の過剰追加発注がこれにあたります。

次に

販売拠点への過剰配分の放置。

売上予測に基づく初回配分が是正されないと、
売れ点自動補充も過剰在庫を生むという盲点です。

そして
それらがあることを薄々わかっていながら・・・

売れ筋だけを追いかけて、在庫を積み増すものの、

その他の在庫への対処が後手に回り、販売機会を逸し

シーズンが進むほど積み上がるスロームーブ在庫。

その結果、シーズン末に倉庫にキャリー(繰り越し)在庫となる
商品在庫が戻って来るわけです。

そして、また、翌シーズン、

キャリー在庫という足かせ(過剰在庫)を負いながら

新しいシーズンが始まるという訳です。

ひとことで過剰在庫と言っても、要因はいろいろなところにあり、
気づき方や対処方法も違います。

商品そのものの良し悪しやコスパ(適品、適価)が第一であることは間違いありませんが、

仕入れた在庫に対して、シーズン中に適時、適所、適量のアクション取れたかどうかで
シーズン粗利額と最終消化率は大きく変わることを多くの現場で体験して来ました。

B/S(貸借対照表)の左側(資産)を見て頂ければわかりますが、

現預金のすぐ下にある在庫はキャッシュ(埋蔵金)。

商売人にとって、その中味に向かい合い、

タイムリーに粗利を生みだしながらキャッシュに換え、残在庫を残さないように売り切ることで

現預金を保つことの大切さは今も昔も変わりません。

そして、これからは、生み出した利益、キャッシュを

会社の未来へ、同時に、

従業員の成長のための投資に

有効活用して行きたいものですね。

WWDJAPANの記事は、定期購読者の方は無料、そうでない方でも、記事単位でも有料コンテンツとして、お読みになることができます。

https://www.wwdjapan.com/articles/1259258


関連エントリー過剰在庫を持ち越さないために

関連エントリー売上は仕入(MD)、粗利は在庫運用(DB)で決まる

執筆: ディマンドワークス代表 齊藤孝浩

筆者が講師を務める、今年最後の経営者様、事業責任者様向けビジネスセミナー開催中

たった3つの視点を共有すれば、過剰在庫が粗利とキャッシュに換わる!
利益は倍増!!
「ファッションストアの在庫コントロールの組織づくりの秘訣」

これから事業で本格的に店舗およびECの在庫コントロールに取り組みたい、
再構築をしたい、組織と役割を見直したいという企業経営者様、事業責任者様向けの内容です。

毎回 人数限定の少人数セミナー
各回少人数制のため、ご都合が合えば、お早めにお申し込みください。

次回の開催のご案内はこちら
https://dwks.jp/seminar2022/

 

| |

September 06, 2021

担当者一人(ひとり)あたり管理可能な品番数、そして売場面積は?

Ministry-of-supply_20210906163901日経MJの連載の中でも、流通業界の裏方である「物流」を考える上でいろいろな示唆を頂けることから、毎週楽しみに読ませて頂いている月刊ロジビズの大矢昌浩編集長が連載されている「物流インサイドリポート」

9月3日(金)付のコラムは食品スーパーで進む自動発注システムに関する話題でしたが、

その中に従業員1人が管理可能な品番数やSKU数に触れられており、興味深く読ませていただきました。

まずは、以下「  」内の引用から。

「約1万アイテムを取り扱う平均的な食品スーパーでは通常、発注業務を10人程度で分担している。1人当たり1千アイテムを受け持つ。しかし、優秀な発注担当者でも一人でまともに管理出来るのは100アイテムがせいぜいとされる」

「残り900アイテムは売れ行きの変化や天候などを考慮せず、売れた分だけ機械的に発注するくらいしかできない。当然ながら精度は落ちる。」

(以上引用)

ということで、最近では、優秀な方の考え方をアルゴリズム化して、AI(機械学習)による自動発注システムの導入が進み、そこで作業時間を効率化させた担当者たちは、各自、重要な売り込み品番の在庫管理に注力することが進んでいるという内容でした。

このコラムを読んでいて、面白いなと感じたのは、アパレルや靴など、ファッション流通の世界でも、ひとりあたりが管理可能なアイテム数、品番数の限界みたいなものに、同じことが言えるよな、ということでした。

セントラルバイイングであるアパレルチェーンでは、本部側にMDやバイヤー、あるいはその各店やECサイトへの在庫配分と在庫コントロールを任されるDB(ディストリビューターあるいは在庫コントローラー)という職務がありますが・・・

それらの職務の方々やその事業の幹部の方々と話をしていると、必ず、一人が一度に何品番が管理できるか?ということが話題になります。

その裏には、現状、品番が多すぎて管理がし切れておらず、各種ロスが多い、労働時間が長くなっている、店舗の在庫管理作業が増えている、などから、

ひとりあたりが担当する売場面積やその中で展開品番数を管理可能なものにして、限られた予算の範囲内で、いかに効率のよい在庫運用ができるか、という意図があります。

これ、筆者の長年、多くの事業の仕入管理や在庫コントロール現場に携わっている立場から言わせて頂くと・・・

一度に管理し切れるのはおおよそ120品番前後まで、という仮説に行きついています。

実際、帳票上に出て来る品番数はもっと多く、それ以上管理している(つもりの)人もいますが・・・
実際には、上位120品番までしかアクションがとれていないのが現実だったものです。

日経MJコラムの食品スーパーでも100アイテムという数字に近いものがあって、面白いな、と思った次第です。
もしかしたら人の目診判断能力の限界なんでしょうかね。

もし、管理可能範囲を超える商品数を扱うと、どんなことが起こるか・・・

当然、範囲を超えたものは見れませんので、それらの管理は雑になりますし・・・

コラムのように1点売れたら1点(売れた分だけ)補充に終始?

そういったものに時間を取られていたら、重点販売商品の在庫戦略を考えるにも、十分な時間がかけれなければ、得られるはずの売上や粗利も失ってしまうことでしょう。

その結果、各店、各EC拠点に必要以上のSKU在庫が配分されたまま、放置されていたり・・・

必要ないのに補充されて寝かされたり・・・

気づいた時に、店舗が店間移動を行う業務が増えたり、運送費が増えたり・・・

それが後手に回ると、機会損失が増え・・・

プロパーで売れたであろうものも、値下げで消化、場合によっては売れ残って倉庫に返ってくる、

なんてこともあるわけです。

以前、ある方が、シーズン中に、そんな拠点ごと、SKU ごとに積まれている必要以上の過剰在庫って・・・

各店に眠っている埋蔵金(キャッシュ)だよね、っておっしゃっていたのが、言い得て妙だなと思いました。

ここからわかるのは、

機会ロスという言葉は、多くの場合、売れ筋の欠品と解釈され、追加発注を促されますが、

その一方で、実は、管理し切れなかった結果、各店に適正配分、配置されずに溜まっている、

つまり、放置されているSKU別過剰在庫の中にも機会ロスというものは多分に含まれているということです。

在庫があるのに販売機会ロス?

そうならないように、管理可能な品番数を知り、その中で、商売を、業務を回したいところです。

そうすれば、限られた在庫、リソースで、まだまだ、粗利も稼げるし・・・

プロパー、最終 共に消化率を高められるのではないでしょうか?

関連エントリー過剰在庫を持ち越さないために

関連エントリー売上は仕入(MD)、粗利は在庫運用(DB)で決まる

【参考書籍】

顧客購買行動と品揃え計画および在庫最適化を考えるビジネス読本

人気店はバーゲンセールに頼らない 勝ち組ファッション企業の新常識 (中公新書ラクレ)

こちらは電子書籍 Kindle版 です。紙の本の在庫が少なくなりました。ご希望の方は弊社までご連絡頂ければご対応いたします。

執筆: ディマンドワークス代表 齊藤孝浩

筆者が講師を務める、今年最後の経営者様、事業責任者様向けビジネスセミナー開催中

たった3つの視点を共有すれば、過剰在庫が粗利とキャッシュに換わる!
利益は倍増!!
「ファッションストアの在庫コントロールの組織づくりの秘訣」

これから事業で本格的に店舗およびECの在庫コントロールに取り組みたい、
再構築をしたい、組織と役割を見直したいという企業経営者様、事業責任者様向けの内容です。

毎回 人数限定の少人数セミナー
各回少人数制のため、ご都合が合えば、お早めにお申し込みください。

次回の開催のご案内はこちら
https://dwks.jp/seminar2022/

 

| |

September 02, 2021

【まもなく締切】9月30日(木)開催 オンラインセミナー 「たった3つの視点を共有すれば、過剰在庫が粗利とキャッシュに換わる! ~ファッションストアの組織づくりの秘訣」

Seminar2021fall

毎回、好評の経営者様、事業責任者様向けの
オンライン経営セミナー

たった3つの視点を共有すれば、過剰在庫が粗利とキャッシュに換わる!利益倍増!!
「ファッションストアの組織づくりの秘訣」

次回は 9月30日(木)に開催します。その次は10月21日(木)。各回募集人数が限られていますので、

お早めにお申し込み下さい。

アパレル・靴・服飾雑貨などシーズン商品を販売するファッションストアやEC販売事業において、事業規模拡大と共に、欠品を恐れて、「良かれ」と思っての過剰仕入や、仕入担当と販売担当のコミュニケーション不足が要因で過剰在庫を抱えてしまうステージが訪れます。

一旦、そのステージに突入すると、毎シーズン、同じことを繰り返しても、事業の売上規模は拡大できても、年々利益率が低下し、在庫回転率とキャッシュフローが悪化し、今までのやり方が通用しない!と痛感する大きな壁にぶつかります。

そんな壁を乗り越えられる組織と、乗り越えられない組織の違いは、一体どこにあるのか、ご存じでしょうか?

このセミナーでは、これまで、20年近くに渡って、「過剰在庫の壁」にぶつかると言われる、年商30億円から100億円規模のファッション販売事業に特化して、30以上のストアブランドさんと、過剰在庫を粗利とキャッシュに換えるための組織づくりと人財育成の支援に取り組んで来た講師が、多くの組織に共通する問題点を明らかにし、再現性と効果のあるアプローチに絞り込み、実際に取り組んで成果を上げた企業事例と共に解説します。

右肩上がりの成長・拡大期における過剰在庫対応だけでなく、先行きが見通しづらく、仕入を絞って在庫運用している今こそ・・・

実店舗にも、EC販売にも共通する、シーズン商品の在庫コントロールの組織づくりに取り組みましょう!

-セミナー詳細-

【開催日時】 ①2021年9月30日(木)15:00~18:00 ②10月21日(木)15:00~18:00

【場  所】 オンライン(ZOOM)開催。日本全国、どこからでも参加いただけます。

【講  師】 齊藤孝浩(タカ サイトウ)ディマンドワークス代表 プロフィール

【主な内容】 

〇 規模の拡大と共に過剰在庫を抱えてしまう本当の理由
〇 ファッション小売業にとっての在庫最適化とは?
〇 顧客購買行動にあわせた仕入管理と販売管理の原則
〇 商品MD計画を店舗やECの販売担当者と共有するための秘訣
〇 シーズン商品を売り切る組織に生まれ変わるために必要なこと

【参 加 費】  特別価格:25,000円(税込) 
       

【定  員】 各回 5名様(定員になり次第締め切りとさせていただきます)

【参加対象の方】ファッション専門チェーン、EC販売事業者の経営者様、経営幹部様、事業部長様など事業の組織づくりの意思決定や改革を指揮する立場にいらっしゃる方

セミナー詳細&お申込みは ⇒ こちらから

| |

August 30, 2021

パタゴニアのWORN WEAR(ウォーンウエア)プロジェクトに見る、今後「ブランド」が取り組むべき自社販売商品の循環とライフサイクル管理

20180816_1937378月30日の日経MJにパタゴニア日本支社が渋谷店1階で8月20日~9月26日に期間限定で行っているWORN WEAR(ウォーンウエア)のポップアップストアに関する記事が掲載されていました。

このプロジェクトは、顧客が購入したパタゴニア製品を長く大切に着てもらうために、リペアを行ったり、着なくなった服を買い取って、リペアした上で古着として販売することで製品寿命を延ばす試みで、アメリカでは何年か前から始まっていました。

右の画像は2018年夏にアメリカ カリフォルニア州サンタモニカのパタゴニアのお店で見かけたWORN WEARのカウンターです。

リペア(修理)については以前も日本でもやっていましたが(期間限定だった?)、今回は、日本でも本国同様に本格的に取り組むにあたり、まずは、古物商の認可を取り、アメリカ本社から仕入れた古着の販売から始めているようです。


但し、古着の買い上げ点数2点までの制限ありというのは同社らしい。「必要ないものは、買わないで。」というのが同社のポリシーですから。

日本ではまだ買取は行っていないようですが、アメリカのサイトに同社が顧客から着なくなったパタゴニア製品を買い取る時に渡すクレジット(パタゴニアの新品、古着を購入する時に使えるクーポンのようなもの)の価格リストが出ていました。

アイテムによって、10ドル~100ドル アイテムの元の単価や耐久性によって分類されているようです。ちなみにおなじみのシンチラフリースは20ドル、レトロフリースジャケットは40ドルが買取価格(付与するクレジット)のようですね。

日本支社の社長さんによれば、パタゴニアの新品の中心顧客は40代、古着を販売することで、20代から馴染んでもらえれば、長いお付き合いができるのでは、と期待をされているようです。

新品をつくって、売るだけではなく、

新品販売+リペア(修理)+自らメンテした古着販売で企業収益と顧客の関係性をつくるのが同社の目標。

今後、ファッションブランドは、そのブランドらしく、そういった取り組みを拡げて行く時代だと思っています。

そんな切り込み隊長であるパタゴニアの、今回インタビューを受けられた日本支社社長さんも

アパレル業界の中で、そんな流れをつくるきっかけになれば、と期待をしているようですね。

 

ファッションではありませんが、先行事例があります。

それは自動車業界。

外車ブランドには、中古車は自分たちで買い取り、自ら、車種にふさわしいメンテナンスをして、

中古車販売まで、流通全般を自ら手掛けているところがいくつもあります。

そして、中古車を購入した顧客には、新車を購入した人と同じ●●か月点検みたいな、メンテナンスプログラムに合流してもらい、新車販売店を窓口にして対応する。

一度生み出したプロダクトには、まだ走る、動く、使える、製品寿命があるうちは責任をもってメンテナンスするメーカーの責任。

そして、ユーザー側も、中古で安く買ったにもにも関わらず、メーカーが十分なメンテナンスを施し・・・

新品を買ったのと同じように、利用年数に応じたユーザーサービスを提供してくれるブランドクオリティの体験をすれば・・・

顧客はいずれは、乗り換える時に、またそのブランドを選ぶ、中古じゃなくて、新車を選ぶ、なんてことも十分考えられる、

ある意味生涯のお付き合いを前提とした、そんな取り組みが素敵だと思います。

ファッション業界の話に戻って、

ブランドバッグも、ラグジュアリー・ハイブランドと呼ばれるブランドも、顧客と一生付き合って行く覚悟のある、あるいは志のあるファッション「ブランド」は、そんな外車のような顧客との付き合い方ってありだよね、って思います。

2019年に出版した「アパレル・サバイバル」の結論部分では、同様の持論も披露させていただきました。

パタゴニアの「ウォーン・ウエア」プロジェクトが日本のファッションブランドにどんな波及効果をもたらすか?

ブランド自らは重い腰をなかなか持ち上げられない、と考えているうちに、若い消費者がそんなブランドの背中を押すのではないでしょうか?

楽しみに見守って行きたいと思います。

 

関連エントリーー着なくなった衣服の廃棄を減らすためにできること~環境省の「ファッションと環境」レポートから

 

 執筆: ディマンドワークス代表 齊藤孝浩

【オススメ本】 これから10年先のファッション消費の未来のカギになるのは、顧客のクローゼットのワードローブ。つくって売るだけではなく、その循環にどうかかわることができるか、がサバイバルのカギです。

| |

August 09, 2021

ファッションストアはどう生まれ変わるのか?

20210716_184300-18月8日の日経新聞に、外食産業のコロナ後に向けての対策に関する記事が掲載されていました。

店舗の売上が32%減少し、持ち帰り需要が下支えしたため、持ち帰りの比率は34%に上昇。
(20年は店内飲食61%、持ち帰り34%、宅配5%だった模様。)

産業全体が今後も全体の30%程度は持ち帰りになることを予測して、外食産業各社がどんな投資をしているかについて紹介されていました。

・大手各社はモバイルオーダーアプリ(事前注文、事前決済、店舗受取り持ち帰り)を導入し、

・店に入らなくても専用窓口から受け取れるように厨房の配置を変え、店舗内の座席は減るが、持ち帰りの利便性向上を優先させる店舗もあれば・・・

・ドライブスルーを持つ店舗では、調理能力を2倍にした厨房設備の導入を進める

・持ち帰り専用お得メニューを用意して売上を伸ばした

などなど、顧客の購買行動の変化に対応した設備投資の事例が紹介されていました。

余談ですが、メディアで注目されたUBER EATSなどの宅配は、あれだけ騒がれてもシェア5%程度の構成比。

記事でも触れていますが、顧客は便利でも、飲食店側の手数料負担が大きく、配車サービス側もシェア争いのために儲かっていないため、少なくとも日本の現在の手数料構造のままでは、ビジネスモデルをデリバリー専用に設計し直さなければ持続可能なビジネスモデルになるとは思えません。

従って、店内飲食が前提だったビジネスにおいては、飲食店側に負担が少ない、持ち帰り対策が業界のこれからの焦点になるようです。

さて、これに対して、

ファッションストアは、コロナ後に顧客購買行動がどう変わると予測して、どんな投資を行うのでしょうか?

また、

「ファッションは外食産業(異業種)とは、違う」 

で議論を終わらせて、思考や行動を先送りしさせてしまっていいのでしょうか?

ファッションストア以上に苦戦を強いられた外食産業も上記のようにアフターコロナに向けて動き始めているのです。

 

ファッションストアの今後を考える上で、

まずは、顧客の購買行動の変化を予測することから始めるべきでしょう。

そして、そんな購買行動のために、どんなデジタル投資をしたり、店舗をどう設計し直すのか?を考えたいところです。

・来店前に顧客が事前情報を取れるようにし、来店後はスムーズに商品確認が出来たり、接客を始めることができる

・店舗での顧客の拡張体験を提供したり、店舗の品揃えや情報を補完するために、タブレットや顧客のスマホアプリを活用する

・タブレット接客や決済を前提とし、店内でスペースを取り過ぎているレジスペースをできるだけ小さくする

・その分、フィッティングルームを拡充し、顧客が落ち着いて試着ができるスペースを確保する

 (在庫が増えるので、ストックを大きくし過ぎてはいけません(笑))

・店舗スタッフも顧客自身も手軽にオンライン配信できるスペース、環境を整える

・顧客が着なくなった服を回収し、リユース、リメイクの循環を回す ・・・

これらは、いずれも、国内外で取り組みが始まっている事例です。

まずは、顧客購買行動の変化に対応した事例を自ら体験し、顧客の立場になって

どうしたら、ストレスが無くなるか?快適になるか?を考えてみることでしょう。

異業種からも学ぶことはたくさんあります。

 執筆: ディマンドワークス代表 齊藤孝浩

【オススメ本】 DXに欠かせないのは、顧客の理想の体験を描く創造力。ファッション流通の歴史、欧米の視察体験から学んだ、日本のファッション流通の未来を本書を通じて垣間見てください。

| |

August 02, 2021

無印良品(良品計画)は2030年、年商3兆円目標の中長期計画にどう挑むのか?

Muji-shang-hai2030年度に年商3兆円を目標に掲げた、無印良品を展開する良品計画の中長期経営計画が話題になっていますね。

最初にこのニュースを聞いた時は、ずいぶん大きな目標を掲げたな、ユニクロのファーストリテイリングっぽいな、と感じたものでした。

それもそのはず、

これまで良品計画は西友ご出身の、経営者さんが歴代社長を務めて来られたためか・・・

創業経営者が立てるようなダイナミックな計画や成長ではなかった、

ある意味、無理をせず、年率10%前後の自然増的(オーガニック)な成長を続けて来た会社。

そのためか、ユニクロと比較されることが多いですが、ファストリのPERが45倍と期待値が高いのに対して、
良品計画は16-17倍と一般小売業の平均並みに甘んじて来ました。

それに対して、9月から社長になる堂前氏は、
柳井会長と共にフリースブーム含め、長年ファーストリテイリングの急成長を支えたキーパーソンのおひとり。

この2030年年商3兆円という目標設定は、ファストリ流というか、柳井流というか、

長期の高い目標を掲げ、それを実現するために、そこから逆算して足元の計画を立てて行く
というアプローチに近いものだったので、そう感じたのだと思います。

堂前氏が中心になって作成したと言われる、
同社がこの度発表した中期経営計画(書)全55ページによれば

◆2021年8月期末見通し(現在)
売上高 4900億円 (日本3000億円、海外1900億円)

◆2024年8月期 中期計画(3年後)
売上高 7000億円 (日本4500億円、海外2500億円)

<前提>
既存店は年2%成長で、
店舗を980店舗から1300店舗に増やし
1店舗あたり売場面積は250坪から300坪に大型化し
EC売上は10%から15%に引き上げる

この間は、年平均12.6%の成長。
過去3年(2017年~2020年)が年平均9.6%の成長ですから、
これは決して、無理な話ではないでしょう。

しかし、その後の6年間の長期計画は

 

◆2030年8月期 長期計画(9年後)
売上高
 3兆円 (日本 計画から推定すると1兆5000億円、海外 同)

 

中期計画後の6年間は年平均27.4%の成長(国内22.2%、海外34.8%)と高いハードルが待っています。

この間、国内では、店舗の大型化と出店とEC売上の拡大が根拠

・1店舗あたりの平均売場面積は300坪から600坪に大型化し、
・年平均100店舗を出店し(純増数)
・EC売上を30%にする

としています。

海外は 中国を年平均50店舗、その他アジアを平均80店舗出店
欧米は既存店を再構築とのことです。

この中期計画はともかく、長期計画の中で、
筆者が最も、ハードルの高さを感じたのは・・・

国内の年平均100店舗の出店(純増)でしょうか?

ユニクロですら、そこまで1年で店舗数を増やした年はありません。

2030年には国内店舗は平均売場面積600坪(現300坪)、
1店舗あたり売上高10億円(現6億円)になっているとのことです。(たぶん、EC売上高30%分込み)

この出店計画に対して、

新規出店候補地が年商20億円クラスのスーパーマーケットの隣、というはその一方で、

これまでとは違って、面白いと思いました。

正直、今の無印良品では、価格が高めなので
国内1500店舗は想像しづらいのですし、(しまむらが国内1430店舗)

ショッピングセンター内ならまだしも、
フリースタンディングのスーパーマーケットの隣も無理があるように思いますが・・・

中期計画では、粗利を下げ、ローコストオペレーションを徹底し、
販売価格設定を下げる、と宣言をしていますので、

それが実現し、食品スーパーと親和性のある、買いまわることのできる購買頻度が近い品揃えと価格帯になれば、
業態としては、年100店舗の出店も不可能ではないかも、と思えます。

同社の中期計画書を読んで、そうなった時の「無印良品」を想像した時に
思い浮かんだお店がありました。

それは、ずばり、アメリカでウォルマートに次ぐ大手小売業、
会員制ホールセールクラブ、コストコです。

コストコはナショナルブランドにプライベートブランドを織り交ぜているお店なので

その点は違いますが、

地域に根差し、
循環型経済を標ぼうして、
プライベートブランド(PB)で衣食住に必要な商品を
ウエアハウス型のローコストオペレーションで
それに共感する顧客だけに良質安価で提案する。

PBで粗利は最低限でよい、顧客は安く買うことができる。

そのかわり、顧客から頂く年会費が営業利益の原資になる、

というホールセールクラブ型のビジネスモデル。

それなら、そういった立地にも出店余地はありそうだ。
そして、無印良品らしい、地域との顧客コミュニケーションが取れそうだ。

今、無印良品は、ファッションであったり、ライフスタイルショップとして
位置付けられていて、ユニクロやニトリなどと比較されることが多い業態ですが・・・

10年後は、全く違った業態、

地域に根差した、もしかしたら、
地域の大衆のための会員制クラブになっているかも知れない。

中期経営計画書を読んで、そんな風に妄想したものでした。

 執筆: ディマンドワークス代表 齊藤孝浩

| |

より以前の記事一覧