March 29, 2021

ZARA(ザラ)のインディテックス2020年度決算。大幅減収減益も、全世界でECと店舗の在庫一元化が完了し、盤石体制に。

Zara-onlineZARAを展開するインディテックスグループの2020年1月期決算報告 FY2020 RESULTS

に目を通しました。

同社の決算期は2月~翌1月期なので、通期(全四半期)すべてがパンデミックの直撃を受けた1年でした。

但し、営業赤字だったのは、1Q(2-4月期)のみで

通年では、

売上高 20,402百万ユーロ(日本円換算2兆5918億円)と前年比72.9%(27.1%減)

粗利率 は前年55.9%→55.8%とほぼ変わらず

販売管理費 は 前年比83.2%(16.8%減)に抑え、

営業利益 1,504百万ユーロ(日本円換算1,914億円)前年比31.5%(68.5%減)

営業利益率は前年16.9%→7.4%と下がりましたが

営業黒字で着地しました。

インディテックス社の決算発表により、大手3社が出揃い、

2020年度の世界アパレルチェーン売上高ランキングのトップ3は

1位 インディテックス(ZARA)  1月期  2兆5,918億円(1,914億円 営業利益率7.4%)
2位 H&M           11月期  2兆3,752億円(227億円 同1%)
3位 ファーストテイリング    8月期  2兆0,088億円(1493億円 同7.4%)

に確定しました。

2019年度のランキング

世界アパレル専門店売上ランキング2019 トップ10

とトップ3の順位の入れ替わりはありません。

同社の期末店舗数は

7469店舗から→6829店 と640店舗の純減です。

内訳は閉店 751店 新店 111店 96店改装(うち45店が大型化)です。

これは慌てて閉めた、というより、中長期計画の計画通り。

在庫に関しては、期末在庫は前年よりも9%少なく、

4半期ごとに見ても前年よりも10%少ない在庫水準で回していたようです。

 

今回の同社の決算の最大のトピックはECの大幅売上拡大と世界全店舗のオムニチャネル体制の完成でしょうか。

EC売上高は77%増の6,600百万ユーロ(日本円換算 8,384億円)

EC売上比率は32.3%と前年の13.2%から急増です。

このEC売上の拡大に寄与したのが、

同社のオムニチャネル施策(Fully integrated store and online platform)のコアにある

SINT(Single Inventory Integration)というコンセプトです。

要は、各国のEC向け在庫と店舗のストックルーム(バックヤード)の在庫を一元化し・・・店舗のストックルーム在庫をEC需要の引き当て対象にできるようにした、という話です。

これをリアルタイムに可能にしたのが、RFIDの全店導入完了です。

このRFIDも、自社開発。

ほとんどの企業が使っているRFIDは、主に、値札や洗濯絵表示に埋め込まれている、安価で使い捨てのチップですが、インディテックス社の場合は、全商品に、スペインの倉庫で取り付けられたセキュリティタグの中に埋め込まれています。

丈夫で高性能、更に、回収することで、何回も再利用ができるという優れものです。(高性能、1回あたりのコスト減、リサイクルで環境にも優しい)

使えるものは、再利用をするという同社のポリシーはこんな最先端のテクノロジーにも活かされているわけですね。

話をSINT(在庫一元化)に戻しますが、

同社によれば、これが、売上高比率32.3%になったEC売上高全体の中の12%分に寄与したとのことです。

通年COVID19の影響を受けても、まだ、世界一の売上規模と利益を確保したインディテックス社。

今後、同じような、ロックダウンで店舗を閉めなければならない事態になっても、商売を継続できる体制が整いました。

さまざまな変化に対して、柔軟な対応ができる、

という世界最強クラスのオペレーション・エクセレンスを見せつけた決算と言ってもよいのではないでしょうか?

近日中に世界アパレル専門店売上高ランキング2020年版も更新したいと思います。

お楽しみに。

最後までお読み頂きありがとうございます。

 執筆: ディマンドワークス代表 齊藤孝浩

【おススメ本】 ベーシックのユニクロとトレンドファッションのZARA。これから進む道も、経営者の経営信念、ビジネスモデルとその変遷を理解すれば、見えて来ます。両社の比較分析が、未来のアパレルビジネスを考える上で、とても参考になると確信しています。

 「ユニクロ対ZARA」 2018年アップデート文庫本

 

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March 22, 2021

在庫情報を可視化すれば、商品チーム、販売チームが自走組織に変わる

Ministry-of-supply-pos何度かオンラインセミナーに登壇させていただいている、在庫問題を解決するクラウドサービスを提供する「フルカイテン」さんのシステム導入事例セミナーを視聴させていただく機会がありました。

3月11日のその回は通販大手フェリシモグループでhaco!を運営する株式会社cd.社の葛西社長が
同社のシステムを導入して半年で会社の在庫への取り組み姿勢がどう何か変わったのかを語る内容でした。

システム導入前までは、担当者が商品の売上・在庫判定データをExcelで加工するのに
朝から夕方まで、ほぼ丸1日かけていた作業が・・・

導入後は、データ出力が1時間程度でできるようになり、営業時間の多くが、資料の作成業務ではなく、判断とアクションを中心に時間が割けるようになった、という話から始まりました。

帳票づくりに半日以上かけている企業さんって結構あると思います。

同社によれば、
以前は当シーズンに仕入れた商品在庫こそ見ていたものの、

前シーズン以前に仕入れて売れ残った在庫は、わざわざ出力努力をしなければ、見ることができず、いわゆる塩漬けになっていたそうです。

これに対して、全在庫データが稼働状況に応じて分類された上で、販売と在庫に関わっている担当者たちに見えるようになって、
何が変わったか?というと・・・

「奥にしまってあったものが手前に出て来た」イメージで

そうすると、担当者たちに、何とかこれも販売できないか、在庫を減らせないか、という気持ちが芽生え始め、

今シーズンでも十分に着ることができる旧在庫商品を積極的にコーディネート提案に使うようになったり、

また、そんな思いと活動が、お客様への商品出荷を担っている倉庫で働く方々にも伝わり、

倉庫スタッフの発案で、倉庫発信で売れ残り在庫を売り切るためのユーザー向けライブコマース(オンラインの即売会)が開催されるようになったとのことです。

その結果、会社としては、仕入れを減らした年であったにもかかわらず・・・売上は減らず、在庫がみるみる減って行ったそうです。

今では、仕入担当者の在庫に対する意識が高まり・・・

毎年、売り逃しをしないように、ただ、たくさん仕入れるという考えたではなく、
必要な仕入れのありかたを考えるようになった。

とのことです。

haco!の葛西社長はシステムを導入すれば問題が解決する、という話ではなく、

●システムには面倒な計算をしておいてもらって、
●人がそのデータを活用してどんな判断をするか?

の役割分担だ、と話を結びます。

そして、在庫を売り切って、増えた現預金を今後、何に投じるか?に触れ、

経営陣の頭は損益計算書(P/L)から貸借対照表(B/S)に移り・・・

お客様のための場をつくり、場を改善するためのシステム投資(無形固定資産)に使いたい、と意気込んでおられるようです。

これからの時代、在庫をしっかりキャッシュに換え、システム投資を行う企業が増えることを期待しています。

実際、多くの世界の大手ファッション流通企業のB/Sを分析していると、そういうビジネストレンドが起きていることに気づきます。

見えないものは、行動に移せない。

状況が手に取るように可視化すれば、現場は工夫を始め、現状の改善が進み始めるもの。

というのは、筆者も多くの現場でビフォア/アフターを体感してきたことです。

少し、筆者の昔話をさせて頂くと・・・

筆者のアパレル小売業でのキャリアの始まりは、服飾雑貨や靴を扱う雑貨バイヤーでしたが、

着任当初は、いきなり、前任者が残した靴の過剰在庫に苦しめられ、新規仕入を全くすることができない「買えないバイヤー」の苦労から始まりました。

そんな状況の中で、週末には全店を巡回して、実際に自ら販売をしながら各店の在庫状況を確認し、

時間をかけて、各店から全店の全商品のサイズ別在庫状況が確認できるようにデータの整備を行ったところ・・・

その後は、各店のスタッフたちがお取り寄せ(客注)を活発化させ、在庫が売上に変わり、過剰在庫がみるみる減り始めたものでした。

要は、各店は在庫を減らすことに協力してくれなかったのではなく、

お客様は欲しがっていても、在庫がどこにどれだけあるかが、わからないため、やみくもに在庫照会の電話をかける訳にもいかず、取り寄せ販売ができなかっただけだったのです。

そんな過去の経験も思い出しながら、haco!さんの事例を聴いていました。

会社の在庫のことを心配しない従業員はいないでしょう。

そして、在庫量やその在処(ありか)が手軽にわかるような環境に置かれれば・・・

社員の中から、考え始め、行動に移すスタッフが出て来るものです。

これは、筆者のその後の事業会社勤務時代でも、また、

独立後に、お手伝いさせていただいた多くのコンサル現場でも・・・

在庫状況の実態の現場担当者への可視化が、変革のきっかけになることを感じて来たものでした。

これから、更に、オムニチャネル時代になって・・・

ECだけでなく、店舗、倉庫を含め、全在庫のデータが可視化され、
在庫のステイタスが、販売チーム全員に手に取るようにわかるようになると・・・

まずは、チーム全員がお客様のお買い物を手伝う情報として在庫情報を活用し始め、続いて過剰在庫の消化方法も考え始める。

オムニチャネル化(販売と在庫のデジタルシフト)の本当のメリットは、

ECという新しい販路ではなく、そんな環境が構築されることではないでしょうか?

業界全体がそんな方法に向かってゆくビジョンを持ち、そんな環境づくりが行われることを、引き続き応援して行きたいと思います。

参考:今回触れさせて頂いた、フルカイテンさんとhaco!さんのオンラインセミナーの内容は、レポートとして、こちらからダウンロードしてお読みいただけます。

執筆: ディマンドワークス代表 齊藤孝浩

【オススメ本】 ファストファッションブーム後の顧客のファッションライフスタイルを考える。10年後のアパレル業界でのサバイバルのカギ、これからの顧客との関係構築がテーマのビジネス読本です。

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February 22, 2021

メルカリ、ペイペイフリマ、フリマアプリの1次流通通販(EC)とのデータ連携

Closet

2月17日の日経MJにフリマアプリ大手のメルカリが、アパレル専門店大手アダストリア社他、8つのECサイトと連携し、ユーザーがECサイトで購入した新品商品が着用後に不要になった場合、手軽にメルカリに出品できるサービスを拡げて行くことに関する記事が掲載されていました。

記事によれば、20年春から始まったメルカリの提携先は・・・

アパレルECの「ショップリスト」、家電の「プレモア」、雑貨の「イデアオンライン」、今回発表したアパレル大手アダストリアの総合 ECサイト「.st(ドットエスティ)」など8社。

提携先は、今のところ、すべて、メルペイでの決済を行っているサイトのようで、

購入ユーザーがそれぞれのECサイトでメルペイで決済した商品が、メルカリのユーザーのアプリ内のマイページの中にある、「持ち物一覧」に自動で取り込まれ・・・

ユーザーが将来、その商品が不要になり、メルカリで売却したい、と思った場合、

その商品がメルカリで取引されている相場価格を元に推奨価格が表示されたり、出品の際に必要な、商品カテゴリーや商品紹介が自動表示されてユーザーの出品の手間が簡素化されるというものです。

今後、提携先とは、メルペイで決済していない場合(クレジットカードなど)も同様のサービスを提供する方向で話を進めているとのこと。

そうなると、いずれは、メルペイ決済を前提としない、多くのEC購入商品がメルカリに出品しやすくなるかも知れません。

同記事では、メルカリのライバルとなるペイペイフリマでも、ヤフーショッピング、ペイペイモール、ZOZOTOWNと同様の連携を進めていることも紹介されており、

フリマアプリ大手が

売ること(出口)を考えて、新しい商品を購入する(入口)購買行動

という、リユースショップやフリマアプリを賢く活用する、ユーザーから始まった新しい購買行動の促進を後押ししていることがわかります。

ファストファッションの市場浸透後、コロナショックによる巣ごもりの後押しもあり、
溢れ始めた自分のクローゼットの服を見直す機会が増えたエンドユーザー

流通企業が、エンドユーザーの「クローゼットのワードローブの循環」をどう手伝うか

が新品を販売する企業も避けて通れない、生き残りのカギになるであろうことを

拙著「アパレル・サバイバル」の後半部分で結構なページを割いて問題提起をさせていただきました。

一次流通企業にとっては、

大手であれば、これから、不要品回収から始まるサーキュラーエコノミー(循環型経済)への取り組みが、進むことでしょう。

一方、大手ほど資金力、組織力がない中小企業にとっては、

自身の体力内で回収、リサイクル、リメイク、アップサイクル(染め直しも含む)をすることもできるでしょうし・・・

フリマアプリなど、第三者的なデジタル企業と組んで、ユーザーが不要になった商品を、それを求める他の人に届けるための手伝いをすることもできるでしょう。 

ある意味、それも、サーキュラーエコノミーへの取り組みの一環かと思います。

過剰生産、過剰供給を見直しするだけでなく、

お客様のクローゼットを健全にメンテ、循環させることをお手伝いしながら、

顧客の既存のワードローブと相性のよい、今シーズン風の新しい服をご提案する。

それが、これから求められるファッション流通企業の姿のひとつだと思っています。

それを牽引するのは、従来のファッション企業自身なのか、
それとも、未来から逆算するテクノロジー企業なのか?

今回のメルカリやペイペイフリマの取り組みは、そんな未来図に向かうはじめの一歩のように感じられます。

 執筆: ディマンドワークス代表 齊藤孝浩

【オススメ本】 10年後のアパレル業界でのサバイバルのカギは、服のライフサイクルを意識し、顧客の持続可能なクローゼットのワードローブの循環をお手伝いすること。大量生産、過剰供給時代を超えて、新しい時代の関係構築がテーマです。

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February 08, 2021

【3.25開催 オンラインセミナー】3つの視点を共有すれば、過剰在庫が粗利とキャッシュに換わる!~『ファッションストアの在庫コントロールのための組織と業務』

B2【このセミナーは終了しました。】

来る3月25日(木)、アパレル・靴・服飾雑貨のファッションストアやEC事業を運営されている経営者様や事業責任者様向けのオンラインセミナーを開催いたします。

外出自粛による、来店客の減少によって、過剰在庫を抱えたり・・・その後の仕入制限によって、今までよりも少ない在庫で運営することになったファッション専門店

お客様のオンラインへの購買シフトの波に乗り、規模の拡大の一方で、過剰在庫を抱え始めたファッションEC事業

今は、販路拡大や商品調達だけでなく、販売管理や売り切り体制を見直す、大きな転換期に他なりません。

今回のセミナーでは、

転換期である現在だけの一過性の話ではなく、今後の成長・拡大あるいは安定成長局面においても大切な

仕入れた在庫を最大限の粗利とキャッシュに換える

在庫コントロールのための組織づくりと業務構築の着眼点、そして、実践に向けてのポイントをお伝えします。

お客様の新しい生活様式、新しい購買行動が始まる転換期に今回のセミナーが経営者様、経営幹部様にとって

これまでの業務を俯瞰(ふかん)して、在庫最適化の視点で見直しながら、

社内一丸となって、顧客満足と企業利益最大化に邁進して行く・・・そんな、きっかけになれば幸いです。

今回のセミナーコンテンツは、事業規模でいえば、事業あたり、あるいはワンブランドで年商が10億円を超え、30億円に近づく局面において、

『在庫管理の壁』に直面し、組織や業務を見直したいと考えていらっしゃるチェーンストア型専門店や成長中EC事業の経営者様・経営幹部様にタイムリーなコンテンツです。

既にそれ以上の規模になった企業、事業の方にも現状の業務を振り返って点検したり、やりかたを見直す着眼点を得ていただけます。

-セミナー詳細-

【タイトル】
3つの視点を共有すれば、過剰在庫が粗利とキャッシュに換わる!「ファッションストアの在庫コントロールのための組織と業務」

【開催日時】 
2021年03月25日(木)15:00~18:00 (14:45受付開始)

【場  所】 
オンライン(ZOOM)での開催となります

【講  師】 
齊藤孝浩(タカ サイトウ)ファッション専門店の在庫最適化コンサルタント 
ディマンドワークス代表  このブログの筆者 プロフィール

【主な内容】
 

〇 規模の拡大と共に過剰在庫を抱えてしまう理由
〇 ファッション小売業の在庫最適化とは?
〇 シーズン商品の商品管理・販売管理の原則
〇 販売部門が同じ目標に向かって自走する情報共有
〇 シーズン商品を売り切るための鉄則 など

【参 加 費】 
お一人 22,000円(消費税込)事前 銀行振り込み あるいは クレジット支払い

【参加特典】
1)実務にも活用できる図表が豊富なセミナースライド
2)在庫コントロールのための組織と業務の進捗度チェックリスト50
3)無料オンライン個別相談:セミナーで気になった課題について、後日、自社に照らし合わせた時の問題点を明らかにするための「オンライン個別相談」(1社様、1回、1時間程度)通常、講師が有料で行うサービスを無料でお受け頂けます。
  
【延 長 戦】 
セミナー終了後、30分の延長戦(質疑応答、・意見交換会)あり

【定  員】 
先着15名様(定員になり次第締め切りとさせていただきます)

【参加対象の方】
組織づくりと業務の見直しをご検討中のファッション専門店チェーン、EC事業者の経営者様、経営幹部様、事業部長様。

当セミナーはウェビナー形式ではなく、講義とワークと意見交換ができる環境を設けて双方向型で進めます。

■このセミナーは終了しました。次回セミナーは5月20日開催予定です。
ご案内メールをご希望の方はこちらからご登録ください。
→ https://17auto.biz/dwks/registp.php?pid=15

執筆: ディマンドワークス代表 齊藤孝浩

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January 25, 2021

ユニクロアプリのウォレット機能UNIQLO Pay実装と同社が目指すゴール

Uq1月19日からユニクロアプリ内に決済機能であるUNIQLO Payを実装しました。

プレスリリース ユニクロアプリにウォレット機能「UNIQLO Pay」が登場

メディアでは、PayPayやメルぺイなどと比較する記事もありましたが、
あくまでも、同社内での決済が目的のようです。

3,000万ダウンロードという日本の小売りでも最大級のダウンロード数を誇るアプリのひとつ。

顧客は、クレジットカードまたは銀行口座(現段階では一部の銀行に限られます)を紐つければ、店舗での決済の際に、アプリを開けば、QRコードを提示するだけでキャッシュレス決済ができるというもの。

これまでは、ポイントをつけるために、アプリを提示し、決済や現金やクレジットカードやその他の決済手段が使われていましたが、

顧客はUNIQLO Payを提示すれば、財布を出さずに済む。というわけです。

ユニクロとGUはここ数年で、レジのセルフレジ化を進め、混雑時以外の人件費を大幅に軽減して、販管費を下げ、営業利益率を高めて来ました。

その間、顧客にお会計の作業ストレスを強いて来たわけですが、これからUNIQLO Payを推奨することで、財布を出す作業がひとつ軽減されることになるわけです。

また、企業側のメリットを想像すると、短期的に言えば、銀行口座紐付けが増えれば、クレジットカード手数料やその他決済手段の決済手数料が軽減され、

利用者が増えれば、顧客データを取得しやすくなり、中期的には、その分析から、品揃えやサービスやオンライン経由の顧客セグメント提案の改善につながるでしょう。

実は、この小売業のアプリの決済機能の実装ですが、日本では、まだ対応していませんが、ZARAのインディテックス社が自社開発したアプリの中にIn Walletという機能を実装し、先行しています。ヨーロッパの一部の国では、数年前から利用できるようになっています(紐つけはクレジットカードのみ)。

ZARAの目的は、レジでの決済の効率化(顧客、スタッフ双方の会計作業軽減)、店舗で買っても、オンラインで買っても、同じアプリの中に電子レシートが生成され、レシート発行不要にできる(ペーパレス)と共に、双方の購買履歴が残ることから、オン・オフどちらで買っても、どちらでも返品できる顧客の利便性です。ちなみにZARAのアプリにはポイント付与はありません。

ユニクロはそんなZARAの先行事例を参考にしたのか、業務提携しているGoogle Payを展開するGoogleのアドバイスなのかはわかりませんが、いずれにせよ、日本のファッション小売業の中ではユニクロは先行組と言えますね。

現在は、ファーストリテイリンググループ内での決済しか想定していないようですが、ゆくゆくは、もちろん、Amazon Pay Google Pay のように、社外でも使えるようにすれば、プラットフォーマーとして、決済手数料を稼せぐ、金融事業が成り立つかも知れません。

これからのライバルは小売業ではなく、GAFAだとおっしゃった柳井会長の言葉が思い出されます。

関連エントリーー世界アパレル専門店売上ランキング2019 トップ10

最後までお読み頂きありがとうございます。

 執筆: ディマンドワークス代表 齊藤孝浩

【おススメ本】 ベーシックのユニクロとトレンドファッションのZARAの共通点とアプローチの違いを体系的にまとめ、多くのファッション専門店のブランディング、マーケティング、商品開発、販売戦略、ひいては経営理念の参考にしていただける内容に仕上げました。ユニクロが売上規模も世界2位になるのは時間の問題ですね。実はZARAも以前からベーシックが稼ぎ頭。ますます、両社の比較分析は世界のアパレルビジネスにとって参考になるでしょう。

 「ユニクロ対ZARA」 2018年アップデート文庫本

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January 19, 2021

ウォルマートが描くDX(デジタルトランスフォーメーション)の未来

20180818_1035181月14日の繊研新聞に、現在、開催中の全米小売業大会(NRF)、初のオンライン開催に関する記事が掲載されており、関心を持って読ませて頂きました。

この全米小売業大会は世界の小売業の未来を示唆するテーマが話題になることが多く、毎年、発信されるトピックに注目しています。

今回の記事で印象に残ったのは、アマゾンエフェクトが吹き荒れ、収まらないパンデミックの渦中にあるアメリカの小売業界で、オンラインを活用して業績を伸ばし続ける、ディスカウントストア、ウォルマートの最高顧客責任者であるジェイニー・ホワイトサイド氏のコメントの数々でした。

その中から、3つほど取り上げてみたいと思います。

ひとつめは、

「5年かけて起きると思われていたデジタルトランスフォーメーションが5週間で起きた。」

コロナ以前から、全米でアマゾンとの小売業頂上対決をしながら、デジタルトランスフォーメーションの準備を着実に進めていたウォルマート。

顧客の購買行動の変化を見越して、準備をしていたからこそ、コロナ禍の外出自粛下においても、同社は宅配対応、ストアピックアップ(オンライン注文の店舗受取り)、カーブサイドピックアップ(オンライン注文の駐車場受取り)に対応し、業績を伸ばし続けているわけですが・・・

そんな彼らにとっても、そう言わしめる程の急激な購買行動の変化が起こっていることを感じ取れるフレーズです。

準備をしていなかった企業、準備中にコロナショックに見舞われた企業がどんな目に合っているかは、言うまでもないでしょう。

2つめは

「(ストア)ピックアップと宅配が急増(中略)特に65歳以上のお客からの要望が顕著」

ショッピングのデジタルシフトの完全定着は、ジェネレーションX(1960年代後半生まれ~)以降のデジタルを不自由なく活用する世代がシニア世代になった時、つまり、あと10年はかかる、と思っていた方は少なくないと思います。正直、僕も心の底ではそう思っていたかも知れません。

しかし、コロナショックは、それまで、ほとんどオンラインやデジタルを活用していなかった、現シニア世代にも強制的にデジタルシフトを迫りました。
これは、今後の流通の変化のスピードに大きな影響を及ぼすのではないか、と見ています。

日本の話になりますが、昨年、6月、緊急事態宣言が解除された直後に、カフェで老人たちがアマゾンでの購入体験を話していた時のことを思い出します。

まさか、このおばあちゃんたちの口から「アマゾンで・・・」という言葉が出てくるとは想像もつかなかったからです。どうやら、ご家族に手伝ってもらって、アマゾンでの購入を始めたようです。その後、同じようなシニアの会話のシーンに何回か、出くわしたものでした。

シニア層が当たり前のようにオンラインを活用するようになると、ショッピングのデジタルシフトの市場定着は一気に進むことでしょう。

3つめは

「ウォルマートが顧客の冷蔵庫の中身を補充する時代が来るとみている」

という話。

1月15日の日経新聞の記事で補足すると、

ウォルマート本社のあるアーカンソー州ベントンビルで、スマホアプリで3種類の温度調節が可能な宅配BOXを顧客に提供する準備をしている、とのこと。

つまり、ウォルマートからの生鮮の宅配を、不在時でも、あるいはコンタクトレスでも顧客に届けることを実現する試みです。

おそらく、ジェイニー・ホワイトサイド氏のNRFでの発言の背景には、この試みがあったのでしょう。

話は変わりますが、2019年2月に上梓した拙著「アパレル・サバイバル」では、

これから10年スパンで考えると、顧客のクローゼットの中のワードローブ情報を顧客に共有していただける信頼関係の構築ができるかどうかが、今後のサバイバルのカギになる、と述べました。

それを読んだ、読者の方が、

服だけではなく、食品でも、自宅の冷蔵庫の中身と食材の賞味期限が管理され、

外出先からでも、帰宅したら、それらでどんな夕食の献立が出来るか、

あるいは、あと、どんな食材を買い足したら、どんな献立のバリエーションが広がるか、

のレシピ提案をしてくれるIOT冷蔵庫とスマホアプリがあったらいいね、

とコメントされていたのを思い出します。

確かに、あったらいいねのデジタルトランスフォーメーションですね。

ウォルマートは、アマゾンと競いながら、そんな顧客の未来の購買体験を考えているのか、と思いました。

この間、ジェネレーションXの上の世代、シニア世代以上に関してはコロナ後の購買行動は元に戻るだろう、

という調査結果も目にしました。

確かにその傾向もあると思いますが、DXの準備をしていた企業と遅れた企業の差は確実につきそうな気がしています。

いずれにせよ、

消費者は一度手にした便利さは手放さない

この教訓だけは肝に銘じておくべきでしょう。

 執筆: ディマンドワークス代表 齊藤孝浩

【オススメ本】 10年後のアパレル業界でのサバイバルのカギ、顧客とのこれからの関係構築がテーマです。

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January 04, 2021

新しい生活様式にあわせて業務を再構築しよう

20180824_151428あけましておめでとうございます。今年もよろしくお願いいたします。

コロナショックの渦中、先行きが見えぬまま新年を迎えましたが、
引き続き、健康に留意しながら、日々のミッションに取り組み、そして、未来に向けて進んで行きましょう。

コロナに後押しされたとは言え、一旦、前に進んだものは、元には戻らない、と考え、
まずは、加速した環境変化の先にある、「お客様の新しい生活様式」のビジョンを描いた上で、準備を進めて行きたいです。

 

これらのファッション流通業界のテーマはいくつかあると思いますが、
専門である在庫最適化の問題意識から申し上げると、大きくは

◆短期~中期的には

 ショッピングのデジタルシフトに対応した環境を整えること、

◆中期~長期的には

 ブランドらしいサーキュラーエコノミーへ取り組みに着手すること

かと思います。

 

前者は、オムニチャネルやOMO(Online merges with Offline)などと言われることですが、明確な顧客購買シーンをチーム共有した上で進めて行きたいところです。

店舗を持つ専門店にとっては、

顧客が

・店舗で見た商品はオンラインですぐに見つけることが出来、買うことができる

・オンラインで見た商品は、どこにその在庫があるのかがわかり、店舗に行けばすぐに見つけることができる

・オンラインで注文や予約した商品を都合のよい店舗で受け取ったり、試着の上、購入できる

・店舗で購入した商品は店舗からあるいはEC倉庫から自宅に届けてもらえる

そして、そんなお客様のシームレスな購買行動を店舗スタッフやカスタマーサポートがストレスなくヘルプできるデジタル環境を整えることでしょうか。

これらを実現するには、システム投資が伴うため、一気に進めることは難しいかと思いますが・・・

在庫データの信頼性を高めながら、もてるデバイスを駆使してステップ・バイ・ステップで進めて行きたいです。

後者については、よりプロダクトにフォーカスし、顧客を巻き込んだカタチのサステナビリティの話です。

人々が巣ごもりの間に、あらためて自分のワードローブと向き合ったことによって・・・

いよいよ、供給側であるブランドは、商品をつくって、売りっぱなしにするだけでなく・・・買って頂いた後の商品のライフサイクル、循環についても配慮、関与する時代に突入したと思っています。

例えば、長く愛着してもらうための素材選び、購入後の洗濯・クリーニング・保管などメンテナンスのためのアドバイス、次シーズン以降も着回して頂くための、翌シーズンのコーディネート提案などなど。

また、買って頂いた商品は、できるだけ長く着続けてもらいたいものですが、着なくなった場合は、顧客が手放し、リユース、リメイク、リサイクルされるところにも何らかのカタチで関与できないか、と。

近年、着なくなった服を回収する企業は増えて来ましたが・・・どちらかというと、来店促進目的で回収後は処分業者に渡して終わりのところが多いようです。

これからは、せっかく回収するのであれば、しかるべきパートナーと組んで、何ができるか?ブランドらしい活かし方を自ら考える時代に向かっていると感じています。

このあたりは、すぐには広がらないかも知れませんが、ブランドごとに議論を始めてもよい時期ではないかと思っています。

後者のワードローブのライフサイクルや循環の話にご興味を持たれた方は、是非、拙著「アパレル・サバイバル」のCHAPTER5をお読みください。筆者なりの問題提起をさせていただいております。

以上のような問題意識を持ちつつ・・・

今年も顧客目線で在庫最適化に取り組む業務再構築と商売人人材育成の応援をミッションとし、

独自の視点で業界関連トピックをブログで取り上げてご紹介して行きたいと思います。

どうぞ、よろしくお願いいたします。

関連エントリーナラティブ(顧客を主人公にした物語)から考える

関連エントリーオムニチャネル化を進める前に必要な、店舗側のステップとは何か?

関連エントリーCircular Economy サーキュラーエコノミー(循環型経済):ZARAのインディテックス社のこれから10年の経営テーマ

関連エントリー着回しの利く、究極の定番を磨け

 執筆: ディマンドワークス代表 齊藤孝浩

【オススメ本】 ファストファッションの浸透によって、溢れ始めた顧客のクローゼット。これからは、クローゼット内の服の循環を考えながら、新しい商品の提案を考える時代。今回の投稿で話題にしたショッピングのデジタルシフトと顧客のワードローブの循環がまさにテーマになっています。

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December 14, 2020

メルカリの国内流通総額中のファッション関連カテゴリーはユニクロ、しまむらに続く、第3勢力規模に

Reloveメルカリの2021年6月期 第1四半期(7-9月)の決算発表資料に目を通しました。

米国事業やメルペイへの投資先行で赤字がしばらく続いていましたが、
前四半期と今四半期は2四半期連続での黒字になりましたね。

同社には、引き続きグローバルでの成長にも期待をしていますが、
やはり、顧客行動の変化に対応して、国内ファッション市場に影響を与えるであろう
メルカリ国内事業の数字からも目が離せません。

同国内事業について、企業としての売上高ではなく、
メルカリを使って顧客が売買した流通総額にあたるGMVベースでは
当第1四半期(7-9月)は1706億円(前年同期比34.6%増)
月間平均利用者数(MAU)は1750万人だったそうです。

この四半期の数字を移動平均方式で、年回り(前期2Qから当期1Q)にしてみると
過去1年で流通総額は6,695億円となります。

このうち、ファッション流通市場への影響という点では・・・

開示されているカテゴリー構成比
レディース19%、メンズ14%、ベビーキッズ3%までを含めると約36%となり、

カテゴリーごとに単価は違うと思いますが、
年間総額にこの構成比を掛け合わせて単純計算すると
年間流通総額ベースで2410億円相当になります。

ファーストリテイリングのジーユーが20年8月期で年商2460億円とのことでしたので、
メルカリは、現在、それと同規模、

国内アパレル市場においてはユニクロ、しまむらに次ぎ、ジーユーと並ぶ第3勢力ということになりますね。

参考までに同事業の四半期ごとの流通総額の構成比を5年平均でとってみると、
以下のような感じになりました。

1Q  2Q  3Q  4Q
7-9 10-12 1-3 4-6
20% 25% 27% 28%

やはり、冬から春に変わる時期、そして、3-4月の新生活が始まるところが、
持ち物を手放したり、購入したり、という機会が増え・・・
それに連動して流通総額も増えるのだな、と感じます。

この構成比を使って、今年度の流通総額予測をしてた上で、
上記のメルカリのファッション関連の構成比から流通総額を推計すると

今期1年間の累計は3000億円規模になりそうです。

コロナ禍の巣ごもり中に持ちものを見つめ直し、手放す機会も増えたことでしょう。
また、捨てるより、循環させることを考えねば、と多くの人々が考えている昨今。

メルカリの循環型社会に向けてのインフラとしての役割はますます高まりそうです。

先日、出品や梱包が面倒で始められないユーザー向けに、
オープンロジと組んだ「あとよろメルカリ便」や、カジタクやブックオフグループと組んだ「捨てない大掃除プラン」など
次々に未経験ユーザーのメルカリ出品デビューを手助けするサービス開始のリリースをされましたね。

どうしたら、ユーザーが不用品を手放しやすくなるのか?
未経験者のお困りごとを掘り下げて、いろいろなパートナー企業と組むことで
そんなアイデアは次々に広がって行きそうです。

最後までお読み頂き、ありがとうございます。

 執筆: ディマンドワークス代表 齊藤孝浩

【オススメ本】 ファストファッションが手ごろな価格の服を提供することによって、顧客の購買機会を高める一方で、ユーザーのクローゼットをあふれさせてしまった今日。毎シーズン、新しいもの作って、売るだけでなく、顧客のクローゼットのワードローブの循環を一緒に考えることこそが、業界企業のこれからのミッションのひとつになるでしょう。本書の後半では、これから10年の服を通じた顧客とのかかわり方を提言しています。

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December 07, 2020

コロナショック、消費税総額表示であらためて低価格が進むのか?今一度、価格政策について考えよう。

Uq-hm先週、ファーストリテイリングのジーユーが来春から最大30%の値下げ宣言をしたニュースが話題になりました。

都心で販売している比較的高額品の需要の戻りが遅く、
一方、郊外が堅調なことから、消費者の先行き不安から、一層の低価格指向が進むと見て、
市場では、あらためてデフレが進むことが懸念されています。

また、4月からの消費税の総額表示の義務化により、価格設定、店頭での見え方次第では、
売れ行きにも影響があるでしょうね。

過去の増税の時にも、高くなったように見えるのはご法度で、わかりやすさも大切であることは、各社さん、それぞれの反省から学ぶべきかと思います。

筆者が一番恐れるのは、市場全体が更に低価格指向になることで、より安く作ることを考える、つまり、原価低減合戦が進むことです。

それは、コロナ以前に、懲りたはずではなかったでしょうか?

安く作るためには、人件費の安いところでつくる、ロットが大きくなる、リードタイムが長くなる。

その結果、ファッション商品にとっては在庫リスクが大きくなり、たくさんの値下げをし、たくさんの売れ残り在庫を抱えたということを忘れてはいけません。

来春以降、販売価格は下がる可能性は高いでしょう。

しかし、期中値下げで対応ではなく、当初から顧客が求める適正価格を考え抜き、コスパを感じてもらえるように、適正原価でつくる。

そして、出来るだけ値下げをしなくていいように、計画段階から在庫最適化と期中のオペレーションを改善して頂きたいです。

せっかく高まり始めた過剰在庫を残さないための意識。これからは量を売る売上至上主義から在庫をコントロールして粗利を最大化される時代です。

執筆: ディマンドワークス代表 齊藤孝浩

【参考書籍】

顧客購買行動と品揃え計画および在庫最適化を考えるビジネス読本 価格政策の基本、王道についても1章分割いて語っています。

人気店はバーゲンセールに頼らない 勝ち組ファッション企業の新常識 (中公新書ラクレ)

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November 30, 2020

ヤマト運輸がイギリスのクリック&コレクトシステムを導入して、オンライン通販の店舗受取サービスをスタート

Amazon-hub-counter-next11月26日の日経新聞、27日の日経MJなどによれば宅配大手のヤマト運輸はイギリスでオンライン通販注文商品の店舗受取サービス=クリック&コレクトのプラットフォームシステムを提供する英Doddle Parcel 社(以下ドドル)と業務提携を行い、

顧客がZOZOTOWNやYahoo!ショッピングなどで注文した商品を、顧客が指定する近隣の商業施設や店舗に届け、顧客の都合で受け取ることができる、いわゆる「クリック&コレクト」サービスをスタートしたとのこと。

25日から始まった当サービスで受け取り可能な拠点は現段階では丸井、スーツのはるやま、天満屋(百貨店)など全国 約600店舗で、ヤマト運輸は年内に2,000店舗、将来は10,000店舗まで増やす、としています。

通販で注文した後に、ヤマトから届くメールに対して、顧客は選択肢の中から受け取り場所を指定することができるというしくみのようで、その際、生成されるQRコードを指定店舗で提示すれば顧客は商品を受け取れるというものです。(専用端末を貸し出すそうで、零細小売店でも導入可能の模様)

受け取り拠点側の店舗にとってのメリットは
・手数料収入と
・来店によるついで買いの促進
です。

受け取り拠点によっては、来店時にその日から使えるクーポンを付与するところもあるようです。

同様の通販サイトの「クリック&コレクト」サービスはドドルの本拠地であるイギリスですでに普及済みですが・・・

筆者が2017年と2019年にロンドン視察をした時には・・・

アマゾンがチェーンストアと提携した「アマゾン・ハブ・カウンター」(アパレルチェーン大手のNextなどと提携)を独自に展開していたり(右上画像)、宅配ベンチャーが手掛ける「collect plus(コレクトプラス)」(全英の零細から中小小売店を中心に7000拠点と提携)などのサービスが先行し、ドドルは出遅れていた印象を受けましたが・・・

日本においては宅配最大手のヤマト運輸と組んで、システムだけを提供する側に回れば一気にシェア獲得が出来そうですね。

ECの急増にあたり、宅配キャパシティは今後も深刻な状態、再配達問題もアマゾンの置き配やヤマトが手掛ける「EAZY」などで緩和されているようですが、取扱い量はどんどん増えるでしょう。

その際、顧客の受け取り手段の多様化と利便性向上を考えた対策は待ったなしです。

コンビニ受取りは便利ですが、キャパシティはすでにいっぱいだと思いますので、比較的、閑散時間もある、クリーニング店など、駅前の第三者店舗がその役割を果たすことは悪くないことだと思いますね。

今後の広がりに注目したいと思います。

最後までお読み頂き、ありがとうございます。

 執筆: ディマンドワークス代表 齊藤孝浩

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関連エントリーーロンドン視察から 日本でのクリック&コレクトの普及を考える

【オススメ本】 欧米の最新デジタルショッピング事情、日本の10年後を未来から逆算して考える視点、それらを示唆する事例を取り上げて日本のファッションショッピングの未来を考えました。

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