April 11, 2022

メルカリが物流子会社「メルロジ」で取り組む、持続可能な宅配物流量平準化へのチャレンジ

Photo_20220418000101 4月8日の日経新聞にメルカリが物流子会社「メルロジ」で、
「ゆっくり宅配」の選択肢を顧客に提供し、近年パンク状態の宅配物流の物量平準化に取り組むことに関する記事が掲載されていました。
記事によれば
日本の宅配件数は現在、年間50億個もあるそうですが、
そのうち、アマゾンが約7億個で全体の14%を占め、
メルカリもそれに迫る全体の約1割の約5億個にまで増えているそうです。
そして、コンビニから発送される宅配荷物のなんと、8割はメルカリ関連のものとのこと。
そこまで宅配に占めるシェアが高くなれば、メルカリ自身も、他人事ではなく、社会的な役割が問われて来るというわけです。
こちらも記事内で紹介されている宅配物流業界の情報ですが、
日本の営業用トラック便の積送効率は20年度に4割を切った模様で・・・
これは、つまり、スペースの6割以上は空の状態でトラックが走っていることを意味しています。
以前、小口のオンデマンドで運ぶゆえ、宅配物流の往復積載効率は4割程度が実状と運送業界の方が嘆いているのを聞いていましたが、
企業間物流(BtoB)はもっと積載効率は高いと思うので、平均が4割を切るとなると、
宅配(BtoC)だけでみるともっとひどい状態になっているということでしょう。
加えて宅配には再配達もありますし・・・
つまり、そんな非効率な状態では、荷主は一個あたりの宅配運賃は満載状態時と比べて
2.5倍相当の料金を払わされてもおかしくない、という話です。
そんな状況の中で、
これまで「安く、速く」が競争の常識だったEC宅配の世界で、
ゆっくりでいい人は送料が割引、あるいはポイント付与のようなサービスを増やして行こう
という試みが「ゆっくり宅配」の目的です。
需要の都度、荷物が動くBtoC宅配だったとしても、
上手く、定期ルート便の物量を平準化することにより、出来るだけ顧客の近くまでBtoBで運ぶことによって実現するチャレンジ。
元アマゾンの物流責任者だった方がメルカリに転身し、
「速さ」とは180度違う観点で取り組む物流プロジェクトというから面白いことになりそうですね。
上手く軌道に乗り、将来は、メルロジがメルカリ以外の他社の荷物も運ぶサービスを提供するようになることを楽しみにしています。

 

記事を読んでいて思ったのですが・・・

日本の企業って新しい施策に取り組む際
競合他社を見て競合対策で取り組んだり、
社内の業務の都合で導入が決まることが多く・・・
顧客の立場で考えるって視点が欠けている
顧客不在の議論をしている企業が結構多いなって、いつも感じるのは私だけでしょうか?
送料の安さや速さを競うスピード配送しかり。
特定の部署だけが導入する部分最適なDXと呼ばれているソリューションなんかにも多いなって感じます。
そして、その結果、どこかに皺寄せが来たり、無理強いが起こるわけです。
そのツケを顧客が払わされるとなると最悪です。
配送のスピードについては、
確かにお客さんの中には、「速く」を希望する方もたくさんいらっしゃるとは思いますが・・・
選択肢を提示すれば、自分の都合で店舗へ取りに行く方もいらっしゃれば、
急いでないから、あるいはいつでもいいからできるだけ安い選択肢を好む方もいらっしゃいます。
そんな顧客の要望の多様性を理解して、上手くミックスして、知恵を絞ってサービスを提供することこそが、
これからの持続可能な経営のカギになると思っています。

最後までお読み頂きありがとうございます。

 執筆: ディマンドワークス代表 齊藤孝浩

 

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February 28, 2022

ファッション流通企業のこれからの物流戦略考

32cimg0465_20220302185801先日、フルカイテンさん主催のオンラインセミナーに登壇させていただき、

アパレル小売業がEコマースの拡大によって増える物流問題にどう向き合うかをテーマにした対談をさせていただきました。

在庫コントロールやサプライチェーンを専門にしていると・・・

商品をどう運ぶか、どう最適配分するかを考えるにあたり物流問題は常にセットで考えて来たものでした。

但し、これは企業間(BtoB)物流です。

しかし、今、エンドユーザーへの宅配(BtoC)を含め、小売業は大きな岐路に立たされています。

長年、小売企業において経営課題となる2大販売管理費項目は

店舗の家賃と人件費でした。

注文した商品が作られてから販売拠点まで届ける物流費の多くは
これまで仕入先が負担してくれていましたし、

お客様(エンドユーザー)は店舗に足を運んで買いに来てくれていたので、

小売業にとって物流費はこれまで、どちらかと言うとマイナーな経費の位置づけだったかも知れません。

 

しかし、Eコマースが増えるにあたって、小売業自身が顧客に届けるための経費が
着実に膨らみはじめています。

例えば

ユニクロを展開するファーストリテイリングや
大手セレクトショップのユナイテッドアローズ

などの決算書を見ても

5年前には掲載の無かった荷造運賃や物流業務の委託費が

「主な販売管理費項目」として開示されるようになったことでもわかるように

小売企業にとっても物流費は大きな経営問題のひとつに入る時代になったのです。

 

物流はそもそも企業間(BtoB)で

中継をしたり、
積送効率を高めたり、
往復便を無駄なく活用したり

工夫をしながら効率を高めて来た長い歴史はあるものの

こと宅配(BtoC)となると歴史はまだ浅いため

往復平均積送効率が40%という業界関係者の話を聞くと
まだまだ改善の余地はありそうです。

そして、小売業にとってそれまでそれ程かからなかった経費が主な販管費になり、更に増え続けるのであれば

損益の取り方、ビジネスモデルを根本的に見直さなければならないことは
言うまでもありません。

これは、ファッション小売業に限らず、
デリバリーの需要が高まる外食産業他、異業種にも言えることでしょう。

経営にインパクトがあり、なおかつ
顧客と約束し、お届けする最前線を物流が担うとなると

店舗の立地と世界観や接客とも並ぶ
損益と共に提供クオリティも考える必要も出て来るかも知れません。

顧客最前線の現場に即して、働く人の生産性を高めながら、

最大限の粗利を獲得できるように
在庫コントロールを実践することを考えて来た観点からすると

物流費はこれからは

抑える経費

という考え方より

営業利益の原資である
粗利を最大化するために

上手に使う、

つまり、かけるからには

いかに生産性が高まるように投資をするか

と考える必要がありそうです。

商品在庫は
適時適所適量を実現すべく

つまり、ムダなところに在庫は置かずに
粗利を稼ぐところに配置する

これはこれまでも物流に対するポリシーなくしては語れませんでした。

それは商品部に属するスタッフ
(MD、バイヤー、DB、在庫コントローラー、フィールドMDなど)が
粗利と共に在庫に責任を持つ立場だからできることでした。

そして、これからは、

EC担当者も、

更に今までは管理部門に属していたかも知れない

物流担当も

販売管理費(経費)の一部としての
物流費だけを見るのではなく、

生産性つまり、
物流費を効率よく活用することで
いかに粗利を高めるか、という

粗利と費用の双方の視点から見ることができるようにしないと
粗利最大化に向けての企業の目的に歯止めをかけてしまいかねません。

ところで、チェーンストア経営で以前から重視されている
指標に「分配率」という指標があります。

稼ぐ粗利のうちどれだけを

人件費に分配するのか
を表す「労働分配率」

家賃に分配するのか
を表す「不動産分配率」

広告宣伝に分配するのか
を表す「販促分配率」

など

物流費が大きなウエイトを占めるのなら
今後、「物流分配率」という考え方も
登場してしかるべきです。

※物流分配率は、すでに使っていらっしゃる企業もあるかも知れませんが、
 筆者の造語(思いつき)です。

労働分配率を一定とした時
現場の工夫で増えた粗利は

人件費のアップ、
つまり賞与の原資として使われて来たものでした。

であれば物流分配率についても

物流分配率一定として
現場の工夫で増えた粗利は

物流関係者の人件費増という
モチベーションのしくみをつくってもおかしくはないはずです。

物流セクションが粗利を稼ぐ
生産性を高めて営業利益を増やす

そんな物流部門のプロフィットセンター化に向けて
いよいよ動き出す時が来たのではないでしょうか?

多くの従業員が自分の担当数値責任ではなく、
企業や事業や担当部署のPL(損益計算書)で考えられる全員経営へ。

右肩上がりではない市場においては、
売上高だけを見ていては戦えません。

最後までお読み頂き、ありがとうございます。

 執筆: ディマンドワークス代表 齊藤孝浩

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February 07, 2022

ショールーム店舗から3層構造で利益を得る、丸井(マルイ)の収益構造

B8ta1月26日の日経MJに「売らない店」と称して、ショールーム店舗の入居に積極的な
丸井グループの記事が掲載されていました。

丸井はその昔、アパレルを中心に販売する百貨店の1社とくくられていましたが
(実際は月賦百貨店)、

現在の丸井グループの決算書を見ると、

セグメント別売上収益は 小売 4割 フィンテック 6割 
同売上総利益(粗利)は 小売 3割 フィンテック 7割
同営業利益は      小売 2割 フィンテック 8割

の構成比で、

小売セグメントの粗利の6割強が家賃収入から得られ、フィンテックと呼ばれる事業セグメントのマジョリティは
エポスカードなどのクレジットカード事業であり


クレジットカード手数料、キャッシング、賃料の3つで粗利の75%を稼いでいる のが現実で

従って、同社は小売業(リテール)ではなく、金融・不動産会社と言った方が適切かも知れません。 

この転換は、かつての「百貨店」の生き残り方の1つの答えだと思っています。

そんな丸井グループの子会社である株式会社丸井の社長の青野さんのショールーム店舗に対する取り組みに関するコメントの中で
興味深いコメントがあったので取り上げてみたいと思います。

以下「  」内は記事からの引用です。

 

「売らない店のような体験型のテナントもアパレル(に貸すの)も、
とれる家賃は一緒。それだけでは成長戦略にならない。」

 

「丸井は小売りだけで利益を出すのではなく、
フィンテック、共創投資と3層構造で利益を得られるのが特徴だ。」

 

「他の商業施設はQRコードを付けて在庫を持たないような「売らない店」をすることはできても
収益を3層構造にできるかというと難しく参入障壁が高い。」

 

「まず「売らない店」がテナントとして入れば家賃として小売の収入が上がる。
次に丸井グループが発行するエポスカードにテナントから入会する人が増える。
テナントのファンがカードを丸井の外でも使えば加盟店手数料が入る。
さらに、共創投資先がBASEや駿河屋など30社以上あるが、
それらがリアル店舗で顧客を拡大して成功すると株価が上がったり、
IPOしたりして投資収益を得ることができる。」

とのことです。 コメント引用は以上です。

多くの商業施設が、空きスペースを埋めるために、
流行りの未来型テナントとしてDtoCを標ぼうする企業たちのテナント誘致をしていますが、
そのトレンドに乗るだけでは、今までと変わらない、儲からないだろう、
と自信を見せているコメントです。

丸井の場合、正直、自己資本比率は高くありませんが、
ある意味、「金融会社」なので、資金調達力があります。

これで、まずは高利回りの稼ぎ頭である、
金融(フィンテック)事業を回す。

逆に言えば、ここが回っていれば、心配はありません。
世の中で最も強いビジネスのひとつですから。

そして、かつては自前でも商売していた自社物件(館)を活用しながら、
今は自社販売ではなく、家賃収入を得る。

他人資本を上手く活用して金融と不動産を回しながら、
積み上げる自己資本で未来型企業に投資をするという
投資会社になろうとしているわけですね。

正直、現在投資されている先が思うように収益化するか、
また、出口が見つかるかどうかはわかりません。

しかし、金融事業という強い事業の後ろ盾を持ち、
未来に向けて投資会社として変化しようとする姿には
力強さを感じたものでした。

 

話は変わりますが、ここのところメディアで目につく
「売らない店」という表現には違和感を感じています。

日本で開業するショールーム店舗は、なぜか頑なに、
売らないとか、在庫を持たないとか、購入はオンラインで、とか・・・

寸止めというか、小売業の役割を放棄して、企業の都合を押し付けている感じがしてしかたありません。

商売なんだから、売ったらいいんじゃないでしょうか。
買った商品を持って帰れるのも、大きな顧客満足のひとつです。
 
お手本にされている海外のショールーム店舗の多くはある程度在庫を持ち、持って帰りたい顧客にその場で売っていますよ。

在庫が切れている時はオンラインで買ってね、と薦めて来ますが。

なんか、カタチだけではなく、顧客の立場で考える覚悟も 是非、見習って欲しいものです(笑)

最後までお読み頂き、ありがとうございます。

 執筆: ディマンドワークス代表 齊藤孝浩

【オススメ本】 これから10年先のファッション消費の未来のカギになることは何? 世界で進む、顧客の購買行動の変化に合わせたオン・オフ問わないオンラインの活用、そして顧客のクローゼットを起点としたサステナブルな取り組みとは?いずれにせよ、カギとなるのはお客様のストレスの解消しようとする情熱とそれを実現するイノベーションに他なりません。

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January 31, 2022

Amazon(アマゾン)が解決しようとするファッションストアの課題とは?

Amazon-go

アマゾンが初のリアルファッションストア、amazon style (アマゾンスタイル)を今年の年末までにロスアンゼルス北部のグレンデールにあるオープンモール型ショッピングセンター、アメリカーナ・アット・ブランド内にオープンするそうです。 

The AMERICANA at Brand

amazon styleの売場面積は848坪、同SCのHPにあるダイレクトリーを見るとH&Mの隣になる模様。

同ショッピングモールはノードストロームがアンカー(核)テナントになっていて、
ハイブランドは入っていませんが、J.CrewやLulu LemonやAnthropologieやNike Community Storeなど中の上くらいのブランドが多いようなので、だいたい客層は想像できるでしょう。

ここ、以前「ライフスタイルセンター」というキーワードが話題になったころ、10年近く前でしょうか、
一度、視察に行ったことがあるところです。

品揃えは、メンズ、ウィメンズ、靴、アクセサリー

基本セルフ販売で、程よくコーディネート提案をする売場の中で、

・気になった商品のQRコードをショッピングアプリでスキャンして詳細を知り、

・試着したい場合は、試着予約をして試着室に用意ができればアプリにお知らせが来る

・試着室内のタッチスクリーンで他の色、サイズ、商品をもって来てもらうことも可能

・試着不要であれば、注文後、ピックアップカウンターからそのまま持ち帰ることもできるようです。

また、

・オンラインで見つけたものをアマゾンスタイルに取り寄せ、試着することも可能。

・店舗で一度スキャンした商品は、帰宅後に再考できる。

という オン↔オフを行き来する顧客のシームレス体験も可能とし、

過去に購入したり、閲覧したり、スキャンしたりした商品からAI(機械学習)による商品のレコメンドもしてもらえるそうです。

amazon styleがどんなイメージになるのか?のビジョンはこちらの動画ではっきり紹介されています。

amazon style

 

amazon go(アマゾンゴー)でコンビニの

amazon books(アマゾンブックス)で書店の

顧客の店舗でのお困りごと(ペイン)を見事に解決したamazonが・・・

果たして、ファッションストアにおいて固有のどんなお困りごとを解決しようとしているのか?

ニュース記事で読んだり、この動画を観る限り、

さすが、顧客の「ナラティブ」から発想するアマゾン、

かなり、現在、顧客の立場になったら考え得る、ファッションストアにおける顧客ソリューション型の

OMO(Online merges with Offline)のビジョンを実現しようとしていますね。

そして、そのビジョンは、

アパレルの世界王者である、ZARAが

2018年に六本木で行ったONLINE POPUPストアの試みにかなり近いものがあるというのが筆者の見立てです。

そして、あの時のZARAの試みよりも、更に優れているのは・・・

・多くのブランドの中から選べること、

・オンラインで見た商品を店舗に取り寄せて試着できるところ、

そして、

・購入した商品をその場から持って帰ることができるところでしょうか。

(ZARAの場合は、当時、午前中注文したら、夕方以降に店舗で受け取れる、あるいは宅配の選択肢でした)

どうぞ、みなさんも動画を観て、未来のファッションストアを想像してみてください。

年末のオープンが楽しみですね。

筆者もいずれ、海外渡航に自由に行けるようになったら、

いの一番に体験しに行きたい店舗のひとつだと感じました。

関連エントリーー【アメリカ西海岸リサーチその1】 ストア側からのデジタル化が進むアメリカ amazon books、 amazon go 、そしてNikeが実現しようとしていること

関連エントリーーナラティブ(顧客を主人公にした物語)から考える

 

最後までお読み頂き、ありがとうございます。

 執筆: ディマンドワークス代表 齊藤孝浩

【オススメ本】 これから10年先のファッション消費の未来のカギになることは何? 世界で進む、顧客の購買行動の変化に合わせたオン・オフ問わないオンラインの活用、そして顧客のクローゼットを起点としたサステナブルな取り組みとは?いずれにせよ、カギとなるのはお客様のストレスの解消しようとする情熱とそれを実現するイノベーションです。

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December 27, 2021

EC発人気レディースブランドのキーパーソンたちが語るSNS時代の顧客目線

Photo_2021122712300112月22日、23日の繊研新聞にEC発の3つのレディースブランドのキーパーソンへのインタビュー記事が連載されており、楽しく読ませていただきました。

3ブランドとキーパーソンとは、アメリのCEOの黒石奈央子さん、エトレトウキョウのクリエイティブディレクターのJUNNAさん、トゥデイフルのライフディレクター兼デザイナー吉田怜香さん。

記事の中で、なるほど、と共感した部分を引用しながら、顧客と共につくるブランディングの視点について考察してみたいと思います。

まずは、アメリの黒石さん

10月に定額制会員サービスを始めたそうで、社内で定額課金(サブスク)サービスを「アメリ」らしく行おうと話し合った結果、設けた特典のひとつが、

「人気商品は即完売することがあり、会員が欲しい商品を発売前日に購入できる」

というサービス。

これ、いわゆるファストパス的なサービスですよね。

アメリのサイトによれば、その他に限定アイテムの発売、購入時の送料無料、ポイント2倍、会員限定Instagramへの招待があるようです。

世の中のポイント還元を中心とした「会員制」は年間購買額に応じて沢山買ってくれる人ほど、たくさんの割引を受けることができる、というしくみが圧倒的に多いですよね。

筆者はその「常識」(?)に、少々違和感を持っていましたが、

ファンが高額購入または定額課金でブランドの利益と事業の継続を支える、ブランドは支えて下さるファンに割引だけに頼らない「特権」で報いる。

そんな定額課金に基づく会員制によるファンづくりが・・・

これからリテーラーに広がって行くような気がしていたので、いい顧客育成アプローチだな、と思いながら読んでおりました。

 

次に、エトレトウキョウのJUNNAさん

インスタライブでいつも「愛を持って服を育てることは人生を豊かにするよ」と話している、という話。

「例えばニットを売るときも、商品の話ではなく、手入れの方法を伝え長く着てもらう知恵を共有します。」(「」内引用)

「できる限り、数年前に売った服を今も着ているとも伝えています。好きな服をずっと着てもいいんだという安心感は信頼につながっています。」(「」内引用)

とのこと

今年の服を売る、新しい服に着せ替えるのがアパレル企業にとっての「常識」ですが・・・

一方で、お気に入りを長く、賢く着たい、そこに上手く新しいものを取り入れたい、というのが顧客側の「常識」です。

これまで、店頭接客(ECも)はそのギャップの葛藤の連続だったと思います。

売り手が、販売する時に、「長く大切に着てね、こうすれば長持ちする」とか、「(私も)数年前のものも大事に着ている」と伝えることは、買い手に優しい、共感を生むコミュニケーションではないか、と、とても共感したものでした。

 

最後にトゥデイフルの吉田さん

「前シーズンに出した服を翌年に売ることもあります。
私は数年前の服でもお気に入りはインスタグラムに載せるのですが、それを見た顧客から「怜香さんも3年愛用しているんですね」との共感もある。2年目とか3年目に売れる服もあります。」(「」内引用)

 

「SNSに強いから自分が前に出て新しい服をすすめないといけない。
けれど、「これ可愛いです。長く着られます」って毎年新作を見せることには違和感がある。私は良い服を長く着る提案をしていきたい。」(「」内引用)

これが、顧客目線の等身大的な発想だと思うのですよね。

新しい服を売り込まなければならない企業 

以前買った服を大切に、上手に今年風に着たい顧客

売り手の都合を押し付けてばかりいたらギャップはますます広がることでしょう。

サステナブル(持続可能)って、別に環境に優しい素材でつくればよいって話だけではなく、
売り手の都合だけでなく、買い手の購入や入替をストレス少なく、持続可能にすることが大事なことだと思っています。

この記事に登場したご本人たちはファッションリーダーであると共に、こういった顧客目線、等身大的発想のできる方々。

そんな視点が、ますます共感を生み、事業を持続可能にするキーワードのひとつなのではないか、とあらためて感じたものでした。

追伸 舞台が店頭からオンライン、SNSコミュニティにも広がっただけで、実は昔から同じ話です。

最後までお読み頂きありがとうございます。

 執筆: ディマンドワークス代表 齊藤孝浩

 

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December 20, 2021

アパレル国内生産回帰は進むのか?~仕入原価が上がっても、値下げを抑えることで、利益を高める商品調達戦略へのチャレンジを

Photo_2021122013060112月15日の日経新聞1面にワールドやTSIなどの百貨店で販売する大手アパレルが国内生産回帰をする動きに関する記事が掲載されていました。

コロナ禍で海外生産のサプライチェーンが混乱し、海外調達の原価高騰も相まって、海外で生産するメリットが薄れて来たため、国内生産比率を高めて、商品の安定調達をしようというものです。

この記事を読まれて、

・これまで金額ベース79%、数量ベース98%まで進んだ輸入浸透率(国内流通品の海外生産比率)を、一体どこまで国内生産に戻せるのか、

・海外生産が進んで、減り行く国内の縫製現場において、果たして優良な生産委託先がこれからどれだけ確保できるのか、

・一旦は、多少国内生産に戻っても、また、いずれは海外生産に戻る、を繰り返すだろう

などなど、業界関係者の中では、いろいろなコメントがあるかと思います。

筆者がこの記事の中で注目したいのは、

「国内生産は海外と比べてもコストは高い。注文から納品までの時間短縮などで廃棄ロスや機会損失を大幅に削減してコスト上昇を相殺できるとみる。」

という正論の部分です。

つまり、国内での安定生産を

これから「腰を据えて継続する」上でカギを握る、損益の話です。

これ、業界では、長年、何度も繰り返して来た議論になりますが、

ベーシック商品はともかく、シーズントレンド商品に関しては、
遠くでつくるほど、在庫リスクを抱え込むことになります。

季節性やシーズントレンドがあるファッション商品は
いくら製品の仕入原価を数十%抑えることができるから、と
人件費の安い国で、安くつくったとしても、

生産ロットが大きくなったり、
リードタイム(生産期間)が長くなることで、
在庫リスクを抱えてしまうことになりかねません。

適時適価適量でうまく売り切ることができればよいのですが、
そもそも、原価が安いのには理由があるわけで・・・

そこにコスパを感じられなければ、
それに敏感に気付く消費者は購入を見送るでしょう。

シーズン末までに売り切れない在庫量を抱えることで、
安易に30%OFF、50%OFFと大幅値下げをすることになれば、

せっかくの当初の数十%の原価低減努力も、
あっけなく、水の泡になりかねないという話です。

値下げという行為は、結局は売上原価に回って、粗利を減らしてしまうものですからね。

古くからアパレルビジネスに携わる人の中には
「バーゲンが一番儲かる」という方が少なくありません。

妙な話に聞こえるかも知れませんが・・・

つまり、値下げをすることで、販売数量が増え、
売上額、粗利額が大きくなるから、


値下げに耐えうる原資が確保できるように
低原価構造で値入をガッツリとって商品を調達しておけば儲かる、
という考え方をお持ちの方々です。

商業施設歩率家賃の高さや割引キャンペーンやタイムセール
また、ECモールのクーポンの乱発に対しても
同様の考え方で臨む経営者もいらっしゃいます。

筆者は、そういった考え方が、
であれば、安く作っておけばよい、と
原価率を下げるためのアパレル生産の海外シフト、
そして、東南アジア、南アジア方面への南下政策を誘発している
要因のひとつであると見ています。

国内から中国へ、そして東南アジアに生産地を移転したことで、
果たして、どれだけ原価が下げられたのでしょうか?

もし、それが、結果行ってしまう値下げ額に及ばないものであったら、
その生産地移転は本当に意味があったのでしょうか?

という話です。

仮に、シーズン通して、プロパー価格(当初販売価格)から
平均30%相当の値下げしているとした場合、

ちょっと無茶なことを言いますが、

今後、もし、一切、値下げをしない覚悟ができるのであれば、

その分、つまり値下げしていた分、
そのまま仕入原価をアップすることに充当できるはずです。

あるいは、
一切値下げをしないとまでは行かなくても、

値下げしていた総額をこれまでの半分にでも抑えることができれば・・・

仕入原価率35%のブランドは、


仕入原価が今までよりも3割高くても
損益は成り立つのではないでしょうか?

更に

百貨店ブランドのような仕入原価率20-25%のところであれば、

値下げを半分に抑えることで、
仕入原価は5割以上高めても、
今まで同様の利益が残るのではないでしょうか?

計算上、原価率が低ければ低かったところほど、
値下げ抑制効果は仕入原価アップを可能としますから。

そうすると、販売価格によっては国内生産も十分可能になる企業も出て来るはずです。

むしろ、商品原価が上がり、コスパが高まれば・・・


値下げの心配はしなくても、
自然にプロパー(定価)で売れる比率が高まり、

以前ほど数量を売らなくても、売上が増え、
「粗利率」は下がるかも知れませんが、「粗利額」は増え、

数量を沢山売らなくて済むことで、

在庫が減り、

販売スタッフの負担が少なくなり、

物流経費、管理コストが減り、

営業利益は増えるのではないでしょうか?

理屈ではわかっても・・・

これ迄、そのようにできなかった理由をひとつひとつ潰して・・・

何年かに一度のサプライチェーンの見直しの転機である今こそ、

是非、腰を据えて、経営者さんが覚悟を決めて、
持続可能で、お客様にも企業にためになる
商品調達戦略に取り組んでいただきたいところですね。

この日経の記事の最後の部分で

世界で「ニアショアリング」と呼ばれる、消費地に近い場所での生産が海外アパレル企業の間で広がっているという解説があります。

ニアショアリングとはオフショアリングの反対語で、

人件費の安い海外にリスクを取りながらアウトソーシングする後者に対して、

前者は同じ国の地方、または近隣国にアウトソーシングをするという意味です。

記事によれば、米コンサルティング会社、マッキンゼー・アンド・カンパニーのレポートによると、

38の国際的なブランドや小売業の7割が、今後、ニアショアリングを増やす計画とのこと。

2013年のラナ・プラザの大惨事以降、2015年のSDG'sの世界的広まりもあり、
特に5-6年くらい前から欧州の大手アパレルチェーンを中心に

オフショアリングとニアショアリングの使い分けの傾向が増えて来たことを筆者は感じていました。

ちなみにZARAを展開するインディテックスグループは、古くから、

・トレンド商品は近隣国で生産し、

・コスパで勝負のベーシックはアジアにアウトソーシングする

というポリシーを貫き、ここで言う、ニアショアリングとオフショアリングを商品特性ごとに使い分けて
グローバルで成功している先進事例と言えるでしょう。

多くの業界が、顧客が求める、商品の特徴ごとに商品調達戦略とサプライチェーンを組み直す、
今はそんな岐路に立たされている時です。

最後までお読み頂きありがとうございます。

 執筆: ディマンドワークス代表 齊藤孝浩

【おススメ本】先行するZARA、追いかけるユニクロ。ZARAの背中を見ていれば、まだまだやることはたくさんありそうです。

 「ユニクロ対ZARA」 2018年アップデート文庫本

 

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December 13, 2021

ZOZOの商品取扱高手数料収入以外の収入に注目

20211214_160350WWDJAPANに月イチ連載中「ファッション業界のミカタ」(ファッション流通企業の決算書の見方)。

今週発売のvol.32(12月13日号)ではZOZOの上半期4~9月期決算を取り上げさせて頂きました。

引き続き、ZOZOTOWN、PayPayモールを合わせた商品取扱高は拡大中。

ZOZOTOWN事業の伸びが鈍感していますが、PayPayモール側の伸びでカバーしています。

ここ数年気になっていた、低価格を望む客層の買上増に伴う、平均商品単価および出荷1件あたりの単価の低下は止まりませんが・・・

当期は物流費、決済手数料などEC販売でかかるメジャー販管費を効率化して、出荷一件あたりの利益額を高めているところに、既存事業収益化の努力の表れが見えます。

本紙では前年比だけでなく、5年以上の時系列比較をしていますので、是非、グラフや図表をご覧ください。

今、そして、これからZOZOの決算を見る上で注目すべきなのは・・・

商品取扱高以外の収入(売上高の中の出荷手数料以外の収入)です。

これらは売上高=粗利なので収益性向上に多いに貢献します。

今回(上半期)、特筆すべきは広告収入の前年比倍増です。

また、十数ブランドを対象に今期リリースした、

ZOZOで見た商品を、ブランドの顧客近隣店舗在庫を取り置いて、

顧客は店舗で試着した上で購入出来るサービス=ZOZOMO(ゾゾモ)に注目しています。

現在は、無料でブランド側に提供しているOtoOサービスですが、将来、商品取扱品の販売手数料以外の、広告収入に次ぐ収入としてマネタイズして行かれることを楽しみにしています。

あと、今回の決算発表では触れられていませんでしたが・・・

ZOZOTOWNのトップページのパーソナライズの準備が着々と進んでいるようです。

これが実現すれば、ZOZOTOWN事業も単価下落に終止符が打たれ、飛躍するのではないかと見ています。

日本最大のファッションテック人材を有する同社のユーザー最適へのチャレンジ、

引き続き、楽しみにしています。

最後までお読み頂きありがとうございます。

 執筆: ディマンドワークス代表 齊藤孝浩

 

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November 01, 2021

属人的になると、過剰在庫を抱える原因になりがちな、業務フローの3つのボトルネック

組織の規模が大きくなって・・・
2743649_m関与する人が増えたり、

オムニチャネル時代のように事業が店舗販売だけでなく、EC販売強化など
時代にあわせて新しいステージに入ると

今まで上手く行っていた業務も
そのどこかに「ボトルネック」が発生するものです。

「ボトルネック」とは在庫が滞留したり、情報が相手に上手く伝わらず、
業務が滞って先に進みづらい箇所のこと

事業の業務フローの中には多かれ、少なかれブラックボックス的なものが存在するものですが・・・

だからと言って、その箇所を放置していたら深刻な経営危機に陥ることも・・・

先日のクライアントとのミーティングも、正にボトルネックがテーマでした。

それらを解消せずに、部分最適な改善の話に取り組んでも、
木を見て森を見ず的な議論、そもそも論になって徒労に終わるよね、

ということを理解して下さり、

視野を広げて、どこにボトルネックがあるのか、
そこに対して何ができるか、に取り組むことになりました。

ファッション小売業の事業の商品計画から販売管理をご支援していて、
いつも業務が属人的(ブラックボックス)になり、
「ボトルネック」になりがちと感じるのは
だいたい、以下の3つのポイントに集約されると感じます。

1.商品計画とその情報共有 (プレシーズン)    

仕入予算をMD やバイヤーがどんな商品計画に基づいて、
何をどれだけ発注したのか、が担当者任せで他の人に伝わっていない

→伝わらないことで、販促(マーケ)担当の力の入れどころが的外れになり
 販促費の無駄づかい、せっかく作った販促物が、本来売らなければならない
 商品の販売促進に活かせていない

2.発注後の約残管理と入荷管理およびその社内連絡 (販売開始直前時期)

仕入担当者が手一杯で、発注済み商品の整理が出来ておらず
近々の入荷予定商品の詳細も、実際に倉庫に入荷するまでわからない

→倉庫に在庫が一時滞留し、店舗で販売態勢を取るのが遅れる、
 更にEC販売開始にもタイムラグが・・・
 
3.販売期限が明らかでない (期末に向けての売り切り段階)

いま販売している商品はいつまで販売・補充が続くのか、
一体、いつまでに売り切ればよいのか、
仕入担当者はどんな着地を望んでいるのか?

を販売担当者である店舗やEC担当者がわかっていない

→今売れている商品を、これからもどんどん売ることに精いっぱいになって
そうでない商品に手が回らない。在庫の店舗ごと、店舗/EC間の偏在解消が
後手にまわる。

あたりでしょうか。

ファッション商品、特にシーズン商品は販売期間の短い商品であり、
特に最初の数週間の機会ロスが致命的であることは言うまでもありません。

その結果が、バーゲン時期の大幅値下げ、想定以上の期末売れ残り在庫の発生へとつながりがちです。

これだけ、書き連ねると、まるで、仕入担当者の責任と思われがちですが・・・

仕入担当者は会社の中で最も忙しい職務のひとつ、

それらの業務を効率化したり、可視化するツールがない、共有する業務フローや機会(ルーティン)がない
結果、属人的(担当者のPCの中でそれぞれ違ったフォームで管理)になってしまっているものを
わかっていながら、放置している事業にも問題があると言わざるを得ません。

いろいろなことがデジタル化され、可視化される時代に・・・

これら利益に直結するボトルネックの部分だけが置き去りにされているのが
むしろ問題と感じます。

DXって、軽作業の軽減や効率化でなくて、
本来、利益の元になる、そんなボトルネックの可視化と解消に
焦点を当てるべきではないでしょうか?

それができれば、実際、粗利やキャッシュとして返って来ますから、
実はIT投資への回収は早いものです。

まずは業務フローの整理とかけている時間を明らかにすることから・・・
投資回収を早めるためにも、ですね。

【参考書籍】

「ボトルネック」と言えば、「ザ・ゴール」
業界改革において志を同じくするパートナーである
ゴールドラット・ジャパンさんが
名著「ザ・ゴール」のコミック版、アニメ版の普及に力を入れています。
以前、原著を読んだこともある方も是非、読み直して、
ボトルネック解消の大切さを噛みしめてみてください。
   

最後までお読み頂きありがとうございます。

 執筆: ディマンドワークス代表 齊藤孝浩

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September 27, 2021

インディテックス(ZARA)の2021年度上半期決算 第2四半期は過去最高益更新で回復中

Zara-londonインディテックス2021年度上半期決算(2021年2月~7月)が発表されていたので
資料に目を通しました。

あえて、前年2020年度対比ではなく、好調だったパンデミック前の2019年度対比でまとめてみます。

第1四半期(2月~4月)こそ、

売上高 パンデミック前の2019年度比 83%、
営業利益   同         58%でしたが、
営業利益率 11.5% (-5%)

99%のお店が営業状態に戻った 

第2四半期(5月~7月)は
売上高が 2019年比で 101.5%、
営業利益  同    105.3% 
営業利益率 16.0%(+0.6%)

と2Qとしては過去最高益となりました。

上半期を通じては

売上高が 2019年比で 93.1%、
営業利益  同    82.6% 
営業利益率 14.1%(-1.8%)

としてはまだまだですが、2Qの過去最高益の回復ぶりは特筆すべきことでしょう。

在庫状況についても

2Q末の在庫高は2019年とほぼ同じ水準で
在庫回転率 年換算ベース 4.5回転、
在庫日数80日前後 
と、優秀だった2019年の2Qの効率と同等に戻っています。

在庫の中味も健全である、つまり3Qの販売に必要な在庫のみ

であることをアピールしています。

コロナ禍、ニューノーマル化によって、グローバルトレンドを強味とするZARAは厳しくなるのでは?
という意見もありましたが、

当初計画通り店舗を大幅にスクラップ&ビルドしながら、
パンデミックの最中に店舗とECの統合プラットフォームを前倒しで完成させ、

EC在庫と店舗ストックルーム在庫の一元化(SINT)により
EC売上を2019年対比 137%増 (2020年対比 36%増)
と顧客の購買行動の変化に対応しています。

今年は店舗の回復を見込み、
EC売上比率は通年で25%相当になる見込みとのこと
(昨年は店舗売上が大きく減ったので32.4%)

こちらも、数年前からの計画通りの数値です。

ということで、業界の見方を覆し、
四半期ベースではありますが、コロナ前の好調な水準以上に戻したことになります。

あらためて、需要にあわせて、市場が求めるものをつくり続ける
という同社の柔軟性に驚かされます。

ここのところ、店頭やサイトを見ても、
モードというよりも、カジュアルトレンドを追求した
商品訴求が目立ちますね。

以前から、ZARAは、各サブセクションに
モードトレンドのオン・オフ 
カジュアルトレンドなオン・オフの
4軸のコレクションフレームを持ち

毎シーズンの需要に応じてその4つの構成比を変化させならが
売場を構成して来ました。

今回もパンデミック下における顧客の購買志向あわせたまでで、
結果、ニューノーマルの需要に対応できた、というわけです。

ここまで来たら、何でも来いですね(笑)

更に、これまで掲げて来た


店舗やショッピングのDX化の指標や
サステナブル系の指標においても

計画目標を何年か前倒しで達成中というから驚きです。

厳しかった8番目のブランド、服飾雑貨中心のUTERQUEをMassimo Duttiに統合したり、
ZARAの店舗の大型化にあたり、ZARA HOMEを展開する店も増やして行くというように
ブランドごとの対応も推進中。

パンデミックが落ち着けば、あらためて世界最強の強みを見せつけてくれそうです。

今後も、同社からは目が離せません。

最後までお読み頂きありがとうございます。

 執筆: ディマンドワークス代表 齊藤孝浩

【おススメ本】ZARAの強みをおなじみのユニクロと比較することであぶり出したビジネス読本。両者から学べることはまだまだたくさんあります。

 「ユニクロ対ZARA」 2018年アップデート文庫本

 

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September 02, 2021

【まもなく締切】9月30日(木)開催 オンラインセミナー 「たった3つの視点を共有すれば、過剰在庫が粗利とキャッシュに換わる! ~ファッションストアの組織づくりの秘訣」

Seminar2021fall

毎回、好評の経営者様、事業責任者様向けの
オンライン経営セミナー

たった3つの視点を共有すれば、過剰在庫が粗利とキャッシュに換わる!利益倍増!!
「ファッションストアの組織づくりの秘訣」

次回は 9月30日(木)に開催します。その次は10月21日(木)。各回募集人数が限られていますので、

お早めにお申し込み下さい。

アパレル・靴・服飾雑貨などシーズン商品を販売するファッションストアやEC販売事業において、事業規模拡大と共に、欠品を恐れて、「良かれ」と思っての過剰仕入や、仕入担当と販売担当のコミュニケーション不足が要因で過剰在庫を抱えてしまうステージが訪れます。

一旦、そのステージに突入すると、毎シーズン、同じことを繰り返しても、事業の売上規模は拡大できても、年々利益率が低下し、在庫回転率とキャッシュフローが悪化し、今までのやり方が通用しない!と痛感する大きな壁にぶつかります。

そんな壁を乗り越えられる組織と、乗り越えられない組織の違いは、一体どこにあるのか、ご存じでしょうか?

このセミナーでは、これまで、20年近くに渡って、「過剰在庫の壁」にぶつかると言われる、年商30億円から100億円規模のファッション販売事業に特化して、30以上のストアブランドさんと、過剰在庫を粗利とキャッシュに換えるための組織づくりと人財育成の支援に取り組んで来た講師が、多くの組織に共通する問題点を明らかにし、再現性と効果のあるアプローチに絞り込み、実際に取り組んで成果を上げた企業事例と共に解説します。

右肩上がりの成長・拡大期における過剰在庫対応だけでなく、先行きが見通しづらく、仕入を絞って在庫運用している今こそ・・・

実店舗にも、EC販売にも共通する、シーズン商品の在庫コントロールの組織づくりに取り組みましょう!

-セミナー詳細-

【開催日時】 ①2021年9月30日(木)15:00~18:00 ②10月21日(木)15:00~18:00

【場  所】 オンライン(ZOOM)開催。日本全国、どこからでも参加いただけます。

【講  師】 齊藤孝浩(タカ サイトウ)ディマンドワークス代表 プロフィール

【主な内容】 

〇 規模の拡大と共に過剰在庫を抱えてしまう本当の理由
〇 ファッション小売業にとっての在庫最適化とは?
〇 顧客購買行動にあわせた仕入管理と販売管理の原則
〇 商品MD計画を店舗やECの販売担当者と共有するための秘訣
〇 シーズン商品を売り切る組織に生まれ変わるために必要なこと

【参 加 費】  特別価格:25,000円(税込) 
       

【定  員】 各回 5名様(定員になり次第締め切りとさせていただきます)

【参加対象の方】ファッション専門チェーン、EC販売事業者の経営者様、経営幹部様、事業部長様など事業の組織づくりの意思決定や改革を指揮する立場にいらっしゃる方

セミナー詳細&お申込みは ⇒ こちらから

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