May 16, 2022

世界アパレル専門店売上高ランキング2021トップ10 

Zara-london_20220516125801世界がパンデミックからの回復が進む2021年度。世界の大手アパレル専門店各社の決算が出揃いましたので、毎年恒例になりました売上高ランキングTOP10を共有させていただきますね。

今回、売上高の増減はコロナ前からの回復度合いを見るために、19年度比とさせていただいております。

 円建て比較にあたり、為替レートは2022年1月末の €=128.66円、スウェーデンクローナ=12.24円、US$=115.14円、英国£=154.72円で換算しています。 

順位 社名 本社;決算期 売上高 19年比増減 営業利益 営業利益率 期末店舗数 基幹業態
1位 インディテックス (西;2022.1期) 2兆5,659億円 -2.0% 5,509億円 15.4% 6,477 ZARA
2位 H&M (瑞;2021.11期) 2兆4,341億円 -14.6% 1,867億円 7.7% 4,801 H&M
3位 ファーストリテイリング (日;2021.8期) 2兆1,329億円 -6.9% 2,490億円 11.7% 3,527 UNIQLO
4位 GAP (米;2022.1期) 1兆9,278億円 +1.9% 935億円 4.9% 3,399 OLD NAVY
5位 プライマーク (愛;2021.9期) 8,653億円 -28.2% 642億円 7.4% 398 Primark
6位 ビクトリアズシークレット (米;2022.1期) 7,831億円 -9.7% 1,003億円 12.8% 899 Victoria’s Secret
7位 NEXT (英;2022.1期) 7,522億円 11.5% 1,393億円 18.5% 477 NEXT
8位 ルルレモン (加;2022.1期) 7,221億円 57.2% 1,538億円 21.3% 574 Lulu Lemon
9位 しまむら (日;2022.2期) 5,836億円 11.8% 494億円 8.5% 2,204 しまむら
10位 アメリカンイーグル (米;2022.1期) 5,783億円 16.3% 682億円 11.8% 1,133 AEO

※お断りですが、大手企業の中で、アメリカのTJXやROSSのようなオフプライス・ストアはブランド企業の余剰在庫の買取販売が中心ということで、除外させて頂きました。
また、非公開企業で欧州大手アパレルチェーンのC&Aおよび、中国産地からの越境ECのみでアメリカ、中東など世界中に売り込み、急速に拡大を続けるファストファッション企業、SHEIN(シーイン)あたりもTOP10の5位前後にランクインする規模と思われますが、それぞれ、正確な売上高がつかめなかったため、除外しております。 

【解説】

まず、回復が最も著しいのはアメリカ勢ですね。政府から消費者に手厚い給付金が何回も支給されたアメリカの小売業は総じて活況とのこと。

ギャップ、バナリパはリストラ中もオールドネイビーが絶好調のGAP、
前年にLブランズ社から分社化されたヴィクトリアズ・シークレットのカムバック、
エアリの評価が高いアメリカンイーグルの業績回復、黒字化が顕著です。

欧州市場がメインマーケットのため、まだ回復途上ではありますが、ZARAを展開するインディテックスも、中国で不買運動が起きて大きく売上を落としたH&Mも、アメリカ市場の業績がそれ以上に好調で、その好景気の波に乗ったと言っても過言ではありません。

関連エントリーー分社化が完了し、ヘルス&ビューティー企業となったLブランズ(エル・ブランズ)

次に、外出自粛、営業制限で加速したEコマース対応について。
店舗の売上回復と共に、EC売上比率が下がった企業が多いですが、引き続き各社のEC売上そのものは伸び続けています。

特に各国のEC倉庫在庫と店舗のバックヤード在庫の一元化が完了したインディテックス(EC化率は前期32.4%→当期25.5%)、

EC注文の翌日店舗無料受取りを可能にしているネクスト(EC化率は65.3%→63.8%)の伸びは大きいです。

コロナ禍が加速させた、オンラインとオフラインを行き来してお買い物をする消費者購買行動へのシフトに対応することは小売業にとって待ったなしであることは間違いありません。

関連エントリーーZARA(ザラ)のインディテックスの2022年1月期(FY2021)決算。最高益間近の回復力の源泉はオムニチャネル施策と・・・

関連エントリーーロンドンで進化するクリック&コレクトと通販受け取り拠点の多様化

その一方で、トップ10企業の中でも最低価格帯のプライマーク(第5位)は、引き続き、一切、Eコマースを行っていません。

但し、オンラインサイトの掲載商品比率を全体の70%まで上げ、サイトで見た商品の近隣店舗の在庫を表示することで、店舗でのお買い物前にオンラインでスタイリングや商品の下調べを楽しめる環境は整えています。

しまむらも引き続き売上は全社売上比1%にも満たない状況です。しかも、EC売上の9割は店舗で、送料無料で受け取られているという現実。

2社の動向から読み取れるのは、低価格品を扱う企業にとっては、送料のかかる宅配ECは適しづらいということでしょう。

このように、EC購買が進む時代においては、在庫と物流がカギを握ることになりますね。

この点に早くから投資をし続けているのは、ネクスト。

同社は自社商品以外のブランドも自社ECで販売したり、自社物流網に乗せて配送したりしています。更に、自社が構築したインフラを活用し、顧客向け宅配物流(フルフィルメント)や他社のECサイト運営代行まで手掛け、いわゆるプラットフォーマーとしての収入も高まって来ています。

また、物流の重要性に目をつけた、アメリカンイーグルは3PL(サードパーティロジスティックス)の物流企業を買収し、他社のEC販売商品も運び始めました。

各社の取り組みから、これからの流通はいかに物流に投資するかの時代であることも読み取れます。

最後になりましたが、

今回、ヨガやランニング用のアスレチックアパレルを販売する、いわゆるライフスタイル提案型のルルレモン社(カナダ)が世界トップ10規模になり、営業利益率21.3%!という10社中、最も高い営業利益率で成長を続けていることを指摘しておきたいです。(EC化率は前期52.0%→当期44.0%)

これまでバリューやコスパの競争であった世界の大手アパレルチェーンの一角に・・・

いよいよライフスタイル、高付加価値商品、コミュニティストアをテーマとしたチェーンが食い込んで来たのは

新しい時代の幕開けではないでしょうか?

ルルレモンのランクインを歓迎し、今後もそんな付加価値提供型の企業が成長企業として台頭してくることを期待したいと思います。
                               
最後までお読み頂き、ありがとうございます。

執筆: ディマンドワークス代表 齊藤孝浩

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【おススメ本】 ベーシックのユニクロとトレンドファッションのZARAの共通点とアプローチの違いを体系的にまとめ、多くのファッション専門店のブランディング、マーケティング、商品開発、販売戦略、在庫管理、拡大戦略の参考にしていただける内容に仕上げました。SHEINやルルレモンなど新しい勢力を理解するにも、常勝企業の原理原則を知ることで見方が変わってくるはずです。

 「ユニクロ対ZARA」(2014年発売) を2018年のデータでアップデートした文庫本です。

 

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April 25, 2022

ファッション商品の中古品販売代行、リセール・アズ・ア・サービス Resale as a Service (RaaS) の可能性

Circular-economy-aいつも楽しく読ませて頂いている日経MJ連載の鈴木敏仁さんの「米国流通現場を追う」
先週はアメリカで存在感が高まる中古ファッション商品のオンラインリセール販売企業についてのコラムでした。

アメリカの中古ファッション品のオンライン販売の大手は

一般ユーザーが手放そうとする所有アイテムの販売代行をメインとする

レディース、キッズの低価格帯から高価格帯まで有名ブランドを扱う 
thredUP スレッドアップ

ラグジュアリーに特化した
The real real ザ・リアルリアル

日本のメルカリのように一般ユーザーにファッション商品に特化してCtoC売買のプラットフォームを提供する
ポッシュマーク

などがあり、これら3社はいずれも上場企業です。

このうち、スレッドアップのビジネスモデルを紹介すると、

着なくなったファッションアイテムを手放したいユーザーから送ってもらい、

スレッドアップの倉庫で販売可能かどうか、商品を検品した上、

一定期間 預かってオンライン販売開始、

その間に売れたら販売手数料をとって代金を出品者に支払う

販売できないと判断されたもの、あるいは一定期間売れなかったものは、
ユーザーに返却するか、寄付するか、リサイクルに回すという選択肢があるようです。

この間の買い手とのやりとりはスレッドアップが代行する、というものです。 

同社の決算書のPLやBSを見ると

売上の内訳は販売代行分が75%、自社在庫販売分が25%の割合のようです。

BSを見ると、在庫日数105日分の自社在庫が計上されていますね。

上場企業ですが、規模の拡大と共に、まだまだ赤字も膨らんでいる状況です。(これは同業のザ・リアルリアルも同様)

将来性を期待して投資された、投資家からの調達資金は、
ユーザーから送られた商品の検品、在庫管理、オンライン販売の自動化のシステムなど、
主に事業拡大のための自動化に投資されているようです。

やはり、面白いなと思ったのは、鈴木さんがコラムで取り上げていらっしゃる、
自らが構築した中古販売のプラットフォームをブランド企業に提供する動き
=RaaS(リセール・アズ・ア・サービス)という取り組みです。

 ※ Resale as a Service (RaaS) はスレッドアップ社の登録商標のようです。

ブランド側はサイトにスレッドアップの中から自社ブランドに特化したサイトを埋め込み、
中古品も取り扱っているように見せることができます。

ユーザーが着なくなった同ブランドの服を回収し、
将来、ブランドでの購入に使えるクレジット(クーポン)を付与

ユーザーから送料スレッドアップ持ちで送られて来た商品は、
査定から販売およびその後の処理までスレッドアップがすべて請負うようです。

サイトを見ると、アディダス、バナナリパブリック、アバクロ、メイドウェル、アンソロポロジーなど著名ブランドが参加、

また、鈴木さんが驚かれていたように、

なんと、ウォルマートのECサイト内にも、
ブランドに関係なく、ラグジュアリーブランドから低価格ブランドまで、たくさんのブランドの中古品が販売されている格好になっています(実際には裏でスレッドアップが販売代行)。

スレッドアップのサイトにも、ラグジュアリーブランドに特化するザ・リアルリアルのサイトにも
共通して掲載されているアメリカでの服の廃棄問題についての情報をご紹介しておきましょう。

アメリカ人の2人に1人は着なくなった服をゴミとして捨てる。

そのうち73%は焼却されるか、埋められることになる。

実は、その93%はリサイクル可能なのにも関わらず。

捨てるのではなく、(私たちリセール企業に)再販のために手放してくれれば、
あなたが使わなくなったファッションアイテムは第2のユーザーに引き継がれ、

商品としての寿命を2年以上伸ばすことができる。

としています。

このサービスを利用するスレッドアップと提携するブランド企業側のメリットとしては、

これまで通り、新品だけを販売し続けるだけではなく、

大量消費、大量廃棄時代に、ユーザーが着なくなったものに対しても
配慮をしているという姿勢を示すことができること。

ユーザー側も、新品だけでなく、
状態がよい古着も、ブランドを購入する際の選択肢に加えることができること。

更に、ブランド企業側にとって、
中古品がブランドに相応しくない、手放され方、売られ方をするよりは、
どんな商品がどのような状態でユーザーから手放されるのか、販売されるのか、
目が届く範囲で購買行動と共にモニターができる、

というメリットもあるでしょう。

このような、「つくる責任、つかう責任」に関与しようとする企業活動に対して

自社で取り組むブランドもあるようですが、

自社で取り組むにはコストがかかるため、スレッドアップのような企業と組むという選択肢もありなのでしょう。

かつては中古品は新品販売と競合するため、関知しない、ことがファッション企業の常識でした。

これに対して、筆者は、拙著「アパレル・サバイバル」(2019年2月出版)で

ユーザーが使った中古品と言えども、外車流通がそうであるように、
ブランド企業自身が流通に関与する時代がやって来てもおかしくない、

中古品は状態をメンテして、ブランドのエントリー商品に位置付けることができるかも知れない、

むしろ、ブランド側は今後、積極的に関与することを考える時代が来る

そんな主旨を問題提起させて頂いたものでした。

現在、日本では、

ZOZOTOWNが新品と同じサイト内で、
ZOZO社が下取りして買い取ったブランドのUSED商品を、
同じブランドの新品販売のすぐ隣にあるタブ違い(新品/中古)で販売しているのはご存じの方も多いと思います。

中古品(USED)が購入の選択肢に入り、服の寿命が長くなることは・・・

マクロ的に見ると確かに新品マーケットの規模縮小に繋がることは否めませんが、

それは過去の企業視点の発想であって、

捨てることを前提とした消費から脱却したい、という若い世代が増えて来るにつれて、

その循環を企業がみずから管理するのか、パートナー組んで行うのか、引き続き関与しない、と決め込むのか・・・

この選択は今後、避けては通れない論点であることは間違いないと思います。

最後までお読み頂き、ありがとうございます。

 執筆: ディマンドワークス代表 齊藤孝浩

【オススメ本】 企業はつくって売るだけではなく、これからは企業も顧客のクローゼットのワードローブの循環を手伝う時代。著書の後半部分ではそんな循環型社会の幕開けについても述べています。

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April 11, 2022

メルカリが物流子会社「メルロジ」で取り組む、持続可能な宅配物流量平準化へのチャレンジ

Photo_20220418000101 4月8日の日経新聞にメルカリが物流子会社「メルロジ」で、
「ゆっくり宅配」の選択肢を顧客に提供し、近年パンク状態の宅配物流の物量平準化に取り組むことに関する記事が掲載されていました。
記事によれば
日本の宅配件数は現在、年間50億個もあるそうですが、
そのうち、アマゾンが約7億個で全体の14%を占め、
メルカリもそれに迫る全体の約1割の約5億個にまで増えているそうです。
そして、コンビニから発送される宅配荷物のなんと、8割はメルカリ関連のものとのこと。
そこまで宅配に占めるシェアが高くなれば、メルカリ自身も、他人事ではなく、社会的な役割が問われて来るというわけです。
こちらも記事内で紹介されている宅配物流業界の情報ですが、
日本の営業用トラック便の積送効率は20年度に4割を切った模様で・・・
これは、つまり、スペースの6割以上は空の状態でトラックが走っていることを意味しています。
以前、小口のオンデマンドで運ぶゆえ、宅配物流の往復積載効率は4割程度が実状と運送業界の方が嘆いているのを聞いていましたが、
企業間物流(BtoB)はもっと積載効率は高いと思うので、平均が4割を切るとなると、
宅配(BtoC)だけでみるともっとひどい状態になっているということでしょう。
加えて宅配には再配達もありますし・・・
つまり、そんな非効率な状態では、荷主は一個あたりの宅配運賃は満載状態時と比べて
2.5倍相当の料金を払わされてもおかしくない、という話です。
そんな状況の中で、
これまで「安く、速く」が競争の常識だったEC宅配の世界で、
ゆっくりでいい人は送料が割引、あるいはポイント付与のようなサービスを増やして行こう
という試みが「ゆっくり宅配」の目的です。
需要の都度、荷物が動くBtoC宅配だったとしても、
上手く、定期ルート便の物量を平準化することにより、出来るだけ顧客の近くまでBtoBで運ぶことによって実現するチャレンジ。
元アマゾンの物流責任者だった方がメルカリに転身し、
「速さ」とは180度違う観点で取り組む物流プロジェクトというから面白いことになりそうですね。
上手く軌道に乗り、将来は、メルロジがメルカリ以外の他社の荷物も運ぶサービスを提供するようになることを楽しみにしています。

 

記事を読んでいて思ったのですが・・・

日本の企業って新しい施策に取り組む際
競合他社を見て競合対策で取り組んだり、
社内の業務の都合で導入が決まることが多く・・・
顧客の立場で考えるって視点が欠けている
顧客不在の議論をしている企業が結構多いなって、いつも感じるのは私だけでしょうか?
送料の安さや速さを競うスピード配送しかり。
特定の部署だけが導入する部分最適なDXと呼ばれているソリューションなんかにも多いなって感じます。
そして、その結果、どこかに皺寄せが来たり、無理強いが起こるわけです。
そのツケを顧客が払わされるとなると最悪です。
配送のスピードについては、
確かにお客さんの中には、「速く」を希望する方もたくさんいらっしゃるとは思いますが・・・
選択肢を提示すれば、自分の都合で店舗へ取りに行く方もいらっしゃれば、
急いでないから、あるいはいつでもいいからできるだけ安い選択肢を好む方もいらっしゃいます。
そんな顧客の要望の多様性を理解して、上手くミックスして、知恵を絞ってサービスを提供することこそが、
これからの持続可能な経営のカギになると思っています。

最後までお読み頂きありがとうございます。

 執筆: ディマンドワークス代表 齊藤孝浩

 

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April 06, 2022

しまむらの2022年2月期決算は過去最高売上・利益を更新。次の成長ドライバーは・・・

20220412_1839474月5日に発表された、しまむらの2022年2月の決算発表資料に目を通しました。

売上高 5836億円(107.6%)
売上総利益率 34.1%
営業利益 49億円(130.0%)
営業利益率 8.5%

で売上高、営業利益、経常利益、当期利益とも過去最高でした。

売上の75%を占めるファッションセンターしまむらが、短サイクルMDと期中でも柔軟に売場の部門構成比を変える需要連動型の品揃えが奏功し、

売上高が前年比106.8%、19年比109.6%となり、巧みな在庫コントロールで値下げも減らし、営業利益率が10%(前年は8.8%)になったのも大きいですが、

当期のトピックは

売上高が695億円前年比110.9%となったバースデイの大幅増収増益(営業利益率前年4.5%から当年6.4%に)と

同じく544億円前年比110.0%になったアベイルの増収黒字化(-0.6%から2.8%に)が大きいのではないでしょうか。

バースデイとアベイル業態は構成比が10%を超えたので、今後、数値を開示して行くことになると思われます。

メイン業態のしまむらは

前年比、前々年比は伸ばしていますが、まだ、2017年2月期のしまらーブーム当時の売上にはまだ及びません。

部門別売上を見ると、

コロナの影響を受けなかったと見られるしまむらも、けっして服が売れているわけではなく、
婦人衣料、肌着などの落ち込みをベビー子供服、洋品小物、インテリアでカバーしているのが実状。

もっとも、しまむらは服が売れなければいけない、という業態ではありませんが・・・

EC売上は前年比164%で28億円になったとは言え、全社売上比0.5%程度。
その9割が送料無料の店舗受取りとのこと。

低価格チェーンはお客様も送料無料ハードルを越えほど無理に買うのも大変ですし、

チェーン側も送料無料となると薄利になるので、

EC売上は伸ばしづらい、あるいは、プライマークのように、やらない、というのが世界的な傾向のようです。

しまむらは、過去最高売上、最高益を計上して、

今後、都心出店に再チャレンジするそうです。

家賃条件さえ合えば、都心部は販売効率は高くなることは間違いないので、
立地を精査しながら、今後、都心出店が同社の成長ドライバーになるかどうかに注目ですね。

さて、間もなく世界アパレル専門店売上高ランキング2021年度版がまとまりますが、
しまむらはランクは下がりますが、トップ10内に残っています。

過去1年の世界の強豪各社の動向を見ると、

多くの企業が、顧客購買行動のパラダイムシフトにチャレンジし、大きく変化対応に踏み出しているのがわかります。

チェーンストアにとって、出店拡大や品揃えの変化だけが仕事じゃない、

企業の時代の変化対応のビジョンが求められている時に、
しまむらはどんな未来を描くのか?そんな業界リーダーシップにも期待したいと思います。

最後までお読み頂きありがとうございます。

 執筆: ディマンドワークス代表 齊藤孝浩

 

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March 28, 2022

「アマゾンvsウォルマート」を読んで~アメリカでしのぎを削る2大流通企業の狙いを通じて小売業の未来が想像できる書籍

20220401_165503アメリカの流通業界の情報取得で、いつもお世話になっている鈴木敏仁さんが書かれた

新刊「アマゾンvsウォルマート(ダイヤモンド社)」を読みました。

新聞やメディアの記者ではなかなか書けない、

長年、現地で両社をウォッチ(定点観測&IRリリース)し続けて来た流通企業での業務経験のある鈴木さんならではの切り口でウォルマートとアマゾンの歴史とチャレンジを表から裏から解説して下さっており、

小売業の実務を支援する立場の私にとっても、とても共感でき、刺激が多く、大変勉強になる一冊です。

特に印象に残ったところを、ネタバレにならない程度(笑)にいくつかご紹介させていただきますね。

前半でウォルマートのEDLP(エブリデイロープライス)の話が出て来ますが、
その「本質」は私自身、「何度も」聞いてきたはずの話なのに、

それを愚直に実践しているウォルマートの話がとても新鮮に感じてしまうのはなぜなのかを考えさせられました。

同社が常に安い価格を実現できるのは、そのバイイングパワーだけでなく、「安定した」ローコストオペレーションゆえ。

しかし多くの小売業が、ただ大量に買うからと仕入先を叩いたり、自転車操業的なディスカウントを繰り返して、安い価格を実現しようとする現実があります。

そんな行為が、現場やサプライチェーンに無理強いをして、酷使するだけでローコストオペレーションにならない・・・

結果、コスト高になってしまっていることに気づかない、というのが現実のような気がしてなりません。

そんなウォルマートの小売業としての経営信念と中長期ヴィジョンに基づいて構築した盤石の基盤に関わらず、

生活者がオンラインとオフラインを行き来する時代に、システムインフラを部分最適ではなく、未来の小売のヴィジョンを描いて、抜本的な入れ替えをやってのけた「パンゲア・プロジェクト」のリーダーシップには脱帽というか、小売業の「キング」としてのプライドと覚悟を感じたものでした。

大きくなって大企業病になり、身動きが取れなくなった企業経営者さんたちは、ウォルマートのVMIやセルフレジやBOPISやカーブサイドピックアップのような、メディアで話題になる視察対象になる表層的な施策レベルを真似るのではなく・・・

同社の流通業界そして社内に対するリーダーシップを学ぶべきだと痛感しました。

続いて、計算上では何年後かにはウォルマートの年商規模を抜く可能性もあるAmazonは、
小売業の姿をしたIT企業であり、金融企業。

常にAWSが稼ぐ利益が注目されますが、「マーケットプレイス」コンセプトのビジネスモデルがすごいと思いました。

同社が現代から未来にかけてのかつての「石油」にあたる、「データ」を欲しいままにしていることはよく知られていますが・・・

マーケットプレイスは豊富な「品揃え」を実現するだけでなく、「購買行動データ」と共に、「代金回収代行」によるキャッシュフロー創出の側面があることに「してやられた」感を受けました。

また、エンドユーザーとつながっている、オンからオフへ広がり続ける小売業であり、IT企業だからこそ、

未完成なまま顧客視点のサービスを次々にリリースし、
実際の顧客行動から得られた気づきにあわせて、システム修正を加えてゆくアジャイルさに、これはもう太刀打ちできないな、と思いました。

従来の小売業の多くはITがわからない、IT 人材がいないため、ITベンダーに発注するものですが・・・

発注した小売業はお金を払っているからと、ITベンダーに完璧なシステムを求め、

現場に明るくないIT企業側もクライアントに完璧な(?)システムの納品を目指す。

小売業とIT企業がそんな関係を続けている以上は、トラブルが続くだけで、
何年、いや何十年たってもAmazonには追いつかないだろうなと感じたものでした。

そして、実は、読後に一番印象に残ったのが、

ウォルマートとアマゾンの影で 規模を拡大し続ける
ドアダッシュ、インスタカートなどの「オンデマンド型短時間宅配サービス」の話でした。

日本では出前館やウーバーイーツを想像していただくとよいでしょう。

これは、BtoCのデリバリーサービスの顔をしていますが、
その本質は既述のマーケットプレイスに近い、代金の回収代行によるキャッシュフロー創出ビジネスであると。

これまで営業利益が多い会社、無借金経営が美徳とされた小売業界。

購買行動が大きく変わり、小売業とエンドユーザーとの間に登場する新しい切り口の企業たち。

これから伸びたり、登場したりする、そんな企業の動向からも目が離せないと思います。

アメリカでは、失敗もそれだけ多いけれども・・・

頭のいい人たちが考える新しい切り口のビジネスが登場する宝庫であることを

あらためて思い知らされたものでした。

Amazonでのご購入はこちらから アマゾンvsウォルマート

最後までお読み頂き、ありがとうございます。

 執筆: ディマンドワークス代表 齊藤孝浩

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March 14, 2022

LVMH モエ・ヘネシー・ルイ・ヴィトンの事業ポートフォリオの強み

Lvmh3月14日(月)発売のWWDJAPANに月イチ連載させて頂いている「ファッション業界のミカタ(ファッション流通業界の決算書の読み方)」連載35回目では

「LVMHの財務諸表に見るポートフォリオ経営」というタイトルでラグジュアリーブランドのコングロマリット、ルイヴィトン、ディオール、ティファニー、モエ・エ・シャンドン、ヘネシーなどを展開するLVMHの2021年12月決算を取り上げ、
年商8兆円を超えるLVMH社のビジネスモデルをいくつかのグラフで可視化してみました。

まず、2021年の業績は、地域別に見るとアメリカと中国の大幅回復、ファッション&レザーグッズとウォッチ&ジュエリーの伸びで過去最高の業績を更新した同社。

単にティファニーを買収したからだけではなく、
売上構成比の約半分を占め、利益構成比の8割を占めるファッション&レザーグッズが絶好調で、2016年からの年平均成長率だけを見ても2020年度を除き毎年コンスタントに20%ずつ成長し、この規模においても、グループ全体では2桁増を続けているのが強さの源泉です。

グラフ化して面白かったのは

〇 売上が大きく利益率が高いファッション&レザーを核に、

〇 商品回転は悪いですが、利益率の高いワイン&スピリッツ、

〇 利益率は低いが単価の高く金額を稼ぐウォッチ&ジュエリー、

〇 利益率は低いが在庫が回転してキャッシュを稼ぐパフューム&コスメティック、

〇 その他にSEFORAセフォラやDFS(免税店)のようなリテール事業を運営していますが、

ぞれぞれが役割分担をするように、補完し合う、事業の組み合わせとバランスがとても面白いと思いました。

そして、ブランドビジネスというより、富裕層をターゲットとした投資会社としての側面を垣間見ることができました。

複数事業を運営する企業にとっては、この事業ポートフォリオのバランスのとり方も重要な経営センスのひとつだと確信します。

ご興味を持って頂きましたら、本日発売のWWDJAPAN3月14日号をお読みください。 

ウェブ版は来週以降に公開になると思います。

とても面白く、グローバルビジネスを考える上で参考になる事業モデルのひとつですので、

今後、同グループをビジネス&財務の側面から定点観測をして行きたいと思います。

最後までお読み頂き、ありがとうございます。

執筆: ディマンドワークス代表 齊藤孝浩

【おススメ本】これから10年先のファッション消費の未来、そしてアパレル企業生き残りのカギになることは何?国内外で進む、顧客の購買行動の変化に合わせたオン・オフ問わないオンラインの活用、そして顧客のクローゼットを起点としたサステナブルな取り組みとは?いずれにせよ、カギとなるのはお客様のストレスの解消しようとする情熱とそれを実現するイノベーションです。

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March 07, 2022

目的なきデータ収集には意味はない~データドリブンなチームになるために必要なこと

Photo_20220307112901先週、東京ビッグサイトで開催された小売業向けデジタル機器やソリューションを紹介する「リテールテック」というイベントを覗いて来ました。

最近話題のメタバースなどの未来のテーマは前面には出ていませんが(笑)
今、そして3年後くらいを視野に入れた小売業の足元の業務課題解決がメインテーマの比較的現実的なイベントです。

いろいろなテーマがある中で、

何年も前からメディア露出はありましたが、

店舗における人流や顧客行動や店舗オペレーションをセンサーやカメラで観察し、AIを駆使してデータで明らかにして、マーケティング的に活用できないか、また業務効率化が図れないかというソリューションがあり、

当イベントにもそのテーマのサービスを紹介する会社が何社か出展されておりました。

そんなサービスが登場する背景としては、

Eコマースの拡大と共に、ウェブマーケティングはデータに基づく、いわゆるデータドリブンな仮説検証が進んでいるのに対し、
店舗現場ではPOSの販売データや入出庫や在庫データくらいしかデータがなく、
業務改善が進んでいない、

画像をベースにしたデータ化の進化も進み、

そんな現代テクノロジーを駆使してデータを取得して提供しようというものです。

話を伺うと

リアルタイムに取得できる通行客、客層、入店客数、顧客動線、複数のデータを組み合わせれば、人やモノの動きに関するデータは何でも取れるといいますが

どんなデータを取ることが小売業にとって有益なのか?

データを取得して提供する方々は正直オペレーションに明るいわけではないので、

効果的な活用が実感を持ってわかっているようではありません。

一方、そんな提案を受ける企業の本部側の方々も、データを取ろうと思えば、何でも取れることに可能性は感じるものの、

興味はあっても、費用がかかることなので、活かし切れるかがわからず、具体的な依頼が出来ないでいる、というすれ違いを感じました。

このデータ取得と活用の壁をどう埋めるかが、
データ経営へのブレークスルーなんでしょうね。

ECやデジタルマーケティングをしている人から見ると、
アナログ、情熱、勘や根性で、俗人的にやっているように見える店舗販売でも、

実は、古くから、それらが形式値、つまり数値化されたり、共有されていないだけで、
自分たちが出来る範囲で、完ぺきではなくても、仮説検証している人たちもたくさんいらっしゃいます。

データを取らずとも、

前向きに顧客を見ている人にとっては、

顧客の反応は肌で感じていますし、

店内の顧客動線つまり、どこから入って、どこを通って、どこ立ち止まるか、

それによって売りたい商品を何処に置けば、結果が出るか、売上が最大化するのかを想像して、
それを実行しているものですし

そんな例を挙げれば、事例は次から次へとたくさん出て来ます。

むしろ、数字そのものよりも温かみのある、説得力のある経験値かも知れません。

データは取って貯めることが目的ではなく
何を成し遂げたいからから取得するのか?

その目的がなければ、データを細かく取っても、コストがかかるだけで

意味がないことは言うまでもありません。

そして

暗黙値だったものの裏付けを数値で取って確信したり、

上手くやっている人が出来て成果を上げていることを、
多くの仲間がそれを真似し、再現性のあるものにしたり、

更にそれに改善を加えるために使うもの

だと確信します。

これは「出来ている」と思っているECやウェブマーケティング側についても
当初は同じことだったはずです。

事業会社時代に

「マネジメント」の意味は

やりかたを変え、結果(数字)を変化させ、成果を出す(目標達成する)こと

と教えられたものでした。

これは仮説さえしっかり立てていれば、既存のシステムから出力できるデータでも検証可能なものでした。

データ活用にあたって、なぜそのデータを取るのか?

取得の目的と現場の行動成果を繋げる「目的の言語化」が求められています。

そして、目的を達するために、可視化するものは何か?
その答えは現場にあるはずです。

データは貯めこむものではなく、目的に応じて取得して使うもの。

データドリブン時代においても、

どんな仮説を立てて、どんなデータを取って、その数字を目標達成のために
変化させるのか、それを発掘することこそが
オン・オフ問わず「マネジメント力」の入口かも知れません。

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最後までお読み頂き、ありがとうございます。

 執筆: ディマンドワークス代表 齊藤孝浩

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February 21, 2022

ZOZO(ゾゾ)とアパレル専門店の財務諸表(PL、BS)を比べることで見えてくるEC拡大時代の経営課題

Zozo-pl-bs2月14日発売のWWDJAPAN、月イチ連載させて頂いている「ファッション業界のミカタ(ファッション流通業界の決算書の読み方)」では

日本最大級のファッションECモール ZOZOTOWNを運営するZOZOの損益計算書(P/L)と貸借対照表(B/S)の構造を、よくあるアパレル専門店のP/LとB/Sとの違いを比較することで解説をさせて頂きました。

 

エンドユーザーから見ればECモールも専門店も同じ小売業に見えますが、両者の財務構造が違うのは言うまでもありません。

ZOZOの場合、受託販売をメインにしているため商品在庫が極めて少なく、有形固定資産(店舗や倉庫資産投資)や敷金や差入保証金のような寝かせる投資資金が少ないのがBSの資産側の特徴です。

自社在庫を販売しているわけではないので、P/Lは売上原価が少なく(同社売上比5%程度)、ハンドリングする商品取扱高の30%程度の販売手数料収入を中心とした粗利がとても大きく見えます。

販売管理費の主要項目は、一般アパレル小売業が店舗と人件費が2/3占めるのに対し・・・

ZOZOは荷造運賃と物流関連人件費(業務委託含む)と本社人件費で2/3を占めます。

店舗型小売業よりも家賃・設備などの固定費が少なく、

人の生産性も高く、

近年、広告宣伝費販促費が圧縮出来ているので

高い営業利益率が獲得出来、積み上がるキャッシュや純資産の原資となっています。

リアル店舗とEC専売のECモールの大きな違いを見ることで・・・

これからEC化率が高まり、リアル店舗中心の財務構造にECビジネスの構造が被さって行く小売業が

向かって行く方向性や予想される変化と共に経営課題も予見出来ます。

それにしても、プラットフォーマーは在庫を持たずにビジネスを回しているので、現預金が多いのが非常に羨ましいですね。

店舗に家賃をたくさん払い、在庫を山のように持って商売をすることを何とか見直せないものかと、
そして、これからはP/L脳だけでは勝てない、B/S脳で勝負しないと勝ち残れない

と、あらためて考えさせられたものでした。

最後までお読み頂き、ありがとうございます。

執筆: ディマンドワークス代表 齊藤孝浩

【おススメ本】これから10年先のファッション消費の未来、そしてアパレル企業生き残りのカギになることは何?国内外で進む、顧客の購買行動の変化に合わせたオン・オフ問わないオンラインの活用、そして顧客のクローゼットを起点としたサステナブルな取り組みとは?いずれにせよ、カギとなるのはお客様のストレスの解消しようとする情熱とそれを実現するイノベーションです。

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February 14, 2022

Amazon アメリカでのプライム会員年会費値上げで考える ECの送料負担

20220214_181247Amazonが2月から(既存会員は3月末から)アメリカでプライム会員の年会費を20ドル上げて年139ドルにすると発表しました。

4年に一回20ドルずつ上げて来て、今回も前回の値上げからちょうど4年目にあたる年でした。

プライム会費はミュージックやビデオなどのサービスがついたサブスク会費ですが、基本的には注文商品を早く、確実に商品を顧客に届けるための送料の原資であり、
物流コストの高騰(人件費含む)を、今回値上げの理由に上げていますから、今後も物流費が年会費のカギを握ることでしょう。

ちなみに日本においては2019年に3900円から4900円(月額500円)に値上げし、今回、日本では値上げはありませんが、アメリカと3倍以上もの開きがありますから、物流費高騰の日本においてもいずれは値上げとなるのでしょうね。

多くのアマゾンユーザーにAmazonはあたかも送料が無料?のように感じさせているマジックがこのプライム会員制

ちなみAmazonのプライム会費含むサブスクサービス部門の売上は同社の売上全体の6%を占めているそうです。

しかし、AmazonUSが物流費用の高騰を値上げの理由にしているように、私たちが支払っている年会費が送料の原資になっていることは忘れてはいけません。

Amazonは、自社の短期的な儲けではなく、市場における顧客体験のハードルのバーを上げ続けることを是とする、明文化された社内の行動指針が存在するので、追随他社から見ればクレイジー、過酷と言えるほどのサービスリーダー的存在です。

そして日本においても、競合たちはAmazonがリードする送料や配送スピードの基準を意識せざるを得ない「呪縛」に囚われてしまっています。

しかしながら、冷静に見つめれば、宅配を前提にしたECビジネスにおいては、送料こそが最大の販売管理費であり、これをどう扱うか、つまり顧客に負担してもらえるか、企業側が負担することになるのがビジネスの損益を決することは言うまでもありません。

世の中を見渡すとECの送料体系にはいろいろあります。

・いくら購入しても送料は◯◯◯円
と、その企業が業者に払うであろう送料をそのまま顧客負担にするパターンもあれば

・初回会員登録で送料無料(その後は基本有料)

・一回あたり5,000円以上のご購入で送料無料

このあたりが一番多いパターンでしょうか?

また

・いくら買っても一律210円、一律396円など、送料の一部を顧客に負担してもらうパターンや

・送料無料の原資として年会費を徴収するなど

さまざまな設定があります。

 

今のところの勝者は、

もともと送料込みで一律価格設定が出来ているサブスク的な専業(食品など)や

そもそも送料が含まれている宅配ピザのような、双方宅配前提、承知の上で価格設定がなされ、そんなビジネスモデルでPLが組めているところ

はたまた

ZOZOTOWNやEC専業のように、少額で、高く感じられない一律送料を顧客に一部負担してもらっているところ、

あるいは

出荷あたりの粗利額がしっかり取れていて出荷一件あたりの送料や個数あたりの物流関連単価のインパクトが損益にさほど影響がない企業

のように思います。

ちなみに勝者って売上だけを伸ばしていところではなく、しっかり利益も残しているところを意味しています。

一方、単価が低かったり、粗利が薄利なところで
お買い上げ5,000円以上で送料無料にしているのところは、

例え売上は伸ばせても、正直、あまり儲かっていないのではないのが現実ではないでしょうか?

そういったところは、アマゾンのようにサブスク形式で原資(固定費)を確保するのも手かも知れませんが、
会費を払うかどうかは、購買頻度や得した感の演出にもよるでしょう。

服だけを販売しているところは、そうしょっちゅう同じブランドで買うわけじゃないので、年会費を頂くのは結構ハードルが高いかも知れません。

そう、EC時代の勝者は、何らかの工夫で企業側が送料をもろかぶりしないところ、それがキーワードのひとつではないかと思っています。

最後までお読み頂き、ありがとうございます。

執筆: ディマンドワークス代表 齊藤孝浩

Furukaiten-224【セミナーのお知らせ】 2月24日(木)10:30~12:00 フルカイテンさんのセミナーに登壇します。

テーマは「物流2024年危機」を見据えたOMO戦略 ~物流コストを粗利益に換える発想転換~

参加費:無料  詳細・申し込みは https://full-kaiten.com/seminar220224

 

【おススメ本】これから10年先のファッション消費の未来のカギになることは何? 世界で進む、顧客の購買行動の変化に合わせたオン・オフ問わないオンラインの活用、そして顧客のクローゼットを起点としたサステナブルな取り組みとは?いずれにせよ、カギとなるのはお客様のストレスの解消しようとする情熱とそれを実現するイノベーションです。

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February 07, 2022

ショールーム店舗から3層構造で利益を得る、丸井(マルイ)の収益構造

B8ta1月26日の日経MJに「売らない店」と称して、ショールーム店舗の入居に積極的な
丸井グループの記事が掲載されていました。

丸井はその昔、アパレルを中心に販売する百貨店の1社とくくられていましたが
(実際は月賦百貨店)、

現在の丸井グループの決算書を見ると、

セグメント別売上収益は 小売 4割 フィンテック 6割 
同売上総利益(粗利)は 小売 3割 フィンテック 7割
同営業利益は      小売 2割 フィンテック 8割

の構成比で、

小売セグメントの粗利の6割強が家賃収入から得られ、フィンテックと呼ばれる事業セグメントのマジョリティは
エポスカードなどのクレジットカード事業であり


クレジットカード手数料、キャッシング、賃料の3つで粗利の75%を稼いでいる のが現実で

従って、同社は小売業(リテール)ではなく、金融・不動産会社と言った方が適切かも知れません。 

この転換は、かつての「百貨店」の生き残り方の1つの答えだと思っています。

そんな丸井グループの子会社である株式会社丸井の社長の青野さんのショールーム店舗に対する取り組みに関するコメントの中で
興味深いコメントがあったので取り上げてみたいと思います。

以下「  」内は記事からの引用です。

 

「売らない店のような体験型のテナントもアパレル(に貸すの)も、
とれる家賃は一緒。それだけでは成長戦略にならない。」

 

「丸井は小売りだけで利益を出すのではなく、
フィンテック、共創投資と3層構造で利益を得られるのが特徴だ。」

 

「他の商業施設はQRコードを付けて在庫を持たないような「売らない店」をすることはできても
収益を3層構造にできるかというと難しく参入障壁が高い。」

 

「まず「売らない店」がテナントとして入れば家賃として小売の収入が上がる。
次に丸井グループが発行するエポスカードにテナントから入会する人が増える。
テナントのファンがカードを丸井の外でも使えば加盟店手数料が入る。
さらに、共創投資先がBASEや駿河屋など30社以上あるが、
それらがリアル店舗で顧客を拡大して成功すると株価が上がったり、
IPOしたりして投資収益を得ることができる。」

とのことです。 コメント引用は以上です。

多くの商業施設が、空きスペースを埋めるために、
流行りの未来型テナントとしてDtoCを標ぼうする企業たちのテナント誘致をしていますが、
そのトレンドに乗るだけでは、今までと変わらない、儲からないだろう、
と自信を見せているコメントです。

丸井の場合、正直、自己資本比率は高くありませんが、
ある意味、「金融会社」なので、資金調達力があります。

これで、まずは高利回りの稼ぎ頭である、
金融(フィンテック)事業を回す。

逆に言えば、ここが回っていれば、心配はありません。
世の中で最も強いビジネスのひとつですから。

そして、かつては自前でも商売していた自社物件(館)を活用しながら、
今は自社販売ではなく、家賃収入を得る。

他人資本を上手く活用して金融と不動産を回しながら、
積み上げる自己資本で未来型企業に投資をするという
投資会社になろうとしているわけですね。

正直、現在投資されている先が思うように収益化するか、
また、出口が見つかるかどうかはわかりません。

しかし、金融事業という強い事業の後ろ盾を持ち、
未来に向けて投資会社として変化しようとする姿には
力強さを感じたものでした。

 

話は変わりますが、ここのところメディアで目につく
「売らない店」という表現には違和感を感じています。

日本で開業するショールーム店舗は、なぜか頑なに、
売らないとか、在庫を持たないとか、購入はオンラインで、とか・・・

寸止めというか、小売業の役割を放棄して、企業の都合を押し付けている感じがしてしかたありません。

商売なんだから、売ったらいいんじゃないでしょうか。
買った商品を持って帰れるのも、大きな顧客満足のひとつです。
 
お手本にされている海外のショールーム店舗の多くはある程度在庫を持ち、持って帰りたい顧客にその場で売っていますよ。

在庫が切れている時はオンラインで買ってね、と薦めて来ますが。

なんか、カタチだけではなく、顧客の立場で考える覚悟も 是非、見習って欲しいものです(笑)

最後までお読み頂き、ありがとうございます。

 執筆: ディマンドワークス代表 齊藤孝浩

【オススメ本】 これから10年先のファッション消費の未来のカギになることは何? 世界で進む、顧客の購買行動の変化に合わせたオン・オフ問わないオンラインの活用、そして顧客のクローゼットを起点としたサステナブルな取り組みとは?いずれにせよ、カギとなるのはお客様のストレスの解消しようとする情熱とそれを実現するイノベーションに他なりません。

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