POSの可能性が流通再生を救う
今日の日経新聞にダイエー再生のキーを果たすといわれているスーパー、マルエツのPOSレジに関する記事が出ていましたので興味深く読みました。
コンビニではかなり前から行っていますが、精算時に顧客の性別・年齢(客層)を入力して行う客層ごとの商品分析を、実験段階から全店規模で実施に移すとのことです。これは、営業時間延長の中で時間帯別の購買客層が違うため、これに対応するための品揃えの見直しを行う、というものです。同社によると、スーパーの昼間の中心客層はいわずと知れた主婦、ところが、夕方から夜にかけては働く女性、夜に至っては6割が男性だということです。
この政策は顧客満足に応えるPOSの使い方のひとつで、実は、ファッションを扱ってる私が関与した企業でも実績があります。実績というか、非常に有効でした。
実は、商品売上だけにフォーカスしたPOSデータの分析、単品管理には落とし穴があります。今、売れているものだけを肯定し、売れているものの品揃えを増やすとします。しばらく売上は上がります。しかし、それにかまけている間に本来、その店が好きで、そこそこ高くて、よいもの(これは実は企業にとって粗利率も高いのですが)を買っていた常連さん(上客さん、と呼びます)向けの品揃えが薄くなり、客離れを起こしてしまいます。そうすると、いわゆる売れ筋が切れたとたんに売上は落ち込みます。蓋を開けてみると、以前と客層が変わっていたりします。
ですから、バランスをもった品揃えを維持するのに、商品x客層分析は大切なのです。 同じような事例で客離れを起こした話をホームセンター関係の方からも聞きました。
百貨店で実験中のICタグももちろん大事です。ですが、それ以前に、高い投資をするまえに、既存システムを活用した、顧客満足を追求したの使い方は、まだまだあるんじゃないでしょうか。
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