ダイエーのゆくえ
業界最大の再生案件は今週、商社の丸紅グループにゆだねられることになりましたが、残念ながら、同グループが600億円を出資して、年間700億円の商権を守ったという風にしか感じられませんでした。キアコンの沢田さんがやってくれたら、なにかありそうだな、と思っていましたが、産業再生機構が主導ではなかなか難しいでしょうね。
そもそもダイエー、イトーヨーカドー、イオン(ジャスコ)、西友などGMS(ジェネラルマーチャンダイジングストア)は、アメリカのマス流通を見習って作られた、供給側の論理、チェーンストア理論に基づくビジネスモデルの典型的な業態ですね。最近は機能しづらい業態であるのは言うまでもなく、各社脱却の道はそれぞれです。
イオンはショッピングセンターのデベロッパーとしての家賃収入に活路を求めているようです。西友はウォールマートの傘下で低価格路線を打ち出していますが、EDLPのやり方、手順に問題を感じます。一方、イトーヨーカ堂は、価格に走らず、あえて自主的な商品の品揃えにチャレンジして、デザイナーブランドを立ち上げたり、元伊勢丹の藤巻さんを起用して商品MDを構築しようとしています。実は、イトーヨーカ堂のチャレンジは楽しみにしているのですが、でもどれも、「不動産」、「価格」、「商品」といった、昔からある「単一発想」「20世紀モード」の延長線上に見えて仕方がありません。
イトーヨーカ堂が苦戦しているのに、同グループのセブンイレブンがうまく行っているのは、なぜか考えてみました。セブンイレブンが売っているのは、24時間営業という「時間」であったり一日5回のジャストインタイム「物流」であったり、「本物」を追求した商品開発へのチャレンジであったりします。だから鈴木さんもキーワードのないイトーヨーカ堂の再生に手を焼いているのでは、と思います。
さて、ダイエーは?オーソドックスにただの食品スーパーになってしまうのか?だとしたら結果は目に見えています。 成熟した消費者=生活者が納得して、関心して、感動する「商品」「価格」以外の新しいキーワードをつくり売ることができるでしょうか?
次回は新しいキーワードについて考えて見ます。
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