ファッション製造小売業(SPA)の先輩から学ぶもの
やはり触れておかなければならないのは、QRの生まれたアメリカの先輩SPA企業、レス・ウエックスナー氏創業のリミテッドグループでしょう。リミテッドブランズ社は最近では日本でも有名になったアバクロンビー&フィッチやビクトリアズシークレットを生み出した企業グループです。今はGAPグループの方が大きいですが、かつては世界一のファッションリテーラーグループでした。
彼らのQR活用手法を簡単にご紹介すると、
1.コレクション情報、マーケットリサーチから、これは売れる、と思うものをバイヤーたちがヨーロッパのブティックの店頭で5店舗分買い付けをする。この際、1枚や2枚のサンプル購入ではなく、5店舗の売り場が作れるくらい大量に買う。
2.「リミテッド」のラベルに付け替えて、自分の店で売れるであろう価格をつけてあらかじめ決めているパイロット店舗5店舗で実験販売する。
3.販売結果、反応のよかったものの要素を分析し、即座に海外に仕様書発注。
4.発注した商品は、チャータージェット機まで使い、最長6週間でセンターに入る。
入荷した商品の販売、消化はすこぶるいい、とのことです。
これらの彼らのSPA手法は、15年前に書かれた 「リミテッド社はなぜ世界最大になれたか」 に詳しく書かれています。
マーケット分析、顧客分析を通して実験を繰り返す、科学的ファッション手法を体系化した世界のSPA企業のお手本です。日本のSPA企業にも応用できる要素がいっぱいあります。同様の手法は日本に進出しているZARA(ザラ)も使っていますね。ZARAの場合は、実験商品を自分たちで生産できる工場をスペインの本社の敷地内に持っているとのこと。これも強みですね。
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