そもそも顧客満足とは
今週、学生時代のお友達で、現在、生活や消費関連の本なども出筆してる方と会って、ランチをしながら、そもそも顧客満足とは、なんていう話をしました。
アメリカ流の顧客満足(CS)を見習って、日本の小売業界でも、「お客様のためには」、「顧客第一主義」が口にされます。果たして、CSは現場ではどのように解釈され、実践されているのでしょうか。また、お客さんの声を聞いてそのとおりにすることが本当によいことなのか?と考えてみました。
「顧客のために」、とは言うな、「顧客の立場で考える」と言わせている。先日読んだ「本当のようなウソを見抜く」の中のセブンイレブンの鈴木敏文さんの言葉。なぜなら、「顧客のために」、というと、社員が、過去の経験から、顧客とはこういうもの、と売り手の都合で勝手に考えてしまうから、とのことでした。
また、本場アメリカにしても、たとえばリターンポリシー(どんな事情でも顧客からの返品を受け付ける)やクレーム対応にしても、顧客の声を聞くチャンスとして、小売企業ではあたりまえのように対応してくれますが、実際、スタッフの態度は事務処理的にしか感じられないケースが多いです。苦情を素直に受け入れ、お詫びの印にこれを、というちょっとびっくりするサービスが提供されたりしますが、そうすれば顧客は喜ぶであろう、マニュアルにあるからそうするわけで、心がこもっているとは思えないのです。「そうじゃなくって・・・」と思ってしまいます。お客さんが本当はどういう気持ちでいるのか、と考えられているのでしょうか?と疑問です。
「顧客満足」は企業論理の都合のよい言葉として、一人歩きしてしまっている ようです。
普段は自分が顧客として、何かを感じているのに、逆の立場になると、それを忘れてしまっている。最高のサービスを提供するためには、まず、自分が妥協を許さない顧客であること。とはCSで尊敬するべッツィーサンダースさんの言葉。
ってことで、私たちは、どんなことをお店に期待しているか考えてみました。
1.都合のよい場所で、時間にお店がやっていること
2.売りきれがないこと
3.期待どおり、またはそれより安い価格
4.探しているものがすぐに見つかる
5.買うものが漠然としていても、そこに行けば何かが見つかる
6.聞きたいときに手助けしてくれる、教えてくれる店員がいる
7.待たされない(手際よい対応)
8.そこに行けば情報が得られる
9.その店に行くと楽しい(鮮度、活気)
10.そこで買ったことが恥じにならない、よかったと人に話せる
基本的なことのようですが、どれかひとつでも、しくみや制度として徹底できているお店はけっして多くないようです。このいくつかを実現して、お客さんの心の中に刻み込まれたら、口で言わなくても顧客満足(CS)店のひとつになるのでは、と思います。
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