ファッション小売でも活かされるトヨタのカンバン方式
競合店が既存店前年割れに苦しむチェーンストアの中で、あるジーンズ専門店は、ジーンズのカンバン方式で業績を伸ばしています。
一般的にジーンズやシューズは、品番あたりのサイズが多く、単価の高い商品です。顧客の期待に応えるためには、必然的に在庫が膨れ上がってしまい、効率が低いため、企業の資金繰りを圧迫する頭の痛い商品群でした。
それに対し、このチェーン店では、店別のジーンズの商品回転を分析して、最低限の店別在庫計画を作成、一方、サイズ切れによる顧客離れ、売り逃しを防ぐために、1本売れたら、翌日に1本補充するメーカーの協力と物流を整備しました。
結果として、全体の在庫が大幅に削減されたにもかかわらず、機会損失を減らし、顧客満足を上げ、売上を上げました。まさしく、ジャストインタイム、トヨタのカンバン方式です。
その昔、私がシューズバイヤーだったころも、同様の手法(仕入れとセンター物流の活用と店間移動の併用)で店舗ごとのサイズ切れを減らし、お客さんや店舗スタッフに喜ばれ、見事業績に貢献することができました。
ファッション流通業界では、売り逃しを避けるために、店舗在庫が過多になったり、一方、売れ筋は逆に欠品してしまって、売り場の魅力がなくなり、その割には店員の商品管理作業が忙しくなり、笑顔も消え、顧客離れを起こすことが多いです。どんぶり勘定の「つけ」ですね。
上記のチェーン店のように、システムを使って上手に商品管理をすれば、資金繰りだけでなく、品切れなし、という顧客満足を実現することによって、業績も向上するものです。ここにも、異業種の英知を活かした、企業戦略がありました。
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