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May 31, 2005

個性にチャンスを、109ステージ

 渋谷109が2004年にマルキュー25周年企画としてスタートさせた「109ステージ」。7階の元飲食売り場を活性化させようと、チャレンジブランドが1年間限定のショップを開くことができ、その間の業績がよければ継続を許される、という勝ち残り企画です。
 04年は5店舗の枠に82件の応募があり、1年が経過し「ギルフィー」という小さなアパレルが運営するお店が勝ち残り決定。今年は、3店舗の枠があるそうです。
 さすがマルキュー、ファッションインキュベーター的なこともしている、と非常に興味深く見守っています。

 日本でブランドを立ち上げ、成功するには、いわゆる「しかけ」が必要といわれます。また、せっかくいい企画があっても営業面で苦労されているブランドの話をよく聞きます。
 先日、そんな話を数人の方としていて、そういえば、とアメリカでの話を思い出しました。
 アメリカはブランドメーカー→セールスレップ(営業代理業)→小売店という図式ができており、いい客先を持っているセールスレップがついてくれれば、成果報酬手数料営業を代行してくれます。また、もう一つの問題、販売代金の回収について、COD(キャッシュオンデリバリー;日本でも代引きがありますが)という制度が一般的で、UPSなどの宅配業者が商品と引き換えに高額でも小切手を回収してくれます。
 日本でもこんなしくみがあれば、もう少し、クリエーターが企画生産に集中できて、多くのよい作品が日の目を見るチャンスもあるのだろうな、と思ったものです。

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May 30, 2005

イトーヨーカ堂衣料トップに藤巻氏

 26日付で、IYG生活デザイン研究所社長に就任したばかりの藤巻さんが、イトーヨーカ堂(IY)本体の取締役執行役員衣料事業部長に就任、との発表がありました。
鈴木会長によると、藤巻さんは、ある程度、IYを客観的に見れる立場においておいたはずなのに、2ヶ月で早くも、実質、同社の衣料品の情報、決定権、責任が一元化されたことになるわけです。

 新聞によると、どうやら、この取締役衣料事業部長というポストは、この2年間で5人目とのことで、半年ごとに変えてきたこの人事を見ると、IY社がいかに混乱しているかが伺えます。

 通常、ファッション事業の場合、シーズンごとの品揃え、商品政策がもっとも重要なため、建て直しをするにしても、その成果は1年後でないと出ないはず。 すなわち、引き継いだそのシーズンは当然前任者が仕掛けた政策なので最初の半年は敗戦処理、次の半年で軌道修正できたとしても、その変化にお客さんが気づいて戻ってきてくれるのに、さらに半年がかかるからです。

 あまりにも性急なプレッシャーで、業界のカリスマとは言え、できるものも押しつぶしてしまわなければいいな、と思いますが。

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May 29, 2005

多業態化は儲からない?

 ファッションリテーラーの競争の末、優勝劣敗が鮮明になり、勝ち組みの次なる成長戦略が取りざたされています。成功法則で伸ばして来た既存業態が、既存店売上が前年対比を割り始め、出店余地もない(=飽和状態)、となり、競って新業態開発が行われます。
 
 ところが、一般的には、必要性にはかられて、社内の「掛け声」は新業態に向いても、十分な経営資源を投入できなかったり、既存スタッフが兼務するケースが多いようです。結果、根気よく取り組めず、成果が上がらず、「やっぱりいま儲かっている業態の方がいい」と思い始めてしまい、長続きしないのが一般的でした。

 27日の日経MJの一面に、青山商事、はるやま、ライトオンの新業態開発に関する記事が出ていました。
この中で、青山商事の新業態開発は興味深く見守っているところです。

 「洋服の青山」で価格破壊ブームを起し、ロードサイド(郊外路面店)ショップを中心紳士服売上ギネス記録を持つ同社が、かつて「AOYAMA」の名前で都心を攻めましたが、差別化ができずうまくいかなかった過去があります。看板だけかえて、「そのまま」をやったからいけなかったのでしょう。
 
 ところが、オンリーが開発した2プライススーツストア業態、「スーパースーツストア」の成功を見るや、ヤングターゲットで「THE SUIT COMPANY(TSC)」を展開、洋服の青山の匂いのしない、店舗と商品の感覚の割には割安なセレクトショップのような雰囲気で、見事20代のヤングサラリーマンの支持を得ているようです。

 続いて、TSCから、もっとも好調なシャツ部門を抜き出して「the shirt company (tsc)」を開発、メンズよりもレディースに力を入れているようです。

 昨年10月には、表参道、渋谷近くのピカソ347(トランスコンチネンツ、エンポリオアルマーニの跡地)の5階に、1階・地下にあるセレクトショップ、トゥモローランドに挑戦状をたたきつけるべく、ユニバーサルランゲージ(UL)という、TSCのクオリティに飽き足らない30代の男女を対象にしたセレクトショップをOPENしています。これは、まさしくターゲットである私の目から見ても、店内の雰囲気、商品のクオリティ、価格(安い!)的に◎ですね。昨日、新宿東口のど真ん中に4層で2号店をOPENしたようですが、これが多店舗出店して、採算ベースに乗って来たら、セレクトショップ御三家も価格の見直しを迫られ、真っ青だと思います。

 同社は、新宿など、大商圏に複数新業態を多店舗出店することによって、ターゲット、商品、店の雰囲気、スタッフは別にするものの、配送インフラは共通にして、新業態運営にあたっても、コストを低減することを考えているようです。 

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May 26, 2005

企業コラボTシャツのからくり

 ユニクロはじめ量販チェーンで販売されている企業コラボTシャツなる商品があります。
 企業のロゴをクリエーターがプリント用のデザインに起こしなおし、Tシャツとして、1000-1900円くらいで販売されているものです。ユニクロのFR社では、3年目で、前年の3倍が参加し、コラボ企業は今年108社にも登るとのこと。

 通常、ブランドライセンスと言うと、販売する企業(この場合ではユニクロ)がロイヤリティという商標使用料を支払って製品化するものですが、この手のいわゆる企業コラボの多くは、逆に企業側が広告費として費用を払って、小売店が販売しているケースが多いようです。

 これは、異業種のファッション専門店、量販店の店頭に並ぶことによって企業のアピールが消費者にできる、なおかつ、販売されてTシャツを着て街を歩いてもらうことによって、広告宣伝につながる、との発想から来ているようです。

 でも、そこそこ売れているようですが、街であまり着ているところを見かけないのは、私だけでしょうか?
実は、この企業ロゴTシャツ、もちろん一般消費者にも売れているようですが、企業側の社員や家族が買うケースが多いそうです。特に、製造メーカーの地元での売上がダントツに高いとのことです。
また、地方の方が、帰省の際に勤務先のものを買ってお土産にしたり、故郷の家族が息子・娘の勤務先のものを買う家族需要も多いらしいとのことです。

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May 25, 2005

地方ファッション専門店の活性化策

 24日の繊研新聞の1面コラムから。
 地域密着型のファッション専門店の業績が年々悪化しており、大手アパレルの卸販売も大きく売上を落としています。
 大手アパレルのワールドは、もともと日本全国の専門店に強いアパレル卸として売上を拡大しましたが、90年代のオゾックを皮切りにSPA(製造小売業)に力を入れて、今や売上の80%以上が小売売上になります。コラムによると、今年も375店出店、期末店舗は、1473店になるそうです。
 チェーン店が事業拡大にあたって、一番大きな問題のひとつは、人材と教育であるのは、いうまでもありません。

 そこで、同社は、いい接客販売人材がいるのに、立地の問題で売上不振に陥る地方専門店の現状に着目して、同社の出店による人手不足をマッチングさせ、よい販売員のいる専門店に販売代行を依頼するビジネスモデルを計画しています。そうすることによって、不振地方専門店は、安定収益を確保でき、ワールドサイドも専門店が持つ優良顧客を自店に誘導することができるWIN WINモデルとのこと。
 さすが、全国に強い営業と提案指導力を持つワールドの強さを感じました。

 話は変わりますが、かつて、飲食のビジネスモデル化とFC展開で有名なベンチャーリンクがレインズの「牛角」のFCを拡大した時のことを思い出しました。同社の親会社は、中小企業向けの大手コンサルティング会社ですが、お金と土地と人はいるけれども、今後のビジネスや、後継問題に不安をもつ全国の10万を超える会員企業に対して、FC加盟を勧めることにより、一気に数百店舗というFCを作っていったとのことです。
 
 全国規模のビジネスモデルと地方の経営資源をマッチングさせることが、ひとつの地方の活性化策になるのだな、と実感したものです。

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May 23, 2005

ダイエー再生の処方箋

 本日の日経MJ、ダイエー再生関連の記事から。
 特に興味深かったのは、再生機構富山COOのインタビュー記事のところ。

 確かに、かつて、日本でチェーン店を再生させようというと、とかく業態コンセプト論に終始することが多かったと思います。お客さんは日本にまだないこんな新しい業態を望んでいる、こんな業態があれば、競合から売上を奪回できるのでは、といったようなものです。

 ところが、外資系コンサルティング会社出身者の多い再生機構がその処方箋の中核に当てているのは、「現場主義」であるというところ。林さん、樋口さんを含め、再生機構グループはナショナルチェーン店で、全国一律の品揃えが通用するわけがない、個店対応の重要性を説いて、PDCAサイクルという、仮説を立てて、実行して、ダメだったら仮説を立て直してやってみる、そのスピードを問う、定石理論を実践しようとしています。

 世界でもっとも成熟しているマーケットのひとつとして、海外の大手企業も苦戦を強いられる今日の日本。日本人は満たされており、もう、日本に「ないものはない」のかもしれません。そう仮説立てした上で、各店の顧客を分析して、顧客の期待に忠実に応える仮説と、フットワーク、それを支援する現場主義が必要であることを言っているのだと思います。このあたりが、現場の方々(というより中間管理職)が理解して実践していけば、再生も真実味が出てくると思います。

 同じようにその存在が問われているイトーヨーカ堂、イオン。新しい業態や商品を開発することも大事ですが、それ以前に顧客が見えているんでしょうか、それに日々応えるような努力はきっちりしているのでしょうか?食品であっても、ファッションであっても、小売業ってそれだけある意味、地味で毎日の積み重ねであることを忘れてはいけないと思います。

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May 22, 2005

セシルマクビーの勢いと今後の課題

 今週、業界の繊研新聞に、快進撃を続けるレディースブランド、セシルマクビーの取材記事が連載されていました。 評判的にも、売場に行っても、ブームを超越して、いつもすごさを感じていたので、興味深く読ませてもらいました。

 ご存知のように、同ブランドは、レディースの老舗企業のデリカが1987年から展開するSPA(製造小売型)ブランドで、かつて渋谷109ブームに乗って、韓国市場でのクイックデリバリーのモノづくりで名を馳せたブランド群の勝ち残り組の一社。引き続き、もっとも激戦のヤングレディース界で常に売上的にもトレンド的にもリーディングブランドの地位を維持しています。

 数値的に見ると、2001年に32店舗で100億円の大台を越え、2005年に36店舗で166億の年商と、店舗を拡大せず、増床もせず、1店舗あたりの売上を1.5倍にした計算です。
代表的な渋谷109の売上は、約65坪で年商14億(月坪184万円)売るそうで、5年間連続109の一番店の座を維持しています。

 これだけ業界をリードし、消費者からも業界からも「すごいブランド」と注目されていて、4年間で4店舗しか出店せず、一店舗あたりの売上を1.5倍とした同社のやり方は、ある意味、堅実性を感じます。

 オペレーションを見ると、キーパーソンの常務さんと、洋服で2人、雑貨で2人のターゲット客層に年齢が近い企画仕入担当の計5人が、アイテムごとに専業メーカー各4―5社、合計30―40社の専任担当者の協力を得て企画を考え、生産を回しているから、とても効率がいいと言えます。
 週単位の発注、2-3週間以内での生産ということで、特に、新作は、金曜日に投入、土日の反応だけで、キーパーソンの常務さんが追加生産の判断をするそうです。

 記事を通して、感じたのは、お客さんと企画生産現場の距離を短くして、少数精鋭できるだけ早く回そうとしている、そうするためには、どうしたらよいかの人海戦術的なオペレーションでした。
正直、まだ「しくみ」とは言えないし、同社も、現場の販売・作業人員の育成や、本部、店舗のオペレーションの整備を追っかけで今後の課題として取り組みはじめているようです。

 しかしながら、一般的に、業界では、多くの企業が時間をかけて作り手側の発想をこねくりまわすやり方が圧倒的に多い中で、同ブランドは、お客さんと企画生産の距離を短くして考え、そこにスピードを求める根本的な発想に、成功の秘訣を感じました。

 店舗をチェーン化していると、30店舗から50店舗へのハードルがもっともきついと言います。それは、「ヒトからしくみへ」の転換なのではないか、と言われています。それがわかっているからこそ、同社も同規模での売上増に固執したのかもしれません。
 セシルが今のよさを活かしながら、今後どのように成長されるか、楽しみです。

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May 19, 2005

百貨店でのICタグ導入1ヶ月を振り返って

 三越百貨店本店と阪急百貨店梅田店の婦人靴売場でICタグの導入が始まって、まもなく1ヶ月になろうとしていますが、本日の繊研新聞に三越での経過が載っていました。

 導入時にコメントしたブログ記事はこちらにあります。

 同紙によると、お客さんが在庫を検索できるタッチパネル式端末の評判は上々で、お客さんがご自身で見るだけでなく、接客する店員も活用しているようです。一方、店員用のPDA端末は、店内在庫だけでなく、問屋在庫も見れて、いわゆる客注が取れる機能があるのですが、操作しづらいらしく、あまり活用されていない、とのことで、タッチパネル端末の増設が要望されているようです。

 婦人靴では、売上増効果が実証されており、お客さんからも、売場のスタッフからも、評判がよく、アパレルの売場にも拡大して欲しい要望があるようです。今回の婦人靴のICタグは、売場の一定商品を一手に引き受ける靴問屋のシンエイの協力があったから実現したところもあるのですが、アパレルの方では、どこがコストと取り付けの手間を負担するか、が問題になりそうです。

 記事によると、せっかくICタグ用に作ったシステムなのに、バーコードでも在庫検索のできるシステムにカスタマイズすることを検討しているようで、実績が出ればICタグの導入にも弾みがつくようなことが書いてあります。
 いかに、これまで、百貨店の売場では、在庫管理がなされていなかったか、を露呈する内容で、であれば、時代を先取りしたICタグにちやほやするのではなく、まずは、バーコードできちっと販売管理在庫管理ができる体制を敷いたほうがよさそうなものだ、と思わざるを得ません。
 
 ICタグによる顧客満足の道のりは長そうです。

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May 18, 2005

復活なるか?カシオGショック

 アメリカから火が付き、90年代に一世を風靡した腕時計、カシオGショック。
 同社は、「BACK TO THE 90’S」をキャッチフレーズに再び10代20代にフォーカスした販売促進を始めた、とは、今日の日経MJの記事から。

 90年当時は、腕時計というよりは、ファッションであったり、コレクターアイテムだったような気がします。
私自身も、スピードモデルと言われる人気モデルDW-5600などを集めたり、アクセサリーバイヤーをやっていたころは、アメリカで海外モデルの買い付けをやったものです。
 
 Gショックの販売数量は、97年の約240万個をピークに下降、2001年に100万個で底を打ち、また売上が上昇しつつあるようです(2004年で約130万個)。
 腕時計販売が減少している背景には、腕時計をせず、ケイタイ電話で時間を確認する人が増えていることが大きい要因ではないか、と分析しています。

 ここのところ、ビジネスユースにメタル使用のモデルにより、30-40歳の客層を開拓したようですが、今回のキャンペーンは再び、10-20代に対して、レトロをキーワードに復活を図るのが目的のようです。

 次々と機能を高め続けるケイタイ電話に対し、「時間を見る」という機能だけでは、復活は難しいのではないか、と思います。よっぽど、Gショックをしているとクールである、と、よりファッションパーツとしてのポジショニングがなされなけらば、ケイタイに取られた客層は取りもどせないのではないか、と思われます。

 いっそのこと、クールなケイタイ、Gショックシリーズを出した方がいいのではないか、と思ってしまいます。

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May 17, 2005

H&M、次なるコラボはステラ・マッカトニー

 スウェーデン本社のヨーロッパ最大のファッションSPA(製造小売業)企業、H&M(エッチアンドエム;へネス&モーリッツ)は、ヨーロッパコレクションのトレンドアイテムを市場最低価格で販売することで、快進撃を続けていますが、同社のこの秋の仕掛けは、ステラ・マッカトニーとのコラボレーションに決定したそうです。
 昨年の秋にカール・ラガーフェルドとのコラボコレクションを欧米の大型店で、数十分で完売させた次なる仕掛けになります。

 ステラ・マッカートニーと言えば、その名の通り、ポールマッカトニーの娘、10代でクロードモンタナのコレクションを手がけ、カールラガーフェルドの後継者として、クロエの成長に貢献し、トムフォードに可愛がられ、グッチの後ろ盾で彼女のコレクションを出し、アディダスとのコラボでも有名なビッグネームですね。

 H&Mはある意味ファッションディスカウンターですが、カールラガーフェルドにしても、ステラにしても、一流コレクションデザイナーに「H&Mはすごい企業」とリスペクトさせ、プライドある彼らにH&Mとコラボすることがエキサイティングである、と言わしめるところは、やはり、すごい企業なのだな、と思います。

 H&Mは、リサーチの際、ロンドンのオックスフォードサーカスや、マンハッタンの5番街で必ずチェックする店舗です。いつも、ものすごい勢いを感じますね。買うか買わないかは別にして、ここで熱いものを感じなければ、商売人じゃないな、と思うくらいです。
 ヨーロッパの歴史を感じさせる立派な建物、内装、お客さんでごった返し、試着室前はそこそこかっこいい女性で長蛇の列。価格は安くて、日本のユニクロ価格くらいではないか、と思います。また、ZARA(ザラ)とは対象にボリュームのある商品陳列量!東欧、中近東、アフリカ製が多く、クオリティーは、日本人には耐えられないかもしれませんが、感覚は悪くなく、2-3回着れればいいや、という人には十分でしょう。

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May 16, 2005

カリスマ型から駅伝型企業へ

 本日付の日経MJ一面に「無印良品」を運営する良品計画の業務改革の記事が出ていました。
 実質的な創業者である現西友CEOの木内さんから社長の松井さんの時代に変わるにあたり、「カリスマ型から駅伝型」への変革中とのことです。
 かつては、「わけあって安い」、とノンブランド定番品の「ブランド」として一世を風靡した同社ですが、ユニクロの出現によって色があせてしまい、一時期低迷をしていました。現松井社長は、来期最高益に向けて「文化や感性だけに頼らない経営」への転換に向けて合理性と標準化がキーになると考えていらっしゃいます。

具体的には、
 1、明確な数値出店基準に基づく店舗出店
 2、発注量の方程式化
 3、品だしの効率化
の3つに触れられていますね。

 2の発注量については、値下げをしないで売れた実績値を初回発注量(たとえば70%)とし、レディースなら発売1週間、メンズなら2週間で計画の1.3倍なら追加生産、0.7倍なら残っている素材を別のデザインに転用する、というように、かなり早い時期に意思決定するようで、在庫を3年前の半分にしたとのこと。
 3の店舗作業の4割を占める品だしについては、商品回転と売り場の維持の観点に基づき、補充・整理の時間帯別作業計画が組まれています。
 
 特にびっくりすることはないのですが、当たり前のことを当たり前にやることが大事なことだと思います。
どうやら、社外取締役になったしまむらの藤原会長の指導のもとに進んでいるようで、同氏の影響は、そのしくみづくりの哲学から海外物流までおよぶといいますからさすがですよね。

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May 15, 2005

ユニクロのM&A戦略

 各紙によると、ユニクロを運営するファーストリテイリング(FR)社がフランスのカジュアルファッションSPA企業、コントワー・デ・コトニエを展開するネルソン社を参加に収める、とのことです。

 FR社の3大戦略のひとつ、M&A戦略の一環、最近の話ですと、アメリカ発信のレディースキャリアブランド「セオリー」、再建中のシューズチェーン「ワンゾーン」に続く3件目となります。
 
 今回の買収は、ユニクロは感度の高いデザインソースの確保、フランス出店への足がかり、ネルソン社は、さらなる事業拡大の資金面とユニクロの中国の生産背景と、双方にメリットのあるM&Aに見えます。
すでに傘下におさめ、マザーズ上場が決まった「セオリー」についても同様なことが言えます。

 企業力でマスリテーラーがハイエンドファッション企業を買収した事例として、その昔、アメリカのリミテッド社によるヘンリーベンデルの買収があります。同社は、この買収で、ハイエンドからマスまで、各マーケットにおけるファッションライフサイクルを利用した商品開発に成功しました。
 そういった意味で、本業のユニクロに磨きをかけるM&Aは◎だと思います。

 逆に、FR社のM&Aの中で、ワンゾーンの買収は見ものです。ワンゾーンの前身は、かつて東京靴流通センターやフットアップを展開するチヨダとロードサイドで戦争を繰り広げたものの、敗れた「靴のマルトミ」です。業界大手のチヨダやABCマートの土俵(マーケット)は、ナショナルブランドの独壇場です。つまり、ユニクロが得意なオリジナル商品ではなく、ブランド仕入れ品がキーとなるマーケットといわれています。

 このマーケットで、ユニクロはどう立ち回るのか?レディースのオリジナル商品に力を入れるのか?郊外出店が今後の成長のキーとなるABCマートと組むのか?野菜のように、直接関係がなく、経営資産を分散させすぎるM&Aは考えものだと思いますが。


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May 13, 2005

企画生産のスピードを支えるコミュニケーション

 スペインのZARA(ザラ)の企画・生産・配送・販売のスピード、ファースト・ファッションシステムを支えているのは、シームレス・コミュニケーションとクロス・ファンクショナル・チームにあると言います。

 同社には、メンズ・レディース・キッズの3つのチームと、店舗・マーケッター・デザイナー・生産担当・工場という機能があります。チーム別の縦割りのシームレス(継ぎ目のない)なコミュニケーションとともに、各チームが、同じ場所にいて、同じ機能を共有しているため、横割りのコミュニケーションが図られて、チームを超えてよい相乗効果が得られているとのことです。
 たとえば、メンズのデザイナーがレディースのデザイナーに意見を求めたり、同じ生産ラインを共有しているため、キッズの生産担当がメンズの生産担当からアドバイスをもらうことも日常茶飯事とのこと。

 一般的に、分業が前提の業界慣習の中では、アウトソーシング先との利害、コミュニケーションの希薄性や、セクショナリズムによって他部署と取り合い、いがみ合いをしたりすることによって、ロスが発生するものです。

 SCMというと、生産効率や経費の削減ばかりに目が向きすぎていて、しくみは作ったが、一般顧客に支持が得られず、業績を落とし、結果的に不良在庫を残した事例が多いと思います。実際には、各分業企業間での利害関係のために、「顧客不在のSCM」をしているわけですね。

 ZARA(ザラ)がアパレルSCMのベストプラクティスとして紹介されるのは、やはり、顧客と店頭を基点として、そのためにどのようなインフラを整備し、オペレーションし、コミュニケーションするか?とデマンドサイドを優先させて、不測の事態も想定して、体制を敷いていることにある、と実感しました。

 日本において、ZARA(ザラ)のように、すべてを自前で抱えることは、なかなか難しいと思います。しかしながら、ザラのように、頭をまっさらにして、店頭現場を起点に企画生産販売がもし、すべて一箇所で完結するとしたら、というところから考えたら、個々の業務はどうあるべきか。結果、部分部分をアウトソーシングするにしても、どうしたら、その原型(ザラ)に限りなく近いようにオペレーションできるか、を考えることが顧客満足型SCM=DCM(ディマンドチェーンマネージメント)に近づく方法ではないか、と考えさせられました。

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May 12, 2005

今、買わないと売り切れる

 ファッションビジネスにおいて商品生産量、店頭在庫量は、いつも

 ○売り切れによる販売機会損失 と
 ○在庫過多による見切りロス

 のどちらを取るかの議論となります。
 
 店頭で需要のある分だけ、多品種小ロット短サイクル生産を積み重ねる、ZARA(ザラ)は、店頭では売り切れを奨励するといいます。
 顧客が自分に似合う商品の在庫が店頭に1枚しかなくて、今、買わないと次回来た時には、売り切れてなくなってしまうのではないか、という危機感を煽り、その場の買い上げにつなげる、また、実際、品切れの場合でも、常に新しい商品があるので、他の商品を買ってしまうという状況を作り上げます。実際、それだけ新商品が次々に入荷するため、顧客のZARA(ザラ)の店舗への来店頻度も他社に比べて高くなり、好循環を生んでいます。実際、GAPやH&Mが年間商品回転7回転に対して、ZARA(ザラ)は10回転という数字が出ています。
 
 日本のファッションチェーンストアでも、しまむらやハニーズがこの考え方で、店頭の鮮度管理を行っています。
しまむらの場合は、仕入型ですが、全店にいわゆる1アソート(各色各サイズでセット状になっているもの)1回しか配分せず、生産型のハニーズにしてもいくら売れている商品でも、まったく同じものは、追加をかけず、売れている要素だけを分析して、残し、少しデザインを変えて生産に入るのを定石にしています。

 この場合、当然店舗によって売れ行きのばらつきが出ますが、ZARA(ザラ)同様、入荷後、2-3週間で売れない店から売れていて足りない店に在庫を移動させてしまうのが、商品を売り切る秘訣にしています。

 ファッション性の高いアイテムを多品種品揃えしているお店はこれで◎だと思います。

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May 11, 2005

ZARA(ザラ)の「すべてを自前で抱える強み」

 余剰な設備、材料は持たない、流通段階で各パートナーがリスクを分散して持つのが、SCM(サプライチェーンマネージメント)の定石。 ところが、ZARA(ザラ)の場合は、その逆を行っていると言えます。
 できるだけ自前で抱えて、コントロール下に置く。需要がブレても同じリズムで発注~生産~配送を行うしくみと整える。それが、同社がもっとも大事にする、顧客の需要に対する「スピード」と社内情報共有の「リアルタイム性」を実現する「答え」と考えています。

 サプライチェーンで顧客の需要(川下)から生産原料(川上)まで役割分担するパートナーが増えると、いわゆるブルウィップ効果が起き、過剰在庫の原因となります。このブルウィップ効果とは、極端な例ですが、実際の10の店頭需要情報に対し、発注担当者がもっと売れるだろうと、12を発注し、それを受けたメーカーの営業マンがさらに売れるだろうと、生産工場に15で伝える、生産工場も切らしたらいけないと、20生産できる材料を調達してしまい、流通段階には、10の余剰在庫が発生してしまう、という話です。それぞれが、余剰在庫ロスを負担しますが、当然、そのロスは、各企業の利益を圧迫するか、転嫁されて、最終的に消費者にしわ寄せが行きます。
 
 こういった流通段階の余剰在庫を排除するために、店頭での売り切れをむしろ奨励し、(顧客は売り切れる前に買わねば、と思うし、売り切れても他の商品を買ってくれる、と考える)、需要があるものだけを週2回の発注、多品種小ロット短サイクル生産(15日)を行い、物流センターをハンガー納品で出てから、ヨーロッパで24時間、アメリカで48時間、日本で72時間で店頭に並べる体制を整えているわけです。

 この体制を維持するために、実際、余剰人員、余剰設備、低い稼動率と思われる状況を容認します。 むしろ、その体制により、店頭の鮮度が保て、商品回転が高まり、キャッシュフローが向上し、不良在庫ロスが極めて少なくなるため、余剰と思われる経費を十分吸収してもあまりある利益が出るということです。 事実、自前の設備を一切もたないGAPやH&Mよりも高い利益率、商品消化率を上げているというデータも出ているそうです。

 これらの記事を読んでいて、これはある意味、ファッションSPA(製造小売業)として、世界の一等地に店舗を構え、ファッションという高回転の商品を扱う「小売業のキャッシュフロー」に裏打ちされたしくみであって、どんなにすばらしいメーカー、例えZARA(ザラ)の工場の生産システムを指導したトヨタ自動車自身でも実現できる話ではないな、と思いました。まさに究極のSPA、SCMと言えます。

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May 10, 2005

スペイン版トヨタ生産方式-ZARA(ザラ)

 書店のビジネス誌コーナーで時間をつぶしていた時、ハーバード・ビジネス・レビューの「在庫最適化のサプライチェーン」特集のタイトルが目に入ったので、手にとってみました。日本にも進出しているスペインのファッションSPA(製造小売業)、ZARA(ザラ)の記事が出ていたの読み始めたところ、なかなか読み手あるので、2200円と高い雑誌ながら、買ってしまいました。

 ZARA(ザラ)は、世界50カ国、650店舗を直営するインターナショナルなSPA企業で、日本へは、DCブランドで有名な、BIGI(ビギ)グループと組んで進出を果たし、現在、日本主要都市に次々に大型店を出店しており、感覚のよい女性を中心に、安いのにセンスがよい、と評判のファッションチェーンです。

 同社のことは、記事や人づてに聞いて、多少知っているつもりでしたが、記事を読み終えて、ここまで、本格的「製造小売業」なファッションSPAはないのではないか、と改めて感心させられました。

 同社の歴史は、1975年、当時アパレル会社を経営していたオルテガ氏が、卸会社に納品予定だった下着を大量キャンセルされ、その在庫をさばかなければ会社が倒産するという危機にさらされ、在庫を販売するために始めた店が発端だそうです。
 そのときの教訓から成功のためには、「片手は工場に、もう一方の手は顧客に触れていなければならない」つまり、顧客が購入するまでは、商品を自社管理しなければならない、という哲学をビジネスで実践してきたそうです。その結果が、全体の50%は自社生産。自社物流から南ヨーロッパは陸路、その他は、航空便を使って、世界の直営店にデザインを起こしてから15日以内に店頭に並べる仕組みをつくったわけです。

 今週は、このZARA(ザラ)について、綴ってみます。続きはまた明日。

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May 09, 2005

単品特化でオンリーワンを目指す

 バリュープランニングが全国にショップ展開する神戸元町発 B3(ビースリー)は、主にミセス向けに、同社が特許を持つストレッチパンツの販売に特化した急成長業態です。以前は卸をしていましたが、SPA(製造小売業)に特化、今年2月期は15%アップの28億円の年商、今年は、33店舗出店して、期末85店舗にするそうです。

B3(ビースリー)ホームページ

 ソックスの靴下屋、シャツのメーカーズシャツ鎌倉など、ショッピングセンターで単品特化でビジネスモデルを作る企業に、また、注目株の登場という感です。

 単品特化業態は、売り場坪数が小さくてよいため、高い坪効率と、在庫コントロールのしやすさ、一度ファンになったらリピーターが期待できる業態と言えます。このビースリーも「ヘルシー&ビューティ」をテーマに、決してファッションを訴えるのではなく、ソリューション、顧客ロイヤリティを訴える業態であるようです。

 ビースリーの登場を知ったころ、アメリカにあるBillsKhakisといういわゆるチノパンメーカーを思い出しました。同社は、第二次大戦軍用モデルのチノパンの履き心地に感動した若き創業者が80年代に興した会社です。

 彼は、気に入って履き心地がよく、履きつぶしたパンツが、シーズンが変わってしまうと、店頭から消えてしまい、2度と手に入らない業界の現状に疑問を抱き、素材のバリエーションは変えるものの、型紙を変えないことをコンセプトにしたチノパンメーカーを、大戦モデルの復刻版とともに発案しました。そして固定客から絶大なる支持を得ているとのことです。

 シューズやパンツでは、同じ経験のある私も、共感できます。ファッションはファッションとして、パーツ的なアイテムには、このアイテムならここ、というオンリーワン的な、こういったソリューションがあってもいいのではないか、と思ったものです。

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May 08, 2005

スーパーマーケットも店舗デザインで差別化する

 最近、スーパーマッケットも食品の価格の安さと鮮度だけではなく、個性的な店舗デザインを
海外のデザイン事務所や美術大学に依頼して、他社との競合の中で差別化しようとしているそうです。
そんなトレンドが大丸ピーコックなど都心型の店舗で始まっている、とは、7日の日経新聞夕刊記事。

 飽食の時代に、価格とボリュームだけでなく、質やライフスタイルといった切り口が求められるのは、もっとものことだと思います。外食産業にも、グローバルダイニング、際グループなど、世界観のあるチェーンがかなり登場しているし、スターバックス、タリーズといったカフェや、紀伊国屋、伊勢丹クイーンズシェフ、成城石井、カルディコーヒーファームといったグルメ志向のスーパーや食材店も増えているのは事実。オーバーストアの中で、そういった、ライフスタイル型食品ストアには、魅力を感じます。輸入食材を見ているだけでも楽しいものです。
 
 ところで、業界の中にいると、他の業界は隣の芝生は青く見えるもの。以前、ファッション系のコンサルタント会社の方と話をしていたところ、最近この会社への業務依頼先は、アパレルよりも、異業種が増えているとのこと。クライアントさんたちは、その異業種にファッション的であったり、ライフスタイル的なアプローチを期待して依頼をしてくるそうである。

 店舗の世界観と商品の差別化で勝負するのは、ファッション業界の専売特許。 そう、ファッション業界もまんざらではない、飽きっぽくて、多様化する需要に長年こたえてきたノウハウが異業種で活かせるのではないかと思う今日この頃。

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May 07, 2005

日本が誇る老舗スポーツシューズブランドの復権

 1949年創業、日本のスポーツシューズの老舗、アシックス社が海外戦略を加速している。
本日付繊研新聞によると、今期、世界統一戦略ショップ「アシックス」をドイツにオープンさせるとのこと。また、同紙によると、アシックス社の海外売り上げ比率はこの3月期の連結決算で50%を占めるとのことです。
 
 同社は、日本のスポーツマーケットの全体の低迷により、しばらく苦戦をしていましたが、3年くらい前に、オニツカタイガーを海外からライフスタイルブランドとして復刻させ、今や、日本のファッションマーケットの中でも、クールなブランドとして成功を収めたと言えます。

 オニツカタイガーと言えば、知る人ぞ知る、ナイキの創業者フィル・ナイト氏もオニツカタイガーを仕入れ、その販売からナイキの前身をスタートさせたことで有名です(ナイキ物語JUST DO ITより)。
 学生時代、バレーボールの選手でならした、ある日本の有名スポーツシューズチェーンの社長さんもオニツカタイガーのプロショップから商売を始めたそうです。
 思えば、中学時代バスケットボールをしていた私も、オニツカタイガーのクラリーノ(合皮)製のバッシュでプレーしていたので、非常に愛着があります。
そんな思いで、アシックスのオニツカタイガーのHPを見てみました。

アシックス・オニツカタイガーHP

 これは、一見の価値がありますね。歴史を見ると、オニツカタイガーの最初のシューズはバスケットボールシューズだった。裸足で走っていた、と思っていたエチオピアのアベベもオニツカ、円谷選手もオニツカのランニングシューズを履いていたんですね。

 2-3年前にロンドンに行った時、あるライフスタイルシューズショップチェーンで、ナイキ、アディダス、プーマと並んでいたオニツカを見た時、正直かっこいい、と思ったのを思い出しました。先端の技術で世界のナイキに影響を与えた、日本のオニツカ=アシックス。世界での活躍を応援しています。がんばれニッポン!

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May 05, 2005

派生ブランドについて考える

 伊勢丹などの百貨店が、郊外のショッピングセンターに出店しているアパレルの百貨店ブランドの派生ブランド展開にストップをかけ始めているようです。

 オンワード樫山は、百貨店に「23区」や「組曲」といったブランドを販売していますが、一方、それらの派生ブランドとして、「23区ドゥ」や「組曲ファム」といった(アパレルが直営している)SPA型ショップをショッピングセンターに展開しています。当然のことながら、派生ブランドであって、商品はまったく区別されていますし、価格帯も違います。しかし、ブランドの知名度を利用したこれらのショップは広告宣伝費をかけずして、出店即好業績を上げています。

 これに、百貨店がストップをかけ、オンワード樫山は、やむなく、顧客が全く想像のつかない「23区ドゥ」を「フェルゥ」、「23区オム・ドゥ」を「ドゥ・コンセプトラボ」に変更したとのこと。「組曲」についても、秋までに変更するそうです。そうすると、単純にSCの売り上げの維持に苦労するであろうと思われます。

 ファッション業界に派生ブランドはどこにでもある話です。アパレル側も、確かにブランドを百貨店の看板を利用させてもらって育てたかもしれませんが、ブランドはアパレル側に帰属するわけで、これにいちいち目くじらを立てる百貨店もどうかと思います。むしろ、百貨店自身のあり方を考え直してもらったほうがよいような気がしますが。
 他のアパレルはもっと派手にやっているのに、やはり、百貨店とアパレルの個々の力関係もあったのでしょうか。逆に、このご時勢に、消費者無視、ということで、公取が問題にしないものか、と思ってしまうくらいです。

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May 03, 2005

アメリカの高級百貨店が身売り

 アメリカの高級百貨店であるニーマンマーカスが投資会社2社に身売りするとの報道がありました。
 アメリカの百貨店といえば、数年前のカリフォルニア在住時の感覚でいうと、
 JCペニー、シアーズ・・・・庶民的
 ロビンソン・メイ、メイシーズ、ブルーミングデールズ・・・・中級
 サックスフィフスアベニュー、バーニーズ・・・・準高級
 ニーマンマーカス・・・・高級
と、ショッピングセンターの格も同居している百貨店で、すぐにわかったものです。
 その頂点クラスのニーマンマーカスは富裕層の安定的な消費による業績好調にもかかわらず、非上場をし、株主に気を使わず、自由な経営を求めての「身売り」、という手段に出たことが興味深いと思いました。

 旬な会社を、いったん非上場にして、面白い経営をして、違った魅力をつけて、再上場して儲けよう。そんな、オーナー一族と、資金余力がふんだんにある投資ファンドの利益が一致したようです。

 一般的に上場企業は、体裁と配当のための業績を整えておけば、資金調達がしやすくなる利点はあるようですが、株主の手前、公開前のように思い切ったことができなくなったり、そのため、個性がなくなるケースが、特に店舗を持っている小売企業には顕著にあるのではないか、と思います。日本でも、結構好きだったのに、あの店なんかつまんなくなっちゃったな最近、というケースを見てきました。

 日本でも、M&A、MBO、企業再生ファンドなど、金融テクニック先行の戦略が世間を騒がせていますが、ニーマンマーカスのケースのような、営業を優先した、充電期間を設けて、また面白い姿を見せてくれるような企業の考え方もあってもいいのではないか、と思いました。

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May 02, 2005

ハニーズ東証一部に上場

 4月27日付けで、レディースカジュアルチェーンのハニーズがジャスダックから東証一部に上場しました。
 ハニーズは、日本全国に400店舗弱のどこにでもありそうなナショナルチェーンですが、ビジネスモデルとしては、ユニクロと対比できるほど注目すべきものを持っている会社であると思います。
 
 ユニクロはご存知のように、万人に向けたベーシック商品、需要予測(SCM)による計画生産、単品大量生産、大型店舗出店、広告宣伝にお金をかけるのが特徴です。これに対し、市場最低価格政策は共通しているものの、ハニーズの方は、ヤングレディースカジュアルの売れているトレンド商品を、4-6週間といったQR(クイックレスポンス)での生産、しかし同じ商品は追加生産しない、小型店舗で出店、広告宣伝費をかけず、といった対極の商品販売政策を持っています。
 ベーシックだから売れ残りリスクが少ないというユニクロ方式は誰もが考え付きます。しかし、リスクが大きいと思われるトレンド商品に特化するのは、まさしく逆転の発想、結果、ユニクロは読みが狂うと、すぐに値下げをするのに対して、ハニーズは、1900円、2900円というプライスだからこそかもしれませんが、年間セールをしない、あるいは、する必要がないので有名です。

 日本にまだ進出していない、海外の有力ファッションチェーンに以前も紹介したスウェーデンのH&M(エッチアンドエム、へネス&モーリッツ)がありますが、H&Mは、ヨーロッパコレクションのトレンドファッションを同シーズンに市場最低価格で販売してしまう商品政策を特徴にしていますが、ハニーズの考え方はまさしく、世界的なSPA(製造小売業)を例にすれば、GAP=ユニクロに対するH&M=ハニーズ。むしろ、中国という世界最大の生産背景を近くにもつ日本であるからこそ、H&Mよりも地の利が活かせる世界的に見ても注目すべきファッションSPA(製造小売業)企業かもしれません。

 ユニクロが座ったファッション業界の指定席のひとつ。業界に指定席はまだいくつも空いていますが、次の指定席はこのハニーズが座るのではないか、と期待のできる企業です。

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May 01, 2005

消費を変えるもう一つのICチップ

 前回のブログで、百貨店の婦人靴売り場でICタグの本格導入が始まったことに触れましたが、同じ週、ゴールデンウィークを前に、将来、私たちの消費に大きな影響を及ぼす、ICチップの活用に関連する報道がありました。
 それは、三井住友FGとNTTドコモの業務提携の話です。

 SONYグループが開発したICチップの一形態、「フェリカ」は、JRの「スイカ」、電子マネー「エディ」、ドコモのお財布携帯という形で活用が始まっていましたが、いずれもプリペイド式で金額にも制約があります。今回、お財布携帯がクレジットカードVISAと組むことは、ファッション商品、他、高額商品の購入にも影響を及ぼす新しいステージに突入することを意味します。

 毎年3月にリテール(小売流通)を取り巻く先端技術にフィーチャーした「リテールテック」という業界向けのショーが開かれていますが、今年の目玉は、RFID=ICタグと、フェリカでした。
 
 一方は物流に、一方は決済に、作業軽減と顧客のコンビニエンス性と目的は違いますが、流通と消費を変える可能性の高い2つのICチップの活用から今後も目が離せません。

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