多業態化は儲からない?
ファッションリテーラーの競争の末、優勝劣敗が鮮明になり、勝ち組みの次なる成長戦略が取りざたされています。成功法則で伸ばして来た既存業態が、既存店売上が前年対比を割り始め、出店余地もない(=飽和状態)、となり、競って新業態開発が行われます。
ところが、一般的には、必要性にはかられて、社内の「掛け声」は新業態に向いても、十分な経営資源を投入できなかったり、既存スタッフが兼務するケースが多いようです。結果、根気よく取り組めず、成果が上がらず、「やっぱりいま儲かっている業態の方がいい」と思い始めてしまい、長続きしないのが一般的でした。
27日の日経MJの一面に、青山商事、はるやま、ライトオンの新業態開発に関する記事が出ていました。
この中で、青山商事の新業態開発は興味深く見守っているところです。
「洋服の青山」で価格破壊ブームを起し、ロードサイド(郊外路面店)ショップを中心紳士服売上ギネス記録を持つ同社が、かつて「AOYAMA」の名前で都心を攻めましたが、差別化ができずうまくいかなかった過去があります。看板だけかえて、「そのまま」をやったからいけなかったのでしょう。
ところが、オンリーが開発した2プライススーツストア業態、「スーパースーツストア」の成功を見るや、ヤングターゲットで「THE SUIT COMPANY(TSC)」を展開、洋服の青山の匂いのしない、店舗と商品の感覚の割には割安なセレクトショップのような雰囲気で、見事20代のヤングサラリーマンの支持を得ているようです。
続いて、TSCから、もっとも好調なシャツ部門を抜き出して「the shirt company (tsc)」を開発、メンズよりもレディースに力を入れているようです。
昨年10月には、表参道、渋谷近くのピカソ347(トランスコンチネンツ、エンポリオアルマーニの跡地)の5階に、1階・地下にあるセレクトショップ、トゥモローランドに挑戦状をたたきつけるべく、ユニバーサルランゲージ(UL)という、TSCのクオリティに飽き足らない30代の男女を対象にしたセレクトショップをOPENしています。これは、まさしくターゲットである私の目から見ても、店内の雰囲気、商品のクオリティ、価格(安い!)的に◎ですね。昨日、新宿東口のど真ん中に4層で2号店をOPENしたようですが、これが多店舗出店して、採算ベースに乗って来たら、セレクトショップ御三家も価格の見直しを迫られ、真っ青だと思います。
同社は、新宿など、大商圏に複数新業態を多店舗出店することによって、ターゲット、商品、店の雰囲気、スタッフは別にするものの、配送インフラは共通にして、新業態運営にあたっても、コストを低減することを考えているようです。
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