企画生産のスピードを支えるコミュニケーション
スペインのZARA(ザラ)の企画・生産・配送・販売のスピード、ファースト・ファッションシステムを支えているのは、シームレス・コミュニケーションとクロス・ファンクショナル・チームにあると言います。
同社には、メンズ・レディース・キッズの3つのチームと、店舗・マーケッター・デザイナー・生産担当・工場という機能があります。チーム別の縦割りのシームレス(継ぎ目のない)なコミュニケーションとともに、各チームが、同じ場所にいて、同じ機能を共有しているため、横割りのコミュニケーションが図られて、チームを超えてよい相乗効果が得られているとのことです。
たとえば、メンズのデザイナーがレディースのデザイナーに意見を求めたり、同じ生産ラインを共有しているため、キッズの生産担当がメンズの生産担当からアドバイスをもらうことも日常茶飯事とのこと。
一般的に、分業が前提の業界慣習の中では、アウトソーシング先との利害、コミュニケーションの希薄性や、セクショナリズムによって他部署と取り合い、いがみ合いをしたりすることによって、ロスが発生するものです。
SCMというと、生産効率や経費の削減ばかりに目が向きすぎていて、しくみは作ったが、一般顧客に支持が得られず、業績を落とし、結果的に不良在庫を残した事例が多いと思います。実際には、各分業企業間での利害関係のために、「顧客不在のSCM」をしているわけですね。
ZARA(ザラ)がアパレルSCMのベストプラクティスとして紹介されるのは、やはり、顧客と店頭を基点として、そのためにどのようなインフラを整備し、オペレーションし、コミュニケーションするか?とデマンドサイドを優先させて、不測の事態も想定して、体制を敷いていることにある、と実感しました。
日本において、ZARA(ザラ)のように、すべてを自前で抱えることは、なかなか難しいと思います。しかしながら、ザラのように、頭をまっさらにして、店頭現場を起点に企画生産販売がもし、すべて一箇所で完結するとしたら、というところから考えたら、個々の業務はどうあるべきか。結果、部分部分をアウトソーシングするにしても、どうしたら、その原型(ザラ)に限りなく近いようにオペレーションできるか、を考えることが顧客満足型SCM=DCM(ディマンドチェーンマネージメント)に近づく方法ではないか、と考えさせられました。
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