ハニーズ東証一部に上場
4月27日付けで、レディースカジュアルチェーンのハニーズがジャスダックから東証一部に上場しました。
ハニーズは、日本全国に400店舗弱のどこにでもありそうなナショナルチェーンですが、ビジネスモデルとしては、ユニクロと対比できるほど注目すべきものを持っている会社であると思います。
ユニクロはご存知のように、万人に向けたベーシック商品、需要予測(SCM)による計画生産、単品大量生産、大型店舗出店、広告宣伝にお金をかけるのが特徴です。これに対し、市場最低価格政策は共通しているものの、ハニーズの方は、ヤングレディースカジュアルの売れているトレンド商品を、4-6週間といったQR(クイックレスポンス)での生産、しかし同じ商品は追加生産しない、小型店舗で出店、広告宣伝費をかけず、といった対極の商品販売政策を持っています。
ベーシックだから売れ残りリスクが少ないというユニクロ方式は誰もが考え付きます。しかし、リスクが大きいと思われるトレンド商品に特化するのは、まさしく逆転の発想、結果、ユニクロは読みが狂うと、すぐに値下げをするのに対して、ハニーズは、1900円、2900円というプライスだからこそかもしれませんが、年間セールをしない、あるいは、する必要がないので有名です。
日本にまだ進出していない、海外の有力ファッションチェーンに以前も紹介したスウェーデンのH&M(エッチアンドエム、へネス&モーリッツ)がありますが、H&Mは、ヨーロッパコレクションのトレンドファッションを同シーズンに市場最低価格で販売してしまう商品政策を特徴にしていますが、ハニーズの考え方はまさしく、世界的なSPA(製造小売業)を例にすれば、GAP=ユニクロに対するH&M=ハニーズ。むしろ、中国という世界最大の生産背景を近くにもつ日本であるからこそ、H&Mよりも地の利が活かせる世界的に見ても注目すべきファッションSPA(製造小売業)企業かもしれません。
ユニクロが座ったファッション業界の指定席のひとつ。業界に指定席はまだいくつも空いていますが、次の指定席はこのハニーズが座るのではないか、と期待のできる企業です。
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